JP2978751B2 - 掘削機位置・姿勢および掘削壁面形状の計測装置、掘削機位置・姿勢および掘削壁面形状の計測方法、ならびにその方法を用いた掘削制御および掘削管理方法 - Google Patents

掘削機位置・姿勢および掘削壁面形状の計測装置、掘削機位置・姿勢および掘削壁面形状の計測方法、ならびにその方法を用いた掘削制御および掘削管理方法

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JP2978751B2
JP2978751B2 JP31715895A JP31715895A JP2978751B2 JP 2978751 B2 JP2978751 B2 JP 2978751B2 JP 31715895 A JP31715895 A JP 31715895A JP 31715895 A JP31715895 A JP 31715895A JP 2978751 B2 JP2978751 B2 JP 2978751B2
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ultrasonic
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勝也 太田
忠 樋口
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和男 原田
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、掘削機位置・姿勢
および掘削壁面形状の計測装置、掘削機位置・姿勢およ
び掘削壁面形状の計測方法、ならびにその方法を用いた
掘削制御および掘削管理方法に関する。
【0002】本発明は、例えば、大深度立坑の築造に適
用できる。
【0003】
【従来の技術】土木工事における、地下連続地中壁や縦
坑(立坑)構築のための掘削は、例えば、図34に示さ
れるように、安定液16が注入された掘削溝18内で、
吸い上げパイプ14を介して砂礫等を吸い上げながら、
ロータリー式掘削機10の回転ビット12によって鉛直
方向に掘削することにより行われる。なお、掘削機10
の掘削は、アジャスタブルガイド20によって安定化さ
れている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明者による検討の
結果、以下の事項が明らかとなった。
【0005】(1)地下連壁工法、縦坑(立坑)掘削工
法などでは、掘削壁の鉛直性や掘削幅を確保するため
に、壁面の掘削状態の測定が必要である。特に、大深度
の連続した地中壁の掘削には、掘削中の掘削機の位置を
リアルタイムで検出し、方向制御を行って高精度の掘削
を実現する技術が必要である。
【0006】この場合、掘削機の振動の影響を受けず、
泥水中においても掘削機位置・姿勢を直接に、高精度に
ローリングを含めて計測することは、現状では困難であ
る。
【0007】(2)但し、仮に、上述の掘削機の位置・
姿勢の制御が実現できたとしても、それだけでは十分で
はなく、現実には、所望の掘削壁面形状を実現できない
こともある。
【0008】つまり、理論的には、掘削機の形状は掘削
機により切削された部位(回転ビットにより土砂が削り
取られた部分)に等しいのであるが、現実には、掘削後
に掘削壁面に剥離(崩落)が生じる場合があり、これに
より、現実の溝壁形状は、掘削機の位置・姿勢データか
ら算出される理論的な溝壁形状とは必ずしも一致しな
い。
【0009】掘削壁の剥離が生じると、図32に一例が
示されるように、崩落エリア27と堆積エリア29が生
じる。この剥離は、主に、安定液の不良により発生す
る。
【0010】剥離が生じると、その後の作業に支障をき
たす場合がある。例えば、掘削壁に剥離が生じたことが
立坑(溝)の完成後に判明した場合、鉄筋籠の建込がで
きなくなったり、その対策として余分なコンクリートの
打設が必要となるなどしてコスト上昇の一因にもなる。
【0011】したがって、立坑(溝)の掘削途中で掘削
壁の形状をリアルタイムで検出し、適切な安定液の管理
をこまめに行うことができれば、掘削の信頼性を向上で
きる。
【0012】このように、掘削機の位置・姿勢を高精度
に制御して掘削うことと、掘削後の現実の溝壁形状を所
望の形状に維持するための掘削管理(安定液の管理)を
行うことを、同時並行的に行うことができれば、より高
度な掘削技術を実現できるだきでなくコストの低減も可
能となる。
【0013】本発明は、このような本願発明者の検討の
結果に基づいてなされたものであり、その目的は、より
高度な掘削を実現するべく、掘削機位置・姿勢および掘
削壁面形状の計測装置、掘削機位置・姿勢および掘削壁
面形状の計測方法、ならびにその方法を用いた掘削制御
および掘削管理方法を提供することにある。
【0014】なお、本明細書で使用する、主要な用語の
意味は以下のとおりである。
【0015】掘削機の制御において使用する用語とし
て、掘削機の「位置と姿勢」がある。図30に示される
ように、縦坑の掘削途中において、掘削機10には「水
平方向の位置ずれ」や、「ヨーイング,ピッチング,ロ
ーリング(各態様が図31の(a),(b),(c)に
示されている)」が生じる。したがって、掘削機10の
位置を正確に特定するためには、それらを考慮しなけれ
ばならない。
【0016】ここで、「水平方向の位置ずれ」とは、要
するに、掘削機の仮想的な原点位置が水平方向にずれる
ことである。
【0017】また、「ヨーイング,ピッチング,ローリ
ング」は、一般には、「掘削機の回転方向」を示す用語
であり、それらが生じた場合の「角度のずれ」を特定す
ることによって、「掘削機の姿勢」を把握できることに
なる。
【0018】このような事項を考慮し、本明細書では、
掘削機の「位置」という用語は、「水平方向の位置」を
示す意味で使用し、掘削機の「姿勢」という用語は、
「ヨーイング等を考慮した掘削機の姿勢」を示す意味で
使用する。
【0019】また、「掘削機の位置ずれ」と記すときに
は、「掘削機の水平方向の位置ずれ」を意味し、「掘削
機の角度ずれ」とは「ヨーイング等が生じたことによる
角度ずれ」を意味する。また、「ヨーイング,ピッチン
グ,ローリング」という用語は、「掘削機の回転方向
(図31の各態様)」を意味し、また、「ヨーイング,
ピッチング,ローリングが生じた場合のその角度ずれ」
は、「角度ずれ」と記す。
【0020】上述の用語の使用によれば、「掘削機の原
点位置の測定」によって「掘削機の水平位置」がわか
り、一方、「ヨーイング,ピッチング,ローリングの検
出によって掘削機の回転方向」がわかり、かつ「その回
転に伴う角度ずれ」を測定することにより「掘削機の姿
勢」がわかることになる。
【0021】そして、「掘削機の水平位置」と「掘削機
の姿勢」を検出することにより、「掘削機の現在位置・
姿勢」が特定されることになる。なお、記載の簡素化の
ため、「掘削機の位置と姿勢」を「掘削機位置・姿勢」
と記す。
【0022】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成する本
発明は、以下の構成を有する。
【0023】(1)請求項1の本発明は、縦坑あるいは
溝の内部における掘削機の位置および掘削壁面の形状を
計測する掘削機位置・姿勢および掘削壁面形状の計測装
置であって、掘削機の表面に固定された基準面設定部
と、この基準面設定部の前記基準面ならびに前記掘削壁
面に対して超音波を送出する超音波送信部と、前記基準
面ならびに前記掘削壁面からの反射波を受信する超音波
受信部とを具備し、かつ前記掘削機とは非接触の状態で
保持されてなる超音波送受信手段と、超音波の送信およ
び受信タイミングの差に基づき時間データを取得する時
間測定手段と、この時間測定手段によって取得された時
間データに基づいて、前記超音波送受信手段と前記基準
面との間の距離データならびに前記超音波送受信手段と
前記掘削壁面との間の距離データを取得する距離データ
取得手段と、この距離データ取得手段によって取得され
た前記距離データを用いて前記掘削機位置・姿勢を求め
る掘削機位置・姿勢検出手段と、前記距離データ取得手
段によって取得された前記距離データを用いて前記掘削
壁面の形状を求める壁面形状検出手段と、を有すること
を特徴とする。
【0024】本請求項の発明によれば、掘削の途中にお
いて、一つの超音波測定器を使用するだけで、リアルタ
イムで、高精度の掘削機位置・姿勢の検出と、掘削壁面
の形状の計測とを同時並行的に行うことができる。
【0025】距離データの取得は、掘削機と非接触の超
音波測定器を用いて行うため、掘削機位置・姿勢の検出
については、掘削機の振動の影響を受けず、泥水中にお
いても掘削機位置を直接に、高精度にローリングを含め
て計測し得る。
【0026】また、壁面形状の計測においても、超音波
測定器を用いて行うために、正確な距離データの取得が
可能である。
【0027】(2)請求項2に記載の本発明は、請求項
1において、超音波送受信手段は、昇降手段によって前
記縦坑または溝内において昇降可能となっており、か
つ、前記昇降の方向と交差する方向に沿って送出する超
音波を走査できるようになっており、前記基準面設定部
は、掘削機の天端における、前記超音波送受信手段から
の超音波を受け、その反射波を超音波送受信手段に送る
ことができる位置であって、かつ前記超音波送受信手段
から前記掘削壁面に向けて送出される超音波の全部を遮
断しない位置に固定されていることを特徴とする。
【0028】本請求項の発明では、超音波の送出方向を
変化させることができる一つの超音波測定器を用い、超
音波を走査していき、掘削機の天端に固定した基準面か
らの反射波と、その基準面に遮断されることなく掘削壁
面に到達した超音波の反射波とを受信し、基準面までの
距離データと掘削壁面までの距離データとを時分割的に
取得する。
【0029】したがって、一つの超音波測定器を用いた
簡易な構成で、基準面までの距離データと掘削壁面まで
の距離データを一挙に取得できる。また、超音波の走査
により、対応する昇降位置における壁面の3次元データ
の取得が可能である。したがって、壁面の広範囲にわた
る3次元データを比較的短時間で把握することができ
る。
【0030】(3)請求項3の本発明は、請求項1また
は2において、掘削機位置・姿勢検出手段は、掘削機の
ローリング(ねじれ)を求めることを特徴とする。
【0031】超音波を利用した簡単な構成により、従来
の傾斜角センサを用いた手法では測定できなかったロー
リングを検出できるため、より高精度の掘削機の制御が
可能となる。
【0032】(4)請求項4の本発明は、縦坑あるいは
溝の内部における掘削機の位置および掘削壁面の形状を
計測する掘削機位置・姿勢および掘削壁面形状の計測装
置であって、掘削機の表面に固定された基準面設定部
と、この基準面設定部との間で超音波の送受信を行い、
かつ前記掘削機とは非接触の状態で保持されてなる第1
の超音波送受信手段と、この第1の超音波送受信手段と
接続手段により結ばれ、前記第1の超音波送受信手段の
上方に位置し、かつ前記掘削機の壁面との間で超音波の
送受信を行う第2の超音波送受信手段と、前記第1およ
び第2の超音波送受信手段の測定により取得される、超
音波の送信および受信タイミングの差の時間データに基
づいて、前記第1の超音波送受信手段と前記基準面との
間の距離データならびに前記第2の超音波送受信手段と
前記掘削壁面との間の距離データを取得する距離データ
取得手段と、この距離データ取得手段によって取得され
た前記距離データを用いて前記掘削機位置・姿勢を求め
る掘削機位置・姿勢検出手段と、前記距離データ取得手
段によって取得された前記距離データを用いて前記掘削
壁面の形状を求める壁面形状検出手段と、を有すること
を特徴とする。
【0033】本請求項の発明では、相対的な位置関係が
相互に規制された第1および第2の超音波測定器を使用
し、第1の超音波測定器を掘削機の位置・姿勢検出用の
データを取得するために用い、第2の超音波測定器を掘
削壁面までの距離データを取得するために用いる。一つ
の超音波測定器を兼用して双方のデータを取得する場合
に比べて制約が少なく、各超音波測定器を利用して、よ
り自由度の高い測定が可能となる。
【0034】(5)請求項5に記載の本発明は、請求項
4において、基準面設定部は、多面体をなす中空のハウ
ジングからなり、このハウジングは複数の壁面を含んで
構成されており、第1の超音波送受信手段は、前記中空
のハウジングの内部に位置し、かつ前記ハウジングの複
数の内壁面または掘削機の表面に対して超音波の送受信
を行い、掘削機位置検出手段は、第1の超音波送受信手
段とハウジングの前記複数の内壁面との間の各距離デー
タまたは掘削の表面との間の距離データに基づいて、前
記ハウジングの位置・姿勢を検出し、これにより、前記
掘削機の位置・姿勢を特定することを特徴とする。
【0035】本請求項の発明によれば、掘削機に固定さ
れたハウジング位置を、測定データに基づく演算処理に
よって検出し、これにより、掘削機位置を直接に測定す
る。したがって高精度である。
【0036】さらに、水平位置およびローリング,ピッ
チング,ヨーイングの発生、ならびにそれらの場合にお
ける位置ずれや角度ずれの全てを測定できる。
【0037】(6)請求項6の本発明は、 縦坑あるい
は溝の内部における掘削機の位置を計測する掘削機位置
・姿勢および掘削壁面形状の計測方法であって、掘削機
の表面に複数の基準面設定部を固定しておき、一つの超
音波送受信手段より、前記基準面設定部における基準面
および前記掘削壁面に向けて超音波を送出すると共に、
前記一つの超音波送受信手段により前記基準面および掘
削壁面からの反射波を受信し、超音波の送信および受信
タイミングの差に基づき、超音波送出点から前記基準面
および前記掘削壁面までの距離を求め、その距離データ
を用いて、掘削機位置・姿勢および掘削壁面形状の双方
を、掘削の途中において検出することを特徴とする。
【0038】本請求項の発明によれば、請求項1と同様
に、一つの超音波測定器のみを用いた簡単な構成によ
り、掘削機位置・姿勢および掘削壁面形状の双方を、掘
削途中においてリアルタイムで計測することができる。
【0039】(7)請求項7の本発明は、縦坑あるいは
溝の内部における掘削機の位置を計測する掘削機位置の
計測方法であって、掘削機の表面に多面体からなる中空
のハウジングを固定しておき、第1の超音波送受信機と
第2の超音波送受信機とを接続手段により接続し、縦坑
あるいは溝の内部において、前記第2の超音波送受信機
を吊り下げ手段により吊り下げ、この結果として前記第
2の超音波送受信機の下に前記接続手段を介して前記第
1の超音波送受信機が位置し、かつその第1の超音波送
受信機が前記ハウジングの内部において、ハウジングの
内壁面に接触しないように保持しておき、掘削機の深さ
位置に合わせて、前記第2の超音波送受信機と前記第1
の超音波送受信機とを相対的位置関係を維持しつつ降下
させ、前記第1の超音波送受信機からハウジングの前記
内壁面または掘削機の表面に向けて超音波を送出し、そ
の反射波を受信して内壁面までの距離または掘削機の表
面までの距離を測定し、また、前記第2の超音波送受信
機から掘削壁面に向けて超音波を送出し、その反射波を
受信して掘削壁面までの距離を測定し、掘削途中におい
て、前記内壁面までの距離または掘削機の表面までの距
離により前記ハウジングの位置・姿勢を特定して掘削機
位置・姿勢を計測すると共に、前記掘削壁面までの距離
により掘削壁面の形状を計測することを特徴とする。
【0040】本請求項の発明では、第1の超音波測定器
と第2の超音波測定器とを掘削機の位置に応じて、その
相対的位置関係を維持しつつ、連動させて降下させてい
き、第1の超音波測定器によりハウジングの各面までの
距離データを取得し、第2の超音波測定器により壁面ま
での距離データを取得する。昇降機により第2の超音波
測定器を吊り下げ、掘削位置に対応させて降下させれば
よく、実施が容易である。
【0041】(8)請求項8の本発明は、縦坑あるいは
溝の内部における掘削機の位置を計測する掘削機位置の
計測方法であって、掘削機の表面に多面体からなる中空
のハウジングを固定しておき、第1の超音波送受信機と
第2の超音波送受信機とを接続手段により接続し、縦坑
あるいは溝の内部において、前記第2の超音波送受信機
を吊り下げ手段により吊り下げ、この結果として前記第
2の超音波送受信機の下に前記接続手段を介して前記第
1の超音波送受信機が位置し、かつその第1の超音波送
受信機が前記ハウジングの内部において、ハウジングの
内壁面に接触しないように保持しておき、掘削機の深さ
位置に合わせて、前記第2の超音波送受信機と前記第1
の超音波送受信機とを相対的位置関係を維持しつつ降下
させ、前記第1の超音波送受信機からハウジングの前記
内壁面または掘削機の表面に向けて超音波を送出し、そ
の反射波を受信して内壁面までの距離または掘削機の表
面までの距離を測定し、また、前記第2の超音波送受信
機から掘削壁面に向けて超音波を送出し、その反射波を
受信して掘削壁面までの距離を測定し、掘削途中におい
て、前記ハウジングの内壁面までの距離または掘削機の
表面までの距離により前記ハウジングの位置・姿勢を特
定して掘削機位置・姿勢を計測すると共に、前記掘削壁
面までの距離と前記ハウジングの内壁面までの距離の差
分を利用して前記掘削壁面形状を計測することを特徴と
する。
【0042】本請求項の発明は、請求項7の計測方法を
用いて壁面形状を計測する場合において、掘削壁面まで
の距離と前記ハウジングの内壁面までの距離の差分を利
用して掘削壁面形状を計測することに特徴がある。
【0043】つまり、図7(a)に例示されるように、
壁面2Aの形状を計測する場合、超音波送受信機120
Bにより測定された距離データ(L1)から直接に形状
を計測するのではなく、超音波送受信機120Aにより
測定されたハウジングの内壁までの距離(L2)との差
分(L0=L1−L2)の変化により、壁面の表面形状
を計測するものである。
【0044】これにより、超音波送受信機(120A,
120B)自体に水平位置ずれが生じても、差分をとる
ことによってその差は相殺されるため、測定の信頼性が
向上する。
【0045】(9)請求項9の本発明は、縦坑あるいは
溝の内部における掘削機の位置を計測する掘削機位置の
計測方法であって、掘削機の表面に多面体からなる中空
のハウジングを固定しておき、第1の超音波送受信機と
第2の超音波送受信機とを第1の接続手段により鉛直方
向に接続し、かつ前記第2の超音波送受信機と第3の超
音波送受信機とを第2の接続手段により鉛直方向に接続
し、縦坑あるいは溝の内部において、前記第3の超音波
送受信機を吊り下げ手段により吊り下げ、この結果とし
て前記第3の超音波送受信機の下に前記第2の接続手段
を介して前記第2の超音波送受信機が位置し、さらに前
記第2の超音波送受信機の下に前記第1の接続手段を介
して前記第1の超音波送受信機が位置し、かつその第1
の超音波送受信機が前記ハウジングの内部において、ハ
ウジングの内壁面に接触しないように保持しておき、掘
削機の深さ位置に合わせて、前記各超音波送受信機の間
の相対的位置関係を維持しつつ各超音波送受信機を降下
させ、前記第1の超音波送受信機からハウジングの前記
内壁面または掘削機の表面に向けて超音波を送出し、そ
の反射波を受信して内壁面までの距離または掘削機の表
面までの距離を測定し、また、前記第2および第3の超
音波送受信機から掘削壁面に向けて超音波を送出し、そ
の反射波を受信して掘削壁面までの距離を測定し、前記
第1の超音波送受信機を用いて測定された内壁面までの
距離または掘削機の表面までの距離により前記ハウジン
グの位置・姿勢を特定して掘削機位置・姿勢を計測する
と共に、前記第2の超音波送受信機および第3の超音波
送受信機の各々を用いて測定された掘削壁面までの各距
離により、前記第2および第3の超音波送受信機の各位
置に対応する掘削壁面の形状の計測を行うことを特徴と
するものである。
【0046】本請求項の発明では、壁面までの距離を測
定するための超音波測定器として、第2の超音波測定器
の他にさらに第3の超音波測定器を設け、異なる位置に
おける壁面の形状を把握できるようにしたものである。
各超音波測定器の測定結果を比較することにより、すで
に掘削した壁面について、当初は剥離がなかったもの
の、その後、経時的変化が生じて剥離が起こりはじめた
ことなども把握でき、したがって、よりきめの細かい掘
削管理ができる。
【0047】(10)請求項10に記載の本発明は、縦
坑あるいは溝の掘削制御方法および掘削管理方法であっ
て、掘削途中において、下記第1の方法により掘削機の
現在位置を計測し、その計測結果に基づき下記第2の方
法により掘削機の位置ずれおよび角度ずれを検出し、検
出された掘削機の位置ずれまたは角度ずれを補正するよ
うに掘削を制御し、かつ、下記第3の方法により掘削壁
面の形状を測定し、測定された掘削壁面の形状に基づき
下記第4の方法により掘削の管理を行う掘削制御および
掘削管理方法。
【0048】(第1の方法)掘削機の表面に基準面設定
部を固定しておき、掘削機の深さ位置に合わせて超音波
送受信手段を降下させ、その超音波送受信手段を前記掘
削機の表面に接触しないように保持し、前記超音波送受
信手段から前記基準面設定部の基準面または掘削機の表
面に向けて超音波を送出し、その反射波を受信して、基
準面または掘削機の表面までの距離を測定し、その距離
から仮想的な座標空間における基準面または掘削機の表
面の現在位置を検出する。
【0049】(第2の方法)仮想的な座標空間における
基準面または掘削機の表面の理想的な位置と、第1の方
法によって求められた現在の位置とを比較し、これによ
って、掘削機の水平位置ずれ,ヨーイング,ピッチン
グ,ローリングのうちの、少なくとも1つを測定する。
【0050】(第3の方法)昇降手段によって昇降可能
であり、かつ前記昇降の方向と交差する方向に沿って送
出する超音波を走査できるようになっている超音波送受
信手段を、縦坑または溝内において昇降させながら掘削
壁面に対して超音波を送信し、その反射波を受信し、送
受信のタイミング差より距離データを求め、その距離デ
ータに基づき掘削壁面の形状を計測する。
【0051】(第4の方法)掘削壁面の形状より、壁面
の崩落が生じていることが判明した場合、縦坑または溝
内に充填されている安定液の粘性および密度を調整し
て、掘削途中において掘削管理を行う。
【0052】本請求項の発明により、高精度な掘削機の
位置・姿勢の検出に基づく高精度な掘削機の制御と、壁
面形状の計測に基づく安定液の粘度(粘性)および密度
の調整(安定液の管理)の双方を掘削途中に行うことが
でき、従来にない、きわめて信頼性が高い縦坑(溝)の
掘削を実現できる。
【0053】また、掘削後に剥離対策が必要となること
もなくなり、また、超音波を用いた測定に必要な構成も
コンパクトであり、かつ簡素化されていることから、低
コストである。
【0054】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施例について図
面を参照して説明する。
【0055】(実施例1)図1は本発明の掘削機位置・
姿勢および掘削壁面形状の計測装置、計測方法ならびに
掘削制御・掘削管理方法の一実施例の構成を示す図であ
る。
【0056】本実施例は大深度立坑の築造のための連続
地中壁の掘削に用いられる装置である。
【0057】その特徴の一つは、掘削途中において、ハ
ウジング110内に位置する超音波測定器120によ
る、ハウジングの内壁面(基準面)または掘削機10の
表面までの距離の測定データを用いて掘削機位置・姿勢
を特定し、かつ、同じく超音波測定器120による掘削
壁面までの距離の測定データを利用して掘削壁面形状を
計測することである。
【0058】また、他の特徴は、掘削機位置・姿勢の検
出結果に基づき、操作盤200により掘削機の制御を行
うことにより高精度の掘削を行い、かつ、壁面形状の測
定結果に基づき安定液管理手段4400,粘性および密
度調整手段4500により安定液の粘性および密度のこ
まめな管理を行うことである。
【0059】(全体構成)掘削溝18には安定液16が
充填されており、掘削機10は回転ビット12によって
溝底部を掘削する。
【0060】掘削機10の鉛直方向の位置は、ウインチ
130による吊りワイヤー100の長さ調整によって制
御されるようになっている。
【0061】掘削機10の天端(上端)には、傾斜角セ
ンサ22が取り付けられている。この傾斜角センサの検
出出力等は、通信用のケーブルC1を介して地上に導出
されるようになっている。
【0062】超音波測定器120はケーブルC2によっ
て吊り下げられており、掘削機10との所定の相対位置
関係が成立するように掘削機10と同様に降下され、掘
削機10の天端(上面)に固定されたハウジング110
の内側において静止して保持されている。
【0063】ハウジング110の形態は、例えば、図3
(a),(b)に示されるように、壁面2A,2Bの所
定の範囲に向けて超音波を送出するに足る開口を形成す
るように設けられ、4つの内壁(基準面)を有してい
る。図3については、後に詳しく説明する。
【0064】図1において、超音波測定器120は自重
で鉛直方向に降下し、その降下位置(深度)は、巻き上
げ部140の回転の調整によって制御される。巻き上げ
部140の回転数は、ロータリーエンコーダ150によ
り検知され、そのエンコード出力は、演算手段2000
内の、深度計161に与えられる。
【0065】なお、演算手段2000は、深度計161
の他に、傾斜角を検出する傾斜角検出手段162と、距
離算出手段163と、巻き上げ部140の回転を制御す
る回転制御手段164と、ハウジング10の位置・姿勢
(つまり、掘削機10の位置・姿勢)を検出する位置等
検出手段165と、壁面形状の検出手段190とを有し
ている。
【0066】また、位置等検出手段165は、ウインチ
130からの、掘削機10を吊り下げている吊りワイヤ
ー100の長さの情報を基に、回転制御手段164に指
示を与えて、ケーブルC2の長さを吊りワイヤーと一定
の関係をもたせて調整する(例えば、連動させて調整す
る)機能を併せもっている。
【0067】なお、傾斜角検出手段162は、掘削機1
0に取付られた傾斜角センサ22から、ケーブルC1を
介して送られてくるセンシング出力を受けて傾斜角を検
出するものであり、また、距離算出手段163は、超音
波測定器120によって測定され、ケーブルC2を介し
て送られてくる測定データより、超音波測定器120か
らハウジング110の各内壁面(すなわち、各基準面)
までの距離、ならびに掘削壁面までの距離を検出するも
のである。
【0068】検出された掘削機10の位置は、リアルタ
イムで表示手段170に表示されると共に、例えば、デ
ータレコーダ(不図示)に記録される。
【0069】掘削機制御装置180は、位置等検出手段
165から送られてくる掘削機位置情報に基づき掘削機
操作盤200に指示を与え、掘削機操作盤200は、こ
の指示に従って掘削機10の掘削姿勢を補正する。この
結果、リアルタイムの掘削機位置・姿勢の検出による高
精度な掘削制御が実現される。
【0070】一方、壁面形状検出装置190は、距離算
出手段163から送られてくる掘削壁面までの距離デー
タに基づき、壁面形状を演算してリアルタイムで表示手
段170に表示すると共に、例えば、データレコーダ
(不図示)に記録する。
【0071】さらに、この壁面形状検出手段190によ
り検出された壁面形状情報は安定液管理手段4400に
送られ、掘削壁面に剥離が認められる場合には、粘性お
よび密度調整手段4500により、安定液の粘性および
密度を、剥離が生じないような最適の粘度および密度に
調整する。
【0072】このような安定液の管理(掘削管理)は、
具体的には、以下のように行われる。すなわち、掘削機
10の回転ビット12により掘削された土砂は、サクシ
ョンポンプ(P1)4000により、吸い上げパイプ1
4を介して安定液と共に吸い上げられる。
【0073】その後、土砂分離手段4100によって安
定液から土砂が分離され、つづいて、前述したように、
安定液管理手段の制御に基づき、粘性および密度調整手
段4500によって安定液の粘度および密度が調整さ
れ、粘度および密度調整後の安定液は送水ポンプ(P
2)4300によって送り出され、送水管4600を介
して掘削溝18内に戻される。
【0074】なお、土砂分離後の安定液の粘性および密
度は粘性および密度検出手段4200により検出され、
安定液管理手段4400は検出されたその粘性および密
度情報を利用して粘性および密度調整手段に指示を与え
て安定液の粘性および密度の調整を行うようになってい
る。
【0075】このようなシステムでは、図2に示すよう
に、掘削途中において2つの制御が同時並行的に行われ
ている。
【0076】すなわち、非接触の超音波送受手段120
は、機能ブロック(所定の機能を実現するための手段)
として壁面データ取得手段1500とハウジングの基準
面データ取得手段1600とを有している(これらは図
1中は図示されていない。また、これらの手段の具体的
構成は後述する)。取得されたデータは、演算手段20
00を構成する壁面形状検手段190およびハウジング
(掘削機)位置・姿勢検出手段165により演算処理さ
れ、壁面形状ならびに掘削機位置・姿勢が計測される。
そして、安定液管理手段(4400,4500),掘削
制御手段(180、200)によって、きめの細かな掘
削管理ならびに高精度な掘削制御が実現される。
【0077】(具体的配置例)次に、一つの超音波送受
信器(以下、超音波測定器ともいう)を用いて、壁面形
状ならびに掘削機の位置・姿勢の双方を計測する場合の
具体的配置例を図3(a),(b)を用いて説明する。
なお、図3(a)は掘削機10の天端部分を真上からみ
た図であり、図3(b)はその斜視図である。
【0078】図3(a),(b)に示すように、本配置
例では2つの超音波測定器120,121ならびに2つ
のハウジング110a,110bを用いる。ハウジング
110a,110bは共に、対向する掘削壁面2A,2
Bの方向に所定幅の開口部を有する形態で、掘削機10
の天端の左右の隅に固定されて設けられており、四方の
壁の内壁面は超音波計測のための基準面を構成してい
る。この基準面までの距離を求めることにより、ハウジ
ングの位置・姿勢が特定され、結果的に掘削機の位置・
姿勢が特定されることになる。また、壁面までの距離デ
ータに基づいて壁面形状が計測される。
【0079】また、2つの超音波測定器120,121
は、図3(b)に示されるように、ケーブル105,1
03により鉛直方向に吊り下げられており、時計回りの
方向に一定速度でかつ互いに同期して超音波を回転走査
する。超音波測定器120,121の具体的構成例につ
いては、図21,図22,図23を用いて後で説明す
る。
【0080】超音波測定器120,121による距離デ
ータの取得にあたって、ハウジングの内壁面(基準面)
からの反射波であるか、あるいは掘削壁面からの反射波
であるかは、受信波の強弱により判定可能である。つま
り、ハウジングの内壁面(基準面)からの反射波の受信
レベルは、より遠い位置にある掘削壁面からの反射波の
受信レベルよりも大であるため、一つの超音波測定器で
もって、基準面と掘削壁面の2つの距離データを区別し
て取得することができる。
【0081】なお、本配置例では、掘削機10の天端に
傾斜角センサ22a,22bを設け、検出された傾斜角
によりピッチング,ヨーイングならびにその角度ずれを
求め、基準面までの距離データに基づいて水平位置ず
れ、ローリングならびにその角度ずれを測定するように
している。
【0082】図4に、本実施例におけるローリング測定
の原理を示す。図中、実線で示すのが正常な掘削機位置
であり、一点鎖線で示すのがローリングが生じた後の掘
削機位置である。ローリングが生じると、ハウジング1
10の各内壁面(基準面)までの距離に変位(d1,d
2,d3,d4)が生じ、この変位よりローリングの発
生ならびに角度ずれを検出することが可能である。
【0083】なお、図3の配置例において、2つの超音
波測定器を用いているのは、掘削機が大型の場合等にお
いて、一つの超音波測定器では計測できる壁面の範囲に
限界があるため、一度に広範囲の壁面形状の計測を行う
ためであり、したがって、上述の目的を達成するために
より多くの超音波測定器を使用できることはいうまでも
ない。
【0084】また、複数の超音波測定器を使用する場合
において、天端に設けるハウジングは基本的に一つあれ
ばよく、他の超音波測定器については壁面形状のみの測
定を行うようにすればよい。このような、壁面形状のみ
の測定を行う超音波測定器の構成としては、例えば、図
19,図20に示されるような、走査角度範囲が規制さ
れ、その範囲内で繰り返し超音波を走査するような構成
が考えられる。図19,図20についての具体的な説明
は後述する。
【0085】次に、他の配置例について図5(a),
(b)を用いて説明する。
【0086】図5(a),(b)の配置の特徴は、非接
触の超音波測定器121と、掘削機10の天端に固定さ
れた超音波測定器6000とを併用して用いることであ
る。この場合、ケーブルで吊り下げるのは超音波測定器
121のみであり、構成が簡素化される。
【0087】固定された超音波測定器6000は、掘削
機10の位置・姿勢の影響を受けるが、必要な場合に
は、演算において、そのような掘削機の位置・姿勢の変
化を補正するようにすればよく、問題は生じない。他の
構成については、図3と同じである。
【0088】次に、さらに他の配置例について図6を用
いて説明する。
【0089】本配置例の特徴は、掘削機10の天端に固
定するハウジング110を中空の直方体としたこと、な
らびに、2つの超音波測定器120A,120Bを鉛直
方向に重ねて吊り下げたことである。
【0090】2つの超音波測定器120A,120Bは
互いに所定長さのワイヤー103で結ばれ、上に位置す
る超音波測定器120Bはケーブル102により吊り下
げられている。上側の超音波測定器120Bは壁面形状
の測定のみに用いられ、下側の超音波測定器120Aは
ハウジング110の側壁(基準面)までの距離を測定し
てハウジング位置・姿勢(結果的に掘削機位置・姿勢)
を特定するためにのみ使用される。
【0091】このような配置をとった場合の特徴は、複
数の超音波測定器を使用するにもかかわらず、吊り下げ
用ケーブルは1本でよいことに加え、図7(a),
(b)に示すような相対的な測定によって、超音波測定
器自体の位置ずれをキャンセルしてより高精度な、掘削
壁面までの距離測定が可能であることである。
【0092】すなわち、図7(a),(b)に示すよう
に、超音波測定器120A,120Bが共に、掘削壁面
に垂直に超音波を送出した場合を考える。仮に、超音波
測定器120Aの水平位置が、図7(a)に示される矢
印のように、左側にずれたとすると、超音波測定器12
0Bの位置も同様にずれる。したがって、図7(a)に
おける、ハウジング110の掘削壁面2Aに最も近い側
壁から掘削壁面2Aまでの距離L0(=L1−L2)
は、超音波測定器の位置ずれにかかわらず一定である。
【0093】したがって、距離L0が変化するのは、壁
面2Aに崩落等が生じた場合だけである。したがって、
距離L0(=L1−L2)を測定することにより、超音
波測定器の位置ずれに影響されることなく、壁面2Aの
形状を測定できる。壁面2Bについても同様である。
【0094】本配置例では、超音波測定器120Aによ
り掘削機の水平位置ずれ、ローリングおよびその角度ず
れを測定し、ヨーイング,ピッチングならびに角度ずれ
は傾斜角センサ22a,22bを用いて測定する。
【0095】図8は図7の構成の変形例である。
【0096】その特徴は、超音波測定器120Aにおい
て、下側に向けても超音波を送出し、これによりハウジ
ングの各側壁ならびに底面までの各距離データを取得
し、ハウジング110の水平位置ずれ、およびローリン
グ,ピッチング,ヨーイング,それらの角度ずれのすべ
てを演算で求めるようにしたものである。これにより、
掘削機10の天端に傾斜角センサを設ける必要がなくな
る。掘削機位置・姿勢の測定原理については後述する。
【0097】なお、図8において、ハウジング110の
底面には、なにも設けずに掘削機10の上側の表面の一
部が露出していてもよいし、所定厚みの底板を設けても
よい。底板を設ける場合には、その厚みを考慮した距離
データの取得を行えば正確な距離を測定できる。
【0098】図9は図7,図8の構成を用いた応用例で
ある。
【0099】その特徴は、超音波測定器120Bの上
に、さらに超音波測定器120Cを重ねて配置し、この
超音波測定器120Cにより、すでに掘削した壁面につ
いて、経時的変化によって剥離が生じたかどうかを検出
できる。
【0100】図9に示されるように、超音波測定器12
0Bと超音波測定器120Cとの間の距離(ワイヤー
長)はL6となっており、このL6の調整により、現在
掘削中の位置から所望の距離だけ上部にある、既に掘削
された壁面の形状を、掘削中の壁面と同時にリアルタイ
ムで観測することができる。
【0101】なお、超音波測定器120Cの上に、さら
に別の超音波測定器を重ねていくことにより、掘削壁面
の形状を測定できる範囲がさらに広がる。
【0102】以上が本発明における、超音波測定器等の
配置の例である。いずれの例にも共通していえるのは、
鉛直方向に超音波測定器を吊り下げ、非接触の測定を行
うため、図29に例示するように、掘削溝全体の座標系
(絶対座標系X,Y,Z)を基準とした測定が行え、測
定精度が高いということである。
【0103】対比例として、図33のような構成を考え
る。この図33では、掘削機10の天端に超音波送受信
機アレイ4,6を固定して壁面形状を測定するものであ
るが、このような場合には、掘削機10を基準とした座
標系(マシン座標系)におけるデータしか得られず、掘
削機の位置ずれ等の影響を必ず受けることになる。ま
た、図33の場合超音波送受信機の数が多く、それぞれ
の位置の特定が面倒である。これに対し、本発明では、
超音波を所定の範囲にわたって走査したり、複数の超音
波測定器を、鉛直方向に所定間隔を維持させつつ吊り下
げる構成を採用するといった工夫をすることにより、図
33の場合のような問題は生じない。
【0104】次に、超音波計測の具体的な内容について
説明する。
【0105】(超音波測定器の昇降機構)図10に超音
波測定器の昇降機構の例を示す。図10において、超音
波測定器120(図6における120Bに相当)は、ケ
ーブル102を介して昇降機46により、掘削溝中を上
昇,下降するようになっている。ケーブル102は地表
面において演算手段2000(図1参照)に接続されて
いる。
【0106】図10では、図6〜図9に例示される構成
における、壁面形状測定のみに使用される測定器を単独
で抜き出して示している。この超音波測定器120は、
超音波振動子300を有し、この超音波振動子300は
最大θMの角度(掘削壁面上の距離dに相当)にわたっ
て、超音波を走査可能である。
【0107】超音波測定器120は、掘削機の深度に応
じて、昇降手段46により降下されていき、図11に示
すように、各深度位置(110−1,110−2・・1
10K等)において、超音波をステップ的に走査し、掘
削壁面における各点(P1〜PK)までの距離データ(あ
るいは時間データ)を取得する。取得された各データに
基づき、図10の演算手段2000による演算が行わ
れ、図1の表示器170上に、例えば、図12に示すよ
うな等高線による壁面形状が表示される。
【0108】なお、超音波測定器の降下の方法には種々
考えられ、例えば、図24に示すように、先端に重り8
2が接続されたガイド用ケーブル103と、ガイド板8
4a,84bとを用いれば、外乱の影響を排して効率よ
く超音波測定器を降下可能である。
【0109】(超音波測定器の具体的構成)水平方向に
超音波を送出するタイプの超音波測定器120は、図1
9(a)に示すように、水平方向(x,y方向)に超音
波を送出するための超音波振動子300を有している。
【0110】超音波振動子300は、支軸312の回転
に連動して最大でθMの角度範囲にわたって超音波を走
査できる。支軸312はモータ66により回転駆動され
る。図中、参照番号54a,54bは透明部材からなる
窓部であり、図20に示すように、この窓部54a,5
4bを介して超音波の送受信が行われる。
【0111】このような超音波測定器120は、例え
ば、図25に示される手順によって走査される。
【0112】まず、測定器の位置hおよび走査角θがそ
れぞれ、初期値h0およびθ0に設定され(ステップ5
00,501)、続いて、超音波の送受信が行われる
(ステップ502)。
【0113】次に、データ処理が行われる(ステップ5
03)。続いて、走査角が適正に更新され(ステップ5
04,505)、測定器の位置が適正に更新されると
(ステップ506,507)、ステップ501に戻っ
て、異なる方向の異なる点についての超音波計測が実行
される。なお、測定器の深度hは、例えば、掘削機10
の深度に連動させて調整される。
【0114】一方、図8のハウジング内に位置する超音
波測定器(図8の120Aに相当)は、図21のように
構成される。
【0115】つまり、図21に示すように、水平方向
(x,y方向)に超音波を送出するための超音波振動子
300と、鉛直方向(z方向)に超音波を送出するため
の超音波振動子302とを具備して構成されている。参
照番号304は重りであり、この自重によって、超音波
測定器120は鉛直方向に降下するように設計されてい
る。
【0116】水平方向に超音波を送出するための振動子
300は、支軸312の回転に連動して360度回転自
在となっており、図22に示されるように、外壁に設け
られた窓部(ア)〜(エ)を介して任意の方向に超音波
を送出することができる。
【0117】また、安定液の温度を測定するための温度
計316は、図21に示されるように、超音波測定器1
20の上面に取り付けられている。但し、取り付け位置
はここに限定されるものではなく、安定液の温度を正確
に把握できる位置であるなら、他の余分なスペース等に
配置することもできる。
【0118】次に、上述した超音波測定器における測定
原理を説明する。
【0119】超音波による距離の計測は、図29に例示
されるように、ハウジング110の理想的な位置(鉛直
位置)に適合するX,Y,Zの直交座標系(絶対座標
系)を想定し、X,Y,Zの少なくとも一つの方向に超
音波を送出して、その反射波の受信タイミングを測定す
ることによって行われる。つまり、送受信の時間差より
距離を求める。
【0120】超音波測定器120は、図23に示される
ように、超音波送信のタイミングを与えるトリガーパル
スを出力するトリガパルサ400と、そのトリガーパル
スによってトリガーされて送信パルスを出力する送信パ
ルサ401と、送受信分離手段402と、超音波送受信
部403と、走査角信号に従って超音波送信の方向を変
更する走査部404と、受信波の振幅を調整するSTC
回路405と、検波回路406と、増幅回路407と、
送受信タイミングの差の時間を測定する時間測定回路4
08と、安定液の温度を測定するための温度計316と
を有している。
【0121】温度計316は、水中の音速が温度に依存
して変化することに着目して、水中における音速を正確
に把握し、超音波による距離測定の精度を向上するため
に設けられている。
【0122】この温度計316の測定データ(温度デー
タ)と時間測定回路408の測定時間データは、図1に
示されるケーブルC2を介して距離算出手段163にシ
リアル転送されるようになっている。温度計316によ
る温度測定は、常時行ってもよいし、また、超音波によ
る距離測定を行う時にのみ、連動して計測するようにし
てもよい。
【0123】なお、超音波送受信部403および温度計
316とその他の信号処理回路とを分離し、超音波送受
信部403および温度計316のみを縦坑内部に保持
し、測定信号をケーブルを介して送信し、データ処理は
地上にて行うような構成としてもよい。
【0124】(位置計測の具体例)次に、図6〜図9に
示される直方体のハウジングを用いて、掘削機10の位
置・姿勢を測定する原理について具体的に説明する。
【0125】まず、超音波計測のみによって掘削機位置
・姿勢(すなわち、ハウジング位置・姿勢)を検出する
場合に、どれだけの測定点数が必要であるかについて考
察する。
【0126】図13(a)には、最も基本的な考え方が
示されている。つまり、ハウジング110の位置を特定
するためには、直交する3つの面(図11の(ア)〜
(ウ))を特定すればよく、そして、1つの面を特定す
るためには3点のデータがあればよい。よって、各面毎
に3点ずつ、計9点のデータがあれば、ハウジングの位
置・姿勢を特定できることになる。
【0127】次に、最低限、何点のデータがあればハウ
ジング位置・姿勢の特定(ハウジング外形の認識)が可
能かを図17を用いて考察する。
【0128】図17(a)に示されるように、ハウジン
グ110の位置は、このハウジング110の位置(空
間)を特定するような直交座標系(直交座標軸)の位置
を特定することによって、一義的に定まる。
【0129】つまり、ハウジング位置(ハウジングで規
定される6面体の空間)を特定するようなx、y,zの
直交座標(直交座標軸)を想定し、この直交座標(直交
座標軸)の位置を、より広い仮想的な座標空間において
特定することによって、ハウジング位置を特定する。
【0130】この場合、例えば、その直交座標軸の原点
(x,y,z)=(0,0,0)に超音波測定器120
があるとする。
【0131】現実には超音波測定器120自体は静止し
ており、一方、ハウジング110の位置が変動すると、
このハウジング位置を特定する直交座標軸の位置がこれ
に伴って変動する。
【0132】したがって、上述の直交座標軸の移動を特
定できれば、結局、超音波測定器からみたハウジング1
10の相対位置を特定できることになる。
【0133】そして、この直交座標軸の移動は、平行移
動および回転によって行うことができる。したがって、
平行移動に関して(α,β,γ)の3変数、および回
転に関して(θ,φ)の2変数(合計で5変数)があれ
ば、ハウジング(掘削機位置)の特定が可能である。な
お、回転についての2変数(θ,φ)は、例えば、図1
7(b)に示すような極座標によって表現できる。
【0134】したがって、図13(b)に示すような、
異なる方向における5点の距離データを得ることができ
れば、ハウジング位置の検出ができる。
【0135】次に、具体例を示す。
【0136】例えば、図14に示すように、y方向に位
置ずれがあった場合(図中、ハウジング110の初期位
置が点線で示され、変位後の位置が実線で示されてい
る)、超音波測定器120(図中、黒丸で示されてい
る)からハウジング110のy方向に位置する内壁面
(基準面)までの距離がD1からD2へと変化し、これ
により、水平方向の位置ずれが検出される。
【0137】また、ヨーイングやピッチングも検出でき
る。つまり、図15に示すように、変位d8,d9,d
10の計測より掘削機10のヨーイングを検出できる。
【0138】また、図16に示すように、変位d12,
d13,d14の計測によって掘削機10のピッチング
を測定できる。
【0139】次に、掘削機位置検出のための機能ブロッ
クの構成について検討する。
【0140】図17(a),(b)を用いて説明した考
え方を適用すると、図1の構成中、位置等検出手段16
5は、図18に示されるような機能ブロックによって表
現できる。
【0141】図18(a)は、5点の距離データを入力
として、5つの変数((α,β,γ,θ,φ)を出力す
るような機能ブロックを示している。
【0142】図18(b)は、(a)の機能ブロックを
さらに具体化したもので、原点の平行移動検出手段16
7と、x軸(あるいはy,z軸)の方向の変化検出手段
168とからなっている。各検出手段167と168
は、互いに情報の授受を行いながら、ハウジング位置を
正確に特定する。
【0143】このように、本発明では、超音波を用いて
非接触で、しかも直接にハウジングの位置を計測するた
め、掘削機の振動に影響されることなく、きわめて高精
度な位置計測が可能である。
【0144】(掘削機位置・姿勢の制御ならびに掘削管
理方法)次に、測定データに基づく、掘削機位置・姿勢
の制御ならびに掘削管理方法について説明する。
【0145】掘削管理の手順の一例が図26に示され
る。
【0146】すなわち、図1の壁面形状検出手段190
によって掘削壁面の形状が測定されると(ステップ52
0)、次に、図1の安定液管理手段4400は、剥離の
有無を検出し、剥離が生じていれば安定液不良を改善す
るべく、図1の粘性および密度調整手段4500に指示
して安定液の粘性および密度調整を行わせる(ステップ
522)。そして、安定液を掘削溝内に再供給する(ス
テップ523)。
【0147】次に、掘削機の位置・姿勢の制御について
説明する。掘削機の位置・姿勢の制御の手順の一例が、
図27に示される。
【0148】すなわち、超音波測定器120によって、
送受信タイミングの差を示す時間データが取得されると
(ステップ600)、図1の距離算出手段163は基準
面までの距離を算出し(ステップ601)、この距離デ
ータを用いて、図1の位置等検出手段165がハウジン
グ位置・姿勢(結果的に掘削機位置・姿勢)を検出する
(ステップ602)。
【0149】次に、図1の掘削機制御装置180が位置
ずれ量・角度ずれ量を検出し、次に、続いて適正な掘削
を行うための位置制御量(補正量)を算出し(ステップ
604)、この補正量に基づいた図1の掘削機操作盤2
00による制御により、掘削機10の位置(姿勢)が適
正に制御される(ステップ605)。
【0150】次に、掘削制御の手順の一例について、図
28を用いて説明する。
【0151】まず、初期条件が設定され(ステップ70
0)、掘削が開始される(ステップ701)。掘削機位
置はリアルタイムで測定され(ステップ702)、その
測定データに基づいて、ローリング角等が随時に演算さ
れる(ステップ703)。この位置ずれのデータを掘削
機の制御に反映させて掘削を続行し(ステップ70
4)、、それでも修正ができなかった場合には、いった
ん掘削を中止する(ステップ705)。
【0152】このようにして、例えば、大深度地下の連
続地中壁の掘削等のおいても、常に適切な判断の下で信
頼性の高い掘削が可能となる。また、掘削途中におい
て、こまめに安定液の管理を行うため、掘削壁面の剥離
を抑制でき、低コストで、極めて高精度な掘削が可能と
なる。
【0153】以上、本発明を実施例に基づいて説明した
が、本発明はこれに限定されるものではなく、変形,応
用が可能である。
【0154】例えば、安定液が注入されないような溝の
掘削においては、超音波の他に、赤外線や光等のビーム
を用いた計測も可能である。
【0155】また、図35に示すように第1および第2
の超音波送受信機の他に、さらに、独立して昇降可能な
第3の超音波送受信機を使用することもできる。図35
において、参照番号120cが掘削機の位置等を検出す
るための第1の超音波送受信機であり、参照番号120
aが壁面形状測定用の第2の超音波送受信機であり、参
照番号120bが独立して昇降可能な第3の超音波送受
信機である。
【0156】第1および第2の超音波送受信機120
c,120aは、掘削機(図35では図示されていな
い)の下降と連動して下降するが、第3の超音波送受信
機120bは自由に独立して昇降可能であるため、掘削
溝の上から下までの任意の箇所の壁面状態を監視するこ
とができる。
【0157】また、図36(a),(b)のような変形
例も実施可能である。図23の例では、温度計316を
用いて安定液の水温を計測しているが、超音波の音速は
水温のみならず泥水の密度によっても変化する。また、
温度計による計測自体が面倒な場合もある。そこで図3
6(a)の例では、超音波送受信機6000と反射板1
13との距離が予め分かっている状態において、反射板
113に向け超音波を発し、受信するまでの時間を計測
し、この時間データと距離データより水中の音速を求め
るようにした。これにより、リアルタイムの音速測定が
できるようになり、この結果、温度計が不要となり、ま
た、超音波測定前に、事前に水温を測定しておく必要も
なくなる。
【0158】また、図36(b)のように吊り下げ型の
超音波送受信機121により、音速の測定をすることも
可能である。すなわち、一方の反射板に向け超音波を発
射し時間t1を測定し、次に、超音波トランスデューサ
を180度回転させ、反対側の反射板に向け超音波を発
し、時間t2を測定する。反射板と超音波送出面との距
離は既知(すなわち「L」)であるため、音速は、この
距離Lと(t1+t2)/4とを用いて、計算により求
めることができる。
【0159】このように、本発明は、種々、変形、応用
が可能である。
【0160】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の掘削機位置・姿勢および掘削壁面形状
の計測装置、掘削機位置・姿勢および掘削壁面形状の計
測方法、ならびにその方法を用いた掘削制御および掘削
管理方法掘削機位置の計測装置の、実施形態の一例を示
す図である。
【図2】図1の実施形態における、主要な制御の内容を
説明するための図である。
【図3】図1の実施形態における、掘削機の天端部の構
成の一例を示す図であり、(a)は上面図であり、
(b)は斜視図である。
【図4】図1の実施形態における、掘削機のローリング
検出の原理を示す図である。
【図5】図1の実施形態における、掘削機の天端部の構
成の他の例を示す図であり、(a)は上面図であり、
(b)は斜視図である。
【図6】図1の実施形態における、掘削機の天端部にお
ける、さらに他の構成例を示す図である。
【図7】図6の例の特徴を説明するための図であり、
(a)は断面形態を示す図であり、(b)は要部の斜視
図である。
【図8】図6の構成例の変形例を示す図である。
【図9】図8の構成をさらに発展させた形態を示す図で
ある。
【図10】超音波測定器を昇降させるための機構を説明
するための図である。
【図11】超音波測定器を用いて壁面データを取得する
具体的方法を説明するための図である。
【図12】掘削壁面形状を等高線で表示する例を示す図
である。
【図13】ハウジング(掘削機)の位置・姿勢の特定の
ための、距離データ取得の一例を示す図であり、(a)
は一般的な例を示し、(b)は最も少ないデータ点数の
例を示す図である。
【図14】図1〜図9の構成により、掘削機の水平方向
の位置ずれを検出することができることを説明するため
の図である。
【図15】図1〜図9の構成により、掘削機のピッチン
グを検出することができることを説明するための図であ
る。
【図16】図1〜図9の構成により、掘削機のローリン
グを検出することができることを説明するための図であ
る。
【図17】(a),(b)はそれぞれ、距離データより
ハウジング位置・姿勢を検出する方法の一例の概要を説
明するための図である。
【図18】(a),(b)はそれぞれ、図17のハウジ
ング位置・姿勢の検出方法を実現するため機能ブロック
の例を示す図である。
【図19】(a),(b)はそれぞれ、水平方向におけ
る超音波の走査(送受信)を行うための構成例を示す図
である。
【図20】図19の構成の要部の概要を説明するための
図である。
【図21】水平方向のみならず、鉛直方向(下方向)に
も超音波を送出する場合の超音波測定器の構成例を示す
図である。
【図22】図21の構成の要部の概要を説明するための
図である。
【図23】超音波測定器における時間測定のための回路
構成を示すブロック図である。
【図24】超音波測定器を効率的に降下させるための構
成例を示す図である。
【図25】超音波測定器を用いた測距動作の手順を示す
フローチャートである。
【図26】超音波測定を用いた掘削管理(安定液管理)
の手順の一例を示すフローチャートである。
【図27】超音波測定を用いた掘削機の制御の手順を示
すフローチャートである。
【図28】超音波測定を用いた掘削制御の手順を示すフ
ローチャートである。
【図29】本発明による超音波測定器を吊り下げて行う
測定の特徴を説明すための図である。
【図30】掘削機位置の変位を説明するための図であ
る。
【図31】(a),(b),(c)はそれぞれ、掘削機
のヨーイング,ピッチング,ローリングを説明するため
の図である。
【図32】掘削壁面の剥離の様子(崩落,堆積の様子)
を示す図である。
【図33】本発明による掘削壁面の測定方法の特徴を明
らかとするための、対比例の概要を示す斜視図である。
【図34】立坑の築造のための掘削形態の一例を示す図
である。
【図35】図35は、本発明の変形例の構成を示す図で
ある。
【図36】図36(a),(b)はそれぞれ、本発明の
他の変形例の構成を示す図である。
【符号の説明】
10 掘削機 12 回転ビット 14 吸い上げパイプ 16 安定液 18 掘削溝 20 アジャスタブルガイド 22 傾斜角センサ 100 吊りワイヤー 110 ハウジング(基準板) 120 超音波測定器 130 ウインチ 161 深度計 162 傾斜角検出手段 163 距離検出手段 164 回転制御手段 165 位置等検出手段 170 表示装置 180 掘削機制御装置 190 壁面形状検出手段 200 掘削機操作盤 2000 演算手段 4000 サクションポンプ 4100 土砂分離装置 4200 粘性(粘度)および密度検出装置 4300 送水ポンプ 4400 安定液管理手段 4500 粘性および密度調整手段 4600 送水管
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI G01V 1/00 G01V 1/00 B (72)発明者 小林 英智 東京都中央区京橋1丁目7番1号 戸田 建設株式会社内 (72)発明者 原田 和男 東京都小金井市貫井南町4−10−20 (72)発明者 筒井 透 埼玉県所沢市山口5040 39−5−303 (56)参考文献 特開 昭59−204706(JP,A) 特開 平4−182594(JP,A) 特開 平5−25987(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G01C 15/00 E21B 44/00 G01C 7/06 G01C 9/00 G01S 1/72 - 1/82 G01S 3/80 - 3/86 G01S 5/18 - 5/30 G01S 7/52 - 7/66 G01S 15/00 - 15/96

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 縦坑あるいは溝の内部における掘削機の
    位置および掘削壁面の形状を計測する掘削機位置・姿勢
    および掘削壁面形状の計測装置であって、 掘削機の表面に固定された基準面設定部と、 この基準面設定部の前記基準面ならびに前記掘削壁面に
    対して超音波を送出する超音波送信部と、前記基準面な
    らびに前記掘削壁面からの反射波を受信する超音波受信
    部とを具備し、かつ前記掘削機とは非接触の状態で保持
    されてなる超音波送受信手段と、 超音波の送信および受信タイミングの差に基づき時間デ
    ータを取得する時間測定手段と、 この時間測定手段によって取得された時間データに基づ
    いて、前記超音波送受信手段と前記基準面との間の距離
    データならびに前記超音波送受信手段と前記掘削壁面と
    の間の距離データを取得する距離データ取得手段と、 この距離データ取得手段によって取得された前記距離デ
    ータを用いて前記掘削機位置・姿勢を求める掘削機位置
    ・姿勢検出手段と、 前記距離データ取得手段によって取得された前記距離デ
    ータを用いて前記掘削壁面の形状を求める壁面形状検出
    手段と、を有することを特徴とする掘削機位置・姿勢お
    よび掘削壁面形状の計測装置。
  2. 【請求項2】 請求項1において、超音波送受信手段
    は、昇降手段によって前記縦坑または溝内において昇降
    可能となっており、かつ、前記昇降の方向と交差する方
    向に沿って送出する超音波を走査できるようになってお
    り、 前記基準面設定部は、掘削機の天端における、前記超音
    波送受信手段からの超音波を受け、その反射波を超音波
    送受信手段に送ることができる位置であって、かつ前記
    超音波送受信手段から前記掘削壁面に向けて送出される
    超音波の全部を遮断しない位置に固定されていることを
    特徴とする掘削機位置・姿勢および掘削壁面形状の計測
    装置。
  3. 【請求項3】 請求項1または2において、掘削機位置
    ・姿勢検出手段は、掘削機のローリング(ねじれ)を求
    めることを特徴とする掘削機位置・姿勢および掘削壁面
    形状の計測装置。
  4. 【請求項4】 縦坑あるいは溝の内部における掘削機の
    位置および掘削壁面の形状を計測する掘削機位置・姿勢
    および掘削壁面形状の計測装置であって、 掘削機の表面に固定された基準面設定部と、 この基準面設定部との間で超音波の送受信を行い、かつ
    前記掘削機とは非接触の状態で保持されてなる第1の超
    音波送受信手段と、 この第1の超音波送受信手段と接続手段により結ばれ、
    前記第1の超音波送受信手段の上方に位置し、かつ前記
    掘削機の壁面との間で超音波の送受信を行う第2の超音
    波送受信手段と、 前記第1および第2の超音波送受信手段の測定により取
    得される、超音波の送信および受信タイミングの差の時
    間データに基づいて、前記第1の超音波送受信手段と前
    記基準面との間の距離データならびに前記第2の超音波
    送受信手段と前記掘削壁面との間の距離データを取得す
    る距離データ取得手段と、 この距離データ取得手段によって取得された前記距離デ
    ータを用いて前記掘削機位置・姿勢を求める掘削機位置
    ・姿勢検出手段と、 前記距離データ取得手段によって取得された前記距離デ
    ータを用いて前記掘削壁面の形状を求める壁面形状検出
    手段と、を有することを特徴とする掘削機位置・姿勢お
    よび掘削壁面形状の計測装置。
  5. 【請求項5】 請求項4において、基準面設定部は、多
    面体をなす中空のハウジングからなり、このハウジング
    は複数の壁面を含んで構成されており、 第1の超音波送受信手段は、前記中空のハウジングの内
    部に位置し、かつ前記ハウジングの複数の内壁面または
    掘削機の表面に対して超音波の送受信を行い、 掘削機位置検出手段は、第1の超音波送受信手段とハウ
    ジングの前記複数の内壁面との間の各距離データまたは
    掘削の表面との間の距離データに基づいて、前記ハウジ
    ングの位置・姿勢を検出し、これにより、前記掘削機の
    位置・姿勢を特定することを特徴とする掘削機位置・姿
    勢および掘削壁面形状の計測装置。
  6. 【請求項6】 縦坑あるいは溝の内部における掘削機の
    位置を計測する掘削機位置・姿勢および掘削壁面形状の
    計測方法であって、 掘削機の表面に複数の基準面設定部を固定しておき、一
    つの超音波送受信手段より、前記基準面設定部における
    基準面および前記掘削壁面に向けて超音波を送出すると
    共に、前記一つの超音波送受信手段により前記基準面お
    よび掘削壁面からの反射波を受信し、 超音波の送信および受信タイミングの差に基づき、超音
    波送出点から前記基準面および前記掘削壁面までの距離
    を求め、 その距離データを用いて、掘削機位置・姿勢および掘削
    壁面形状の双方を、掘削の途中において検出することを
    特徴とする掘削機位置・姿勢および掘削壁面形状の計測
    方法。
  7. 【請求項7】 縦坑あるいは溝の内部における掘削機の
    位置を計測する掘削機位置の計測方法であって、 掘削機の表面に多面体からなる中空のハウジングを固定
    しておき、 第1の超音波送受信機と第2の超音波送受信機とを接続
    手段により接続し、縦坑あるいは溝の内部において、前
    記第2の超音波送受信機を吊り下げ手段により吊り下
    げ、この結果として前記第2の超音波送受信機の下に前
    記接続手段を介して前記第1の超音波送受信機が位置
    し、かつその第1の超音波送受信機が前記ハウジングの
    内部において、ハウジングの内壁面に接触しないように
    保持しておき、 掘削機の深さ位置に合わせて、前記第2の超音波送受信
    機と前記第1の超音波送受信機とを相対的位置関係を維
    持しつつ降下させ、前記第1の超音波送受信機からハウ
    ジングの前記内壁面または掘削機の表面に向けて超音波
    を送出し、その反射波を受信して内壁面までの距離また
    は掘削機の表面までの距離を測定し、また、前記第2の
    超音波送受信機から掘削壁面に向けて超音波を送出し、
    その反射波を受信して掘削壁面までの距離を測定し、 掘削途中において、前記内壁面までの距離または掘削機
    の表面までの距離により前記ハウジングの位置・姿勢を
    特定して掘削機位置・姿勢を計測すると共に、前記掘削
    壁面までの距離により掘削壁面の形状を計測することを
    特徴とする掘削機位置・姿勢および掘削壁面形状の計測
    方法。
  8. 【請求項8】 縦坑あるいは溝の内部における掘削機の
    位置を計測する掘削機位置の計測方法であって、 掘削機の表面に多面体からなる中空のハウジングを固定
    しておき、 第1の超音波送受信機と第2の超音波送受信機とを接続
    手段により接続し、縦坑あるいは溝の内部において、前
    記第2の超音波送受信機を吊り下げ手段により吊り下
    げ、この結果として前記第2の超音波送受信機の下に前
    記接続手段を介して前記第1の超音波送受信機が位置
    し、かつその第1の超音波送受信機が前記ハウジングの
    内部において、ハウジングの内壁面に接触しないように
    保持しておき、 掘削機の深さ位置に合わせて、前記第2の超音波送受信
    機と前記第1の超音波送受信機とを相対的位置関係を維
    持しつつ降下させ、前記第1の超音波送受信機からハウ
    ジングの前記内壁面または掘削機の表面に向けて超音波
    を送出し、その反射波を受信して内壁面までの距離また
    は掘削機の表面までの距離を測定し、また、前記第2の
    超音波送受信機から掘削壁面に向けて超音波を送出し、
    その反射波を受信して掘削壁面までの距離を測定し、 掘削途中において、前記ハウジングの内壁面までの距離
    または掘削機の表面までの距離により前記ハウジングの
    位置・姿勢を特定して掘削機位置・姿勢を計測すると共
    に、前記掘削壁面までの距離と前記ハウジングの内壁面
    までの距離の差分を利用して前記掘削壁面形状を計測す
    ることを特徴とする掘削機位置・姿勢および掘削壁面形
    状の計測方法。
  9. 【請求項9】 縦坑あるいは溝の内部における掘削機の
    位置を計測する掘削機位置の計測方法であって、 掘削機の表面に多面体からなる中空のハウジングを固定
    しておき、 第1の超音波送受信機と第2の超音波送受信機とを第1
    の接続手段により鉛直方向に接続し、かつ前記第2の超
    音波送受信機と第3の超音波送受信機とを第2の接続手
    段により鉛直方向に接続し、縦坑あるいは溝の内部にお
    いて、前記第3の超音波送受信機を吊り下げ手段により
    吊り下げ、この結果として前記第3の超音波送受信機の
    下に前記第2の接続手段を介して前記第2の超音波送受
    信機が位置し、さらに前記第2の超音波送受信機の下に
    前記第1の接続手段を介して前記第1の超音波送受信機
    が位置し、かつその第1の超音波送受信機が前記ハウジ
    ングの内部において、ハウジングの内壁面に接触しない
    ように保持しておき、 掘削機の深さ位置に合わせて、前記各超音波送受信機の
    間の相対的位置関係を維持しつつ各超音波送受信機を降
    下させ、前記第1の超音波送受信機からハウジングの前
    記内壁面または掘削機の表面に向けて超音波を送出し、
    その反射波を受信して内壁面までの距離または掘削機の
    表面までの距離を測定し、また、前記第2および第3の
    超音波送受信機から掘削壁面に向けて超音波を送出し、
    その反射波を受信して掘削壁面までの距離を測定し、 前記第1の超音波送受信機を用いて測定された内壁面ま
    での距離または掘削機の表面までの距離により前記ハウ
    ジングの位置・姿勢を特定して掘削機位置・姿勢を計測
    すると共に、前記第2の超音波送受信機および第3の超
    音波送受信機の各々を用いて測定された掘削壁面までの
    各距離により、前記第2および第3の超音波送受信機の
    各位置に対応する掘削壁面の形状の計測を行うことを特
    徴とする掘削機位置・姿勢および掘削壁面形状の計測方
    法。
  10. 【請求項10】 縦坑あるいは溝の掘削制御方法および
    掘削管理方法であって、 掘削途中において、下記第1の方法により掘削機の現在
    位置を計測し、その計測結果に基づき下記第2の方法に
    より掘削機の位置ずれおよび角度ずれを検出し、検出さ
    れた掘削機の位置ずれまたは角度ずれを補正するように
    掘削を制御し、 かつ、下記第3の方法により掘削壁面の形状を測定し、
    測定された掘削壁面の形状に基づき下記第4の方法によ
    り掘削の管理を行う掘削制御および掘削管理方法。 (第1の方法)掘削機の表面に基準面設定部を固定して
    おき、 掘削機の深さ位置に合わせて超音波送受信手段を降下さ
    せ、その超音波送受信手段を前記掘削機の表面に接触し
    ないように保持し、 前記超音波送受信手段から前記基準面設定部の基準面ま
    たは掘削機の表面に向けて超音波を送出し、その反射波
    を受信して、基準面または掘削機の表面までの距離を測
    定し、その距離から仮想的な座標空間における基準面ま
    たは掘削機の表面の現在位置を検出する。 (第2の方法)仮想的な座標空間における基準面または
    掘削機の表面の理想的な位置と、第1の方法によって求
    められた現在の位置とを比較し、これによって、掘削機
    の水平位置ずれ,ヨーイング,ピッチング,ローリング
    のうちの、少なくとも1つを測定する。 (第3の方法)昇降手段によって昇降可能であり、かつ
    前記昇降の方向と交差する方向に沿って送出する超音波
    を走査できるようになっている超音波送受信手段を、縦
    坑または溝内において昇降させながら掘削壁面に対して
    超音波を送信し、その反射波を受信し、送受信のタイミ
    ング差より距離データを求め、その距離データに基づき
    掘削壁面の形状を計測する。 (第4の方法)掘削壁面の形状より、壁面の崩落が生じ
    ていることが判明した場合、縦坑または溝内に充填され
    ている安定液の粘性および密度を調整して、掘削途中に
    おいて掘削管理を行う。
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