JP2978057B2 - 永久磁石形モータ及び冷却装置用コンプレッサ - Google Patents

永久磁石形モータ及び冷却装置用コンプレッサ

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JP2978057B2
JP2978057B2 JP6125060A JP12506094A JP2978057B2 JP 2978057 B2 JP2978057 B2 JP 2978057B2 JP 6125060 A JP6125060 A JP 6125060A JP 12506094 A JP12506094 A JP 12506094A JP 2978057 B2 JP2978057 B2 JP 2978057B2
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茂也 谷本
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、回転子鉄心の内部に複
数個の永久磁石を組み込んで構成される回転子を備えた
永久磁石形モータ及びこの種の永久磁石形モータを搭載
した冷却装置用コンプレッサに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、例えば冷蔵庫や空調装置(エアー
コンディショナー)などのコンプレッサを駆動するモー
タとして、図11に示すような回転数の制御が容易な永
久磁石形モータが開発されている。このものは次のよう
な構成となっている。
【0003】すなわち、固定子1は、環状をなす固定子
鉄心2に形成された12個のスロット3に、U相の固定
子巻線1U,2U、及びV相の固定子巻線1V,2V、
並びにW相の固定子巻線1W,2Wを挿入配置して構成
されている。
【0004】これに対し、回転子4は、回転軸5を回転
子鉄心6の中心部に嵌合固着し、回転子鉄心6に形成さ
れた収納部7に、断面が円弧状をなす4個の永久磁石8
を軸方向から挿入して組み込むことによって構成されて
いて、固定子鉄心2の空間部にその内周面と所定の空隙
9を存する状態で回転可能に配設されている。回転子4
における各永久磁石8は、凸部8a側が回転子4の回転
中心、すなわち回転軸5を向くように配置されている。
また、4個の永久磁石8は、N極とS極とが交互になる
ように着磁されている。
【0005】図12はモータ駆動用として用いられる、
いわゆるインバータ電源が示されている。この図12に
おいて、直流電源10にはスイッチング主回路11が接
続されている。このスイッチング主回路11は、6個の
トランジスタ12及び還流ダイオード13が3相ブリッ
ジ接続されて構成されている。このスイッチング主回路
11において、3相の各アーム部11U,11V,11
Wが有するトランジスタ12の共通接続点は、それぞれ
対応するモータへの出力線U,V,Wに接続されてい
る。これら出力線U,V,Wは、上記固定子1の各相の
固定子巻線1U,2U、及び1V,2V、並びに1W,
2Wに接続されている。各相の固定子巻線1U,2U、
及び1V,2V、並びに1W,2WはY結線されてい
る。
【0006】制御回路14は、スイッチング主回路11
の各トランジスタ12を制御することにより、固定子巻
線1U,2U、及び1V,2V、並びに1W,2Wの通
電幅を120度とする、周知の120度通電するように
構成されている。またこの制御回路14は、回転子位置
検出器15から回転子4の位置信号を受け、その回転子
4の回転位置に応じたモータ駆動信号が得られるように
なっている。
【0007】しかして、上記構成において、固定子巻線
1U,2U、及び1V,2V、並びに1W,2Wに12
0度通電することにより、固定子1に回転磁界が発生
し、これに伴う固定子1と回転子4との間の磁気的な吸
引力及び反発力によって回転子4が回転される。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところで、このような
従来構成の永久磁石形モータにおいて、固定子巻線に通
電されると当該固定子巻線に電流が流れるが、上記して
いるように回転子4における永久磁石8の磁束との相互
作用で回転子4に回転トルクが発生する。しかし、周知
のように、このときには電圧と電流の関係は、1相分を
代表して示すと下記の(1)式のようになり、また、ト
ルクは下記の(2)式のようになる。
【0009】 v=r×i×L×(di/dt)+e ……(1) ここで、r:固定子巻線の抵抗 L:固定子巻線のインダクタンス e:巻線誘起電圧(e=g×b) (ただし、b:空隙磁束密度、 g:固定子巻線の巻数等に関する定数) v:固定子巻線の印加電圧 i:巻線電流 T=K×b×i ……(2) ここで、T:トルク K:鉄心の長さなどモータに決まる定数
【0010】これら(1)、(2)式からわかること
は、巻線電流と空隙磁束密度でトルクは決まり、巻線電
流が少なくなるとトルクも減少する。つまり、固定子巻
線のインダクタンスが大きくなると、その分電流が減少
し、力率が低下し、トルク低下を来すことになる。
【0011】図11のように、回転子4において、円弧
状の永久磁石8を凸部8a側が回転子4の回転中心を向
くように配置した構成では、回転子鉄心6において永久
磁石8の凹部8b側に位置する部分6aが広く、図13
に示すように、固定子巻線の電流に基づく磁束Aがこの
部分6aを通過しやすくなる。なお、図13では固定子
巻線のV相とW相とに通電した場合において、その巻線
電流による磁束Aだけを想定している。
【0012】このような従来構成のものでは、固定子巻
線のインダクタンスが大きくなり、結果としてトルク低
下を来す。このため、必要なトルクを得るためにはモー
タを大きくする必要があり、モータの価格が高くなる。
ひいては、この種のモータを搭載するコンプレッサまで
も大きくなると共に、価格も高くなってしまう。
【0013】また、図11の構成のモータの磁束密度分
布は、空隙長等で変わるが、図14のような台形波状の
分布となる場合がある。この場合、2相ずつ120度通
電する場合には、上記(2)式で得られるトルクに、図
15のように脈動分が含まれることになり、振動や騒音
が大きくなるという不具合がある。
【0014】そこで、本発明の目的は、固定子巻線のイ
ンダクタンスを小さくできて、トルクの低下を抑えるこ
とができ、ひいてはモータの小形化及びコストの低下を
図ることができ、また、トルクリップルを抑えて、振動
や騒音を抑えることができる永久磁石形モータを提供
し、また、小形化に対応できる冷却装置用コンプレッサ
を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、環状
をなすと共にその内周側に複数個のスロットを有した固
定子鉄心及び前記スロットに挿入された状態でその固定
子鉄心に巻装された複数相の固定子巻線を有する固定子
と、回転子鉄心の内部に複数個の永久磁石を組み込んで
構成され、前記固定子鉄心の空間部にその内周面と所定
の空隙を存する状態で回転可能に配置される回転子とを
備えた永久磁石形モータにおいて、前記回転子の各永久
磁石を断面が弧状となるように形成すると共に、これら
各永久磁石を前記回転子鉄心に凸部側が回転子の回転中
心を向くように均等配置し、さらに各極ごとに前記回転
子鉄心にあって永久磁石の凹部側に位置する部分に径方
向に延びるスリットを形成すると共に、このスリットの
幅寸法を、前記固定子鉄心におけるスロットの開口部の
幅寸法よりも大きくなるように設定したことを特徴とす
るものである。
【0016】この場合、スリットは、これの外側端部が
回転子鉄心内において閉塞された形態で形成するとよい
(請求項)。さらに、スリットは、対応する永久磁石
の磁化容易方向に沿って形成することが好ましい(請求
)。
【0017】請求項4の発明は、環状をなすと共にその
内周側に12個のスロットを有した固定子鉄心及び前記
スロットに挿入された状態でその固定子鉄心に巻装され
た3相の固定子巻線を有する3相4極の固定子と、回転
子鉄心の内部に4個の永久磁石を組み込んで構成され、
前記固定子鉄心の空間部にその内周面と所定の空隙を存
する状態で回転可能に配置される4極の回転子とを備
え、前記固定子巻線に電気角で120度ずつ通電するこ
とにより前記回転子を回転駆動させる永久磁石形モータ
において、前記回転子の各永久磁石を断面が弧状となる
ように形成すると共に、これら各永久磁石を前記回転子
鉄心に凸部側が回転子の回転中心を向くように均等配置
し、さらに各極ごとに前記回転子鉄心にあって永久磁石
の凹部側に位置する部分でかつ電気角で60度と120
度に対応する部位に径方向に延びるスリットを形成した
ことを特徴とするものである。
【0018】請求項の発明は、請求項1ないしのい
ずれかに記載の永久磁石形モータを冷却装置用コンプレ
ッサに搭載したことを特徴とするものである。
【0019】
【作用】請求項1の永久磁石形モータによれば、回転子
鉄心にあって永久磁石の凹部側に位置する部分は、固定
子巻線の電流に基づく磁束の磁路となる部分であるが、
ここにスリットを形成することにより、その磁路の磁気
抵抗が大きくなる。このため、固定子巻線の電流に基づ
く磁束のうち、回転子鉄心にあって永久磁石の凹部側に
位置する上記の部分を通る割合が減少し、固定子巻線の
インダクタンスが減少することになり、ひいてはトルク
低下が抑えられる。
【0020】しかも、そのスリットの幅寸法をスロット
の開口部の幅寸法よりも大きく設定しているので、回転
子鉄心にあって永久磁石の凹部側に位置する部分の磁気
抵抗が一層大きくなり、固定子巻線のインダクタンスが
一層減少することになる。
【0021】請求項の永久磁石形モータによれば、回
転子鉄心の外周面に窪みがなく、表面が滑らかとなるか
ら、その回転子鉄心の外周面を切削する際等の加工がし
やすく、製造性を向上できる。
【0022】請求項の永久磁石形モータによれば、回
転子鉄心にスリットを形成しながらも、永久磁石から発
せられる磁束は固定子鉄心側へスムーズに流すことがで
きる利点がある。
【0023】請求項の永久磁石形モータによれば、1
極中にスリットが2個あるため、固定子巻線の電流に基
づく磁束の磁路の磁気抵抗が一層大きくなり、固定子巻
線のインダクタンスは一層減少することになる。さら
に、120度通電する場合において、従来においてトル
クリップルが大きくなる部分に対応して、空隙磁束密度
が小さくなるようにスリットを配置しているので、トル
クリップルを減少させることができる。
【0024】請求項の冷却装置用コンプレッサによれ
ば、永久磁石形モータにおいて、回転子鉄心に形成した
スリットが冷媒ガスの通路として使用することができ、
固定子鉄心に専用の通路を形成する場合に比べて、固定
子鉄心、したがってモータを小形化でき、ひいてはコン
プレッサの小形化を図ることができる。
【0025】
【実施例】以下、本発明を理解させるための第1の参考
実施例につき図1ないし図3を参照して説明する。この
実施例は、三相4極の永久磁石形モータに適用した例で
ある。まず図1において、固定子21は、従来構成と同
一であり、環状をなす固定子鉄心22に形成された12
個のスロット23に、U相の固定子巻線1U,2U、及
びV相の固定子巻線1V,2V、並びにW相の固定子巻
線1W,2Wを挿入配置して構成されている。各スロッ
ト23において、固定子鉄心22の内周面側には開口部
23aが形成されている。また、各相の固定子巻線1
U,2U、及び1V,2V、並びに1W,2Wは、従来
と同様にY結線されている。
【0026】これに対して、回転子24は、図2にも示
すように、回転軸25を回転子鉄心26に嵌合固着し、
この回転子鉄心26に形成された収納部27に、断面が
弧状この場合円弧状をなすフェライト製の4個の永久磁
石28を軸方向から挿入して組み込むことによって構成
されていて、固定子鉄心22の空間部にその内周面と所
定の空隙29を存する状態で回転可能に配設されてい
る。なお、回転子鉄心26は、収納部27形成用の孔が
形成されたけい素鋼板を多数枚積層して構成されてい
る。
【0027】上記各永久磁石28は、凸部28a側が回
転子24の回転中心、すなわち回転軸25を向くように
配置されており、また、4個の永久磁石28はN極とS
極とが交互になるように着磁されている。
【0028】そして、回転子鉄心26において、各永久
磁石28の凹部28b側(外側)に位置する部分26a
の中央部には、径方向に延びるスリット30がそれぞれ
形成されている。各スリット30は、外側(空隙29
側)が開放され、また、幅寸法はスロット23の開口部
23aの幅寸法よりも小さく設定されている。
【0029】このように構成されたモータは、従来と同
様にインバータ電源(図12参照)により給電されるよ
うになっており、固定子巻線1U,2U、及び1V,2
V、並びに1W,2Wに120度通電する。これによ
り、固定子21による回転磁界が発生し、これに伴う固
定子21と回転子24との間の磁気的な吸引力及び反発
力によって回転子24が回転される。
【0030】ここで、図3は、従来構成におけるモータ
の一部を拡大し、簡略化して示したものである。一般
に、固定子巻線の電流に起因する磁束Aは、図13より
もさらに詳細に見た場合、スロット3の開口部3a付近
では、図3に示すように、回転子鉄心6にあって永久磁
石8の凹部8b側の部分6aを流れる。
【0031】これに対して、本実施例では、回転子鉄心
26にあって各永久磁石28の凹部28b側に位置する
部分26aにスリット30を形成しているから、固定子
巻線1U,2U、及び1V,2V、並びに1W,2Wの
電流に基づく磁束の磁路の磁気抵抗が大きくなる。この
ため、固定子巻線1U,2U、及び1V,2V、並びに
1W,2Wの電流に基づく磁束のうち、回転子鉄心26
にあって上記の部分26aを通る磁束の割合が減少し、
固定子巻線のインダクタンスが小さくなり、ひいてはト
ルク低下を抑えることができる。これに伴い、モータの
小形化やコストの低下を図ることができるものである。
【0032】また、各スリット30が径方向に沿って形
成されているから、回転子鉄心26にスリット30が形
成されていても、永久磁石28から発せられる磁束の妨
げにはならない。
【0033】図4は本発明の第実施例を示したもので
あり、この第実施例は上記した第1の参考実施例とは
次の点が異なっている。すなわち、回転子鉄心26に形
成されたスリット31は、これの幅寸法B1がスロット
23の開口部23aの幅寸法B2よりも大きくなるよう
に設定されている(B1>B2)。なお、図4では1極
分のみ示されているが、他の極でも同様なスリット31
が形成されている。
【0034】この第実施例によれば、スリット31の
幅寸法B1が第1の参考実施例のスリット30の場合よ
りも大きく設定されているから、固定子巻線1U,2
U、及び1V,2V、並びに1W,2Wの電流に基づく
磁束Aのうち、回転子鉄心26にあって永久磁石28の
凹部28b側に位置する上記の部分26aを通る割合が
一層減少し、固定子巻線のインダクタンスが一層小さく
なり、ひいてはトルク低下を一層抑えることができる。
【0035】図5は本発明を理解させるための第2の参
実施例を示したものであり、この第2の参考実施例は
第1の参考実施例とは次の点が異なっている。すなわ
ち、スリット32は、これの外側端部32aが回転子鉄
心26内において閉塞された形態で形成されている。換
言すれば、スリット32の外側端部32aは開放されて
いない。
【0036】このような第2の参考実施例によれば、回
転子鉄心26の外周面に窪みがなく、表面が滑らかとな
るから、第1の参考実施例及び第実施例の場合に比べ
て、その回転子鉄心26の外周面を切削する際等の加工
がしやすく、製造性を向上でき、ひいてはコストを低減
できる利点がある。
【0037】図6は本発明を理解させるための第3の参
実施例を示したものであり、この第3の参考実施例は
第1の参考実施例とは次の点が異なっている。すなわ
ち、各永久磁石28の磁化容易方向Cは、当該永久磁石
28の曲率中心33を中心とする放射方向に沿って設定
されている。そして、回転子鉄心26にあって永久磁石
28の凹部28b側に位置する部分26aに、略径方向
に延びるスリット34が2個ずつ形成されている。各ス
リット34は、外側端部34aが回転子鉄心26内にお
いて閉塞されていると共に、対応する永久磁石28の上
記磁化容易方向Cに沿って形成されている。
【0038】このような第3の参考実施例によれば、1
極中にスリット34が2個ずつあるから、回転子鉄心2
6の部分26aにおける、固定子巻線の電流に基づく磁
束の磁路の磁気抵抗が一層大きくなり、固定子巻線のイ
ンダクタンスは一層減少することになる。また、各スリ
ット34が永久磁石28の磁化容易方向Cに沿って形成
されていることにより、回転子鉄心26にスリット34
を形成しながらも、永久磁石28から発せられる磁束を
固定子鉄心22側へ一層スムーズに流すことができる利
点がある。
【0039】図7ないし図9は本発明の第実施例を示
したものであり、この第実施例は第1の参考実施例と
は次の点が異なっている。すなわち、図7において、回
転子鉄心26にあって永久磁石28の凹部28b側に位
置する部分26aにおいて、径方向に延びるスリット3
5,36を、1極中、電気角で60度と120度に対応
する部位にそれぞれ形成している。各スリット35,3
6は、外側端部が開放されている。
【0040】この第実施例によれば、第3の参考実施
例と同様に、1極中にスリット35,36が2個ずつあ
るから、回転子鉄心26の部分26aにおける、固定子
巻線の電流に基づく磁束の磁路の磁気抵抗が一層大きく
なり、固定子巻線のインダクタンスは一層減少すること
になる。また、120度通電する場合において、従来に
おいてトルクリップルが大きくなる部分に対応して、空
隙磁束密度が小さくなるようにスリット35,36を配
置しているので、トルクリップルを減少させることがで
きる。図8は本実施例における空隙磁束密度分布を示
し、また、図9は本実施例におけるモータの合成トルク
kを示している。
【0041】一方、上記した第1ないし第3の参考実施
例、並びに第1及び第2実施例のモータを、冷却装置用
のコンプレッサ(図示せず)に用いた場合、回転子鉄心
26の各スリット30、31、32、34、35、36
は冷媒ガスの通路として使用することができるので、固
定子鉄心22に専用の通路を形成する場合に比べて、固
定子鉄心22、したがってモータを小形化でき、ひいて
はコンプレッサの小形化を図ることができる。
【0042】ちなみに、図10は、固定子鉄心22に、
冷媒ガスを通すための専用の通路37を形成したもので
あり、このような構成とした場合には、固定子鉄心22
の外径寸法を大きくする必要があり、それにしたがって
モータ、ひいてはコンプレッサが大形化してしまうもの
である。これに対して、本発明で示した各実施例の場合
には、上述したように、それらの小形化を図ることがで
きるものである。
【0043】本発明は、上記した各実施例にのみ限定さ
れるものではなく、次のように変形または拡張すること
がてきる。例えば、回転子24における永久磁石28
は、フェライト以外のものを用いてもよい。また、請求
を除いて、モータの駆動方法は限定されない。さら
に、インバータ電源の構成も実施例の構成に限られず、
また、回転子位置検出手段なども限定されるものではな
い。
【0044】
【発明の効果】本発明によれば、次のような効果を得る
ことができる。請求項1記載の永久磁石形モータによれ
ば、回転子鉄心にあって永久磁石の凹部側に位置する部
分は、固定子巻線の電流に基づく磁束の磁路となる部分
であるが、ここにスリットを形成することにより、その
磁路の磁気抵抗が大きくなる。このため、固定子巻線の
電流に基づく磁束のうち、回転子鉄心にあって永久磁石
の凹部側に位置する上記の部分を通る割合が減少し、固
定子巻線のインダクタンスが小さくなり、ひいてはトル
ク低下を抑えることができる。そして、これに伴いモー
タの小形化及びコストの低減を図ることができる。
【0045】しかも、前記スリットの幅寸法をスロット
の開口部の幅寸法よりも大きく設定したことにより、回
転子鉄心にあって永久磁石の凹部側に位置する部分の磁
気抵抗が一層大きくなり、固定子巻線のインダクタンス
を一層小さくすることができる。
【0046】請求項記載の永久磁石形モータによれ
ば、回転子鉄心の外周面に窪みがなく、表面が滑らかと
なるから、その回転子鉄心の外周面を切削する際等の加
工がしやすく、製造性を向上でき、ひいてはコストの低
減を図ることができる。
【0047】請求項記載の永久磁石形モータによれ
ば、回転子鉄心にスリットを形成しながらも、永久磁石
から発せられる磁束は固定子鉄心側へスムーズに流すこ
とができる利点がある。
【0048】請求項記載の永久磁石形モータによれ
ば、1極中にスリットが2個あるため、固定子巻線の電
流に基づく磁束の磁路の磁気抵抗が一層大きくなり、固
定子巻線のインダクタンスを一層小さくできる。さら
に、120度通電する場合において、従来においてトル
クリップルが大きくなる部分に対応して、空隙磁束密度
が小さくなるようにスリットを配置しているので、トル
クリップルを減少させることができ、振動や騒音の低減
が可能となる。
【0049】請求項記載の冷却装置用コンプレッサに
よれば、永久磁石形モータにおいて、回転子鉄心に形成
したスリットが冷媒ガスの通路として使用することがで
き、固定子鉄心に専用の通路を形成する場合に比べて、
固定子鉄心、したがってモータを小形化でき、ひいては
コンプレッサの小形化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を理解させるための第1の参考実施例を
示すモータの断面図
【図2】回転子の断面図
【図3】従来構成において、磁束の流れを示す部分拡大
【図4】本発明の第実施例を示す図3相当図
【図5】本発明を理解させるための第2の参考実施例を
示す図2相当図
【図6】本発明を理解させるための第3の参考実施例を
示す図2相当図
【図7】本発明の第実施例を示す図2相当図
【図8】空隙磁束波形を示す図
【図9】モータ発生トルクを示す図
【図10】冷却装置用コンプレッサに用いるモータにお
いて、本発明に対する比較例を示すモータの断面図
【図11】従来構成を示す図1相当図
【図12】電気的構成図
【図13】固定子巻線の電流に基づく磁束の流れを示す
【図14】空隙磁束密度分布を示す図
【図15】モータ発生トルクを示す図
【符号の説明】
21は固定子、22は固定子鉄心、23はスロット、2
3aは開口部、1U,2U、1V,2V、1W,2Wは
それぞれ固定子巻線、24は回転子、26は回転子鉄
心、26aは部分、28は永久磁石、28aは凸部、2
8bは凹部、29は空隙、30、31、32、34、3
5、36はスリットである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−71342(JP,A) 特開 平5−176487(JP,A) 特開 平2−79738(JP,A) 実開 昭58−105779(JP,U) 実開 昭61−144772(JP,U) 実開 昭62−104560(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H02K 1/22 H02K 1/27 501 H02K 1/28 - 1/30 H02K 15/02 - 15/03

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 環状をなすと共にその内周側に複数個の
    スロットを有した固定子鉄心及び前記スロットに挿入さ
    れた状態でその固定子鉄心に巻装された複数相の固定子
    巻線を有する固定子と、 回転子鉄心の内部に複数個の永久磁石を組み込んで構成
    され、前記固定子鉄心の空間部にその内周面と所定の空
    隙を存する状態で回転可能に配置される回転子とを備え
    た永久磁石形モータにおいて、 前記回転子の各永久磁石を断面が弧状となるように形成
    すると共に、これら各永久磁石を前記回転子鉄心に凸部
    側が回転子の回転中心を向くように均等配置し、さらに
    各極ごとに前記回転子鉄心にあって永久磁石の凹部側に
    位置する部分に径方向に延びるスリットを形成すると共
    に、このスリットの幅寸法を、前記固定子鉄心における
    スロットの開口部の幅寸法よりも大きくなるように設定
    したことを特徴とする永久磁石形モータ。
  2. 【請求項2】 スリットは、これの外側端部が回転子鉄
    心内において閉塞された形態で形成されていることを特
    徴とする請求項1記載の永久磁石形モータ。
  3. 【請求項3】 スリットは、対応する永久磁石の磁化容
    易方向に沿って形成されていることを特徴とする請求項
    1または2記載の永久磁石形モータ。
  4. 【請求項4】 環状をなすと共にその内周側に12個
    スロットを有した固定子鉄心及び前記スロットに挿入さ
    れた状態でその固定子鉄心に巻装された3相の固定子巻
    線を有する3相4極の固定子と、 回転子鉄心の内部に4個の永久磁石を組み込んで構成さ
    れ、前記固定子鉄心の空間部にその内周面と所定の空隙
    を存する状態で回転可能に配置される4極の回転子とを
    備え、 前記固定子巻線に電気角で120度ずつ通電することに
    より前記回転子を回転駆動させる永久磁石形モータにお
    いて、 前記回転子の各永久磁石を断面が弧状となるように形成
    すると共に、これら各永久磁石を前記回転子鉄心に凸部
    側が回転子の回転中心を向くように均等配置し、さらに
    各極ごとに前記回転子鉄心にあって永久磁石の凹部側に
    位置する部分でかつ電気角で60度と120度に対応す
    る部位に径方向に延びるスリットを形成したことを特徴
    とする永久磁石形モータ。
  5. 【請求項5】 請求項1ないし4のいずれかに記載の永
    久磁石形モータを搭載した冷却装置用コンプレッサ。
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