JP2977839B2 - 耐マイグレーション性に優れる高導電性電気・電子部品用銅合金 - Google Patents

耐マイグレーション性に優れる高導電性電気・電子部品用銅合金

Info

Publication number
JP2977839B2
JP2977839B2 JP1233948A JP23394889A JP2977839B2 JP 2977839 B2 JP2977839 B2 JP 2977839B2 JP 1233948 A JP1233948 A JP 1233948A JP 23394889 A JP23394889 A JP 23394889A JP 2977839 B2 JP2977839 B2 JP 2977839B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
copper alloy
highly conductive
migration resistance
electrical
electronic components
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP1233948A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH0397816A (ja
Inventor
元久 宮藤
功 細川
真人 渡
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kobe Steel Ltd
Original Assignee
Kobe Steel Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kobe Steel Ltd filed Critical Kobe Steel Ltd
Priority to JP1233948A priority Critical patent/JP2977839B2/ja
Publication of JPH0397816A publication Critical patent/JPH0397816A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2977839B2 publication Critical patent/JP2977839B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Conductive Materials (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、強度、ばね限界値、高温下での応力緩和特
性および耐マイグレーション性に優れる高導電性電気・
電子部品用銅合金に関し、さらに詳しくは半導体部品、
開閉器部品、ブスバー、端子・コネクター等の機構部品
およびプリント配線板等の電気・電子部品材料に適した
強度、ばね限界値高温下での応力緩和特性および耐マイ
グレーション性に優れた高導電性電気・電子部品用銅合
金に関する。
[従来の技術] 近年、家電製品のクーラー、TV、VTR、産業用電子機
器および自動車等に搭載される電気・電子部品は急速に
小型化、高密度実装化が進んでおり、上記の電気・電子
部品を実装する配線回路(プリント配線板、ブスバー板
等)もその影響を受けて、配線回路の高密度化あるいは
多層化が進みつつある。
また、これらの配線回路の電極間距離も近接化され、
配線回路や電極部は塵埃(塵埃は水を吸着し易い)およ
び電界の影響を受け易くなり、従来の材料(純銅あるい
は黄銅)を使用した電気・電子部品では、金属の電気化
学的なマイグレーションが生じやすく、絶縁性が低下し
やすい。さらに電流容量の増大に伴う発熱あるいは短期
間での応力緩和による接圧力の低下に伴う接合部の接触
抵抗の増加などの問題により、小型化および高密度実装
化に困難があった。
ここで、マイグレーションとは、電極間に結露等が起
こると金属元素がイオン化し、このイオン化した金属元
素がクーロンフォースにより陰極に析出し、めっき(電
析)と同じように陰極から樹枝状に金属結晶が成長し、
陽極側までに達し短絡することを意味する。これは乾燥
・結露等の環境に応じて金属結晶中および表面に酸化物
を伴うことが多く、マイグレーション化した物質は、プ
ラスチック・ガラスおよびセラミックス等の絶縁物の表
面上を極めて薄膜状に分布し、その先端では複数本とな
ることが多い。また、このマイグレーションは印加電圧
が数ボルトから数十ボルト、電流が数アンペアから数十
アンペアで発生し、一般的には銀が起こり易いといわれ
てきたが、最近の電気・電子部品の配線回路の高密度実
装化多層化の進展につれて銅および銅合金にも生じる恐
れがあることが判った。さらに、高導電性の端子材料
は、従来、雄端子として使用されて来たが、近年、雌端
子としての機能、いわゆる、接圧型への設計が企られて
いる。したがって、高導電性の端子材料には従来ばね限
界値特性の要求は少なかったが、最近、ばね限界値の高
い材料が要求されている。
[発明が解決しようとする課題] 本発明は、上記に説明したような従来における種々の
問題点に鑑みなされたものであって、開閉器部品、ブス
バー、端子・コネクター等の機構部品、プリント配線板
および半導体部品などの電気・電子部品が小型化され、
高密度で実装されることにより、配線回路の絶縁に要す
る距離あるいは、電極間距離が例えば2.54mmから0.635
〜1.27mmと近接化したり、あるいは結露したとしても、
電析物の成長を抑制しマイグレーションを起こし難くす
るとともにさらに電流容量の向上の目的にも対応できる
ように、少なくとも50%IACS以上の導電率を有し、か
つ、純銅よりも機械的性質と耐熱性を向上させた耐マイ
グレーション性に優れた高導電性電気・電子部品用銅合
金を提供するものである。
[課題を解決するための手段] 本発明は、Sn:0.1〜1.0wt%、Fe:0.02〜0.50wt%、P:
0.01〜0.1wt%、Zn:0.3〜1.5wt%(1.5wt%は除く)、M
g:0.1〜1.0wt%を含有し、残部が実質的にCuからなるこ
とを特徴とする強度、ばね限界値、高温応力緩和特性お
よび耐マイグレーション性に優れる高導電性電気・電子
部品用銅合金に要旨が存在する。
[作用] 先ず、本発明の銅合金の含有成分および成分割合につ
いて説明する。
(Sn) SnはCu中に固溶することによって、強度とばね限界値
を向上させる元素であり、含有量が0.1wt%未満では、F
eとPが共添、さらにMgが添加されていても強度とばね
限界値の向上が期待できず、また、1.0wt%を越えて含
有されると導電率が低下し、また、経済的であるという
長所もなくなる。よってSn含有量は0.1〜1.0wt%とす
る。
(Fe) FeはPと共に添加されることによって、りん化鉄を形
成し、ばね限界値を向上し、さらに耐熱性(特に高温で
の優れたクリープ特性)、ひいては耐応力緩和特性を具
備させる効果があり、Fe含有量が0.02wt%未満ではPが
0.01〜0.1wt%含有されていても、ばね限界値と耐熱性
を向上させる効果は少なく、また、0.5wt%を越えて含
有されるとPが0.01〜0.1wt%含有されていてもりん化
鉄を形成しきれないFeが母相中に固溶し導電率を低下さ
せる。よって、Fe含有量は0.02〜0.5wt%とする。
(P) Pは含有量が0.01wt%未満ではFeと共添されてもばね
限界値と耐熱性の向上は望めず、また、0.1wt%を越え
て含有されるとFeが0.02〜0.5wt%含有されていてもり
ん化鉄を形成し得ないPが母相中に残存し、導電率を低
下させ、また、熱間加工性も劣化させる。よってP含有
量は0.01〜0.1wt%とする。
(Zn) Znは電圧が印加された端子・コネクター間に水が侵入
した場合のCuのマイグレーションの形成を抑制し、漏洩
電流を抑制するための必須元素であり、0.3%未満で
は、黄銅並の特性は得られない。2.0wt%を越えて含有
量されると、マイグレーションの形成を抑え、漏洩電流
を抑制する効果は大きいが、導電率が低下し、また、応
力腐食割れを生じ易くなる等、好ましくない。よって、
Zn含有量は0.3〜2.0wt%とする。
(Mg) MgはZnと共添されることによって、電圧が印加された
端子・コネクターの電極間に水の侵入や結露等が生じた
場合のCuのマイグレーションの形成を抑え、漏洩電流の
抑制するための必須元素であり、0.1wt%未満ではZnと
共添されても黄銅並の抑制効果は得られず、また、1.0w
t%を越えて含有された場合はCuのマイグレーションの
形成を抑え、漏洩電流の抑制効果はあるが鋳塊の造塊性
や導電率が低下する。よって、Mgの含有量は0.1〜1.0wt
%とする。
また、B,Be,Al,Si,Ti,Cr,Mn,Ni,Co,Zr,Ag,InおよびSb
は1種または2種以上で、導電率50%IACS以上を満足し
得る範囲で含有しても、本発明の各種特性が失われるも
のではない。
[実施例] 本発明の実施例を以下に説明する。
第1表に示す組成の銅合金を小型電気炉で大気中にて
木炭被膜下で溶解し、厚さ50mm、幅80mm、長さ180mmの
鋳塊を溶製した。
上記鋳塊の表・裏面を各2mm面削し、No.11の黄銅は74
0℃、黄銅以外は850℃の温度で熱間圧延を行い、厚さ15
mmの板材とした。熱間圧延材の表面の酸化スケールを20
vol%硫酸水にて除去後、冷間圧延にて、途中、黄銅以
外は500℃×2hr、黄銅は430℃×2hrで焼鈍し、厚さ0.64
mmの冷間圧延し、調整した。さらに黄銅以外は250℃×1
hr、黄銅は180℃×1hrのばね限界値を向上するための低
温焼鈍を行い、試験に供した。
第1表の板材の長手方向を圧延方向に平行とし、JIS1
3号B試験片にて、引張強さ、伸びを測定した。
導電率はJISH0505に基づいて測定した。
耐マイグレーション性は、厚さ0.64mm、幅3.0mm、長
さ80mmの第1図および第2図に示す試験片を2枚1組と
し、直流電圧14Vを印加して水道水中に5分間浸漬→10
分間乾燥の乾湿繰り返し試験を50サイクルに至るまで行
い評価した。
その間の最大漏洩電流値を高感度レコーダーで測定し
た。応力緩和率は片持はり式の応力負荷方法で表面最大
曲げ応力が耐力の80%となるように曲げ応力を加えて13
0℃の雰囲気中に1000hr保持し、曲げぐせを次式より算
出したものである(第3図)。なお、応力緩和率は数値
が小さいほど特性は優れていることを意味する。
応力緩和率(%)=(I1/I0)×100 I0:応力負荷点におけるたわみ量(mm) I1:1000時間経過後の応力負荷点の応力除去後の永久
変形量(mm) 上記の実験結果から第2表の結果を得た。
第2表から明らかなように、No.1〜3、5、6(実施
例)の合金は引張強さ、ばね限界値および導電率に優
れ、かつ、耐マイグレーション性は黄銅(No.11)並で
ある。なお、No.4は参考例である。
No.7〜10は比較合金であり、No.7は、Sn,P,Mgが本発
明範囲未満であるため、引張強度、ばね限界値、耐応力
緩和性、導電特性が劣っている。No.8は、Fe,Znが本発
明範囲未満であるためばね限界値、耐応力緩和性が劣っ
ている。No.9は、Snが本発明範囲を越えているため導電
率が低下している。No.10はZnが本発明範囲を越えてい
るため導電率が悪く、また応力腐食割れが発生した。
なお、本例では漏洩電流の試験印加電圧を自動車用の
14Vとしたが、一般的には100Vの交流回路にも本発明銅
合金は使用可能である。この場合には一層放電しやすい
状況下となるので、本発明は民生用および産業用にも適
用し得ることは言うまでもない。
[発明の効果] 以上説明したように、本発明に係る電気・電子部品用
銅合金は強度、ばね限界値、高温応力緩和特性に優れ、
かつCuのマイグレーション現象を抑制することにより、
電極間距離を小さくしても短絡するという不具合いがな
くなり、しかも導電率の大きな材料が得られるため、電
流密度の増大による発熱、焼損等も少なくなる。
したがって、本発明合金は耐マイグレーション性が改
善され品質向上、コストダウン等の効果を挙げられる。
【図面の簡単な説明】
第1図および第2図は耐マイグレーションの実験方法を
示す図である。第3図はばね限界値の測定方法を示す図
である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−161134(JP,A) 特開 昭64−4445(JP,A)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】Sn:0.1〜1.0wt%、Fe:0.02〜0.50wt%、P:
    0.01〜0.1wt%、Zn:0.3〜1.5wt%(1.5wt%は除く)、M
    g:0.1〜1.0wt%を含有し、残部が実質的にCuからなるこ
    とを特徴とする強度、ばね限界値、高温応力緩和特性お
    よび耐マイグレーション性に優れる高導電性電気・電子
    部品用銅合金。
  2. 【請求項2】Sn:0.1〜1.0wt%、Fe:0.02〜0.50wt%、P:
    0.01〜0.1wt%、Zn:0.3〜1.5wt%(1.5wt%は除く)、M
    g:0.1〜1.0wt%を含有し、残部が実質的にCuからなる導
    電率50%ICS以上であることを特徴とする強度、ばね限
    界値、高温応力緩和特性および耐マイグレーション性に
    優れる高導電性電気・電子部品用銅合金。
  3. 【請求項3】Sn:0.1〜1.0wt%、Fe:0.02〜0.50wt%、P:
    0.01〜0.1wt%、Zn:0.3〜1.5wt%(1.5wt%は除く)、M
    g:0.1〜1.0wt%を含有し、残部が実質的にCuからなり、
    りん化鉄が形成されており導電率50%ICS以上であるこ
    とを特徴とする強度、ばね限界値、高温応力緩和特性お
    よび耐マイグレーション性に優れる高導電性電気・電子
    部品用銅合金。
JP1233948A 1989-09-07 1989-09-07 耐マイグレーション性に優れる高導電性電気・電子部品用銅合金 Expired - Lifetime JP2977839B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1233948A JP2977839B2 (ja) 1989-09-07 1989-09-07 耐マイグレーション性に優れる高導電性電気・電子部品用銅合金

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1233948A JP2977839B2 (ja) 1989-09-07 1989-09-07 耐マイグレーション性に優れる高導電性電気・電子部品用銅合金

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0397816A JPH0397816A (ja) 1991-04-23
JP2977839B2 true JP2977839B2 (ja) 1999-11-15

Family

ID=16963129

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP1233948A Expired - Lifetime JP2977839B2 (ja) 1989-09-07 1989-09-07 耐マイグレーション性に優れる高導電性電気・電子部品用銅合金

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2977839B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2950715B2 (ja) * 1993-09-30 1999-09-20 株式会社神戸製鋼所 電気・電子部品用銅合金
JP5132467B2 (ja) * 2008-07-30 2013-01-30 株式会社神戸製鋼所 導電率および強度に優れる電気・電子部品用銅合金およびSnめっき銅合金材

Also Published As

Publication number Publication date
JPH0397816A (ja) 1991-04-23

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4563508B1 (ja) Cu−Mg−P系銅合金条材及びその製造方法
JP4516154B1 (ja) Cu−Mg−P系銅合金条材及びその製造方法
TWI532859B (zh) Conductive and bending deformation coefficient of copper alloy plate
EP2592164A1 (en) Cu-ni-si copper alloy plate with excellent deep-draw characteristics and production method thereof
JP2012007231A (ja) Cu−Mg−P系銅合金条材及びその製造方法
EP0222406B1 (en) Copper alloy excellent in migration resistance
JPH0551671A (ja) 曲げ性及び応力緩和特性に優る電子機器用高力高導電性銅合金
JPH0673474A (ja) 強度、導電率及び耐マイグレーション性が優れた銅合金
JP2977845B2 (ja) ばね特性、強度及び導電性に優れた耐マイグレーション性端子・コネクタ用銅合金
JP2977839B2 (ja) 耐マイグレーション性に優れる高導電性電気・電子部品用銅合金
JP2722401B2 (ja) 耐マイグレーション性に優れた高導電性電気・電子部品配線用銅合金
JPS64451B2 (ja)
JP3807475B2 (ja) 端子・コネクタ用銅合金板及びその製造方法
US5387293A (en) Copper base alloys and terminals using the same
JPS62146231A (ja) 耐マイグレ−シヨン性に優れた高導電性銅合金
JPH0499838A (ja) 通電材料
JPS63310935A (ja) 耐マイグレ−ション性の優れた高導電性銅合金
JPS6332855B2 (ja)
JPH04231446A (ja) 通電材料
JPH0118139B2 (ja)
JP2595095B2 (ja) 端子・コネクター用銅合金
JPH04231444A (ja) 通電材料の製造方法
JPS62116744A (ja) 耐マイグレ−シヨン性に優れたりん青銅
JPH0432529A (ja) 電気抵抗の定質量温度係数が小さい銅合金
JPH0499837A (ja) 通電材料

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20070910

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080910

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080910

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090910

Year of fee payment: 10

EXPY Cancellation because of completion of term