JPH0966685A - 中綴製本及び製本方法 - Google Patents

中綴製本及び製本方法

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JPH0966685A
JPH0966685A JP24684995A JP24684995A JPH0966685A JP H0966685 A JPH0966685 A JP H0966685A JP 24684995 A JP24684995 A JP 24684995A JP 24684995 A JP24684995 A JP 24684995A JP H0966685 A JPH0966685 A JP H0966685A
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Tatsuo Osako
龍夫 尾▲さこ▲
Takaaki Osako
孝明 尾▲さこ▲
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OSAKO SEISAKUSHO KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 簡易な手段で子供らの悪戯による中綴本の損
傷及び怪我の発生を合理的に防止するとともに、製本効
率の更なる向上が図れる方法と装置を提供することにあ
る。 【解決手段】 逆綴じ中綴本の上に表紙をもつ正綴じ中
綴本を積み重ね接着したことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】 本発明は、安全性が高く損
傷の少ない中綴製本及び製本方法の改善に関する。
【0002】
【発明の技術的背景】 例えば、文部省が貸与する小学
生用教本のうち、中綴された教本は綴針の屈曲両端が教
本の内部にそのまま露出されているため、子供らが悪戯
してこの綴針の屈曲端を曲げ起し、綴針を引き抜いて本
をバラバラにしたり、あるいは、悪戯している最中に指
先を怪我したりする危険性があることから、文部省では
近年この種小学生用教本の中綴手段は、本の内側から外
側に向けて中綴するよう指示している。しかしながらこ
の種の中綴本は衆知のように、本文折帖フィーダー,表
紙折帖フィーダー,これらに対応する2本平行した各折
帖の搬送チェン機構,ステッチャー機構により中綴し、
三方断裁機にて断裁して製本とするものであるが、従来
装置を使用し、かつ、従来のように折られた折帖そのま
までは、文部省が指示するような逆中綴教本が得られな
いため、現在教科書メーカーでは、折帖を従来のものと
は逆に表紙折帖フィーダーによって先ず表紙となる折帖
を搬送チエーン機構に最初に丁合かけし、この上に順次
本文折帖を丁合かけしたのち、従来の綴じ方と同じ手段
でステッチャー機構により中綴じし、この中綴教本全体
を再び逆方向に折り曲げ、表面に現れた綴針の屈曲端を
覆うように本の背全長に亘りクロス張り機にてクロス張
りしてから三方断裁を行って逆中綴教本を得ていた。し
かしながら、折帖自体は機械的に折られるためその折目
は強力、かつ、鋭いものであり、このような折目のある
折帖が数多く積み重ねられて得られた中綴本を再び折目
から逆に折ることは至難の業であり、最初の折目にそっ
て完全に反転させることは不可能なことであることか
ら、得られた本を開くと隣り合う頁同志の絵などが不一
致になったり、あるいは、ズレが生じて他頁の不要部分
が露出したりするなどの不都合が多く、特に地図などの
場合、隣り合う頁同志の線の不一致により学習に供し得
ないようなこともあるなど重大な欠点があり、加えて工
程の増加からコストアップされるという課題が伴った。
【0003】このような課題に対応して、山形をした案
内板上を運行される折帖群の下側から、外周に螺子溝を
もつ中空針を上向きに刺通するとともに、中空針から吐
出される液状接着剤を刺通孔部に浸透させることによ
り、綴針を使用せずに中綴しようとする手段が、実公昭
47−29445号公報に示されている。この装置によ
り得られた中綴本は、綴針などが露出せず絵などがこの
綴針によって損なわれないこと、および、綴針を使用し
ないことにより安全、かつ、安価であることは認められ
るが、中空針に螺子溝が設けてあるため、この中空針が
回転しながら抜去される際、折帖に内向きのササクレが
生じ絵など審美性を損なうことは綴針を使用したものよ
り影響が大きく、また、液状接着剤が乾燥しないうちに
三方断裁によって仕上げ裁断を行なうこと、中折部の頁
同志が接着され、開本時に当該頁が損傷されるという不
都合があるし、また、装置も大がかりとなり、全体的に
本がコスト高となるという問題点もある。
【0004】更にまた、中綴機を用いた中綴本の製本装
置は、順次積み重ねられた折帖群の上側に、最終的に表
紙となる折帖を重ねたのち、ステッチャー機構により中
綴じし製本していたものである。この種のものは、表紙
の背側に綴針が現れることから体裁が悪い。しかしなが
ら、近年、表紙を中綴機にて他の折帖と同時に中綴じす
ることなく、あとで表紙のみを糊で接着する中綴本がみ
られるが、この種のものは、中綴機で製本された表紙の
ない本に対し他の機械によって表紙を糊料で接着してい
たもので、この種のものは製本作業か少なくとも2ツに
分かれることから製本効率が悪いばかりでなく、高価な
製本機械設備が別に要求されるなど経済的な不都合があ
った。
【0005】
【従来技術とその課題】 以上述べたような課題を解す
る手段として実公昭63−5900号公報に示される逆
中綴装置及び実公平3−29169号公報に示す表紙を
中綴じ後糊付け製本し綴針が表面に現れないようにした
中綴製本装置が本件出願人から提案されている。前者の
逆中綴装置は、折掛機(フィーダー)から山形をした案
内板上に順次供給される本文折帖、および、表紙折帖
を、2本平行した搬送チェン機構により順次丁合かけし
ながら運行し、該搬送チェン機構ライン途上に設けら
れ、かつ、このラインにそって所要ストローク往復移動
するステッチャー機構により中綴する装置において、前
記ステッチャー機構を構成し、かつ、折帖群を下から中
綴する打針部材を前記案内板の下側に、この打針部材に
対応する綴針のつぶし部材を案内板の上側に配設したも
のである。
【0006】この前者の逆中綴装置により得られた中綴
本は、表紙の背側表面に綴針の屈曲両端がそのまま露出
されているため、中綴本の内部からの折帖のバラケは防
止しうるが、表面に現れている綴針の屈曲両端は子供ら
にとって悪戯し易い状態にあり、むしろ本をバラバラに
したり、悪戯している最中に指先を怪我したりする危険
性は増巾されるという課題は以前として残されている。
【0007】一方後者の中綴本装置の構成は、機枠に対
し水平に横架され、かつ、等間隔毎に跨架された折帖の
後端縁上部両側に係合してこれを運行する運行子を設け
た無端鎖の上手側上方に所要数の折帖フィーダーを配設
し、更に、この折帖フィーダー群の下手側にステッチャ
ー機構を間歇昇降自在に配設するとともに、このステッ
チャー機構の下手側に、移動中の重積された折帖の表面
背側に接して糊料を全長にわたって塗布する上下動可能
に弾装された塗布部材を有する糊付装置を設け、更に、
該糊付装置の下手側に、表紙折帖を供給する表紙折帖フ
ィーダーを配設するとともに、この表紙折帖フィーダー
の下手側に、表紙折帖の背側を表面から押圧する上下動
可能に弾装されたV断面をもつ押圧ローラーを配設した
ものである。
【0008】この後者の装置により得られた中綴本は、
背側の表面に現れる綴針が表紙によって隠蔽され高級感
のある中綴本が得られるという利点があるが、綴針の屈
曲両端が内部にそのまま露出されているため、子供らの
悪戯により本のバラケや指先を怪我する危険性の解消に
は至っていない。更に、この装置における糊の付着手段
は接触型であるため、重積折帖群の肉厚変化に対応させ
る手段に煩雑性があり、また折帖の表面全長にわたって
糊料を塗布することから、後工程である三方裁断により
中綴本の天地を断裁調整するときに糊料がカッターに付
着してカッターの切れ味を損ない、カッターの清掃を含
め機械全体の作業中断が余儀なくされ、製本効率を阻害
するなどの不都合がある。
【0009】本発明の目的は、簡易な手段で子供らの悪
戯による中綴本の損傷及び怪我の発生を合理的に防止す
るとともに、製本効率の更なる向上が図れる製本方法を
提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】 上記目的は、逆綴じ中
綴本の上に表紙をもつ正綴じ中綴本を積み重ね接着した
ことにより達成される。上記目的は、逆綴じ中綴本の上
に正綴じ中綴本を積み重ね接着するとともに、正綴じ中
綴本の上面に表紙を接着し、正綴じ中綴本の綴針を表紙
にて隠蔽したことにより達成される。上記目的は、逆綴
じ中綴本の肉厚を大とし、正綴じ中綴本を本文折帖冊数
の少ない肉薄とした請求項1又は2記載の中綴製本によ
り達成される。上記目的は、逆綴じ及び正綴じ中綴本の
ステッチャー位置を互いにずらし、上下の両綴針が重な
らないようした請求項1,2又は3記載の中綴製本によ
り達成される。上記目的は、複数基並列配設した本文折
帖フィーダーから本文折帖を順次下方の搬送手段上に積
み重ね供給する工程、この積み重ねられた本文折帖の背
部を上方から中綴じして本文折帖の正綴じ中綴本を得る
工程、この正綴じ中綴本を正綴じ折帖フィーダーに供給
する工程、一方、複数基並列した本文折帖フィーダーか
ら本文折帖を順次下方の搬送手段上に積み重ね供給する
工程、この積み重ねられた本文折帖群の背部を下側から
逆中綴じして本文折帖の逆綴じ中綴本を得る工程、この
逆綴じ中綴本の背部表面にそって所要巾の糊料を吹き付
け塗布する工程、この逆綴じ中綴本の上に、前記正綴じ
折帖フィーダーから正綴じ中綴本を供給する工程、正綴
じ中綴本を逆綴じ中綴本の背側に接着して複合中綴本を
得る工程とからなり、この複合中綴本を三方断裁機にて
天地及び小口を化粧断裁して中綴製本を得ることにより
達成される。上記目的は、複数基並列配設した本文折帖
フィーダーから本文折帖を順次下方の搬送手段上に積み
重ね供給する工程、この積み重ねられた本文折帖の背部
を上方から中綴じして本文折帖の正綴じ中綴本を得る工
程、この正綴じ中綴本を正綴じ折帖フィーダーに供給す
る工程、一方、複数基並列した本文折帖フィーダーから
本文折帖を順次下方の搬送手段上に積み重ね供給する工
程、この積み重ねられた本文折帖群の背部を下側から逆
中綴じして本文折帖の逆綴じ中綴本を得る工程、この逆
綴じ中綴本の背部表面にそって所要巾の糊料を吹き付け
塗布する工程、この逆綴じ中綴本の上に、前記正綴じ折
帖フィーダーから正綴じ中綴本を供給する工程、正綴じ
中綴本を逆綴じ中綴本の背側に接着して複合中綴本を得
る工程、この複合中綴本を180°転換して背部を下向
きとした姿勢で前記搬送手段とは別の搬送手段のクラン
プ手段に順次委換する工程、該搬送手段による搬送途中
において複合中綴本の背部下面に糊料を塗布する工程、
この糊料が塗布された複合中綴本を、搬送手段の下手側
に表紙折帖フィーダーから給紙され、前記搬送手段の動
きとは別に一時停止状態で待機している表紙折帖上に供
給する工程、表示折帖を伴った複合中綴本を搬送しなが
ら背側を別のクランプ手段にて挟圧し、複合中綴本の背
側に表紙折帖を接着する工程、この複合中綴本をクラン
プ手段から開放したのち三方断裁機にて天地及び小口を
化粧断裁機して中綴製本を得る工程により達成される。
【0011】
【発明の実施の形態】 図面について本発明実施例の中
綴製本及び中綴製本方法の実施に当たり使用する装置の
詳細について説明する。図1は中綴製本の分解斜視図、
図2は中綴製本の別実施例の分解斜視図、図3は中綴製
本方法の実施に当たり使用する装置の説明図、図4は装
置の別実施例を示す説明図である。
【0012】図1に示すaは逆綴じ中綴本、bは表紙1
が一緒に綴られた正綴じ中綴本で、この正綴じ中綴本b
が上になるよう両中綴本a,bの背部を互いに接着結合
して中綴製本Aが構成される。図2は、図1の実施例に
おいて、表紙1と正綴じ中綴本b別個に構成し、この正
綴じ中綴本bの表面背部に表紙1を接着結合し、正綴じ
中綴本bの綴針2を表紙1にて隠蔽した中綴製本Aであ
る。又前記正綴じ中綴本bを本文折帖3冊数の少ない肉
薄構造とするとともに、逆綴じ中綴本aを本文折帖3冊
数の多い肉厚とすることにより、製本としての生産性の
簡易化とその向上が図れるようにする。更に、特に図示
してないが、前記逆綴じ,正綴じ中綴本a,bのステッ
チャー位置を互いにずらし、上下の両綴針2が重ならな
いようにし、中綴製本Aの安定化を図るものである。こ
のように本発明の中綴製本Aは、逆綴じ中綴本aの上に
正綴じ中綴本bが積重接着されているため、中綴製本A
の内部と外部に綴針2の直線部が位置し、綴針2の屈曲
両端部が逆綴じ,正綴じ中綴本a,bの背側突き合わせ
部、詳しくは、中綴製本Aの肉厚内部に埋設される結果
となり、子供らが容易に悪戯することができないように
し、又悪戯によって指先を怪我したりすることが防止し
うるものである。又正綴じ中綴本bの綴針2を表紙1に
隠蔽することにより安全性と製本の美観を更に向上させ
ることができる。
【0013】次に、図3について本発明の製本を得る装
置及び製本方法を実施するための装置について説明す
る。11は、機枠(図示略)に軸架した平行2条の搬送
チェン機構で、該搬送機構チェン機構11には所定の間
隔毎に前記本文折帖3の後端縁両側部に当接してこれを
所定の搬送速度で運行するプッシャー機構12が設けて
ある。又前記は搬送チェン機構11の上手側上方には、
前述した正綴じ中綴本bを製本するに必要な複数基の本
文折帖フィーダー13が並列配設されており、夫々の本
文折帖フィーダー13から順次供給された所要数の本文
折帖3が図のように積み重ねられ、搬送チェン機構11
とこれに設けたプッシャー機構12により下手側に搬送
されるように構成してある。一方、前記最下手側の本文
折帖フィーダー13を過ぎた部位の上方に、搬送チェン
機構11と同じ速度で同方向に一定のストローク往復移
動し、丁合された前記本文折帖3群の背部を上側から中
綴じして正綴じ中綴本bを構成する2個一組の打針部材
14aが下向きに配設されるとともに、この打針部材1
4aに対応して往復移動される綴針のつぶし部材14b
が本文折帖3群を介して下方に対向的に設けてあり、こ
の打針部材14aと綴針のつぶし部材14bとによって
正綴じステッチャー機構14が構成されている。図中1
5は綴針となる鋼線ボビン、16は駆動モータであっ
て、上述のような構成によって正綴じ中綴本bの製本ラ
インBを構成するものである。
【0014】図3に示す17は、機枠(図示略)に軸架
した平行2条の搬送チェン機構で、該搬送チェン機構1
7には所定の間隔毎に本文折帖3の後端縁両側部に当接
してこれを所定の搬送速度で運行すルプッシャー機構1
8が設けられている。又搬送チェン機構17の上手側に
は、前述した逆綴じ中綴本aを製本するに必要な複数基
の本文折帖フィーダー19が並列配設されており、夫々
の本文折帖フィーダー19から順次供給された所要数の
本文折帖3が図で示すように積み重ねられ、搬送チェン
機構17とこれに設けたプッシャー機構18により下手
側に搬送されるように構成されている。前記最下手側の
本文折帖フィーダー19を過ぎた部位の搬送チェン機構
17の中間部下方に、この搬送チェン機構17と同じ速
度で同方向に一定のストローク往復移動し、丁合された
前記本文折帖3群を下手側から中綴じして逆綴じ中綴本
aを構成する打針部材20aが上向きに設けられるとと
もに、この打針部材20aの背側上部に対応して往復移
動される綴針のつぶし部材20bが本文折帖3の背側上
部に臨設してあり、この打針部材20aと綴針のつぶし
部材20bとによって逆綴じステッチャー機構20が構
成されている。尚図中21は綴針となる鋼線ボビン,2
2は駆動モータである。一方、前記逆綴じステッチャー
機構20の下手側で搬送チェン機構17の上方、詳しく
は移動中の本文折帖3による逆綴じ中綴本aの背側表面
に接触しない程度の上方に、糊料を下向きに噴射するノ
ズル23が上下動調整可能に配設されている。このノズ
ル23は、例えばロータリエンコーダからコレータの速
度信号をコントローラで受信作動するように構成されて
おり、糊料のスポット的吹き付け、断続状吹き付け、連
続吹き付け、本文折帖3の長さに応じて自動的に吹き付
け塗布が可能で、特に、本文折帖3、即ち、逆綴じ中綴
本aの背部前後端部の天地断裁代3aを残して他の背部
に糊料を吹き付け塗布が可能なようにコントロールでき
るようにしてある。前記ノズル23の下手側上方に、前
記製本ラインBで作られた正綴じ中綴本bが、製本ライ
ンBの終端部から移送ガイド手段24aを介して供給さ
れるフィーダー24が配設されている。このフィーダー
24から供給された正綴じ中綴本bは、背側に糊料が吹
き付けられた移動中の逆綴じ中綴本aの上に積層される
とともに、押圧ローラ25にて背側が押圧され両中綴本
a,b同志の接着が促進されて複合中綴本cが得られ
る。又前記フィーダー24の下手側上方、詳しくは前記
ノズル23と同様な機能をもち、かつ前記複合中綴本c
を構成する正綴じ中綴本bの背側表面に接触しない程度
の上方に、糊料を下向きに噴射塗布するノズル26が上
下動調整可能に配設されている。更に、このノズル26
の下手側上方に表紙折帖フィーダー27が配設されてお
り、このフィーダー27から供給された表紙1は糊料が
吹き付け塗布された前記複合中綴本cを構成する正綴じ
中綴本bの背側に被着されるとともに、押圧ローラ28
にて背側が押圧された接着効率が高められる。表紙1が
接着された中綴製本Aは三方断裁機(図示略)に送ら
れ、ここで天地,小口の化粧断裁が行われて製品とな
る。
【0015】図4について本発明の製本を得るための装
置及びこの製本方法を実施する装置の別実施について説
明する。この装置は、製本ラインB,D,Eの結合構成
によって形成されているが、製本ラインBについては、
前記図3の実施例に示す製本ラインBと同一であるので
詳細な説明は省略する。又製本ラインDついては、図3
に示す製本ラインCのうち、前記正綴じ中綴本bのフィ
ーダー24の下手側に設けられている糊料を下向きに噴
射塗布するノズル26、表紙折帖フィーダー27及び押
圧ローラ28に関する構成を省略したもので、製本ライ
ンDはその分短縮化されている。その他の構成について
は図3の実施例と同様であるので、同一構成部分には同
一の符号を付すことにより詳細な説明は省略する。次に
製本ラインEの構成について説明すると、29は、図示
してない機枠に対して往路と復路が水平旋回するように
軸架した搬送チェン機構で、前記搬送チェン機構17の
搬送終端と前記搬送チェン機構29の復路搬送始端と
が、複合中綴本cを180°反転する手段によって接続
されている。一方、前記搬送チェン機構29には所定の
間隔毎に前記複合中綴本cの中途部を左右側から挟持支
持するクランプ手段30がとりつけられ、又搬送チェン
機構29の復路中途部の下方に複合中綴本cを構成する
正綴じ中綴本bの背部に糊料を塗布する装置31が配設
してある。この糊料塗布装置31は槽31a内の糊料を
平行2条の回転ローラ31bのタッチにより均一に塗布
するようにしたもので、又この糊料塗布装置31は逆綴
じ中綴じ本cの背部のタッチを均一にするため上下動調
整可能とすることが望ましい。前記糊料塗布装置31の
下手側下方に表紙フィーダー32を配設するとともに、
該表紙フィーダー32から供給された1枚のフラットな
表紙1を、搬送チェン機構29の復路運行とは無関係に
一時停止させるストッパー33がチェンを挟むように昇
降可能に設けてある。更に、このストッパー17の下手
側に、表紙1aを中央から上向きに2ツ折しながら前記
クランプ手段30に挟着支持されている複合中綴本cの
背部に押圧し接着する誘導杆34が設けられている。又
この誘導杆34の下手側に、前記クランプ手段30より
下方に位置され、かつ複合中綴本cの背部両側を短距離
の間だけ挟着支持するクランプ手段35を配設する。こ
のクランプ手段35は矢印で示すように背部の挟着,離
反,戻り,背部の挟着の動作が限られた区間でタイミン
グよく行えるように構成したものである。前記搬送チェ
ン機構29の復路終端部で前記クランプ手段30による
挟着支持は開放されるとともに、表紙1で複合中綴本c
を構成する正綴じ中綴本bの綴針露出部を隠蔽した中綴
本Aが得られる。次いで、この中綴本Aを三方断裁機
(図示略)にて天地,小口を化粧断裁して製本を得る。
【0016】
【発明の効果】 上述のように本発明の構成によれば、
次のような効果が得られる。 (a)逆綴じ中綴本の上に正綴じ中綴本を積み重ね接着
したので、両中綴本の綴針の屈曲端部が中綴製本の内に
埋入される結果となり、綴針の屈曲端部が表面に全く現
れないため本をバラバラに損傷するキッカケを子供に与
えることがなく、悪戯による指などの怪我の発生が略完
全に防止しうる。 (b)表紙を後付けすることにより、正綴じ中綴本の綴
針を隠蔽することができ、更に一層(a)項記載の効果
の向上が図れる。 (c)製本ラインB,C及びD,Eとの結合ラインは、
夫々単独の正綴じ又は逆綴じ中綴本の製本ラインとして
使用することができ、1基の装置により目的に適応した
中綴本の製本が得られ、その切換えも簡便である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 中綴製本の分解斜視図である。
【図2】 中綴製本の別実施例の分解斜視図である。
【図3】 中綴製本方法の実施に当たり使用する装置の
説明図である。
【図4】 装置の別実施例を示す説明図である。
【符号の説明】
A 中綴製本 B 製本ライン C 製本ライン D 製本ライン E 製本ライン 1 表紙 2 綴針 3 本文折帖 11 搬送チェン機構 12 プッシャー機構 13 本文折帖フィーダー 14 正綴じステッチャー機構 14a 打針部材 14b つぶし部材 15 鋼線ボビン 16 駆動モータ 17 搬送チェン機構 18 プッシャー機構 19 本文折帖フィーダー 20 逆綴じステッチャー機構 20a 打針部材 20b つぶし部材 21 鋼線ボビン 22 駆動モータ 23 ノズル 24 フィーダー 25 押圧ローラ 26 ノズル 27 表紙折帖フィーダー 28 押圧ローラ 29 搬送チェン機構 30 クランプ手段 30a 槽 30b 回転ローラ 31 糊料塗布装置 32 表紙フィーダー 33 ストッパー 34 誘導杆 35 クランプ手段 a 逆綴じ中綴本 b 正綴じ中綴本 c 複合中綴本

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 逆綴じ中綴本の上に表紙をもつ正綴じ中
    綴本を積み重ね接着したことを特徴とする中綴製本。
  2. 【請求項2】 逆綴じ中綴本の上に正綴じ中綴本を積み
    重ね接着するとともに、正綴じ中綴本の上面に表紙を接
    着し、正綴じ中綴本の綴針を表紙にて隠蔽したことを特
    徴とする中綴製本。
  3. 【請求項3】 逆綴じ中綴本の肉厚を大とし、正綴じ中
    綴本を本文折帖冊数の少ない肉薄とした請求項1又は2
    記載の内製本。
  4. 【請求項4】 逆綴じ及び正綴じ中綴本のステッチャー
    位置を互いにずらし、上下の両綴針が重ならないようし
    た請求項1,2又は3記載の中綴製本。
  5. 【請求項5】 複数基並列配設した本文折帖フィーダー
    から本文折帖を順次下方の搬送手段上に積み重ね供給す
    る工程、この積み重ねられた本文折帖の背部を上方から
    中綴じして本文折帖の正綴じ中綴本を得る工程、この正
    綴じ中綴本を正綴じ折帖フィーダーに供給する工程、一
    方、複数基並列した本文折帖フィーダーから本文折帖を
    順次下方の搬送手段上に積み重ね供給する工程、この積
    み重ねられた本文折帖群の背部を下側から逆中綴じして
    本文折帖の逆綴じ中綴本を得る工程、この逆綴じ中綴本
    の背部表面にそって所要巾の糊料を吹き付け塗布する工
    程、この逆綴じ中綴本の上に、前記正綴じ折帖フィーダ
    ーから正綴じ中綴本を供給する工程、正綴じ中綴本を逆
    綴じ中綴本の背側に接着して複合中綴本を得る工程とか
    らなり、この複合中綴本を三方断裁機にて天地及び小口
    を化粧断裁して中綴製本を得ることを特徴とする製本方
    法。
  6. 【請求項6】 複数基並列配設した本文折帖フィーダー
    から本文折帖を順次下方の搬送手段上に積み重ね供給す
    る工程、この積み重ねられた本文折帖の背部を上方から
    中綴じして本文折帖の正綴じ中綴本を得る工程、この正
    綴じ中綴本を正綴じ折帖フィーダーに供給する工程、一
    方、複数基並列した本文折帖フィーダーから本文折帖を
    順次下方の搬送手段上に積み重ね供給する工程、この積
    み重ねられた本文折帖群の背部を下側から逆中綴じして
    本文折帖の逆綴じ中綴本を得る工程、この逆綴じ中綴本
    の背部表面にそって所要巾の糊料を吹き付け塗布する工
    程、この逆綴じ中綴本の上に、前記正綴じ折帖フィーダ
    ーから正綴じ中綴本を供給する工程、正綴じ中綴本を逆
    綴じ中綴本の背側に接着して複合中綴本を得る工程、こ
    の複合中綴本を180°転換して背部を下向きとした姿
    勢で前記搬送手段とは別の搬送手段のクランプ手段に順
    次委換する工程、該搬送手段による搬送途中において複
    合中綴本の背部下面に糊料を塗布する工程、この糊料が
    塗布された複合中綴本を、搬送手段の下手側に表紙折帖
    フィーダーから給紙され、前記搬送手段の動きとは別に
    一時停止状態で待機している表紙折帖上に供給する工
    程、表示折帖を伴った複合中綴本を搬送しながら背側を
    別のクランプ手段にて挟圧し、複合中綴本の背側に表紙
    折帖を接着する工程、この複合中綴本をクランプ手段か
    ら開放したのち三方断裁機にて天地及び小口を化粧断裁
    機して中綴製本を得る工程とからなることを特徴とする
    製本方法。
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