JP2977213B2 - カルシウム処理によるブルーム・ビレットの連続鋳造法 - Google Patents

カルシウム処理によるブルーム・ビレットの連続鋳造法

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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、AとSを含有する鋼の連続鋳造におい
て、皮下および中心部大型非金属介在物欠陥の少ない良
好な品質のブルーム・ビレットを得るための連続鋳造法
に関するものである。
[従来の技術] ブルーム・ビレット連鋳においては、スラブ連鋳に比
べて小断面サイズであるため鋳型内への浸漬ノズルの設
置スペースに制約があること、および注入量制御性向上
の面から、小径の浸漬ノズルを用いて鋳造が行われる。
Aを含有する溶鋼には脱酸生成物としてのA2O3
が不可避的に存在し、鋳造中にノズル内壁に付着成長し
てノズル詰りを引き起こし、安定鋳造の阻害要因になる
とともに鋳片表面欠陥および皮下中心部における介在物
欠陥の生成原因となりやすい。この対策として、従来か
ら取鍋精錬による溶鋼中懸濁A2O3の低減およびノズ
ル内へのArガス吹込み制御等の組合せによって、ノズル
付着を抑制する方法が採用されている。
しかしながら、取鍋精錬効果には限度があること、さ
らにArガス吹込みではAr気泡が鋳型内に流出して鋳片表
面のピンホール欠陥をきたす等の問題点がある。特にビ
レット連鋳においては、ピンホールが小さな球状欠陥と
なるために磁粉探傷での検出精度が低下する特徴もあい
まって、成品表面疵レベルを悪化させるのでArガスの吹
込みは望ましくない。
そのため、近年SやOと強い親和力を有するCaに着目
してCa添加による溶鋼中介在物の形態制御が行われてい
る。例えば、耐サワーガスラインパイプ材の水素誘起割
れや耐ラメラティア鋼の溶接割れ防止策としてのMnSの
球状CaSへの硫化物形態制御、あるいは連続鋳造におけ
るノズル詰り防止を目的としてのA2O3のCaO−A2O
3系低融点酸化物への形態制御等である。
従来、MnSのCaSへの形態制御に関しては、拝田らが鉄
と鋼、第66年(1980)第3号、P354で報告しているよう
に、Sとの反応に利用される有効CaとSとのモル比で表
わされる定量的な操業パラメータACRが提案されてい
る。このパラメータの値が1以上であれば、MnSの形態
制御が可能となるために、溶鋼のCa処理と極低硫化(例
えばS<10ppm)との組合せによって、ACR≧1が確保さ
れるように操業が行われている。
一方、A2O3のCaO−A2O3系低融点酸化物への形
態制御に関しては、鋳造温度域で液相を呈する12CaO・7
A2O3(融点1,460℃)やCaO・A2O3(融点1,610℃)
に相当する組成に形態制御すればノズル詰りの発生が少
ないと、定性的に言われているものの鋳造された鋳片内
の介在物欠陥の生成と防止に関連づけて定量的に提示さ
れた操業パラメータは見当らない。
[発明が解決しようとする課題] 前述したように、鋳片のピンホール性表面疵を低減し
つつノズル詰りを抑制するためにはArガスのノズルへの
吹込みを中止して溶鋼をCa処理し、A2O3を低融点のC
aO−A2O3系介在物に形態制御すれば有効であると一
般に考えられている。しかし、得られた鋳片を棒鋼成品
まで圧延し超音波探傷すると低融点化が十分進まない高
2O3のCaO−A2O3系大型介在物やCaO−A2O3−C
aS系の大型介在物が発生し、成品品質を満足しない場合
がある。
本発明は、AとSを含有する鋼のブルーム・ビレッ
ト連鋳材において、ノズル詰りを防止するとともに、高
2O3のCaO−A2O3系大型介在物およびCaO−A2O
3−CaS系の大型介在物の生成を防止するものである。
[課題を解決するための手段] 本発明は、Al:0.100%以下、S:0.150%以下含有する
炭素鋼あるいは低合金鋼の連続鋳造において、溶鋼中へ
Caを添加して、最終的に、溶鋼の全Caパーセント濃度/
全Alパーセント濃度の比(Rcaと略記)と溶鋼の全酸素
パーセント濃度([%Otot]と略記)との関係が下記
(1)式を満足する溶鋼を得た後、該溶鋼を連続鋳造す
るものである。
42.14×{[%Otot]−0.0002}≦Rca ≦107.14×{[%Otot]−0.0002} ……(1) [作用] 本発明では、鋼中のAとSについて以下の理由でそ
の範囲を規定する。
Aは、鋼の液晶粒度調整用に必要であるが、0.100
%を越えて添加しても液晶粒度調整作用が飽和するので
上限を0.100%とする。
Sは機械構造用鋼あるいは冷間鍛造用鋼などに用いら
れる棒鋼線材成品への被削性付与の面から必要である
が、0.150%を越えて含有されると機械的性質が劣化す
るので上限を0.150%に規定する。
Caは溶鋼の[%Otot]および[%A]に応じてRc
a、すなわち,[%Ca]/[%A]比を(1)式の範
囲に入るように添加調整する。
CaはOと強い親和力を有するので添加したCaはMnO,Si
O2,A2O3等の酸化物を還元し、CaOとなる。本発明の構
成をなすA:0.100%以下を含む鋼ではその主な対象は
2O3である。またCaとSと強い親和力を有する。従
って条件によってはCaとSが反応しCaSが生成する等か
なり複雑である。そこでこれらの酸化物、硫化物生成反
応について本発明者らが開発した溶鋼・介在物・スラグ
間平衡解析モデルにより解析した。第1図はその解析結
果の一例を示したものである。Rca増加につれ、A2O3
が改質されてCaO−A2O3系となりしだいに低融点化す
る。しかし、最低融点の12CaO・7A2O3(以降C12A7
略記する)生成ラインを越えてさらにRcaが増加するとC
aSが生成し始め、その量もしだいに増加する。さらにこ
れらの関係は溶鋼の[%Otot]によって変化することが
分った。第2図は前記C12A7生成ラインとCaO−A2O3
系酸化物の融点がそれぞれ1,550℃(鋳造温度相当)、
1,600℃、1,750℃の等温度ラインおよび(酸化物+硫化
物)に占めるCaS生成割合がそれぞれ15,29,36重量%の
等量ラインの[%Otot]依存性を示したものである。こ
のC12A7生成ラインより低Rca側ではラインより乖離する
ほどCaが不足し酸化物を十分低融点化できない領域であ
る。また、C12A7生成ラインより高Rca側ではラインより
乖離するにつれてCaが過剰となり、高融点の固相CaS生
成量が増加する領域である。原理的には第3図のC12A7
生成ラインを得るRcaが酸化物を低融点化する上で最も
望ましいが、工業的にはこのC12A7生成ラインを挾んで
ある範囲内に実用上の適正領域が存在している。
この領域の存在する位置が[%Otot]増加について高
Rca側に変化するのは、主として[%Otot]増加は酸化
物量の増加を意味し、改質に寄与するCa量がより多量を
要するためである。また、[%Otot]増加とともに適正
領域の幅が拡大するのは同様の事情から、より多量の酸
化物量に対するCa量の相対的な変化が少なくなり、結果
的にCa量の影響が鈍感になるためである。
上記実用上の適正領域がどの程度であるかを実際に連
続鋳造機で鋳造実験を行い調査した。第3図は鋼中組成
([%Otot]とRca)と成品における介在物系超音波探
傷不良率[(不良成品本数/検査合計本数)×100,%}
との関係を示したものである。この図から明らかなよう
に超音波探傷不良率は溶鋼の[%Otot]に応じて(1)
式に示す下限Rca(=42.14×{[%Otot]−0.0002}、
すなわち、酸化物融点が1,600℃のライン)と上限Rca
(=107.14×{[%Otot]−0.0002}、すなわち、CaS
生成率が29重量%のライン)の領域内で良好であり、さ
らに望ましくは下限Rcaが酸化物融点として鋳造温度に
ほぼ相当する1,550℃のライン(すなわち、Rca=46.15
×{[%Otot]−0.0002})と上限RcaがCaS生成率とし
て15重量%のライン(すなわち、Rca=85.71×{[%Ot
ot]−0.0002})の領域内では一層低位安定することが
分った。このように鋼中Rcaを[%Otot]に応じて適正
範囲に調整することにより、CaS生成を最小限に抑制し
つつ鋼中介在物の組成を低融点の12CaO・7A2O3に近接
させることができる。この酸化物は約1,550℃前後の鋳
造温度では液相状態に保たれるために、凝固前の凝集肥
大化ならびに浮上分離が容易である。しかして、成品の
超音波探傷で検出されるような大型介在物は、ブルーム
・ビレット鋳片内には残存しない。
[実施例] 本発明の実施例を以下に示す。
転炉および脱ガス設備を用いて120トン/ヒートの棒
鋼・線材向けの機械構造用鋼、冷間鋳造用鋼を溶製する
に際し、FeO,MnO,SiO2等を多く含む酸化性の転炉流出ス
ラグを除去し生石灰ならびにアルミニウム精錬滓等から
なる高塩基性かつ非酸化性のスラグを取鍋内溶鋼表面に
形成せしめて成分調整ならびに脱水素後、取鍋内溶鋼中
深部へワイヤー外径13mmφの鉄被覆Ca−Si合金ワイヤー
(充填物中Ca含有量30重量%)を添加した。
このようにして、Caの酸化ロスを抑制しながら第1表
に示すように溶鋼中Rcaが[%Otot]に応じて(1)式
に示す範囲になるように調整した10ヒートを鋳片横断面
サイズが162mm×162mmの湾曲型ビレット連鋳機で別に鋳
造した。
一方、比較材として第1表に示すように溶鋼中Rcaが
[%Otot]と無関係に調整され(1)式の範囲から外れ
た5ヒートについても同一の連鋳機で別に鋳造した。
それぞれのヒートから得られたビレットを直径40mmφ
の棒鋼に圧延した後、該棒鋼成品の超音波探傷試験を実
施し、大型介在物による超音波探傷不良率を求めた。第
4図は本発明実施例と比較例の超音波探傷不良率結果を
示したものである。図から明らかなように本発明実施例
のヒートにおいて ては超音波探傷不良率が大幅に改善され、介在物欠陥が
極めて少ない。
[発明の効果] 本発明は、A,S含有鋼において[%Otot]に応じて
Rcaを適正範囲に調整して連続鋳造することにより、溶
鋼中介在物組成を低融点介在物組成に近接させて凝集浮
上分離を促進し、大型介在物の鋳片内への形成を防止す
るものである。この結果、成品の皮下および中心部にお
ける大型介在物欠陥の発生を防止するとともに、ノズル
へのAr吹込みを必要としないのでピンホール性表面疵を
ほぼ皆無とすることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は溶鋼中の全Caパーセント濃度([%Ca])と酸
化物、硫化物生成反応の関係について溶鋼・介在物・ス
ラグ間平衡解析モデルにより計算された結果を示す図、 第2図は溶鋼中の全Caパーセント濃度([%Ca])/全
Aパーセント濃度([%A])比(Rca)と全Oパ
ーセント濃度([%Otot])の関係における12CaO・7A
2O3生成ラインと、CaO−A2O3系酸化物の融点がそ
れぞれ1,550℃(鋳造温度相当)、1,600℃、1,750℃の
等温度ラインおよび(酸化物+硫化物)に占めるCaS生
成割合がそれぞれ15,29,36重量%の等量ラインについて
溶鋼・介在物・スラグ間平衡解析モデルで計算された結
果を示す図、第3図は溶鋼組成としての全Caパーセント
濃度([%Ca])/全Aパーセント濃度([%A
])比(Rca)および全Oパーセント濃度([%Oto
t])と成品における介在物系超音波探傷不良率の関係
を示す図、 第4図は本発明の実施例および比較例における超音波探
傷不良率を示す図である。
フロントページの続き (72)発明者 草野 祥昌 北海道室蘭市仲町12番地 新日本製鐵株 式会社室蘭製鐵所内 (72)発明者 山中 敦 北海道室蘭市仲町12番地 新日本製鐵株 式会社室蘭製鐵所内 (56)参考文献 特公 昭60−32686(JP,B2) 特公 昭59−40203(JP,B2) 特公 昭56−51861(JP,B2) 特公 昭63−41671(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B22D 11/10 370 C21C 7/06 C21C 7/04 C21C 7/00

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】Al:0.100%以下、S:0.150%以下を含有す
    る炭素鋼あるいは低合金鋼の連続鋳造において、溶鋼中
    へCaを添加して、最終的に、溶鋼の全Caパーセント濃度
    /全Alパーセント濃度の比(Rcaと略記)と溶鋼の全酸
    素パーセント濃度([%Otot]と略記)との関係が下記
    式を満足する溶鋼を得た後、該溶鋼を連続鋳造すること
    を特徴とするカルシウム処理によるブルーム・ビレット
    の連続鋳造法。 42.14×{[%Otot]}−0.0002≦Rca≦107.14 ×{[%Otot]}−0.0002 ……(式)
JP1301890A 1989-11-22 1989-11-22 カルシウム処理によるブルーム・ビレットの連続鋳造法 Expired - Lifetime JP2977213B2 (ja)

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