JP2973426B2 - 微細パターンの形成方法 - Google Patents

微細パターンの形成方法

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、超伝導マイクロブリッジ電界効果トランジ
スタのゲート、一次元量子細線デバイス等に用いる微細
線の加工に適する微細パターンの形成方法に関する。
〔従来の技術〕
従来、一般に100nm以下の微細パターンを形成する方
法としては、ソリッド ステート テクロノジー(Soli
d State Technology)117頁、1985年にあるように、集
束電子ビームや集束イオンビーム等を用いてレジストマ
スクを形成した後、エッチングやリフトオフ等の手法に
よって加工する方法が良く知られていた。
〔発明が解決しようとする課題〕
従来の集束電子ビームや集束イオンビーム等の描画装
置は、高価である上に線幅100nm以下のパターンを得る
ためには焦点合わせ等の操作に高度な技術が必要なため
に、製造コストが高くなるという問題があった。また、
微細なパターンを得るためには、高いドーズ量が必要で
あることと、フィールドサイズが微小になることのため
に、線幅100nm以下のパターンを有する大領域の露光は
非現実的であり、集積回路等への適用が難かしいという
問題点も有していた。
本発明の目的は、製造コストが安く、しかも大領域に
わたって線幅100nm以下の微細パターンの形成が可能な
微細パターンの形成方法を提供することにある。
〔課題を解決するための手段〕
本発明の微細パターンの形成方法は、基板上に第1の
物質層を形成する工程と、前記第1の物質層の上に前記
第1の物質層よりも薄い第2の物質層を堆積する工程
と、前記第2の物質層上にレジストマスクを形成する工
程と、スパッタ性が強い第1のエッチング手段を用いて
前記レジストマスクに覆われていない前記第2の物質層
をエッチング除去すると同時に前記レジストマスクの側
壁に前記除去された第2の物質の一部を再付着させ再付
着層を形成する工程と、第2のエッチング手段を用いて
前記再付着層は一部を残し前記第2の物質層は完全にな
くなるようにエッチングする工程と、前記第2の物質よ
り前記第1の物質の方がエッチング速度が大きい第3の
エッチング手段を用いて前記再付着層をマスクにして前
記第1の物質層をエッチングする工程とを含んで構成さ
れる。
〔作用〕
第2の物質層に対して、例えばアルゴンスパッタエッ
チング等のスパッタ性の強い第1のエッチング手段を施
すと、レジストマスクの側壁に第2の物質がその厚さの
30〜50%程度の厚さの膜が付着する。このレジストマス
ク側壁への付着物はレジストマスクを除去した後も残
る。次に第2のエッチング手段を施す。エッチング時間
を制御することで、前記レジストマスク側壁に付着した
層(以後再付着層と記す)だけを残して第2の物質層を
完全に除去することができる。第2の物質の再付着層を
マスクとして第3のエッチング手段を用いて第1の物質
層をエッチングする。第3のエッチング手段における第
1の物質層のエッチング速度が第2の物質層のエッチン
グ速度に比べて十分大きければ、再付着層が薄くても十
分エッチングマスクになり得る。再付着層の幅は、第2
の物質の種類、第1のエッチングの方法、第1のエッチ
ングによってエッチングされる第2の物質層の厚さに依
存するが、いずれにしても第2の物質層の厚さ以下であ
る。第2の物質層は十分薄く、膜厚の制御性良く成膜で
きるため、再付着層の幅は十分狭くすることができる。
以上のことから、第1の物質層の微細パターンを形成
することができる。
〔実施例〕 この実施例では、超伝導マイクロブリッジや超伝導ト
ランジスタのゲート部分に用いるニオブ(Nb)の加工を
例にとって説明を行う。
第1図(a)〜(e)は本発明の一実施例を説明する
ための工程順に示した断面図である。
まず、第1図(a)に示すように、シリコン基板1を
熱酸化して酸化膜2を形成する。スパッタ法を用いて酸
化膜2の上に第1の物質層としてNb層3を300nmの厚さ
に堆積し、この上に第2の物質層としてAl層4を50nmの
厚さに堆積する。Al層4の上にヘキスト社製ポジ型レジ
ストAZ1350J(商品名)を200nmの厚さに塗布した後、UV
密着露光法で露光し、アルカリ性現像液を用いて現像を
行い、レジストマスク5を形成する。
次に、第1図(b)に示すように、第1のエッチング
手段として、Arガス圧(2〜6)×10-2Pa、加速電圧50
0Vの条件でArスパッタエッチングを基板に対して垂直に
3分間行い、レジストマスク5に覆われてないAl層4を
完全に除去する。このとき、ジャーナル オブ バキウ
ム サイエンス アンド テクロノジー(Journal of V
acuum Science and Technology)19巻、221頁、1981年
にあるように、第2の物質層であるAl層4は、その厚さ
の約30%、つまり本実施例の場合約15nmがレジストマス
ク側壁に付着し、再付着Al層6が形成される。
次に、第1図(c)に示すように、酸素ガス圧100P
a、電力500Wの条件で灰化処理(アッシング)を行い、
レジストマスク5を除去する。
次に、第1図(d)に示すように、第2のエッチング
手段として、Cl2ガス圧5.0Pa、電力0.16W/cm2の条件で
反応性イオンエッチングを1分間行い、レジストマスク
5に覆われていたために残っていた第2の物質層である
Al層4を完全に除去する。再付着Al層6は、第1のエッ
チング時にスパッタされたときに残留酸素によって多少
酸化されているため、Cl2反応性イオンエッチングによ
ってエッチングされにくい。このことと、再付着Al層6
はAlが厚くなっていることから再付着Al層6は第2のエ
ッチング後も残る。
次に、第1図(e)に示すように、第3のエッチング
手段として、CF4ガス圧10Pa、電力0.16W/cm2の条件で、
再付着Al層6をエッチングマスクとして反応性イオンエ
ッチングを5分間行い、第1の物質層であるNb層3をエ
ッチングして線幅1.5nmのNbの微細パターンを得る。こ
のとき、電子情報通信学会技術報告SCE88−28(1988
年)にあるように、エッチング時の基板温度を30℃以下
に保つことで垂直なエッチングプロファイルが得られ、
エッチングマスクの線幅がほぼ正確にNb層3に転写され
る。また、前記条件によるCF4反応性イオンエッチング
におけるNbとAlのエッチング速度はそれぞれ60nm/分、
0.3nm/分であり、Nbのエッチング速度はAlのエッチング
速度に比べて約200倍程大きいため、薄いAl層であって
も十分にエッチングマスクになる得る。
上記実施例において示したように、Nbパターンの線幅
は、第1のエッチング手段によってエッチングする第2
の物質層であるAl層4の厚さを変えることによって容易
に制御することができる。また、第1のエッチングは基
板に垂直に行ったが、基板に対するArイオンの入射角度
を変えることでも再付着Al層6の幅を変えることがで
き、Nbパターン線幅を制御できる。
また、上記実施例では、第2のエッチング手段として
Cl2ガスを用いた反応性イオンエッチングを用いたが、
第1のエッチング手段と同じArスパッタエッチングを用
いてもよい。ただし、この場合は新たな再付着により再
付着Al層6の幅は約2倍に増加する。
以下説明したように、本実施例で示した微細パターン
の形成方法を用いれば、集束電子ビームや集束イオンビ
ーム等の高価な露光装置を使用しなくても100nm以下の
微細パターンが容易に形成できるため、製造コストが大
幅に下がる。また、露光上の制約がないため大領域にわ
たって微細パターンが形成できる。また、第1のエッチ
ング手段によってエッチングされる第2の物質層の厚さ
を変えることでパターンの幅を容易に制御できる。
〔発明の効果〕
以上説明したように、本発明の微細パターン形成方法
を用いれば、集束電子ビームや集束イオンビーム等の高
価な露光装置を用いる必要がないため、製造コストが大
幅に下がる。また、露光装置上の制約がないため、大領
域(例えばウェーハ全面)にわたり微細パターンが形成
でき、集積回路等のデバイスに容易に適用できるという
効果を有する。
【図面の簡単な説明】
第1図(a)〜(e)は本発明の一実施例を説明するた
めの工程順に示した断面図である。 1……シリコン基板、2……酸化膜、3……Nb層、4…
…Al層、5……レジストマスク、6……再付着Al層。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基板上に第1の物質層を形成する工程と、
    前記第1の物質層の上に前記第1の物質層よりも薄い第
    2の物質層を堆積する工程と、前記第2の物質層上にレ
    ジストマスクを形成する工程と、スパッタ性が強い第1
    のエッチング手段を用いて前記レジストマスクに覆われ
    ていない前記第2の物質層をエッチング除去すると同時
    に前記レジストマスクの側壁に前記除去された第2の物
    質の一部を再付着させ再付着層を形成する工程と、第2
    のエッチング手段を用いて前記再付着層は一部を残し前
    記第2の物質層は完全になくなるようにエッチングする
    工程と、前記第2の物質より前記第1の物質の方がエッ
    チング速度が大きい第3のエッチング手段を用いて前記
    再付着層をマスクにして前記第1の物質層をエッチング
    する工程とを含むことを特徴とする微細配線パターンの
    形成方法。
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