JP2979552B2 - ロボットの制御方法 - Google Patents

ロボットの制御方法

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、6軸関節形ロボットのティーチング操作時
の動作制御方法に関する。
〔従来の技術〕
従来、6軸関節形ロボットのティーチング操作におい
て、ロボットが把持するワークの姿勢を任意の作業点に
対して所望の相対姿勢に変化させる場合、次のような動
作制御を行っていた。
(1) ロボットの各軸を単独に動作させて所望のワー
ク姿勢をとる。
(2) ロボット本体の有する基準座標軸回りの回転動
作と基準座標軸方向の平行移動により所望のワーク姿勢
をとる(第7図参照)。
(3) ロボット本体の有するツール座標軸回りの回転
動作とツール座標軸方向の平行移動により所望のワーク
姿勢をとる(第7図参照)。
前記の(2),(3)の回転動作はロボットの制御点
Rを回転中心として動作制御を行う。
〔発明が解決しようとする課題〕
ところが、前記の方法では、ロボットの各軸を単独に
動作させたりロボットの制御点Rを回転中心として、あ
る座標軸回りに回転動作させてロボットの把持するワー
クを任意の作業点に対して所望の相対姿勢となるよう動
作させた場合、第7図に示すように、P点の位置を変化
させずにワークの姿勢だけを変化させることができず
に、回転動作と平行移動を繰り返し操作する必要がある
ため、ティーチング作業時間が長くかかるという問題が
あった。
そこで本発明は、ロボットの把持するワークと任意の
作業点Aとの相対姿勢を、第6図に示すようにP点の位
置を変化させることなく動作させることを目的とする。
〔課題を解決するための手段〕
この目的を達成するため、本発明のロボットの制御方
法は、ワークを把持して作業を行うロボットを、下記の
ステップで制御することを特徴とする。
(1)ツール寸法が正しく測定された測定用ツールをロ
ボットの手首部に装着して任意の作業点Aの座標を教示
する。
(2)ワークをロボットで把持して教示する際に用いる
前記任意の作業点Aを原点とする直交座標系を4×4マ
トリクスのSで次のように定義する。
S=Z・S 但し、A=(pxs pys pzs) ▲▼=(nxs nys nzs) ▲▼=(Oxs Oys Ozs) ▲▼=(axs ays azs) ▲▼,▲▼,▲▼は単位ベクトル (3)ティーチング操作する際に、前記任意の作業点A
を一時的にロボット制御点Rから見たエンドエフェクタ
として演算する。
S=Z・T・E E=T-1・S ここでTはロボットの制御点Rを表すマトリクス、E
はロボットの制御点Rから作業点Aまでのエンドエフェ
クタを表すマトリクス。
(4)作業点Aに定義された座標系のXU回り、YU軸回り
及びZU軸回りの回転動作の回転角度をそれぞれψ,φ及
びθとし、回転移動マトリクスMを、 とする。
(5)ワークを把持して行うロボットの実際の作業に際
し、前記任意の作業点Aの座標系Sの見掛け上の座標系
S′を S′=S・M と表し、ロボットを、 T′・E=S′ T′=S′E-1 で表されるT′の6軸のリンク角で動作させる。
〔実施例〕
以下、本発明を、実施例に基づいて具体的に説明す
る。
第1図は本発明のロボットの制御方法を実施するため
のロボット制御装置の構成例を示すブロック図、第2図
はCPUの処理手順を示すフローチャートである。
まず、第3図に示すように、ツール寸法が正しく測定
されたツール2をロボット1の手首部に装着して任意の
作業点A3の座標を教示する。次に、第4図に示すよう
に、B点及びC点にツール2を移動し教示する。ただ
し、A点〜C点の関係は次の通りである。
A点・・・作業点(座標の原点) B点・・・XU軸方向 C点・・・YU軸方向 ▲▼,▲▼の外積をZU軸方向とする。
第5図に示すように、A,B,C点の座標値よりロボット
の基準座標Zから見た任意の作業点Aでの座標系をS
(4×4マトリクス)で定義すると、 S=Z・S となる。
但し、A=(pxs pys pzs =(nxs nys nzs =(Oxs Oys Ozs =(axs ays azsU ,U,は単位ベクトル 次に、ティーチング操作する際に、任意の作業点Aを
一時的にロボット制御点Rから見たエンドエフェクタと
して演算する(第5図)。
S=Z・T・E E=T-1・S ここでTはロボットの制御点Rを表すマトリクス、E
はロボットの制御点Rから作業点Aまでのエンドエフェ
クタを表すマトリクスである。
ここで作業点Aに定義された座標系のZU軸回りの回転
動作を例にとって説明する。回転角度をθとすると、回
転移動マトリクスMは、 となり、任意の作業点Aの座表系Sは見掛け上、S′ S′=S・M と表されるため、ロボットは、 T′・E=S′ T′=S′E-1 で表されるT′の6軸のリンク角を算出すればよい。
この算出方法としては、例えば特開昭62−193786号公
報に記載された方法を用いることができる。算出された
リンク角により各軸に対して動作指令を出力することに
より、ロボットの把持するワーク姿勢を第6図に示すよ
うに動作させることが可能となる。XU軸、YU軸回りの回
転動作も同様である。すなわち、作業点Aに定義された
座標系のXU回り、YU軸回り及びZU軸回りの回転動作の回
転角度をそれぞれψ、φ及びθとすると、回転移動マト
リクスMは、 となり、任意の作業点Aの座標系Sの見掛け上の座標系
S′は S′=S・M と表わされるため、ロボットは、 T′・E=S′ T′=S′E-1 で表されるT′の6軸のリンク角を算出して、これに基
づいてワークを動作させることになる。
以上の制御方法を実施するためのロボット制御装置の
構成を示すブロック図が第1図である。
第1図に示すようにロボット制御装置は記憶部10とCP
U処理部20により構成されている。その動作を、第2図
のフローチャートに従って説明する。まず、ステップ10
0に示すように任意の作業点Aの座標をロボットで教示
する。次に、ステップ110に示すように、教示点より作
業点の座標Sを演算し、記憶部10の記憶エリアを格納す
る。次のステップ120においては、ティーチボックスの
信号によりCPUへ動作命令が出されると、ロボットの制
御点Rから作業点AまでのエンドエフェクタEを算出す
る。ステップ130では、作業点Aの回転座標S′と元の
エンドエフェクタEよりロボットの制御点座標T′を算
出する。ステップ140では、ロボットの制御点座表T′
より各軸のリンク角を算出し、動作指令を出力する。
〔発明の効果〕
以上に説明したように、本発明によれば、任意の作業
点を一時的にロボット制御点からのエンドエフェクタと
して回転動作制御することにより、ロボットの把持する
ワークの姿勢を任意の作業点に対して所望の相対姿勢と
なるように短時間で変更することができ、ティーチング
時間の短縮に大きな効果がある。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明のロボットの制御方法を実施するための
ロボット制御装置の構成例を示すブロック図、第2図は
その処理手順を示すフローチャート、第3図及び第4図
は任意の作業点の座標定義を示す図、第5図はロボット
制御点と任意の作業点の関係を示すベクトル図、第6図
は本発明での動作例を示す説明図、第7図は従来のティ
ーチング動作例を示す説明図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭64−37603(JP,A) 特開 昭60−193016(JP,A) 特開 昭63−29806(JP,A) 特開 昭63−184806(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G05B 19/42

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ワークを把持して作業を行うロボットを、
    下記のステップで制御することを特徴とするロボットの
    制御方法。 (1)ツール寸法が正しく測定された測定用ツールをロ
    ボットの手首部に装着して任意の作業点Aの座標を教示
    する。 (2)ワークをロボットで把持して教示する際に用いる
    前記任意の作業点Aを原点とする直交座標系を4×4マ
    トリクスのSで次のように定義する。 S=Z・S 但し、A=(pxs pys pzs) ▲▼=(nxs nys nzs) ▲▼=(Oxs Oys Ozs) ▲▼=(axs ays azs) ▲▼,▲▼,▲▼は単位ベクトル (3)ティーチング操作する際に、前記任意の作業点A
    を一時的にロボット制御点Rから見たエンドエフェクタ
    として演算する。 S=Z・T・E E=T-1・S ここでTはロボットの制御点Rを表すマトリクス、Eは
    ロボットの制御点Rから作業点Aまでのエンドエフェク
    タを表すマトリクス。 (4)作業点Aに定義された座標系のXU回り、YU軸回り
    及びZU軸回りの回転動作の回転角度をそれぞれψ,φ及
    びθとし、回転移動マトリクスMを、 とする。 (5)ワークを把持して行うロボットの実際の作業に際
    し、前記任意の作業点Aの座標系Sの見掛け上の座標系
    S′を S′=S・M と表し、ロボットを、 T′・E=S′ T′=S′E-1 で表されるT′の6軸のリンク角で動作させる。
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