JP2976010B2 - アルコール選択透過型分離膜 - Google Patents

アルコール選択透過型分離膜

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JP2976010B2 JP4277998A JP27799892A JP2976010B2 JP 2976010 B2 JP2976010 B2 JP 2976010B2 JP 4277998 A JP4277998 A JP 4277998A JP 27799892 A JP27799892 A JP 27799892A JP 2976010 B2 JP2976010 B2 JP 2976010B2
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庸治 佐野
富士夫 水上
宏 柳下
大 北本
嘉道 清住
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  • Solid-Sorbent Or Filter-Aiding Compositions (AREA)
  • Silicates, Zeolites, And Molecular Sieves (AREA)
  • Separation Using Semi-Permeable Membranes (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、アルコール選択透過型
分離膜に関するものである。
【0002】
【従来の技術】浸透気化法は膜の透過側を真空にして分
離を行うプロセスで、有機系溶液を分離するのに適した
膜分離法である。現在、水透過性の膜をアルコール溶液
の脱水に利用することが検討されており、使用される分
離膜素材に関する研究開発が精力的に行なわれている。
ところで、最近の研究の方向は、分子サイズの大きな物
質を透過する膜の合成に向いており、特に高性能なアル
コール選択透過型分離膜、より一般的には有機物選択透
過型分離膜の開発に最も注目が集まっている。これはバ
イオマスの希薄なアルコール水溶液からアルコールを優
先的に透過・濃縮することに用いられるだけでなく、一
般排水や産業廃液から有機物を除去・回収するためにも
使用することができるからである。
【0003】これまでに研究された分離膜素材はシリコ
ーンゴム、ポリエチレン、ポリフェニレンオキシド−ポ
リジメチルシロキサン系グラフト共重合体等の主として
高分子膜であり、またその分離性能も未だ実用に耐える
ものではなく、高性能な有機物選択透過型分離膜素材の
開発が強く要請されている。
【0004】最近、ゼオライトを気体・液体の分離膜に
応用しようとする研究も行なわれている。これはゼオラ
イトの持つ分子レベルの細孔及び特性(耐熱性、耐薬品
性、疎水性等)を利用したものである。Twente大
学(オランダ)のSmolders教授のグループは、
シリコーンゴムにシリカライトを配合した膜がアルコー
ル選択透過型分離膜として作用すること、またの分離係
数がシリカライトの量とともに向上することを報告して
いる(J.Membrane Scienec,35
巻、39ページ)。しかし、この膜はシリカライト結晶
をシリコーンゴム中に埋め込んだだけのものであり、当
然配合するシリカライトの量には限度がある。そのため
分離はシリカイト結晶だけではなく、シリコーンゴムを
通しても行なわれており、分離性能に自ずと限界があ
る。
【0005】一方、ガラスやアルミナ等の多孔質無機酸
化物担体上にゼオライト膜を合成する方法は開示されて
いる(特開昭59−213615号公報、特開昭63−
291809号公報、米国特許第4800187号19
89年発行等)が、いずれも膜に欠陥(ピンホール)が
生じたり、膜厚が均一にならないなど欠点があった。こ
れは、ゼオライト膜合成の際の撹拌、出発水性ゲルの濃
度が高いこと等が原因と思われる。また、これらの膜は
気体分離膜としての性能評価は行なわれているものの、
その分離性能は実用に耐え得るものではない。さらに、
有機物選択透過型分離膜としての性能評価は全く行なわ
れていない。
【0006】ところで、本発明者らは、先に、多孔質担
体等を用いることなくゼオライト結晶単独からなる膜を
簡単に合成する提案を行なった(特願平3−12000
1)。この膜は、ゼオライト結晶単独で形成されている
膜ではあるが、粒界が存在することや、ゼオライト結晶
間のつながりが弱く機械的強度が弱いなど、分離膜とし
て利用するために問題があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、特定のゼオ
ライト膜からなるアルコール透過型分離膜を提供するこ
とをその課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、本発明を完成する
に至った。すなわち、本発明によれば、粒子界面を有し
ない一体の膜状に結晶成長したシリカライト膜を多孔質
担体上に固定してなるアルコール水溶液からアルコール
を分離するためのアルコール選択透過型分離膜が提供さ
れる。
【0009】本発明で用いるシリカライト骨格金属源と
しては、シリカが挙げられる。アルカリ金属源として
は、水酸化ナトリウムや、水酸化カリウム、水酸化セシ
ウム等が用いられる。
【0010】本発明でシリカライト膜原料として用いる
水性ゲル混合物は、前記シリカライト骨格金属源と、ア
ルカリ金属源と、水とを均一を撹拌混合することによっ
て調製される。シリカライト骨格金属源と水との割合
は、シリカライト骨格金属源1モルに対し、水:30〜
1000モル、好ましくは40〜200モルの割合であ
る。シリカライト骨格金属源とアルカリ金属源との割合
は、シリカライト骨格金属源1モルに対し、アルカリ金
属源:0.01〜0.3モル、好ましくは0.1〜0.
15モルの割合である。
【0011】前記水性ゲル混合物には、必要に応じ、結
晶化促進剤を添加することができる。結晶化促進剤とし
ては、従来のゼオライトの製造に際して使用されている
もの、例えば、テトラプロピルアンモニウムブロマイド
や、テトラブチルアンモニウムブロマイド等を添加する
ことができる。結晶化剤の添加割合は、シリカライト骨
格金属源1モルに対し、0.05〜0.2モル、好まし
くは0.1〜0.15モルの割合である。
【0012】本発明においては、前記のようにして得ら
れた水性ゲル混合物に多孔質担体を接触させるととも
に、その混合物を乱流を生じさせることなく加熱する。
水性ゲル混合物と多孔質担体とを接触させる方法として
は、水性ゲル混合物中に多孔質担体を存在させる方法の
他、反応容器の一部又は全部を担体材料で作り、この容
器に水性ゲル混合物を充填する方法等がある。また、水
性ゲル混合物の加熱方法としては、水性ゲル混合物を充
填した反応容器の外壁を加熱する方法や、水性混合物中
に加熱源を存在させる方法等がある。水性ゲル混合物の
加熱温度は、所望シリカライトを水熱合成するに必要な
温度であり、一般的には、80〜250℃、好ましくは
100〜200℃である。
【0013】多孔質担体としては、前記加熱温度におい
て安定に存在し得る材質で形成されたものであればどの
ようなものでも使用することができる。このような担体
材質としては、例えば金属、合金、セラミック、プラス
チック等が挙げられる。担体の形状としては、シリカラ
イトがその表面で膜状に析出、成長し得る形状のもので
あればよく、膜上、板体状、筒体状、ペレット状、粒子
状、中空系状、織布状、不織布状、紙状等の種々の形状
であることができる。また、細孔径は1μm以上、通
常、2〜40μm程度の細孔を有するものであれば任意
のものが用いられる。本発明においては機械的強度及び
耐熱性の点からは、アルミナ、ムライト、コーディライ
ト等のセラミックの他、多孔質ステンレス、多孔質ガラ
ス等が好ましく用いられる。
【0014】水性ゲル混合物から多孔質担体表面上にシ
リカライトを析出させる場合、水性ゲル混合物には、乱
流を生じさせないことが必要である。もちろん、乱流を
生じない程度のゆっくりとした混合物の流動は、シリカ
ライトの多孔質担体上への析出速度を高める点からは好
ましいことであり、必要に応じて採用することができ
る。乱流を生じるような強い撹拌を行うときには、その
混合物中でのシリライトの結晶の析出と成長が起って、
シリカライト粒子が生成され、多孔質担体上にはそのシ
リカライト粒子が堆積固着するようになり、得られるシ
リカライト膜は、粒子界面を有する空隙率の大きい、機
械的強度の弱いものとなる。一方、乱流を生じさせない
で水性ゲル混合物を加熱するときには、混合物中でのシ
リカライトの析出が防止され、多孔質担体上で選択的に
シリカライトの析出、成長が起り、得られるシリカライ
ト膜は、粒子状シリカライトを実質上含まない、緻密で
かつ機械的強度の強いものとなる。多孔質担体上に形成
されるシリカライト膜の厚さは、30μm以上、好まし
くは200〜500μmである。多孔質担体上のシリカ
ライト膜の厚さは、加熱時間(反応時間)によって調節
することができ、加熱時間を長くすることにより、大き
な膜厚のシリカライト膜を得ることができる。
【0015】
【発明の効果】本発明の多孔質担体に固定させてなる
リカライト分離膜は、緻密で機械的強度の大きいもの
で、かつ多孔質構造のもので、アルコールを選択的に透
過させて分離する性能において著しく高められたもので
あり、アルコール選択透過型分離膜として好適のもので
ある。また、本発明により得られる担体上に固定化され
たシリカライト膜は、その担体としてガスや液体を透過
させる多孔性担体を用いたことから、そのまま製品分離
膜とすることができる。
【0016】
【実施例】以下に、本発明を実施例によりさらに詳細に
説明する。
【0017】参考例1 コロイダルシリカ(触媒化成 Cataloid SI
−30)を含む水溶液に、TPABr(tetrapr
opylammoinum bromide)、NaO
Hを添加し、均一に撹拌して水和ゲルを調製した。ゲル
の組成は、0.1TPABr−0.05NaO−Si
−(70〜1000)HOであった。
【0018】このゲル組成物を、反応温度170℃・結
晶化時間48時間の条件下で多孔質ステンレス(SU
S)製円板(直径5cm,細孔径2〜40ミクロン)存
在下で300mlのオートクレーブを用いて水熱処理し
SUS板担持シリカライト膜を得た。
【0019】図1には、得られたシリカライト膜の薄膜
X線回折及びEDX−SEMによるSiの線分析の結果
を示す。X線回折図にはシリカラトの回折パターンだけ
が観察され、担体のSUSのピークは検出されなかっ
た。シリカライト膜の厚さは約460ミクロンであっ
た。これらの事実は、シリカライト膜はSUS担体上に
比較的緻密に形成されていることを示している。
【0020】参考例2 多孔質担体としてアルミナ板(ニッカトー製、材質番号
F、見かけ気孔率43%)を用いた以外は、上記参考例
1と同様にして製膜を行なった。図2には、得られたシ
リカライト膜の薄膜X線回折及びEDX−SEMによる
Siの線分析の結果を示す。シリカライト層の厚さは約
60ミクロンであった。
【0021】実施例1 上記参考例1で作製したシリカライト膜の浸透気化特性
を測定した。その結果を図3に示す。この膜は、60℃
における浸透気化特性が、分離係数a(EtOH/H
O)=60、膜透過流束Q=0.76kg/m・hと
なり、極めて高いアルコール選択性の分離性能を示し
た。この値はいままで報告されているものの中で最も高
い値である。
【0022】比較例1 参考例1において、ゲル組成物を撹拌し、そのゲル組成
物に乱流を生じさせた以外は同様にして実験を行った。
この場合、SUS担体上にはシリカライト膜は形成され
なかった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わるSUS板担持シリカライト膜の
薄膜X線回折図と断面のSEMを示す図である。 (A)薄膜X線回折図 (a)SUS板担持シリカライト膜 (b)SUS板 (B)断面のSEM像
【図2】本発明に係わるアルミナ板担持シリカライト膜
の薄膜X線回折図と断面のSEM像を示す図である。 (A)薄膜X線回折図 (a)アルミナ板担持シリカライト膜 (b)アルミナ板 (B)断面のSEM像
【図3】本発明に係わるSUS板担持シリカライト膜の
浸透気化特性を示す図である。
フロントページの続き (72)発明者 柳下 宏 茨城県つくば市東1丁目1番地 工業技 術院化学技術研究所内 (72)発明者 北本 大 茨城県つくば市東1丁目1番地 工業技 術院化学技術研究所内 (72)発明者 清住 嘉道 茨城県つくば市東1丁目1番地 工業技 術院化学技術研究所内 (56)参考文献 特開 平4−227826(JP,A)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 粒子界面を有しない一体の膜状に結晶成
    長したシリカライト膜を多孔質担体上に固定してなる
    ルコール水溶液からアルコールを分離するためのアルコ
    ール選択透過型分離膜。
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