JP2971382B2 - 高硬度な皮膜を有する塩ビ鋼板の製造方法 - Google Patents

高硬度な皮膜を有する塩ビ鋼板の製造方法

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JP2971382B2 JP7349446A JP34944695A JP2971382B2 JP 2971382 B2 JP2971382 B2 JP 2971382B2 JP 7349446 A JP7349446 A JP 7349446A JP 34944695 A JP34944695 A JP 34944695A JP 2971382 B2 JP2971382 B2 JP 2971382B2
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    • B32BLAYERED PRODUCTS, i.e. PRODUCTS BUILT-UP OF STRATA OF FLAT OR NON-FLAT, e.g. CELLULAR OR HONEYCOMB, FORM
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    • B32B15/04Layered products comprising a layer of metal comprising metal as the main or only constituent of a layer, which is next to another layer of the same or of a different material
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高硬度で耐圧痕
性、耐ブリード性(可塑剤)にすぐれ、かつ、加工性、
意匠性にすぐれた塩ビ鋼板の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】塩ビ鋼板は、加工性、耐食性、耐候性及
び意匠性などの特性に優れており、建材、電気機器、車
両、家具などの広い分野に適用されている。
【0003】塩ビ鋼板の製造方法は、プラスチゾル法と
フィルム積層法に大別される。プラスチゾル法では、ポ
リ塩化ビニル樹脂、可塑剤、安定剤、顔料などからなる
プラスチゾルを接着剤層を介して鋼板上に所定の厚みに
塗装した後、加熱によって塗膜をゲル化した後、皮膜に
エンボス加工を行って製造される。
【0004】しかし、プラスチゾル法で製造された塩ビ
鋼板は一般的に塗膜が軟質であり、フィルム積層法で製
造された塩ビ鋼板に比べ、塗膜の硬度、耐圧痕性、耐ブ
リード性などの特性が劣る。プラスチゾル法において
は、ポリ塩化ビニル樹脂、可塑剤、安定剤、顔料、希釈
剤などからなるプラスチゾルを鋼板上にロールコーター
等の方法で塗装されるのでプラスチゾル粘度を一定の範
囲にする必要がある。そこで、通常はポリ塩化ビニル樹
脂100重量部に対して可塑剤を40〜60重量部配合
したプラスチゾルが用いられており、フィルム積層法に
比べて、塗膜中の可塑剤が多くなって塗膜が軟質にな
る。この結果、製品が積載されて塗膜表面に大きな圧力
がかかった時、エンボス模様が押しつぶされ易くなって
耐圧痕性に問題があり、また、塗膜中の可塑剤が表面に
移行し易くなって耐ブリード性に問題がある。
【0005】これらのプラスチゾル法の欠点を改良する
方法として、ポリ塩化ビニル樹脂あるいは可塑剤の選択
ならびに希釈剤の使用などの面から低可塑剤で塗装可能
な粘度を有するプラスチゾルの検討がなされてきたが、
特性の改善には限界があった。
【0006】そこで、プラスチゾル中に液状の重合性可
塑剤を配合し、ゲル化時の加熱によって硬化する方法、
あるいは硬化後さらに紫外線を照射して塗膜を硬化する
方法(特公昭44ー31818、特公昭50ー2258
0、特公昭57ー9593など)が提案されている。ま
た、プラスチゾル中にアクリル系重合体粉末を配合する
方法及びアクリル系重合体粉末と加熱硬化あるいは紫外
線硬化可能なモノマー、オリゴマーを配合する方法(特
公平5ー31467、特公平4ー76747など)が提
案されている。しかし、これらの方法はいずれもポリ塩
化ビニル樹脂に比べて数倍も高価な配合剤を用いてお
り、経済的には大きな問題がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】以上記載したように、
プラスチゾル法で製造された塩ビ鋼板の塗膜は一般に軟
質であり種々な欠点を有している。また、これらの問題
点を解決する方法として提案されている方法は、いずれ
の方法もポリ塩化ビニル樹脂に比べて高価な配合剤を用
いる方法であり、経済的に問題がある。本発明は、プラ
スチゾル法で製造される塩ビ鋼板の上記の欠点を解決し
ようとするものであり、塗膜の硬度、耐圧痕性、耐ブリ
ード性などの特性に優れ、かつ経済性にすぐれる塩ビ鋼
板を製造する方法を提供する。また、本発明は、プラス
チゾルの低可塑剤量での低粘度化をはかった。
【0008】
【課題を解決するための手段】このような課題に対し、
本発明は鋼板表面に公知の接着剤を塗布し加熱により焼
き付けを行った後、特定の粒子径分布を有するポリ塩化
ビニル樹脂粉末と特定な可塑剤をポリ塩化ビニル樹脂粉
末100重量部に対して20〜40重量部配合し、さら
に公知の顔料、安定剤を配合した低可塑剤量で低粘度な
プラスチゾルを被覆することを特徴とする。すなわち本
発明の塩ビ鋼板の製造方法は、95重量%以上が粒子径
0.5〜40μmであり、かつ15〜40重量%が0.
5〜3μm未満で1〜3μmにピークを有し、かつ55
〜80重量%が3〜40μmで8〜15μmにピークを
有する2ピークタイプのポリ塩化ビニル樹脂粉末A10
0重量部に対して、可塑剤として炭素数7〜9のアルコ
ール成分から成るフタル酸エステル5〜25重量部と炭
素数8〜10のアルコール成分から成るアジピン酸エス
テル5〜15重量部でかつ総量として20〜40重量部
配合し、さらに公知の顔料、安定剤を配合したプラスチ
ゾルを被覆することを特徴とする。また、95重量%以
上が粒子径0.5〜40μmであり、かつ15〜40重
量%が0.5〜3μm未満で1〜3μmにピークを有
し、かつ55〜80重量%が3〜40μmで8〜15μ
mにピークを有する2ピークタイプのポリ塩化ビニル樹
脂粉末A60〜95重量部と90重量%以上が粒子径1
0〜60μmであり、かつ20〜40μmにピークを有
するポリ塩化ビニル樹脂粉末B5〜40重量部でかつA
とBの合計100重量部に対して、可塑剤として炭素数
7〜9のアルコール成分から成るフタル酸エステル5〜
25重量部と炭素数8〜10のアルコール成分から成る
アジピン酸エステル5〜15重量部でかつ総量として2
0〜40重量部配合し、さらに公知の顔料、安定剤を配
合したプラスチゾルを被覆することを特徴とする。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明の方法において、鋼板とし
て、冷延鋼板及び冷延鋼板に亜鉛めっき、クロムめっ
き、すずめっき、ニッケルめっき、アルミニウムめっ
き、鉛めっきあるいはこれらの金属の合金めっきならび
に複層めっきを行った鋼板あるいはさらにこれらのめっ
き鋼板の上層にクロメート処理、リン酸塩処理等の化成
処理を施した鋼板を使用することが可能である。また、
その目的に応じてステンレス鋼板、アルミニウム板を選
択することもできる。
【0010】本発明の方法で、鋼板と塩ビ塗膜の接着の
ために、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ウレタン樹
脂、エポキシ樹脂あるいはアクリルゴムなどを主成分と
する公知の接着剤を用いることができる。鋼板表面に、
皮膜厚3〜10μmになるように被覆した後、160〜
250℃で1分間加熱することによって焼き付けを行
い、続いてプラスチゾルを塗布する。
【0011】本発明にあたり、塗布されるプラスチゾル
の組成及び性状と得られた塩ビ鋼板の特性について詳細
に試験を行った結果、通常のプラスチゾル法で製造され
た塩ビ鋼板の塗膜の硬度、耐圧痕性、耐ブリード性など
の特性がフィルム積層法に比べて劣る最も大きな原因
は、塗膜中の可塑剤量の差にあることがわかった。フィ
ルム積層法で用いるフィルムは一般にカレンダー加工法
で製造されており、フィルム中の可塑剤量をほぼ任意の
割合にすることが可能であって、塩ビ鋼板用途ではポリ
塩化ビニル樹脂100重量部に対して25〜40重量部
配合されている。これに対して、プラスチゾル法の場
合、プラスチゾルを鋼板上にロールコーターなどで所定
の厚みに塗装する必要があるため、プラスチゾルの粘度
を一定以下にする必要があり、通常、ポリ塩化ビニル樹
脂100重量部に対して可塑剤を40〜60重量部配合
されている。この可塑剤量の差が塗膜の特性に大きく影
響している。
【0012】そこで、本発明は低可塑剤量で低粘度なプ
ラスチゾルを確立するためにポリ塩化ビニル樹脂粉末の
粒子径分布及び可塑剤の選択に着目して検討を重ねてき
た結果、塗膜の硬度、耐圧痕性、耐ブリード性などの特
性に優れ、かつ経済性にすぐれるプラスチゾルを見い出
した。
【0013】本発明のプラスチゾルに使用されるポリ塩
化ビニル樹脂粉末Aは乳化重合法あるいはマイクロサス
ペンジョン法で製造された平均重合度500〜2,50
0のものである。また、塩化ビニルモノマーとエチレ
ン、プロピレン、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ア
ルキルビニルエーテル、塩化ビニリデン、ジエチルフマ
レートあるいはメタアクリル酸エステルを共重合してか
らなるポリ塩化ビニル系樹脂粉末を用いることができ
る。
【0014】一般にプラスチゾル法で塩ビ鋼板を製造す
る場合、図1に示す平均粒子径1〜2μmで1ピークの
粒子径分布のものが使用されている。そこで、低可塑剤
量で低粘度を達成するためポリ塩化ビニル樹脂粉末の粒
子径について鋭意検討を行った結果、低可塑剤量で低粘
度なプラスチゾルを得るにはプラスチゾル中でのポリ塩
化ビニル樹脂の充てん密度を上げる必要があり、このた
めには図2に一例として示す2ピークタイプの粒子径分
布が好ましいことが判明した。
【0015】本発明のポリ塩化ビニル樹脂粉末Aの粒子
径は、95重量%以上が粒子径0.5〜40μmであ
り、かつ15〜40重量%が0.5〜3μm未満で1〜
3μmにピークを有し、かつ55〜80重量%が3〜4
0μmで8〜15μmにピークを有する2ピークタイプ
の粒子径を有することが好ましい。粒子径40μm以上
の粉末が5重量%を越えるとプラスチゾル塗装表面の仕
上がりが悪くなって好ましくない。粒子径0.5〜3μ
mの粉末が15重量%未満で、粒子径3〜40μmの粉
末が80重量%を越えるとプラスチゾルのゲル化性能が
低下して塗膜の強度が低下するので好ましくない。ま
た、粒子径0.5〜3μmの粉末が40重量%以上で、
粒子径3〜40μmの粉末が55重量%未満になるとプ
ラスチゾル粘度が高くなり、塗装性が悪くなるので好ま
しくない。
【0016】また、可塑剤量20〜40重量部のプラス
チゾルの低粘度化についてさらに検討を行った結果、図
3に一例として示すような粗粒なポリ塩化ビニル樹脂粉
末Bを配合するとさらに低粘度になり、塗装性が著しく
向上することが判明した。
【0017】本発明のプラスチゾルに使用されるポリ塩
化ビニル樹脂粉末Bはサスペンジョン法で製造された平
均重合度500〜2,000のものである。また、塩化
ビニルモノマーとエチレン、プロピレン、酢酸ビニル、
プロピオン酸ビニル、アルキルビニルエーテル、塩化ビ
ニリデン、ジエチルフマレートあるいはメタアクリル酸
エステルを共重合してからなるポリ塩化ビニル系樹脂粉
末を用いることができる。
【0018】ポリ塩化ビニル樹脂粉末Bの粒子径は10
〜60μmであり、かつ20〜40μmにピークを有す
るものが好ましい。また、粒子径15〜40μmのもの
が70重量%以上になるとさらに好ましい。粒子径10
μm未満の粉末が10重量%を越えるとプラスチゾルの
粘度を下げる効果が失われるので好ましくない。また、
粒子径60μm以上のものが10重量%を越えるとプラ
スチゾル塗装表面の仕上がりが悪くなって好ましくな
い。
【0019】本発明のプラスチゾル中のポリ塩化ビニル
樹脂AとBの割合は、ポリ塩化ビニル樹脂AとBの合計
量100重量部とした場合、ポリ塩化ビニル樹脂A60
〜95重量部でポリ塩化ビニル樹脂B5〜40重量部が
好ましい。ポリ塩化ビニル樹脂Aが60重量部未満でポ
リ塩化ビニル樹脂Bが40重量部を越えるとゲル化後の
塗膜強度が低下するので好ましくない。また、ポリ塩化
ビニル樹脂Aが95重量部以上でポリ塩化ビニル樹脂B
が5重量部未満になるとポリ塩化ビニル樹脂Bを配合す
る効果が見られないので好ましくない。
【0020】次に、本発明の方法においてプラスチゾル
に配合する可塑剤について検討を行った結果、公知のフ
タル酸エステル、トリメリット酸エステル、アジピン酸
エステルなどをはじめとして各種脂肪族エステル、各種
フォスフェートなどの一次可塑剤あるいは二次可塑剤を
用いることができるが、プラスチゾル粘度、粘度の経時
安定性、ゲル化性能及び塗膜の硬度、耐圧痕性、加工
性、耐ブリード性などの特性面より炭素数7〜9のアル
コール成分から成るフタル酸エステルと炭素数8〜10
のアルコール成分から成るアジピン酸エステルの組み合
わせが好ましいことが分かった。
【0021】その配合比率については、ポリ塩化ビニル
樹脂粉末100重量部に対して、可塑剤として炭素数7
〜9のアルコール成分から成るフタル酸エステル5〜2
5重量部と炭素数8〜10のアルコール成分から成るア
ジピン酸エステル5〜15重量部でかつ合計が20〜4
0重量部になるように配合するのが好ましい。
【0022】炭素数7〜9のアルコール成分からなるフ
タル酸エステルが5重量部未満で炭素数8〜10のアル
コール成分から成るアジピン酸エステルが25重量部以
上になると塗膜の耐ブリード性が低下するので好ましく
ない。また、炭素数7〜9のフタル酸エステルが25重
量部以上で炭素数8〜10のアルコール成分から成るア
ジピン酸エステルが5重量部未満になると低温での衝撃
加工性が低下するので好ましくない。さらに、可塑剤の
合計量が20重量部未満になるとプラスチゾルの粘度が
高くなって塗装性が低下するので好ましくない。また、
可塑剤の合計量が40重量部以上になると塗膜の硬度が
低下して耐圧痕性が低下するので好ましくない。
【0023】可塑剤として炭素数7未満のアルコール成
分からなるフタル酸エステルを用いるとプラスチゾルの
粘度の経時安定性が低下及び塗膜の硬度が軟質になるの
で好ましくない。また、炭素数10以上のアルコール成
分からなるフタル酸エステルを用いるとプラスチゾルの
粘度が高くなり、塗装性が低下するので好ましくない。
【0024】また、可塑剤として炭素数7未満のアルコ
ール成分からなるアジピン酸エステルを用いると塗膜の
耐ブリート性が低下するので好ましくない。また、炭素
数10以上のアルコール成分からなるフタル酸エステル
を用いるとプラスチゾルの粘度が高くなり、塗装性が低
下するので好ましくない。
【0025】また、本発明の方法において、プラスチゾ
ル中に公知の顔料、安定剤、各種添加剤ならびに希釈剤
を配合することができる。希釈剤についてはポリ塩化ビ
ニル樹脂100重量部に対して、10重量部未満が望ま
しい。10重量部以上になると塗膜に膨れが発生するの
で望ましくない。
【0026】本発明では、前述した特徴を持つプラスチ
ゾルを接着剤を介して鋼板表面に30〜500μmの厚
さに塗布した後、210℃で1分間の加熱を行うことに
よって該塗膜をゲル化した直後に所定のエンボス加工を
施して塩ビ鋼板を製造する。
【0027】プラスチゾルの塗装はナイフコーター、ロ
ールコーター、バーコーターいずれの方法でも塗装可能
である。
【0028】本発明のプラスチゾルの物性及び塩ビ鋼板
の特性は、下記の方法で評価した。 (1)プラスチゾルの粘度 東京計器(株)製のBM型粘度計により、ローターNo.
4、回転数6rpmの条件で測定した。 (2)塗装性及び塗膜外観の評価 プラスチゾルをナイフコーターで鋼板上に塗布した後、
加熱によりゲル化したエンボス加工前の塗膜の表面を目
視により評価した。 〔評価基準〕 ○:良好(表面平滑、すじ状あるいはぶつ等の欠陥なし) △:やや良好(わずかにすじ状あるいはぶつ等の欠陥あり) ×:不良(全面にすじ状あるいはぶつ等の欠陥あり) (3)塗膜の硬度 (株)島津製作所製のデユロメーター(タイプA)を用
いて温度25℃で測定した。 (4)低温衝撃加工性 デユポン衝撃加工試験機(ポンチ径:1/2インチ≪、
荷重:1kg、落下高さ:50cm)を用い、温度0℃
において試験した後、塗膜の割れの発生を評価した。 (5)耐圧痕性 塩ビ鋼板を15cm×15cmのサイズに切断した後、
数枚を積み重ねて、その上から荷重を3kg/cm2
えた状態で40℃、10日間経時した。その後試験板を
取り出して塗膜表面のエンボス状態を目視により評価し
た。 〔評価基準〕 ○:良好(エンボスの異常なし) △:やや良好(わずかにエンボスが押しつぶされている) ×:不良(全面にわたってエンボスが押しつぶされている) (6)耐ブリード性 塩ビ鋼板を15cm×15cmのサイズに切断した後、
塩ビ鋼板と塩ビ鋼板の間に2軸延伸ポリエステルフィル
ムをはさんで数枚を積み重ねて、その上から荷重を10
kg/cm2 加えた状態で50℃、10日間経時した。
その後試験板を取り出して塗膜面と接しているポリエス
テルフィルム面を目視により観察した。 〔評価基準〕 ○:良好(ブリードが全く認められない) △:やや良好(わずかに液状物質が認められる) ×:不良(全面にわたって液状物質が認められる)
【0029】
【実施例】以下、実施例により本発明を説明する。
【0030】実施例1〜8 めっき量20g/m2 のクロメート処理を施された板厚
0.5mmの電気亜鉛めっき鋼板の上に公知のアクリル
/エポキシ樹脂系の接着剤を乾燥皮膜厚5μm塗布した
後、ガスオーブンにて230℃で焼き付けを行い冷却し
た表面に表1〜2に示す配合のプラスチゾルを塗布し、
続いてガスオーブンにて210℃に加熱してゲル化して
塩ビ鋼板を作製した。
【0031】
【表1】
【0032】
【表2】
【0033】
【表3】
【0034】本発明の実施例1〜8の方法により作製さ
れた塩ビ鋼板は、表4に示すようにプラスチゾルの粘度
が低く塗装性が良好であり、得られた塗膜は高硬度でか
つ低温衝撃加工性、耐圧痕性ならびに耐ブリード性に優
れていた。
【0035】
【表4】
【0036】比較例1〜11 めっき量20g/m2 のクロメート処理を施された板厚
0.5mmの電気亜鉛めっき鋼板の上に公知のアクリル
/エポキシ樹脂系の接着剤を乾燥皮膜厚5μm塗布した
後、ガスオーブンにて230℃で焼き付けを行い冷却し
た表面に表5〜7に示す配合のプラスチゾルを塗布し、
続いてガスオーブンにて210℃に加熱してゲル化して
塩ビ鋼板を作製した。
【0037】比較例1〜7の方法の試験結果を表8に示
す。
【0038】比較例1は、従来の1ピークタイプのポリ
塩化ビニル樹脂粉末100重量部に対してを用いて可塑
剤量30重量部配合した場合であり、得られたプラスチ
ゾルの粘度が著しく高く、塗装が出来なかった。
【0039】比較例2は、従来の1ピークタイプのポリ
塩化ビニル樹脂粉末100重量部に対してを用いて可塑
剤量50重量部配合した場合であり、得られたプラスチ
ゾルの粘度は低く塗装性は良好であったが、塗膜硬度が
低く耐圧痕性、耐ブリード性に劣った。
【0040】比較例3は、粒子径0.5〜3μmの比率
が高すぎる2ピークタイプのポリ塩化ビニル樹脂粉末を
用いた場合であり、可塑剤量30重量部の配合ではプラ
スチゾルの粘度が高く、塗装性、耐圧痕性が劣った。
【0041】比較例4は、粒子径3〜40μmの比率が
90%の2ピークタイプのポリ塩化ビニル樹脂粉末を用
いた場合であり、プラスチゾルの粘度は低いが、低温衝
撃加工性、耐圧痕性が劣った。
【0042】比較例5は、粒子径0.5〜3μmの比率
が20重量%でピーク位置が0.8μmの2ピークタイ
プのポリ塩化ビニル樹脂粉末を用いた場合であり、プラ
スチゾルの粘度が高く、塗装性、耐圧痕性が劣った。
【0043】比較例6は、粒子径3〜40μmの比率が
80重量%でピーク位置が18μmの2ピークタイプの
ポリ塩化ビニル樹脂粉末を用いた場合であり、プラスチ
ゾルの粘度は低く塗装性は良好であるが、低温衝撃加工
性が劣った。
【0044】比較例7は、粒子径3〜40μmの比率が
80重量%でピーク位置が5μmと小さい2ピークタイ
プのポリ塩化ビニル樹脂粉末を用いた場合であり、プラ
スチゾルの粘度が高く、塗装性、耐圧痕性が劣った。
【0045】比較例8は、本発明の2ピークタイプのポ
リ塩化ビニル樹脂粉末Aに対してアルコール成分の炭素
数がそれぞれ4の可塑剤であるDBP(ジイソブチルフ
タレート)及びDIBA(ジイソブチルアジペート)の
合計量が30重量部になるように配合した場合であり、
プラスチゾルの粘度は低く塗装性には優れているが、塗
膜硬度が低く、耐圧痕性、耐ブリード性が劣った。
【0046】比較例9は、本発明の2ピークタイプのポ
リ塩化ビニル樹脂粉末Aに対してアルコール成分の炭素
数が10の可塑剤であるDIDP(ジイソデシルフタレ
ート)及びDIDA(ジイソブチルアジペート)の合計
量が30重量部になるように配合した場合であり、プラ
スチゾルの粘度が高く塗装性が不良であり、耐圧痕性が
劣った。
【0047】比較例10は、本発明の2ピークタイプの
ポリ塩化ビニル樹脂粉末A50重量部と本発明のポリ塩
化ビニル樹脂粉末B50重量部配合した場合であり、得
られたプラスチゾルの粘度は低かったが塗装性が不良で
あり、低温衝撃加工性、耐圧痕性が劣った。
【0048】比較例11は、本発明の2ピークタイプの
ポリ塩化ビニル樹脂粉末Aに対して粒子径80〜120
μmが90重量%でピーク位置が100μmの粗粒ポリ
塩化ビニル樹脂粉末を配合した場合であり、得られたプ
ラスチゾルの粘度は低かったが塗装性が不良であり、低
温衝撃加工性、耐圧痕性が劣った。
【0049】
【表5】
【0050】
【表6】
【0051】
【表7】
【0052】
【表8】
【0053】
【表9】
【0054】
【発明の効果】本発明の方法により、塗膜が高硬度でか
つ低温衝撃加工性、耐圧痕性及び耐ブリード性などの特
性に優れる塩ビ鋼板を効率よく安価に製造することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の1ピークタイプのポリ塩化ビニル樹脂粉
末の粒子径分布図である。
【図2】本発明の方法による2ピークタイプのポリ塩化
ビニル樹脂粉末Aの粒子径分布図の一例である。
【図3】本発明の方法による粗粒のポリ塩化ビニル樹脂
粉末Bの粒子径分布図の一例である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI B32B 27/22 B32B 27/22 27/30 101 27/30 101 31/12 31/12 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B05D 3/02 B05D 7/14 B32B 1/00 - 35/00

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】95重量%以上が粒子径0.5〜40μm
    であり、かつ15〜40重量%が0.5〜3μm未満で
    1〜3μmにピークを有し、かつ55〜80重量%が3
    〜40μmで8〜15μmにピークを有する2ピークタ
    イプのポリ塩化ビニル樹脂粉末A100重量部に対し
    て、可塑剤として炭素数7〜9のアルコール成分から成
    るフタル酸エステル5〜25重量部と炭素数8〜10の
    アルコール成分から成るアジピン酸エステル5〜15重
    量部でかつ総量として20〜40重量部配合し、さらに
    公知の顔料、安定剤を配合したプラスチゾルを被覆する
    ことを特徴とする高硬度な皮膜を有する塩ビ鋼板の製造
    方法。
  2. 【請求項2】95重量%以上が粒子径0.5〜40μm
    であり、かつ15〜40重量%が0.5〜3μm未満で
    1〜3μmにピークを有し、かつ55〜80重量%が3
    〜40μmで8〜15μmにピークを有する2ピークタ
    イプのポリ塩化ビニル樹脂粉末A60〜95重量部と9
    0重量%以上が粒子径10〜60μmであり、かつ20
    〜40μmにピークを有するポリ塩化ビニル樹脂粉末B
    5〜40重量部でかつAとBの合計100重量部に対し
    て、可塑剤として炭素数7〜9のアルコール成分から成
    るフタル酸エステル5〜25重量部と炭素数8〜10の
    アルコール成分から成るアジピン酸エステル5〜15重
    量部でかつ総量として20〜40重量部配合し、さらに
    公知の顔料、安定剤を配合したプラスチゾルを被覆する
    ことを特徴とする高硬度な皮膜を有する塩ビ鋼板の製造
    方法。
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