JP2977818B1 - 切削工具 - Google Patents

切削工具

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JP2977818B1
JP2977818B1 JP29684098A JP29684098A JP2977818B1 JP 2977818 B1 JP2977818 B1 JP 2977818B1 JP 29684098 A JP29684098 A JP 29684098A JP 29684098 A JP29684098 A JP 29684098A JP 2977818 B1 JP2977818 B1 JP 2977818B1
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Abstract

【要約】 【課題】 刃物ホルダーへの刃物の組付時における該刃
物の位置決めを容易に且つ高精度で的確に行うことを可
能とする。 【解決手段】 刃物2に第1基準部23,25と第2基
準部24とを設けるとともに、該第1基準部23,25
と第2基準部24の傾斜角と、刃部21,22の刃面の
傾斜角とを同一角度に設定する一方、刃物ホルダー1に
は、上記第1基準部23,25が衝合可能な第1基準面
36,38と上記第2基準部24が衝合可能な第2基準
面37とを設け、上記刃物2の上記第1基準部23,2
5と上記第2基準部24とをそれぞれ上記刃物ホルダー
1の上記第1基準面36,38と上記第2基準面37に
衝合させることで上記刃物2に設定された上記基準点P
1が上記基準位置に合致するように構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本願発明は、回転駆動される
刃物ホルダーに板状形態の刃物を取り付けて構成される
切削工具に関するものである。
【0002】
【従来の技術】かかる切削工具に関しては、従来より種
々の構造のものが提案されているが、これら何れのもの
においてもその基本構成はほぼ同じで、回転駆動される
刃物ホルダーに、板状形態をもち且つその一の側縁に刃
部を設けた刃物を、該刃部を上記刃物ホルダーの軸方向
前方側に向けた状態で取り付けて構成されている。
【0003】そして、この場合、上記刃物の刃部は、該
刃物の一の側縁部分を傾斜面状に形成して得られ、該傾
斜面の傾斜方向両端縁のうち、平面方向外側に位置する
縁部を刃先としている。また、切削精度の維持という観
点から、上記刃物の刃物ホルダーへの取り付けに際して
は、該刃物を適正位置に位置決めし、該刃物に設定され
た基準点の位置を所定の基準位置に合致させることが要
求される。かかる刃物の位置決めに対する要求は、新品
組付時は勿論のこと、該刃物を研磨した後の再組付時に
おいても同様である。
【0004】ところで、刃物の研磨は、長期の使用によ
って摩滅しその切れ味が低下した刃先部分を除去してこ
こに新たな刃先部分を創生してその切れ味の回復を図る
ためのものであるが、その研磨方法としては、刃面をそ
の傾斜面に沿って研磨して新たな刃面を得る刃面研磨方
法と、刃物の裏面(即ち、刃先が位置する側の面)の全
域をその板厚を減じる如くその面方向に沿って一律に研
磨して新たな刃先を創生する全面研磨方法とが知られて
いる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記の如き
二種の研磨方法のうち、前者の刃面研磨方法には、研磨
部分が少なく作業性が良好という利点がある反面、高精
度の研磨装置及び高度の作業熟練度を要するという欠点
がある。これとは逆に、後者の全面研磨方法において
は、研磨を比較的簡単な研磨装置を使用して且つさほど
の作業熟練度を要することなく研磨を行えるという利点
がある反面、研磨部分が大きいことから研磨の作業性が
劣るという欠点がある。このように、上記両研磨方法は
得失相反するものであることから、これら両研磨方法は
研磨作業条件等に対応して適宜選択して適用されてお
り、従って、刃物がこれら何れの研磨方法によって研磨
されたとしても、該刃物の研磨後における刃物ホルダー
への再組付時においては、該刃物ホルダーに対する刃物
の位置決めを簡単な操作で且つ高精度で的確に行えるよ
うにすることが必要である。
【0006】そこで本願発明では、刃物ホルダーへの刃
物の組付時における該刃物の位置決めを容易に且つ高精
度で的確に行うことができるようにした切削工具を提供
せんとしてなされたものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本願発明ではかかる課題
を解決するための具体的手段として次のような構成を採
用している。
【0008】本願の第1の発明では、その軸心回りに回
転駆動される刃物ホルダー1に設けた刃物取付部12
に、略矩形板状の平面形態をもつとともにその一の縁部
2eにその表面2aから裏面2bにかけて傾斜する傾斜
面でなり且つ該裏面2b側の端縁が刃先縁とされた刃部
21,22が設けられた刃物2を、該刃部21,22を
上記刃物ホルダー1の軸方向前方側に位置させるととも
に該刃部21,22に設定した基準点P1を上記刃物取
付部12の軸方向及び径方向の双方における基準位置に
位置決めして取り付けた切削工具において、上記刃物2
に、該刃物2の表面2aから裏面2bにかけて傾斜し且
つ該裏面2b側の端縁が先端縁とされる傾斜面で構成さ
れる基準部であって、該先端縁が上記刃物2の突出方向
と平行に延びる第1基準部23,25と該先端縁が上記
刃物2の突出方向に直交する方向に延びる第2基準部2
4とを設けるとともに、上記第1基準部23,25と第
2基準部24をそれぞれ構成する傾斜面の傾斜角と、上
記刃部21,22の刃面を構成する傾斜面の傾斜角とを
同一角度に設定する一方、上記刃物ホルダー1には、上
記刃物2の突出方向に延び且つ該刃物2の上記第1基準
部23,25の先端縁が衝合可能とされた第1基準面3
6,38と、上記刃物2の突出方向に直交する方向に延
び且つ該刃物2の上記第2基準部24の先端縁が衝合可
能とされた第2基準面37とを設け、上記刃物2の上記
第1基準部23,25と上記第2基準部24とをそれぞ
れ上記刃物ホルダー1の上記第1基準面36,38と上
記第2基準面37に衝合させることで上記刃物2に設定
された上記基準点P1が上記基準位置に合致せしめられ
ることを特徴としている。
【0009】本願の第2の発明では、上記第1の発明に
かかる切削工具において、上記刃物ホルダー1を、上記
刃物取付部12を備えたホルダー本体11と、該ホルダ
ー本体11に嵌合され該ホルダー本体11との間におい
て上記刃物2を挟持して固定する刃物カバー3とで構成
するとともに、上記第1基準面36,38及び第2基準
面37を上記刃物カバー3側又は上記ホルダー本体11
側の何れか一方に設けたことを特徴としている。
【0010】
【発明の効果】本願発明ではかかる構成とすることによ
り次のような効果が得られる。
【0011】 本願の第1の発明にかかる切削工具に
よれば、上記刃物2に、その先端縁が上記刃物2の突出
方向と平行に延びる第1基準部23,25と該先端縁が
上記刃物2の突出方向に直交する方向に延びる第2基準
部24とを設けるとともに、上記第1基準部23,25
と第2基準部24の傾斜角と、上記刃部21,22の刃
面の傾斜角とを同一角度に設定する一方、上記刃物ホル
ダー1には、上記刃物2側の上記第1基準部23,25
の先端縁が衝合可能とされた第1基準面36,38と、
上記刃物2側の上記第2基準部24の先端縁が衝合可能
とされた第2基準面37とを設け、上記刃物2の上記第
1基準部23,25と上記第2基準部24とをそれぞれ
上記刃物ホルダー1の上記第1基準面36,38と上記
第2基準面37に衝合させることで上記刃物2に設定さ
れた上記基準点P1が上記基準位置に合致せしめられる
ようにしている。
【0012】このため、この発明にかかる切削工具によ
れば、例えば、上記刃物2の研磨に際して、刃面研磨方
法により刃物2の刃部21,22を研磨する場合におい
ては、該刃部21,22に対する研磨量と同じ研磨量で
上記第1基準部23,25及び第2基準部24をも研磨
すると、上記刃部21,22に設定した基準点P1の上
記刃物ホルダー1の径方向における後退量と同じ後退量
だけ上記第1基準部23,25が後退するとともに、上
記基準点P1の上記刃物ホルダー1の軸方向における後
退量と同じ後退量だけ上記第2基準部24も後退するこ
とになる。
【0013】一方、上記刃物2の研磨に際して、全面研
磨方法により上記刃物2の裏面2bをその面方向に沿っ
て一律に研磨する場合においては、研磨による上記刃物
2の板厚の減少に伴う上記刃部21,22に設定した上
記基準点P1の上記刃物ホルダー1の径方向における後
退量と同じ後退量だけ上記第1基準部23,25が後退
するとともに、上記基準点P1の上記刃物ホルダー1の
軸方向における後退量と同じ後退量だけ上記第2基準部
24も後退することになる。
【0014】従って、上記刃物2を刃面研磨方法と全面
研磨方法の何れの研磨方法により研磨しても、その研磨
後にこれを上記刃物ホルダー1に組付ける場合には、単
に、上記刃物2の上記第1基準部23,25と上記第2
基準部24とをそれぞれ上記刃物ホルダー1の上記第1
基準面36,38と上記第2基準面37に衝合させて組
付けるという極めて簡単で且つ熟練を要しない作業によ
って、研磨による上記刃物2の刃面の後退とか該刃物2
の板厚の減少に拘わらず、上記刃部21,22に設定さ
れた上記基準点P1は上記基準位置に確実に合致するこ
ととなり、結果的に、上記刃物ホルダー1への上記刃物
2の組付時における該刃物2の位置決めを、該刃物2の
研磨方法の如何に拘わらず、容易に且つ高精度で的確に
行うことができ、それだけ刃物組付作業性の向上による
低コスト化と、刃物組付精度の確保による加工精度の向
上とが図られるものである。
【0015】 本願の第2の発明にかかる切削工具に
よれば、上記に記載の効果に加えて次のような特有の
効果が奏せられる。即ち、この発明の切削工具において
は、上記刃物ホルダー1を、上記刃物取付部12を備え
たホルダー本体11と、該ホルダー本体11に嵌合され
該ホルダー本体11との間において上記刃物2を挟持し
て固定する刃物カバー3とで構成するとともに、上記第
1基準面36,38及び第2基準面37を上記刃物カバ
ー3側又は上記ホルダー本体11側の何れか一方に設け
るようにしているので、例えば上記刃物2の板厚が薄
く、該刃物2を直接に上記刃物ホルダー1側に固定する
ことが困難な場合においても、該刃物2を確実に固定す
ることができ、上記刃物2に対する適用範囲の拡大によ
る汎用性の向上が期待できるものである。
【0016】
【発明の実施の形態】図1及び図2には、本願発明にか
る切削工具の好適な実施形態として木工用切削工具Zを
示している。この切削工具Zは、木材を被切削材とし
て、これに所要の断面形状をもつ溝加工を行う場合に使
用されるものであって、次述の刃物ホルダー1とこれに
取り付けられる刃物2とで構成される。
【0017】刃物ホルダー1 上記刃物ホルダー1は、上述のように、刃物2を保持す
るためのものであって、この実施形態においては、これ
を次述するホルダー本体11と刃物カバー3とで構成し
ている。
【0018】ホルダー本体11 上記ホルダー本体11は、回転駆動手段(図示省略)に
把持されるシャンク14の先端側に、これと一体的に一
対の刃物取付部12,12を設けて構成されている。こ
の刃物取付部12は、矩形の平面形態をもつブロック体
でなり、その平滑な表面を上記刃物2の取付面12aと
している。
【0019】そして、上記一対の刃物取付部12,12
は、図1に示すように、これらをその側方から見た状態
では、該一対の取付面12a,12aが上記シャンク1
4の回転軸心Lを挟んでその両側にV字状に傾斜背向し
ている。一方、図2に示すように、これら一対の刃物取
付部12,12をその表面12aに対向する方向から見
た状態では、該一対の刃物取付部12,12が上記回転
軸心Lを挟んでその両側に平行に配置され、且つ上記回
転軸心L寄りの側縁は該回転軸心Lに略合致した状態と
なっている。尚、上記各刃物取付部12,12には、そ
れぞれ一対のネジ孔53,53が設けられている。
【0020】刃物カバー3 上記刃物カバー3は、図1〜図3に示すように、上記ホ
ルダー本体11の刃物取付部12の取付面12a側に嵌
合可能な形状をもつ厚板材で一体形成されるものであっ
て、矩形形状の一端縁側をその角部側から湾曲状に切り
落とした略台形状の平面形態をもち、この略台形状の平
滑面部分を刃物押え面31としている。また、この刃物
押え面31のうち、反切り落とし側の矩形部分は、これ
を囲繞する各壁部32,33,34によって、上記ホル
ダー本体11の刃物取付部12に嵌合する嵌合凹部35
とされており、該刃物取付部12は上記各壁部32〜3
4の内面に密接状態で嵌合される(図2参照)。
【0021】さらに、上記各壁部32〜34のうち、上
記切り落とし側に位置する第1壁部32の内面は上記刃
物押え面31の長手方向に向けて屈曲状に形成されてお
り、該切り落とし側に位置する内面部分はと反切り落と
し側に位置する内面部分は、それぞれ上記刃物押え面3
1の長手方向に平行に延びる第1基準面36及び第3基
準面38とされるとともに、これら両基準面36,38
の中間に位置する部分は該両基準面36,38の面方向
に直交する方向に延びる第2基準面37とされている。
これら各基準面36〜38によって次述する刃物2の位
置決めが行われるものである。
【0022】尚、上記刃物押え面31には、ネジ孔52
と、上記ホルダー本体11の刃物取付部12側に設けた
上記ネジ孔53,53と対応する一対の貫通孔55,5
5とが設けられている。
【0023】刃物2 上記刃物2は、図3〜図6に示すように、上記刃物カバ
ー3の上記嵌合凹部35内に嵌合配置が可能な幅寸法を
もつ矩形薄板を基材を、上記刃物押え面31の平面形状
に略合致する如くその長辺湾曲の側縁2eの一方の角部
を湾曲状に切り落としてなる略台形状の平面形状を有し
ている。そして、この刃物2の切り落とし側の上記側縁
2eには、先端刃部21と湾曲刃部22とが形成されて
いる。これら各刃部21,22のうち、上記湾曲刃部2
2は上記切り落とし部分に設けられたものであって、上
記刃物2の表面2aから裏面2bにかけて傾斜延出する
湾曲傾斜面で構成され、該傾斜面の上記裏面2b側の先
端縁を刃先としている。また、上記先端刃部21は、上
記湾曲刃部22の延出側の端部と上記刃物2の長辺側の
側縁2dとの間に跨がって形成されたものであって、上
記刃物2の表面2aから裏面2bにかけて傾斜延出する
傾斜面で構成され、該傾斜面の上記裏面2b側の先端縁
を刃先としている。そして、この先端刃部21は、上記
湾曲刃部22との境界部から後退する方向に延出してお
り、従って、上記先端刃部21と湾曲刃部22の境界点
は最も前方に突出しており、この実施形態においてはこ
の境界点に、上記刃物2の位置決めのための第1基準点
1を設定している。
【0024】一方、上記湾曲刃部22の後退端に連続す
る上記刃物2の他方の側縁2cには、次述する傾斜縁部
23〜25が設けられている。上記第1傾斜縁部23
は、上記湾曲刃部22の後退端に連続して延びる傾斜面
で構成され、上記刃物2の裏面2b側に先端縁を有して
いる。上記第2傾斜縁部24は、上記第1傾斜縁部23
の後端に連続し且つ該第1傾斜縁部23の延出方向に直
交して外方へ延びる傾斜面で構成され、上記刃物2の裏
面2b側に先端縁を有している。上記第3傾斜縁部25
は、上記第2傾斜縁部24の外端部に連続して上記第1
傾斜縁部23と平行に延びる傾斜面で構成され、上記刃
物2の裏面2b側に先端縁を有している。また、この実
施形態においては、上記湾曲刃部22と第1傾斜縁部2
3との境界点に、上記刃物2の位置決めのための第2基
準点P2を設定している。
【0025】そして、この刃物2においては、後述する
ように、該刃物2の研磨後の再組付け時の位置決めを容
易ならしめるという観点から、上記先端刃部21,22
の刃面の傾斜角と、上記第1傾斜縁部23と第2傾斜縁
部24と第3傾斜縁部25の傾斜角とを同一角度に設定
している。
【0026】尚、上記刃物2には、上記刃物カバー3側
のネジ孔52に対応する貫通孔51と、上記ホルダー本
体11の上記刃物取付部12側のネジ孔53,53に対
応する貫通孔54,54とが設けられている。
【0027】刃物ホルダー1への刃物2の組付け 上述の如く構成された上記刃物ホルダー1に対する上記
刃物2の組付けは次のようにして行われる。
【0028】この実施形態のものにおいては、上記刃物
カバー3に上記刃物2を組付けて刃物アセンブリー10
を構成し、さらにこの刃物アセンブリー10を上記ホル
ダー本体11の刃物取付部12に組付けるようにしてい
る。
【0029】先ず、図4〜図6に示すように、上記刃物
カバー3の嵌合凹部35内に上記刃物2を嵌合配置し、
且つ該嵌合凹部35の底面でなる上記刃物押え面31に
上記刃物2の表面2a側を衝合させる。そして、この衝
合状態において、上記刃物2を上記第1基準点P1側に
移動させて上記第2傾斜縁部24を上記刃物カバー3側
の上記第2基準面37に衝合させるとともに、上記刃物
2を上記第1傾斜縁部23及び第3傾斜縁部25側に移
動させてこれら第1傾斜縁部23と第3傾斜縁部25を
それぞれ上記刃物カバー3側の上記第1基準面36と第
3基準面38に衝合させる。以上で、上記刃物カバー3
に対する上記刃物2の位置決めが完了する。従って、こ
の位置決め状態で、上記刃物2を上記刃物カバー3に取
付ネジ56により締着固定し、上記刃物アセンブリー1
0を得る。
【0030】尚、この刃物アセンブリー10において
は、上記刃物2の上記先端刃部21と湾曲刃部22が、
上記刃物カバー3の刃物押え面31の前端よりも所定量
だけ前方へ突出するように、上記刃物2の第2傾斜縁部
24と上記刃物カバー3の第2基準面37の位置が設定
されている。
【0031】次に、このように構成された一対の刃物ア
センブリー10,10を、上記ホルダー本体11の一対
の刃物取付部12,12に取り付ける。即ち、図1〜図
3に示すように、上記刃物2の表面2aを上記刃物取付
部12の取付面12aに衝合させるように、上記刃物カ
バー3をその開口側から上記刃物取付部12に嵌合させ
る。そして、この嵌合状態においては、上記刃物カバー
3の第1壁部32と第2壁部33の内面が上記刃物取付
部12の両側面12c,12cにそれぞれ近接対向する
ことで該刃物カバー3と上記刃物取付部12との幅方向
の位置決めがなされるとともに、該刃物カバー3の第3
壁部34の内面を上記刃物取付部12の端面12bに衝
合させることで刃物突出方向における位置決めがなされ
る。この位置決め状態で、取付ネジ57,57により上
記刃物アセンブリー10を上記刃物取付部12側に締着
固定する。これで、上記刃物ホルダー1の一対の刃物
2,2を取り付けてなる切削工具Zが構成される(図1
及び図2に示す状態)。
【0032】この切削工具Zは、そのシャンク14を適
宜の回転駆動手段に把持させることで切削装置(図示省
略)に装着され、これが上記回転駆動手段により回転駆
動されることで、上記回転軸心Lを中心として回転する
上記一対の刃物2,2の先端刃部21,22によって切
削加工が行われるものである。
【0033】刃物2の位置決め構造の説明 ところで、この実施形態の切削工具Zにおいては、上述
のように、上記刃物2に、該刃物2の突出方向に平行に
延びる上記第1傾斜縁部23と第3傾斜縁部25と、該
突出方向に直交する方向に延びる上記第2傾斜縁部24
とを形成するとともに、上記刃物カバー3側には上記第
1傾斜縁部23と第3傾斜縁部25にそれぞれ対応する
第1基準面36と第3基準面38と、上記第2傾斜縁部
24に対応する第2基準面37とをそれぞれ設け、さら
に上記第2傾斜縁部24と第2基準面37の位置を適宜
設定することで、上記刃物2の上記刃物カバー3に対す
る位置決めを行うようになっているので、該刃物カバー
3を上記ホルダー本体11側に取り付けた状態において
は上記刃物2は上記刃物ホルダー1に対して位置決めさ
れることになる。
【0034】この位置決め状態を図7に示している。即
ち、上記刃物2の第1基準点P1は上記回転軸心Lから
の径方向位置(寸法B1)と上記回転軸心Lの軸方向位
置(例えば、上記刃物取付部12の端面からの突出量で
規定した場合の寸法B2)が、また上記第2基準点P2
上記回転軸心Lからの径方向位置(寸法C1)と上記回
転軸心Lの軸方向位置(寸法C2)が、それぞれ設定位
置に合致している。この位置決め状態は、上記刃物2が
新品の時の状態であり、換言すれば、上記刃物2はこれ
が新品の時には図7に示すような位置決めがなされるよ
うにその形状が設定され且つ製作されている。
【0035】しかし、この刃物2は、長期の使用により
摩滅した場合には研磨によりその再生が図られる。この
刃物2の研磨方法としては、既述のように刃面研磨方法
と全面研磨方法とがあるが、これら何れの研磨方法によ
り研磨された場合であっても、研磨後の刃物2を上記刃
物ホルダー1側に組付けた時には、上記第1基準点P1
と第2基準点P2が再度、所定の設定位置(図7に示す
位置)に再設定される必要がある。
【0036】この場合、この実施形態の切削工具Zにお
いては、上記刃物2側の上記各傾斜縁部23〜25の傾
斜角と、上記先端刃部21及び湾曲刃部22の刃面傾斜
角とが同一角度に設定されていることで、研磨後の再設
定が実現される。
【0037】全面研磨方法による研磨の場合 上記刃物2の裏面2bの全面を一律に研磨することで、
該裏面2bが図8〜図10においてそれぞれ実線図示位
置から鎖線L1で示す位置まで寸法S1だけ減少したと仮
定する。この研磨による刃物2の板厚の減少に伴って、
図10に示すように上記先端刃部21と湾曲刃部22の
境界点に設定された上記第1基準点P1の上記回転軸心
Lに沿う方向の位置は、実線図示する位置(符号P1
から鎖線図示する位置(符号P1′)まで寸法S0だけ後
退する。ところが、図8に示すように、上記刃物2の上
記第2傾斜縁部24においても、該刃物2の板厚の減少
に伴って、その先端縁24aの上記回転軸心Lに沿う方
向の位置は、実線図示する位置(符号24a)から鎖線
図示する位置(符号24a′)まで寸法S0だけ後退す
る。この結果、研磨後に、新たに形成された上記第2傾
斜縁部24の先端縁24aを上記刃物カバー3側の上記
第2基準面37に衝合させることで、上記刃物2の板厚
の減少に拘わらず、新たに形成された上記第1基準点P
1は上記回転軸心Lの軸方向の上記設定位置(寸法B2
位置)に設定されることになる。
【0038】一方、上記第1基準点P1の径方向位置
(上記回転軸心Lに直交する方向の位置)も、上記刃物
2の板厚の減少に伴って、当初位置から寸法S0だけ変
位する。しかし、この場合も上記刃物2の板厚の減少に
伴って、上記第1傾斜縁部23及び第3傾斜縁部25の
先端縁23a,25aが、図9に鎖線図示するように、
寸法S0だけ後退する(符号23a′,25a′)。こ
のように、上記第1基準点P1の変位量と同じ寸法だけ
上記第1傾斜縁部23及び第3傾斜縁部25の先端縁2
3a,25aが後退することで、刃物2の再組付け時
に、新たに形成された上記第1傾斜縁部23と第3傾斜
縁部25の先端縁23a,25aをそれぞれ上記第1基
準面36及び第3基準面38に衝合させることで、上記
刃物2の板厚の減少に拘わらず、新たに形成された上記
第1基準点P1は上記回転軸心Lに対してその径方向に
おける上記設定位置(寸法B1の位置)に設定される。
【0039】これら両者の相乗作用として、上記第1基
準点P1は、新品取付時の設定位置に確実に設定される
ことになる。
【0040】刃面研磨方法による研磨の場合 刃面研磨方法の場合には、上記刃物2の先端刃部21と
湾曲刃部22の刃面をその傾斜方向に沿って研磨すると
同時に、上記第1傾斜縁部23〜第3傾斜縁部25もそ
の傾斜方向に沿って研磨する。すると、上記先端刃部2
1及び湾曲刃部22側においては、図10に示すよう
に、その刃面が実線図示位置から鎖線L2で示す位置ま
で寸法S2だけ後退し、第1基準点P1の位置は実線図示
位置から鎖線図示位置(符号P2″)まで後退する。
尚、この第1基準点P1の後退量(寸法S0)は、上記シ
ャンク14の回転軸心Lに沿う方向及びこれに直交する
方向の何れにおいても同じである。
【0041】一方、上記刃物2の上記第2傾斜縁部24
においては、図8に示すように、これをその傾斜面に沿
って鎖線L2の位置まで研磨することで、該第2傾斜縁
部24の先端縁24aは鎖線図示する位置(符号24
a″)まで寸法S0だけ後退する。さらに、上記刃物2
の上記第1傾斜縁部23及び第3傾斜縁部25において
も、図9に示すように、これをその傾斜面に沿って鎖線
2の位置まで研磨することで、該第1傾斜縁部23及
び第3傾斜縁部25の先端縁23a,25aは鎖線図示
する位置(符号23a″,25a″)まで寸法S0だけ
後退する。
【0042】このように、上記先端刃部21及び湾曲刃
部22の研磨による後退量だけ上記第1傾斜縁部23〜
第3傾斜縁部25が後退することで、刃物2の再組付け
時に、新たに形成された上記第1傾斜縁部23と第3傾
斜縁部25の先端縁23a,25aをそれぞれ上記第1
基準面36及び第3基準面38に衝合させることで、上
記第1基準点P1の研磨による後退変位に拘わらず、新
たに形成された上記第1基準点P1は新品取付時の設定
位置(図7の実線図示位置)に確実に位置設定されるこ
とになる。
【0043】尚、上記第2基準点P2の位置決めは、上
記第1基準点P1の位置決めと同様にして行われるもの
であるため、ここでの説明は省略する。また、図7にお
ける寸法Aは、上記刃物2の研磨によって次第に拡大変
化するものであり、従って、一対の刃物2,2の間にお
いて隙間が生じるが、かかる隙間の発生は、上記湾曲刃
部22を上記第1基準点P1から後退変化する形状に設
定することで、切削作業上において何ら支障を生じるも
のではない。
【0044】以上のように、この実施形態の切削工具Z
においては、上記刃物2が如何なる方法で研磨されたと
しても、その研磨後の再組付け時には、該刃物2を確実
に所定の設定位置に位置決めすることができ、その結
果、刃物組付作業性の向上による低コスト化と、刃物組
付精度の確保による加工精度の向上とが図られるもので
ある。
【0045】その他 (1)上記実施形態においては、図2に実線図示するよ
うに、上記一対の刃物2,2をその面に対向する側から
見たときこれらが平行となるように配置したものを例に
とって説明したが、本願発明はかかる構成に限定される
ものではなく、例えば同図に鎖線図示するように、これ
ら一対の刃物2,2が所定の傾斜角をもって配置される
構成のものにも適用できることは勿論である。
【0046】(2)上記実施形態においては、上記ホル
ダー本体11と刃物カバー3とによって上記刃物ホルダ
ー1を構成する構造のものを例にとって説明したが、本
願発明はかかる構成に限定されるものではなく、例えば
上記刃物ホルダー1を単体構造とし、上記刃物2を直接
上記刃物取付部12に取り付けるように構成することも
できるものである。
【0047】(3)上記実施形態においては、上記刃物
カバー3側に位置決め基準とる上記第1基準面36〜第
3基準面38を形成したものを例にとって説明したが、
本願発明はかかる構成に限定されるものではなく、例え
ばこれら基準面を上記ホルダー本体11の刃物取付部1
2側に設けることも可能である。
【0048】(4)上記実施形態においては、径方向の
位置決め用に、上記刃物2には第1傾斜縁部23と第3
傾斜縁部25の二つの傾斜縁部を、上記刃物カバー3に
は第1基準面36と第3基準面38の二つの基準面を、
それぞれ設けたものを例にとって説明したが、かかる傾
斜縁部及び基準面の数には限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明にかかる切削工具の実施形態としての
溝加工用切削工具の側面図である。
【図2】図1のII−II矢視図である。
【図3】図1及び図2に示した刃物アセンブリーの構成
を示す分解斜視図である。
【図4】刃物アセンブリーの平面図である。
【図5】図4のV−V矢視図である。
【図6】図5のVI−VI矢視図である。
【図7】刃物の位置決め状態の説明図である。
【図8】図7のVIII−VIII断面図である。
【図9】図7のIX−IX断面図である。
【図10】図7のX−X断面図である。
【符号の説明】
1は刃物ホルダー、2は刃物、3は刃物カバー、10は
刃物アセンブリー、11はホルダー本体、12は刃物取
付部、12aは取付面、14はシャンク、21は先端刃
部、22は湾曲刃部、23は第1傾斜縁部、24は第2
傾斜縁部、25は第3傾斜縁部、31は刃物押え面、3
2は第1壁部、33は第2壁部、34は第3壁部、35
は嵌合凹部、36は第1基準面、37は第2基準面、3
8は第3基準面、51は貫通孔、52はネジ孔、53は
ネジ孔、54は貫通孔、55は貫通孔、56は取付ネ
ジ、57は取付ネジ、P1及びP2は基準点、Lは回転軸
心、Zは切削工具である。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 その軸心回りに回転駆動される刃物ホル
    ダー(1)に設けた刃物取付部(12)に、略矩形板状
    の平面形態をもつとともにその一の縁部(2e)にその
    表面(2a)から裏面(2b)にかけて傾斜する傾斜面
    でなり且つ該裏面(2b)側の端縁が刃先縁とされた刃
    部(21,22)が設けられた刃物(2)を、該刃部
    (21,22)を上記刃物ホルダー(1)の軸方向前方
    側に位置させるとともに該刃部(21,22)に設定し
    た基準点(P1)を上記刃物取付部(12)の軸方向及
    び径方向の双方における基準位置に位置決めして取り付
    けた切削工具であって、 上記刃物(2)には、該刃物(2)の表面(2a)から
    裏面(2b)にかけて傾斜し且つ該裏面(2b)側の端
    縁が先端縁とされる傾斜面で構成される基準部であっ
    て、該先端縁が上記刃物(2)の突出方向と平行に延び
    る第1基準部(23,25)と該先端縁が上記刃物
    (2)の突出方向に直交する方向に延びる第2基準部
    (24)とが設けられるとともに、上記第1基準部(2
    3,25)と第2基準部(24)をそれぞれ構成する傾
    斜面の傾斜角と、上記刃部(21,22)の刃面を構成
    する傾斜面の傾斜角とが同一角度に設定される一方、 上記刃物ホルダー(1)には、上記刃物(2)の突出方
    向に延び且つ該刃物(2)の上記第1基準部(23,2
    5)の先端縁が衝合可能とされた第1基準面(36,3
    8)と、上記刃物(2)の突出方向に直交する方向に延
    び且つ該刃物(2)の上記第2基準部(24)の先端縁
    が衝合可能とされた第2基準面(37)とが設けられて
    おり、 上記刃物(2)の上記第1基準部(23,25)と上記
    第2基準部(24)とをそれぞれ上記刃物ホルダー
    (1)の上記第1基準面(36,38)と上記第2基準
    面(37)に衝合させることで上記刃物(2)に設定さ
    れた上記基準点(P1)が上記基準位置に合致せしめら
    れることを特徴とする切削工具。
  2. 【請求項2】 請求項1において、 上記刃物ホルダー(1)が上記刃物取付部(12)を備
    えたホルダー本体(11)と、該ホルダー本体(11)
    に嵌合され該ホルダー本体(11)との間において上記
    刃物(2)を挟持して固定する刃物カバー(3)とで構
    成されるとともに、 上記第1基準面(36,38)及び第2基準面(37)
    が上記刃物カバー(3)側又は上記ホルダー本体(1
    1)側の何れか一方に設けられていることを特徴とする
    切削工具。
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