JP2979947B2 - 綴 物 - Google Patents

綴 物

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JP2979947B2
JP2979947B2 JP6042273A JP4227394A JP2979947B2 JP 2979947 B2 JP2979947 B2 JP 2979947B2 JP 6042273 A JP6042273 A JP 6042273A JP 4227394 A JP4227394 A JP 4227394A JP 2979947 B2 JP2979947 B2 JP 2979947B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、用紙の一端部、又は直
線折目部に沿って1乃至数個所に、糸を用いて綴部を形
成した書籍、雑誌等の平綴本や中綴本など、あるいはカ
タログ等の冊子などの綴物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の綴物としては、重ね合わせ用紙
(折丁など)の一端部あるいは直線折目に沿って連続的
又は断続的に、綴糸を用いてミシン綴装置によって縫い
合わせたミシン綴方式による綴物がある。また、重ね合
わせ用紙(折丁など)の一端部あるいは直線折目に沿っ
て断続的に、針金(ステッチ)を用いて針金綴装置(ス
テッチャー)によって綴じ合わせた針金綴方式による綴
物がある。あるいはまた、上記綴糸や針金を使用せず
に、重ね合わせ用紙(折丁など)の一端部あるいは直線
折目に沿って連続的又は断続的に、接着剤(ニカワ、ホ
ットメルト接着剤等の綴糊)を塗布して接着剤綴装置に
よって綴じ合わせた接着綴方式(無線綴方式とも云う)
による綴物がある。あるいはまた、上記ミシン綴方式、
針金綴方式、接着綴方式のいずれか2つを併用した方式
の併用綴方式等がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記綴方式のうち、針
金綴方式によって綴られた書籍や雑誌、カタログ等の綴
物は、廃棄する際において、用紙と針金とに分別して処
理する必要があり、針金を使用せずに綴糸を用いて形成
した綴物は、比較的に廃棄処理において容易である長所
がある。
【0004】しかしながら、綴糸を使用して書籍や雑
誌、カタログ等の綴物を製本する場合は、ミシン綴装置
によって製本綴じを行なうものであり、ミシン綴装置で
は、用紙(折丁など)の一端部又は直線折目に沿って連
続的に糸綴じを行なうことは容易であるが、断続的に糸
綴じ操作を行なうことは困難であり、またミシン綴じさ
れた綴部における綴糸の端部からホツレが生じ易いと云
った欠点がある。
【0005】本発明は、用紙(折丁など)の一端部又は
直線折目に沿って断続的に糸綴じ操作を行なうことがで
きる綴物であり、針金綴方式によらずに書籍や雑誌、カ
タログ等の綴物の製本綴を可能にすることにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の第1発明は、重
ね合わせ用紙の一端部又は直線折目部に沿って1乃至数
個所に、一面側から他面側に⊃形状に挿通したそれぞれ
綴糸の両端部を互いに重ね合わせ、その重ね合わせ部分
を接着剤を用いて接合して綴部が形成されていることを
特徴とする綴物である。
【0007】また本発明の第2発明は、重ね合わせ用紙
一端部又は直線折目部に沿って1乃至数個所に、一面
側から他面側に⊃形状に挿通した熱溶融性樹脂製又は該
樹脂を含浸若しくは塗布したそれぞれ綴糸の両端部を互
いに重ね合わせ、その重ね合わせ部分を熱融着により
合して綴部が形成されていることを特徴とする綴物であ
る。
【0008】
【実施例】上記第1発明の綴物を、図1(a)〜(b)
に示す一実施例、また図2(a)〜(b)に示す他の実
施例に従って以下に詳細に説明する。第1発明における
一実施例の綴物3は、図1(a)の外観斜視図に示すよ
うに2枚以上複数枚の単一枚用紙を重ね合わせた重ね合
わせ用紙1、あるいは単一枚用紙を適宜折加工して形成
された折丁、若しくは該折丁を開放せずに2枚以上重ね
合わせた重ね合わせ用紙1の直線状の一端部に沿って2
個所に、その用紙1の裏面側から表面側に、綴糸2が⊃
形状に挿通されている。
【0009】該綴糸2の両端部2a,2bは表面側に挿
出しており、挿出した綴糸2の両端部2a,2bは、そ
れぞれ対向内方に折り曲げられて重ね合わせられ、互い
に接着剤によって接合されて、接合された2個所の綴糸
2,2は、概略□形状を呈しており、綴糸2を用いた平
綴方式による綴物3の綴部aを構成している。なお、綴
物3は、重ね合わせ用紙1の最上部と最下部に重ねるよ
うにして、又は重ね合わせ用紙1をくるむようにして、
表紙用紙(図示せず)が使用され、重ね合わせ用紙1と
表紙用紙とを同時に綴じるようにした、表紙付きの綴物
3であってもよいし、綴じた後から、表紙用紙を接着剤
等で貼着した表紙付きの綴物3であってもよい。
【0010】図1(b)は、図1(a)の部分平面図で
あり、上記一実施例においては、綴糸2の両端部2a,
2bの互いに側部が、接着剤を介して接合されているも
のであるが、第1発明においては、その他に、綴糸2の
両端部2a,2bの互いに下部と上部とが、接着剤を介
して接合されていてもよい。なお、綴部aは、図1
(a)〜(b)に示す一実施例においては、2個所に設
けてあるが、重ね合わせ用紙1の一端部に沿って、1個
所乃至数個所に設けてあってもよい。
【0011】綴糸2は、綿糸、麻糸、絹糸、毛糸等の天
然動植物製の繊維により作成したもの、又は合成樹脂製
の繊維により作成したもの、あるいはこれらの混紡製品
等が使用でき、糸状のもの以外に紐状のものを包含する
ものである。また綴糸2は、ポリ塩化ビニル、酢酸ビニ
ル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、アクリル、スチ
レン、飽和ポリエステル(ポリエチレンテレフタレー
ト)等の熱可塑性樹脂製であってもよい。 なお、本発明
の第2発明の綴物においては、綴糸2は、糸状のもの以
外に紐状のものを包含するものであり、ポリ塩化ビニ
ル、酢酸ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ア
クリル、スチレン、飽和ポリエステル(ポリエチレンテ
レフタレート)等の熱可塑性樹脂、又はこれらの熱可塑
性樹脂を主体とする感熱性接着剤、又はホットメルト型
接着剤を、予め、上記綴糸2に含浸若しくは塗布して乾
燥させた綴糸2を使用して、挿通した前記綴糸2の両端
部2a,2bを、110℃〜170℃程度、あるいはそ
れ以上の温度に加熱することによって、互いに溶融接合
するようにしてもよい。
【0012】また上記第1発明における他の実施例の綴
物を、図2(a)〜(b)の他の実施例に従って以下に
詳細に説明する。第1発明における他の実施例の綴物3
は、図2(a)の外観斜視図に示すように、2枚以上複
数枚の単一枚用紙を重ね合わせた重ね合わせ用紙1、あ
るいは単一枚用紙を適宜折加工して形成された折丁、若
しくは該折丁を折目を介して開放して2枚以上重ね合わ
せた重ね合わせ用紙1の中央部の直線状の折目相当部b
に沿って2個所に、その用紙1の裏面側から表面側に、
綴糸2が⊃形状に挿通されている。
【0013】該綴糸2の両端部2a,2bは表面側に挿
出しており、挿出した綴糸2の両端部2a,2bは、そ
れぞれ対向内方に折り曲げられて重ね合わせられ、互い
に接着剤によって接合されており、綴糸2を用いた中綴
方式による綴物3の綴部cを構成している。なお、綴物
3は、重ね合わせ用紙1の最上部と最下部に重ねるよう
にして、又は重ね合わせ用紙1をくるむようにして、表
紙用紙(図示せず)が使用され、重ね合わせ用紙1と表
紙用紙とを同時に綴じるようにした、表紙付きの綴物3
であってもよいし、綴じた後から、表紙用紙を接着剤等
で貼着した表紙付きの綴物3であってもよい。
【0014】図2(b)は、図2(a)の部分平面図で
あり、この実施例においては、綴糸2の両端部2a,2
bの互いに側部が、接着剤を介して接合されているもの
であるが、その他の実施例として、綴糸2の両端部2
a,2bの互いに下部と上部とが接着剤を介して接合さ
れていてもよい。
【0015】このようにして直線状の折目相当部bに沿
って接合された2個所の綴糸2,2は概略□形状を呈し
ており、折目相当部bに沿って折り曲げることによっ
て、図2(c)に示すように、綴糸2による綴部cによ
って綴じられた中綴方式による綴物3が構成されてい
る。なお、綴部aは、図2(a)〜(c)に示す一実施
例においては、2個所に設けてあるが、重ね合わせ用紙
1の一端部に沿って、1個所乃至数個所に設けてあって
もよい。
【0016】図3は、上記図1(a)に示した第1発明
の一実施例におれる平綴方式による綴物3、又は図2
(a)に示した第1発明の他の実施例における中綴方式
による綴物3のそれぞれA−A拡大断面図である。
【0017】次に、上記本発明の第1発明又は第2発明
の綴物を、実際に綴じる場合に使用する糸綴装置の概要
を、図4に従って以下に説明する。
【0018】重ね合わせ用紙1(ページ順に丁合された
用紙)を直線的に水平に搬送するための水平搬送ガイド
部10(平綴方式の場合は、用紙1を搬送する平滑ガイ
ドプレート10、中綴方式の場合は、用紙1を搬送し且
つガイドする等間隔に押送爪を設けた回転送行するエン
ドレス状のギャザリングチェーン10)と、ギャザリン
グチェーン10以降を、該用紙1の後端部を押して前方
に搬送するための押送爪11とにより構成される水平搬
送手段を備える。
【0019】該水平搬送手段を挟んで、上側には綴糸供
給手段14を備え、該手段14と対向する下側には糸綴
手段20を備える。
【0020】綴糸供給手段14は、供給用の綴糸2を巻
回保持するリール等の綴糸ストッカー15と、該ストッ
カー15より綴糸2の先端部をグリップして、搬送方向
に平行に水平に繰り出すグリッパ16と、グリッパ16
にて保持されて繰り出された綴糸2の後端をグリップし
て、綴糸2を緊張状態に保持するグリッパ17ととを備
え、該グリッパ17に近接する綴糸繰り出し方向には、
綴糸2を切断するカッター部18と、該グリッパ17に
近接する綴糸繰り出し方向とは反対側に、綴糸2をガイ
ドするガイドロール19(スプール)を備える。また、
重ね合わせ用紙1の上側には、該用紙1を、水平搬送ガ
イド部10側に押圧するガイドロール等の押圧手段(図
示せず)を、水平搬送ガイド10に沿って搬送方向に適
宜に設ける。
【0021】また、上記綴糸供給手段14と離間対向し
て下側に備える糸綴手段20は、垂直方向に上下動作
し、且つ搬送方向前後に一対の綴針21と、綴針22と
を備えている。また、糸綴手段20は、該綴糸21及び
綴糸22に対して搬送方向前後に、搬送方向に平行に突
出・後退動作する一対の押送板23と、押送板24とを
備える。搬送方向の上流側に備える押圧板23は、搬送
方向に突出動作し、搬送方向と反対方向に後退動作する
とともに、突出動作後に僅かに上昇乃至下降動作する。
また搬送方向の下流側に備える押圧板24は、搬送方向
と反対方向に突出動作し、搬送方向に後退動作するとと
もに、突出動作後に僅かに上昇乃至下降動作する。な
お、前記用紙1を水平搬送ガイド部10側に押圧するガ
イドロール等の押圧手段(図示せず)は、綴21,22
の真上を回避した部位に設けられ、綴針21,22の上
昇動作により、用紙1に綴針21,22が差し込まれた
際に、用紙1の上側への持ち上がりを抑止するためのも
のである。
【0022】上記糸綴手段20の一対の綴針21,22
の間には、接着剤供給手段30を備える。該接着剤供給
手段30は、垂直方向に上昇・下降動作する搬送方向前
後に一対の接着剤供給ノズル31と、接着剤供給ノズル
32とを備える。
【0023】綴糸供給手段14の前記グリッパ16,1
7は、例えばリニア型のエアシリンダを駆動源として、
点線矢印方向にスクエアサイクル動作させるようにした
ものである。
【0024】また糸綴手段20の綴針21,22の上下
動作、及び押圧板23,24の上下動作と突出・後退動
作、及び接着剤供給手段30の供給ノズル31,32の
上下動作は、リニアガイドに沿って移動する可動ブロッ
クと該可動ブロックを移動動作させるリニア型エアシリ
ンダ、あるいは回転カム及びカムフォロア機構を駆動源
として駆動動作させるようにしてもよい。
【0025】次に、上記本発明の第1発明又は第2発明
の綴物を、実際に綴じる場合の綴操作の一例を、図4〜
図13に従って以下に説明する。
【0026】まず図4に示すように、水平搬送ガイド部
10と、押送爪11とを備えた水平搬送手段によって、
重ね合わせ用紙1(ページ順に丁合された用紙)を直線
的に搬送して、綴糸供給手段14と、糸綴手段20との
対向間に導入するとともに、綴糸供給手段14のグリッ
パ16が、綴糸2の先端部をグリップして、搬送方向
(図面右方向)に適宜距離だけ水平移動して、用紙1上
側に近接して平行に、綴糸2を繰り出し、同時に綴糸2
の繰り出し後端を他のグリッパ17にてグリップして、
綴糸2を用紙1上側に張設する。
【0027】続いて、図5に示すように、綴針21,2
2を垂直に上昇動作して、用紙1に下側より綴針21,
22を差し込み、それぞれ先端部を突出させて、該先端
部にあるフック状の針孔21a,22a(図面の手前側
が、綴糸2を装填できる程度の広さに開放している針
孔)に、張設されている綴糸2を装填する。なお、装填
する際は、綴糸2を張設しているグリッパ16,17
を、図面前後方向に適宜距離だけ揺動動作させることに
よって、綴糸2を針孔21,22内に装填するようにし
てもよい。
【0028】綴針21,22のフック状(鉤状)の針孔
21a,22aに、綴糸2を装填した後は、直ちに、綴
針21,22を同時に下降動作させるとともに、図6に
示すように、綴糸2を用紙1内に挿通させる。綴針2
1,22のフック状の針孔21a,22aによって、綴
糸2が用紙1内に挿通を開始すると、続いて、グリッパ
16を開放して綴糸2の先端部(一端部2a)を開放す
るとともに、綴糸2の後端(他端部2b)をカッター1
8によって切断する。綴糸2は、フック状の針孔21
a,22aによって、下方に引っ張られ、用紙1内を挿
通して用紙1下側に引き出される。
【0029】続いて図7に示すように、綴糸2を、下降
動作する綴針21,22によって、そのまま下方に引っ
張り、綴糸2の両端部2a,2bが、用紙1内より抜糸
される直前にて、押圧板23の搬送方向への突出動作を
開始し、及び接着剤供給手段30の一方の供給ノズル3
2が上昇動作して、該供給ノズル32先端部が、接近
(若しくは近接)した用紙1下面に、部分的に接着剤を
塗布する。なお、第2発明の綴物において、綴糸2とし
て、樹脂含浸若しくは塗布した綴糸、若しくは熱可塑性
樹脂製の綴糸を使用した場合には、上記接着剤供給手段
30は、必ずしも動作させる必要はない。
【0030】続いて、供給ノズル32は、下降動作して
元の位置に復帰し、図8に示すように、用紙1下面に
は、接着剤25が塗布され、一方、綴針21,22は下
降動作を継続し、綴糸2の両端部2a,2bが、用紙1
内より抜糸されると同時に、突出動作した押圧板23
は、綴糸2の片方の端部2bを、搬送方向に押しやり、
対向する他方の端部2a側に折り曲げる。
【0031】続いて、図9に示すように、押圧板23
は、押しやられた綴糸2の端部2bを接着剤25上に載
せて接着させ、続いて、必要に応じて僅かに押圧板23
は上昇動作して、端部2bを用紙1下面側に押圧して接
着させる。なお、第2発明の綴物において、綴糸2とし
て、樹脂含浸若しくは塗布した綴糸、若しくは熱可塑性
樹脂製の綴糸を使用した場合には、内部に電熱ヒーター
又は高周波加熱源を内蔵した押圧板23(押圧面には溶
融樹脂の付着を防止するための四フッ化エチレン樹脂等
の適宜耐熱性樹脂によるライニング加工面を備える)を
用いて、該押圧板23によって、綴糸2を加熱すること
によって、樹脂を溶融して、端部2bを、用紙1下面に
融着固定するものである。
【0032】続いて、図10に示すように、押圧板23
は、搬送方向とは反対方向に後退動作して元の位置に復
帰し、続いて、対向する押圧板24が、搬送方向とは反
対方向に突出動作を開始し、同時に接着剤供給手段30
の他方の供給ノズル31が上昇動作して、綴糸2の端部
2bに接着剤26を塗布する。なお、第2発明の綴物に
おいて、綴糸2として、樹脂含浸若しくは塗布した綴
糸、若しくは熱可塑性樹脂製の綴糸を使用した場合に
は、上記接着剤供給手段30は、必ずしも動作させる必
要はない。
【0033】続いて、図11に示すように、供給ノズル
31が下降動作して、元の位置に復帰し、突出動作して
いる押圧板24は、綴糸2の他方の端部2aを、搬送方
向とは反対方向に押しやり、一方端部2bの上側、若し
くは側方に重ね合わせ、端部2aを端部2bに塗布した
接着剤26によって接着し、必要に応じて僅かに押圧板
24は上昇動作して、端部2aを用紙1下面側に押圧し
て接着させる。なお、第2発明の綴物において、綴糸2
として、樹脂含浸若しくは塗布した綴糸、若しくは熱可
塑性樹脂製の綴糸を使用した場合には、内部に電熱ヒー
ター又は高周波加熱源を内蔵した押圧板24(押圧面に
は溶融樹脂の付着を防止するための四フッ化エチレン等
の適宜耐熱性樹脂によるライニング加工面を備える)を
用いて、該押圧板24によって、綴糸2を加熱すること
によって、樹脂を溶融して、端部2aを、用紙1下面の
前記端部2bに融着固定するものである。
【0034】続いて、図12に示すように、押圧板24
は、搬送方向に後退動作して、元の位置に復帰して、綴
糸2による重ね合わせ用紙1の綴じ操作を終了して、本
発明の綴物3が完成する。
【0035】なお、上記説明は、重ね合わせ用紙1に1
個所の綴糸2によって綴部を形成したものであるが、重
ね合わせ用紙1の2個所以上に綴糸2による綴部を形成
する場合には、重ね合わせ用紙1を、搬送ガイド10に
沿って押送爪11によって前方に搬送し、綴じるべき個
所を、綴糸供給手段14と糸綴手段20との間に導入し
て、上記同様の綴じ操作を行ない、この操作を複数回行
なうことによって、直線的な搬送方向に沿って複数個所
に、綴糸2による綴部を形成するものである。
【0036】上記のようにして、重ね合わせ用紙1の1
個所乃至複数個所に⊃形状に挿通した綴糸2の両端部2
a,2bを互いに接合することによって綴部を形成した
綴物3は、図12に示すように、押送爪11によって、
その後端部を押送されて、図面右方向に搬出されるとと
もに、綴糸供給手段14のグリッパ16は、上昇動作
し、且つ、グリッパ17は、ストッカー15の綴糸2の
先端部をグリップした状態で、水平方向に、前記グリッ
パ16の位置まで移動する。
【0037】その後、図13に示すように、先行する綴
物3を押送爪11によって搬出した後、次の押送爪11
によって後続の重ね合わせ用紙1(例えば、ページ順に
丁合された用紙)を、綴糸供給手段14と糸綴手段20
との間に順次導入するとともに、グリッパ17,16に
よって、綴糸2を、用紙1上側に張設して、上記図4〜
図13までの操作を繰り返すことによって、本発明の綴
物3を形成するものである。
【0038】図14、図15は、本発明の綴物3を形成
する場合における綴糸供給手段14と、糸綴手段20の
綴針21,22の他の例を示すものである。綴糸供給手
段14は、重ね合わせ用紙1の上側に平行に、綴糸2を
ガイドするガイド手段42を備え、該手段42は綴糸2
を挿通するガイド管43を備える。
【0039】また、糸綴手段20の綴針21,22は、
それぞれ側方が開放しているフック状(鉤状)の針孔2
1a,22a、又は、それぞれ側方が開放していない針
孔21b,22bを備え、針孔方向は、ガイド管43と
平行方向を向いている。
【0040】図14に示すように上記ガイド管43は、
それぞれ綴針21,22を嵌挿するための孔設部45,
45を備え、該孔設部45,45間のガイド管43下側
は、図面前後方向に、作動アーム等の適宜支持手段によ
って支持されてスライド移動可能なスライド底部44を
備えている。
【0041】図14に示すように、糸綴手段20の綴針
21,22を垂直方向に上昇動作して、重ね合わせ用紙
1に差し込み、該綴針21,22のそれぞれ先端部をガ
イド管43の孔設部45,45内に嵌挿した後、ストッ
カー15より搬送ニップロール41a,41bによっ
て、綴糸2を繰り出し、綴糸2の先端部をガイト管43
の一端部より挿通し、他端部より挿出することによっ
て、図15に示すように、前記綴針21,22の針孔2
1b,22bに、綴糸2を挿通するものである。
【0042】綴糸2を針孔21b,22bに挿通後は、
前記スライド底部44を、支持手段によって、図面前方
若しくは後方にスライド移動させて一旦除去して、ガイ
ド管43下部に開放部46を形成した後、綴針21,2
2を下降動作して、綴糸2を開放部46より取り出し、
スライド底部44を元の位置(図14参照)に復帰動作
して、続いて、下降動作する綴針21,22を、重ね合
わせ用紙1より引き抜くことによって、綴糸2を重ね合
わせ用紙1内に⊃形状に挿通するものである。その後
は、前述した図6〜図12に示した操作と同様にして、
糸綴手段20を動作させて、綴じ操作を行なうものであ
る。
【0043】
【作用】本発明の綴物3は、重ね合わせ用紙1の一端部
に沿って1乃至数個所に、一面側から他面側に⊃形状に
挿通した綴糸2の両端部2a,2bを互いに接合して綴
部aが形成されているものであり、又は、重ね合わせ用
紙1の直線折目部bに沿って1乃至数個所に、一面側か
ら他面側に⊃形状に挿通した綴糸2の両端部2a,2b
を互いに接合して綴部cが形成されているものであり、
重ね合わせ用紙1の1乃至数個所に、⊃形状に綴糸2を
を挿通させ、両端部2a,2bを互いに接合することに
よって綴物が形成でき、針金(金属製のステッチ)によ
って綴じ合わせることなく、綴物3を形成することがで
きる。
【0044】また、重ね合わせ用紙1の数個所に⊃形状
に挿通したそれぞれ綴糸2は、それら両端部2a,2b
を、互いに独立した状態で接合されているので、綴糸2
を用いて、ミシン綴方式により綴じた場合のミシン綴じ
された綴端部から綴糸2のホツレが生じることが皆無と
なる。
【0045】
【発明の効果】本発明の綴物は、綴糸を使用して、1個
所乃至複数個所に、断続的に糸綴じ操作を行なって、書
籍や雑誌、カタログ等の綴物を綴じることができ、また
ミシン綴方式におけるような綴糸の端部から連続的なホ
ツレが生じ易いと云った欠点を解消できる。
【0046】また、天然動植物製の繊維による綴糸、あ
るいは合成樹脂製の繊維による綴糸によって綴じられて
いるため、針金綴方式によって綴られた綴物を廃棄する
際におけるような面倒な分別処理が不要であり、廃棄処
理が比較的容易にできる長所がある等の効果を奏するも
のである。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は本発明の綴物の一実施例を示す外観斜
視図、(b)は本発明の綴物の一実施例を示す部分平面
図である。
【図2】(a)は本発明の綴物の他の実施例を示す外観
斜視図、(b)は本発明の綴物の他の実施例を示す部分
平面図、(c)は本発明の綴物の他の実施例を示す外観
斜視図である。
【図3】本発明の綴物におけるA−A側断面図である。
【図4】本発明の綴物を製造する場合の綴じ操作の一例
を説明する概要側面図である。
【図5】本発明の綴物を製造する場合の綴じ操作の一例
を説明する概要側面図である。
【図6】本発明の綴物を製造する場合の綴じ操作の一例
を説明する概要側面図である。
【図7】本発明の綴物を製造する場合の綴じ操作の一例
を説明する概要側面図である。
【図8】本発明の綴物を製造する場合の綴じ操作の一例
を説明する概要側面図である。
【図9】本発明の綴物を製造する場合の綴じ操作の一例
を説明する概要側面図である。
【図10】本発明の綴物を製造する場合の綴じ操作の一
例を説明する概要側面図である。
【図11】本発明の綴物を製造する場合の綴じ操作の一
例を説明する概要側面図である。
【図12】本発明の綴物を製造する場合の綴じ操作の一
例を説明する概要側面図である。
【図13】本発明の綴物を製造する場合の綴じ操作の一
例を説明する概要側面図である。
【図14】本発明の綴物を製造する場合の綴じ操作の一
例を説明する概要側面図である。
【図15】本発明の綴物を製造する場合の綴じ操作の一
例を説明する概要側面図である。
【符号の説明】 1…重ね合わせ用紙 2…綴糸 2a…綴糸の端部 2
b…綴糸の端部 3…綴物 a…綴部 b…折目 c…綴部 10…搬送ガイド 11…押送爪 14…綴糸供給手段
15…ストッカー 16…グリッパ 17…グリッパ 18…カッター 1
9…ガイドロール 20…糸綴手段 21…綴針 22…綴針 23…押圧
板 24…押圧板 25…接着剤 26…接着剤 30…接着剤供給手段 31…供給ノズル 32…供給
ノズル 41a,41b…ニップロール 42…綴糸ガイド手段
43…ガイト管
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B42B 4/00 B42B 2/00 - 2/08 B42C 3/00 B42D 1/00 B42D 5/00

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】重ね合わせ用紙の一端部又は直線折目部
    沿って1乃至数個所に、一面側から他面側に⊃形状に挿
    通したそれぞれ綴糸の両端部を互いに重ね合わせ、その
    重ね合わせ部分を接着剤を用いて接合して綴部が形成さ
    れていることを特徴とする綴物。
  2. 【請求項2】重ね合わせ用紙の一端部又は直線折目部
    沿って1乃至数個所に、一面側から他面側に⊃形状に挿
    通した熱溶融性樹脂製又は該樹脂を含浸若しくは塗布し
    たそれぞれ綴糸の両端部を互いに重ね合わせ、その重ね
    合わせ部分を熱融着により接合して綴部が形成されてい
    ることを特徴とする綴物。
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