JP2973518B2 - テーププレーヤ - Google Patents

テーププレーヤ

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JP2973518B2
JP2973518B2 JP2332537A JP33253790A JP2973518B2 JP 2973518 B2 JP2973518 B2 JP 2973518B2 JP 2332537 A JP2332537 A JP 2332537A JP 33253790 A JP33253790 A JP 33253790A JP 2973518 B2 JP2973518 B2 JP 2973518B2
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【発明の詳細な説明】 本発明テーププレーヤを以下の項目に従って詳細に説
明する。
A.産業上の利用分野 B.発明の概要 C.従来技術 D.発明が解決しようとする課題 E.課題を解決するための手段 F.実施例 a.リール台、キャプスタン、駆動系[第1図、第3
図、第4図、第6図乃至第11図、第15図乃至第21図] b.ピンチローラ[第1図、第6図、第8図乃至第10
図] c.ヘッドベース等[第1図、第2図、第6図、第8
図乃至第10図、第12図、第13図] d.テープカセットの装着、イジェクト手段[第1
図、第2図、第6図、第8図乃至第10図、第12図、第13
図] e.モードの種類[第1図、第3図、第8図乃至第11
図] f.シーソーレバー、ヘッドベース等の移動[第1図
乃至第3図、第6図、第8図乃至第10図、第12図] f−1.シーソーレバー[第1図乃至第3図、第6
図、第8図乃至第10図、第12図] f−2.ヘッドベース等の移動[第1図、第8図乃
至第10図] g.イジェクトの許否[第1図、第8図、第13図] h.首振レバー、首振ギヤ等[第3図、第4図、第7
図乃至第11図] h−1.低速用の首振レバー及び首振ギヤ[第3
図、第4図、第8図乃至第10図] h−2.高速用首振レバー、高速用首振ギヤ[第3
図、第4図、第7図乃至第11図] h−3.制限スライダ[第3図、第4図、第7図乃
至第11図] i.モード切替機構[第1図、第3図乃至第5図、第
7図乃至第11図、第15図乃至第21図] i−1.ディレクションスライダ[第3図、第4
図、第7図乃至第10図、第15図乃至第21図] i−2.低速用首振レバー及びシーソーレバーの位
置制御[第1図、第3図、第8図乃至第10図] i−3.センタリングバネ[第3図、第4図、第8
図乃至第10図、第16図、第17図、第20図] i−4.カムギヤ[第3図乃至第5図、第7図乃至
第11図、第15図乃至第21図] i−4−a.歯部、欠歯部、カムギヤの回転等
[第3図乃至第5図、第7図乃至第11図、第15図乃至第
21図] i−4−b.第1のカム部[第3図、第4図、第
8図乃至第11図、第15図乃至第21図] i−4−c.第2のカム部[第5図、第15図、第
18図、第19図、第21図] i−4−d.制御用カム面[第3図、第4図、第
8図乃至第11図、第16図、第17図、第20図] i−5.トリガレバー、電磁プランジャ[第3図、
第4図、第7図乃至第10図、第15図乃至第21図] i−6.中間レバー[第3図、第4図、第7図乃至
第10図、第15図乃至第21図] j.制御回路[第14図] k.モードの形成[第1図、第3図、第8図、第9
図、第11図、第15図乃至第21図] k−1.初期状態[第1図、第3図] k−2.高速走行モードの形成[第11図] k−3.プレイモードの形成[第8図、第9図、第
15図乃至第21図] k−3−a.カムギヤに対する初期トリガー等
[第15図、第16図] k−3−b.ノーマルプレイモードの形成[第8
図、第17図、第18図] k−3−c.リバースプレイモードの形成[第9
図、第15図(B)、第18図乃至第20図] k−4.ストップモードの形成[第18図、第21図] l.減電時のヘッドベースの戻り等[第14図] G.発明の効果 (A.産業上の利用分野) 本発明は新規なテーププレーヤに関する。詳しくは、
磁気ヘッドを支持したヘッドベースがその磁気ヘッドを
カセット装着部に装着されたテープカセットのカセット
ケース外に位置させた後退位置と磁気ヘッドをカセット
ケース内に位置させてテープと近接もしくは軽く接触さ
せたストップ位置と該ストップ位置より更に反後退位置
寄りのプレイ位置との間で移動され、カセット装着部に
装着されたテープカセットのイジェクトは磁気ヘッドを
テープカセットのカセットケース外に位置させた状態で
行なうテーププレーヤに関するものであり、ヘッドベー
スと所定の場合に該ヘッドベースの位置を規制する制御
手段との間に互いに相手の動きを規制する規制部を設け
ることによって、所要の機能を全く損なうこと無く、部
品点数を大幅に削減することができて構造を簡単にする
ことができる新規なテーププレーヤを提供しようとする
ものである。
(B.発明の概要) 本発明テーププレーヤは、カセット装着部に装着され
たテープカセットのイジェクトを行なうためのイジェク
ト手段とヘッドベースとの間に制御レバーを設け、該制
御レバーとヘッドベースとの間に互いに所定の時期に相
手の動きを規制する機能を有する規制部を設けることに
よって、イジェクト手段に対する操作はヘッドベースが
後退位置に来ている状態又はストップモードにおいての
み可能とし、ヘッドベースはプレイモードからストップ
モードが形成されるときにストップ位置まで戻されてそ
こに保持され、かつ、ストップモードからイジェクト手
段が操作されたときは後退位置へと移動されるようにす
るという制御を上記制御レバー1つの追加だけで行なう
ことができるようにしたものであり、これにより、所要
の機能を全く損なうこと無く、部品点数を大幅に削減す
ることができて構造を簡単にすることができる。
(C.従来技術) 例えば、所謂コンパクトカセットと称されるテープカ
セットは、そのテープがカセットケース内に収納された
状態のまま使用されるようになっており、テープはその
一部がカセットケースの一側面に形成された被操作用の
凹部を通されることでカセットケース外に臨まされてい
る。
従って、この種のテープカセットを使用するテーププ
レーヤの磁気ヘッドは、少なくともテープに対する記録
や標準速度での再生を行なうプレイモード又は所謂キュ
ーもしくはレビュー等の高速再生を行なう高速再生モー
ド等磁気ヘッドをテープに接触させることを必要とする
モードが形成されるときはカセットケースの内部、具体
的には上記被操作用の凹部に挿入される。
ところで、磁気ヘッドを支持したヘッドベースがテー
プカセットを着脱自在に保持するためのカセットホルダ
ーに支持されているテーププレーヤにあっては、テープ
カセットのカセット装着部に対する装着及びイジェクト
が行なわれるとき磁気ヘッドはテープカセットと一体的
に移動されるため、テープカセットのイジェクトを行な
う際磁気ヘッドを敢えてテープカセットのカセットケー
ス外へ位置させることを要しないが、ヘッドベースやメ
カシャーシに支持されているテーププレーヤにあって
は、テープカセットのカセット装着部に対する装着及び
イジェクトを行なうときに磁気ヘッドをテープカセット
と一体的に移動させることができないので、テープカセ
ットのイジェクトを行なう際は磁気ヘッドをカセットケ
ース外に位置させることが必要になり、従って、その分
ヘッドベースの移動ストロークが大きくなる。
このため、従来のこの種のテーププレーヤの中には、
ストップモード、即ち、プレイモードを解除してテープ
の早送りや巻戻し等を行ない得るモードからの磁気ヘッ
ドのテープに対する移動が短時間に行なわれるようにす
るために、あるいは、ストップモードでも磁気ヘッドを
テープに軽く接触させておいてその状態のままテープを
高速で走行させることで高速再生モードが形成されるよ
うにするために、ヘッドベースを3つの位置、即ち、磁
気ヘッドがカセット装着部に装着されたテープカセット
のカセットケース外に位置した後退位置と、磁気ヘッド
がカセットケース内に位置したストップ位置と、該スト
ップ位置より更に反後退位置寄りのプレイ位置の全部で
3つの位置の間を移動されるようにし、ヘッドベースが
ストップ位置に来ているときは磁気ヘッドがテープに近
接もしくは軽く接触し、プレイモードを形成するときは
ヘッドベースをプレイ位置へと移動させ、プレイモード
を解除してストップモードを形成するときはヘッドベー
スをストップ位置まで戻してそこに待機させ、ストップ
モードからテープカセットのイジェクトを行なうための
イジェクト手段が操作されたときにヘッドベースが後退
位置へと移動されるようにしている。
尚、ヘッドベースの少なくともプレイ位置への移動
は、通常、前記各種のモードの一を選択的に形成するた
めのモード形成手段によって行なわれる。
(D.発明が解決しようとする課題) この種のテーププレーヤ、即ち、ヘッドベースを上記
3つの位置の間で移動させるテーププレーヤにあって
は、ストップモードが形成されるときヘッドベースをそ
の移動範囲における略中間の位置、即ち、ストップ位置
に保持するための特別な手段が必要であり、この手段
は、具体的に、ヘッドベースが後退位置からプレイ位置
へと移動されるときはヘッドベースの移動を妨げない状
態になっており、かつ、少なくともプレイモードからス
トップモードが形成される前にヘッドベースをストップ
位置に保持し得る状態になっており、更に、ストップモ
ードからイジェクト手段が操作されたときはヘッドベー
スが後退位置へ向けて移動し得る状態になるように構成
される必要がある。
従って、従来のこの種の手段は部品の数も多くて非常
に複雑なものになりやすく、当該手段がこの種のテープ
プレーヤの構造を複雑にしてしまう原因の1つになって
いた。
(E.課題を解決するための手段) ところで、テーププレーヤには、通常、プレイモード
の状態からはテープカセットのイジェクトを不能にし、
ストップモードが形成されたときは上記イジェクトを不
能にしている状態を解除するという制御を行なうための
イジェクト防止手段が設けられ、このイジェクト防止手
段による制御状態と前記3つの位置の間を移動するヘッ
ドベースの位置との間には一定の相関関係、即ち、ヘッ
ドベースが少なくともプレイ位置に来ているときはテー
プカセットのイジェクトを不能にし、ヘッドベースが後
退位置又はストップ位置に来ているときはテープカセッ
トのイジェクトを可能にするという相関関係がある。
そこで、本発明テーププレーヤは、この点に鑑み、前
記課題を解決するために、磁気ヘッドを支持し後退位置
とストップ位置とプレイ位置との間を移動し、かつ、後
退位置への戻り力を付勢されると共にプレイ位置への移
動はヘッドベース移動手段によって行なわれてそこに保
持されるヘッドベースに規制部を設けると共に、テープ
カセットのイジェクトを行なうためのイジェクト手段が
操作されたときのイジェクト時位置と非イジェクト時位
置との間を移動され、その移動方向と交差する方向へ延
びる被阻止面とヘッドベースの移動方向と交差する方向
へ延びる阻止面を有するカム部が設けられた制御レバー
とを備え、ヘッドベースの位置がヘッドベース移動手段
により規制されている状態即ちヘッドベースが後退位置
から前進されるとき及びプレイ位置に来た状態では制御
レバーの被阻止面がヘッドベースの規制部と対向するこ
とにより制御レバーのイジェクト時位置への移動が阻止
されてイジェクト手段に対する操作を不能にし、ヘッド
ベースのプレイ位置における保持が解除されてストップ
モードが形成されるときはヘッドベースの規制部が制御
レバーの阻止面に当接することでヘッドベースがストッ
プ位置に保持され、その状態からイジェクト手段が操作
されると制御レバーがイジェクト時位置へと移動されて
ヘッドベースの規制部が制御レバーの阻止面から外れて
ヘッドベースが後退位置に戻されるようにしたものであ
る。
従って、本発明テーププレーヤにあっては、プレイモ
ードからストップモードが形成されるときはヘッドベー
スの戻りをストップ位置で止め、ストップモードからイ
ジェクト手段が操作されたときはヘッドベースのストッ
プ位置への保持を解除し、プレイモードが形成されると
き及びプレイモードが形成されている状態ではイジェク
ト手段に対する操作を不能にし、ヘッドベースが後退位
置に来ている状態又はストップモードではイジェクト手
段に対する操作を可能にするという諸々の制御を制御レ
バー1つの追加だけで行なうことができるので、この種
のテーププレーヤの構造を、所要の機能を全く損なうこ
と無く簡単にすることができると共に、小型化及び低コ
スト化を促進することができる。
(F.実施例) 以下に、本発明テーププレーヤの詳細を図示した実施
例に従って説明する。
(a.リール台、キャプスタン、駆動系)[第1図、第3
図、第4図、第6図乃至第11図、第15図乃至第21図] 1はテーププレーヤ(図面では主として機構部のみを
示してある。)である。
2はテーププレーヤ1の外筐(第1図等に側壁の一部
のみを示してある。)の内部に固定されたメカシャーシ
であり、外筐3の内部空間のうち上記メカシャーシ2の
上面2aの前端部(第1図における下方へ向う方向を前側
とし、上方へ向う方向を後側とする。また、同図におけ
る左方へ向う方向を左側とし、右方へ向う方向を右側と
する。以下の説明において向きを示すときはこの方向に
よるものとする。)を除く大部分を底面とする空間がテ
ープカセット4(第1図参照)が着脱自在に装着される
カセット装着部になっている。
5及び5′はメカシャーシ2に回転自在に支持された
リール台、6、6′は該リール台5、5′のリール係合
軸、7、7′は該リール係合軸6、6′と一体的に回転
されるギヤ部であり、リール係合軸6、6′はメカシャ
ーシ2の互いに左右方向で離間したところから上方へ突
出するように位置され、ギヤ部7、7′はメカシャーシ
2の下方にその下面に近接したところに位置されてい
る。
8はメカシャーシ2に回転自在に支持されたT側入力
ギヤであり、右側のリール台5(以下、「T側リール
台」と言う。)に略左後方から噛合されている。
9及び9′はキャプスタンであり、メカシャーシ2の
前端部寄りの互いに左右方向に離間した位置に支持され
ており、その大部分はメカシャーシ2より上方へ突出す
るように位置されている。
10は上記リール台5、5′、キャプスタン9、9′及
び後述するカムギヤ等を駆動するためのモータであり、
メカシャーシ2の下面の前端部右端に固定され、その回
転軸10aに小径な駆動プーリ11が固定されている。
12及び12′はフライホィールであり、その外周面には
ベルト巻付溝が形成され、また、左側のフライホィール
12の上面にはギヤ部13が固定されており、これらフライ
ホィール12、12′の中心部に2つのキャプスタン9、
9′の下端部が各別に固定されている。
14は中間プーリ(第3図及び第4図にのみ示してあ
る。)であり、その上面に比較的小径なギヤ部15(以
下、「中間ギヤ」と言う。)が一体に形成されており、
メカシャーシ2のうち2つのリール台5と5′との間の
略中間の位置に垂設された支持軸16の下部に回転自在に
支持されている。
17は上記駆動プーリ11、フライホィール12、12′及び
中間プーリ14に無端状に架け渡された伝達ベルトであ
り、2つのフライホィール12と12′の回転方向が互いに
反対になるように架け渡されている。
18は互いに同軸な大小2つのギヤ部18a及び18bが一体
に形成されて成る伝達ギヤであり、メカシャーシ2の下
面に回転自在に支持され、その大ギヤ部18aがフライホ
ィール12が有する前記ギヤ部13に略左後方から噛合され
ている。
尚、モータ10は後述する早送モード以外においては右
側のキャプスタン9(以下、「N側キャプスタン」と言
う。)を上方から見て反時計回り方向へ回転させる方向
へ回転(以下、「正転」と言う。)される。
しかして、モータ10が正転すると、上方から見て、N
側キャプスタン9は反時計回り方向へ、左側のキャプス
タン9′(以下、「R側キャプスタン」と言う。)は時
計回り方向へ、中間プーリ14及び中間ギヤ15は時計回り
方向へ、伝達ギヤ18は反時計回り方向へそれぞれ回転さ
れ、また、モータ10が逆転されると、中間プーリ14及び
中間ギヤ15は反時計回り方向へ回転される。
(b.ピンチローラ)[第1図、第6図、第8図乃至第10
図] 19及び19′はピンチローラ20、20′を各別に支持した
ピンチローラアームである。
該ピンチローラアーム19、19′は左右方向へ長く、そ
の互いに遠い方の基端部がメカシャーシ2の上面の左右
両端寄りの位置に立設された支持軸21、21にそれぞれ回
動自在に支持されており、その回動端部にピンチローラ
20、20′が回転自在に支持されている。
そして、右側のピンチローラアーム19(以下、「N側
ピンチローラアーム」と言う。)はトーションバネ22の
弾発力によって上方から見て反時計回り方向への回動力
を付勢され、左側のピンチローラアーム19′(以下、
「R側ピンチローラアーム」と言う。)は別のトーショ
ンバネ22′の弾発力によって時計回り方向への回動力を
付勢されており、後方へ向って押圧されていない状態に
おいては、その基端部から略前方へ向けて突出した腕19
a、19′aがメカシャーシ2に設けられたストッパ部2
b、2bに当接することにより左右方向へ延びる姿勢とな
った後退位置に保持され、この状態で、第1図に示すよ
うに、ピンチローラ20、20′がキャプスタン9、9′に
前方へ稍離間した状態で各別に対向される。
23、23′はピンチローラ20、20′をキャプスタン9、
9′に圧着させるための圧着バネであり、腕の長い鋏形
バネ状をしており、そのコイル部23a、23′aはピンチ
ローラアーム19、19′の基端部の略筒状をした部分19
b、19′bの下部に外嵌され、その一方の腕23b、23′b
の先端部はピンチローラアーム19、19′の前面に弾接さ
れ、他方の腕23c、23′c(以下、「被押圧腕」と言
う。)の先端部寄りの位置はピンチローラアーム19、1
9′の回動端部前面に形成されたバネ当部19c、19′cに
後方から弾接されている。
このようなピンチローラアーム19、19′は上記圧着バ
ネ23、23′の被押圧腕23c、23′cの先端部が後述する
シーソーレバーによって押圧されることで後方へ向って
回動され、それにより、ピンチローラ20、20′がキャプ
スタン9、9′に圧着される。
(c.ヘッドベース等)[第1図、第2図、第6図、第8
図乃至第10図、第12図、第13図] 24は磁気ヘッド25を支持したヘッドベースである。
該ヘッドベース24は、左右方向に長い平板状をしてお
り、その両端部はその余の部分より幅を狭くされ、左端
部には被支持孔24aが形成され、該被支持孔24aにR側ピ
ンチローラアーム19′が支持された支持軸21の下端部が
挿通されることで該支持軸21に回動自在に支持される。
そして、ヘッドベース24の幅広な部分24bには、その
左端部に略前後方向へ弧を描いて互いに平行に延びる2
つの長孔26及び27が形成され、その左端縁の前端寄りの
位置から上方へ突出したバネ当部28が形成され、更に、
その前側縁寄りの部分の略中間の位置に円柱状をした規
制ピン29が立設されている。
また、ヘッドベース24の幅広な部分24bの右側縁の後
半部から右端部の前縁にかけての部分30(以下、「被押
圧壁」と言う。)はここを上方へ向けて折り起すことに
よって背の低い壁状を為すように形成されている。
31はヘッドベース24の上面の右端寄りの位置に固定さ
れたヘッドホルダーであり、このヘッドホルダー31に磁
気ヘッド25がそのテープ接触面25aが略後方を向く向き
で保持されており、磁気ヘッド25は2つのピンチローラ
20と20′との間の中間に位置されている。
32はヘッドベース24用のトーションバネ状をした戻し
バネであり、そのコイル部32aはメカシャーシ2の上面
に立設されたバネ支持ピン33に外嵌され、その一方の腕
32bはメカシャーシ2に立設されたバネ当部材34に右方
から弾接され、他方の腕32cはヘッドベース24に形成さ
れたバネ当部28に略後方から弾接されており、この戻し
バネ32の弾発力により、ヘッドベース24には上方から見
て時計回り方向への回動力が付勢されている。
35は一のプレイモードが形成されるときヘッドベース
24を後方へ向けて押圧するためのサブレバーであり、ヘ
ッドベース24の長さより稍短い長さを有する略左右方向
へ長い平板状をしており、その右端部に被支持孔35aが
形成され、該被支持孔35aにN側ピンチローラアーム19
が支持された支持軸21の下端部が挿通されることで該支
持軸21に回動自在に支持される。そして、該サブレバー
35には、その左端縁から上方へ突出した押圧片36と、左
端寄りのところに位置し略前後方向に長い長孔37と、長
手方向における中間の位置辺りに突設されたバネ掛片38
がそれぞれ形成されている。
39、39は後述する制御レバーを支持するためのガイド
軸であり、メカシャーシ2の上面の前側縁に沿った位置
に立設され、互いに左右方向へ離間して位置している。
40は上記ガイド軸39、39の右側のもの39の下部とサブ
レバー35のバネ掛片38との間に張設された引張バネ(第
1図参照)であり、この引張バネ40の引張力によって、
サブレバー35には上方から見て反時計回り方向への回動
力が付勢されており、後方へ向って押圧されていない間
はその前側縁の左端部がメカシャーシ2の前側縁に形成
された図示しないストッパ部に当接することで第1図に
示す待機位置、即ち、支持軸21から左稍前方へ向って延
びる姿勢となる位置に保持される。
そして、ヘッドベース24の被押圧壁30はサブシャーシ
35の押圧片36に後方から対向されており、ヘッドベース
24は、後述するシーソーレバーによって後方へ押圧され
ていない状態ではその被押圧壁30がサブレバー35の押圧
片36に当接されることでその位置を規制され、従って、
シーソーレバーによって後方へ押圧されていずかつサブ
レバー35が待機位置に来ているときは第1図に示すイジ
ェクト時位置に保持され、この状態で磁気ヘッド25はテ
ーププレーヤ1に装着されたテープカセット4のカセッ
トケース41から外に出たところに位置される(第1図参
照)。
(d.テープカセットの装着、イジェクト手段)[第1
図、第2図、第6図、第8図乃至第10図、第12図、第13
図] テープカセット4のテーププレーヤ1に対する装着及
びイジェクト、即ち、取出は、ヘッドベース24が上記イ
ジェクト時位置に来ている状態で行なわれ、装着はその
カセットケース41がメカシャーシ2の上面2aに略真上か
ら載置されることで完了する。
そして、テープカセット4がメカシャーシ2の上面2a
に載置されるとき、カセットケース41に回転自在に収納
された2つのテープリール42、42′が前記2つのリール
台5、5′に各別に係合されると共に、カセットケース
41の前側部に形成された図示しない2つのキャプスタン
挿入孔に前記キャプスタン9、9′が各別に挿入され
る。
43はその両端がテープリール42と42′に各別に固定さ
れかつ巻装された磁気テープであり、その一部はカセッ
トケース41の前側面41aに形成された被操作用凹部を通
されることでカセットケース41外に臨まされており、テ
ープカセット4がテープープレーヤ1に装着されると、
磁気テープ43のうち上記カセットケース41外へ臨まされ
ている部分を挟んでピンチローラ20、20′がキャプスタ
ン9、9′と対向される。
44はテーププレーヤ1に装着されたテープカセット4
のイジェクトを行なうためのイジェクト手段であり、左
右方向へ摺動自在な制御レバーと、該制御レバーをその
移動範囲における右端の位置(以下、「イジェクト時位
置」と言う。)へと移動させるためのイジェクト釦と、
制御レバーがイジェクト時位置へと移動されることによ
りテープカセット4を押し上げる図示しないカセット押
上機構等から成る。
45は制御レバーである。該制御レバー45は左右方向へ
細長い板状をしており、その左端寄りの位置と右端部寄
りの位置に左右方向へ長い被案内長孔45a、45aが形成さ
れ、これら被案内長孔45a、45aに前記ガイド軸39、39の
上部が摺動自在に係合されることでこれらガイド軸39、
39に左右方向へ一定の範囲内で移動自在に支持される。
尚、ガイド軸39、39にはフランジ39a、39a、・・・
(第2図にのみ示してある。)が形成されており、制御
レバー45はその被案内長孔45a、45aの側縁部が上記フラ
ンジ39aと39aとの間及び39aと39aとの間に位置されるこ
とで高さ方向における位置を規定され、それにより、ヘ
ッドベース24の規制ピン29の上端部と同じ高さに位置さ
れる。
制御レバー45にはその後側縁の右端寄りの位置にバネ
当片46が、右端縁に被押圧片47がそれぞれ上方へ向けて
突設され、また、その左端部にはカム部48が形成されて
いる。
そして、N側ピンチローラアーム19に回動力を付勢し
ている前記トーションバネ22の一方の腕22aの先端部が
制御レバー45のバネ当片46に右方から弾接されており、
このトーションバネ22の弾発力によって制御レバー45に
左方への移動力が付勢されている。
しかして、制御レバー45は右方へ向けて押圧されてい
ない間はその移動範囲における左端の位置、即ち、第1
図に示すように被案内長孔45a、45aの右端がガイド軸3
9、39に当接された位置(以下、「非イジェクト時位
置」と言う。)に保持される。
カム部48は制御レバー45の左端部の一の隅角部を略L
字状に切り欠くことにより形成されている。即ち、制御
レバー45の前側縁の左端は制御レバー45の左端縁よりあ
る程度右方へ寄ったところで終っており、この前側縁の
左端に続く縁48a(以下、「被押圧縁」と言う。)は前
後方向に延び、該被押圧縁48aの後端から右方へ延びる
部分48b(以下、「阻止縁」と言う。)は比較的短く、
更に、この阻止縁48bの右端に続く縁は後方へ向って延
びた後左方へ折曲され、この部分の左端から先の縁48c
(以下、「被阻止縁」と言う。)は前方稍左側へ向け
て、即ち、ヘッドベース24が有する規制ピン29の回動軌
跡と略平行な方向へ延びるように形成され、この被阻止
縁48cの前端から左方に延びる縁48dは被押圧縁48aの前
端より稍後方にあるように形成されている。
尚、阻止縁48bと被押圧縁48aとが連続する角部と被阻
止縁48cとの間の間隔の一番狭い部分はヘッドベース24
の規制ピン29の太さより稍大きい間隔になっている。
そして、ヘッドベース24がイジェクト時位置に来てい
る状態では、その規制ピン29の上端部はカム部48の被阻
止縁48cの前端より僅かに前方へ離間したところにあっ
て該カム部48の被押圧縁48aの前端部に左方から比較的
近接して対向するように位置されている(第1図参
照)。
49はイジェクト釦であり、その釦部が外筐3の前面壁
3aに形成された釦配置孔3bに左右方向へ移動自在なるよ
うに配置されると共に、その後面から突出した押圧部49
aを有し、該押圧部49aの先端部が制御レバー45の被押圧
片47に左方から対向するように位置されている。
従って、イジェクト釦49が右方へ向けて押圧されてい
ない状態ではイジェクト釦49の押圧部49aの右方への移
動が非イジェクト時位置に来ている制御レバー45の被押
圧片47により阻止され、それによって、イジェクト釦49
がその移動範囲における左端の位置(以下、「待機位
置」と言う。)に保持され、また、イジェクト釦49が右
方へ向けて押圧されると、その押圧部49aが制御レバー4
5の被押圧片47を押圧する。
しかして、制御レバー45の右方への移動が阻止されて
いない状態からイジェクト釦49がその移動範囲における
右端の位置、即ち、第12図に示すように釦配置孔3bの右
端に略当接した位置(以下、「イジェクト位置」と言
う。)まで移動されると、制御レバー45がイジェクト時
位置へと移動され、それにより、図示しないカセット押
上機構のカセット押上部がメカシャーシ2の上面より上
方へ突出され、従って、テープカセット4が装着されて
いる状態から制御レバー45がイジェクト時位置まで移動
されるとテープカセット4はそのカセットケース41がカ
セット押上機構によって押し上げられることでメカシャ
ーシ2から離脱せしめられる。
尚、制御レバー45のイジェクト時位置への移動の許否
はヘッドベース24に対する位置規制の如何に応じて制御
され、ヘッドベース24の位置が後述するモード切替機構
によって規制されているときは制御レバー45のイジェク
ト時位置への移動が拒否され、それによりイジェクト釦
49のイジェクト位置への移動が不能にされる。これらの
制御については後で詳しく述べる。
(e.モードの種類)[第1図、第3図、第8図乃至第11
図] テーププレーヤ1により選択的に形成されるモードに
は、2種類のプレイモードとプレイモードを解除したス
トップモードと2種類の高速走行モードの全部で5種類
ある。
即ち、磁気テープ43がテープリール42、42′の左側の
もの42′(以下、「Sリール」と言う。)から引き出さ
れて右側のテープリール42(以下、「Tリール」と言
う。)に巻き取られて行く方向(以下、「ノーマル方
向」と言う。)へ走行される状態で記録又は再生が行な
われるモードがノーマルプレイモード(第8図はこのノ
ーマルプレイモードを示している。)であり、磁気テー
プ43が上記ノーマル方向と反対のリバース方向へ走行さ
れる状態で記録又は再生が行なわれるモードがリバース
プレイモード(第9図はこのリバースプレイモードを示
している。)である。
そして、ノーマルプレイモードが形成されるときはN
側ピンチローラアーム19が第8図に示す前進位置へと移
動されてそのピンチローラ20をN側キャプスタン9に圧
着させると共にT側リール台5がテープ巻取方向、即
ち、上方から見て反時計回り方向へ回転され、それによ
って、磁気テープ43が反時計回り方向へ回転されるキャ
プスタン9とそれに磁気テープ43を挟んで圧着されたピ
ンチローラ20とにより定速でノーマル方向へ送られ、か
つ、そのように送られて行く磁気テープ43がTリール42
に巻き取られる。また、リバースプレイモードが形成さ
れるときはR側ピンチローラアーム19′が第9図に示す
前進位置へと移動されてそのピンチローラ20′をR側キ
ャプスタン9′に圧着させると共に左側のリール台5′
(以下、「S側リール台」と言う。)がテープ巻取方
向、即ち、上方から見て反時計回り方向へ回転され、そ
れによって、磁気テープ43が時計回り方向へ回転される
キャプスタン9′とそれに磁気テープ43を挟んで圧着さ
れたピンチローラ20′とにより定速でリバース方向へ送
られ、かつ、そのように送られる磁気テープ43がSリー
ル42′に巻き取られる。そして、これらプレイモードが
形成されるとき、ヘッドベース24は第8図及び第9図に
示すプレイ時位置へと移動されて磁気ヘッド25を磁気テ
ープ43に接触させ、それにより、該磁気ヘッド25による
磁気テープ43に対する信号の記録又は読取が行なわれ
る。
プレイモードを解除した状態がストップモード(第10
図はこのストップモードを示している。)であり、スト
ップモードが形成されるとき、ピンチローラアーム19、
19′は後退位置に戻され、また、ヘッドベース24は第10
図に示すストップ時位置まで戻され、かつ、そこに保持
され、そして、ヘッドベース24がこのストップ次位置に
来ている状態で、磁気ヘッド25はカセットケース41内に
稍入っていてそのテープ接触面25aが磁気テープ43に軽
く接触又は極く近接されている。
尚、ストップ時位置に保持されているヘッドベース24
はストップモードから前記イジェクト釦49が操作されて
制御レバー45がイジェクト時位置へ向けて移動を開始さ
れるのと略同時にイジェクト時位置に戻される。
磁気テープ43をノーマル方向へ高速で走行させるモー
ドが早送モード、磁気テープ43をリバース方向へ高速で
走行させるモードが巻戻モードであり、これらの高速走
行モード(第11図は高速走行モードを示している。)は
ストップモードからT側リール台5又はS側リール台
5′を高速でテープ巻取方向へ回転させることにより形
成される。
(f.シーソーレバー、ヘッドベース等の移動)[第1図
乃至第3図、第6図、第8図乃至第10図、第12図] (f−1.シーソーレバー)[第1図乃至第3図、第6
図、第8図乃至第10図、第12図] 50は後述するモード切替機構によって位置を制御され
るシーソーレバーであり、ヘッドベース24及びピンチロ
ーラアーム19、19′の移動は主としてこのシーソーレバ
ー50によって行なわれる。
該シーソーレバー50は左右方向に長い板状をした主部
51と該主部51の後側縁の左右方向における略中央から後
方へ向って突出した腕52とが一体に形成されて成り、腕
52の後端部52aは略円板状をしている。また、主部51に
はその中央部に被支持孔51aが形成され、また、その左
右両端部から上方へ突出した押圧突起53、53′及び左端
寄りの位置から上方へ切り起こされた別の押圧突起54が
それぞれ形成されている。
55はメカシャーシ2の前端部略中央に立設された支持
軸であり、シーソーレバー51の被支持孔51aに挿通され
ており、それにより、シーソーレバー50がメカシャーシ
2の上面に水平方向へ回動自在に支持される。
尚、シーソーレバー50の腕52の基端部を除く大部分は
メカシャーシ2に形成された長孔2cを通してメカシャー
シ2の下面側に位置されておりまた、腕52の後端部52a
は後述するディレクションスライダの係合切欠と回動自
在に係合されていて、シーソーレバー50の位置は直接的
には該ディレクションスライダにより規定され、初期状
態及びストップモードにおいては腕52が前後方向に真直
ぐ延びる姿勢となった中立位置に保持される。
シーソーレバー5が有する前記3つの押圧突起53、5
3′及び54のうち一番右の押圧突起53(以下、「第1の
押圧突起」と言う。)の上部は前記サブレバー35に形成
された長孔37内に、一番左の押圧突起53′(以下、「第
2の押圧突起」と言う。)の上部はヘッドベース24に形
成された2つの長孔26、27のうち左側のもの26内に、も
う1つの押圧突起54(以下、「第3の押圧突起」と言
う。)の上部はヘッドベース24のもう1つの長孔27内に
それぞれ位置されている。
そして、シーソーレバー50が中立位置に来ている状
態、即ち、初期状態又はストップモードにおいて、第1
の押圧突起53はサブレバー35の長孔37の後端縁37aとN
側ピンチローラアーム9に設けられた圧着バネ23の被押
圧腕23cの先端部にいずれも前方から軽く接触され、第
2の押圧突起53′はR側ピンチローラアーム19′に設け
られた圧着バネ23′の被押圧腕23′cの先端部に前方か
ら軽く接触され、また、第3の押圧突起54は初期状態に
おいてヘッドベース24の右側の長孔27の後端縁27aに前
方から軽く接触されている。
(f−2.ヘッドベース等の移動)[第1図、第8図乃至
第10図] ノーマルプレイモードが形成されるときシーソーレバ
ー50は上方から見て反時計回り方向へ回動される。する
と、その第1の押圧突起53がサブレバー35の長孔37の後
端縁37a及びN側ピンチローラアーム19の圧着バネ23の
被押圧腕23cの先端部を略後方へ受けて押圧するので、
サブレバー35及びN側ピンチローラアーム19が時計回り
方向へ回動されると共に、サブレバー35の押圧片36がヘ
ッドベース24の被押圧壁30を略後方へ向けて押圧してヘ
ッドベース24を後方へ向けて回動させる。そして、シー
ソーレバー50は第8図に示す位置に来たところで回動を
停止され、かつ、その位置に保持され、シーソーレバー
50がこの位置まで来ることによってヘッドベース24が前
記プレイ時位置に到達すると共にピンチローラアーム19
が前進位置に到達する。
また、リバースプレイモードが形成されるとき、シー
ソーレバー50は上方から見て時計回り方向へ回動され
る。すると、その第3の押圧突起54がヘッドベース24の
右側の長孔27の後端縁27aを、第2の押圧突起53′がR
側ピンチローラアーム19′の圧着バネ23′の被押圧腕2
3′cをそれぞれ略後方へ向けて押圧するので、ヘッド
ベース24及びR側ピンチローラアーム19′がそれぞれ後
方へ向けて回動される。そして、シーソーレバー50は第
9図に示す位置に来たところで回動を停止され、かつ、
その位置に保持され、シーソーレバー50がこの位置まで
来ることによってヘッドベース24がプレイ時位置へと移
動されると共にR側ピンチローラアーム19′が前進位置
へと移動される。
尚、ピンチローラ20、20′はピンチローラアーム19、
19′が前進位置に到達する直前にキャプスタン9、9′
に当接され、その状態からは圧着バネ23、23′の被押圧
腕23c、23′cがピンチローラアーム19、19′のバネ当
部19a、19′aから離間して後方へ移動され、それによ
り、圧着バネ23、23′の弾発力がピンチローラ20、20′
をキャプスタン9、9′に圧着させる力として作用す
る。
上記した状態からシーソーレバー50が中立位置に戻さ
れると、ピンチローラアーム19、19′はトーションバネ
22、22′の弾発力によって後退位置へ戻されるが、ヘッ
ドベース24の戻りはその規制ピン29が前記制御レバー45
のカム部48が有する阻止縁48bに当接することでイジェ
クト時位置よりある程度後方の位置まで来たところで阻
止される。
即ち、ヘッドベース24がイジェクト時位置からプレイ
時位置へ移動されるとき、その規制ピン29は制御レバー
45のカム部48が有する被押圧縁48aを押圧しながら後方
へ移動され、それにより、制御レバー45はその被押圧縁
48aに規制ピン29が接触されている間イジェクト時位置
より稍右方へ、即ち、第10図に2点鎖線で示す位置(以
下、「阻止解除位置」と言う。)まで移動され、規制ピ
ン29が被押圧縁48aから外れたところでイジェクト時位
置に戻され、ヘッドベース24は規制ピン29が被押圧縁48
aから外れた直後にプレイ時位置に到達する。従って、
ヘッドベース24がプレイ時位置へと移動された状態では
制御レバー45のカム部48が有する阻止縁48bは規制ピン2
9の前方にそれと比較的近接して位置されるので、シー
ソーレバー50が中立位置に戻されてヘッドベース24に対
する後方へ向けての押圧が解除された場合、ヘッドベー
ス24はイジェクト時位置まで戻されること無く、規制ピ
ン29が阻止縁48bに当接したところまで戻されてそこに
保持される。このときのヘッドベース24の位置がストッ
プ時位置であり、この状態では、前記したように磁気ヘ
ッド25はその一部がカセットケース41内に入っており、
磁気テープ43と軽く接触するか又は極く近接されている
(第10図参照)。
そして、このヘッドベース24がストップ時位置にある
状態から制御レバー45が右方へ、即ち、前記阻止解除位
置まで移動されると、そのカム部48の阻止縁48bが規制
ピン29の移動軌跡から右方へ外れるので、制御レバー45
によるヘッドベース24のストップ時位置への保持が解除
され、それにより、ヘッドベース24がイジェクト時位置
へと戻される(第12図参照)。
尚、ヘッドベース24のストップ時位置からプレイ時位
置への移動もイジェクト時位置からの移動と略同様に行
なわれるが、この場合のヘッドベース24の後方への移動
はシーソーレバー50が回動を開始した後サブレバー35の
押圧片36がヘッドベース24の被押圧壁30に当接した時点
又はシーソーレバー50の第3の押圧突起54がヘッドベー
ス24の長孔27の後端縁27aに当接した時点から開始され
る。
(g.イジェクトの許否)[第1図、第8図、第13図] 前記したように、テープカセットのイジェクトはイジ
ェクト釦49をイジェクト位置まで移動させることにより
達成される。
そして、イジェクト釦49のイジェクト位置までの移動
は、ストップモード又は初期状態においてのみ許容され
ヘッドベース24がイジェクト時位置より後方へ移動され
ている間及びプレイ時位置に来ている間は拒否される。
即ち、ヘッドベース24がイジェクト時位置又はストッ
プ時位置からプレイ時位置へと移動される間及びプレイ
時位置に来た状態では、ヘッドベース24の位置はシーソ
ーレバー50によって規制され、そして、ヘッドベース24
が第13図に示すようにイジェクト時位置からほんの少し
後方へ移動した位置とプレイ時位置との間に来ている状
態ではその規制ピン29が制御レバー45のカム部48の被阻
止縁48cの右方に位置されるので、この状態からイジェ
クト釦49を右方へ押圧して制御レバー45をイジェクト時
位置へと移動させようとしても、制御レバー45は第13図
に示し、また、第8図に2点鎖線で示すように、前記阻
止解除位置又はその近くにまで来たところで被阻止縁48
cが規制ピン29に当接してそれ以上右方へ移動するのを
阻止され、それにより、イジェクト釦49をイジェクト位
置まで移動させることが拒否される。
これに対し、初期状態ではヘッドベース24がイジェク
ト時位置に来ていてその規制ピン29は制御レバー45のカ
ム部48の被阻止縁48cの移動軌跡から前方へ外れたとこ
ろに位置しているので、制御レバー45のイジェクト時位
置への移動が阻止されることは無く、また、ストップモ
ードにおいては規制ピン29は被阻止縁48cの右方に位置
してはいるが、シーソーレバー50によるヘッドベース24
の位置規制は解除されているので、制御レバー45が阻止
解除位置まで来るとヘッドベース24がイジェクト時位置
へと移動して規制ピン29が被阻止縁48cの移動軌跡から
前方へ外れたところへ移動され、それにより、制御レバ
ー45のイジェクト時位置への移動が許容される。
しかして、テープカセット4のイジェクトは初期状態
及びストップモードからのみ可能であり、ヘッドベース
24がイジェクト時位置から移動を開始した後ストップモ
ードが形成される迄の間は不能にされる。これにより、
磁気ヘッド25が磁気テープ43に対して前進している間及
び磁気テープ43に接触している間はテープカセット4の
イジェクトが不能にされる。
(h.首振レバー、首振ギヤ等)[第3図、第4図、第7
図乃至第11図] (h−1.低速用の首振レバー及び首振ギヤ)[第3図、
第4図、第8図乃至第10図] 56はプレイモードにおいてモータ10の回転力をT側リ
ール台5又はS側リール台5′へ入力するための低速用
首振ギヤ57を支持した低速用首振レバーである。
該低速用首振レバー56は、略半円形の平板状をした主
部56aと、該主部56aの略直線状に延びる前側縁の左右方
向における中央部から前方へ向けて突出した被支持片56
b及び前側縁の左右両端部から前方へ向けて突出した被
制御片56c、56cと、主部56aの円弧状に延びる側縁から
略左後方へ向けて突出したギヤ支持片56dとが一体に形
成されて成り、被支持片56bが中間プーリを支持してい
る前記支持軸16の上端部に回動自在に支持されている。
そして、被制御片56c、56cの前端部の互いに近い方の
各隅角部の縁部56e、56e′(以下、「被押圧縁」と言
う。)はここを上方へ向けて折り起こすことにより背の
低い壁状を為すように形成されている。
58はギヤ支持片56dに垂設されたギヤ支持軸であり、
このギヤ支持軸58に低速用首振ギヤ57が回転自在に支持
されており、該低速用首振ギヤ57は互いに同軸に位置さ
れ、かつ、摩擦接触型の図示しないトルクリミッタを介
して互いに一体的に回転するように結合された大小2つ
のギヤ57a、57bを有し、その大ギヤ57aは上記中間ギヤ1
5と噛合され、小ギヤ57bはS側リール台5′のギヤ部
7′と前記T側入力ギヤ8との間に位置している。
そして、このような低速用首振レバー56はその位置を
後述するディレクションスライダによって規制され、プ
レイモードが形成されるとき以外の状態においては第3
図及び第10図に示す中立位置、即ち、低速用首振ギヤ57
の小ギヤ57bがギヤ部7′とT側入力ギヤ8との間の略
中間に位置したところに保持され、ノーマルプレイモー
ドが形成されるときは時計回り方向へ回動されて第8図
に示すように小ギヤ57bがT側入力ギヤ8と噛合され、
また、リバースプレイモードが形成されるときは反時計
回り方向へ回動されて第9図に示すように小ギヤ57bが
S側リール台5′のギヤ部7′に噛合される。
しかして、プレイモードにおいてはモータ10が正転さ
れるので、中間ギヤ15が時計回り方向へ、低速用首振ギ
ヤ57が反時計回り方向へそれぞれ回転され、従って、ノ
ーマルプレイモードにおいてはT側入力ギヤ8が時計回
り方向へ、T側リール台5が反時計回り方向、即ち、テ
ープ巻取方向へ回転され、リバースプレイモードにおい
てはS側リール台5′が時計回り方向、即ち、テープ巻
取方向へ回転され、そして、中間ギヤ15の回転は大ギヤ
57a−小ギヤ57b−T側入力ギヤ8又はギヤ部7′という
系を伝達される間にかなり減速され、それにより、リー
ル台5、5′は比較的低速でテープ巻取方向へ回転され
る。
(h−2.高速用首振レバー、高速用首振ギヤ)[第3
図、第4図、第7図乃至第11図] 59は高速走行モードにおいてモータ10の回転をリール
台5、5′に選択的に伝達するための高速用首振ギヤ6
0、61を支持した高速用首振レバーである。
該高速用首振レバー59は左右方向へ長い略T字形をし
た板状をしており、その左右両端部及び前端部に円弧状
に延びる被案内長孔59a、59a、59aが形成され、これら
被案内長孔59a、59a、59aにメカシャーシ2の下面に垂
設された3本の支持軸62、62、62が摺動自在に係合され
ることによって水平方向へ回動自在に支持されており、
高さ方向においてはリール台5、5′のギヤ部7、7′
より稍低いところに位置され、また、その左右方向にお
ける中間の部分が中間プーリ14を支持している支持軸16
に前方から対向するように位置されている。
尚、被案内長孔59a、59a、59aはいずれも、上記支持
軸16を中心とした円周に沿って延びるように形成されて
おり、従って、この高速用首振レバー59は中間ギヤ15の
軸を回動中心として回動されるようになっている。
高速用首振レバー59の後端部の左右方向における中央
の位置には円形をした被規制突部63が上方へ向って打出
状に形成され、また、後端部のうち上記被規制突部63か
ら左右両側へある程度離間した位置には2本のギヤ支持
軸64、64がそれぞれ立設され、これらギヤ支持軸64、64
に2つの高速用首振ギヤ60、61がそれぞれ回転自在に支
持されており、右側の高速用首振ギヤ60(以下、「T側
高速用首振ギヤ」と言う。)はT側リール台5のギヤ部
7に略左前方から対向され、左側の高速用首振ギヤ61
(以下、「S側高速用首振ギヤ」と言う。)はS側リー
ル台5′のギヤ部7′に略右前方から対向されている。
そして、高速用首振ギヤ60、61は中間ギヤ15と噛合さ
れると共に図示しないフリクション手段を介して高速用
首振レバー59と摩擦接触されており、従って、中間ギヤ
15が時計回り方向へ回転されたときは高速用首振レバー
59に時計回り方向へ回動力が、中間ギヤ15が反時計回り
方向へ回動されたときは高速用首振レバー59に反時計回
り方向への回動力がそれぞれ付勢される。
しかして、モータ10が逆転されたときは、中間ギヤ15
が反時計回り方向へ回転されるので、高速用首振レバー
59は反時計回り方向へ回動されて、第11図に実線で示す
ように、T側高速用首振ギヤ60がT側リール台5のギヤ
部7と噛合され、この噛合が行なわれるのと同時に被案
内長孔59a、59a、59aの時計回り方向側端が支持軸62、6
2、62に当接されてそれ以上反時計回り方向へ回動する
のを阻止され、そして、高速用首振ギヤ60、61が時計回
り方向へ回転されてT側高速用首振ギヤ60がT側リール
台5を反時計回り方向、即ち、テープ巻取方向へ回転さ
せる。この状態が早送モードである。
また、モータ10が正転されたときは、中間ギヤ15が時
計回り方向へ回転されるので、高速用首振レバー59は時
計回り方向へ回動されて、第11図に2点鎖線で示すよう
に、S側高速用首振ギヤ61がS側リール台5′のギヤ部
7′に噛合され、この噛合が行なわれるのと同時に被案
内長孔59a、59a、59aの反時計回り方向側端が支持軸6
2、62、62に当接されてそれ以上時計回り方向へ回動す
るのを阻止され、そして、高速用首振ギヤ60、61が反時
計回り方向へ回転されてS側高速用首振ギヤ61がS側リ
ール台5′を時計回り方向、即ち、テープ巻取方向へ回
転させる。この状態が巻戻モードである。
そして、中間ギヤ15の回転の高速用首振ギヤ60、61へ
の伝達時の減速比は比較的小さいので、これら高速用首
振ギヤ60、61は比較的高速で回転され、それによって、
リール台5、5′は高速でテープ巻取方向へ回転され
る。
(h−3.制限スライダ)[第3図、第4図、第7図乃至
第11図] 65はプレイモードが形成されるとき高速用首振レバー
59の時計回り方向への回動を一定の位置までに制限する
ための制限スライダである。
該制限スライダ65は比較的細幅で左右方向へ長い板状
をしており、その左端部65aはその余の部分65bより後方
へ突出し、かつ、稍高いところに位置するように形成さ
れており、この高い部分65aの左端寄りの位置に被押圧
突部66が下方へ向けて打出状に形成されている。また、
上記左端部65a以外の部分65bには、左右両端部に左右方
向へ長い被案内長孔67、67が、前側縁の左端寄りの位置
に下方へ突出したバネ掛片68が、それぞれ形成されると
共に、その略中間の部分は幅広に形成され、この幅広な
部分の後側縁に略コ字状をした切欠69が形成されてい
る。
そして、前記高速用首振レバー59を支持している3本
の支持軸62、62、62のうち互いに左右方向に並ぶように
位置した2本の支持軸62、62が制限スライダ65の上記被
案内長孔67、67に摺動自在に係合されており、それによ
り、制限スライダ65は左右方向へ一定の範囲内で移動自
在に支持され、また、上記2本の支持軸62、62の左側の
もの62と制限スライダ65のバネ掛片68との間に引張バネ
70が張設されており、この引張バネ70の引張力によって
制限スライダ65に左方へ向けての移動力が付勢されてい
る。
制限スライダ65の上記切欠69内には高速用首振レバー
59に形成された被規制突部63が稍余裕を有した状態で位
置されており、制限スライダ65は第8図及び第9図に示
す制限位置、即ち、その切欠69の左側縁69aが回動範囲
における中間の位置に来ている高速用首振レバー59の被
規制突部63に接触するように位置した位置と、第3図に
示す制限解除位置、即ち、回動範囲における中間の位置
に来ている高速用首振レバー59の被規制突部63が切欠69
の略中間の位置に位置される位置との間を移動され、制
限スライダ65のこのような2つの位置の間における位置
制御は引張バネ70と後述するトリガレバーとカムギヤに
より行なわれる。
そして、制限スライダ65は初期状態及びストップモー
ドにおいては、制限解除位置に保持され、プレイモード
が形成されるとき制限位置へと移動されてそこに保持さ
れ、また、ストップモードが形成されるとき制限解除位
置に戻される。
しかして、初期状態及びストップモードにおいては高
速用首振レバー59の被規制突部63が制限スライダ65の切
欠69内である程度左右方向へ変位し得るので、この状態
で高速用首振レバー59が高速用首振ギヤ60、61をリール
台5、5′のギヤ部7、7′と噛合させる位置まで回動
するのを許容され、また、プレイモードにおいては高速
用首振レバー59に時計回り方向への回動力が付勢される
が、その回動は被規制突部63が切欠69の左側縁69aに当
接した位置、即ち、回動範囲における中間の位置までに
制限されるので、それにより、S側高速用首振ギヤ61が
S側リール台5′のギヤ部7′と噛合するのが不能にな
る。
(i.モード切替機構)[第1図、第3図乃至第5図、第
7図乃至第11図、第15図乃至第21図] 71は前記シーソーレバー50や低速用首振レバー56及び
制限スライダ65等の位置を制御することでノーマルプレ
イモード、リバースプレイモード及びストップモードの
一を選択的に形成するモード切替機構であり、摺動自在
なディレクションスライダと、該ディレクションスライ
ダを移動させるためのカムギヤ及びトリガレバーと、電
磁プランジャ等から成る。
(i−1.ディレクションスライダ)[第3図、第4図、
第7図乃至第10図、第15図乃至第21図] 72はディレクションスライダである。
該ディレクションスライダ72は左右方向へ長い平板状
をした主部73と該主部73の前側縁の左右方向における略
中央から前方へ突出した左右幅の大きい腕74とが一体に
形成されて成り、主部73にはその左右両端部に左右方向
へ長い被案内長孔75、75が形成されると共に、左右方向
における中央と左端との間の略中間の位置には比較的小
さい被押圧片76が下方へ向けて切起状に形成され、左側
の被案内長孔75に右方から近接した位置の下面には円柱
状をした被制御ピン77が突設されている。
そして、主部73の後側部の左右方向における中間の部
分73aはその余の部分より後方へ突出した横長な略等脚
台形状をしており、この台形状をした部分73a(以下、
「規制部」と言う。)の後側縁の左右両端部及びそれに
続く斜縁に沿う部分78、78′(以下、「規制縁」と言
う。)はここを上方へ向けて折り起こすことで背の低い
壁状を為すように形成されている。尚、該規制部73aの
後側縁の左右両端部を除いた部分には横長の切欠73bが
形成されている。
また、腕74の前側縁の中央には係合切欠74aが形成さ
れている。
79は主部73の前側縁の右端寄りの位置から下方へ向け
て突設されたバネ当片である。
このようなディレクションスライダ72は、その被案内
長孔75、75にメカシャーシ2の下面に垂設された支持ピ
ン80、80が摺動自在に係合されることにより、左右方向
へ一定の範囲内で移動自在に支持される。
(i−2.低速用首振レバー及びシーソーレバーの位置制
御)[第1図、第3図、第8図乃至第10図] ディレクションスライダ72が第3図及び第10図に示す
ストップ位置、即ち、移動範囲における中間の位置に来
ている状態では、同図に示すように、その規制部73aが
低速用首振レバー56の2つの被押圧縁56eと56e′との間
にその規制縁78、78′の斜縁が上記被押圧縁56e、56e′
の角部と接触した状態で位置され、それにより、低速用
首振レバー56の回動が阻止されて該低速用首振レバー56
が中立位置に保持される。
また、この状態からディレクションスライダ72が左方
へ移動されると、その2つの規制縁78、78′の左側のも
の78(以下、「第1の規制縁」と言う。)が低速用首振
レバー56の左側の被押圧縁56eを略左後方へ向けて押圧
して低速用首振レバー56を時計回り方向へ回動させ、上
記被押圧縁56eの角部が第1の規制縁78の後縁に乗り上
げたところで低速用首振レバー59の時計回り方向への回
動が終了し、これと略同時にディレクションスライダ72
が第8図に示すノーマル位置、即ち、その移動範囲にお
ける略左端の位置に到達する。これにより、低速用首振
ギヤ57の小ギヤ57bがT側入力ギヤ8と噛合される。
また、ディレクションスライダ72がストップ位置から
右方へ移動されると、その右側の規制縁78′(以下、
「第2の規制縁」と言う。)が低速用首振レバー56の右
側の被押圧縁56e′を略右後方へ向けて押圧して該低速
用首振レバー56を反時計回り方向へ回動させ、上記被押
圧縁56e′の角部が第2の規制縁78′の後縁に乗り上げ
たところで、低速用首振レバー56の反時計回り方向への
回動が終了し、これと略同時にディレクションスライダ
72が第9図に示すリバース位置、即ち、その移動範囲に
おける右端近くの位置に到達する。これにより、低速用
首振ギヤ57の小ギヤ57bがS側リール台5′のギヤ部
7′と噛合される。
尚、ディレクションスライダ72がノーマル位置からス
トップ位置に戻されるときは、その第2の規制縁78′が
低速用首振レバー59の右側の被押圧縁56e′を押圧する
ことで低速用首振レバー56を中立位置に戻し、また、デ
ィレクションスライダ72がリバース位置からストップ位
置に戻されるときは、その第1の規制縁78が低速用首振
レバー56の左側の被押圧縁56eを押圧することで低速用
首振レバー56を中立位置に戻す。
ディレクションスライダ72の腕74に形成された係合切
欠74aには前記シーソーレバー50の腕52の円板状をした
後端部52aが回動自在に係合されている。
従って、シーソーレバー50の位置はディレクションス
ライダ72によって規制され、ディレクションスライダ72
が左方へ移動するとその係合切欠74の右側縁がシーソー
レバー50の後端部52aを左方へ向けて押圧し、ディレク
ションスライダ72が右方へ移動すると係合切欠74aの右
側縁がシーソーレバー50の後端部52aを右方へ向けて押
圧し、それによって、シーソーレバー50が回動される。
そして、ディレクションスライダ72がストップ位置に
来ている状態でシーソーレバー50が前記中立位置に保持
され、この状態ではシーソーレバー50によるヘッドベー
ス24の位置規制が行なわれないので、ヘッドベース24が
イジェクト時位置又はストップ時位置に保持される。ま
た、ディレクションスライダ72がノーマル位置へと移動
されたときはシーソーレバー50が反時計回り方向へ、デ
ィレクションスライダ72がリバース位置へと移動された
ときはシーソーレバー50が時計回り方向へそれぞれ回動
され、それによって、該シーソーレバー50がヘッドベー
ス24をプレイ時位置へと移動させ、ディレクションスラ
イダ72がノーマル位置又はリバース位置に保持されてい
る間はシーソーレバー50もヘッドベース24をプレイ時位
置へと移動させた位置に保持され、その状態からディレ
クションスライダ72がストップ位置に戻されるとシーソ
ーレバー50が中立位置に戻される。
(i−3.センタリングバネ)[第3図、第4図、第8図
乃至第10図、第16図、第17図、第20図] 81は腕の長い鋏形バネ状をしたセンタリングバネであ
り、ディレクションスライダ72の右端部と対応したとこ
ろに配置され、そのコイル部81aはメカシャーシ2の下
面に垂設されたバネ支持ピン82に支持されている。
83は、メカシャーシ2の下面の上記バネ支持ピン82よ
り稍後方へ離間したところに固定されたバネ当部材であ
り、センタリングバネ81の2つの腕81b、81cはその中間
部が上記バネ当部材83を左右両側から挟むように位置さ
れ、その先端部はディレクションスライダ72に形成され
たバネ当片79を左右両側から挟むように位置されてお
り、ディレクションスライダ72がストップ位置に来てい
る状態では、これら2つの腕81b、81cはいずれも前後方
向へ略真直ぐ延びた状態で上記バネ当部材83に弾接さ
れ、かつ、バネ当片79には軽く接触されている。
従って、ディレクションスライダ72がストップ位置か
ら左方へ移動するとそのバネ当片79がセンタリングバネ
81の左側の腕81bを押圧して該腕81bをバネ当部材83から
離間させるので、この状態で左側の腕81bの弾発力はバ
ネ当片79を右方へ向けて押圧する力として作用する。ま
た、ディレクションスライダ72がストップ位置より右方
へ移動すると、そのバネ当片79がセンタリングバネ81の
右側の腕81cを押圧して該腕81cをバネ当部材83から離間
させるので、この状態で腕81cの弾発力はバネ当片79を
左方へ向けて押圧する力として作用する。
しかして、ディレクションスライダ72がストップ位置
以外の位置に来ている状態では、常に、該ディレクショ
ンスライダ72にストップ位置へ向けての移動力が付勢さ
れる。
(i−4.カムギヤ)[第3図乃至第5図、第7図乃至第
11図、第15図乃至第21図] 84はカムギヤであり、上方から見て時計回り方向へ回
転される。
85はカムギヤ84の主部であり、円板状をしており、そ
の中心部がディレクションスライダ72を支持している前
記2つの支持ピン80、80のうち左側のものの下部に回転
自在に支持され、また、その中心はディレクションスラ
イダ72が有する被制御ピン77の移動軌跡の延長線上に位
置している。
(i−4−a.歯部、欠歯部、カムギヤの回転等)[第3
図乃至第5図、第7図乃至第11図、第15図乃至第21図] 86及び87は主部85の外周面85aの下部に周方向へ配列
形成された歯部、88、89は上記歯部86と87との間に位置
した欠歯部であり、前記伝達ギヤ18の小ギヤ18b(以
下、「駆動ギヤ」と言う。)はそのピッチ円が上記歯部
86、87のピッチ円に略前方から外接するように位置して
いる。
カムギヤ84の歯部86、87の一方86(以下、「第1の歯
部」と言う。)は中心角で略250゜位の長さを有し、も
う1つの歯部87(以下、「第2の歯部」と言う。)は中
心角で40゜より稍短い長さを有している。そして、カム
ギヤ84が第3図、第10図及び第15図(A)に示す位置
(以下、「第1のロック位置」と言う。)に来ている状
態で上方から見て、第1の歯部86の時計回り方向側端86
a(以下、「始端部」と言う。)はカムギヤ84の中心の
真前の位置より稍反時計回り方向側へ寄ったところに位
置し、第2の歯部87の始端部、即ち、時計回り方向側端
87aはカムギヤ84の中心の真左の位置から反時計回り方
向へ略50゜寄ったところに位置している。従って、2つ
の欠歯部88及び89のうち第1の歯部86の始端部86aと第
2の歯部87との間に位置した欠歯部88(以下、「第1の
欠歯部」と言う。)は中心角で略20゜余りの長さを有
し、もう1つの欠歯部89(以下、「第2の欠歯部」と言
う。)は中心角で略50゜の長さを有している。
カムギヤ84は後述するトリガレバーによって前記第1
のロック位置と第8図及び第9図に示す第2のロック位
置とでロックされ、カムギヤ84が第1のロック位置に来
た状態では第1の欠歯部88が駆動ギヤ18bと対応し、第
2のロック位置に来た状態では第2の欠歯部89のうち第
1の歯部86の終端部、即ち、反時計回り方向側端86b寄
りの部分が駆動ギヤ18bと対応している。
そして、カムギヤ84が2つのロック位置のいずれかに
来ている状態から該カムギヤ84に対する初期トリガー
(これについては後で説明する。)が行なわれると、カ
ムギヤ84に対して為されていたロックが解除されると共
に初期回転により少し時計回り方向へ回転する。
従って、カムギヤ84が第1のロック位置に来ている状
態から初期トリガーが行なわれ、かつ、モータ10が正転
して駆動ギヤ18bが反時計回り方向へ回転すると、第15
図(A)に2点鎖線で示すように、第1の歯部86の始端
部86aが駆動ギヤ18bと噛合して、該第1の歯部86が駆動
ギヤ18bにより送られ、それによりカムギヤ84が時計回
り方向へ回転し、そして、カムギヤ84のこのような回転
は第18図に示すように第2の欠歯部89が駆動ギヤ18bと
対応したところで、即ち、カムギヤ84が第2のロック位
置に到達したところで終了し、ここでカムギヤ84に対す
るロックが行なわれる。
また、カムギヤ84の第2のロック位置から第1のロッ
ク位置への移動も基本的は上記したと同様に行なわれる
が、第2の歯部87の始端部87aが駆動ギヤ18bと噛合する
ところまでの回転は初期トリガーによってでは無く、カ
ムギヤ84に設けられた後述するカム部をディレクション
スライダ72の被制御ピン77が押圧することによって行な
われる。
カムギヤ84のこのような回転については後で更に詳し
く説明する。
尚、カムギヤ84は、初期状態及びストップモードにお
いては第1のロック位置に保持され、プレイモードが形
成されるとき第2のロック位置へと移動され、また、通
常はストップモードが形成されるとき第1のロック位置
まで戻される。
(i−4−b.第1のカム部)[第3図、第4図、第8図
乃至第11図、第15図乃至第21図] 90は主部85の上面に形成された凹部であり、該凹部90
は主部85の直径より稍小さい直径を有する円形をしてお
り、その内周面の一部91は略くの字状に屈曲され、該く
の字に屈曲された周面91の大部分91a(以下、「終期案
内面」と言う。)は、カムギヤ84が第1のロック位置に
来ている状態で、カムギヤ84の中心の略前側の位置から
時計回り方向へ行くに従って後方へ向けて緩やかな弧を
描きながら変位し、かつ、後端へ行くに従って中心に近
づくように延びると共に、その後端は主部85の中心の略
右側にあって外周面85aと中心との間の略中間辺りに位
置し、また、くの字状に屈曲された周面91のその余の部
分91b(以下、「ストップ時規制面」と言う。)は終期
案内面91aの後端から略右方へ向って緩やかな弧を描く
ように延びている。
92は上記凹部90内に形成されたカム突部であり、中心
角で180゜余りの長さを有し、時計回り方向側端で細く
反時計回り方向側端で太い略勾玉状をしており、カムギ
ヤ84の中心部と内周面との間に位置し、その時計回り方
向側の先端部92aはカムギヤ84の中心部と内周面との間
の中間より稍内周面寄りのところに位置し、かつ、カム
ギヤ84が第1のロック位置に来ている状態でカムギヤ84
の中心の略真後ろに位置する。
そして、このようなカム突部92の側面は、機能上、ノ
ーマル用押圧面93とリバース用押圧面94と第1、第2、
2つの被押圧面95及び96とから成る。即ち、カム突部92
の側面のうちカムギヤ84の中心側を向いた部分の先端部
92a側の略3分の2の部分93がノーマル用押圧面であ
り、該ノーマル用押圧面93は円弧面状をしていてその反
先端部92a側の端はカムギヤ84の中心近くにあり、従っ
て、このノーマル用押圧面93は反時計回り方向に行くに
従ってカムギヤ84の中心からの距離が縮まるように形成
されている。また、カム突部92の側面のうちカムギヤ84
の中心と反対側を向いた部分の大部分94がリバース用押
圧面であり、該リバース用押圧面94はノーマル用押圧面
93より緩やかな円弧面状をしており、反時計回り方向へ
行くに従ってカムギヤ84の中心からの距離が長くなるよ
うに形成されている。ノーマル用押圧面93の反時計回り
方向側端に続く部分95が第1の被押圧面であり、この第
1の被押圧面95は平坦な面に形成されると共にカムギヤ
84が第2のロック位置に来ている状態では略左後方を向
くように形成されている。そして、この第1の被押圧面
95とリバース用押圧面94との間に位置した部分96が第2
の被押圧面であり、該第2の被押圧面96は極く緩やかな
曲面をしており、かつ、カムギヤ84が第2のロック位置
に来ている状態では略右後方を向くように形成されてい
る。
上記した終期案内面91a、ストップ時規制面91b、ノー
マル用押圧面93、リバース用押圧面94及び第1、第2、
2つの被押圧面95、96によって、ディレクションスライ
ダ72の位置制御を行なうためのカム部97(以下、「第1
のカム部」と言う。)が構成される。
ディレクションスライダ72が有する被制御ピン77の下
部はカムギヤ84の中心の右側において凹部90内に位置さ
れている。
(i−4−c.第2のカム部)[第5図、第15図、第18
図、第19図、第21図] 98は主部85の下面に形成された凹部であり、該凹部98
は主部85の直径より稍小さい直径を有する円形をしてお
り、その内周面98aには小さな台形状をした2つのロッ
ク突部99及び100が形成されており、これらロック突部9
9、100の一方99(以下、「第1のロック突部」と言
う。)はカムギヤ84が第1のロック位置に来た状態で、
また、他方のロック突部100(以下、「第2のロック突
部」と言う。)はカムギヤ84が第2のロック位置に来た
状態でそれぞれカムギヤ84の中心の略真後ろに位置する
ところに設けられている。
101は上記凹部98内のうちカムギヤ84の中心を含む領
域に形成された比較的大きなカム突部であり、その側面
は次のような各部から成る。
即ち、カムギヤ84が第1のロック位置に来ている状態
で上方から見て、カム突部101の側面のうち前記第1の
ロック突部99に対向した部分は該第1のロック突部99に
向って互いに略V字状を為すように開いた2つの斜面10
1a(以下、「初期被押圧面」と言う。)及び101b(以
下、「初期押戻面」と言う。)から成り、上記初期押戻
面101bの反初期被押圧面101a側の先端部101cは凹部98の
内周面98aと略平行に延び、この先端部101cから反時計
回り方向へ続く部分101dはカムギヤ84の略中心へ向って
延びる段差面状をしており、この段差面状をした部分10
1dに続く中心角で略160゜位の範囲の部分101e(以下、
「無変位面」と言う。)はカムギヤ84の中心と凹部98の
内周面98aとの間の略中間にあってカムギヤ84の中心か
らの距離が一定の円弧面状に形成され、更に、この無変
位面101eから先の部分101f(以下、「変位面」と言
う。)は反時計回り方向へ行くに従って凹部98の内周面
98a近くまで延びる平坦な面に形成されている。そし
て、上記変位面101fから先の比較的短い部分は内周面98
aと略平行に延びた後カムギヤ84の中心へ向って段差を
形成するように延びここから先の部分101g(以下、「保
持面」と言う。)は第2のロック突部100と対向した位
置にあって内周面98aと略平行に延び、この保持面101g
から先の部分はカムギヤ84の中心と反対の方向を向いて
互いに略V字状を為すように開いた終期被押圧面101h及
び終期押戻面101iから成り、上記終期押戻面101iと初期
被押圧面101aとの間の比較的短い部分はその大部分がカ
ムギヤ84からの距離が一定の円弧面状を為すように形成
されている。
102は凹部98内に形成された別のカム突部(以下、
「リバース用押圧カム」と言う。)であり、比較的細身
で、中心角で略45゜位の長さを有して緩やかな弧を描く
ように延び、上記無変位面101eの段差面101d寄りの部分
と内周面98aとの間の中間辺りに該内周面98aと略平行に
延びるように配置されており、カムギヤ84の中心から見
て、このリバース用押圧カム102の時計回り方向側端と
上記段差面101dとの間にはある程度の間隔が設けられて
いる。
上記2つのカム突部101と102によって後述するトリガ
レバーの位置制御を行なうための第2のカム部103が構
成される。
(i−4−d.制御用カム面)[第3図、第4図、第8図
乃至第11図、第16図、第17図、第20図] カムギヤ84の主部85の外周面85aの上部は前記制限ス
ライダ65の位置を制御するためのカム部になっている。
即ち、該外周面85a(以下、「制御用カム面」と言
う。)の一部には切欠85bが形成されており、この切欠8
5bはカムギヤ84が第1のロック位置に来た状態でカムギ
ヤ84の中心の略右側に位置される。
そして、制限スライダ65の左端65cはカムギヤ84の中
心の略右側にあって上記制御用カム面85aと対向してい
る。
従って、制限スライダ65には引張バネ70の引張力によ
る左方への移動力が付勢されているので、カムギヤ84が
第1のロック位置に来た状態では、制限スライダ65の左
端65cが第3図及び第11図に示すように、上記切欠85b内
に位置し、この状態で制限スライダ65が前記制限解除位
置に保持される。また、この状態からカムギヤ84が回転
されると、制限スライダ65の左端65cは制御用カム面85a
の切欠85b以外の部分に接触して制限スライダ65が右方
へ移動され、それにより、該制限スライダ65が前記制限
位置へと移動する。
(i−5.トリガレバー、電磁プランジャ)[第3図、第
4図、第7図乃至第10図、第15図乃至第21図] 104はトリガレバーである。
105はトリガレバー104の主部であり、略くの字形に屈
曲した平板状をしており、その両端部を除く部分はある
程度幅広に形成され、この幅広な部分の左端部に上方か
ら見て半円形をした係合突起106が立設され、また、幅
広な部分の右側部中央に円筒状をしたボス107が形成さ
れており、主部105の後端部105aはその余の部分より稍
高い位置にあり、バネ掛部になっている。
そして、主部105の上面には、その前端部に円柱状を
した押圧ピン108が、ボス107から稍前方へ寄った位置に
は背の低い押圧壁109が、また、バネ掛部105a寄りの位
置には連結ピン110がそれぞれ突設されている。
111はメカシャーシ2の下面のうちカムギヤ84に右後
方から近接した位置に固定された支持軸であり、上記ボ
ス107を貫通して形成された被支持孔107aに挿通され、
これにより、トリガレバー104が支持軸111に水平方向へ
回動自在に支持されている。
そして、トリガレバー104の係合突起106の上部はカム
ギヤ84の中心の略真後ろでカムギヤ84の下面に形成され
た前記凹部98内に位置される。
112は引張バネであり、その一端はメカシャーシ2に
突設されたバネ掛けピン112aに係着され、他端はトリガ
レバー104のバネ掛部105aに係着されており、この引張
バネ112の引張力によって、トリガレバー104には上方か
ら見て反時計回り方向への回動力が付勢されている。
113はメカシャーシ2の下面に固定された自己保持壁
の電磁プランジャであり、マグネット114及び該マグネ
ット114が固定されたヨーク115と該ヨーク115と離接す
る方向へ摺動自在な可動鉄心116と、コイル117、117等
から成り、可動鉄心116はコイル117、117が巻回された
ボビン118、118に摺動自在に支持されている。そして、
可動鉄心116の反ヨーク115側の端部には連結孔116aが形
成され、該連結孔116aにトリガレバー104の連結ピン110
が稍余裕を有した状態で嵌挿され、それによって、トリ
ガレバー104と可動鉄心116とが連結されている。
しかして、トリガレバー104は、可動鉄心116がヨーク
115に吸着された状態では、引張バネ112の引張力に抗し
て位置を規制され、この状態でトリガレバー104は、第1
5図(A)に実線で示すように、その係合突起106がカム
ギヤ84の第2のカム部103が有する前記2つのロック突
部99、100の回転軌跡上に位置した阻止位置に保持さ
れ、また、その状態から電磁プランジャ113のコイル11
7、117に対する通電が行なわれると、それによって生じ
る磁力によってヨーク115の可動鉄心116を吸着する力が
打ち消され、それにより、トリガレバー104は引張バネ1
12の引張力によって反時計回り方向へ回動される。
尚、トリガレバー104が有する押圧壁109は制限スライ
ダ65に形成された被押圧突部66に左方から対向してお
り、カムギヤ84が第1のロック位置に来ている状態では
トリガレバー104の押圧壁109と制限スライダ65の被押圧
突部66は互いに軽く接触又は極く近接されている(第3
図参照)。
(i−6.中間レバー)[第3図、第4図、第7図乃至第
10図、第15図乃至第21図] 119はリバースプレイモードを形成するときに上記ト
リガレバー104に押圧されることでディレクションスラ
イダ72を稍右方へ移動させるための中間レバーである。
該中間レバー119は比較的小さく、かつ、前後方向に
長い板状をしており、左右方向から見て略クランク状に
屈曲されていて、その前端部がメカシャーシ2の下面に
垂設された支持軸120に水平方向へ回動自在に支持され
ている。
そして、中間レバー119の右側縁の後端部121は右方へ
向って膨らんだ円弧状をしていて、この後端部121(以
下、「押圧部」と言う。)はディレクションスライダ72
に形成された被押圧片76に左方から対向されている。
また、中間レバー119の左側縁の上下方向における略
中央には被押圧片122が下方へ向けて突設されており、
この被押圧片122はトリガレバー104の押圧ピン108の回
動軌跡上にあって該押圧ピン108に略右方から対向して
いる。
尚、トリガレバー104が電磁プランジャ113に吸着され
た阻止位置に来ており、かつ、ディレクションスライダ
72がストップ位置に来ている状態では、中間レバー119
はトリガレバー104の押圧ピン108とディレクションスラ
イダ72の被押圧片76との間に稍余裕を有した状態で位置
している。
しかして、トリガレバー104が反時計回り方向へ回動
してその押圧ピン108が中間レバー119の被押圧片122を
右方へ押圧すると中間レバー119が時計回り方向へ回動
されてその押圧部121がディレクションスライダ72の被
押圧片76を右方へ向けて押圧し、それにより、ディレク
ションスライダ72が右方へ移動され、その移動量はトリ
ガレバー104の反時計回り方向への回動量に応じた量と
なる。
(j.制御回路)[第14図] 123はテーププレーヤ1の制御回路(要部のみを示し
てある。)である。
124はシステムコントローラであり、マイクロコンピ
ュータを備え、各種の信号が入力されたとき予め規定さ
れたプログラムに従って個々の駆動回路等へ所定の指令
信号を出力する。
125はモード選択用の各種の操作スイッチ等から成る
操作部であり、システムコントローラ124の入力部と接
続されている。
126はバッテリー電源127の電圧を測定するための電圧
測定素子、128は減電検出回路であり、該減電検出回路1
28は電圧検出素子126により検出されたバッテリー電源1
27の電源が予め規定された値に達したとき所定の信号
(以下、「限界信号」と言う。)をシステムコントロー
ラ124に送出する。
129はモータ駆動回路、130はプランジャ駆動回路であ
る。
そして、操作部125からシステムコントローラ124へプ
レイモードを選択する信号又はストップモードを選択す
る信号が出力されたときはシステムコントローラ124か
らプランジャ駆動回路130へ電磁プランジャ113に対する
通電を一時的に行なう信号が出力されると共に、モータ
駆動回路129へモータ10を正転させる信号が出力され、
そして、電磁プランジャ113への通電は、システムコン
トローラ124に入力された信号がノーマルプレイモード
又はストップモードを選択する信号であったときは1回
だけ行なわれ、リバースプレイモードを選択する信号で
あったときは所定の間隔を置いて2回行なわれる。ま
た、システムコントローラ124に早送モードを選択する
信号が入力されたときはモータ10を逆転させる信号が、
巻戻モードを選択する信号が入力されたときはモータ10
を正転させる信号がそれぞれシステムコントローラ124
からモータ駆動回路129へ出力される。
更に、減電検出回路128からシステムコントローラ124
へ上記限界信号が入力されたときは電磁プランジャ113
への通電を行なう指令がシステムコントローラ124から
プランジャ駆動回路130へ出力される。
尚、上記限界信号を出力するときのバッテリー電源12
7の電圧は、電磁プランジャ113に有効な反発磁力を発生
させるのに必要な最少限の電圧より稍高めの値に設定さ
れる。
(k.モードの形成)[第1図、第3図、第8図、第9
図、第11図、第15図乃至第21図] 前記各種のモードの選択的な形成は次のように行なわ
れる。
(k−1.初期状態)[第1図、第3図] 初期状態においては、トリガレバー104が電磁プラン
ジャ113に吸着された阻止位置に来ており、カムギヤ84
は第1のロック位置に来ていてその第1のロック突部99
がトリガレバー104の係合突起106に時計回り方向から当
接され、かつ、その第1のカム部97のストップ時規制面
91bがカムギヤ84の中心の略右側にあってディレクショ
ンスライダ72の被制御ピン77の移動軌跡に前方から接す
るように位置し、該被制御ピン77は上記ストップ時規制
面91bの略中間の部分に軽く接触している。
従って、この状態では、第1のカム部97による被制御
ピン77の左右方向への押圧は行なわれていないので、デ
ィレクションスライダ72はセンタリングバネ81によって
ストップ位置に保持され、それにより、シーソーレバー
50及び低速用首振レバー56がそれぞれの中立位置に保持
されている。
しかして、カムギヤ84は、その第1のロック突部99が
トリガレバー104の係合突起106に時計回り方向から当接
され、かつ、そのストップ時規制面91bに被制御ピン77
が反時計回り方向から接触されることによって第1のロ
ック位置にロックされる。
また、初期状態において、ヘッドベース24は戻しバネ
32によってイジェクト時位置に保持され、制限スライダ
65は引張バネ70によって制限解除位置に保持されてい
る。
以上の状態が初期状態であり、ストップモードの状態
はヘッドベース24がストップ時位置に来ていることを除
いて初期状態と変わるところは無い。即ち、ストップモ
ードにおいても、カムギヤ84は第1のロック位置にロッ
クされ、ディレクションスライダ72はストップ位置に、
シーソーレバー50は中立位置に、低速用首振レバー56は
中立位置に、制限スライダ65は制限解除位置にそれぞれ
保持され、ヘッドベース24だけは初期状態と異なりスト
ップ時位置に来ている。
尚、この状態において、ディレクションスライダ72の
被制御ピン77は、カムギヤ84の第1のカム部97が有する
カム突部92の先端部92aの回転軌跡より僅かに内側へ寄
ったところに位置する。
(k−2.高速走行モードの形成)[第11図] ストップモードから早送モードを選択する信号がシス
テムコントローラ124に入力されると、電磁プランジャ1
13に対する通電が行なわれること無しにモータ10が逆転
される。それにより、高速用首振レバー59が反時計回り
方向へ回動されてT側高速用首振ギヤ60がT側リール台
5のギヤ部7と噛合されて該T側リール台5が高速でテ
ープ巻取方向へ回転され、それにより、磁気テープ43が
ノーマル方向へ高速で走行される。
また、ストップモードから巻戻モードを選択する信号
がシステムコントローラ124に入力されると、電磁プラ
ンジャ113に対する通電が行なわれること無しにモータ1
0が正転される。それにより、高速用首振レバー59が時
計回り方向へ回動されてS側高速用首振ギヤ61がS側リ
ール台5′のギヤ部7′と噛合されて該S側リール台
5′が高速でテープ巻戻方向へ回転され、それにより、
磁気テープ43がリバース方向へ高速で走行される。
(k−3.プレイモードの形成)[第8図、第9図、第15
図乃至第21図] (k−3−a.カムギヤに対する初期トリガー等)[第15
図、第16図] 初期状態又はストップモードからプレイモードを選択
する信号がシステムコントローラ124に入力されると、
電磁プランジャ113に対する一時的な通電が行なわれる
と共にモータ10が正転され、このときの電磁プランジャ
113に対する通電(以下、「初期通電」と言う。)によ
りカムギヤ84に対する初期トリガー、即ち、それまで為
されていた第1のロック位置におけるロックの解除と初
期回転が行なわれる。
即ち、電磁プランジャ113に対する通電が行なわれる
と、トリガレバー104が電磁プランジャ113による吸着を
解かれて反時計回り方向へ回動されるので、その係合突
起106が第15図(A)に2点鎖線で示すように第1のロ
ック突部99から略前方へ外れ、それにより、カムギヤ84
に対して為されていたロックが解除されて該カムギヤ84
が回転し得る状態となる。そして、このとき、略前方へ
向けて移動される係合突起106は第2のカム部103が有す
る初期被押圧面101aに当接してそれを前方稍右側へ向け
て押圧し、そして、この押圧は、第15図(A)に2点鎖
線で示すように、係合突起106が上記初期被押圧面101a
とそれに続く初期押戻面101bとが連続する谷底状の部分
に当接する(このときのトリガレバー104の位置を、以
下、「非阻止位置」と言う。)迄行なわれ、この押圧に
より、カムギヤ84が時計回り方向へ僅かに回転される。
この回転が初期回転であり、この初期回転によってカム
ギヤ84の第1の歯部86の始端部86aが駆動ギヤ18bと噛合
され、この状態から駆動ギヤ18bが第1の歯部86を送る
ことでカムギヤ84が第2のロック位置へ向けて回転され
て行く。
そして、カムギヤ84が駆動ギヤ18bによって回転され
て行くと、上記初期押戻面101bが第15図(B)に実線で
示すように係合突起106を略右後方へ向けて押圧し、そ
れにより、トリガレバー104が時計回り方向へと回動さ
れて行き、係合突起106が初期押戻面101bの先端部101c
に乗り上げるのと略同時にトリガレバー104が阻止位置
に到達し、かつ、電磁プランジャ113に吸着保持され
る。
即ち、トリガレバー104は、電磁プランジャ113に対す
る初期通電をトリガーとして一旦非阻止位置迄移動さ
れ、その直後に阻止位置へと戻される。
そして、初期押戻面101bの先端部101cが係合突起106
から時計回り方向へ外れた時点では、第15図(B)に2
点鎖線で示すように、該係合突起106には第2のカム部1
03の前記段差面101dとリバース用押圧カム102との間の
部分が対向される。
尚、初期トリガーによってトリガレバー104が非阻止
位置へと移動したとき、その押圧ピン108が前記中間レ
バー119の被押圧片122を押圧して該中間レバー119を少
し時計回り方向へと回動させ、それにより、該中間レバ
ー119の押圧部121がディレクションスライダ72の被押圧
片76を右方へ向けて押圧して該ディレクションスライダ
72を第16図に示すように稍リバース位置側へ移動させ、
次いで、トリガレバー104が阻止位置へ向けて戻されて
行くと、トリガレバー104による中間レバー119に対する
押圧が解除されるので、ディレクションスライダ72はセ
ンタリングバネ81の弾発力によってストップ位置に戻さ
れる。
更に、トリガレバー104が非阻止位置へと移動される
とき、その押圧壁109が制限スライダ65の被押圧部66を
右方へ向けて押圧して該制限スライダ65を制限位置へと
移動させ(第6図参照)、それにより、高速用首振レバ
ー59の時計回り方向への回動が制限されてS側高速用首
振ギヤ61がS側リール台5′のギヤ部7′と噛合されて
しまうのが防止される。
(k−3−b.ノーマルプレイモードの形成)[第8図、
第17図、第18図] プレイモードを形成するための指令がノーマルプレイ
モードを選択するものであった場合は、電磁プランジャ
113に対する通電は前記初期通電だけが行なわれる。
従って、この場合は、カムギヤ84の第1のカム部97の
ノーマル用押圧面93がディレクションスライダ72の被制
御ピン77に接触して該被制御ピン77を左方へ向けて押圧
し、それによってディレクションスライダ72をノーマル
位置へと移動させる。
即ち、この場合は、ディレクションスライダ72がスト
ップ位置に来ていてその被制御ピン77がカム突部92の先
端部92aの回転軌跡の内側に位置している状態のままカ
ムギヤ84が第2のロック位置へ向けて回転されて行くの
で、カムギヤ84が第1のロック位置から略90゜回転され
たところで、上記カム突部92の先端部92aが、第17図に
2点鎖線で示すように、被制御ピン77に略右後方から当
接し、この状態からはカム突部92のノーマル用押圧面93
が被制御ピン77に接触してそれを左方へ向けて押圧して
行き、それにより、ディレクションスライダ72がストッ
プ位置からノーマル位置へ向けて移動されて行く。そし
て、ノーマル用押圧面93による被制御ピン77に対する左
方への押圧は該ノーマル用押圧面93の反時計回り方向側
端が被制御ピン77と接触したところで終了し、このとき
ディレクションスライダ72はノーマル位置よりほんの少
し左方へ寄った位置まで来ており、この直後にカムギヤ
84が第2のロック位置に到達してその第2のロック突部
100が阻止位置に来ているトリガレバー104の係合突起10
6に当接し、また、この僅かな間に被制御ピン77は第8
図に示し、また、第18図に2点鎖線で示すように、カム
突部92の第1の被押圧面95のノーマル用押圧面93側の端
部に当接することでほんの少し右方へ戻り、それによ
り、ディレクションスライダ72がノーマル位置に戻る。
従って、カムギヤ84が第2のロック位置に来た状態で
は、該カムギヤ84の回転が阻止されると共に、被制御ピ
ン77は略左後方を向いた第1の被押圧面95に左方から当
接することによって右方への移動を阻止され、それによ
り、ディレクションスライダ72がセンタリングバネ81の
弾発力に抗してノーマル位置に保持される。
しかして、ディレクションスライダ72がノーマル位置
へと移動されてそこに保持されるので、シーソーレバー
50が反時計回り方向へ回動されてサブレバー35を介して
ヘッドベース24をプレイ時位置へと移動させると共にN
側ピンチローラアーム19を前進位置へと移動させてその
ピンチローラ20がN側キャプスタン9に圧着され、ま
た、低速用首振レバー56が時計回り方向へ回動されてそ
の低速用首振ギヤ57がT側入力ギヤ8に噛合する。
このようにして、ノーマルプレイモードが形成され
る。
(k−3−c.リバースプレイモードの形成)[第9図、
第15図(B)、第18図乃至第20図] プレイモードを形成するための指令がリバースプレイ
モードを選択するものであった場合は、電磁プランジャ
113に対する通電は前記初期通電が行なわれた後所定の
間隔を置いてもう1回行なわれる。
即ち、リバースプレイモードが選択された場合は、前
記初期トリガーによってカムギヤ84の駆動ギヤ18bによ
る回転が開始し、かつ、トリガレバー104が阻止位置に
戻されたあと、カムギヤ84が第15図(B)に2点鎖線で
示す位置まで来たところで、もう1回電磁プランジャ11
3に対する通電が行なわれる。それにより、トリガレバ
ー104が反時計回り方向へ回動され、その係合突起106
が、第19図(A)に示すように、第2のカム部103の段
差面101dとリバース用押圧カム102との間を通って無変
位面101eの段差面101d寄りの端部近くまで来てリバース
用押圧カム102の時計回り方向側端の回転軌跡より内
側、即ち、カムギヤ84の中心寄りへ寄ったところに位置
される。
尚、このときのトリガレバー104の位置は、引張バネ1
12の引張力と該トリガレバー104が中間レバー119を介し
てディレクションスライダ72を右方へ押圧することに対
する反力、即ち、センタリングバネ81のそのときの弾発
力とのバランスにより規定され、この実施例では、トリ
ガレバー104が被阻止位置と略同じ位置に来たところで
上記引張力と弾発力とが釣り合ってトリガレバー104が
当接位置に保持されるようにしてある。
第20図(A)はこのときの状態を示している。
そして、この状態からディレクションスライダ72がト
リガレバー104により右方へ稍押圧されてその被制御ピ
ン77がカム突部92の先端部92aの回転軌跡より稍外側、
即ち、カムギヤ84の中心から遠くなる方向に移動され、
次いで、カム部92のリバース用押圧面94が被制御ピン77
を右方へ押圧してディレクションスライダ72をリバース
位置へと移動させる。
即ち、電磁プランジャ113に対する2回目の通電が行
なわれた後は、リバース用押圧カム102が、第19図
(B)に示すように、係合突起106を略前方へ向けて押
圧するので、トリガレバー104は非阻止位置より更に反
時計回り方向へ回動され、その押圧ピン108が中間レバ
ー119を介してディレクションスライダ72の被押圧片76
を右方へ向けて押圧する。この押圧により、ディレクシ
ョンスライダ72は、第20図(B)に示すように、リバー
ス位置近くまで移動され、それにより、被制御ピン77は
カム突部92の先端部92aの回転軌跡より右方に移動さ
れ、リバース用押圧カム102が係合突起106を押圧してい
る間にカム突部92の先端部92aが第19図(B)及び第20
図(B)に示すように被制御ピン77の左側に位置され
る。そして、第19図(C)に示すように、リバース用押
圧カム102が係合突起106から外れると、ディレクション
スライダ72はセンタリングバネ81によって与えられてい
るストップ位置への戻り力によって左方へ移動されてそ
の被制御ピン77がカム突部92のリバース用押圧面94に弾
接される。
従って、この状態からはリバース用押圧面94が被制御
ピン77を右方へ向けて押圧して行き、それにより、ディ
レクションスライダ72がリバース位置へ向けて移動され
て行く。
そして、リバース用押圧面94による被制御ピン77に対
する左方への押圧は該リバース用押圧面94の第2の被押
圧面96側の端が被制御ピン77と接触したところで終了
し、このとき、ディレクションスライダ72はリバース位
置よりほんの少し右方へ寄った位置まで来ており、ま
た、これよりある程度前の時点でトリガレバー104はそ
の係合突起106が第2のカム部103の変位面101fにより押
圧されることで阻止位置に戻され、カムギヤ84はリバー
ス用押圧面94の第2の被押圧面96側の端が被制御ピン77
と接触した直後に第2のロック位置に到達してその第2
のロック突部100がトリガレバー104の係合突起106に当
接し、この僅かな間に被制御ピン77は第9図に示し、ま
た、第18図に2点鎖線で示すように、カム突部92の第2
の被押圧面96のリバース用押圧面94側の端部と当接する
ことでほんの少し左方へ戻され、それにより、ディレク
ションスライダ72がリバース位置に到達する。
従って、カムギヤ84が第2のロック位置に来た状態で
は、該カムギヤ84の回転が阻止されると共に、被制御ピ
ン77は略右後方を向いた第2の被押圧面96に右方から当
接することによって左方への移動を阻止され、それによ
り、ディレクションスライダ72がセンタリングバネ81の
弾発力に抗してリバース位置に保持される。
しかして、ディレクションスライダ72がリバース位置
へと移動されてそこに保持されるので、シーソーレバー
50が時計回り方向へ回動されてヘッドベース24をプレイ
時位置へと移動させると共に、R側ピンチローラアーム
19′は前進位置へと移動されてそのピンチローラ20′が
R側キャプスタン9′に圧着され、また、低速用首振レ
バー56が反時計回り方向へ回動されてその低速用首振ギ
ヤ57がS側リール台5′のギヤ部7′に噛合する。
このようにしてリバースプレイモードが形成される。
(k−4.ストップモードの形成)[第18図、第21図] プレイモードからそれを解除するための信号、即ち、
ストップモードを選択する信号又は高速走行モードを選
択する信号が操作部125からシステムコントローラ124に
入力されると、電磁プランジャ113に対する通電が行な
われると共にモータ10が正転される。
すると、トリガレバー104が第18図に2点鎖線で示す
ように反時計回り方向へ回動されてカムギヤ84に対する
第2のロック位置でのロックが解除され、このとき、ト
リガレバー104の係合突起106には第2のカム部103の保
持面101gが対向しているので、電磁プランジャ113によ
る吸着を解除されたトリガレバー104は係合突起106が上
記保持面101gに当接したところでそれ以上反時計回り方
向へ回動するのを阻止される。
そして、カムギヤ84は、トリガレバー104によるロッ
クが解除されると、主としてディレクションスライダ72
のストップ位置への戻り力によって一気に、第21図
(B)に示す位置まで回転されてその第1の歯部87の始
端部87aが駆動ギヤ18bと噛合される。
即ち、前記したように、ノーマルプレイモードにおい
てはディレクションスライダ72はその被制御ピン77がカ
ムギヤ84の第1の被押圧面95に左方から当接されること
でセンタリングバネ81によるストップ位置への戻り力に
抗してノーマル位置に保持されており、また、リバース
プレイモードにおいてディレクションスライダ72はその
被制御ピン7が第2の被押圧面96に右方から当接するこ
とによって、これも上記ストップ位置への戻り力に抗し
てリバース位置に保持されているので、いずれのプレイ
モードにおいてもカムギヤ84にはディレクションスライ
ダ72に与えられているストップ位置への戻り力による時
計回り方向への回転力が与えられていてカムギヤ84はこ
のような回転力に抗してトリガレバー104により回転を
阻止されており、また、プレイモードにおいてはカムギ
ヤ84の第2の欠歯部89の時計回り方向側端が駆動ギヤ18
bと対応されているため、カムギヤ84が第2のロック位
置からある程度回転される間は第2の歯部87が駆動ギヤ
18bと噛合されることは無い。従って、プレイモードか
らカムギヤ84に対するロックが解除されると、該カムギ
ヤ84はディレクションスライダ72のストップ位置への戻
り力によって与えられている上記回転力によって時計回
り方向へ回転され、この回転は第21図(A)に示すよう
に被制御ピン77が第1の被押圧面95又は第2の被押圧面
96から外れるまで行なわれ、更に、カムギヤ84がこの第
21図(A)に示す位置まで来るとトリガレバー104の係
合突起106が第2のカム部103の終期被押圧面101hに接触
して該終期被押圧面101hを前方稍右側へ向けて押圧する
ので、ここからは、トリガレバー104に引張バネ112によ
って与えられている回動力によってカムギヤ84が更に時
計回り方向へ回転され、そして、この回転は、第21図
(B)に示すように、係合突起106が終期被押圧面101h
とそれに続く終期押戻面101iとが連続する谷底状の部分
に当接する迄行なわれ、それによって、第2の歯部87の
始端部87aが同図に示すように駆動ギヤ18bと噛合する。
このとき、カムギヤ84は第1のロック位置と第2のロ
ック位置との間の略中間の位置に来ている。
そして、ディレクションスライダ72は、その被制御ピ
ン77が第1の被押圧面95又は第2の被押圧面96から外れ
た時点でストップ位置に到達し、それにより、低速用首
振レバー56及びシーソーレバー50がそれぞれ中立位置に
戻ると共に、ピンチローラアーム19、19′は後退位置に
戻され、ヘッドベース24はその規制ピン29が制御レバー
45の阻止縁48bに当接したところまで、即ち、ストップ
位置まで戻される。
従って、この時点、即ち、カムギヤ84が第1のロック
位置と第2のロック位置まで来たところで事実上ストッ
プモードが形成される。
そして、カムギヤ84は、第2の歯部87が駆動ギヤ18b
によって送られることで更に回転されて第1のロック位
置へと移動され、また、駆動ギヤ18bによる回転の開始
と略同時に第2のカム部103の終期押戻面101iが係合突
起106を押圧してトリガレバー104を阻止位置へと戻し、
この直後にカムギヤ84が第1のロック位置に到達してそ
の第1のロック突部99がトリガレバー104の係合突起106
に当接してロックされ、駆動ギヤ18bは第1の欠歯部88
が対応する。
尚、カムギヤ84が駆動ギヤ18bによって回転されて行
くとき、ディレクションスライダ72の被制御ピン77は、
第21図(C)に示すように、第1のカム部97の終期案内
面91aにより稍左方へ押圧された後ストップ時規制面91b
に当接し、従って、ディレクションスライダ72は一時的
にストップ位置より稍左方へ移動される。
ストップモードの形成は以上のように行なわれる。
(l.減電時のヘッドベースの戻り等)[第14図] プレイモードにおいて、バッテリー電源127の電圧が
予め規定された値まで下がったときは、自動的に事実上
のストップモードが形成されてヘッドベース24がストッ
プ時位置まで戻される。
即ち、前記したように、バッテリー電源127の電圧が
予め規定された値以下になったことが減電検出回路128
により検出されると、該減電検出回路126からシステム
コントローラ124へ限界信号が出力され、それにより、
電磁プランジャ113に対する通電が行なわれて第2のロ
ック位置に来ているカムギヤ84に対するロックが解除さ
れる。
従って、ディレクションスライダ72は、前記したスト
ップモードの形成時と同様、センタリングバネ81により
付勢されているストップ位置への戻り力によって、カム
ギヤ84を回転させながらストップ位置まで移動し、これ
により、シーソーレバー50が中立位置に戻されるので、
ヘッドベース24はストップ時位置へと移動される。
しかして、テーププレーヤ1のカムギヤ84が第1のロ
ック位置と第2のロック位置との間で止まってしまうこ
とを除いて事実上のストップモードになり、ディレクシ
ョンスライダ72及びシーソーレバー50によるヘッドベー
ス24に対する位置規制が解除されるので、制御レバー45
をイジェクト時位置へと移動させることが可能になる。
(G.発明の効果) 以上に記載したところから明らかなように、本発明テ
ーププレーヤは、カセット装着部に装着されたテープカ
セットのイジェクトは磁気ヘッドをテープカセットのカ
セットケース外に位置させた状態で行なうテーププレー
ヤであって、磁気ヘッドを支持し該磁気ヘッドがカセッ
トケース外に位置された後退位置と磁気ヘッドがカセッ
トケース内に位置されたストップ位置と該ストップ位置
より更に反後退位置寄りのプレイ位置との間を移動され
ると共に後退位置への戻り力を付勢されかつ規制部が設
けられたヘッドベースと、該ヘッドベースを移動させか
つプレイ位置へと移動させたときはその位置に保持する
ヘッドベース移動手段と、テープカセットのイジェクト
を行なうためのイジェクト手段と、該イジェクト手段が
操作されたときのイジェクト時位置と非イジェクト時位
置との間を移動されその移動方向と交差する方向へ延び
る被阻止面とヘッドベースの移動方向と交差する方向へ
延びる阻止面を有するカム部が設けられた制御レバーと
を備え、ヘッドベースの位置がヘッドベース移動手段に
より規制されている状態即ちヘッドベースが後退位置か
ら前進されるとき及びプレイ位置に来た状態では制御レ
バーの被阻止面がヘッドベースの規制部と対向すること
により制御レバーのイジェクト時位置への移動が阻止さ
れてイジェクト手段に対する操作を不能にし、ヘッドベ
ースのプレイ位置における保持が解除されてストップモ
ードが形成されるときはヘッドベースの規制部が制御レ
バーの阻止面に当接することでヘッドベースがストップ
位置に保持され、その状態からイジェクト手段が操作さ
れると制御レバーがイジェクト時位置へと移動されてヘ
ッドベースの規制部が制御レバーの阻止面から外れてヘ
ッドベースが後退位置に戻されるようにしたことを特徴
とする。
従って、本発明テーププレーヤにあっては、プレイモ
ードからストップモードが形成されるときはヘッドベー
スの戻りをストップ位置で止め、ストップモードからイ
ジェクト手段が操作されたときはヘッドベースのストッ
プ位置への保持を解除し、プレイモードが形成されると
き及びプレイモードが形成されている状態ではイジェク
ト手段に対する操作を不能にし、ヘッドベースが後退位
置に来ている状態又はストップモードではイジェクト手
段に対する操作を可能にするという諸々の制御を制御レ
バー1つの追加だけで行なうことができるので、この種
のテーププレーヤの構造を、所要の機能を全く損なうこ
と無く簡単にすることができると共に、小型化及び低コ
スト化を促進することができる。
尚、前記実施例に示した各部材の形状ないしは構造等
は本発明を実施するに当っての具体化のほんの一例を示
したものにすぎず、これらによって本発明の技術的範囲
が限定的に解釈されてはならない、特に、制御レバーの
移動方向は直線方向に限られるものでは無く、また、ヘ
ッドベースに設けられる規制部は円柱状の形態のものに
限られることは無い。
【図面の簡単な説明】
図面は本発明テーププレーヤの実施の一例を示すもので
あり、第1図はメカシャーシより上にある部分を一部切
り欠いて示す平面図、第2図はメカシャーシより上にあ
る部分の要部を分解して示す拡大斜視図、第3図は主と
してメカシャーシより下にある部分の拡大平面図、第4
図は主としてメカシャーシより下にある部分を分解して
示す拡大斜視図、第5図はカムギヤの拡大斜視図、第6
図は第1図のVI−VI線に沿う拡大断面図、第7図は第3
図のVII−VII線に沿う拡大断面図、第8図はノーマルプ
レイモードにおける要部を示す平面図、第9図はリバー
スプレイモードにおける要部を示す平面図、第10図はス
トップモードにおける要部を一部切り欠いて示す平面
図、第11図は高速走行モードにおける要部を示す平面
図、第12図はイジェクト釦が操作されてヘッドベースが
後退位置に戻されたときの状態を一部切り欠いて示す要
部の平面図、第13図はヘッドベースが後退位置から前進
して行くときにイジェクト操作が不能にされることを説
明するための要部の平面図、第14図は回路ブロック図、
第15図は初期トリガーに伴なう各部の動きを(A)から
(B)へ経時的に示す要部の拡大水平断面図、第16図は
初期トリガーに伴なうディレクションスライダ等の位置
の変化を示す要部の一部切欠平面図、第17図はノーマル
プレイモードの形成過程の一部を示す要部の一部切欠平
面図、第18図はプレイモードの形成が完了したときの要
部を拡大して示す水平断面図、第19図はリバースプレイ
モードが形成されるときのカムギヤやトリガレバー等の
動きを(A)から(C)へ経時的に示す要部の拡大水平
断面図、第20図はリバースプレイモードの形成過程の一
部を(A)から(B)へ経時的に示す要部の一部切欠平
面図、第21図はストップモードが形成されるときのカム
ギヤ、トリガレバー等の動きを(A)から(C)へ経時
的に示す要部の拡大水平断面図、第22図はカムギヤの回
転に伴なう諸部材の位置の変化を示すタイムチャート図
である。 符号の説明 1……テーププレーヤ、 2a……カセット装着部、 4……テープカセット、 24……ヘッドベース、 25……磁気ヘッド、29……規制部、 35、50、84、104……ヘッドベース移動手段、 41……カセットケース、 45……制御レバー、48……カム部、 48b……阻止面、 48c……被阻止面、 49……イジェクト手段

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】カセット装着部に装着されたテープカセッ
    トのイジェクトは磁気ヘッドをテープカセットのカセッ
    トケース外に位置させた状態で行なうテーププレーヤで
    あって、 磁気ヘッドを支持し、該磁気ヘッドがカセットケース外
    に位置された後退位置と磁気ヘッドがカセットケース内
    に位置されたストップ位置と該ストップ位置より更に反
    後退位置寄りのプレイ位置との間を移動されると共に後
    退位置への戻り力を付勢されかつ規制部が設けられたヘ
    ッドベースと、 該ヘッドベースを移動させかつプレイ位置へと移動させ
    たときはその位置に保持するヘッドベース移動手段と、 テープカセットのイジェクトを行なうためのイジェクト
    手段と、 該イジェクト手段が操作されたときのイジェクト時位置
    と非イジェクト時位置との間を移動され、その移動方向
    と交差する方向へ延びる被阻止面とヘッドベースの移動
    方向と交差する方向へ延びる阻止面を有するカム部が設
    けられた制御レバーとを備え、 ヘッドベースの位置がヘッドベース移動手段により規制
    されている状態即ちヘッドベースが後退位置から前進さ
    れるとき及びプレイ位置に来た状態では制御レバーの被
    阻止面がヘッドベースの規制部と対向することにより制
    御レバーのイジェクト時位置への移動が阻止されてイジ
    ェクト手段に対する操作を不能にし、ヘッドベースのプ
    レイ位置における保持が解除されてストップモードが形
    成されるときはヘッドベースの規制部が制御レバーの阻
    止面に当接することでヘッドベースがストップ位置に保
    持され、その状態からイジェクト手段が操作されると制
    御レバーがイジェクト時位置へと移動されてヘッドベー
    スの規制部が制御レバーの阻止面から外れてヘッドベー
    スが後退位置に戻されるようにした ことを特徴とするテーププレーヤ
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