JP2978067B2 - 歯車装置およびカメラフィルム巻上機構 - Google Patents

歯車装置およびカメラフィルム巻上機構

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JP2978067B2 JP6190507A JP19050794A JP2978067B2 JP 2978067 B2 JP2978067 B2 JP 2978067B2 JP 6190507 A JP6190507 A JP 6190507A JP 19050794 A JP19050794 A JP 19050794A JP 2978067 B2 JP2978067 B2 JP 2978067B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は歯車装置およびカメラフ
ィルム巻上機構に関する。
【0002】
【従来の技術】軸心を中心に回転する回転軸に、歯車を
固定するには、図21に示すように回転軸3(駆動モー
タ2の回転軸)を歯車1に直接圧入する手段、或いは図
22に示すように断面D字形に形成された回転軸4(駆
動モータ6の回転軸)に、これに対応して嵌合軸孔を断
面D字形に形成した歯車5を外嵌する手段が、従来から
よく利用されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、回転軸
を歯車に直接圧入する手段では、クリープ現象等によっ
て圧入による歯車の回転軸への固定力が落ちてスリップ
する危険性がある。歯車の固定力が低下しないようにす
るには、硬度の高い樹脂材質を使用して固定力を向上さ
せることができるが、硬い歯車からは歯車が回転して歯
部同志が接触する際に騒音が発生し易い。
【0004】また、断面D字形に形成された回転軸を利
用する際には、回転方向へのスリップの心配はなくなる
が、その形状を形成するために研削加工を必要性とし、
コスト高になる。勿論、歯車の回転時に歯車から発生す
る騒音の問題もある。騒音の問題はあらゆる分野で共通
するものであり、例えばカメラの巻き上げ機構の分野で
は特に重要な課題となっている。
【0005】ところで、歯車機構の騒音は、駆動モータ
のいわゆるコッキング現象によるトルク変動が一因とな
っている。すなわち、ブラシモータ等では、複数のコイ
ルによって発生する磁力に吸引反発することによって回
転子が回転するが、磁極の数は限られ、その磁力の強度
は変化しているから、回転子は実際には均一速度で滑ら
かに回転しているのではなく、不連続に回転力が与えら
れ、不連続に回転している。このため、トルク変動が発
生し、歯車同志の歯合関係が一定条件のもとになされ
ず、騒音が発生する要因となっている。
【0006】歯車同志が歯合して駆動される際の騒音を
低減するには、歯合する歯車を覆って発生した音を遮断
する手段、或いは歯車間に軟質材を介在させて歯車から
発生する音を緩衝低減させる手段がある。この軟質材は
強度を必要とする歯車の本体とは別の材質としなければ
ならない。また、動力の伝達を低騒音でするには、歯車
でなく、ベルトを使用することが有効である。これはベ
ルトの伸縮によって不連続に与えられる力の変動を吸収
できることによる。しかし、これらの手段では、コスト
高になるばかりか、小型化することが困難であるいう課
題がある。
【0007】そこで、本発明は上記問題点を解決すべく
なされたものであり、その目的とするところは、確実に
歯車を装着でき、騒音を低減できると共に、小型に形成
でき、且つコストの低減化が図れる歯車装置を提供する
ことにある。
【0008】さらに、高速回転していたモータが急停止
された際のように、歯車に過大な衝撃力を伴った過大な
トルクが加わると、歯車の歯が欠けたり、歯の曲がりが
生じてしまう。これに対しては、歯車に十分な強度を持
たせるように設計すれば良いが、それでは歯車が大型化
してしまうという課題があった。そこで、本発明の他の
目的は、上記の目的に加えて所定以上の過大なトルクが
加わった際には、そのトルクを逃がすことのできる歯車
装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するため次の構成を備える。本発明にかかる歯車装置
は、軸心を中心に回転する回転軸と、金属材によって形
成され、前記回転軸に外嵌して固定され、被係合部が設
けられた回り止め部材と、樹脂材によって形成され、中
央に前記回転軸が挿入する軸孔を有すると共に、前記回
り止め部材の被係合部に回転方向に係合する係合部を有
する歯車とを具備することを特徴とする。
【0010】また、前記回転軸が駆動モータの回転軸で
ある場合、その回転軸に歯車を確実に固定することがで
き、好適に利用できる。
【0011】また、前記回り止め部材から負荷されるト
ルクを受ける前記歯車の係合部が弾性変形可能に設けら
れることによって、騒音を低減することができる。
【0012】また、前記歯車の歯部と前記係合部とが所
定の間隔をおいて樹脂材によって一体に形成されている
ことで、歯車にトルクがかかった際に捩じれを許容する
ことができ、これによってもトルク変動を好適に吸収し
て騒音を低減することができる。
【0013】また、本発明は、前記回り止め部材に所定
以上の過大なトルクが加わった際には前記回転軸に対し
て滑るように、回転軸が回り止め部材の嵌合孔に圧入さ
れて該回り止め部材が回転軸に固定されている歯車装置
にもある。
【0014】また、前記回り止め部材の嵌合孔が、前記
回転軸の外周一周の一部に接触して外嵌するように成形
されていることで、加わるトルクに適宜に対応でき、歯
車の破損等を未然に防止できる。
【0015】また、本発明は、カメラ本体内に回転自在
に支持されたスプールと、該スプール内に位置して支持
された駆動モータと、この駆動モータの回転軸に装着さ
れたモータ軸歯車と、該モータ軸歯車に接続された減速
歯車装置と、軸を中心に揺動自在に設けられた揺動アー
ム上に該軸を中心に回転する太陽歯車および揺動アーム
の先端部上で太陽歯車に歯合する切換歯車を有し、前記
太陽歯車が前記減速歯車装置の外部伝達歯車に歯合する
揺動歯車装置を具備し、前記揺動歯車装置の前記切換歯
車が揺動アームの揺動位置で、スプール歯車に歯合する
巻上歯車および巻戻機構に駆動力を伝達する巻戻歯車に
選択的に歯合するカメラフィルム巻上機構において、金
属材によって形成され、軸心を中心に回転する回転軸に
外嵌して固定され、被係合部が設けられた回り止め部材
と、樹脂材によって形成され、中央に前記回転軸が挿入
される軸孔を有すると共に、前記回り止め部材の被係合
部に回転方向に係合する係合部を有する歯車とを具備す
ることを特徴とする歯車装置を少なくとも前記モータ軸
歯車に用いたことを特徴とするカメラフィルム巻上機構
にもある。
【0016】
【作用】本発明によれば、金属材によって形成された回
り止め部材が、回転軸に外嵌して固定され、この回り止
め部材に設けられた被係合部に、歯車の係合部が回転方
向に係合する。このため、確実に歯車を回転軸に装着で
きると共に、歯車を柔らかい材質で形成することが可能
であり、トルク変動を吸収して歯車の歯と歯とが接触す
る際に発生する騒音を低減できる。また、回り止め部材
に所定以上の過大なトルクが加わった際には回転軸に対
して滑りるように、回転軸と回り止め部材とを係合すれ
ば、歯車の破損を未然に防止できる。
【0017】
【実施例】以下、本発明の好適な実施例を添付図面に基
づいて詳細に説明する。図1は本発明にかかる歯車装置
を駆動モータに適用した場合の一実施例を説明する断面
図であり、図2は、図1の実施例の歯車装置を分解した
状態を示す斜視図である。10は回転軸であり、駆動モ
ータ12の出力回転軸である。この回転軸10は断面が
単なる円形の円柱状に形成されている。
【0018】20は回り止め部材であり、金属材で形成
されている。この回り止め部材20には、図2に示すよ
うに、回転軸10に外嵌される嵌合孔21が、中央に貫
通して設けられている。なお、嵌合孔21の径は、回転
軸10が嵌合孔21に圧入されて固定されるように設定
されている。また、外周部には、被係合部である突起部
22が四箇所に設けられている。この突起部22は等間
隔に形成されており、先端部には二つのコーナー部を有
し、各コーナー部はR状に形成されている。この回り止
め部材20は平面的形状であるから、平板からプレス打
ち抜き加工によって量産することが可能であり、低コス
トで生産できる。
【0019】30は歯車であり、樹脂材(合成樹脂)に
よって形成されている。図3は歯車30の断面図であ
り、図4は図3の歯車30の底面図である。歯車30
は、図から明らかなように、上部に歯部31が形成さ
れ、下部に回転軸10と回り止め部材20を介して接続
をする接続部32が形成されており、中央に回転軸10
が挿入される軸孔33を有する。その軸孔33に連続し
て接続部32の内側に形成された拡径部34が、回り止
め部材20に外嵌できるように設けられている。この拡
径部34には、回り止め部材20の被係合部である突起
部22に回転方向に係合する係合部である突条部35が
形成されている。この突条部35は、前記回り止め部材
20の突起部22に対応して四箇所に形成されており、
拡径部34の内壁に軸線方向に沿って突起して筋条に設
けられている。隣合う突条部35の間隔は、突起部22
が遊嵌入されるように突起部22の幅よりも広く形成さ
れている。なお、本実施例では歯部の歯数が8枚の歯車
について示したが、これに限られないのは勿論である。
【0020】また、36は底面突起であり、拡径部34
の底面37上に前記回り止め部材20の突起部22に対
応するよう四箇所に設けられている。この底面突起は3
6は高さの低い円柱状に形成されており、その端面は底
面37と平行に形成されている。このように、底面突起
36が設けられているため、底面37と回り止め部材2
0との接地面積が小さく、回り止め部材20と歯車30
とは相互に好適に摺動できる。
【0021】次に歯車装置が回転駆動して、回り止め部
材20に歯車30が回転方向に係合する際、突起部22
と突条部35との接触状態を図5および図6に基づいて
説明する。図5は歯車30の拡径部34に、回り止め部
材20が挿入されており、回転軸に固定された回り止め
部材20から歯車30に動力が伝達され始める状態を示
している。また、図6は負荷される回転トルクが大きく
なった際の回り止め部材20と歯車30の接触状態を示
している。なお、回り止め部材20の突起部22が挿入
される部分である隣合う突条部35の間隔が、突起部2
2の幅より広いため、回り止め部材20が突条部35に
接触されるまでは、回転軸の動力が歯車30に伝達され
ない。
【0022】回り止め部材20に突条部35が接触を始
める瞬間は、図5のように突起部22の根元部側面と、
突条部35のコーナー先端部が当接する。負荷される回
転トルクが小さいときには、この状態で動力が伝達され
るが、負荷される回転トルクが大きくなると、図6に示
すように、突条部35が変形して回り止め部材20と突
条部35との当接面積が大きくなる。すなわち、歯車3
0は比較的柔らかい樹脂材で形成されており、金属材に
よって形成された回り止め部材20の突起部22に作用
される押圧力に比例して弾性変形し、突条部35と突起
部22の当接面積が拡大する。このようにして回転トル
クの変動を突条部35で緩衝させることが可能であり、
その結果、歯車と歯車との接触をスムースに行わせて騒
音を低減させることができる。
【0023】また、以上のように、金属材によって形成
された回り止め部材20を介して歯車30が回転軸10
に装着されているため、歯車30を回転トルクに耐える
ことのできる範囲で柔らかい樹脂材で形成しても確実に
回転軸10に装着できる。このように柔らかい樹脂材で
歯車30を形成できるから、回転トルクの変動を好適に
吸収することが可能であり、歯車30の歯と歯とが接触
する際に発生する騒音を低減できる。また、従来のよう
に周りを覆ったり、回転軸を断面D字状に形成しなくて
もよいから、小型に形成でき、且つコストの低減化が図
れる。なお、図1に示すように、モータ12に対向する
ケース部材40の壁面によって、歯車30が回転軸10
から抜け出ないように規制される。また、42は減速歯
車であり、歯合された歯車30から動力が伝達される。
このような駆動モータの回転軸に装着する歯車でない場
合においても本発明にかかる歯車装置を適用すれば、騒
音の低減等、本発明と同一の効果を得ることができる。
【0024】次に図7および図8に基づいて本発明の他
の実施例を説明する。図7は本発明にかかる歯車装置を
駆動モータに適用した場合の他の実施例を説明する断面
図であり、図8は、図7の実施例の歯車装置を分解した
状態を示す斜視図である。図に明らかなように、歯車5
0の歯部51と、上記実施例の突条部(係合部)を有す
る連結部52とが所定の間隔をおいて樹脂材によって一
体に形成されている。すなわち、歯部51と連結部52
の間に回転軸10に外嵌する筒状部53が形成されてい
る。他の構成は、底面突起36がないことおよび先端部
に軸部54があることを除き、図1〜図4に示した歯車
と機能的に同一に設けられている。なお、軸部54はケ
ース部材46に設けられた凹部に軸受けされている。4
8は歯車50の歯部51に歯合する減速歯車である。ま
た、回り止め部材20は、図1〜図4に示したものと同
一形状に設けられている。
【0025】このように構成された歯車装置が駆動モー
タ12の回転軸10に装着された場合、上記図1〜図4
の実施例と同様の効果の他に、回転トルクが負荷された
際に筒状部53おいて弾性的に捩じれを許容できる。こ
のため、この筒状部53で回転トルクの変動を吸収する
ことができ、その結果として歯車から発生する騒音を低
減できる。なお、上記二つの実施例では、歯車を断面円
形の回転軸10に装着する場合を説明したが、断面D字
形等の回転軸にも外嵌圧着して固定できる。ところで、
筒状部53の断面形状はリング状であり、捩じれ変形が
均等に作用する。この点、断面D字形等の回転軸に外嵌
するように形成された嵌合軸孔を有する歯車では、均等
に変形できず、トルク変動を好適に吸収できないのであ
る。さらに、騒音の低減のみを目的とするのであれば、
回り止め部材は単に回転軸に固定されていればよく、圧
入以外の方法で固定してもよい。ところで、連結部52
の内部形状は、図9(歯車50の底面図)に示すとお
り、回り止め部材20に比較的遊びなく外嵌するように
形成されている。これは筒状部53で十分に回転トルク
の変動を吸収できるためであるが、図3および図4で示
したような形状を採用してもよい。
【0026】次に上記の歯車装置が利用される実例とし
て、カメラフィルム巻上機構の一実施例を説明する。図
10はフィルム巻き上げ機構の歯車群の展開図、図11
は平面図を示す。図において、110は円筒状をなすス
プールでその一方の端部外周にスプール歯車111が形
成され、ヘッドケース112の有底円筒状の支持部11
3上に回転自在に支持されている。スプール110の中
途部には図示しないが、フィルムの送り孔に嵌入する送
り爪が設けられている。114は駆動モータであり、図
11に示すように、ネジ115により、支持部13の底
部に固定され、本体はスプール110内に位置する。モ
ータの回転軸116は支持部113の底部に設けた透孔
を貫通して支持部113内に突出しており、この回転軸
116は断面円形に形成されている。117はモータ軸
歯車であり、図7および図8で示した歯車と同様の構成
を有し、合成樹脂で一体的に形成され、連結部118、
軸部119、歯部120からなる。このモータ軸歯車1
17は連結部118において上述したように回り止め部
材20を介して回転軸116に嵌着されて回転軸116
と共に回転する。このように上述した歯車装置をモータ
軸歯車として利用したので、上述したような騒音を低減
する等の特有な効果を得ることができるのである。また
モータ軸歯車117はその軸部119先端部においてヘ
ッドケース112の蓋部に軸承されることにより両持ち
的に支持され、軸振れを防止される。軸部119の外周
上に形成されている歯部120はその歯底が回転軸11
7より小径になるよう設定されている。
【0027】122はモータ軸歯車117に歯合する減
速歯車、123は減速歯車122に歯合する中間歯車、
124は中間歯車123に歯合する減速歯車、125は
この減速歯車124に歯合する中間歯車である。この中
間歯車125はその板状の歯車本体がスプール110の
端縁部を跨いでその歯部の一部がスプール110の外部
に突出するよう設定されている。減速歯車122、中間
歯車123、減速歯車124は基本的に前記有底円筒状
の支持部113内に配置され、支持部113がスプール
110内に嵌入していることから、これら歯車群がスプ
ール110の端縁から外部に突出する部分は僅かであ
る。すなわち、歯車群を収納したヘッドケース112の
一部がスプール10内に嵌入する形になっており、ヘッ
ドケース112とスプール110を合わせた長さが短寸
化されている。また中間歯車125も基本的にスプール
110の範囲内にあり、その薄い板状部分のみがスプー
ルの端縁をまたいで歯部の一部が外部に突出するので、
上記の薄く形成したヘッドケース112内に収納可能で
ある。なお上記歯車群はいずれも合成樹脂で形成されて
いる。上記減速歯車122、中間歯車123、減速歯車
124、中間歯車125で減速歯車装置126を構成
し、その中間歯車25が外部に駆動力を伝達する外部伝
達歯車を構成する。
【0028】127はヘッドケース112内に設けられ
た揺動歯車装置である。128は揺動アームであり、ス
プール110の外側近傍に位置してヘッドケース112
に設けた軸129を中心として揺動自在に設けられてい
る。130は太陽歯車であり、揺動アーム128上に軸
129を中心として回転自在に設けられ、前記中間歯車
125に歯合している。131は揺動アーム128の先
端部上に設けた軸132を中心に回転自在に揺動アーム
128上に設けられた切換歯車であり、太陽歯車130
と歯合している。軸132は図1に明確なように弾性を
有する二股状に形成され、この軸132が切換歯車の軸
孔に弾性的に嵌入されることで切換歯車131は軸13
2に対して所定の摩擦抵抗をもって回転する。なお、太
陽歯車130の軸129を二股状に形成して、太陽歯車
130に所定の摩擦トルクを付与するようにしてもよ
い。134は巻上歯車で前記スプール110のスプール
歯車111に歯合し、また揺動アーム128が巻上歯車
134方向に揺動した際切換歯車131が該巻上歯車1
34に歯合する。135は切換歯車131を挟んで巻上
歯車134と反対側に設けられた巻戻歯車であり、揺動
アーム128が当該方向に揺動した際切換歯車131が
歯合する。揺動歯車装置127、巻上歯車134、巻戻
歯車135等も合成樹脂で形成されている。
【0029】上記のように構成されていて、駆動モータ
114が正転方向に回転すると、モータ軸歯車117、
減速歯車122、中間歯車123、減速歯車124を介
して中間歯車125が所定方向に回転され、これにより
太陽歯車130が回転されるが、太陽歯車130は所定
の回転トルクを要する切換歯車131に歯合しているの
で、太陽歯車130の回転にも所定の回転トルクが必要
なことからその抵抗により揺動アーム128が揺動さ
れ、切換歯車131が巻上歯車134に歯合し、巻上歯
車134を介してスプール110がフィルム巻上方向に
回転されてフィルムを巻き上げるのである。駆動モータ
114が上記と逆方向に回転されると揺動アーム128
が逆方向に揺動され、切換歯車131が巻戻歯車135
を回転し、公知の機構によりフィルムがパトローネ内に
巻き戻されるのである。
【0030】そして前記したように、支持部113が有
底円筒状に形成されてスプール110内に嵌入し、この
支持部113内に平歯車群で構成した減速歯車装置が収
納され、外部への駆動力の伝達は平歯車からなる中間歯
車125の板状部のみをスプール端縁を跨ぐようにして
配置しているので、これら減速歯車群の実質的厚さを減
ずることができ、装置の小型化が図れる。また前記のご
とくモータ軸歯車117の歯部120はその歯底が回転
軸116よりも小径になるよう設定されている。しかも
歯部120は軸部119の径を小さいものに設定するこ
とで、その歯底径を自由に小さく設定できる。したがっ
て歯部120の歯数を少なく、例えば従来は8〜9程度
にしか設定できなかったのが、本実施例では5〜7程度
に設定でき、減速比を大きくすることが可能となった。
またモータ軸歯車117、減速歯車122、124、中
間歯車123、125は各々独立してヘッドケースに両
端支持されているので、軸振れが少なく、また摩擦抵抗
が少ないので効率のよい伝達が行える。切換歯車131
または太陽歯車130の軸132または129を二股状
に形成してその弾性により摩擦力を付与することで容易
にクラッチ機構たる揺動歯車装置を構成できる。切換歯
車131または太陽歯車130は軸132または軸12
9に圧入するだけでよいので、その組立も容易に行え
る。なお上記実施例では、中間歯車125の板状部をス
プール110の端縁を跨ぐようにしたが、太陽歯車13
0の板状部をスプール端縁を跨がせるようにしてもよ
い。
【0031】次に本発明の歯車装置にかかる他の実施例
について説明する。図12は本発明にかかる歯車装置を
駆動モータに適用した場合の他の実施例を説明する断面
図である。本実施例は、図7〜9で説明した実施例と
は、歯車60の下部の連結部62と、駆動モータの回転
軸10に外嵌圧着(回転軸10を回り止め部材64の嵌
合孔に66に圧入)して固定された回り止め部材64の
形状が異なる。他の構成は、図7〜9で示した実施例の
構成と同一に設けられており、同一符号を付して説明を
省略する。連結部62は、図13および図14に示すよ
うに、歯車60の下部から軸線と平行に下方へ向かって
突起し、円周等分位置の3箇所に形成されている。な
お、61は軸孔であり、回転軸10が挿入される孔を構
成している。
【0032】また、回り止め部材64は、図15および
図16に示すように円板状の平板材に、駆動モータの回
転軸10に外嵌するための嵌合孔66に相当する部分と
切欠部67の部分が透設されている。切欠部67は、嵌
合孔66に相当する部分の円周等分位置の3箇所に、そ
の嵌合孔66に連続して外周方向に拡大してくり抜かれ
た状態に形成されている。この嵌合孔66と切欠部67
とからなる透孔65はプレス打ち抜き加工によって容易
に形成できる。そして、図12に示すように歯車60と
回り止め部材64とは、切欠部67に連結部62が挿入
されることで回転方向に係合する。従って、図7〜9で
説明した実施例のように連結部52が回り止め部材20
外嵌する場合に比較して、連結部62近傍の外径を小さ
くすることができ、結局は装置の小型を実現できる。ま
た、連結部62の外径を小さくできるため、トルクの変
動を直接的に筒状部53の捩じれで吸収し易くなり、騒
音の発生を好適に防ぐことができる。
【0033】次に本発明にかかる他の実施例で、過大な
トルクを受けた際に対応できる歯車装置について説明す
る。図17は本発明にかかる歯車装置を駆動モータに適
用した場合の他の実施例を説明する断面図であり、図1
8は図17のY−Y断面図である。なお、図17の中心
線から左半分は図18を上下に切った断面図であり、図
17の中心線から右半分は図18を左右に切った断面図
である。本実施例は、図7〜9で説明した実施例とは、
歯車70の下部の連結部(連結突起72および連結片7
3からなる連結部)と、駆動モータの回転軸10に外嵌
(回転軸10を回り止め部材74の嵌合孔に78に圧
入)された回り止め部材74の形状が異なる。他の構成
は、図7〜9で示した実施例の構成と同一に設けられて
おり、同一符号を付して説明を省略する。
【0034】連結突起72は、図17および図18に示
すように、歯車70の下部から軸線と平行に下方へ向か
って突起し、円周等分位置の2箇所に形成されている。
また、連結片73は、歯車70の下部から軸線と平行に
下方へ向かって突起し、連結突起72の間で円周等分位
置の2箇所に形成されている。なお、73aは係止片部
であり、連結片73の先端に水平方向に突設されてお
り、歯車70が回り止め部材74に係止した際に、抜け
止めとして作用する。
【0035】また、回り止め部材74は、図19および
図20に示すように外周が凹凸に形成された平板材に、
駆動モータの回転軸10に外嵌するための嵌合孔78に
相当する部分と切欠部79の部分が透設されている。切
欠部79は、嵌合孔78に相当する部分の円周等分位置
の2箇所に、その嵌合孔78に連続して外周方向に外周
の凹凸に沿ってくり抜かれた状態に形成されている。こ
の嵌合孔78と切欠部79とからなる透孔77はプレス
打ち抜き加工によって容易に形成できる。このようにし
て形成された回り止め部材74の形状は、図に明らかな
ようにバネ性を有する波形のバネ形部75を有しおり、
回転軸10の外周一周の一部(2箇所)に接触する接触
部76を備える。
【0036】そして、図17および図18に示すように
歯車70と回り止め部材74とは、切欠部79に連結突
起72が挿入されると共に、回り止め部材74外周の凹
部74aに連結片73が嵌まることで、回転方向に係合
する。回り止め部材74は、回転軸10に接触部76の
みで接触して外嵌されているから、所定以上の過大なト
ルクが加わった際には回転軸10に対して滑ることがで
きる。これは、回り止め部材74の回転軸10に対する
接触面積を減少させたことと、過大なトルクが加わった
際には、嵌合孔78に相当する径が、バネ形部75の作
用によって拡大できるからである。
【0037】この歯車装置は、例えば写真機のフィルム
の巻き上げ機構に適用でき、過大なトルクを適切に逃が
すことができる。その動作を説明すれば、先ず、モータ
によるフィルムの巻き上げが終了すると、フィルムが引
っ張られ、高速回転していたモータが急停止される。こ
の際に突っ張ったフィルムを介してフィルム巻き上げユ
ニットの各歯車に衝撃力を伴った過大なトルクが加わ
り、回り止め部材74が回転軸10に固定されて滑らな
い時には、歯車の歯が欠けたり、歯の曲がりが発生す
る。この問題は、上記本実施例のように所定以上の過大
なトルクが加わった際に回り止め部材74が回転軸10
に対してスリップするように設定されていれば解消され
る。なお、歯車の歯が欠けること等の不具合をなくすに
は、各歯車の形状を十分な安全率を取ったものとするこ
とで対応できるが、それでは各歯車が大型化し、従って
巻き上げユニットが大型化してしまい、結局は写真機の
小型化の要請に応えることができない。以上本発明につ
き好適な実施例を挙げて種々説明したが、本発明はこの
実施例に限定されるものではなく、発明の精神を逸脱し
ない範囲内で多くの改変を施し得るのはもちろんのこと
である。
【0038】
【発明の効果】本発明によれば、金属材によって形成さ
れた回り止め部材が、回転軸に外嵌して固定され、この
回り止め部材に設けられた被係合部に、歯車の係合部が
回転方向に係合する。このため、確実に歯車を回転軸に
装着できると共に、歯車を柔らかい材質で形成すること
が可能であり、トルク変動を吸収して歯車の歯と歯とが
接触する際に発生する騒音を低減できるという有利な効
果を奏する。また、従来のように周りを覆ったり、回転
軸を断面D字状に形成しないで騒音を低減できるから、
小型に形成でき、且つコストの低減化が図れるという有
利な効果を奏する。また、回り止め部材に所定以上の過
大なトルクが加わった際には回転軸に対して滑りるよう
に、回転軸と回り止め部材とを係合すれば、歯車の破損
を未然に防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる歯車装置の一実施例を示す断面
図である。
【図2】図1の実施例を分解した状態を説明する斜視図
である。
【図3】本実施例にかかる歯車の詳細を説明する断面図
である。
【図4】図3の実施例の底面図である。
【図5】回り止め部材と歯車との係合状態を説明する底
面図である。
【図6】回り止め部材と歯車との係合状態の変化を説明
する断面図である。
【図7】本発明にかかる歯車装置の他の実施例を示す断
面図である。
【図8】図7の実施例を分解した状態を説明する斜視図
である。
【図9】図7に示した実施例の歯車の底面図である。
【図10】フィルム巻き上げ機構の歯車群の展開図であ
る。
【図11】フィルム巻き上げ機構の歯車群の平面図であ
る。
【図12】本発明の他の実施例を示す断面図である。
【図13】図12に示した歯車単品を説明する断面図で
ある。
【図14】図13の歯車の底面図である。
【図15】図12に示した回り止め部材単品を説明する
平面図である。
【図16】図15のX−X断面図である。
【図17】本発明の他の実施例を示す断面図である。
【図18】図17のY−Y断面図である。
【図19】図18に示した回り止め部材単品を説明する
平面図である。
【図20】図19のZ−Z断面図である。
【図21】従来のモータ軸歯車の固定構造を示す斜視図
である。
【図22】従来の他のモータ軸歯車の固定構造を示す断
面図である。
【符号の説明】
10 回転軸 12 駆動モータ 20 回り止め部材 21 嵌合孔 22 突起部 30 歯車 31 歯部 32 接続部 33 軸孔 34 拡径部 35 突条部 50 歯車 51 歯部 52 連結部 53 筒状部

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 軸心を中心に回転する回転軸と、 金属材によって形成され、前記回転軸に外嵌して固定さ
    、被係合部が設けられた回り止め部材と、 樹脂材によって形成され、中央に前記回転軸が挿入され
    る軸孔を有すると共に、前記回り止め部材の被係合部に
    回転方向に係合する係合部を有する歯車とを具備するこ
    とを特徴とする歯車装置。
  2. 【請求項2】 前記回転軸が駆動モータの回転軸である
    ことを特徴とする請求項1記載の歯車装置。
  3. 【請求項3】 前記回り止め部材から負荷されるトルク
    を受ける前記歯車の係合部が弾性変形可能に設けられた
    ことを特徴とする請求項1または2記載の歯車装置。
  4. 【請求項4】 前記歯車の歯部と前記係合部とが所定の
    間隔をおいて樹脂材によって一体に形成されていること
    を特徴とする請求項1、2または3記載の歯車装置
  5. 【請求項5】 前記回り止め部材に所定以上の過大なト
    ルクが加わった際には前記回転軸に対して滑るように、
    回転軸が回り止め部材の嵌合孔に圧入されて該回り止め
    部材が回転軸に固定されていることを特徴とする請求項
    1、2、3または4記載の歯車装置。
  6. 【請求項6】 前記回り止め部材の嵌合孔が、前記回転
    軸の外周一周の一部に接触して外嵌するように成形され
    ていることを特徴とする請求項5記載の歯車装置。
  7. 【請求項7】 カメラ本体内に回転自在に支持されたス
    プールと、該スプール内に位置して支持された駆動モー
    タと、この駆動モータの回転軸に装着されたモータ軸歯
    車と、該モータ軸歯車に接続された減速歯車装置と、軸
    を中心に揺動自在に設けられた揺動アーム上に該軸を中
    心に回転する太陽歯車および揺動アームの先端部上で太
    陽歯車に歯合する切換歯車を有し、前記太陽歯車が前記
    減速歯車装置の外部伝達歯車に歯合する揺動歯車装置を
    具備し、前記揺動歯車装置の前記切換歯車が揺動アーム
    の揺動位置で、スプール歯車に歯合する巻上歯車および
    巻戻機構に駆動力を伝達する巻戻歯車に選択的に歯合す
    るカメラフィルム巻上機構において、 金属材によって形成され、軸心を中心に回転する回転軸
    に外嵌して固定され、被係合部が設けられた回り止め部
    材と、樹脂材によって形成され、中央に前記回転軸が挿
    入される軸孔を有すると共に、前記回り止め部材の被係
    合部に回転方向に係合する係合部を有する歯車とを具備
    することを特徴とする歯車装置を少なくとも前記モータ
    軸歯車に用いたことを特徴とするカメラフィルム巻上機
    構。
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