JP2977727B2 - 高分子量ポリエステル樹脂及びその製造方法 - Google Patents

高分子量ポリエステル樹脂及びその製造方法

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JP2977727B2
JP2977727B2 JP6272968A JP27296894A JP2977727B2 JP 2977727 B2 JP2977727 B2 JP 2977727B2 JP 6272968 A JP6272968 A JP 6272968A JP 27296894 A JP27296894 A JP 27296894A JP 2977727 B2 JP2977727 B2 JP 2977727B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、透明性、耐熱性に優
れ、磨耗及び機械強度の高い光学用ポリエステル樹脂材
料に関する。
【0002】
【従来の技術】プラスチックはその透明性、軽量性、割
れ難さ、安全性から光学製品に広く用いられ、代表的な
光学用材料として、、ポリメチルメタクリレート(PM
MA)、ポリカーボネート(PC)、が良く知られてい
る。これらの光学用樹脂はそれぞれの特徴をいかして使
用されている。例えば、PMMAは複屈折が極めて小さ
い且つ透明性が高いために、光ファイバ−、レンズ等に
使用されている。また、PCは耐熱性が高く吸湿性が比
較的低いためにコンパクトディスクの基板材料として使
用されている。
【0003】一方プラスチックを光学用途に応用する場
合、幾つかの問題点がある。例えば、上述した樹脂PM
MAは吸湿性が高く屈折率が低いと言う問題が、PCは
複屈折が大きく、成形性が悪いという問題がある。とこ
ろで、これらの問題を解決する手段として特開平6−1
84288には芳香族ジカルボン酸またはそのエステル
形成性誘導体と9,9−ビス[4−(2−ヒドロキシエ
トキシ)フェニル]フルオレンを代表例とする特殊ジヒ
ドロキシ化合物を共重合した非晶質ポリエステルが提案
されている。当該ポリエステル樹脂は、複屈折が低いと
同時に屈折率が高く、また耐熱性も高いために、広い範
囲の光学用途で使用可能である。しかし、特殊な機械特
性や耐磨耗性が要求される分野、例えば、電子写真用感
光体ドラム、液晶用ディスプレーフィルム、プロジェク
ションTVの外層レンズ等に使用した場合、他の物との
接触や摩擦により樹脂面が磨滅し耐久性に問題が生じる
ことがある。他方、耐磨耗性の向上をするためには、ポ
リエステルの分子量を上げれば良いことが知られてい
る。
【0004】原料の種類や純度にもよるが、ポリエステ
ルの分子量は溶融重合の場合通常、反応槽の真空度と反
応温度によって決定される。通常、反応槽の真空は実用
上0.1以下に下げることは難しく、また反応温度も実
用的には300℃が上限である。従ってポリエステルの
分子量にも上限があり、ジカルボン酸またはそのエステ
ル形成性誘導体と9,9−ビス[4−(2−ヒドロキシ
エトキシ)フェニル]フルオレンを代表例とする特殊ジ
ヒドロキシ化合物を共重合した非晶質ポリエステルで
は、その組成によっても異なるが、通常の方法ではポリ
スチレン換算の重量平均分子量で5万が(クロロフォル
ム中の極限粘度で0.4dl/g)であり、最も高い場
合でもポリスチレン換算の重量平均分子量で10万程度
が(クロロフォルム中の極限粘度で0.6dl/g)溶
融重合法での限界である。
【0005】重合後にポリエステルの分子量を増加させ
る方法として、例えば湯木和男編の「ポリエステル樹脂
ハンドブック」に記述されているように、樹脂の融点以
下で且つガラス転移点以上の温度の真空中で熱処理する
固相重合法が知られている。この方法は結晶性のポリエ
ステルには極めて有効であり、タイヤコ−ドや高強度モ
ノフィラメントを製造するために使われている。固相重
合法を用いると、ポリエステルの種類にもよるが、極限
粘度で1.2〜2倍近い分子量の増加が達成される。し
かし、この固相重合法は結晶性のポリエステルには有効
であるが、非晶質ポリエステルには適用できない。これ
は、非晶質ポリエステルではガラス転移点以上では樹脂
が高粘性流体となり、反応槽内で発泡し、反応系からの
取り出し等の取扱いが難しくなるためである。
【0006】上述したように、非晶質ポリエステルに適
用可能な、重合の分子量増加方法は未だ見いだされてい
ない。従って非晶質ポリエステルの一種である、ジカル
ボン酸またはそのエステル形成性誘導体と9,9−ビス
[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]フルオレ
を代表例とする特殊ジヒドロキシ化合物を共重合した
非晶質ポリエステルで高分子量の材料を得ることは難し
い。しかし、上述したように当該ポリエステルは極めて
優れた光学特性を示すため、高分子量化して耐磨耗性を
備えた樹脂の開発が必要である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らはかかる従
来技術の諸欠点に鑑み鋭意検討を重ねた結果、ジカルボ
ン酸またはそのエステル形成性誘導体と9,9−ビス
[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]フルオレ
を代表例とする特殊ジヒドロキシ化合物を共重合した
非晶質ポリエステルにおいて、本発明を完成したもので
あって、その目的とするところは、透明性に優れてお
り、実用上十分な耐熱性を有し、光学的異方性が小さ
く、成形性、寸法安定性に優れ、高屈折率を保有し、耐
磨耗性に優れ、さらに生産性に優れたポリエステル樹脂
を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは前述の欠点
を解決する為検討を重ねた結果本発明を完成させた。即
ち、上述した課題は、ジカルボン酸またはそのエステル
形成性誘導体と10mol%以上の一般式(1)
【化3】 (R1は炭素数2から4のアルキレン基、R2、R3
4、及びR5は水素または炭素数1から4のアルキル
基、アリール基、アラルキル基であり同じであっても異
なっていてもよい)で示されるジヒドロキシ化合物と、
ジオールと、ジイソシアナートからなる実質的に線状の
ポリエステル重合体であって、クロロフォルム中での極
限粘度が0.6以上である事を特徴とする透明性に優れ
高分子ポリエステル樹脂により達成される。
【0009】以下、本発明を詳しく説明する。前記ポリ
エステルの一般式(1)
【化4】 で表されるジヒドロキシ化合物を共重合成分として使用
することが本発明の1つの鍵となる部分である。これを
用いることでポリエチレンテレフタレート樹脂の成形性
を損なわずに耐熱性を向上させ、光学的異方性を低減さ
せることを見いだした。特に後者については、フルオレ
ン部分と2つのフェノール基との相対的特殊な分子構造
に起因すると考えられる。全ジヒドロキシ成分に対して
この成分が10mol%より少ないと、成形体が熱によ
り変形しやすくなり、耐熱性が不十分であり、光学的異
方性も大きく、屈折率も1.60未満となり、成形体の
安定性も低下する。
【0010】また、本発明のポリエスエル重合体はクロ
ロフォルム中、20℃で測定した極限粘度が0.6以上
であり、好ましくは0.6〜2.0、更に好ましくは
0.8〜1.5である。極限粘度が0.6未満では成形
品の機械的特性、特に耐磨耗性などが不十分となる。し
かし、極限粘度が0.6以上であれば十分な機械的特性
を有する成形品が得られる。極限粘度が大きくなるほど
成形が難しくなり、2.0以上になると実用上好ましく
ない。かかる目的とする極限粘度を有するポリエステル
重合体は、分子量調節剤、重合時間、重合温度等の溶融
重合条件と後工程の鎖伸長反応の条件を調節する事によ
り容易に得られる。
【0011】本発明のポリエステル重合体に供するジカ
ルボン酸またはそのアルキルエステルの様なエステル形
成性誘導体となるジカルボン酸としては、テレフタル
酸、イソフタル酸、2、6ーナフタレンジカルボン酸、
1、8ーナフタレンジカルボン酸、1、4ーナフタレン
ジカルボン酸、1、2ーナフタレンジカルボン酸、1、
3ーナフタレンジカルボン酸、1、5ーナフタレンジカ
ルボン酸、1、6ーナフタレンジカルボン酸、1、7ー
ナフタレンジカルボン酸、2、3ーナフタレンジカルボ
ン酸、2、7ナフタレンジカルボン酸、2、2’ービフ
ェニルジカルボン酸、3、3’ービフェニルジカルボン
酸、4、4’ービフェニルジカルボン酸、9、9ービス
(4ーカルボキシフェニレン)フルオレン等の芳香族ジ
カルボン酸、またはマレイン酸、アジピン酸、セバシン
酸、デカメチレンジカルボン酸等の脂肪族ジカルボン酸
またはそのエステル形成性誘導そのエステル形成性誘導
体が挙げられる。これらは、それぞれ単独で用いても良
いし、必要に応じて2種以上用いても良い。
【0012】本発明において、一般式(1)で表される
フルオレン系ジヒドロキシ化合物としては、例えば、
9,9−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニ
ル]フルオレン、9,9−ビス[4−(2−ヒドロキシ
エトキシ)−3−メチルフェニル]フルオレン、9,9
−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−3,5−ジ
メチルフェニル]フルオレン、9,9−ビス[4−(2
−ヒドロキシエトキシ)−3−エチルフェニル]フルオ
レン、9,9−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)
−3,5−ジエチルフェニル]フルオレン、9,9−ビ
ス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−3−プロピルフ
ェニル]フルオレン、9,9−ビス[4−(2−ヒドロ
キシエトキシ)−3,5−ジプロピルフェニル]フルオ
レン、9,9−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)
−3−イソプロピルフェニル]フルオレン、9,9−ビ
ス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−3,5−ジイソ
プロピルフェニル]フルオレン、9,9−ビス[4−
(2−ヒドロキシエトキシ)−3−n−ブチルフェニ
ル]フルオレン、9,9−ビス[4−(2−ヒドロキシ
エトキシ)−3,5−ジ−n−ブチルフェニル]フルオ
レン、9,9−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)
−3−イソブチルフェニル]フルオレン、9,9−ビス
[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−3,5−ジイソブ
チルフェニル]フルオレン、9,9−ビス[4−(2−
ヒドロキシエトキシ)−3−(1−メチルプロピル)フ
ェニル]フルオレン、9,9−ビス[4−(2−ヒドロ
キシエトキシ)−3,5−ビス(1−メチルプロピル)
フェニル]フルオレン、9,9−ビス[4−(2−ヒド
ロキシエトキシ)−3−フェニルフェニル]フルオレ
ン、9,9−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−
3,5−ジフェニルフェニル]フルオレン、9,9−ビ
ス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−3−ベンジルフ
ェニル]フルオレン、9,9−ビス[4−(2−ヒドロ
キシエトキシ)−3,5−ジベンジルフェニル]フルオ
レン、9,9−ビス[4−(3−ヒドロキシプロポキ
シ)フェニル]フルオレン 9,9−ビス[4−(4−ヒドロキシブトキシ)フェニ
ル]フルオレン 等が挙げられ、これらは単独または2種類以上を組み合
わせて使用しても良い。これらの中でも9,9−ビス
[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]フルオレ
ンが光学特性、成形性の面から好ましい。
【0013】9,9−ビス[4−(2−ヒドロキシエト
キシ)フェニル]フルオレンは、例えば、9,9−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)フルオレンにエチレンオキ
サイド(以下、EO)を付加して得られる。この際、フ
ェノールの両水酸基にエチレンオキサイドが1分子づつ
付加した2EO付加体(9,9−ビス[4−(2−ヒド
ロキシエトキシ)フェニル]フルオレン)の他に、さら
に数分子過剰に付加した、3EO付加体、4EO付加体
等の不純物が含まれる事がある。3EO、4EOなどの
不純物が多くなると、ポリエステル重合体の耐熱性を低
下させる事になる。このときの2EO付加体の純度は8
5%以上有れば良いが、好ましくは95%以上である。
【0014】本発明において、ジオ−ルとしては、エチ
レングリコール、1,3−プロパンジオール、1、2−
プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,2−
ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1、5ーペ
ンタンジオール、1、4ーペンタンジオール、1、3−
ペンタンジオール等の脂肪族グリコ−ル類、また、1、
1−ビス[4ー(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]
−1−フェニルエタン等の主鎖及び側鎖に芳香環を有す
るジヒドロキシ化合物、ビス[4−(2−ヒドロキシエ
トキシ)フェニル]スルフォン等の主鎖に芳香環と硫黄
を有する化合物、あるいはその他のジヒドロキシ化合物
を用いることができる。より具体的には1,1−ビス
[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]シクロヘ
キサン、1,1−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキ
シ)−3−メチルフェニル]シクロヘキサン、1,1−
ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−3,5−ジメ
チルフェニル]シクロヘキサン、1,1−ビス[4−
(2−ヒドロキシエトキシ)−3−エチルフェニル]シ
クロヘキサン、1,1−ビス[4−(2−ヒドロキシエ
トキシ)−3,5−ジエチルフェニル]シクロヘキサ
ン、1,1−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−
3−プロピルフェニル]シクロヘキサン、1,1−ビス
[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−3,5−ジプロピ
ルフェニル]シクロヘキサン、1,1−ビス[4−(2
−ヒドロキシエトキシ)−3−イソプロピルフェニル]
シクロヘキサン、1,1−ビス[4−(2−ヒドロキシ
エトキシ)−3,5−ジイソプロピルフェニル]シクロ
ヘキサン、1,1−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキ
シ)−3−n−ブチルフェニル]シクロヘキサン、1,
1−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−3,5−
ジ−n−ブチルフェニル]シクロヘキサン、1,1−ビ
ス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−3−イソブチル
フェニル]シクロヘキサン、1,1−ビス[4−(2−
ヒドロキシエトキシ)−3,5−ジイソブチルフェニ
ル]シクロヘキサン、1,1−ビス[4−(2−ヒドロ
キシエトキシ)−3−(1−メチルプロピル)フェニ
ル]シクロヘキサン、1,1−ビス[4−(2−ヒドロ
キシエトキシ)−3,5−ビス(1−メチルプロピル)
フェニル]シクロヘキサン、1,1−ビス[4−(2−
ヒドロキシエトキシ)−3−フェニルフェニル]シクロ
ヘキサン、1,1−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキ
シ)−3,5−ジフェニルフェニル]シクロヘキサン、
1,1−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−3−
ベンジルフェニル]シクロヘキサン、1,1−ビス[4
−(2−ヒドロキシエトキシ)−3,5−ジベンジルフ
ェニル]シクロヘキサン、1,1−ビス[4−(2−ヒ
ドロキシエトキシ)フェニル]−4−メチルシクロヘキ
サン、1,1−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)
フェニル]−2,4,6−トリメチルシクロヘキサン、
1,1−ビス[4−(2−ヒドロキシプロポキシ)フェ
ニル]シクロヘキサン、1,1−ビス[4−(2−ヒド
ロキシブトキシ)フェニル]シクロヘキサン等が挙げら
れる。さらにビス−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)
フェニル]−スルフォン、ビス−[4−(2−ヒドロキ
シエトキシ)−3−メチルフェニル]−スルフォン、ビ
ス−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−3,5−ジメ
チルフェニル]−スルフォン、ビス−[4−(2−ヒド
ロキシエトキシ)−3−エチルフェニル]−スルフォ
ン、ビス−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−3,5
−ジエチルフェニル]−スルフォン、ビス−[4−(2
−ヒドロキシエトキシ)−3−プロピルフェニル]−ス
ルフォン、ビス−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−
3,5−ジプロピルフェニル]−スルフォン、ビス−
[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−3−イソプロピル
フェニル]−スルフォン、ビス−[4−(2−ヒドロキ
シエトキシ)−3,5−ジイソプロピルフェニル]−ス
ルフォン、ビス−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−
3−n−ブチルフェニル]−スルフォン、ビス−[4−
(2−ヒドロキシエトキシ)−3,5−ジ−n−ブチル
フェニル]−スルフォン、ビス−[4−(2−ヒドロキ
シエトキシ)−3−イソブチルフェニル]−スルフォ
ン、ビス−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−3,5
−ジイソブチルフェニル]−スルフォン、ビス−[4−
(2−ヒドロキシエトキシ)−3−(1−メチルプロピ
ル)フェニル]−スルフォン、ビス−[4−(2−ヒド
ロキシエトキシ)−3,5−ジ(1−メチルプロピル)
フェニル]−スルフォン、ビス−[4−(2−ヒドロキ
シエトキシ)−3−フェニルフェニル]−スルフォン、
ビス−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−3,5−ジ
フェニルフェニル]−スルフォン、ビス−[4−(2−
ヒドロキシエトキシ)−3−ベンジルフェニル]−スル
フォン、ビス−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−
3,5−ジベンジルフェニル]−スルフォン、ビス−
[4−(2−ヒドロキシプロポキシ)フェニル]−スル
フォン、ビス−[4−(2−ヒドロキシブトキシ)フェ
ニル]−スルフォン等が挙げられ、さらにトリシクロデ
カンジメチロール、トリシクロデカンジエチロール、ト
リシクロデカンジプロピロール、トリシクロデカンジブ
チロール、ジメチルトリシクロデカンジメチロール、ジ
エチルトリシクロデカンジメチロール、ジフェニルトリ
シクロデカンジメチロール、ジベンジルトリシクロデカ
ンジメチロール、テトラメチルトリシクロデカンジメチ
ロール、ヘキサメチルトリシクロデカンジメチロール、
オクタメチルトリシクロデカンジメチロール、1,1−
ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]−1
−フェニルエタン、1,1−ビス[4−(2−ヒドロキ
シエトキシ)−3−メチルフェニル]−1−フェニルエ
タン、1,1−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)
−3,5−ジメチルフェニル]−1−フェニルエタン、
1,1−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−3−
エチルフェニル]−1−フェニルエタン、1,1−ビス
[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−3,5−ジエチル
フェニル]−1−フェニルエタン、1,1−ビス[4−
(2−ヒドロキシエトキシ)−3−プロピルフェニル]
−1−フェニルエタン、1,1−ビス[4−(2−ヒド
ロキシエトキシ)−3,5−ジプロピルフェニル]−1
−フェニルエタン、1,1−ビス[4−(2−ヒドロキ
シエトキシ)−3−イソプロピルフェニル]−1−フェ
ニルエタン、1,1−ビス[4−(2−ヒドロキシエト
キシ)−3,5−ジイソプロピルフェニル]−1−フェ
ニルエタン、1,1−ビス[4−(2−ヒドロキシエト
キシ)−3−n−ブチルフェニル]−1−フェニルエタ
ン、1,1−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−
3,5−n−ブチルフェニル]−1−フェニルエタン、
1,1−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−3−
イソブチルフェニル]−1−フェニルエタン、1,1−
ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−3,5−イソ
ブチルフェニル]−1−フェニルエタン、1,1−ビス
[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−3−(1−メチル
プロピル)フェニル]−1−フェニルエタン、1,1−
ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−3,5−ジ
(1−メチルプロピル)フェニル]−1−フェニルエタ
ン、1,1−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−
3−フェニルフェニル]−1−フェニルエタン、1,1
−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−3,5−ジ
フェニルフェニル]−1−フェニルエタン、1,1−ビ
ス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−3−ベンジルフ
ェニル]−1−フェニルエタン、1,1−ビス[4−
(2−ヒドロキシエトキシ)−3,5−ジベンジルフェ
ニペル]−1−フェニルエタン、1,1−ビス[4−
(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]−1−(4−メ
チルフェニル)エタン、1,1−ビス[4−(2−ヒド
ロキシエトキシ)フェニル]−1−(2,4,6−トリ
メチルフェニル)エタン、1,1−ビス[4−(2−ヒ
ドロキシエトキシ)フェニル]−1−フェニルプロパ
ン、1,1−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フ
ェニル]−1−フェニル−n−ブタン、1,1−ビス
[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]−1−フ
ェニル−2−メチルプロパン、1,1−ビス[4−(2
−ヒドロキシエトキシ)フェニル]−1−フェニル−2
−メチルブタン、1,1−ビス[4−(2−ヒドロキシ
エトキシ)フェニル]−1−フェニル−2−エチルブタ
ン、1,1−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フ
ェニル]−ジフェニルメタン、1,1−ビス[4−(2
−ヒドロキシエトキシ)フェニル]−1、2−ジフェニ
ルエタン、1,1−ビス[4−(2−ヒドロキシプロポ
キシ)フェニル]−1−フェニルエタン、1,1−ビス
[4−(2−ヒドロキシブトキシ)フェニル]−1−フ
ェニルエタン等が挙げられ、これらジオ−ルは単独また
は2種類以上を併用しても良い。
【0015】但し、エチレングリコール等の低沸点ジオ
−ルが、全ヒドロキシ化合物群に対して少なくとも5モ
ル%、好ましくは10モル%以上必要である。エチレン
グリコール等の低沸点ジオ−ルが、全ヒドロキシ化合物
群に対して5モル%以下になると、溶融重合が進まなか
ったり、重時間が著しく長くなる等の問題を生ずる。
【0016】ポリエステル重合体は、例えば、エステル
交換法、直接重合法等の溶融重合法、溶液重合法、界面
重合法等の公知の方法から適宜の方法を選択して製造で
きる。またその際の重合触媒等の反応条件についても従
来通りで良く、公知の方法を用いる事ができるが、通常
は溶融重合法が好ましく用いられる。
【0017】本発明のポリエステル重合体を溶融重合法
のエステル交換法で製造するには、一般式(1)で表さ
れるフルオレン系ジヒドロキシ成分は樹脂中のグリコー
ル成分の10から95モル%であることが好ましい。こ
れが、95モル%より多くなると、溶融重合反応が進ま
なかったり重合時間が著しく長くなる等の問題を生じる
場合がある。95モル%より多い場合は、溶液重合法ま
たは界面重合法で製造することができる。
【0018】また、このジカルボン酸またはそのエステ
ル形成性誘導体と9,9−ビス[4−(2−ヒドロキシ
エトキシ)フェニル]フルオレンを代表例とする特殊ジ
ヒドロキシ化合物を共重合した非晶質ポリエステルで
は、ポリスチレン換算の重量平均分子量で10万が(ク
ロロフォルム中での極限粘度で0.6dl/g)通常知
られている重合法での限界である。
【0019】本発明の高分子量ポリエステル重合体を得
るためには、上述した通常の方法によって重合した後
に、ジイソシアナ−トと上述のポリエステルを反応させ
て得られる。この後処理により、ポリエステルの鎖伸長
が可能となりクロロフォルム中での極限粘度が0.6以
上と分子量の増大が達成され、理由は定かでないがこの
極限粘度を境に磨耗性等の機械特性が飛躍的に向上す
る。
【0020】本発明の用いるジイソシアナートには、2
つのイソシアナート基が同一の分子に存在する化合物す
べてが含まれる。より具体的には、例えば ヘキサメチレンジイソシアナート 2、4−トリレンジイソシアナート 2、6−トリレンジイソシアナートメチレンビス(4ーフェニルイソシアナート) キシリレンジイソシアナート 3−イソシアナートメチル−3、5、5−トリメチルシ
クロヘキシルイソシアナート、 等が挙げられ、これらは単独または2種類以上を組み合
わせて使用しても良い。これらの中でも、メチレンビス
(4ーフェニルイソシアナート)が好適である。
【0021】ポリエステル重合体と反応させるジイソシ
アナ−トの量は、数平均分子量を基にして計算したポリ
エステルのモル数にたいして通常は0.9〜1.3倍の
範囲、好ましくは0.9〜1.1の範囲が好適である。
ポリエステル分子の末端はアルコ−ル性のOHであり、
ジイソシアナ−トはアルコ−ルと反応してウレタン結合
を形成することにより、ポリエステルの鎖伸長が達成さ
れる。この後工程によりポリエステル中にウレタン結合
が導入されるが、ウレタン結合の量はモル分率で全体の
5%以下、通常は1%以下になるため、樹脂全体として
の屈折率、複屈折、ガラス転移点、透明性などの物理的
特性は処理前のポリエステル樹脂と変わらない。
【0022】上述した鎖伸長反応において必要ならば適
当な触媒を用いてもよい。触媒としては、オクチル酸ス
ズ、ジラウリン酸ジブチルスズ、ナフテン酸鉛などの金
属触媒、ジアゾビスシクロ〔2.2.2〕オクタン、ト
リN−ブチルアミンなどが好適である。触媒の添加量は
鎖伸長反応温度にもよるが、通常1モルのジイソシアナ
−トに対して0.01モル以下、好ましくは0.001
モル以下添加される。
【0023】反応は液状態の上述したポリエステルに触
媒とジイソシアナ−トを適量加え、乾燥した窒素を流し
ながら攪拌する事によって進行する。また、必要ならば
ポリエステルとジイソシアナ−トの良溶媒である、適当
な有機溶媒中で反応を行ってもよい。この時、ポリエス
テルの濃度は分子間反応に必要な濃さを保っていなけれ
ばならない。この濃度は、ポリエステルの分子量によっ
て異なるが、通常20重量%以上、好ましくは40%以
上である。この適正な濃度より低いと、分子内反応が優
先的に起こり、所謂環状高分子ができて好ましくない。
使用する有機溶媒は出来るかぎり沸点が高く安定な化合
物が望ましく、通常トリクロロベンゼン、ジメチルスル
フォキシド、N,N−ジメチルホルムアミド、キシレン
などが用いられる。
【0024】鎖伸長反応の反応温度は条件によって異な
るが、有機溶剤中で行う場合は溶剤の沸点以下の温度
で、有機溶剤を使用しない場合はポリエステルのガラス
転移点以上の温度に設定する必要がある。反応温度によ
って到達できる分子量や副反応による着色の度合いが決
まるため、目的とする分子量と反応前のポリエステルの
分子量などから勘案して、適当な反応系と、それにあっ
た適当な反応温度を選択する必要がある。例えば、有機
溶剤としてトリクロロベンゼンを用いた場合、130℃
から150℃の範囲での反応が可能となり、副反応によ
る着色は殆ど無い。しかし、反応温度が比較的低いため
に反応完了までに数時間を要するし、また得られる分子
量も低い。
【0025】上述したポリエステルの鎖伸長反応により
分子量は大幅に増大し、極限粘度の増加が達成される。
反応前の分子量によって最終の到達しえる分子量は異な
るが、重合条件により容易に分子量を制御できる。通常
は反応温度と反応時間さらにジイソシアナ−トの量を変
えることにより、鎖伸長ポリエステルの分子量を目的と
する値にする。これは場合により異なるので一慨には規
定できないが、温度が高いほど、また反応時間が長いほ
ど分子量は上がる。また、ジイソシアナ−トの量は数平
均分子量より求めたポリエステルのモル数と等量または
1.1等量を極大としてその前後の添加量では鎖伸長の
効果はさほどない。
【0026】通常では、ジカルボン酸またはそのエステ
ル形成性誘導体と9,9−ビス[4−(2−ヒドロキシ
エトキシ)フェニル]フルオレンを代表例とする特殊ジ
ヒドロキシ化合物を共重合した非晶質ポリエステルの分
子量は5万程度(極限粘度で0.4dl/g)で、最大
でも10万程度(極限粘度で0.6dl/g)である。
例えば、最も容易に製造できる5万程度の当該ポリエス
テルを原料として鎖伸長反応をすると、極限粘度で0.
6以上のもの、通常は0.7〜1.5の高分子量ポリエ
ステルが得られる。
【0027】鎖伸長したポリエステルはその一般的に分
子量分布が広くなる。溶融重合で製造した、ジカルボン
酸またはそのエステル形成性誘導体と9,9−ビス[4
−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]フルオレン
代表例とする特殊ジヒドロキシ化合物を共重合した非晶
質ポリエステルの分子量分布は、反応諸条件によって異
なるが、通常2程度(重量平均分子量と数平均分子量の
比)である。鎖伸長反応後は通常4以上になる。分子量
分布があると好ましくない用途には、通常知られている
分子量分別法を用いて分布を制御することができる。
【0028】分子量分別法には貧溶媒による再沈法、ゲ
ルを充填したカラム中を通過させて分子の大きさでふる
い分けをする方法が知られている。例えば、本発明のポ
リエステルのクロロフォルム又はDMSO等の極性有機
溶媒の10%以下、好ましくは5%以下の溶液に、貧溶
媒であるアルコ−ル、アセトンを滴下する事により分子
量分別できる。この場合、分子量の高い高分子が先に沈
殿する。特に限定するわけではないが、温度制御機能を
有した容器中に本発明の高分子溶液を入れ、貧溶媒を滴
下し、白濁沈殿した後に容器の温度を上げて沈殿を再溶
解し、再びもとの温度に戻すことにより白濁沈殿を得る
方法で、分子量分別の精度を上げることができる。分子
量分別の方法はこれに限定されるものではなく、例えば
Analysis of polymers, T.
R. Crompton, Pergamon Pre
ssに記述されている方法を用いることもできる。
【0029】本発明のジカルボン酸またはそのエステル
形成性誘導体と9,9−ビス[4−(2−ヒドロキシエ
トキシ)フェニル]フルオレンを代表例とする特殊ジヒ
ドロキシ化合物を共重合した非晶質ポリエステルのプラ
スチック材料は、高分子量であり、透明性に優れ、また
ガラス転移温度が90℃以上と耐熱性に優れており、更
に、優れた溶融粘度特性を有するので成形加工性に優
れ、成形加工時に残留応力歪、分子配向が起こりにくい
上、たとえそれらが残存していても光学異方性が極めて
少ないという特性を有している。従って、光学材料とし
て極めて有用で且つよく適合する樹脂である。
【0030】
【実施例】以下実施例を挙げて本発明を具体的に説明す
る。実施例における共重合体の極限粘度、ガラス転移温
度、磨耗性等の特性は以下に示す方法で測定した。
【0031】1.極限粘度 クロロフォルム中に共重合体0.15〜0.5gを溶解
後、20℃で粘度を測定し決定した。
【0032】2.ガラス転移温度 示差走査熱量計(理学電気DSC−8230)に試料約
10mgを用いて、10℃/minの昇温速度で加熱し
て測定した。JIS K 7121-1987で定義されて
いる様にして、ガラス転移温度Tgを求めた。
【0033】3.分子量 東洋ソ−ダ製のカラムG3000H、7.5X60cm
を用い、クロロフォルムを溶媒として用い、35℃で試
料の溶離容積を測定した。標準ポリスチレンを用いて作
成した検量線から、数平均分子量と重量平均分子量を求
めた。
【0034】4.NMR バリアン社製(300mHZ)のFT−NMR装置を用
いて、ポリエステル共重合体のプロトンNMRスペクト
ルを測定した。溶媒にはトリフルオロ酢酸とクロロフォ
ルム混合溶媒(1:1)を用い、テトラメチルシランを
基準としてケミカルシフトを求めた。
【0035】5.摩擦性の測定 ポリエステル樹脂と機能性色素のモデル化合物であるカ
ルバゾールを体積で1:1に混合してクロロフォルム
溶解し、この溶液より直径30mm肉厚2から4mmの
円盤を作成し、10グラムの加重を掛けて、PPC用紙
の上を10センチメートル/秒の速さ滑走させ、磨耗量
を測定する。
【0036】実施例1及び比較例1 テレフタル酸ジメチルエステル 55mol、10.6
8kg、9,9−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキ
シ)フェニル]フルオレン 38.5mol、16.8
8kg、エチレングリコール 116mol、7.2k
gを原料とし、触媒として、酢酸カルシルム 0.09
1mol、15.99gを用い、これらを反応槽に投入
し、攪拌しながら常法に従って190℃から230℃に
徐々に加熱してエステル交換反応を行った。所定量のメ
タノールを系外へ抜き出した後、重合触媒である酸化ゲ
ルマニウム 0.066mol、6.9gと、着色を防
止するため、リン酸トリメチルエステル 0.1mo
l、14gとを投入して、昇温と減圧を徐々に行い、発
生するエチレングリコールを抜きながら、加熱槽温度を
280℃、真空度を1Torr以下に到達させる。この
条件を維持し、粘度の上昇を待ち、所定の撹拌トルクに
到達後(約2時間後)反応を終了し、反応物を水中に押
し出してペレットを得た。(比較例1)
【0037】この共重合体の極限粘度の値は0.38で
あった。GPCより求めた重量平均分子量は55000
であり、数平均分子量は25000であった。またガラ
ス転移温度は145℃であった。NMRの測定結果を図
1に示す。
【0038】上述のポリエステル共重合体30グラムを
トリクロロベンゼンに溶解させ40wt%の溶液を調製
した。数平均分子量より計算したポリエステル共重合体
のモル数の1.1倍のメチレンビス(4−フェニルイソ
シアネート)0.337グラムと0.175ミリグラム
のジアゾビスシクロ[2.2.2]オクタンを上述の溶
液に加え、150℃で10時間、窒素気流下で加熱撹拌
した。得られた反応物をメタノール中に再沈し、大量の
メタノールと蒸留水で洗浄して本発明の鎖伸長ポリエス
テル樹脂を得た。(実施例1)
【0039】上述の鎖伸長ポリエステル樹脂の極限粘度
の値は0.76dl/gで、GPCより求めた重量平均
分子量は120000であり、数平均分子量は3800
0であった。またガラス転移温度は145℃であった。
NMRの測定結果を図2に示す。ガラス転移点、NMR
共に鎖伸長反応前と変化はなかった。
【0040】鎖伸長反応の前と後のポリエステルについ
て磨耗性を測定した。紙との摩擦により10マイクロメ
−タ−磨滅するのに要した時間で比較した。但し紙の種
類によって磨滅時間が大きく変わったので、鎖伸長反応
の前の試料(極限粘度0.38)を100として相対比
較値を示す。この結果を表1に示す。
【表1】
【0041】実施例2〜4、比較例2 実施例1に於いて得た鎖伸長反応後の高分子量ポリエス
テルをクロロフォルムに溶解し重量濃度5%の溶液を調
製した。この高分子溶液1リットルを25℃に制御した
水槽に入れ、メタノ−ルを攪拌しながら滴下した。全滴
下量が約370ccになったと時点で溶液が白濁した。
次に水槽の温度を50℃にすると白濁は消えた。再び水
槽の温度を25℃に戻すと白濁した。攪拌を停止し25
℃で一晩放置すると白濁沈殿が容器の底に溜まった。こ
れを取り出しクロロフォルムに溶かした上で、メタノ−
ル中に再沈し、大量のメタノ−ルと蒸留水で洗浄して本
実施例の分別区分F−1(実施例2)を得た。
【0042】上述の上澄み液を再び25℃に制御した水
槽中のフラスコに入れ、メタノ−ルを攪拌しながら滴下
した。20cc滴下した所で再び白く白濁した。上述し
たのと同様の方法を繰りし分別区分F−2(実施例3)
を得た。さらに同様の方法を繰り返す事により区分F−
3(実施例4)を得た。区分F−3を取り除いた残液に
大量のメタノ−ルを入れ高分子を沈殿させ区分F−4
(比較例2)を得た。これら4区分のガラス転移点は1
45℃あり、NMRスペクルは実施例1と同一であっ
た。極限粘度の値と共に磨耗性の比較を表2に示す。
【表2】
【0043】実施例5及び比較例3 テレフタル酸ジメチルエステル 55mol、10.6
8kg、9,9−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキ
シ)フェニル]フルオレン 22mol、9.65k
g、エチレングリコール 116mol、7.2kg,
1,1−ビス〔4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニ
ル〕シクヘキサン 22mol、7.83kgを原料と
し、触媒として、酢酸カルシルム 0.091mol、
15.99gを用い、これらを反応槽に投入し、攪拌し
ながら常法に従って190℃から230℃に徐々に加熱
してエステル交換反応を行った。所定量のメタノールを
系外へ抜き出した後、重合触媒である酸化ゲルマニウム
0.066mol、6.9gと、着色を防止するた
め、リン酸トリメチルエステル 0.1mol、14g
とを投入して、昇温と減圧を徐々に行い、発生するエチ
レングリコールを抜きながら、加熱槽温度を280℃、
真空度を1Torr以下に到達させる。この条件を維持
し、粘度の上昇を待ち、所定の撹拌トルクに到達後(約
2時間後)反応を終了し、反応物を水中に押し出してペ
レットを得た。(比較例3) この共重合体の極限粘度の値は0.50であった。GP
Cより求めた重量平均分子量は80000であり、数平
均分子量は38000であった。
【0044】上述のポリエステル共重合体30グラムを
トリクロロベンゼンに溶解させ40wt%の溶液を調製
した。数平均分子量より計算したポリエステ共重合体の
モル数の1.1倍のメチレンビス(4−フェニルイソシ
アネ−ト)0.222グラムと0.150ミリグラムの
ジアゾビスシクロ〔2.2.2〕オクタンを上述の溶液
に加え、160℃で10時間、窒素気流下で加熱攪拌し
た。得られた反応物をメタノ−ル中に再沈し、大量のメ
タノ−ルと蒸留水で洗浄して本発明の鎖伸長ポリエステ
ル樹脂を得た。(実施例5) 得られた鎖伸長ポリエステル樹脂の極限粘度は1.2で
あり、重量平均分子量は20万、数平均分子量は530
00であった。この樹脂の磨耗性を他の実施例と共に表
3に示す。
【表3】
【0045】実施例6〜11及び比較例4〜5 原料の組成及びジオール成分とジカルボン酸を変えた以
外は、実施例2と同様にして鎖伸長ポリエステル樹脂を
得、磨耗性を評価した。結果を表4に示す。
【表4】
【0046】実施例12〜16及び比較例6〜11 実施例1において鎖伸長反応の条件を表に示すように変
化させ実施例12〜16及び比較例6〜11の試料を製
造した。磨耗性を評価した結果を表5に示す。さらに全
実施例と比較例の極限粘度と磨耗量の関係をまとめたも
のを図3に示す
【表5】 理由は定かでないが、従来の方法では製造が難しかった
極限粘度0.6以上のポリエステルが本発明により製造
され、これにより磨耗性が飛躍的に向上している。
【0047】
【発明の効果】以上述べた如く、本発明のジカルボン酸
またはそのエステル形成性誘導体と9,9−ビス[4−
(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]フルオレンを代
表例とする特殊ジヒドロキシ化合物を共重合した非晶質
ポリエステルのプラスチィク材料は、高分子量であり、
透明性に優れ、光学材料として好適である。さらに、磨
耗に強く、透明性、耐熱性が良く、光学的異方性が小さ
く、成形性、寸法安定性、耐薬品性に優れており産業上
有用なものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】テレフタル酸ジメチルエステル/9,9−ビス
〔4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル〕フルオレ
ン/エチレングリコール共重合体のNMR線図。
【図2】テレフタル酸ジメチルエステル/9,9−ビス
〔4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル〕フルオレ
ン/エチレングリコール/メチレンビス(4−フェニル
イソシアネート)共重合体のNMR線図。
【図3】実施例1〜16及び比較例1〜10で得られた
重合体の極限粘度と磨耗量との関係を示す線図。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 堀川 幸雄 松原市柴垣1丁目27番12号 合議体 審判長 三浦 均 審判官 中島 次一 審判官 船岡 嘉彦 (56)参考文献 特開 平6−184288(JP,A) 特開 平5−295069(JP,A) 山下晋三、金子東助編「架橋剤ハンド ブック」初版第1刷(昭56−10−20)大 成社、P.44 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C08G 63/193 C08G 63/91 G02B 1/04

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ジカルボン酸またはそのエステル形成性誘
    導体と10mol%以上の一般式(1) 【化1】 (R1は炭素数2から4のアルキレン基、R2、R3
    4、及びR5は水素または炭素数1から4のアルキル
    基、アリール基、アラルキル基であり同じであっても異
    なっていてもよい)で示されるジヒドロキシ化合物と、
    ジオールと、ジイソシアナートからなる実質的に線状の
    ポリエステル重合体であって、クロロフォルム中での極
    限粘度が0.6以上である事を特徴とする透明性に優れ
    高分子量ポリエステル樹脂。
  2. 【請求項2】ジカルボン酸またはそのエステル形成性誘
    導体と10mol%以上の一般式(1) 【化2】 (R1は炭素数2から4のアルキレン基、R2、R3
    4、及びR5は水素または炭素数1から4のアルキル
    基、アリール基、アラルキル基であり同じであっても異
    なっていてもよい)で示されるジヒドロキシ化合物と、
    ジオールからなる実質的に線状のポリエステルを重合し
    た後に、有機溶剤中で行う場合は溶剤の沸点以下の温度
    で、有機溶剤を使用しない場合はポリエステルのガラス
    転移点以上の温度に設定しジイソシアナートと当該ポリ
    エステルを反応させて得られる、クロロフォルム中での
    極限粘度が0.6以上である事を特徴とする透明性に優
    れた高分子量ポリエステル樹脂の製造方法。
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