JP2973603B2 - 画像形成装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、複写機，レーザビーム
プリンタ等の画像形成装置に関し、詳しくは、供給され
た用紙をその給送方向とは逆の方向に反転させて搬送す
る用紙搬送機構を有する画像形成装置に関するものであ
る。

【０００２】

【従来の技術】複写機等の画像形成装置においては、通
常、用紙を１枚ずつ供給するために給紙ローラが設けら
れている。この給紙ローラは、その周面と自動給紙カセ
ットに載置された用紙の表面との摩擦を利用して用紙を
１枚ずつ供給するものなので、この摩擦によりその表面
が少しずつ摩耗するため定期的なローラの交換が必要で
ある。

【０００３】一方、近年の複写機は、作像装置の下に給
紙カセットを配置し、カセットを引き出すことによりカ
セットへ用紙を補充するフロントローディング式のもの
が多くなり、これに伴い、給紙カセットから給送された
用紙を給紙カセット上方に反転し、最初の給送方向とは
逆方向に搬送するものが増加している。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】ところで、前述のよう
な用紙搬送機構を有する画像形成装置においては、給紙
カセットの上に給紙ローラが備えられ、さらにその上部
に用紙検出機構や用紙搬送ローラ等の種々の部材が近接
して備えられている。従って、給紙ローラを交換する際
に、給紙ローラ上部に備えられた前記各部材がその交換
作業の妨げとなるため、これらの部材を一旦分解して全
て取り外し、給紙ローラを露出させて取り外し操作可能
な状態にしなければならず、また、これらの部材を給紙
ローラ交換後再び元の位置に取り付ける際に、その位置
調整を精度よく行わなければならず、給紙ローラの交換
作業に伴う時間及び労力の浪費は多大なものであった。

【０００５】本発明は、上記問題に鑑みて成されたもの
で、給紙ローラの交換を容易に行うことができる画像形
成装置を提供することを目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の画像形成装置は、用紙を載置する用紙保持
部と、該用紙保持部上に載置された用紙を送り出すため
の、取り外し可能な給紙ローラと、該給紙ローラに対し
て、前記用紙保持部の反対側に近接して設けられた複数
の部材であって該給紙ローラを除く部材を一体的に取り
外し可能に支持したユニットとを備えたことを特徴とす
る。

【０００７】

【作用】本発明の上記構成によれば、給紙ローラに近接
して設けられた用紙検出機構や用紙搬送ローラ等を用紙
搬送ユニットとして一体的に取り外し、次に、給紙ロー
ラを取外して新しいものに交換し、その後再び前記用紙
搬送ユニットを元の位置に取り付けることが可能とな
る。

【０００８】

【実施例】以下、本発明の一実施例を、図面に従って説
明する。

【０００９】図１は、本実施例のレーザビームプリンタ
の外観を示す図であり、一方、図２はその断面を示す図
である。図に示すように、レーザビームプリンタ本体１
は、下フレーム２と、この下フレーム２に軸４を中心に
枢支され、上方へ開放可能な上フレーム３とから構成さ
れている。上フレーム３には、レーザ光学系１１、排紙
ローラ対１２及び排紙トレイ１３等が設けられ、一方、
下フレーム２には、作像ユニット１４，用紙を載置する
給紙カセット１５，用紙を自動給紙するための給紙半月
ローラ１６，手差し給紙トレイ１７，用紙搬送ローラ対
１８，タイミングローラ対１９，転写チャージャ２０及
び定着装置２１等が配設されている。作像ユニット１４
は、感光体ドラム，帯電チャージャ，現像装置及びクリ
ーニング装置等トナー像を形成するために必要な装置を
備え、上フレーム３を開いた時に上下に揺動可能に支持
されており、これを上に揺動させた時、後述する用紙搬
送ユニット１４を取り外すことが可能となる。図１はこ
の時の状態を示している。また、手差し給紙トレイ１７
は、用紙を１枚ずつ手差しして給紙するためのもので、
図１に示す用紙供給位置と図２に示す収納位置との間を
揺動可能に枢支されている。

【００１０】複写用紙は、給紙半月ローラ１６を備えた
自動給紙カセット１５又は手差し給紙トレイ１７から１
枚ずつ給紙され、用紙搬送ローラ対１８を介してタイミ
ングローラ対１９へ送られる。レーザ光学系１１から出
力された画像情報は、前述の作像ユニット１４によりト
ナー像化され、タイミングローラ対１９によってタイミ
ングを取って送り込まれた複写用紙に、転写チャージャ
２０によって転写される。さらにこの用紙は左方へ搬送
され、定着装置２１によってトナー像の熱定着を施され
た後、排紙トレイ１３上に排紙される。

【００１１】本発明に係る用紙搬送部についてさらに詳
しく説明すると、図に示すように、用紙搬送ローラ対１
８の手差し給紙トレイ１７側には、自動給紙カセット１
５から給紙された用紙を下面で、また、手差し給紙トレ
イ１７から給紙された複写用紙を上面で、それぞれ用紙
搬送ローラ対１８に誘導するための補助部材２２が設け
られており、一方、用紙搬送ローラ対１８とタイミング
ローラ対１９の間には、用紙搬送路を形成する案内板２
３ａ，２３ｂ及びタイミングローラ対１９まで用紙が搬
送されたことを検出する用紙検出スイッチ２４が設けら
れている。そして、これら用紙搬送ローラ対１８，補助
部材２２，案内板２３ａ，２３ｂ及び用紙検出スイッチ
２４の各部剤は、図２中１点鎖線で示すような用紙搬送
ユニット３０として一体的に取り外し可能に支持されて
いる。

【００１２】この用紙搬送ユニット３０及び給紙半月ロ
ーラ１６の構造及び取り付け機構を図３を用いて説明す
る。用紙搬送ユニット３０は、図に示すように、用紙搬
送ローラ対１８を支持するローラ軸１８ａ，１８ｂ，補
助部材２２，案内板２３ａ，２３ｂ及び用紙検出スイッ
チ２４（図３には示していない）を、左右のサイド板３
１Ｌ，３１Ｒによって一体的に支持したものである。サ
イド板３１Ｌ，３１Ｒには、下フレーム２にネジ止めに
て固定するためのネジ孔３２Ｌ，３２Ｒが左右２個ずつ
形成されている。一方、サイド板３１Ｒ側の端には、後
述するギヤ４５と歯合してローラ対１８を駆動させるた
めの図示しない複数のギヤ列が設けられている。

【００１３】２個の給紙半月ローラ１６Ｌ，１６Ｒは、
図に示すようにその平坦面を同じ方向に向けてローラ軸
４２に固定されている。ローラ軸４２は、２個のローラ
１６Ｌ，１６Ｒの外側に設けられた軸受４３Ｌ，４３Ｒ
の丸孔に回動自在に嵌合しており、そのサイド板３１Ｒ
側の端に、プリンタ本体１に固定されたモータ４４のギ
ヤ４４ａと歯合させるためのギヤ４５，及びフラッパー
ソレノイド４６を使ってローラ１６の回転のオン，オフ
を行うための突起部４７ａを形成したクラッチ４７を備
えている。また、図４に示すように、下フレーム２には
給紙半月ローラ１６を位置決めするための溝４１が形成
されており、一方、軸受４３には用紙搬送ユニット３０
の側部に設けられた溝３１ａと嵌合する突起部４３ａが
形成されている。

【００１４】給紙半月ローラ１６及び用紙搬送ユニット
３０を本体１に取り付ける際には、まず、下フレーム２
に形成された溝４１の側部４１Ｌ，４１Ｒにローラ１６
の軸受４３Ｌ，４３Ｒを嵌挿することによりローラ１６
を定位置に取り付けると、これに伴いギヤ４５がモータ
４４のギヤ４４ａと歯合する。そして、その上から用紙
搬送ユニット３０をネジ止めにより固定するが、この
時、サイドフレーム３１Ｌ，３１Ｒに設けられた溝３１
ａ，３１ａが突起部４３ａ，４３ａに嵌合することによ
り、給紙半月ローラ１６を定位置に位置決めする。これ
により、ローラ１６と用紙搬送ユニット３０との相互間
の位置精度を確保することができる。また、これと同時
に、ローラ軸１８ａに設けられた図示しないギヤ列も、
ギヤ４５に歯合する。

【００１５】給紙半月ローラ１６及び用紙搬送ローラ対
１８は、共通のモータ４４によって駆動される。モータ
４４をオンすることによって用紙搬送ローラ対１８が回
転し、その状態でソレノイド４６のフラッパー４６ａを
上下に揺動させることによりクラッチ４７をオン，オフ
し、これにより、給紙半月ローラ１６が１回転して給紙
動作が行われる。

【００１６】給紙半月ローラ１６を交換する場合は、ま
ず上フレーム３を開け、作像ユニット１４を上方へ揺動
させ、用紙搬送ユニット３０をネジを外して一体的に取
り外すだけでローラ１６が露出し、これを容易に取り外
し操作することが可能な状態となる。ローラ１６を交換
した後は、再び用紙搬送ユニット３０を定位置にネジ止
めする。以上で、給紙半月ローラ１６の交換作業は完了
する。

【００１７】以上に説明したように、本発明を適用した
レーザビームプリンタ１は、ローラ１６上部に近接して
配設された用紙搬送ローラ対１８，補助部材２２，案内
板２３及び用紙検出センサ２４を用紙搬送ユニット３０
として一体的に支持したため、これらの部材全てを一度
に取り外すことが可能となった。

【００１８】尚、本実施例における用紙搬送ユニット３
０は用紙搬送ローラ対１８，補助部材２２，案内板２３
及び用紙検出スイッチ２４を一体的に支持したものであ
るが、本発明のユニットは必ずしもこれらに特定される
ものではなく、例えば、用紙検出スイッチ２４をユニッ
トから外して下フレーム２に設けてもよいし、一方、タ
イミングローラ１９をユニットに含ませてもよい。

【００１９】また、本実施例では給紙ローラ１６上部に
配設された上記部材を１つのユニットにまとめて支持し
たものであるが、本発明のユニットは１つとは限らず、
例えば、用紙搬送ローラ対１８及び補助部材２２を１つ
のユニットにまとめ、さらに案内板２３及び用紙検出ス
イッチ２４をもうひとつのユニットとして支持し、合計
２つのユニットを取り外し可能に設けてもよい。

【００２０】一方、本実施例は半月ローラ１６を用いて
用紙を供給するとしたが、例えば、円形ローラとサバキ
ローラによる給紙方式にしてもよい。また、用紙搬送ユ
ニット３０はネジ止めするとしたが、ネジを用いずに、
嵌め込んだ後作像ユニット３０及び上ユニット１３の位
置決めに伴って固定するものにしてもよい。

【００２１】さらに、本実施例は、自動給紙カセット１
５の上部に給紙半月ローラ１６を設け、そのさらに上部
に設けられる部材を一体的にユニットとして支持したも
のであるが、本発明は、用紙保持部に載置された用紙
を、その下側に設けられた給紙ローラにより下から順次
給紙する給紙方式のものにも適用することができる。こ
の場合には、給紙ローラのさらに下側に近接して設けら
れるべき用紙搬送ローラや用紙案内板等を一体的に取り
外し可能なユニットとして支持することになる。

【００２２】加えて、本実施例では本発明をレーザビー
ムプリンタに適用したものを説明したが、複写機その他
の画像形成装置にも適用できることは言うまでもない。

【００２３】

【発明の効果】本発明の画像形成装置は、用紙との摩擦
によって摩耗した給紙ローラを交換する際に、給紙ロー
ラに近接して設けられているためにその交換作業の妨げ
となる複数の部材を用紙搬送ユニットとして一体的に取
り外し可能に支持したため、このユニットを取り外すだ
けで給紙ローラを露出させることができ、従って、該ロ
ーラの交換作業を容易に行うことができると共に、ロー
ラ交換ごとにユニット内の各部材の位置調整を行う必要
がない。従って、給紙ローラ交換作業に要する時間及び
労力の大幅な軽減を図ることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係るレーザビームプリンタの外観図で
ある。

【図２】本発明に係るレーザビームプリンタの正面断面
図である。

【図３】本発明における用紙搬送ユニットの構造及び取
り付け機構を示す図である。

【図４】本発明における用紙搬送ユニットと給紙半月ロ
ーラとの位置決め機構を示す図である。

【符号の説明】 １ レーザビームプリンタ １５ 自動給紙カセット １６ 給紙半月ローラ １８ 用紙搬送ローラ ２２ 補助部材 ２３ 案内板 ２４ 用紙検出スイッチ

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 給紙された用紙をその搬送方向と逆の方
   向へ反転させて搬送する用紙搬送機構を有する画像形成
   装置であって、 用紙を載置する用紙保持部と、 該用紙保持部上に載置された用紙を送り出すための取り
   外し可能な給紙ローラと、 該給紙ローラに対して、前記用紙保持部の反対側に近接
   して設けられるべき複数の部材であって前記給紙ローラ
   を除くものを、一体的に取外し可能に支持したユニット
   と、 を備えて、 前記ユニットを取り外すことにより前記給紙ローラの取
   外しが可能となることを特徴とする画像形成装置。