JP2973919B2 - 衛星用アンテナの捕捉制御装置及びその制御方法 - Google Patents
衛星用アンテナの捕捉制御装置及びその制御方法Info
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- JP2973919B2 JP2973919B2 JP8097897A JP9789796A JP2973919B2 JP 2973919 B2 JP2973919 B2 JP 2973919B2 JP 8097897 A JP8097897 A JP 8097897A JP 9789796 A JP9789796 A JP 9789796A JP 2973919 B2 JP2973919 B2 JP 2973919B2
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、衛星を捕捉、追尾
するための衛星用アンテナに関し、特にAZ−EL構造
のように方位角と仰角を可動とする軸を持つアンテナに
おいて、複数の周回衛星の初期捕捉を短時間で行うこと
を可能にする衛星用アンテナの捕捉制御装置及びその制
御方法に関する。
するための衛星用アンテナに関し、特にAZ−EL構造
のように方位角と仰角を可動とする軸を持つアンテナに
おいて、複数の周回衛星の初期捕捉を短時間で行うこと
を可能にする衛星用アンテナの捕捉制御装置及びその制
御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の衛星用アンテナでは、方
位方向に駆動されるAZ軸と、仰角方向に駆動されるE
L軸とを備えており、AZ軸は所定の方位を中心(0
度)としてそこから時計回り(CW)方向、反時計回り
(CCW)方向にそれぞれ270度の範囲で回転可能と
されている。また、EL軸は天頂方向(真上)を中心に
±90度の範囲で回動可能とされており、一方の水平方
向の0度とし、これと反対側の水平方向を180度とす
る。すなわち、EL軸が0度の時、アンテナはAZ軸の
駆動角面内で大地に水平な方向に向き、180度の時は
反転し、AZ軸の駆動方向とは180度反対の方位で水
平方向に向く。
位方向に駆動されるAZ軸と、仰角方向に駆動されるE
L軸とを備えており、AZ軸は所定の方位を中心(0
度)としてそこから時計回り(CW)方向、反時計回り
(CCW)方向にそれぞれ270度の範囲で回転可能と
されている。また、EL軸は天頂方向(真上)を中心に
±90度の範囲で回動可能とされており、一方の水平方
向の0度とし、これと反対側の水平方向を180度とす
る。すなわち、EL軸が0度の時、アンテナはAZ軸の
駆動角面内で大地に水平な方向に向き、180度の時は
反転し、AZ軸の駆動方向とは180度反対の方位で水
平方向に向く。
【0003】このような衛星用アンテナにより周回衛星
を捕捉する場合、従来ではAZ軸の駆動限界を考慮し
て、衛星捕捉時には必ずAZ軸が±90度の角度範囲内
となるようにその制御を行っている。したがって、方位
角で90度より大きい方向(ただし、270度未満の方
向)に向けたい時は、EL軸をAZ軸の駆動方向とは反
対側の角度まで反転(90度より大きく)させて捕捉す
る。これにより、その後に衛星の周回によって方位角が
変化される場合でも、これに追従することができ、AZ
軸の駆動限界を意識することなく衛星追尾が可能とな
る。
を捕捉する場合、従来ではAZ軸の駆動限界を考慮し
て、衛星捕捉時には必ずAZ軸が±90度の角度範囲内
となるようにその制御を行っている。したがって、方位
角で90度より大きい方向(ただし、270度未満の方
向)に向けたい時は、EL軸をAZ軸の駆動方向とは反
対側の角度まで反転(90度より大きく)させて捕捉す
る。これにより、その後に衛星の周回によって方位角が
変化される場合でも、これに追従することができ、AZ
軸の駆動限界を意識することなく衛星追尾が可能とな
る。
【0004】これを具体例を用いて説明する。図3はA
Z軸の駆動範囲を上方から見下ろした時の様子、すなわ
ちアンテナを鉛直方向から見た状態を示している。ここ
では、AZ軸は北方向を0度とし、CW方向とCCW方
向にそれぞれ270度範囲で駆動可能とされる。ここ
で、I ,II,III,IV はそれぞれ方位角のゾーンを示して
おり、a〜fは、AZ軸の回転駆動範囲を90度の角度
毎に区画した領域を示している。いま、衛星Aを追尾し
てアンテナがの位置に向けられているとする。この点
から次にの位置の衛星Bを捕捉して追尾を行う場合、
そのまま単にAZ軸をに向けたのでは、前記した±9
0度の条件を満たさなくなる。このため、衛星Bの周回
起動の状況如何によっては、これを追尾することができ
なくなることがある。例えば、衛星A’を追尾してAZ
軸が中間からCW方向に駆動しての位置に存在してい
た場合を考えた場合、さらにCW方向に駆動しての位
置において衛星Bを捕捉すると、以降の追尾において、
ゾーンIII からゾーンIIへに変化される際にAZ軸の追
従が困難になる。
Z軸の駆動範囲を上方から見下ろした時の様子、すなわ
ちアンテナを鉛直方向から見た状態を示している。ここ
では、AZ軸は北方向を0度とし、CW方向とCCW方
向にそれぞれ270度範囲で駆動可能とされる。ここ
で、I ,II,III,IV はそれぞれ方位角のゾーンを示して
おり、a〜fは、AZ軸の回転駆動範囲を90度の角度
毎に区画した領域を示している。いま、衛星Aを追尾し
てアンテナがの位置に向けられているとする。この点
から次にの位置の衛星Bを捕捉して追尾を行う場合、
そのまま単にAZ軸をに向けたのでは、前記した±9
0度の条件を満たさなくなる。このため、衛星Bの周回
起動の状況如何によっては、これを追尾することができ
なくなることがある。例えば、衛星A’を追尾してAZ
軸が中間からCW方向に駆動しての位置に存在してい
た場合を考えた場合、さらにCW方向に駆動しての位
置において衛星Bを捕捉すると、以降の追尾において、
ゾーンIII からゾーンIIへに変化される際にAZ軸の追
従が困難になる。
【0005】そこで、前記したように、従来のアンテナ
では、捕捉時のAZ軸が±90度となるように、AZ軸
をの位置にまで駆動し、これと併せてEL軸を反転さ
せることで、アンテナをの位置に向ける制御が行われ
る。これにより、AZ軸はの190度の位置からの
10度の位置となり、前記した±90度の範囲の条件を
満たし、衛星Bの以降の追尾を可能とする。
では、捕捉時のAZ軸が±90度となるように、AZ軸
をの位置にまで駆動し、これと併せてEL軸を反転さ
せることで、アンテナをの位置に向ける制御が行われ
る。これにより、AZ軸はの190度の位置からの
10度の位置となり、前記した±90度の範囲の条件を
満たし、衛星Bの以降の追尾を可能とする。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】このように、従来の衛
星用アンテナでは、衛星を捕捉する際のAZ軸の角度が
±90度の範囲内になるような固定的な制御が行われて
いるために、前記した例では、衛星Bを捕捉する際には
AZ軸を150度だけCCW方向に駆動させる必要があ
る。また、仮に衛星Aを追尾した直後では、アンテナは
aの領域に存在しているのにもかかわらずの位置まで
駆動する制御を行うと、AZ軸は190度だけCW方向
に駆動させる必要がある。そのため、衛星Bを捕捉する
ためのAZ軸の駆動角度量が大きくなり、捕捉するため
のアンテナ駆動時間が長くなり、衛星捕捉が送れて必要
とされるデータ受信開始が遅れるという問題が生じる。
星用アンテナでは、衛星を捕捉する際のAZ軸の角度が
±90度の範囲内になるような固定的な制御が行われて
いるために、前記した例では、衛星Bを捕捉する際には
AZ軸を150度だけCCW方向に駆動させる必要があ
る。また、仮に衛星Aを追尾した直後では、アンテナは
aの領域に存在しているのにもかかわらずの位置まで
駆動する制御を行うと、AZ軸は190度だけCW方向
に駆動させる必要がある。そのため、衛星Bを捕捉する
ためのAZ軸の駆動角度量が大きくなり、捕捉するため
のアンテナ駆動時間が長くなり、衛星捕捉が送れて必要
とされるデータ受信開始が遅れるという問題が生じる。
【0007】本発明の目的は、衛星を捕捉する際におけ
るアンテナのAZ軸、EL軸の駆動角度および駆動時間
を短縮し、衛星を迅速に捕捉することを可能にした衛星
用アンテナの捕捉制御装置とその制御方法を提供するこ
とにある。
るアンテナのAZ軸、EL軸の駆動角度および駆動時間
を短縮し、衛星を迅速に捕捉することを可能にした衛星
用アンテナの捕捉制御装置とその制御方法を提供するこ
とにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、AZ−EL構
造のアンテナにおいて、現在におけるアンテナ位置を認
識し、かつ追尾対象の衛星の予測軌道情報からこの衛星
を捕捉するために駆動すべき捕捉アンテナ位置を認識
し、これらの認識結果に基づいて、現在のアンテナ位置
から捕捉アンテナ位置へのAZ軸及びEL軸の駆動方法
とその駆動時間を計算し、より短い駆動時間の駆動方法
を選択してアンテナを駆動制御する制御手段を備えるこ
とを特徴とする。ここで、制御手段では、現在のアンテ
ナ位置からAZ軸の駆動限界を認識し、この駆動限界に
かかることがない駆動方法を選択する構成とされる。ま
た、制御手段では、例えば、現在のアンテナ位置から捕
捉アンテナ位置までAZ軸を一方向に回転駆動する方法
と、これとは反対方向にAZ軸を回転駆動しかつ同時に
EL軸を反対側に回転駆動する方法のいずれかを選択す
るように構成される。
造のアンテナにおいて、現在におけるアンテナ位置を認
識し、かつ追尾対象の衛星の予測軌道情報からこの衛星
を捕捉するために駆動すべき捕捉アンテナ位置を認識
し、これらの認識結果に基づいて、現在のアンテナ位置
から捕捉アンテナ位置へのAZ軸及びEL軸の駆動方法
とその駆動時間を計算し、より短い駆動時間の駆動方法
を選択してアンテナを駆動制御する制御手段を備えるこ
とを特徴とする。ここで、制御手段では、現在のアンテ
ナ位置からAZ軸の駆動限界を認識し、この駆動限界に
かかることがない駆動方法を選択する構成とされる。ま
た、制御手段では、例えば、現在のアンテナ位置から捕
捉アンテナ位置までAZ軸を一方向に回転駆動する方法
と、これとは反対方向にAZ軸を回転駆動しかつ同時に
EL軸を反対側に回転駆動する方法のいずれかを選択す
るように構成される。
【0009】本発明の捕捉制御方法は、現在におけるア
ンテナ位置を認識する工程と、追尾対象の衛星の予測軌
道情報からこの衛星を捕捉するために駆動すべき捕捉ア
ンテナ位置を認識する工程と、これらの認識結果に基づ
いて、現在のアンテナ位置から捕捉アンテナ位置へのA
Z軸及びEL軸の駆動方法とその駆動時間を計算する工
程と、得られた複数の駆動方法の駆動時間を比較してよ
り短い駆動時間の駆動方法を選択する工程と、この選択
された駆動方法に基づいて前記アンテナを駆動制御する
工程とを含むことを特徴とする。
ンテナ位置を認識する工程と、追尾対象の衛星の予測軌
道情報からこの衛星を捕捉するために駆動すべき捕捉ア
ンテナ位置を認識する工程と、これらの認識結果に基づ
いて、現在のアンテナ位置から捕捉アンテナ位置へのA
Z軸及びEL軸の駆動方法とその駆動時間を計算する工
程と、得られた複数の駆動方法の駆動時間を比較してよ
り短い駆動時間の駆動方法を選択する工程と、この選択
された駆動方法に基づいて前記アンテナを駆動制御する
工程とを含むことを特徴とする。
【0010】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施形態について
図面を参照して説明する。図1は本発明が適用される衛
星用アンテナの構成を示す図であり、その概略構成は既
に知られている構成である。すなわち、パラボラアンテ
ナ等の衛星追尾用のアンテナ1はCross−EL(直
交水平)軸、AZ(方位)軸、EL(仰角)軸の3軸マ
ウント構造を持っており、それぞれの軸はモータ9,1
0,11を駆動源とする駆動機構15,16,17によ
り回転駆動される。前記モータ9,10,11は電力増
幅装置6,7,8を通して入力される制御装置3,4,
5からの制御信号により回転量が制御される。また、各
軸においては、アンテナ1に取り付けられている角度検
出器12,13,14から検出される信号、及び受信装
置2から得られる衛星の追尾誤差信号に基づき制御装置
18が制御指令を生成し、前記各制御装置1,2,3を
制御するように構成される。そして、前記制御装置18
には、本発明が特徴とする演算回路19が内蔵されてお
り、好適なAZ軸、EL軸の駆動制御を実行する。な
お、ここでは直交水平軸の動作については直接の関係が
少なくため、以降の説明では省略している。
図面を参照して説明する。図1は本発明が適用される衛
星用アンテナの構成を示す図であり、その概略構成は既
に知られている構成である。すなわち、パラボラアンテ
ナ等の衛星追尾用のアンテナ1はCross−EL(直
交水平)軸、AZ(方位)軸、EL(仰角)軸の3軸マ
ウント構造を持っており、それぞれの軸はモータ9,1
0,11を駆動源とする駆動機構15,16,17によ
り回転駆動される。前記モータ9,10,11は電力増
幅装置6,7,8を通して入力される制御装置3,4,
5からの制御信号により回転量が制御される。また、各
軸においては、アンテナ1に取り付けられている角度検
出器12,13,14から検出される信号、及び受信装
置2から得られる衛星の追尾誤差信号に基づき制御装置
18が制御指令を生成し、前記各制御装置1,2,3を
制御するように構成される。そして、前記制御装置18
には、本発明が特徴とする演算回路19が内蔵されてお
り、好適なAZ軸、EL軸の駆動制御を実行する。な
お、ここでは直交水平軸の動作については直接の関係が
少なくため、以降の説明では省略している。
【0011】ここで、前記AZ軸、EL軸の各軸の駆動
可能範囲は、これまでと同様に、AZ軸が範囲の中心を
0度としてそこから時計回り(CW)方向、反時計回り
(CCW)方向にそれぞれ270度の角度範囲で駆動可
能とされる。また、EL軸は天頂方向(真上)を中心に
±90度の角度範囲で駆動可能とされる。ただし、EL
軸が0度の時、アンテナはAZ軸の駆動角面内で大地に
水平な方向に向き、180度の時は反転し、AZ軸の駆
動方向とは180度反対の方位で水平方向に向けられ
る。
可能範囲は、これまでと同様に、AZ軸が範囲の中心を
0度としてそこから時計回り(CW)方向、反時計回り
(CCW)方向にそれぞれ270度の角度範囲で駆動可
能とされる。また、EL軸は天頂方向(真上)を中心に
±90度の角度範囲で駆動可能とされる。ただし、EL
軸が0度の時、アンテナはAZ軸の駆動角面内で大地に
水平な方向に向き、180度の時は反転し、AZ軸の駆
動方向とは180度反対の方位で水平方向に向けられ
る。
【0012】前記制御装置18における演算回路19の
動作を図2のフローチャートを参照して説明する。アン
テナ1で衛星追尾を開始する際、制御装置18では捕捉
しようとする衛星の仰角が上がり、出現し始める時の衛
星軌道の方位角(0〜360度)のデータ(出現方位角
と称する)と、衛星の軌道の方位がCW回り、またはC
CW回りのいずれの方向に回転するのか(パスディレク
ションと称する)を、予め演算回路19における衛星軌
道の計算から求めておく。そして、その出現方位角を、
図3に示したように、全方位360度を90度の角度範
囲で区画した4つの領域I,II,III,IV のいずれの領域内
にあるのかを判定し、記憶しておく(ステップS1)。
動作を図2のフローチャートを参照して説明する。アン
テナ1で衛星追尾を開始する際、制御装置18では捕捉
しようとする衛星の仰角が上がり、出現し始める時の衛
星軌道の方位角(0〜360度)のデータ(出現方位角
と称する)と、衛星の軌道の方位がCW回り、またはC
CW回りのいずれの方向に回転するのか(パスディレク
ションと称する)を、予め演算回路19における衛星軌
道の計算から求めておく。そして、その出現方位角を、
図3に示したように、全方位360度を90度の角度範
囲で区画した4つの領域I,II,III,IV のいずれの領域内
にあるのかを判定し、記憶しておく(ステップS1)。
【0013】次いで、角度検出器12,13,14で
は、捕捉開始時におけるAZ軸、EL軸の駆動角度を読
み取り、AZ軸については、捕捉開始時のアンテナのA
Z軸の駆動角が±270度(全駆動領域540度)の可
動領域内のどこに回転されているかを、90度角度領域
単位で調べ、a〜fのどの領域に属するかを記憶する
(ステップS2)。ここで、捕捉時の方位データは衛星
軌道の仰角が5度以下の時の値が良い。仰角が高くなる
とその後の軌道予測に含まれる誤差が大きくなるからで
ある。
は、捕捉開始時におけるAZ軸、EL軸の駆動角度を読
み取り、AZ軸については、捕捉開始時のアンテナのA
Z軸の駆動角が±270度(全駆動領域540度)の可
動領域内のどこに回転されているかを、90度角度領域
単位で調べ、a〜fのどの領域に属するかを記憶する
(ステップS2)。ここで、捕捉時の方位データは衛星
軌道の仰角が5度以下の時の値が良い。仰角が高くなる
とその後の軌道予測に含まれる誤差が大きくなるからで
ある。
【0014】ここで、前記の4種類ある方位データの値
により、それぞれに対応した以下に示す処理を行う。ま
ず、パスディレクションにより衛星の軌道を予測し、そ
の後の追尾でAZ軸駆動範囲を越えないように、かつ現
在の状態からより少ない駆動量で捕捉できるようなAZ
駆動目標角を考える(ステップS3)。捕捉可能なAZ
/EL軸の組み合わせは、EL軸をAZ駆動角度の状況
により反転させるか、させないかの2通りある。両者の
各衛星捕捉の時間を計算し(ステップS4)、さらに計
算された時間よりも短時間となる捕捉方法の有無を確認
し(ステップS5)、その上でより短時間となる制御方
法を選択し(ステップS6)、この制御方法でアンテナ
駆動を開始する(ステップS7)。
により、それぞれに対応した以下に示す処理を行う。ま
ず、パスディレクションにより衛星の軌道を予測し、そ
の後の追尾でAZ軸駆動範囲を越えないように、かつ現
在の状態からより少ない駆動量で捕捉できるようなAZ
駆動目標角を考える(ステップS3)。捕捉可能なAZ
/EL軸の組み合わせは、EL軸をAZ駆動角度の状況
により反転させるか、させないかの2通りある。両者の
各衛星捕捉の時間を計算し(ステップS4)、さらに計
算された時間よりも短時間となる捕捉方法の有無を確認
し(ステップS5)、その上でより短時間となる制御方
法を選択し(ステップS6)、この制御方法でアンテナ
駆動を開始する(ステップS7)。
【0015】次に、具体例をあげて説明する。前記した
図3のケースを考える。この時、アンテナは衛星Aを追
尾した直後であり、AZ軸の駆動角はの位置である。
また、EL軸の駆動角を5度と仮定する。ここで新たに
衛星Bを捕捉して追尾を行うものとする。アンテナを円
の中心に設置したと仮定すると、衛星Bの軌道のパスデ
ィレクションがCWであることが分かる。出現方位角は
ゾーンIII 内にあり、アンテナのAZ軸の駆動角は領域
aに属している。そして、ゾーンIII の方位の衛星を捕
捉するためにはAZ駆動角を領域b又はfに駆動しEL
軸を反転させないでいるか、領域dに駆動してEL軸を
反転させるしかない。
図3のケースを考える。この時、アンテナは衛星Aを追
尾した直後であり、AZ軸の駆動角はの位置である。
また、EL軸の駆動角を5度と仮定する。ここで新たに
衛星Bを捕捉して追尾を行うものとする。アンテナを円
の中心に設置したと仮定すると、衛星Bの軌道のパスデ
ィレクションがCWであることが分かる。出現方位角は
ゾーンIII 内にあり、アンテナのAZ軸の駆動角は領域
aに属している。そして、ゾーンIII の方位の衛星を捕
捉するためにはAZ駆動角を領域b又はfに駆動しEL
軸を反転させないでいるか、領域dに駆動してEL軸を
反転させるしかない。
【0016】しかしながら、パスディレクションがCW
ということは、その後の衛星Bの軌道がゾーンIII から
ゾーンIIに移動することを考慮すると、エリアfはその
後すぐにAZ軸の駆動限界にかかるので消去される。残
った2つの方法について数値を与えて考えると次のよう
になる。第1は、衛星Bの出現方位190度に合わせる
ためには、EL駆動角を反転させず5度を保持したま
ま、AZ軸の駆動角を−170度のの位置に向ける方
法である。第2は、EL軸を反対水平方向にまで反転さ
せて175度とし、かつAZ軸を10度のの位置で駆
動する方法である。
ということは、その後の衛星Bの軌道がゾーンIII から
ゾーンIIに移動することを考慮すると、エリアfはその
後すぐにAZ軸の駆動限界にかかるので消去される。残
った2つの方法について数値を与えて考えると次のよう
になる。第1は、衛星Bの出現方位190度に合わせる
ためには、EL駆動角を反転させず5度を保持したま
ま、AZ軸の駆動角を−170度のの位置に向ける方
法である。第2は、EL軸を反対水平方向にまで反転さ
せて175度とし、かつAZ軸を10度のの位置で駆
動する方法である。
【0017】この第2の方法は、前記したように、AZ
軸を±90度の角度範囲に設定する従来の技術で用いら
れている方法である。したがって、この第2の方法で
は、AZ軸をCW方向に210度駆動させる必要があ
り、併せてEL軸を170度回転させる必要があり、そ
のための駆動時間が比較的に長いものとなる。一方、第
1の方法は、AZ軸を30度だけ回転すればよい。
軸を±90度の角度範囲に設定する従来の技術で用いら
れている方法である。したがって、この第2の方法で
は、AZ軸をCW方向に210度駆動させる必要があ
り、併せてEL軸を170度回転させる必要があり、そ
のための駆動時間が比較的に長いものとなる。一方、第
1の方法は、AZ軸を30度だけ回転すればよい。
【0018】したがって、制御装置18の演算回路19
では、これら第1の方法と第2の方法における駆動時間
を計算し、かつ両者の時間を比較し、いずれか時間の短
い方法を選択する。したがって、この具体例の場合に
は、第1の方法を選択することで、第2の方法に比較し
て極めて短時間で衛星Bを捕捉することが可能となる。
では、これら第1の方法と第2の方法における駆動時間
を計算し、かつ両者の時間を比較し、いずれか時間の短
い方法を選択する。したがって、この具体例の場合に
は、第1の方法を選択することで、第2の方法に比較し
て極めて短時間で衛星Bを捕捉することが可能となる。
【0019】なお、因みに図3の衛星A’を追尾した直
後であれば、アンテナは領域eにあり、第1の方法では
衛星Bの追尾に伴ってAZ軸の駆動限界にかかってしま
うため、前記第2の方法が採用されることになる。この
場合、AZ軸をの位置からの位置までCCW方向に
330度回転駆動することは、捕捉時間が極めて長いも
のとなり、制御装置18の演算回路19の演算結果から
採用されることはない。
後であれば、アンテナは領域eにあり、第1の方法では
衛星Bの追尾に伴ってAZ軸の駆動限界にかかってしま
うため、前記第2の方法が採用されることになる。この
場合、AZ軸をの位置からの位置までCCW方向に
330度回転駆動することは、捕捉時間が極めて長いも
のとなり、制御装置18の演算回路19の演算結果から
採用されることはない。
【0020】ここで、前記演算回路19は、例えばコン
ピュータの演算プログラムによりソフト的に実現するこ
とが可能である。勿論、論理回路を利用したハード構成
で実現することも可能である。また、前記実施形態で
は、AZ軸の回転駆動範囲が270度の場合であるが、
これよりも多少の範囲で大小の回転駆動範囲のアンテナ
においても本発明を適用することは可能である。
ピュータの演算プログラムによりソフト的に実現するこ
とが可能である。勿論、論理回路を利用したハード構成
で実現することも可能である。また、前記実施形態で
は、AZ軸の回転駆動範囲が270度の場合であるが、
これよりも多少の範囲で大小の回転駆動範囲のアンテナ
においても本発明を適用することは可能である。
【0021】
【発明の効果】以上説明したように本発明は、現在のア
ンテナ位置と、捕捉アンテナ位置の情報から、AZ軸と
EL軸を駆動するための複数の駆動方法を認識し、その
駆動時間を計算した上でこれらを比較し、駆動時間が最
も短い駆動方法によりアンテナを駆動するので、衛星を
捕捉するに際してのアンテナ駆動量とそれに伴う所要時
間を最小限に抑えることが可能となり、従来の方式以上
の素早い追尾切り替えが可能になり、衛星との通信を迅
速に開始することが可能となる。また、駆動限界を考慮
した計算と比較を行うことで、捕捉後の衛星追尾を確実
に行うことが確保できる。
ンテナ位置と、捕捉アンテナ位置の情報から、AZ軸と
EL軸を駆動するための複数の駆動方法を認識し、その
駆動時間を計算した上でこれらを比較し、駆動時間が最
も短い駆動方法によりアンテナを駆動するので、衛星を
捕捉するに際してのアンテナ駆動量とそれに伴う所要時
間を最小限に抑えることが可能となり、従来の方式以上
の素早い追尾切り替えが可能になり、衛星との通信を迅
速に開始することが可能となる。また、駆動限界を考慮
した計算と比較を行うことで、捕捉後の衛星追尾を確実
に行うことが確保できる。
【図1】本発明の捕捉制御装置の一実施形態のブロック
構成図である。
構成図である。
【図2】本発明の制御方法を説明するためのフローチャ
ートである。
ートである。
【図3】本発明の制御方法を説明するための具体例を示
すアンテナ方位図である。
すアンテナ方位図である。
1 衛星追尾アンテナ 2 受信装置 3,4,5 制御回路 6,7,8 増幅装置 9,10,11 モータ 12,13,14 角度検出器 15,16,17 駆動機構 18 制御装置 19 演算回路
Claims (4)
- 【請求項1】 360度より大きい範囲で方位角を変更
できる垂直軸(AZ軸)と、90度より大きい範囲で仰
角を変更できる水平軸(EL軸)を有し、衛星を捕捉し
て追尾可能なアンテナにおいて、現在におけるアンテナ
位置を認識し、かつ追尾対象の衛星の予測軌道情報から
この衛星を捕捉するために駆動すべき捕捉アンテナ位置
を認識し、これらの認識結果に基づいて、現在のアンテ
ナ位置から捕捉アンテナ位置へのAZ軸及びEL軸の駆
動方法とその駆動時間を計算し、より短い駆動時間の駆
動方法を選択して前記アンテナを駆動制御する制御手段
を備えることを特徴とする衛星用アンテナの捕捉制御装
置。 - 【請求項2】 制御手段では、現在のアンテナ位置から
AZ軸の駆動限界を認識し、この駆動限界にかかること
がない駆動方法を選択する請求項1の衛星用アンテナの
捕捉制御装置。 - 【請求項3】 制御手段では、現在のアンテナ位置から
捕捉アンテナ位置までAZ軸を一方向に回転駆動する方
法と、これとは反対方向にAZ軸を回転駆動しかつ同時
にEL軸を反対側に回転駆動する方法のいずれかを選択
する請求項2の衛星用アンテナの捕捉制御装置。 - 【請求項4】 360度より大きい範囲で方位角を変更
できるAZ軸と、90度より大きい範囲で仰角を変更で
きるEL軸を有し、衛星を捕捉して追尾可能なアンテナ
において、現在におけるアンテナ位置を認識する工程
と、追尾対象の衛星の予測軌道情報からこの衛星を捕捉
するために駆動すべき捕捉アンテナ位置を認識する工程
と、これらの認識結果に基づいて、現在のアンテナ位置
から捕捉アンテナ位置へのAZ軸及びEL軸の駆動方法
とその駆動時間を計算する工程と、得られた複数の駆動
方法の駆動時間を比較してより短い駆動時間の駆動方法
を選択する工程と、この選択された駆動方法に基づいて
前記アンテナを駆動制御する工程とを含むことを特徴と
する衛星用アンテナの捕捉制御方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8097897A JP2973919B2 (ja) | 1996-04-19 | 1996-04-19 | 衛星用アンテナの捕捉制御装置及びその制御方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8097897A JP2973919B2 (ja) | 1996-04-19 | 1996-04-19 | 衛星用アンテナの捕捉制御装置及びその制御方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09284033A JPH09284033A (ja) | 1997-10-31 |
JP2973919B2 true JP2973919B2 (ja) | 1999-11-08 |
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ID=14204545
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP8097897A Expired - Fee Related JP2973919B2 (ja) | 1996-04-19 | 1996-04-19 | 衛星用アンテナの捕捉制御装置及びその制御方法 |
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US9912051B2 (en) | 2013-05-20 | 2018-03-06 | Mitsubishi Electric Corporation | Three-axis control antenna device |
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CN111742444B (zh) * | 2018-03-08 | 2024-09-27 | 维尔塞特公司 | 具有偏心倾斜定位机构的天线定位器 |
-
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- 1996-04-19 JP JP8097897A patent/JP2973919B2/ja not_active Expired - Fee Related
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