JP2980511B2 - 抗菌性シリコーンゴム層を設けたガラスルーバー用型ガラス及びその製造方法 - Google Patents

抗菌性シリコーンゴム層を設けたガラスルーバー用型ガラス及びその製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はガラスルーバー用型ガラ
スに関するものである。本発明のガラスルーバー用型ガ
ラスは開閉可能なガラスルーバーに好適である。
【0002】
【従来の技術】型ガラスを複数枚多連とした可動式ガラ
スルーバーはハンドルの操作で型ガラスの開放角度を自
由に調節することができ、開けば換気ができ、閉じれば
風雨の侵入が防止できることから、浴室、食堂、リビン
グ、サンルームなどに使用されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ガラス
ルーバーの閉時であっても、ガラスとガラスの接触面に
できるわずかな隙間より風雨の侵入があり、気密性、水
密性がはめ込み式ガラスに比較して劣るという問題があ
った。この問題の対策として、特開昭60−3381号公報に
見られるように、上下に位置する型ガラスの接触面にシ
リコーン樹脂皮膜を形成して密閉性を向上させることが
提案され、特開平5-222881号公報には、ガラス板の接触
面に加熱硬化性シリコーンゴム接着剤を用いることによ
り接触面の隙間をなくし、風雨の侵入を防止することが
提案されている。これらの方法でガラスルーバーの密閉
性、開放性はある程度改良されるものの、ガラスルーバ
ーを風呂、台所、トイレ等の結露しやすい環境で使用す
る場合、シリコーン樹脂あるいはゴムにカビが発生しや
すいという衛生上及び外観上の問題がある。本発明はこ
のような不具合を解決し、ガラスルーバーの密閉性、開
放性を改良し、カビ等の菌類の発育を抑制するためにな
されたものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は前記の課題を解
決したものであり、複数枚の型ガラスを用いる開閉可能
なガラスルーバーに使用する型ガラスであって、ルーバ
ーを閉じたとき型ガラス同士が接触する表面部分の一方
又は双方に、ガラス面に接着した後記の抗菌性一液付加
自己接着型組成物の硬化物よりなるシリコーンゴム層を
設けたことを特徴とするガラスルーバー用型ガラス、ま
た、ガラスルーバー用型ガラスの表面にこのシリコーン
ゴム層を設けるに際し、Formed In Place Gasket法(以
下、FIPG法と略す)によりゴム材料を塗布し硬化させる
ことを特徴とする抗菌性一液付加自己接着型組成物の硬
化物よりなるシリコーンゴム層が設けられたガラスルー
バー用型ガラスの製造方法、を要旨とするものである。
【0005】以下に本発明について詳しく説明する。本
発明のガラスルーバー用型ガラスは、ルーバーを閉じた
とき型ガラス表面において型ガラス同士が接触する部分
の一方又は双方に、ガラス面に接着した抗菌性一液付加
自己接着型組成物の硬化物よりなるシリコーンゴム層が
設けられたものである。
【0006】本発明者らは、前記の課題を解決するため
種々検討の結果、シリコーンゴム層を設けるためのゴム
材料として下記の(A)〜(F)成分を含有する一液付
加自己接着型組成物を用いればよいことを見出した。こ
の(A)〜(F)成分とその配合量は、(A)1分子中
に少なくとも2個のアルケニル基を有し、25℃における
粘度が 100〜200,000cStであるオルガノポリシロキサ
ン: 100重量部、(B)1分子中にけい素原子に結合し
た水素原子を2個以上有し、かつそれ以外に反応性の基
を有しないオルガノハイドロジェンポリシロキサン:前
記(A)成分に含まれるアルケニル基1個当たり、けい
素原子に結合した水素原子を 0.6〜6.0 個供給するのに
充分な量、(C)平均粒子径 0.5〜50mμ、BET比表
面積80〜500m2/g の乾式シリカの表面をジメチルジクロ
ロシラン又はヘキサメチルジシラザンで処理したOH基数
0〜3.0 個/nm2の処理フィラー:1〜50重量部、(D)
白金族金属系触媒:触媒量、(E)けい素原子に結合し
た水素原子を1分子中に1個以上有し、かつエポキシ基
を有する有機基及びアルコキシ基から選択された少なく
とも1種の基がけい素原子に結合している有機けい素化
合物: 0.1〜10重量部、(F)抗菌性セラミックス:
0.5〜10重量部、である。
【0007】(A)成分は1分子中に少なくとも2個の
アルケニル基を有するオルガノポリシロキサンである
が、このアルケニル基としては、ビニル基、アリル基、
メタリル基、ヘキセニル基などの低級アルケニル基が例
示される。また、アルケニル基以外の有機基としては、
これを除く炭素数1〜10、好ましくは1〜8の非置換又
は置換の1価の炭化水素基を有している。このような炭
化水素基の具体例としては、メチル基、エチル基、プロ
ピル基、ブチル基等のアルキル基;シクロヘキシル基等
のシクロアルキル基;フェニル基、トリル基等のアリー
ル基;3,3,3-トリフロロプロピル基などを挙げることが
できる。上記アルケニル基は1分子中に少なくとも2個
有していればよいが、一般的にはけい素原子に結合した
全有機基中10モル%以下とすることが好ましい。
【0008】また、このオルガノポリシロキサンは25℃
における粘度が 100〜200,000cStとされ、この粘度に対
応する重合度を有している。粘度が上記範囲よりも高い
と(A)〜(F)成分からなる組成物の作業性が損なわ
れ、逆に上記範囲よりも低いと硬化物の特性等に不都合
を生じることがある。また、その分子構造は直鎖状であ
ることが好ましいが、一部が分岐していてもよい。この
ようなオルガノポリシロキサンとしては下記の(1)〜
(3)式で表わされるものが代表的である。
【0009】
【化1】 (上記式中、pは2又は3、s、u及びwは正の整数、
t、v及びxは0又は正の整数を表す。)
【0010】(B)成分は1分子中にけい素原子に結合
した水素原子を2個以上有し、かつそれ以外に反応性の
基を有しないオルガノハイドロジェンポリシロキサンで
あり、(A)成分のアルケニル基を有するオルガノポリ
シロキサンの架橋剤として作用するものである。すなわ
ち、前記(A)成分中のアルケニル基とこの(B)成分
中の SiH基とが付加反応することによりゴム弾性体の硬
化物が形成される。
【0011】このオルガノハイドロジェンポリシロキサ
ンにおいて、上記水素原子は分子鎖末端あるいは分子鎖
の途中の何れのけい素原子に結合していてもよい。ま
た、けい素原子に結合する有機基としては、前記(A)
成分のオルガノポリシロキサンにおいて例示されたアル
ケニル基以外の基を挙げることができる。このオルガノ
ハイドロジェンポリシロキサンは、直鎖状、分岐状、環
状の何れの構造であってもよいし、また、これらの混合
物であってもよい。また、これらのオルガノハイドロジ
ェンポリシロキサンは重合度が 300以下であることが好
ましい。以下にその例を示す。
【0012】
【化2】 (上記式中、b、c、d、e、f、g、iは0または正
の整数、hは2以上の整数を表す。)
【0013】(B)成分として使用できるオルガノハイ
ドロジェンポリシロキサンの別の例を示す。
【化3】 (上記式中、Rは水素原子、メチル基、プロピル基また
はトリメチルシロキシ基を表す。)
【0014】この(B)成分のオルガノハイドロジェン
ポリシロキサンは、前記した(A)成分としてのオルガ
ノポリシロキサンに含まれるアルケニル基1個当たり、
けい素原子に結合した水素原子を 0.6〜6.0 個供給する
のに充分な量、好ましくはSiH 基/アルケニル基のモル
比が 1.2〜4.0 となるような割合で使用される。
【0015】(C)成分は平均粒子径 0.5〜50mμ、B
ET比表面積80〜500m2/g の乾式シリカの表面をジメチ
ルジクロロシラン又はヘキサメチルジシラザンで処理し
たOH基数0〜3.0 個/nm2の処理フィラーで、ゴムに対す
る補強効果を有するものである。このフィラーは平均粒
子径が 0.5mμ未満であると(A)〜(F)成分からな
る組成物の流動性が低下し、50mμを超えるとフィラー
としての補強性が低下する。BET比表面積が80m2/gよ
り小さいとフィラーとしての補強性が低下し、500m2/g
を超えると(A)〜(F)成分からなる組成物の流動性
が低下する。乾式シリカとしては、日本アエロジル社製
の商品名アエロジル130、200、300、380 などの市販品が挙
げられる。この乾式シリカは表面をジメチルジクロロシ
ラン又はヘキサメチルジシラザンで処理したもので、OH
基数0〜3.0 個/nm2であり、特には0〜2.5 個/nm2の処
理フィラーが本発明に好適である。この(C)成分は前
記(A)成分 100重量部に対し1〜50重量部、好ましく
は5〜30重量部とされる。1重量部未満では補強効果が
なく、50重量部を超えても補強効果はそれ以上上がらず
かえってゴムが硬くなりすぎてしまう。
【0016】ゴムに対する補強性を有する任意成分とし
て、SiO2単位、Vi(R')2SiO0.5 単位及びR'3SiO0.5 単位
(Viはビニル基、R'は不飽和脂肪族基を含まない1価の
炭化水素基)を含む樹脂構造のオルガノポリシロキサン
(特公昭38-26771、特公昭45-9476 号各公報参照)を併
用でき、湿式シリカ(商品名ニプシルなど)も併用でき
る。フィラーとしては上述のほか、付加型シリコーンゴ
ム組成物について通常使用されているものは全て任意成
分として使用することができ、具体的には二酸化チタ
ン、酸化第二鉄、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、石英粉
末、けいそう土、けい酸カルシウム、タルク、ベントナ
イト、アスベスト、ガラス繊維、有機繊維等が挙げら
れ、単独或いは2種以上の組み合わせで使用される。
【0017】(D)成分の白金族金属系触媒は、前記ア
ルケニル基と SiH基との付加反応用触媒であり、硬化促
進剤として作用する。このような触媒としては白金系、
パラジウム系、ロジウム系のものがあり、これらの何れ
も使用することができる。本発明においては特に白金系
の触媒が好適であり、これに限定されるものではない
が、例えば白金黒;アルミナ、シリカなどの担体に固体
白金を担持させたもの;塩化白金酸、アルコール変性塩
化白金酸、塩化白金酸とオレフィンとの錯体等を好適に
使用することができる。これらの触媒の使用にあたって
は、それが固体触媒であるときには、分散性をよくする
ために細かく砕いたり、その担体を粒径が小さく且つ比
表面積が大きいものとすることが好ましい。また塩化白
金酸とオレフィンとの錯体については、これらをアルコ
ール、ケトン、エーテルもしくは炭化水素系などの溶剤
に溶解して使用することが望ましい。
【0018】これら触媒の使用量は、いわゆる触媒量で
所望の硬化速度を得ることができるが、経済的見地或い
は良好な硬化物を得るためには次のような割合で使用す
ることが好適である。すなわち、塩化白金酸のようにシ
ロキサン成分と相溶するものについては、前記(A)及
び(B)成分の合計量に対して 0.1〜100ppm(白金換
算)、また白金黒等の固体触媒については20〜500ppm
(白金換算)の範囲とするのがよい。さらに、組成物の
硬化速度を制御する目的で、任意成分として、Vi(R')Si
O 単位(Vi、R' は前記と同じ)を有するオルガノポリシ
ロキサン(特公昭48-10947号公報参照)、米国特許第3,
445,420 号明細書に開示されたアセチレン化合物、ある
いは米国特許第3,532,649 号明細書に開示された重金属
のイオン性化合物等を配合することができる。
【0019】(E)成分はけい素原子に結合した水素原
子を1分子中に1個以上有し、かつエポキシ基を有する
有機基及びアルコキシ基から選択された少なくとも1種
の基がけい素原子に結合している有機けい素化合物であ
るが、この成分は接着性付与剤として機能する。すなわ
ち、この有機けい素化合物は分子中に SiH基を有するた
めに硬化物中に取り込まれ、そのエポキシ基、アルコキ
シ基の存在によってこの硬化物の接着性が向上するもの
である。このような有機けい素化合物における上記アル
コキシ基としては、例えばメトキシ基、エトキシ基、メ
トキシメチレンオキシ基、メトキシエチレンオキシ基、
エトキシエチレンオキシ基、グリシジルオキシ基等を挙
げることができる。またエポキシ基含有有機基として
は、次式で表されるものが例示される。
【0020】
【化4】 (上記式中、k、m及びnは1〜6の整数である) これらのアルコキシ基及びエポキシ基は1分子中に両方
の基が同時に含まれていてもよいし、それぞれ2個以上
含まれていてもよい。
【0021】このような有機けい素化合物はそれ自体は
公知のものであり、例えばアルコキシシロキシ基を有す
るもの(特公昭53-21026号公報参照)、エポキシ含有炭
化水素基を有するもの(特公昭53-13508号公報参照)、
アルコキシシロキシ基とエポキシ含有炭化水素基を有す
るもの(特公昭59-5219 号公報参照)などが知られてお
り、本発明においてはこれらの有機けい素化合物を使用
してもよい。特に好適に使用されるものは下記式で表さ
れるものである。
【0022】
【化5】
【0023】
【化6】 これらの有機けい素化合物は、適宜重合度を増大するな
どして使用することもできる。この(E)成分は前記
(A)成分 100重量部に対し 0.1〜10重量部、好ましく
は 0.5〜5重量部とされる。 0.1重量部未満では接着性
付与効果が十分でなく、10重量部を超えても接着性向上
効果は変わらずコスト的に不利となる。
【0024】(F)成分は抗菌性セラミックスである。
この例としては、リン酸塩セラミックスに銀イオンを結
合させた銀系無機抗菌剤、例えば新東工業(株)製の抗
菌多孔質ビーズや、ゼオライトに銀イオン、銅イオン、
亜鉛イオン等を結合させたもの、例えば(株)シナネン
ゼオミック製のゼオミック(商品名)等が挙げられる。
(F)成分の配合量は前記(A)成分 100重量部に対し
0.5〜10重量部とされるが、 0.5重量部未満では抗菌性
が不十分であり、10重量部を超えても効果は変わらずコ
スト的に不利となる。
【0025】以上に説明した各成分のほかに、任意成分
として、硬化物の耐熱衝撃性、可撓性等を向上させるた
めに無官能性のオルガノポリシロキサンを配合すること
もできる。さらに、酸化セリウムなどの耐熱向上剤、酸
化チタン、ベンゾトリアゾール、炭酸亜鉛、炭酸マンガ
ンなどの難燃性付与剤、ポリエーテル系化合物などのチ
クソトロピック性付与剤、各種着色剤も任意成分として
適宜配合することができる。これまでに述べた任意成分
の配合量は、未硬化の組成物及び硬化物の物性が損なわ
れない程度としなければならない。
【0026】本発明に用いる未硬化の組成物として、前
記(A)〜(F)成分からなる組成物は好適なものであ
り、各成分を均一に混合することによって得られるが、
これを塗布したときにその形状を保持させるために、粘
度が10〜10万ポイズの範囲内になるように各成分の配合
量を調節するのがよい。
【0027】本発明は、ガラスルーバー用型ガラスとし
て通常使用されているものには全て適用できる。シリコ
ーンゴム層の形状はガラスルーバーの形状により適宜選
択すればよく、代表的なシリコーンゴム層の断面形状を
図1に示す。ガラスルーバー用型ガラス表面にシリコー
ンゴム層を設けるには、FIPG法が有利である。FIPG法で
は予めゴム成形品を作らず、適用対象物品の生産現場等
で未硬化のゴム組成物を塗布とか充填してから硬化させ
るのである。本発明では、塗布ロボットと輸送ポンプ及
びディスペンサーを組み合わせて、ディスペンサーによ
って吐出させると共に、予め記憶させたパターンにした
がって、塗布ロボットによりディスペンサーまたは型ガ
ラスを移動させることで未硬化のゴム組成物の塗布を行
うことができる。未硬化のゴム組成物は、塗布した後に
室温で硬化させることもできるが、熱風乾燥炉、赤外線
加熱炉、ハロゲンランプ加熱などの単独あるいは組み合
わせにより加熱硬化させるのが好ましい。
【0028】
【実施例】つぎに本発明の実施例を挙げる。 実施例1〜3、比較例1〜2 表1に示す組成例1〜5の組成物を、塗布ロボット(安
川電機製作所製、K10S)と供給ポンプ(兵神装備社製、
3NTL-08 )とディスペンサー(兵神装備社製、4NDP-04
)とを備えたFIPGマシンを使用し、図2に示すよう
に、ガラスルーバー用型ガラス(幅×長さ×厚さ=76×
540×6mm )の所定位置に塗布した後に、赤外線オーブ
ン(エスケイケイ社製、ダイヤモンド・ドーム)にて 2
00℃、2分間加熱硬化し、厚さ2mm、幅10mmのシリコー
ンゴム層を設けた。
【0029】各組成物の硬化物の物性は表1のとおりで
あった。なお、物性はJIS K6301 に準拠して測定した。
また、カビの発育試験を行ったところ結果は表1のとお
りであった。この結果にみられるように、抗菌性セラミ
ックスを使用した組成例1〜3及び5の組成物について
は、その硬化物上ではカビが発育しなかった。なお、カ
ビの発育試験はASTM-G21の試験方法に準じ、寒天平板上
に置いた前記組成例1〜5の組成物の硬化物試験片(30
×30mm)にカビ胞子懸濁液を噴霧し、温度25℃、相対湿
度80%の条件で1ケ月間放置し、カビの発育状態を実体
顕微鏡で観察した。試験に使用した菌はAspergilius ni
ger である。
【0030】参考例 上記実施例1〜3で得られたシリコーンゴム層を設けた
型ガラスを10枚使用してガラスルーバーを完成させ、図
3に示すように閉めた状態(接触状態)で野外に3ケ月
放置した結果、このガラスルーバーは3ケ月経過後も開
けることができ、その後も開閉に支障は生じなかった。
これに対し、比較例1及び2で得られたものを使用した
場合は約2週間で開ける際に負荷がかかるようになり、
3週間で密着力によりゴムの凝集破壊が生じ破損してし
まった。また、気密性、水密性、耐風圧性に関してテス
トした結果、表2に示されるように実施例1〜3のもの
は気密性、水密性、耐風圧性に優れ、本発明の効果を示
した。
【0031】
【表1】
【0032】表1中の各成分は下記のとおりである。 オルガノポリシロキサン:分子鎖両末端がトリビニルシ
リル基で封鎖されているジメチルポリシロキサン、粘度
100,000cSt。 オルガノハイドロジェンポリシロキサン:下記式で示さ
れるもの。
【化7】 処理フィラー:アエロジル 300(前出)をヘキサメチル
ジシラザンで処理し、OH基数を 2.4個/nm2としたもの。 触媒:塩化白金酸の2%イソプロピルアルコール溶液。 シリコーン樹脂:(CH3)3SiO0.5単位とSiO2単位のモル比
が 0.9の樹脂。 接着性付与剤:下記式の化合物。
【化8】 抗菌性セラミックス:抗菌多孔質ビーズ、新東工業
(株)製。
【0033】
【表2】 耐風圧性、水密性の試験方法はJIS A 4706準拠、数字は
等級。気密性の試験は、1kgf/m2 の風圧下でのもれ空気
量を計測し、8〜30m3のとき30等級、8m3未満のとき8
等級とする。
【0034】
【発明の効果】本発明により、長時間閉じた場合でも接
触面の密着力が大きくならず、開閉がスムーズに行える
ガラスルーバー用型ガラスが提供された。また、本発明
のガラスルーバー用型ガラスを使用すると、気密性、水
密性、耐風圧性に優れたガラスルーバーが得られるし、
使用するシリコーンゴム上ではカビが発育せず、耐熱
性、耐寒性、耐候性に優れるほか、ゴムの圧縮永久歪が
小さいので長時間使用してもゴムが型くずれせず、特性
を保持する。さらに、FIPG法により安定した品質の製品
を量産できるので有利である。
【図面の簡単な説明】
【図1】代表的なシリコーンゴム層の断面形状を示す図
である。
【図2】本発明のガラスルーバー用型ガラスの一例を示
す説明図である。
【図3】図2に示すガラスルーバー用型ガラスを用いた
場合の、ルーバーを閉じたときのシリコーンゴム層とガ
ラスの断面における接触状態を示す説明図である。
【符号の説明】
1 型ガラス 2 シリコーンゴム層 3 シリコーンゴム層と型ガラスの接着面
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 半田 隆一 群馬県碓氷郡松井田町大字人見1番地10 信越化学工業株式会社 シリコーン電 子材料技術研究所内 (56)参考文献 特開 平5−222881(JP,A) 特開 平6−41516(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C09K 3/10 C09K 15/30 A01N 59/16 WPI/L(QUESTEL)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数枚の型ガラスを用いる開閉可能なガ
    ラスルーバーに使用する型ガラスであって、ルーバーを
    閉じたとき型ガラス同士が接触する表面部分の一方又は
    双方に、ガラス面に接着した下記の(A)〜(F)成分
    を含有する一液付加自己接着型組成物の硬化物よりなる
    シリコーンゴム層を設けたことを特徴とするガラスルー
    バー用型ガラス。 (A)1分子中に少なくとも2個のアルケニル基を有
    し、25℃における粘度が 100〜200,000cStであるオルガ
    ノポリシロキサン: 100重量部 (B)1分子中にけい素原子に結合した水素原子を2個
    以上有し、かつそれ以外に反応性の基を有しないオルガ
    ノハイドロジェンポリシロキサン:前記(A)成分に含
    まれるアルケニル基1個当たり、けい素原子に結合した
    水素原子を 0.6〜6.0 個供給するのに充分な量 (C)平均粒子径 0.5〜50mμ、BET比表面積80〜50
    0m2/g の乾式シリカの表面をジメチルジクロロシラン又
    はヘキサメチルジシラザンで処理したOH基数0〜3.0 個
    /nm2の処理フィラー:1〜50重量部 (D)白金族金属系触媒:触媒量 (E)けい素原子に結合した水素原子を1分子中に1個
    以上有し、かつエポキシ基を有する有機基及びアルコキ
    シ基から選択された少なくとも1種の基がけい素原子に
    結合している有機けい素化合物: 0.1〜10重量部 (F)抗菌性セラミックス: 0.5〜10重量部
  2. 【請求項2】 ガラスルーバー用型ガラスの表面に請求
    項1に記載のシリコーンゴム層を設けるに際し、Formed
    In Place Gasket法によりゴム材料を塗布し硬化させる
    ことを特徴とする一液付加自己接着型組成物の硬化物よ
    りなるシリコーンゴム層が設けられたガラスルーバー用
    型ガラスの製造方法。
JP6026530A 1994-02-24 1994-02-24 抗菌性シリコーンゴム層を設けたガラスルーバー用型ガラス及びその製造方法 Expired - Fee Related JP2980511B2 (ja)

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