JP2968633B2 - 地盤改良装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、地盤改良装置に関する
ものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、地盤改良工法としては、掘削機に
よって地盤に掘削孔を穿設し、同掘削孔中に、スラリー
状の地盤改良材を注入撹拌して、この混練物の固化によ
り地盤強度を高める方法がある。上記の工法では、掘削
孔内に回転軸を配設し、同回転軸の先端部から地盤改良
材を注入しながら回転軸の先端に設けた撹拌羽で地盤改
良材と土砂とを撹拌し、さらに、同回転軸には、改良材
供給装置を接続し、掘削孔中に地盤改良材を注入するよ
うにしている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかし、上記の地盤改
良工法は、以下のような課題を有していた。即ち、その
作業中において、撹拌羽による撹拌の際に、注入したス
ラリーにより周辺地盤に影響をあたえ、周辺構造物の破
壊等のトラブルが生じていた。

【０００４】また、掘削孔中に、改良材を注入しながら
掘削土を撹拌する際に、地盤改良材と掘削土とが均一に
撹拌されず、地盤改良強度にムラが生じてしまい、地盤
の固化を均一に行うことができないという不具合があっ
た。

【０００５】本発明は、上記の課題を解決する地盤改良
工法及びその装置を提供することを目的とする。

【０００６】

【課題を解決しようとする手段】本発明は、軟弱地盤を
掘削して掘削孔を穿設し、かつその掘削土を取り出す掘
削機と、掘削土と地盤改良材とを混合する混合装置と、
同混合装置に地盤改良材を送る改良材供給装置とを具備
する地盤改良装置であって、下記の構成に特徴を有す
る。

【０００７】すなわち、混合装置に設けた混合槽に、混
練物搬送ポンプを介して供給パイプを接続すると共に、
同供給パイプの先端部を、前記混合装置と掘削機とを接
続する掘削土吸込パイプに三方弁を介して接続して、掘
削土と地盤改良材との混練物を、前記掘削孔に搬送可能
とした。

【０００８】

【発明の効果】本発明では、軟弱地盤を掘削して掘削孔
を穿設し、かつその掘削土を取り出す掘削機と、掘削土
と地盤改良材とを混合する混合装置と、同混合装置に地
盤改良材を送る改良材供給装置とを具備する地盤改良装
置であって、混合装置に設けた混合槽に、混練物搬送ポ
ンプを介して供給パイプを接続すると共に、同供給パイ
プの先端部を、前記混合装置と掘削機とを接続する掘削
土吸込パイプに三方弁を介して接続して、掘削土と地盤
改良材との混練物を、前記掘削孔に搬送可能としてい
る。

【０００９】したがって、軟弱地盤を掘削する行程、掘
削して得た掘削土に地盤改良材を混練する行程、混練物
を掘削した孔に埋め戻す行程、を一つの装置で円滑にお
こなうことができる。

【００１０】そして、混練物の固化によって軟弱地盤の
改良を行なうことができるが、掘削土と地盤改良材との
混練も十分に行なえるので軟弱地盤の固化ムラがなく均
一状態に固化させることができる。

【００１１】

【実施例】以下_、本発明の実施例を参照しながら説明す
ると、図１において、１は地盤改良装置を示し、同改良
装置１は、軟弱地盤を掘削して掘削孔Ａを穿設し、かつ
その掘削土ａを掘削孔Ａより取り出す掘削機２と、掘削
土ａと地盤改良材ｂとを混合する混合装置３と、同混合
装置３に地盤改良材ｂを送る改良材供給装置４と、混合
した掘削土ａと地盤改良材ｂを掘削孔Ａ内に戻す搬送装
置５とを具備している。

【００１２】そこで、上記の地盤改良装置１の掘削機２
の構成について詳説する。即ち、図１に示すように、掘
削機２は、移動装置（図示せず）のリーダに昇降自在に
取付ける掘削円筒体６の下端内側部に、アースオーガ７
が収納され、同オーガ７より下方に突設した出力軸7a
に、地盤を掘削する掘削刃８を回転自在に連結して、同
掘削刃８によって掘削した掘削土ａを掘削円筒体６内に
掻き入れるようにしている。なお、９は掘削円筒体６内
において、アースオーガ７を支持する支持フレームを示
す。

【００１３】また、掘削円筒体６内には、掘削土吸込パ
イプ10を収納するとともに、同パイプ10の先端開口部10
a を掘削円筒体６の下部に配設し、同パイプ10の中途部
に設けた吸込ポンプ11の駆動によって掘削土ａの吸込み
外方に取り出すようにしている。さらに、掘削円筒体６
内には、水噴出管12を収納しており、同水噴出管12のノ
ズルからの水を掘削土ａと混合させて掘削土吸込パイプ
10による掘削土ａの吸込を円滑に行うようにしている。

【００１４】また、上記の掘削機２には、混合装置３が
接続されており、同混合装置３は、掘削土ａから異物を
除去する濾過器13と、掘削土ａを乾燥させる水分調節槽
14と、地盤改良材ｂとの混合を行う混合槽15とを具備し
ている。さらに、本実施例では、２槽の混合槽15を設け
ており、各混合槽15が交互に掘削土の受け入れと、改良
土の搬送を行い、サイクルタイムの短縮を行っている。
なお、15a は混合槽15の撹拌羽を示す。

【００１５】さらに、水分調節槽14は、混合槽15に掘削
土ａを搬送する際に、地盤改良材ｂの容積を考慮して、
掘削土ａを調節してその供給を行うとともに、掘削土ａ
の含水比を一定にしている。また、水分調節槽14から余
剰の掘削土ａは、既設孔に戻すようにしている。

【００１６】本実施例では、濾過器13には、掘削機２か
らの掘削土吸込パイプ10の基端部を接続するとともに、
同掘削土吸込パイプ10に、三方弁16を介して搬送装置５
としての混合槽15からの供給パイプ17の先端部を接続し
ている。

【００１７】さらに、搬送装置５として、供給パイプ17
に混練物搬送ポンプ18を取付けて、同ポンプ18によっ
て、掘削孔Ａ中にその混練物を強送するものである。

【００１８】そして、掘削機２からの掘削土ａを取り出
して、同混合槽15で地盤改良材ｂと混合し、その後に、
混合槽15からの混練物を掘削土吸込パイプ10を通して、
掘削円筒体６より掘削孔Ａ中に戻すようにしている。

【００１９】さらに、混合装置３の混合槽15には、改良
材供給装置４が接続されており、以下、その構成を詳説
する。即ち、改良材供給装置４は、図１に示すように、
セメント、水を計量するタンク19と、各材料を混合して
地盤改良材ｂとするミキサー20と、地盤改良材ｂを撹拌
調節する撹拌器21とを具備している。なお、20a はミキ
サー20の撹拌羽、21a は撹拌器21の撹拌羽を示す。

【００２０】そして、撹拌器21には、改良材搬送パイプ
22を介して混合装置３の混合槽15とそれぞれ接続して、
同パイプ22に設けた改良材供給ポンプ23の駆動によって
撹拌器21内の地盤改良材ｂを混合槽15に供給するように
している。

【００２１】また、水のタンク19a には、水供給パイプ
24を介して掘削機２の水噴出管12と混合装置３の濾過器
13とを接続しており、同タンク19a からの水を掘削機２
と混合装置３とに送るようにしている。なお、25は水供
給パイプ24中に設けた水供給ポンプを示す。

【００２２】そこで、上記の地盤改良装置１による改良
工法について説明すると、軟弱地盤において、掘削機２
の掘削刃８を回転させながら掘削円筒体６を降下させ
て、地盤を掘削して、同掘削土ａを掘削土吸込パイプ10
で混合装置３に搬送する地面Ｇに掘削孔Ａを穿設して、
その掘削土ａを混合装置３の混合槽15に送る。

【００２３】次いで、混合装置３の混合槽15内におい
て、同混合槽15内に改良材供給装置４から地盤改良材ｂ
を供給して、同掘削土ａと地盤改良材ｂとを混合撹拌し
て、同改良材ｂの混ざり具合を均一状態とする。

【００２４】そして、混練物搬送ポンプ18を駆動して、
混合槽15の混練物を、搬送装置５の供給パイプ17と掘削
土吸込パイプ10とを通して掘削孔Ａ中に強送する。さら
に、混練物の充填の際に、掘削円筒体６を上昇させて、
地面Ｇから抜き取る。

【００２５】このように、混合装置３から送られた混練
物を掘削孔Ａ中に充填することにより、混練物の固化に
よって軟弱地盤の改良を行うものである。しかも、掘削
土ａと地盤改良材ｂとの撹拌を充分に行って、軟弱地盤
の固化ムラをなくし、均一状態に固化させることができ
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係る地盤改良装置の説明図である。

【符号の説明】

１ 地盤改良装置 ２ 掘削機 ３ 混合装置 ４ 改良材供給装置 ５ 搬送装置 ａ 掘削土 ｂ 地盤改良材

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 軟弱地盤を掘削して掘削孔(A) を穿設
   し、かつその掘削土(a) を取り出す掘削機(2) と、掘削
   土(a) と地盤改良材(b) とを混合する混合装置(3) と、
   同混合装置(3) に地盤改良材(b) を送る改良材供給装置
   (4) とを具備する地盤改良装置であって、 混合装置(3) に設けた混合槽(15)に、混練物搬送ポンプ
   (18)を介して供給パイプ(17)を接続すると共に、同供給
   パイプ(17)の先端部を、前記混合装置(3) と掘削機(2)
   とを接続する掘削土吸込パイプ(10)に三方弁(16)を介し
   て接続して、掘削土(a) と地盤改良材(b) との混練物
   を、前記掘削孔(A) に搬送可能とした ことを特徴とする
   地盤改良装置。