JP2004246185A - 像担持体駆動装置及び画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】容易に位相合わせを行ない像担持体の回転ムラを防止するための構成を備えた像担持体駆動装置及びこれを備えた画像形成装置の提供。
【解決手段】複数の像担持体をそれぞれ駆動する駆動軸32A、33Aのそれぞれに配設された駆動ギヤ32E、33Eと、駆動ギヤ32E、33Eに係合し、駆動ギヤ33Eの駆動力を、駆動ギヤ32Eに伝達するためのアイドラギヤ42とを有し、アイドラギヤ42を、駆動ギヤ32E、33Eのうちの少なくとも1つの駆動ギヤに対して着脱自在とした。
【選択図】 図2
【解決手段】複数の像担持体をそれぞれ駆動する駆動軸32A、33Aのそれぞれに配設された駆動ギヤ32E、33Eと、駆動ギヤ32E、33Eに係合し、駆動ギヤ33Eの駆動力を、駆動ギヤ32Eに伝達するためのアイドラギヤ42とを有し、アイドラギヤ42を、駆動ギヤ32E、33Eのうちの少なくとも1つの駆動ギヤに対して着脱自在とした。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複写機、ファクシミリ、プリンタ等の画像形成装置に搭載される複数の像担持体を回転駆動するための像担持体駆動装置及びこれを搭載するかかる画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
複写機、ファクシミリ、プリンタ等の画像形成装置であって、複数色の画像を形成する等のため、複数の像担持体を並設された画像形成装置においては、かかる複数の像担持体を回転駆動するための像担持体駆動装置が備えられている。かかる像担持体駆動装置には種々あり、〔特許文献1〕、〔特許文献2〕において開示されているように、各像担持体を独立したモータで駆動するタイプのもの、また、1つのモータによりすべての像担持体を駆動するタイプのものがある。
【0003】
何れのタイプの像担持体駆動装置により像担持体を回転駆動する場合でも、各像担持体相互間に回転ムラが発生すると、色ずれや濃度ムラが生じ、画像品質の劣化を招くこととなる。したがって、〔特許文献1〕、〔特許文献2〕においては、各モータの駆動を制御してかかる回転ムラを防止する技術が提案されている。しかし、各像担持体を独立したモータで駆動する像担持体駆動装置には、そもそも、装置の大型化、高価格化という問題があり、この点において、1つのモータすなわち駆動源によりすべての像担持体を駆動するタイプの像担持体駆動装置が優れている。
【0004】
このタイプの像担持体駆動装置は、像担持体に係合し像担持体を駆動する駆動軸と、駆動軸上に設けられた駆動ギヤと、駆動ギヤにモータ等の駆動源からの駆動力を伝達する出力ギヤと、駆動ギヤに噛み合い他の駆動ギヤに駆動力を伝達するアイドラギヤと、駆動軸及びこれらのギヤを固定しユニット化する側板とを有しているものが一般的である。
【0005】
このタイプの像担持体駆動装置においては、像担持体の回転ムラを低減するためには、像担持体を回転駆動するための駆動軸の回転ぶれをなくすとともに、駆動軸相互間の位置精度、駆動軸相互間の平行度を厳密に設定する必要があり、またこれと併せて、上述した各ギヤの回転角度を調整し、ギヤの偏心やギヤの回転方向における累積ピッチ誤差に起因する回転速度変動を解消して各像担持体相互間の回転の位相を合わせる必要がある。
【0006】
かかる位相を合わせる方法としては、ユニット化された像担持体駆動装置を画像形成装置に組み付けた状態で、各駆動軸の回転ムラを測定し、回転速度変動位相のずれを算出し、回転角に換算した駆動ギヤの補正量を算出してから、ギヤの回転角度を調整する方法が一般的である。
【0007】
【特許文献1】
特開2001−188395号公報
【特許文献2】
特開2001−305820号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかし従来の構成の像担持体駆動装置において、このような方法で位相を合わせる場合には、かかる補正量の算出後、まず側板を外し、駆動ギヤ、出力ギヤ、アイドラギヤによって構成されたギヤ列をばらして、駆動軸とこの軸上の駆動ギヤの回転角度を調整して後、再度、ギヤ列及び側板を組み直すこととなり、少なくともアイドラギヤと出力ギヤと側板を取り外し、組み直す作業や、一度行なった各駆動軸の回転ぶれ調整及び各駆動軸相互間の平行度の調整を、再度行なう必要があり、像担持体の回転ムラ防止、及び位相合わせのための作業が非常に煩雑であった。
【0009】
本発明は、容易に位相合わせを行ない像担持体の回転ムラを防止するための構成を備えた像担持体駆動装置及びこれを備えた画像形成装置の提供を目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1記載の発明は、並設された複数の像担持体を回転駆動するための像担持体駆動装置であって、複数の像担持体のそれぞれに係合し像担持体を駆動する複数の駆動軸と、駆動源からの駆動力を上記複数の駆動軸のそれぞれに伝達するためのギヤ列とを有し、上記ギヤ列が、上記複数の駆動軸のそれぞれに配設された複数の駆動ギヤと、この複数の駆動ギヤのうちの少なくとも1つに係合して駆動源からの駆動力を係合した駆動ギヤに伝達する出力ギヤと、上記複数の駆動ギヤのうちの少なくとも2つの駆動ギヤに係合し、係合した複数の駆動ギヤのうち、1の駆動ギヤの駆動力を、他の駆動ギヤに伝達するためのアイドラギヤとを有する像担持体駆動装置において、上記アイドラギヤを、上記複数の駆動ギヤのうち同アイドラギアが係合した駆動ギヤのうちの少なくとも1つの駆動ギヤに対して着脱自在としたことを特徴とする。
【0011】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の像担持体駆動装置において、上記アイドラギヤを、上記複数の駆動ギヤのうち同アイドラギアが係合した駆動ギヤの駆動軸の軸方向に変位することで、同アイドラギヤが係合した上記複数の駆動ギヤのうちの少なくとも1つに対して着脱自在としたことを特徴とする。
【0012】
請求項3記載の発明は、請求項2記載の像担持体駆動装置において、上記アイドラギヤを、上記複数の駆動ギヤのうち同アイドラギヤが係合すべき上記駆動ギヤに係合する位置に向けて付勢するための付勢手段を有することを特徴とする。
【0013】
請求項4記載の発明は、請求項1記載の像担持体駆動装置において、上記アイドラギヤを、同アイドラギヤが係合した上記複数の駆動ギヤのうちの1の駆動ギヤの駆動軸を中心に回動させることで、同アイドラギヤが係合した上記複数の駆動ギヤのうちの他の駆動ギヤに対して着脱自在とするためのアイドラギヤ支持部材を有することを特徴とする。
【0014】
請求項5記載の発明は、請求項1ないし4の何れか1つに記載の像担持体駆動装置において、上記複数の駆動ギヤのそれぞれに係合し、係合した駆動ギヤの回転位相を調整するための調整ギヤを有することを特徴とする。
【0015】
請求項6記載の発明は、請求項5記載の像担持体駆動装置において、上記調整ギヤは、像担持体駆動装置本体に対して着脱自在であることを特徴とする。
【0016】
請求項7記載の発明は、請求項5または6記載の像担持体駆動装置において、上記調整ギヤは、上記複数の駆動ギアのすべての回転位相を調整することを特徴とする。
【0017】
請求項8記載の発明は、請求項5または6記載の像担持体駆動装置において、上記調整ギヤは上記複数の駆動ギヤのそれぞれに対応して配設されることを特徴とする。
【0018】
請求項9記載の発明は、請求項5ないし8の何れか1つに記載の像担持体駆動装置において、上記調整ギヤを手動にて駆動することを特徴とする。
【0019】
請求項10記載の発明は、請求項5ないし8の何れか1つに記載の像担持体駆動装置において、上記調整ギヤを駆動するための、上記複数の駆動軸を駆動するための駆動源とは別個の駆動源を有することを特徴とする。
【0020】
請求項11記載の発明は、請求項1ないし10の何れか1つに記載の像担持体駆動装置と、この像担持体駆動装置によって回転駆動される並設された複数の像担持体とを有する画像形成装置にある。
【0021】
【実施例】
図1に本発明を適用した、カラー画像を形成可能な画像形成装置の概略を示す。画像形成装置1は、複写機であるが、ファクシミリ、プリンタ、複写機とプリンタとの複合機等、他の画像形成装置であっても良い。画像形成装置1が、プリンタ、ファクシミリ等として用いられる場合には、外部から受信した画像情報に対応する画像信号に基づき画像形成処理を行なう。画像形成装置1は、一般にコピー等に用いられる普通紙の他、OHPシートや、カード、ハガキ等の厚紙や、封筒等の何れをもシート状の記録媒体Sとして画像形成を行なうことが可能である。
【0022】
画像形成装置1は、イエロー、シアン、マゼンタ、ブラックの各色に色分解された色にそれぞれ対応する画像を形成可能な複数の像担持体としての感光体ドラム1A、2A、3A、4Aを並設したタンデム構造が用いられており、各感光体ドラム1A、2A、3A、4Aに形成された可視像が各感光体ドラム1A、2A、3A、4Aに対峙しながら移動可能な転写ベルト5によって搬送される記録媒体である転写紙Sにそれぞれ重畳転写されるようになっている。
【0023】
一つの感光体ドラム1A及びその周りに配設された構成を代表して画像形成処理に係る構成を説明する。なお、他の感光体ドラム2A〜4Aに関しても同様な構成であるので、便宜上、感光体ドラム1A及びその周りに配設した構成に付した符号に対応する符号を、感光体ドラム2A〜4A及びその周りに配設した対応する構成に付し、詳細な説明については適宜省略する。
【0024】
感光体ドラム1Aの周囲には、矢印で示す回転方向に沿って画像形成処理を実行するためにコロトロンあるいはスコトロトン等の構成を用いた帯電装置1B、レーザ光源からのレーザー光を用いる光走査装置20、現像装置1Dおよびクリーニング装置1Eがそれぞれ配置されている。
【0025】
現像装置1D〜4Dの配列は、図1において転写ベルト5の展張部における右側からイエロー、シアン、マゼンタおよびブラックのトナーを供給できる順序となっている。帯電装置1Bには、図1に示した例では、ローラを用いているが、帯電装置1Bは、ローラを用いた接触式に限らず、放電ワイヤを用いたコロナ放電式を用いることも可能である。
【0026】
画像形成装置1では、帯電装置1B、光走査装置20、現像装置1Dおよびクリーニング装置1E等が配置されている画像形成部の上部に原稿読み取り部6が配置されており、原稿載置台6A上に載置された原稿を読み取り装置7によって読みとった画像情報を図示しない画像処理制御部に出力し、光走査装置20に対する書き込み情報が得られるようになっている。
【0027】
読み取り装置7は、原稿載置台6A上に載置されている原稿を走査するための光源7Aおよび原稿からの反射光を色分解毎の色に対応して設けられているCCD7Bに結像させるための複数の反射鏡7Cと結像レンズ7Dとを備えており、色分解毎の光強度に応じた画像情報が各CCD7Bから画像処理制御部に出力される。
【0028】
転写ベルト5は、複数のローラに掛け回されたポリエステルフィルムなどの誘電体で構成された部材であり、展張部分の一つが各感光体ドラム1A〜4Aに対峙し、各感光体ドラム1A〜4Aとの対峙位置内側には、転写装置8A、8B、8C、8Dが配置されている。転写ベルト5に対しては、レジストローラ9を介して給紙装置10の給紙カセット10A内から繰り出された記録媒体Sが給送され、記録媒体Sが転写ベルト5に対して転写装置8Aからのコロナ放電により静電吸着されて搬送される。転写装置8A〜8Dは、正極のコロナ放電を用いて感光体ドラム1A〜4Aに担持されている画像を記録媒体Sに向けて静電吸着させる特性とされている。
【0029】
各感光体ドラム1A〜4Aからの画像転写が終了した記録媒体Sが移動する位置には記録媒体Sの分離装置11が、また、展張部分の今一つの部分にはベルトを挟んで対向する除電装置12が配置されている。なお、図1中、符号13は、転写ベルト5に残存しているトナーを除去するクリーニング装置を示している。
【0030】
分離装置11は、記録媒体Sの上面から負極性のACコロナ放電を行うことにより記録媒体Sに蓄積している電荷を中和して静電的な吸着状態を解除することにより転写ベルト5の曲率を利用した分離を可能にすると共に分離の際の剥離放電によるトナーチリの発生を防止するようになっている。また、除電装置12は、転写ベルト5の表裏両面から転写装置8A〜8Dによる帯電特性と逆極性となる負極性のACコロナ放電を行うことにより転写ベルト5の蓄積電荷を中和して電気的初期化を行うようになっている。
【0031】
各感光体ドラム1A〜4Aでは、帯電装置1B〜4Bによって感光体ドラム1A〜4Aの表面が一様帯電され、原稿読み取り部6における読み取り装置7によって読み取られた色分解色毎の画像情報に基づき書き込み装置1C〜4Cを用いて感光体ドラム1A〜4Aに静電潜像が形成され、該静電潜像が現像装置1D〜4Dから供給される色分解色に対応する補色関係を有する色のトナーにより可視像処理されたうえで、転写ベルト5に担持されて搬送される記録媒体Sに対して転写装置8A〜8Dを介して静電転写される。
【0032】
各感光体ドラム1A〜4Aに担持された色分解毎の画像が転写された記録媒体Sは、除電装置11により除電された上で転写ベルト5の曲率を利用して曲率分離された後に定着装置14に移動して未定着画像中のトナーが定着され、画像形成装置1本体外部の図示しない排紙トレイ上に排出される。
【0033】
画像形成装置1は、図2ないし図6に沿って後に説明する、感光体ドラム1A〜4Aを回転駆動するための像担持体駆動装置30を有しているが、まず、図7ないし図10に沿って、従来の像担持体駆動装置60を説明し、その後、像担持体駆動装置30の構成であって像担持体駆動装置60と異なる構成を説明する。像担持体駆動装置60と同様の構成については説明を省略するが、かかる構成は単に説明を省略するだけであり、像担持体駆動装置30に備えられているものであって、本実施例を構成するものである。なお像担持体駆動装置60は、本実施例における感光体ドラム1A〜4Aを回転駆動するものとして説明する。
【0034】
図7ないし図10に示すように、像担持体駆動装置60は、駆動源としての1つのモータ35の駆動力によって感光体ドラム1A〜4Aを回転駆動するものであって、かかるモータ35と、感光体ドラム1A〜4Aのそれぞれに係合し感光体ドラム1A〜4Aをそれぞれ駆動する駆動軸31A〜34Aと、モータ35からの駆動力を駆動軸31A〜34Aのそれぞれに伝達するためのギヤ列61とを有している。
【0035】
駆動軸31A〜34Aは、平板状をなし感光体ドラム1A〜4A側に位置する側板36と、断面がコ字状を有し側板36に被せるように一体化された側板37とに支持されている。駆動軸31A〜34Aはそれぞれ、その先端部が軸受31B〜34Bを介して側板36に支持されており、またその後端部が軸受31C〜34Cを介して側板37に支持されている。
【0036】
駆動軸31A〜34Aはそれぞれ、その先端に感光体ドラム1A〜4Aに係合する係合部としてのカップリング31D〜34Dを有している。カップリング31D〜34Dは、側板36、37によって囲まれる空間の外側に位置している。モータ35は側板37に取り付けられており、モータ35の出力軸38は、側板36、37によって囲まれる空間の内側に位置している。
【0037】
ギヤ列61は、ほぼ全体が、側板36、37によって囲まれる空間の内側に位置している。ギヤ列61は、各駆動軸31A〜34Aのそれぞれに配設された駆動ギヤ31E〜34Eと、出力軸38上に配設され駆動ギヤ32Eに係合しモータ35からの駆動力を駆動ギヤ32Eに伝達する出力ギヤ39と、駆動ギヤ32E及び駆動ギヤ31Eに係合し駆動ギヤ32Eの駆動力を駆動ギヤ31Eに伝達するアイドラギヤ62と、駆動ギヤ32E及び駆動ギヤ33Eに係合し駆動ギヤ32Eの駆動力を駆動ギヤ33Eに伝達するアイドラギヤ63と、駆動ギヤ33E及び駆動ギヤ34Eに係合し駆動ギヤ33Eの駆動力を駆動ギヤ34Eに伝達するアイドラギヤ64とを有している。
【0038】
像担持体駆動装置60は、モータ35とともにユニット化され像担持体駆動ユニット65を構成しており、図10に示すように、像担持体駆動ユニット65は、画像形成装置1本体側の本体フレーム19に対し一体で着脱される。像担持体駆動装置60は、以上の構成により各感光体1A〜4Aを同速で回転駆動するべく構成されている。
【0039】
像担持体駆動装置60においては側板36が本体フレーム19に対し基準面となっている。そして、駆動軸31A〜34Aがかかる基準面に対しそれぞれ直角となり、且つ駆動軸31A〜34Aが互いに平行となるよう、組立治具等を用いて側板36と側板37とを合わせることにより組み立てられる。またこの組み立ては、駆動ギヤ31E〜34Eの位相を合わせ、回転ムラがないように行なわれる。
【0040】
このように調整されて完成した像担持体駆動ユニット65が上述のように本体フレーム19に組み付けられるのであるが、すでに述べたように、各感光体ドラム1A〜4Aの回転の位相を厳密に合わせるには、像担持体駆動装置60を画像形成装置1に組み付けた状態で、各駆動軸31A〜34A及び出力軸38の回転ムラを測定し、回転速度変動位相のずれを算出し、回転角に換算した駆動ギヤ31E〜34E、出力ギヤ39の補正量を算出してから、側板37を外し、ギヤ列61をばらして、駆動ギヤ31E〜34E、出力ギヤ39及びアイドラギヤ62〜64の位相を変更、調整してからギヤ列61及び側板37を組み立てなおす必要があったため、作業が非常に煩雑であった。
【0041】
そこで、像担持体駆動装置30は、像担持体駆動装置60と異なる構成を有している。以下は像担持体駆動装置30の構成であって像担持体駆動装置60の構成と異なる構成を主に説明する。図2ないし図4にそれぞれ示すように、像担持体駆動装置30においては、各アイドラギヤを、これが係合した駆動ギヤのうち少なくとも1つの駆動ギヤに対して着脱自在としている。
【0042】
なお、像担持体駆動装置30は、モータ35とともにユニット化され像担持体駆動ユニットを構成しており、像担持体駆動ユニット65と同様に、図10に示したと同様に、画像形成装置1本体側の本体フレーム19に対し一体で着脱される。ここで、図10においては、感光体ドラム1A〜4Aが斜め方向に並設される構成を想定し、これに合うように像担持体駆動ユニット65が取り付けられるが、本実施例においては感光体ドラム1A〜4Aは図1に示すようにほぼ水平方向に並設され、したがって像担持体駆動装置30及びこれを有する像担持体駆動ユニットはこれに合うように取り付けられる。
【0043】
図5に示すように、像担持体駆動装置30は、モータ35からの駆動力を駆動軸31A〜34Aのそれぞれに伝達するためのギヤ列41を有している。ギヤ列41は、上述のギヤ列61に比して、出力ギヤ及びアイドラギヤの噛合、配置において主に相違している。すなわち、ギヤ列41に備えられた出力ギヤ39は、駆動ギヤ33E及び34Eに係合しモータ35からの駆動力を駆動ギヤ33E及び34Eに伝達する。また、ギヤ列41に備えられたアイドラギヤは、駆動ギヤ33E及び駆動ギヤ32Eに係合し駆動ギヤ33Eの駆動力を駆動ギヤ32Eに伝達するアイドラギヤ42と、駆動ギヤ32E及び駆動ギヤ31Eに係合し駆動ギヤ32Eの駆動力を駆動ギヤ31Eに伝達するアイドラギヤ43とで構成されている。
【0044】
すでに述べたように、像担持体駆動装置30においては、各アイドラギヤが、これが係合した駆動ギヤのうち少なくとも1つの駆動ギヤに対して着脱自在であるが、この構成はアイドラギヤ42とアイドラギヤ43とで同様であるので、以下各実施例においてはアイドラギヤ42に関する構成を代表して説明する。
【0045】
図2はかかる構成の第1の実施例を示している。アイドラギヤ42は、像担持体駆動装置30に対して、ギヤ列41から単独で着脱されるようになっている。側板37には、アイドラギヤ42が挿脱可能な径の孔44と、孔44の周囲に位置するネジ孔45とが形成されている。側板36には、アイドラギヤ42を回転自在に支持する軸42aの先端部に形成されたボス部42bが係合する孔46が形成されている。アイドラギヤ42には、軸42aの基部42cを介して支持板47が一体化されている。支持板47には、ネジ孔45と連通するネジ孔48が形成されている。
【0046】
しかして、アイドラギヤ42を、孔44を通過させて、側板36と側板37とで囲まれた空間内に挿入し、ボス部42bを孔46に挿入し、ネジ49をネジ孔48、45に挿入して、支持板47を側板37に対してねじ止めすると、アイドラギヤ42と、駆動ギヤ32E及び33Eとが噛合する。この状態で軸42aは駆動軸32A及び33Aと平行をなす。またこの逆の動作によりアイドラギヤ42は独立してギヤ列41から離脱する。
【0047】
よって、各感光体ドラム1A〜4Aの回転の位相を合わせる際には、像担持体駆動装置30を画像形成装置1に組み付けた状態で、各駆動軸31A〜34A及び出力軸38の回転ムラを測定し、回転速度変動位相のずれを算出し、回転角に換算した駆動ギヤ31E〜34E、出力ギヤ39の補正量を算出してから、側板37を外すことなく、ネジ49を外せば、アイドラギヤ42、43をギヤ列61から離脱でき、その後、駆動ギヤ31E〜34E、出力ギヤ39及びアイドラギヤ42、43の位相を変更、調整してから、アイドラギヤ42、43を駆動ギヤ32Eおよび33Eと噛合する所定の位置に位置決めし、ネジ49を締結するのみで、かかる位相合わせ作業は容易に終了する。
【0048】
図3に第2の実施例を示す。アイドラギヤ42は、駆動軸32A、33Aの軸方向に変位することで、駆動ギヤ32E、33Eに対して係脱し、ギヤ列41から単独で着脱されるようになっている。アイドラギヤ42の軸42aは、駆動軸32A及び33Aと平行をなすように、側板36と側板37との間で支持されている。
【0049】
軸42aの一端には付勢手段としてのバネ50が巻き付けられている。バネ50の一端面は側板36の内面に当接し、他端面はアイドラギヤ42の一端面42eに当接しており、バネ50はアイドラギヤ42を側板36から離間する図中矢印の方向に付勢している。軸42aの他端には突き当て部42dが形成されており、バネ50に外力を加えない状態においては、アイドラギヤ42は、その他端面42fが突き当て部42dに係合した位置で位置決めされ、この位置において駆動ギヤ32Eおよび33Eと噛合する。
【0050】
このように、バネ50は、アイドラギヤ42を、これが係合すべき駆動ギヤ32E及び33Eに係合する位置に向けて付勢している。その一方で、アイドラギヤ42を把持してバネ50の付勢力に抗して側板36に向けて変位するようにスライドさせれば、駆動ギヤ32Eおよび33Eとの噛合は解除される。
【0051】
よって、各感光体ドラム1A〜4Aの回転の位相を合わせる際には、像担持体駆動装置30を画像形成装置1に組み付けた状態で、各駆動軸31A〜34A及び出力軸38の回転ムラを測定し、回転速度変動位相のずれを算出し、回転角に換算した駆動ギヤ31E〜34E、出力ギヤ39の補正量を算出してから、側板37を外すことなく、アイドラギヤ42、43をバネ50の付勢力に抗して側板36に向けて変位させれば、アイドラギヤ42、43をギヤ列61から離脱でき、その後、駆動ギヤ31E〜34E、出力ギヤ39及びアイドラギヤ42、43の位相を変更、調整してから、アイドラギヤ42、43の拘束を解けば、アイドラギヤ42、43は図中矢印で示すように変位して駆動ギヤ32Eおよび33Eと噛合する所定の位置に自動的に復帰し、かかる位相合わせ作業は容易に終了する。
【0052】
図4に第3の実施例を示す。第1、第2の実施例は、アイドラギヤ42を、これが係合すべき駆動ギヤ32E及び33Eの両者に対して、係脱させる構成であったが、第3の実施例においては、一方の駆動ギヤ33Eに対しては係脱するが、他方の駆動ギヤ32Eに対しては噛合した状態を保つようになっている。
【0053】
アイドラギヤ42は、軸42aを介して、軸32Aに回転自在に支持されたアイドラギヤ支持部材としてのブラケット51に回転自在に支持されている。ブラケット51は、アイドラギヤ42と駆動ギヤ32Eとの噛合を保ったまま、アイドラギヤ42を、軸32Aを中心に回動させるものであり、アイドラギヤ42の回動の際、軸42aと軸32Aとの軸間距離を一定に保つ。アイドラギヤ42を、軸32Aを中心に回動させることで、駆動ギヤ32Eとの噛合を保ったまま、駆動ギヤ33Eに係脱させるようになっている。なお、図示しない位置保持部材により、アイドラギヤ42は、駆動ギヤ32Eと噛合した位置、または駆動ギヤ32Eから離脱した位置において位置決めし、その状態を保持できるようになっている。
【0054】
よって、各感光体ドラム1A〜4Aの回転の位相を合わせる際には、像担持体駆動装置30を画像形成装置1に組み付けた状態で、各駆動軸31A〜34A及び出力軸38の回転ムラを測定し、回転速度変動位相のずれを算出し、回転角に換算した駆動ギヤ31E〜34E、出力ギヤ39の補正量を算出してから、側板37を外すことなく、アイドラギヤ42、43を回動してそれぞれ駆動ギヤ33E、32Eから離間させ、その後、駆動ギヤ31E〜34E、出力ギヤ39及びアイドラギヤ42、43の位相を変更、調整してから、アイドラギヤ42、43を図中矢印方向に回動してそれぞれ駆動ギヤ33E、32Eに噛合させ、位置保持すれば、かかる位相合わせ作業は容易に終了する。
【0055】
像担持体駆動装置30のような感光体駆動系では、高精度で小モジュールのギヤを用いるので、アイドラギヤを組み付ける際、すなわちアイドラギヤの歯と駆動ギヤの歯とを噛み合わせる際に注意を要するが、本実施例の構成によれば、位相合わせ後、アイドラギヤを再度組み付けるときには、アイドラギヤが噛み合うべき複数の駆動ギヤのうちの片方の駆動ギヤ、すなわち本実施例におけるたとえばアイドラギヤ42に対する駆動ギヤ33Eのように、当該アイドラギヤがアイドラギヤ支持部材によって一体化されていない方のギヤとの噛み合わせのみに注意を払うだけでよいから、位相合わせの作業者の負担が大幅に軽減される。
【0056】
図5に示すように、像担持体駆動装置30においては、各駆動ギヤ31E〜34Eのそれぞれに係合し、係合した駆動ギヤの回転位相を調整するための調整ギヤ52を備えることができる。調整ギヤ52は上述の第1ないし第3の実施例の何れにも適用することができるものであって、第1ないし第3の実施例の構成によりアイドラギア42、43の噛合を解除した後に、調整ギヤ52による調整を行なう。
【0057】
調整ギヤ52は、像担持体駆動装置30本体に対して固定であってもよいが、像担持体駆動装置30本体に対して着脱自在とすれば、1つの調整ギヤ52で各駆動ギヤ31E〜34Eのうちのすべてまたは複数の位相を調整することが可能となるとともに、調整作業時のみ調整ギヤ52を取り付けたの時には取り外すことで調整ギヤ52がギヤ列41の駆動を妨げることがないため好ましい。1つの調整ギヤ52で各駆動ギヤ31E〜34Eのうちのすべてまたは複数の位相を調整するには、調整ギヤ52の着脱位置が、位相を調整しようとする各駆動ギヤに対して相対的に一致するようにすればよい。
【0058】
なお、像担持体駆動装置30本体に対して固定とした場合には、各駆動ギヤ31E〜34Eのすべての回転位相を調整するためには、各駆動ギヤ31E〜34Eのすべてに対応した数の調整ギヤが必要となり、一部の駆動ギヤのみの回転位相を調整するためには、調整しようとする駆動ギヤの数に対応した数だけ調整ギヤが必要となる。図5は、調整ギヤ52の着脱位置または固定位置の例を示したものであり、これら位置は図5に示した位置に限るものではない。
【0059】
図6に、調整ギヤ52を像担持体駆動装置30本体に対して着脱自在とし、1つの調整ギヤ52で各駆動ギヤ31E〜34Eのすべての位相を調整する場合の、調整ギヤ52の構成例を示す。図6においては、駆動ギヤ31E〜34Eの位相を調整する場合のうち、駆動ギヤ31Eの位相を調整する場合を代表して示している。図6に示す調整ギヤ52は手動にて駆動されるものである。
【0060】
調整ギヤ52は、つまみ付きギヤであって、手動にて駆動ギヤ31E〜34Eの位相の調整作業を行う作業者が把持するつまみ53と、側板37に形成された孔54に嵌め込み調整ギヤ52の位置決めを行うつば付き軸受け55と、つば付き軸受55を穴に嵌め込み位置決めを行なった状態で駆動ギヤ31E〜34Eに噛合するギヤ56とを有している。アイドラギヤ42、43の噛合を解除した後につまみ53を把持して手動にて駆動し、これを回すことにより、駆動ギヤ31E〜34Eの位相を調整する。この調整作業は、調整が必要な駆動ギヤに対して行なうのみでよい。
【0061】
このように、調整ギヤ52を着脱しつつ調整を行う構成であれば、上述した適切な着脱位置に孔54を設けるのみで、1つの調整ギヤ52で、調整が必要な駆動ギヤのみに対して調整を行なえばよい。また、駆動ギヤ31E〜34Eと調整ギヤ52との歯数比を、36:1とするなど、整数:1とすれば、駆動ギヤ31E〜34Eの位相合わせがさらに容易となる。たとえば、かかる歯数比が36:1のときは、調整ギヤ52を一回転させれば駆動ギヤ31E〜34Eを10°回転させることとなり、調整ギヤ52の回転量により駆動ギヤ31E〜34Eの回転量を知ることができ、調整が容易である。
【0062】
また、調整ギヤ52を駆動するステッピングモータ等の、駆動軸31A〜34Aの駆動源とは別個の図示しない駆動源を用いてもよい。この場合、上述した手動の場合と同様に、この駆動源の駆動量により駆動ギヤ31E〜34Eの回転量を知ることができれば、調整が容易となり、また自動で正確な量の回転量を得られるため好ましい。また、1つの調整ギヤ52によりすべての駆動ギヤ31E〜34Eの位相合わせを行なう場合にはかかる別個の駆動源の数も1つでよい。なお、駆動ギヤ31E〜34Eそれぞれに固定の調整ギヤ52を配設した構成においても、かかる別個の駆動源が調整ギヤ521と別体であれば別個の駆動源の数は1つでよい。
【0063】
以上、本発明を適用した像担持体駆動装置及び画像形成装置を説明したが、出力ギヤは少なくとも1つの駆動ギヤに係合すればよいのであって、像担持体駆動装置30のように2つの駆動ギヤに係合する構成に限らず、像担持体駆動装置60のように1つの駆動ギヤに係合する構成であってもよい。アイドラギヤは、少なくとも2つの駆動ギヤの係合し、係合した駆動ギヤのうちの1つの駆動ギヤの駆動力を他の駆動ギヤに伝達すればよく、たとえば3つの駆動ギヤの係合する構成であってもよい。
【0064】
【発明の効果】
本発明は、並設された複数の像担持体を回転駆動するための像担持体駆動装置であって、複数の像担持体のそれぞれに係合し像担持体を駆動する複数の駆動軸と、駆動源からの駆動力を上記複数の駆動軸のそれぞれに伝達するためのギヤ列とを有し、上記ギヤ列が、上記複数の駆動軸のそれぞれに配設された複数の駆動ギヤと、この複数の駆動ギヤのうちの少なくとも1つに係合して駆動源からの駆動力を係合した駆動ギヤに伝達する出力ギヤと、上記複数の駆動ギヤのうちの少なくとも2つの駆動ギヤに係合し、係合した複数の駆動ギヤのうち、1の駆動ギヤの駆動力を、他の駆動ギヤに伝達するためのアイドラギヤとを有する像担持体駆動装置において、上記アイドラギヤを、上記複数の駆動ギヤのうち同アイドラギアが係合した駆動ギヤのうちの少なくとも1つの駆動ギヤに対して着脱自在としたので、アイドラギヤを、これが係合している駆動ギヤから離脱させることで、駆動ギヤ、出力ギヤ、アイドラギヤの回転方向における累積ピッチ誤差に起因する、これらギヤの噛み合い位置における位相合わせを容易に行なうことができ、像担持体の回転ムラを防止することができる像担持体駆動装置を提供することができる。
【0065】
アイドラギヤを、複数の駆動ギヤのうち同アイドラギアが係合した駆動ギヤの駆動軸の軸方向に変位することで、同アイドラギヤが係合した上記複数の駆動ギヤのうちの少なくとも1つに対して着脱自在としたこととすれば、アイドラギヤを、これが係合している駆動ギヤの駆動軸の軸方向に変位し、同駆動ギヤから離脱させることで、駆動ギヤ、出力ギヤ、アイドラギヤの回転方向における累積ピッチ誤差に起因する、これらギヤの噛み合い位置における位相合わせを容易に行なうことができ、像担持体の回転ムラを防止することができる像担持体駆動装置を提供することができる。
【0066】
アイドラギヤを、複数の駆動ギヤのうち同アイドラギヤが係合すべき上記駆動ギヤに係合する位置に向けて付勢するための付勢手段を有することとすれば、ギア列を分解することなく、アイドラギヤを、これが係合している駆動ギヤから離脱させることで、駆動ギヤ、出力ギヤ、アイドラギヤの回転方向における累積ピッチ誤差に起因する、これらギヤの噛み合い位置における位相合わせを容易に行なうことができ、像担持体の回転ムラを防止することができるとともに、アイドラギヤの、これが係合すべき駆動ギヤへの係合状態への復帰が容易であり、かかる位相合わせ作業が極めて容易な像担持体駆動装置を提供することができる。
【0067】
アイドラギヤを、同アイドラギヤが係合した複数の駆動ギヤのうちの1の駆動ギヤの駆動軸を中心に回動させることで、同アイドラギヤが係合した上記複数の駆動ギヤのうちの他の駆動ギヤに対して着脱自在とするためのアイドラギヤ支持部材を有することとすれば、ギア列を分解することなく、アイドラギヤを、これが係合している1の駆動ギヤから離脱させることで、駆動ギヤ、出力ギヤ、アイドラギヤの回転方向における累積ピッチ誤差に起因する、これらギヤの噛み合い位置における位相合わせを容易に行なうことができ、像担持体の回転ムラを防止することができるとともに、アイドラギヤの、これが係合すべき駆動ギヤへの係合状態への復帰が容易であり、かかる位相合わせ作業が極めて容易な像担持体駆動装置を提供することができる。
【0068】
複数の駆動ギヤのそれぞれに係合し、係合した駆動ギヤの回転位相を調整するための調整ギヤを有することとすれば、調整ギヤにより、駆動ギヤ、出力ギヤ、アイドラギヤの回転方向における累積ピッチ誤差に起因する、これらギヤの噛み合い位置における位相合わせを、駆動ギヤの回転位相を容易に調整することにより行なうことができ、像担持体の回転ムラを防止することができる像担持体駆動装置を提供することができる。
【0069】
調整ギヤが、像担持体駆動装置本体に対して着脱自在であることとすれば、駆動ギヤ、出力ギヤ、アイドラギヤの回転方向における累積ピッチ誤差に起因する、これらギヤの噛み合い位置における位相合わせを行なうべきときにのみ、調整ギヤを像担持体駆動装置本体に取り付け、かかる調整作業を行なうことができる像担持体駆動装置を提供することができる。
【0070】
調整ギヤが、複数の駆動ギアのすべての回転位相を調整することとすれば、各駆動ギヤの回転位相を調整するための調整ギヤを共通化し、調整ギヤにより、駆動ギヤ、出力ギヤ、アイドラギヤの回転方向における累積ピッチ誤差に起因する、これらギヤの噛み合い位置における位相合わせを、低コストで、駆動ギヤの回転位相を容易に調整することにより行なうことができ、像担持体の回転ムラを防止することができる像担持体駆動装置を提供することができる。
【0071】
調整ギヤが複数の駆動ギヤのそれぞれに対応して配設されることとすれば、各駆動ギヤの回転位相を調整するための調整ギヤを、各駆動ギヤごとに専用化し、調整ギヤにより、駆動ギヤ、出力ギヤ、アイドラギヤの回転方向における累積ピッチ誤差に起因する、これらギヤの噛み合い位置における位相合わせを、各駆動ギヤの特性に応じて、駆動ギヤの回転位相を容易に調整することにより行なうことができ、像担持体の回転ムラを防止することができる像担持体駆動装置を提供することができる。
【0072】
調整ギヤを手動にて駆動することとすれば、調整ギヤにより、駆動ギヤ、出力ギヤ、アイドラギヤの回転方向における累積ピッチ誤差に起因する、これらギヤの噛み合い位置における位相合わせを、駆動ギヤの回転位相を調整ギヤを用いて簡易に調整することにより行なうことができ、像担持体の回転ムラを防止することができる像担持体駆動装置を提供することができる。
【0073】
調整ギヤを駆動するための、複数の駆動軸を駆動するための駆動源とは別個の駆動源を有することとすれば、調整ギヤにより、駆動ギヤ、出力ギヤ、アイドラギヤの回転方向における累積ピッチ誤差に起因する、これらギヤの噛み合い位置における位相合わせを、駆動ギヤの回転位相を別個の駆動源により調整ギヤを用いて正確に調整することにより行なうことができ、像担持体の回転ムラを防止することができる像担持体駆動装置を提供することができる。
【0074】
本発明は、請求項1ないし10の何れか1つに記載の像担持体駆動装置と、この像担持体駆動装置によって回転駆動される並設された複数の像担持体とを有する画像形成装置にあるので、上述の各効果を奏する像担持体駆動装置を有し、像担持体の回転の位相が容易に調整され、良好な画像形成を行なうのに好適であるとともに、大型化、高価格化を抑制した画像形成装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した画像形成装置の概略を示す正面図である。
【図2】図1に示した画像形成装置に搭載された像担持体駆動装置の第1の実施例の要部を示す平断面図である。
【図3】図1に示した画像形成装置に搭載された像担持体駆動装置の第2の実施例の要部を示す平断面図である。
【図4】図1に示した画像形成装置に搭載された像担持体駆動装置の第3の実施例の要部を示す正面図である。
【図5】図1に示した画像形成装置に搭載された像担持体駆動装置の概略を示す正面図である。
【図6】図5に示した調整ギヤの構成を示す平断面図である。
【図7】従来の像担持体駆動装置の平断面図である。
【図8】図7に示した像担持体駆動装置の正面図である。
【図9】図7に示した像担持体駆動装置の斜視図である。
【図10】図7に示した像担持体駆動装置の画像形成装置本体への装着の様子を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 画像形成装置
1A〜4A 像担持体
30 像担持体駆動装置
31A〜34A 駆動軸
31E〜34E 駆動ギヤ
35 駆動源
39 出力ギヤ
41 ギヤ列
42、43 アイドラギヤ
50 付勢手段
51 アイドラギヤ支持部材
52 調整ギヤ
【発明の属する技術分野】
本発明は、複写機、ファクシミリ、プリンタ等の画像形成装置に搭載される複数の像担持体を回転駆動するための像担持体駆動装置及びこれを搭載するかかる画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
複写機、ファクシミリ、プリンタ等の画像形成装置であって、複数色の画像を形成する等のため、複数の像担持体を並設された画像形成装置においては、かかる複数の像担持体を回転駆動するための像担持体駆動装置が備えられている。かかる像担持体駆動装置には種々あり、〔特許文献1〕、〔特許文献2〕において開示されているように、各像担持体を独立したモータで駆動するタイプのもの、また、1つのモータによりすべての像担持体を駆動するタイプのものがある。
【0003】
何れのタイプの像担持体駆動装置により像担持体を回転駆動する場合でも、各像担持体相互間に回転ムラが発生すると、色ずれや濃度ムラが生じ、画像品質の劣化を招くこととなる。したがって、〔特許文献1〕、〔特許文献2〕においては、各モータの駆動を制御してかかる回転ムラを防止する技術が提案されている。しかし、各像担持体を独立したモータで駆動する像担持体駆動装置には、そもそも、装置の大型化、高価格化という問題があり、この点において、1つのモータすなわち駆動源によりすべての像担持体を駆動するタイプの像担持体駆動装置が優れている。
【0004】
このタイプの像担持体駆動装置は、像担持体に係合し像担持体を駆動する駆動軸と、駆動軸上に設けられた駆動ギヤと、駆動ギヤにモータ等の駆動源からの駆動力を伝達する出力ギヤと、駆動ギヤに噛み合い他の駆動ギヤに駆動力を伝達するアイドラギヤと、駆動軸及びこれらのギヤを固定しユニット化する側板とを有しているものが一般的である。
【0005】
このタイプの像担持体駆動装置においては、像担持体の回転ムラを低減するためには、像担持体を回転駆動するための駆動軸の回転ぶれをなくすとともに、駆動軸相互間の位置精度、駆動軸相互間の平行度を厳密に設定する必要があり、またこれと併せて、上述した各ギヤの回転角度を調整し、ギヤの偏心やギヤの回転方向における累積ピッチ誤差に起因する回転速度変動を解消して各像担持体相互間の回転の位相を合わせる必要がある。
【0006】
かかる位相を合わせる方法としては、ユニット化された像担持体駆動装置を画像形成装置に組み付けた状態で、各駆動軸の回転ムラを測定し、回転速度変動位相のずれを算出し、回転角に換算した駆動ギヤの補正量を算出してから、ギヤの回転角度を調整する方法が一般的である。
【0007】
【特許文献1】
特開2001−188395号公報
【特許文献2】
特開2001−305820号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかし従来の構成の像担持体駆動装置において、このような方法で位相を合わせる場合には、かかる補正量の算出後、まず側板を外し、駆動ギヤ、出力ギヤ、アイドラギヤによって構成されたギヤ列をばらして、駆動軸とこの軸上の駆動ギヤの回転角度を調整して後、再度、ギヤ列及び側板を組み直すこととなり、少なくともアイドラギヤと出力ギヤと側板を取り外し、組み直す作業や、一度行なった各駆動軸の回転ぶれ調整及び各駆動軸相互間の平行度の調整を、再度行なう必要があり、像担持体の回転ムラ防止、及び位相合わせのための作業が非常に煩雑であった。
【0009】
本発明は、容易に位相合わせを行ない像担持体の回転ムラを防止するための構成を備えた像担持体駆動装置及びこれを備えた画像形成装置の提供を目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1記載の発明は、並設された複数の像担持体を回転駆動するための像担持体駆動装置であって、複数の像担持体のそれぞれに係合し像担持体を駆動する複数の駆動軸と、駆動源からの駆動力を上記複数の駆動軸のそれぞれに伝達するためのギヤ列とを有し、上記ギヤ列が、上記複数の駆動軸のそれぞれに配設された複数の駆動ギヤと、この複数の駆動ギヤのうちの少なくとも1つに係合して駆動源からの駆動力を係合した駆動ギヤに伝達する出力ギヤと、上記複数の駆動ギヤのうちの少なくとも2つの駆動ギヤに係合し、係合した複数の駆動ギヤのうち、1の駆動ギヤの駆動力を、他の駆動ギヤに伝達するためのアイドラギヤとを有する像担持体駆動装置において、上記アイドラギヤを、上記複数の駆動ギヤのうち同アイドラギアが係合した駆動ギヤのうちの少なくとも1つの駆動ギヤに対して着脱自在としたことを特徴とする。
【0011】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の像担持体駆動装置において、上記アイドラギヤを、上記複数の駆動ギヤのうち同アイドラギアが係合した駆動ギヤの駆動軸の軸方向に変位することで、同アイドラギヤが係合した上記複数の駆動ギヤのうちの少なくとも1つに対して着脱自在としたことを特徴とする。
【0012】
請求項3記載の発明は、請求項2記載の像担持体駆動装置において、上記アイドラギヤを、上記複数の駆動ギヤのうち同アイドラギヤが係合すべき上記駆動ギヤに係合する位置に向けて付勢するための付勢手段を有することを特徴とする。
【0013】
請求項4記載の発明は、請求項1記載の像担持体駆動装置において、上記アイドラギヤを、同アイドラギヤが係合した上記複数の駆動ギヤのうちの1の駆動ギヤの駆動軸を中心に回動させることで、同アイドラギヤが係合した上記複数の駆動ギヤのうちの他の駆動ギヤに対して着脱自在とするためのアイドラギヤ支持部材を有することを特徴とする。
【0014】
請求項5記載の発明は、請求項1ないし4の何れか1つに記載の像担持体駆動装置において、上記複数の駆動ギヤのそれぞれに係合し、係合した駆動ギヤの回転位相を調整するための調整ギヤを有することを特徴とする。
【0015】
請求項6記載の発明は、請求項5記載の像担持体駆動装置において、上記調整ギヤは、像担持体駆動装置本体に対して着脱自在であることを特徴とする。
【0016】
請求項7記載の発明は、請求項5または6記載の像担持体駆動装置において、上記調整ギヤは、上記複数の駆動ギアのすべての回転位相を調整することを特徴とする。
【0017】
請求項8記載の発明は、請求項5または6記載の像担持体駆動装置において、上記調整ギヤは上記複数の駆動ギヤのそれぞれに対応して配設されることを特徴とする。
【0018】
請求項9記載の発明は、請求項5ないし8の何れか1つに記載の像担持体駆動装置において、上記調整ギヤを手動にて駆動することを特徴とする。
【0019】
請求項10記載の発明は、請求項5ないし8の何れか1つに記載の像担持体駆動装置において、上記調整ギヤを駆動するための、上記複数の駆動軸を駆動するための駆動源とは別個の駆動源を有することを特徴とする。
【0020】
請求項11記載の発明は、請求項1ないし10の何れか1つに記載の像担持体駆動装置と、この像担持体駆動装置によって回転駆動される並設された複数の像担持体とを有する画像形成装置にある。
【0021】
【実施例】
図1に本発明を適用した、カラー画像を形成可能な画像形成装置の概略を示す。画像形成装置1は、複写機であるが、ファクシミリ、プリンタ、複写機とプリンタとの複合機等、他の画像形成装置であっても良い。画像形成装置1が、プリンタ、ファクシミリ等として用いられる場合には、外部から受信した画像情報に対応する画像信号に基づき画像形成処理を行なう。画像形成装置1は、一般にコピー等に用いられる普通紙の他、OHPシートや、カード、ハガキ等の厚紙や、封筒等の何れをもシート状の記録媒体Sとして画像形成を行なうことが可能である。
【0022】
画像形成装置1は、イエロー、シアン、マゼンタ、ブラックの各色に色分解された色にそれぞれ対応する画像を形成可能な複数の像担持体としての感光体ドラム1A、2A、3A、4Aを並設したタンデム構造が用いられており、各感光体ドラム1A、2A、3A、4Aに形成された可視像が各感光体ドラム1A、2A、3A、4Aに対峙しながら移動可能な転写ベルト5によって搬送される記録媒体である転写紙Sにそれぞれ重畳転写されるようになっている。
【0023】
一つの感光体ドラム1A及びその周りに配設された構成を代表して画像形成処理に係る構成を説明する。なお、他の感光体ドラム2A〜4Aに関しても同様な構成であるので、便宜上、感光体ドラム1A及びその周りに配設した構成に付した符号に対応する符号を、感光体ドラム2A〜4A及びその周りに配設した対応する構成に付し、詳細な説明については適宜省略する。
【0024】
感光体ドラム1Aの周囲には、矢印で示す回転方向に沿って画像形成処理を実行するためにコロトロンあるいはスコトロトン等の構成を用いた帯電装置1B、レーザ光源からのレーザー光を用いる光走査装置20、現像装置1Dおよびクリーニング装置1Eがそれぞれ配置されている。
【0025】
現像装置1D〜4Dの配列は、図1において転写ベルト5の展張部における右側からイエロー、シアン、マゼンタおよびブラックのトナーを供給できる順序となっている。帯電装置1Bには、図1に示した例では、ローラを用いているが、帯電装置1Bは、ローラを用いた接触式に限らず、放電ワイヤを用いたコロナ放電式を用いることも可能である。
【0026】
画像形成装置1では、帯電装置1B、光走査装置20、現像装置1Dおよびクリーニング装置1E等が配置されている画像形成部の上部に原稿読み取り部6が配置されており、原稿載置台6A上に載置された原稿を読み取り装置7によって読みとった画像情報を図示しない画像処理制御部に出力し、光走査装置20に対する書き込み情報が得られるようになっている。
【0027】
読み取り装置7は、原稿載置台6A上に載置されている原稿を走査するための光源7Aおよび原稿からの反射光を色分解毎の色に対応して設けられているCCD7Bに結像させるための複数の反射鏡7Cと結像レンズ7Dとを備えており、色分解毎の光強度に応じた画像情報が各CCD7Bから画像処理制御部に出力される。
【0028】
転写ベルト5は、複数のローラに掛け回されたポリエステルフィルムなどの誘電体で構成された部材であり、展張部分の一つが各感光体ドラム1A〜4Aに対峙し、各感光体ドラム1A〜4Aとの対峙位置内側には、転写装置8A、8B、8C、8Dが配置されている。転写ベルト5に対しては、レジストローラ9を介して給紙装置10の給紙カセット10A内から繰り出された記録媒体Sが給送され、記録媒体Sが転写ベルト5に対して転写装置8Aからのコロナ放電により静電吸着されて搬送される。転写装置8A〜8Dは、正極のコロナ放電を用いて感光体ドラム1A〜4Aに担持されている画像を記録媒体Sに向けて静電吸着させる特性とされている。
【0029】
各感光体ドラム1A〜4Aからの画像転写が終了した記録媒体Sが移動する位置には記録媒体Sの分離装置11が、また、展張部分の今一つの部分にはベルトを挟んで対向する除電装置12が配置されている。なお、図1中、符号13は、転写ベルト5に残存しているトナーを除去するクリーニング装置を示している。
【0030】
分離装置11は、記録媒体Sの上面から負極性のACコロナ放電を行うことにより記録媒体Sに蓄積している電荷を中和して静電的な吸着状態を解除することにより転写ベルト5の曲率を利用した分離を可能にすると共に分離の際の剥離放電によるトナーチリの発生を防止するようになっている。また、除電装置12は、転写ベルト5の表裏両面から転写装置8A〜8Dによる帯電特性と逆極性となる負極性のACコロナ放電を行うことにより転写ベルト5の蓄積電荷を中和して電気的初期化を行うようになっている。
【0031】
各感光体ドラム1A〜4Aでは、帯電装置1B〜4Bによって感光体ドラム1A〜4Aの表面が一様帯電され、原稿読み取り部6における読み取り装置7によって読み取られた色分解色毎の画像情報に基づき書き込み装置1C〜4Cを用いて感光体ドラム1A〜4Aに静電潜像が形成され、該静電潜像が現像装置1D〜4Dから供給される色分解色に対応する補色関係を有する色のトナーにより可視像処理されたうえで、転写ベルト5に担持されて搬送される記録媒体Sに対して転写装置8A〜8Dを介して静電転写される。
【0032】
各感光体ドラム1A〜4Aに担持された色分解毎の画像が転写された記録媒体Sは、除電装置11により除電された上で転写ベルト5の曲率を利用して曲率分離された後に定着装置14に移動して未定着画像中のトナーが定着され、画像形成装置1本体外部の図示しない排紙トレイ上に排出される。
【0033】
画像形成装置1は、図2ないし図6に沿って後に説明する、感光体ドラム1A〜4Aを回転駆動するための像担持体駆動装置30を有しているが、まず、図7ないし図10に沿って、従来の像担持体駆動装置60を説明し、その後、像担持体駆動装置30の構成であって像担持体駆動装置60と異なる構成を説明する。像担持体駆動装置60と同様の構成については説明を省略するが、かかる構成は単に説明を省略するだけであり、像担持体駆動装置30に備えられているものであって、本実施例を構成するものである。なお像担持体駆動装置60は、本実施例における感光体ドラム1A〜4Aを回転駆動するものとして説明する。
【0034】
図7ないし図10に示すように、像担持体駆動装置60は、駆動源としての1つのモータ35の駆動力によって感光体ドラム1A〜4Aを回転駆動するものであって、かかるモータ35と、感光体ドラム1A〜4Aのそれぞれに係合し感光体ドラム1A〜4Aをそれぞれ駆動する駆動軸31A〜34Aと、モータ35からの駆動力を駆動軸31A〜34Aのそれぞれに伝達するためのギヤ列61とを有している。
【0035】
駆動軸31A〜34Aは、平板状をなし感光体ドラム1A〜4A側に位置する側板36と、断面がコ字状を有し側板36に被せるように一体化された側板37とに支持されている。駆動軸31A〜34Aはそれぞれ、その先端部が軸受31B〜34Bを介して側板36に支持されており、またその後端部が軸受31C〜34Cを介して側板37に支持されている。
【0036】
駆動軸31A〜34Aはそれぞれ、その先端に感光体ドラム1A〜4Aに係合する係合部としてのカップリング31D〜34Dを有している。カップリング31D〜34Dは、側板36、37によって囲まれる空間の外側に位置している。モータ35は側板37に取り付けられており、モータ35の出力軸38は、側板36、37によって囲まれる空間の内側に位置している。
【0037】
ギヤ列61は、ほぼ全体が、側板36、37によって囲まれる空間の内側に位置している。ギヤ列61は、各駆動軸31A〜34Aのそれぞれに配設された駆動ギヤ31E〜34Eと、出力軸38上に配設され駆動ギヤ32Eに係合しモータ35からの駆動力を駆動ギヤ32Eに伝達する出力ギヤ39と、駆動ギヤ32E及び駆動ギヤ31Eに係合し駆動ギヤ32Eの駆動力を駆動ギヤ31Eに伝達するアイドラギヤ62と、駆動ギヤ32E及び駆動ギヤ33Eに係合し駆動ギヤ32Eの駆動力を駆動ギヤ33Eに伝達するアイドラギヤ63と、駆動ギヤ33E及び駆動ギヤ34Eに係合し駆動ギヤ33Eの駆動力を駆動ギヤ34Eに伝達するアイドラギヤ64とを有している。
【0038】
像担持体駆動装置60は、モータ35とともにユニット化され像担持体駆動ユニット65を構成しており、図10に示すように、像担持体駆動ユニット65は、画像形成装置1本体側の本体フレーム19に対し一体で着脱される。像担持体駆動装置60は、以上の構成により各感光体1A〜4Aを同速で回転駆動するべく構成されている。
【0039】
像担持体駆動装置60においては側板36が本体フレーム19に対し基準面となっている。そして、駆動軸31A〜34Aがかかる基準面に対しそれぞれ直角となり、且つ駆動軸31A〜34Aが互いに平行となるよう、組立治具等を用いて側板36と側板37とを合わせることにより組み立てられる。またこの組み立ては、駆動ギヤ31E〜34Eの位相を合わせ、回転ムラがないように行なわれる。
【0040】
このように調整されて完成した像担持体駆動ユニット65が上述のように本体フレーム19に組み付けられるのであるが、すでに述べたように、各感光体ドラム1A〜4Aの回転の位相を厳密に合わせるには、像担持体駆動装置60を画像形成装置1に組み付けた状態で、各駆動軸31A〜34A及び出力軸38の回転ムラを測定し、回転速度変動位相のずれを算出し、回転角に換算した駆動ギヤ31E〜34E、出力ギヤ39の補正量を算出してから、側板37を外し、ギヤ列61をばらして、駆動ギヤ31E〜34E、出力ギヤ39及びアイドラギヤ62〜64の位相を変更、調整してからギヤ列61及び側板37を組み立てなおす必要があったため、作業が非常に煩雑であった。
【0041】
そこで、像担持体駆動装置30は、像担持体駆動装置60と異なる構成を有している。以下は像担持体駆動装置30の構成であって像担持体駆動装置60の構成と異なる構成を主に説明する。図2ないし図4にそれぞれ示すように、像担持体駆動装置30においては、各アイドラギヤを、これが係合した駆動ギヤのうち少なくとも1つの駆動ギヤに対して着脱自在としている。
【0042】
なお、像担持体駆動装置30は、モータ35とともにユニット化され像担持体駆動ユニットを構成しており、像担持体駆動ユニット65と同様に、図10に示したと同様に、画像形成装置1本体側の本体フレーム19に対し一体で着脱される。ここで、図10においては、感光体ドラム1A〜4Aが斜め方向に並設される構成を想定し、これに合うように像担持体駆動ユニット65が取り付けられるが、本実施例においては感光体ドラム1A〜4Aは図1に示すようにほぼ水平方向に並設され、したがって像担持体駆動装置30及びこれを有する像担持体駆動ユニットはこれに合うように取り付けられる。
【0043】
図5に示すように、像担持体駆動装置30は、モータ35からの駆動力を駆動軸31A〜34Aのそれぞれに伝達するためのギヤ列41を有している。ギヤ列41は、上述のギヤ列61に比して、出力ギヤ及びアイドラギヤの噛合、配置において主に相違している。すなわち、ギヤ列41に備えられた出力ギヤ39は、駆動ギヤ33E及び34Eに係合しモータ35からの駆動力を駆動ギヤ33E及び34Eに伝達する。また、ギヤ列41に備えられたアイドラギヤは、駆動ギヤ33E及び駆動ギヤ32Eに係合し駆動ギヤ33Eの駆動力を駆動ギヤ32Eに伝達するアイドラギヤ42と、駆動ギヤ32E及び駆動ギヤ31Eに係合し駆動ギヤ32Eの駆動力を駆動ギヤ31Eに伝達するアイドラギヤ43とで構成されている。
【0044】
すでに述べたように、像担持体駆動装置30においては、各アイドラギヤが、これが係合した駆動ギヤのうち少なくとも1つの駆動ギヤに対して着脱自在であるが、この構成はアイドラギヤ42とアイドラギヤ43とで同様であるので、以下各実施例においてはアイドラギヤ42に関する構成を代表して説明する。
【0045】
図2はかかる構成の第1の実施例を示している。アイドラギヤ42は、像担持体駆動装置30に対して、ギヤ列41から単独で着脱されるようになっている。側板37には、アイドラギヤ42が挿脱可能な径の孔44と、孔44の周囲に位置するネジ孔45とが形成されている。側板36には、アイドラギヤ42を回転自在に支持する軸42aの先端部に形成されたボス部42bが係合する孔46が形成されている。アイドラギヤ42には、軸42aの基部42cを介して支持板47が一体化されている。支持板47には、ネジ孔45と連通するネジ孔48が形成されている。
【0046】
しかして、アイドラギヤ42を、孔44を通過させて、側板36と側板37とで囲まれた空間内に挿入し、ボス部42bを孔46に挿入し、ネジ49をネジ孔48、45に挿入して、支持板47を側板37に対してねじ止めすると、アイドラギヤ42と、駆動ギヤ32E及び33Eとが噛合する。この状態で軸42aは駆動軸32A及び33Aと平行をなす。またこの逆の動作によりアイドラギヤ42は独立してギヤ列41から離脱する。
【0047】
よって、各感光体ドラム1A〜4Aの回転の位相を合わせる際には、像担持体駆動装置30を画像形成装置1に組み付けた状態で、各駆動軸31A〜34A及び出力軸38の回転ムラを測定し、回転速度変動位相のずれを算出し、回転角に換算した駆動ギヤ31E〜34E、出力ギヤ39の補正量を算出してから、側板37を外すことなく、ネジ49を外せば、アイドラギヤ42、43をギヤ列61から離脱でき、その後、駆動ギヤ31E〜34E、出力ギヤ39及びアイドラギヤ42、43の位相を変更、調整してから、アイドラギヤ42、43を駆動ギヤ32Eおよび33Eと噛合する所定の位置に位置決めし、ネジ49を締結するのみで、かかる位相合わせ作業は容易に終了する。
【0048】
図3に第2の実施例を示す。アイドラギヤ42は、駆動軸32A、33Aの軸方向に変位することで、駆動ギヤ32E、33Eに対して係脱し、ギヤ列41から単独で着脱されるようになっている。アイドラギヤ42の軸42aは、駆動軸32A及び33Aと平行をなすように、側板36と側板37との間で支持されている。
【0049】
軸42aの一端には付勢手段としてのバネ50が巻き付けられている。バネ50の一端面は側板36の内面に当接し、他端面はアイドラギヤ42の一端面42eに当接しており、バネ50はアイドラギヤ42を側板36から離間する図中矢印の方向に付勢している。軸42aの他端には突き当て部42dが形成されており、バネ50に外力を加えない状態においては、アイドラギヤ42は、その他端面42fが突き当て部42dに係合した位置で位置決めされ、この位置において駆動ギヤ32Eおよび33Eと噛合する。
【0050】
このように、バネ50は、アイドラギヤ42を、これが係合すべき駆動ギヤ32E及び33Eに係合する位置に向けて付勢している。その一方で、アイドラギヤ42を把持してバネ50の付勢力に抗して側板36に向けて変位するようにスライドさせれば、駆動ギヤ32Eおよび33Eとの噛合は解除される。
【0051】
よって、各感光体ドラム1A〜4Aの回転の位相を合わせる際には、像担持体駆動装置30を画像形成装置1に組み付けた状態で、各駆動軸31A〜34A及び出力軸38の回転ムラを測定し、回転速度変動位相のずれを算出し、回転角に換算した駆動ギヤ31E〜34E、出力ギヤ39の補正量を算出してから、側板37を外すことなく、アイドラギヤ42、43をバネ50の付勢力に抗して側板36に向けて変位させれば、アイドラギヤ42、43をギヤ列61から離脱でき、その後、駆動ギヤ31E〜34E、出力ギヤ39及びアイドラギヤ42、43の位相を変更、調整してから、アイドラギヤ42、43の拘束を解けば、アイドラギヤ42、43は図中矢印で示すように変位して駆動ギヤ32Eおよび33Eと噛合する所定の位置に自動的に復帰し、かかる位相合わせ作業は容易に終了する。
【0052】
図4に第3の実施例を示す。第1、第2の実施例は、アイドラギヤ42を、これが係合すべき駆動ギヤ32E及び33Eの両者に対して、係脱させる構成であったが、第3の実施例においては、一方の駆動ギヤ33Eに対しては係脱するが、他方の駆動ギヤ32Eに対しては噛合した状態を保つようになっている。
【0053】
アイドラギヤ42は、軸42aを介して、軸32Aに回転自在に支持されたアイドラギヤ支持部材としてのブラケット51に回転自在に支持されている。ブラケット51は、アイドラギヤ42と駆動ギヤ32Eとの噛合を保ったまま、アイドラギヤ42を、軸32Aを中心に回動させるものであり、アイドラギヤ42の回動の際、軸42aと軸32Aとの軸間距離を一定に保つ。アイドラギヤ42を、軸32Aを中心に回動させることで、駆動ギヤ32Eとの噛合を保ったまま、駆動ギヤ33Eに係脱させるようになっている。なお、図示しない位置保持部材により、アイドラギヤ42は、駆動ギヤ32Eと噛合した位置、または駆動ギヤ32Eから離脱した位置において位置決めし、その状態を保持できるようになっている。
【0054】
よって、各感光体ドラム1A〜4Aの回転の位相を合わせる際には、像担持体駆動装置30を画像形成装置1に組み付けた状態で、各駆動軸31A〜34A及び出力軸38の回転ムラを測定し、回転速度変動位相のずれを算出し、回転角に換算した駆動ギヤ31E〜34E、出力ギヤ39の補正量を算出してから、側板37を外すことなく、アイドラギヤ42、43を回動してそれぞれ駆動ギヤ33E、32Eから離間させ、その後、駆動ギヤ31E〜34E、出力ギヤ39及びアイドラギヤ42、43の位相を変更、調整してから、アイドラギヤ42、43を図中矢印方向に回動してそれぞれ駆動ギヤ33E、32Eに噛合させ、位置保持すれば、かかる位相合わせ作業は容易に終了する。
【0055】
像担持体駆動装置30のような感光体駆動系では、高精度で小モジュールのギヤを用いるので、アイドラギヤを組み付ける際、すなわちアイドラギヤの歯と駆動ギヤの歯とを噛み合わせる際に注意を要するが、本実施例の構成によれば、位相合わせ後、アイドラギヤを再度組み付けるときには、アイドラギヤが噛み合うべき複数の駆動ギヤのうちの片方の駆動ギヤ、すなわち本実施例におけるたとえばアイドラギヤ42に対する駆動ギヤ33Eのように、当該アイドラギヤがアイドラギヤ支持部材によって一体化されていない方のギヤとの噛み合わせのみに注意を払うだけでよいから、位相合わせの作業者の負担が大幅に軽減される。
【0056】
図5に示すように、像担持体駆動装置30においては、各駆動ギヤ31E〜34Eのそれぞれに係合し、係合した駆動ギヤの回転位相を調整するための調整ギヤ52を備えることができる。調整ギヤ52は上述の第1ないし第3の実施例の何れにも適用することができるものであって、第1ないし第3の実施例の構成によりアイドラギア42、43の噛合を解除した後に、調整ギヤ52による調整を行なう。
【0057】
調整ギヤ52は、像担持体駆動装置30本体に対して固定であってもよいが、像担持体駆動装置30本体に対して着脱自在とすれば、1つの調整ギヤ52で各駆動ギヤ31E〜34Eのうちのすべてまたは複数の位相を調整することが可能となるとともに、調整作業時のみ調整ギヤ52を取り付けたの時には取り外すことで調整ギヤ52がギヤ列41の駆動を妨げることがないため好ましい。1つの調整ギヤ52で各駆動ギヤ31E〜34Eのうちのすべてまたは複数の位相を調整するには、調整ギヤ52の着脱位置が、位相を調整しようとする各駆動ギヤに対して相対的に一致するようにすればよい。
【0058】
なお、像担持体駆動装置30本体に対して固定とした場合には、各駆動ギヤ31E〜34Eのすべての回転位相を調整するためには、各駆動ギヤ31E〜34Eのすべてに対応した数の調整ギヤが必要となり、一部の駆動ギヤのみの回転位相を調整するためには、調整しようとする駆動ギヤの数に対応した数だけ調整ギヤが必要となる。図5は、調整ギヤ52の着脱位置または固定位置の例を示したものであり、これら位置は図5に示した位置に限るものではない。
【0059】
図6に、調整ギヤ52を像担持体駆動装置30本体に対して着脱自在とし、1つの調整ギヤ52で各駆動ギヤ31E〜34Eのすべての位相を調整する場合の、調整ギヤ52の構成例を示す。図6においては、駆動ギヤ31E〜34Eの位相を調整する場合のうち、駆動ギヤ31Eの位相を調整する場合を代表して示している。図6に示す調整ギヤ52は手動にて駆動されるものである。
【0060】
調整ギヤ52は、つまみ付きギヤであって、手動にて駆動ギヤ31E〜34Eの位相の調整作業を行う作業者が把持するつまみ53と、側板37に形成された孔54に嵌め込み調整ギヤ52の位置決めを行うつば付き軸受け55と、つば付き軸受55を穴に嵌め込み位置決めを行なった状態で駆動ギヤ31E〜34Eに噛合するギヤ56とを有している。アイドラギヤ42、43の噛合を解除した後につまみ53を把持して手動にて駆動し、これを回すことにより、駆動ギヤ31E〜34Eの位相を調整する。この調整作業は、調整が必要な駆動ギヤに対して行なうのみでよい。
【0061】
このように、調整ギヤ52を着脱しつつ調整を行う構成であれば、上述した適切な着脱位置に孔54を設けるのみで、1つの調整ギヤ52で、調整が必要な駆動ギヤのみに対して調整を行なえばよい。また、駆動ギヤ31E〜34Eと調整ギヤ52との歯数比を、36:1とするなど、整数:1とすれば、駆動ギヤ31E〜34Eの位相合わせがさらに容易となる。たとえば、かかる歯数比が36:1のときは、調整ギヤ52を一回転させれば駆動ギヤ31E〜34Eを10°回転させることとなり、調整ギヤ52の回転量により駆動ギヤ31E〜34Eの回転量を知ることができ、調整が容易である。
【0062】
また、調整ギヤ52を駆動するステッピングモータ等の、駆動軸31A〜34Aの駆動源とは別個の図示しない駆動源を用いてもよい。この場合、上述した手動の場合と同様に、この駆動源の駆動量により駆動ギヤ31E〜34Eの回転量を知ることができれば、調整が容易となり、また自動で正確な量の回転量を得られるため好ましい。また、1つの調整ギヤ52によりすべての駆動ギヤ31E〜34Eの位相合わせを行なう場合にはかかる別個の駆動源の数も1つでよい。なお、駆動ギヤ31E〜34Eそれぞれに固定の調整ギヤ52を配設した構成においても、かかる別個の駆動源が調整ギヤ521と別体であれば別個の駆動源の数は1つでよい。
【0063】
以上、本発明を適用した像担持体駆動装置及び画像形成装置を説明したが、出力ギヤは少なくとも1つの駆動ギヤに係合すればよいのであって、像担持体駆動装置30のように2つの駆動ギヤに係合する構成に限らず、像担持体駆動装置60のように1つの駆動ギヤに係合する構成であってもよい。アイドラギヤは、少なくとも2つの駆動ギヤの係合し、係合した駆動ギヤのうちの1つの駆動ギヤの駆動力を他の駆動ギヤに伝達すればよく、たとえば3つの駆動ギヤの係合する構成であってもよい。
【0064】
【発明の効果】
本発明は、並設された複数の像担持体を回転駆動するための像担持体駆動装置であって、複数の像担持体のそれぞれに係合し像担持体を駆動する複数の駆動軸と、駆動源からの駆動力を上記複数の駆動軸のそれぞれに伝達するためのギヤ列とを有し、上記ギヤ列が、上記複数の駆動軸のそれぞれに配設された複数の駆動ギヤと、この複数の駆動ギヤのうちの少なくとも1つに係合して駆動源からの駆動力を係合した駆動ギヤに伝達する出力ギヤと、上記複数の駆動ギヤのうちの少なくとも2つの駆動ギヤに係合し、係合した複数の駆動ギヤのうち、1の駆動ギヤの駆動力を、他の駆動ギヤに伝達するためのアイドラギヤとを有する像担持体駆動装置において、上記アイドラギヤを、上記複数の駆動ギヤのうち同アイドラギアが係合した駆動ギヤのうちの少なくとも1つの駆動ギヤに対して着脱自在としたので、アイドラギヤを、これが係合している駆動ギヤから離脱させることで、駆動ギヤ、出力ギヤ、アイドラギヤの回転方向における累積ピッチ誤差に起因する、これらギヤの噛み合い位置における位相合わせを容易に行なうことができ、像担持体の回転ムラを防止することができる像担持体駆動装置を提供することができる。
【0065】
アイドラギヤを、複数の駆動ギヤのうち同アイドラギアが係合した駆動ギヤの駆動軸の軸方向に変位することで、同アイドラギヤが係合した上記複数の駆動ギヤのうちの少なくとも1つに対して着脱自在としたこととすれば、アイドラギヤを、これが係合している駆動ギヤの駆動軸の軸方向に変位し、同駆動ギヤから離脱させることで、駆動ギヤ、出力ギヤ、アイドラギヤの回転方向における累積ピッチ誤差に起因する、これらギヤの噛み合い位置における位相合わせを容易に行なうことができ、像担持体の回転ムラを防止することができる像担持体駆動装置を提供することができる。
【0066】
アイドラギヤを、複数の駆動ギヤのうち同アイドラギヤが係合すべき上記駆動ギヤに係合する位置に向けて付勢するための付勢手段を有することとすれば、ギア列を分解することなく、アイドラギヤを、これが係合している駆動ギヤから離脱させることで、駆動ギヤ、出力ギヤ、アイドラギヤの回転方向における累積ピッチ誤差に起因する、これらギヤの噛み合い位置における位相合わせを容易に行なうことができ、像担持体の回転ムラを防止することができるとともに、アイドラギヤの、これが係合すべき駆動ギヤへの係合状態への復帰が容易であり、かかる位相合わせ作業が極めて容易な像担持体駆動装置を提供することができる。
【0067】
アイドラギヤを、同アイドラギヤが係合した複数の駆動ギヤのうちの1の駆動ギヤの駆動軸を中心に回動させることで、同アイドラギヤが係合した上記複数の駆動ギヤのうちの他の駆動ギヤに対して着脱自在とするためのアイドラギヤ支持部材を有することとすれば、ギア列を分解することなく、アイドラギヤを、これが係合している1の駆動ギヤから離脱させることで、駆動ギヤ、出力ギヤ、アイドラギヤの回転方向における累積ピッチ誤差に起因する、これらギヤの噛み合い位置における位相合わせを容易に行なうことができ、像担持体の回転ムラを防止することができるとともに、アイドラギヤの、これが係合すべき駆動ギヤへの係合状態への復帰が容易であり、かかる位相合わせ作業が極めて容易な像担持体駆動装置を提供することができる。
【0068】
複数の駆動ギヤのそれぞれに係合し、係合した駆動ギヤの回転位相を調整するための調整ギヤを有することとすれば、調整ギヤにより、駆動ギヤ、出力ギヤ、アイドラギヤの回転方向における累積ピッチ誤差に起因する、これらギヤの噛み合い位置における位相合わせを、駆動ギヤの回転位相を容易に調整することにより行なうことができ、像担持体の回転ムラを防止することができる像担持体駆動装置を提供することができる。
【0069】
調整ギヤが、像担持体駆動装置本体に対して着脱自在であることとすれば、駆動ギヤ、出力ギヤ、アイドラギヤの回転方向における累積ピッチ誤差に起因する、これらギヤの噛み合い位置における位相合わせを行なうべきときにのみ、調整ギヤを像担持体駆動装置本体に取り付け、かかる調整作業を行なうことができる像担持体駆動装置を提供することができる。
【0070】
調整ギヤが、複数の駆動ギアのすべての回転位相を調整することとすれば、各駆動ギヤの回転位相を調整するための調整ギヤを共通化し、調整ギヤにより、駆動ギヤ、出力ギヤ、アイドラギヤの回転方向における累積ピッチ誤差に起因する、これらギヤの噛み合い位置における位相合わせを、低コストで、駆動ギヤの回転位相を容易に調整することにより行なうことができ、像担持体の回転ムラを防止することができる像担持体駆動装置を提供することができる。
【0071】
調整ギヤが複数の駆動ギヤのそれぞれに対応して配設されることとすれば、各駆動ギヤの回転位相を調整するための調整ギヤを、各駆動ギヤごとに専用化し、調整ギヤにより、駆動ギヤ、出力ギヤ、アイドラギヤの回転方向における累積ピッチ誤差に起因する、これらギヤの噛み合い位置における位相合わせを、各駆動ギヤの特性に応じて、駆動ギヤの回転位相を容易に調整することにより行なうことができ、像担持体の回転ムラを防止することができる像担持体駆動装置を提供することができる。
【0072】
調整ギヤを手動にて駆動することとすれば、調整ギヤにより、駆動ギヤ、出力ギヤ、アイドラギヤの回転方向における累積ピッチ誤差に起因する、これらギヤの噛み合い位置における位相合わせを、駆動ギヤの回転位相を調整ギヤを用いて簡易に調整することにより行なうことができ、像担持体の回転ムラを防止することができる像担持体駆動装置を提供することができる。
【0073】
調整ギヤを駆動するための、複数の駆動軸を駆動するための駆動源とは別個の駆動源を有することとすれば、調整ギヤにより、駆動ギヤ、出力ギヤ、アイドラギヤの回転方向における累積ピッチ誤差に起因する、これらギヤの噛み合い位置における位相合わせを、駆動ギヤの回転位相を別個の駆動源により調整ギヤを用いて正確に調整することにより行なうことができ、像担持体の回転ムラを防止することができる像担持体駆動装置を提供することができる。
【0074】
本発明は、請求項1ないし10の何れか1つに記載の像担持体駆動装置と、この像担持体駆動装置によって回転駆動される並設された複数の像担持体とを有する画像形成装置にあるので、上述の各効果を奏する像担持体駆動装置を有し、像担持体の回転の位相が容易に調整され、良好な画像形成を行なうのに好適であるとともに、大型化、高価格化を抑制した画像形成装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した画像形成装置の概略を示す正面図である。
【図2】図1に示した画像形成装置に搭載された像担持体駆動装置の第1の実施例の要部を示す平断面図である。
【図3】図1に示した画像形成装置に搭載された像担持体駆動装置の第2の実施例の要部を示す平断面図である。
【図4】図1に示した画像形成装置に搭載された像担持体駆動装置の第3の実施例の要部を示す正面図である。
【図5】図1に示した画像形成装置に搭載された像担持体駆動装置の概略を示す正面図である。
【図6】図5に示した調整ギヤの構成を示す平断面図である。
【図7】従来の像担持体駆動装置の平断面図である。
【図8】図7に示した像担持体駆動装置の正面図である。
【図9】図7に示した像担持体駆動装置の斜視図である。
【図10】図7に示した像担持体駆動装置の画像形成装置本体への装着の様子を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 画像形成装置
1A〜4A 像担持体
30 像担持体駆動装置
31A〜34A 駆動軸
31E〜34E 駆動ギヤ
35 駆動源
39 出力ギヤ
41 ギヤ列
42、43 アイドラギヤ
50 付勢手段
51 アイドラギヤ支持部材
52 調整ギヤ
Claims (11)
- 並設された複数の像担持体を回転駆動するための像担持体駆動装置であって、
複数の像担持体のそれぞれに係合し像担持体を駆動する複数の駆動軸と、
駆動源からの駆動力を上記複数の駆動軸のそれぞれに伝達するためのギヤ列とを有し、
上記ギヤ列が、上記複数の駆動軸のそれぞれに配設された複数の駆動ギヤと、この複数の駆動ギヤのうちの少なくとも1つに係合して駆動源からの駆動力を係合した駆動ギヤに伝達する出力ギヤと、上記複数の駆動ギヤのうちの少なくとも2つの駆動ギヤに係合し、係合した複数の駆動ギヤのうち、1の駆動ギヤの駆動力を、他の駆動ギヤに伝達するためのアイドラギヤとを有する像担持体駆動装置において、
上記アイドラギヤを、上記複数の駆動ギヤのうち同アイドラギアが係合した駆動ギヤのうちの少なくとも1つの駆動ギヤに対して着脱自在としたことを特徴とする像担持体駆動装置。 - 請求項1記載の像担持体駆動装置において、
上記アイドラギヤを、上記複数の駆動ギヤのうち同アイドラギアが係合した駆動ギヤの駆動軸の軸方向に変位することで、同アイドラギヤが係合した上記複数の駆動ギヤのうちの少なくとも1つに対して着脱自在としたことを特徴とする像担持体駆動装置。 - 請求項2記載の像担持体駆動装置において、上記アイドラギヤを、上記複数の駆動ギヤのうち同アイドラギヤが係合すべき上記駆動ギヤに係合する位置に向けて付勢するための付勢手段を有することを特徴とする像担持体駆動装置。
- 請求項1記載の像担持体駆動装置において、上記アイドラギヤを、同アイドラギヤが係合した上記複数の駆動ギヤのうちの1の駆動ギヤの駆動軸を中心に回動させることで、同アイドラギヤが係合した上記複数の駆動ギヤのうちの他の駆動ギヤに対して着脱自在とするためのアイドラギヤ支持部材を有することを特徴とする像担持体駆動装置。
- 請求項1ないし4の何れか1つに記載の像担持体駆動装置において、上記複数の駆動ギヤのそれぞれに係合し、係合した駆動ギヤの回転位相を調整するための調整ギヤを有することを特徴とする像担持体駆動装置。
- 請求項5記載の像担持体駆動装置において、上記調整ギヤは、像担持体駆動装置本体に対して着脱自在であることを特徴とする像担持体駆動装置。
- 請求項5または6記載の像担持体駆動装置において、上記調整ギヤは、上記複数の駆動ギアのすべての回転位相を調整することを特徴とする像担持体駆動装置。
- 請求項5または6記載の像担持体駆動装置において、上記調整ギヤは上記複数の駆動ギヤのそれぞれに対応して配設されることを特徴とする像担持体駆動装置。
- 請求項5ないし8の何れか1つに記載の像担持体駆動装置において、上記調整ギヤを手動にて駆動することを特徴とする像担持体駆動装置。
- 請求項5ないし8の何れか1つに記載の像担持体駆動装置において、上記調整ギヤを駆動するための、上記複数の駆動軸を駆動するための駆動源とは別個の駆動源を有することを特徴とする像担持体駆動装置。
- 請求項1ないし10の何れか1つに記載の像担持体駆動装置と、この像担持体駆動装置によって回転駆動される並設された複数の像担持体とを有する画像形成装置。
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