JP2968255B1 - 超格子半導体発光素子 - Google Patents

超格子半導体発光素子

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JP2968255B1 JP14703998A JP14703998A JP2968255B1 JP 2968255 B1 JP2968255 B1 JP 2968255B1 JP 14703998 A JP14703998 A JP 14703998A JP 14703998 A JP14703998 A JP 14703998A JP 2968255 B1 JP2968255 B1 JP 2968255B1
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千秋 堂本
直毅 大谷
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株式会社エイ・ティ・アール環境適応通信研究所
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Abstract

【要約】 【課題】 従来例に比較して簡単でかつ低価格に製造す
ることができ、しかも室温で安定に連続動作することが
できる超格子半導体発光素子を提供する。 【解決手段】 超格子構造を有する真性半導体i層15
を備えたヘテロ接合pin型ダイオード半導体素子であ
る。真性半導体i層15は、障壁層21と量子井戸層2
2と障壁層21と活性層23とを順に形成してなる1周
期分の層を複数周期積層することにより形成されてな
る。また、量子井戸層22の量子化準位Γ1と、それに
隣接する活性層23の量子化準位L1及びΓ1とが実質
的に同一のエネルギーレベルとなるように、量子井戸層
22及び活性層23の各厚さが設定され、量子井戸層2
2の量子化準位Γ1に存在する電子を、それに隣接する
活性層23の量子化準位L1及びΓ1に遷移させた後、
当該活性層23の量子化準位Γ2からその量子化準位Γ
1に遷移させて発光を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、超格子構造を有す
る超格子半導体発光素子に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、光通信・計測用の光源及び光集積
回路等に用いることのできる発光素子の検討が活発に行
われている。最近では、例えば、従来技術文献「納富ほ
か、“量子井戸層サブバンド間遷移レーザー”,応用物
理,第64巻,第7号,pp.674−677,199
5年」において解説されているように、現在広く用いら
れている半導体レーザーとは異なる構造を有する半導体
レーザーが提案されている。上記従来技術文献で示され
た半導体レーザーは、量子カスケードレーザーと呼ば
れ、超格子半導体の量子井戸のサブバンド間遷移を用い
てレーザー発振を実現している。
【0003】このような超格子構造を有する超格子半導
体の量子井戸層において、第2の量子化準位(第2の準
位Γ2点)の電子を第1の量子化準位(第1の準位Γ1
点)に緩和させて発光させるためには、第2の量子化準
位の電子の数を第1の量子化準位の電子の数より多くす
る、いわゆる反転分布を実現することが必要である。こ
の従来例の量子カスケードレーザーでは、量子井戸層の
第2の量子化準位の電子を、当該量子井戸層とは異なる
空間的に離れた量子井戸層の第1の量子化準位に遷移さ
せるように、超格子の周期が一定でない特殊な構造にし
て、反転分布を実現し、量子井戸層の第2の量子化準位
の電子を、当該量子井戸層とは異なる空間的に離れた量
子井戸層の第1の量子化準位に遷移させて発光させてい
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
た従来例のサブバンド間遷移を用いた量子カスケードレ
ーザーでは、有効なサブバンド間の反転分布を得るため
に、超格子の周期が一定でない特殊な周期構造の超格子
を作製する必要があり、素子の設計及び成長が難しく、
高価格になるという問題点があった。また、量子井戸層
の第2量子化準位の電子を、当該量子井戸層とは異なる
空間的に離れた量子井戸層の第1量子化準位に遷移させ
て発光させているので、第2量子化準位と第1量子化準
位間の遷移確率が低くなり、発光効率が低いという問題
点があった。また発光に寄与しない電子は素子の温度を
上昇させるため、素子を破壊することがあり信頼性が悪
いという問題点があった。
【0005】本発明の目的は上記の問題点を解決し、従
来例に比較して簡単でかつ低価格に製造することがで
き、しかも室温で安定に連続動作することができる超格
子半導体発光素子を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明に係る請求項1記
載の超格子半導体発光素子は、2つの電極間に、超格子
構造を有する真性半導体層を備え、バイアス電圧が印加
されてなる超格子半導体素子において、上記真性半導体
層は、第1の障壁層と量子井戸層と第2の障壁層と活性
層とを順に形成してなる1周期分の層を複数周期積層す
ることにより形成されてなり、上記量子井戸層の量子化
準位Γ1と、それに隣接する上記活性層の量子化準位L
1及びΓ2とが実質的に同一のエネルギーレベルとなる
ように、上記量子井戸層及び上記活性層の各厚さ又は各
組成比が設定され、上記量子井戸層の量子化準位Γ1に
存在する電子を、それに隣接する上記活性層の量子化準
位L1及びΓ2に遷移させた後、当該活性層の量子化準
位Γ2からその量子化準位Γ1に遷移させることにより
発光を得ることを特徴とする。
【0007】また、請求項2記載の超格子半導体発光素
子は、請求項1記載の超格子半導体発光素子において、
上記真性半導体層は、真性半導体i層であり、上記超格
子半導体発光素子は、上記2つの電極の間に、上記真性
半導体i層を挟設するp型半導体層とn型半導体層をさ
らに備え、上記超格子半導体発光素子はpin型ダイオ
ード素子であり、上記バイアス電圧は逆バイアス電圧で
あることを特徴とする。
【0008】さらに、請求項3記載の超格子半導体発光
素子は、請求項1記載の超格子半導体発光素子におい
て、上記真性半導体層は、真性半導体i層であり、上記
超格子半導体発光素子は、上記2つの電極の間に、上記
真性半導体i層を挟設する第1のn型半導体層と第2の
n型半導体層をさらに備え、上記超格子半導体発光素子
はnin型半導体素子であることを特徴とする。
【0009】またさらに、本発明に係る請求項4記載の
超格子半導体発光素子は、2つの電極間に、超格子構造
を有する超格子半導体層を備え、バイアス電圧が印加さ
れてなる超格子半導体素子において、上記超格子半導体
層は、第1の障壁層と量子井戸層と第2の障壁層と活性
層とを順に形成してなる1周期分の層を複数周期積層す
ることにより形成されてなり、上記量子井戸層の量子化
準位Γ1と、それに隣接する上記活性層の量子化準位L
1及びΓ2とが実質的に同一のエネルギーレベルとなる
ように、上記量子井戸層及び上記活性層の各厚さ又は各
組成比が設定され、かつ上記量子井戸層に所定の不純物
を1×1016乃至1×1018/cm3だけドープしてn
型半導体層とし、上記量子井戸層の量子化準位Γ1に存
在する電子を、それに隣接する上記活性層の量子化準位
L1及びΓ2に遷移させた後、当該活性層の量子化準位
Γ2からその量子化準位Γ1に遷移させることにより発
光を得ることを特徴とする。
【0010】また、請求項5記載の超格子半導体発光素
子は、請求項1記載の超格子半導体発光素子において、
上記真性半導体層は、真性半導体i層であり、上記超格
子半導体発光素子は、上記2つの電極の間に、上記真性
半導体i層を挟設しかつ、所定の不純物を1×1016
至5×1018/cm3の所定の高濃度でドープしてなる
第1のn+型半導体層と第2のn+型半導体層をさらに備
え、上記超格子半導体発光素子はn+in+型半導体素子
であることを特徴とする。
【0011】さらに、請求項6記載の超格子半導体発光
素子は、請求項2記載の超格子半導体発光素子におい
て、上記p型半導体層を介して真性半導体i層に光が入
射されたときに、光が入射された量子井戸層の荷電子帯
の電子を、当該量子井戸層以外の量子井戸層の量子化準
位Γ1に遷移させ、その後、それに隣接する上記活性層
の量子化準位L1及びΓ2に遷移させた後、当該活性層
の量子化準位Γ2からその量子化準位Γ1に遷移させる
ことにより発光を得ることを特徴とする。
【0012】また、請求項7記載の超格子半導体発光素
子は、請求項1、2、3、5又は6記載の超格子半導体
発光素子において、上記真性半導体層を挟設し、上記真
性半導体層で発光した光のうちの少なくとも一部の光を
反射するように互いに対向して設けられた2つの反射面
を備えることによりレーザー発振することを特徴とす
る。
【0013】さらに、請求項8記載の超格子半導体発光
素子は、請求項1、2、3、5又は6記載の超格子半導
体発光素子において、上記真性半導体層は結晶成長法を
用いて形成され、上記超格子半導体発光素子は、上記真
性半導体層を挟設し、上記真性半導体層で発光した光の
うちの少なくとも一部の光を反射するように互いに対向
して設けられた2つの反射面を備えることによりレーザ
ー発振し、上記2つの反射面は、上記真性半導体層を結
晶成長法を用いて形成されるときに、AlGaAs層又
はAlAs層の2つの層を上記真性半導体層を挟設する
ように形成し、上記真性半導体層を形成した後、上記超
格子半導体発光素子に対して酸化処理してAl23から
なる高反射膜を形成することにより形成されたことを特
徴とする。また、請求項9記載の超格子半導体発光素子
は、請求項4記載の超格子半導体発光素子において、上
記超格子半導体層を挟設し、上記超格子半導体層で発光
した光のうちの少なくとも一部の光を反射するように互
いに対向して設けられた2つの反射面を備えることによ
りレーザー発振することを特徴とする。さらに、請求項
10記載の超格子半導体発光素子は、請求項4記載の超
格子半導体発光素子において、上記超格子半導体層は結
晶成長法を用いて形成され、上記超格子半導体発光素子
は、上記超格子半導体層を挟設し、上記超格子半導体層
で発光した光のうちの少なくとも一部の光を反射するよ
うに互いに対向して設けられた2つの反射面を備えるこ
とによりレーザー発振し、上記2つの反射面は、上記超
格子半導体層を結晶成長法を用いて形成されるときに、
AlGaAs層又はAlAs層の2つの層を上記超格子
半導体層を挟設するように形成し、上記超格子半導体層
を形成した後、上記超格子半導体発光素子に対して酸化
処理してAl23からなる高反射膜を形成することによ
り形成されたことを特徴とする。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明に係
る実施形態について説明する。
【0015】<実施形態> 図1は、本発明に係る一実施形態である超格子半導体発
光素子10を示す断面図である。本実施形態の超格子半
導体発光素子は、図1に示すように、超格子構造を有す
る真性半導体i層15を備えたヘテロ接合pin型ダイ
オード半導体素子であり、ここで、真性半導体i層15
は、障壁層21と量子井戸層22と障壁層21(以下、
2つの障壁層を障壁層21という。)と活性層23とを
順に形成してなる1周期分の層を複数周期積層すること
により形成されてなる。また、量子井戸層22の量子化
準位Γ1と、それに隣接する活性層23の量子化準位L
1及びΓ2とが実質的に同一のエネルギーレベルとなる
ように、量子井戸層22及び活性層23の各厚さが設定
され、量子井戸層22の量子化準位Γ1に存在する電子
を、それに隣接する活性層23の量子化準位L1及びΓ
2に遷移させた後、当該活性層23の量子化準位Γ2か
らその量子化準位Γ1に遷移させることにより発光を得
ることを特徴としている。
【0016】図3乃至図8は図1の超格子半導体発光素
子10の製造工程を示す断面図であり、本実施形態の超
格子半導体発光素子10の製造工程について、図3乃至
図8を参照して以下に説明する。
【0017】(1)図3に示すように、Siにてなるn
型不純物イオンが例えば、ドープ量1018/cm3だけ
ドープされたn型GaAsにてなり上下面の面方位
(1,1,1)を有する厚さ300μmのn型半導体基
板をアセトン溶液中で超音波洗浄を行い、表面に付着し
た有機不純物層20aを除去した。 (2)上記洗浄の後、図4に示すように、一旦完全に表
面を乾かした後、半導体基板20の表面を、25°Cの
アンモニア系エッチング溶液(アンモニア:過酸化水素
水:水=2:1:96(質量比))で5分間エッチング
処理を行うと、0.5乃至0.5μmの表面層が除去さ
れ、基板表面処理(ミラー処理)時に生じたストレス・
転位を有する層を除去でき、良好な結晶成長が可能とな
る。
【0018】(3)真空中で650°Cの熱処理を行
い、表面酸化層を完全に除去した後、図1及び図5に示
すように、下記の各層を順次結晶成長することにより形
成した。 (a)Siにてなるn型不純物イオンが例えばドープ量
5×1017/cm3だけドープされたn型Al0.4Ga
0.6Asにてなる厚さ1μmのn型バッファ層17。 (b)i型Al0.4Ga0.6Asにてなる厚さ500Åの
i型クラッド層16。 (c)超格子構造を有する厚さ1μmの真性半導体i層
15。ここで、真性半導体i層15は、第1の障壁層2
1と量子井戸層22と第2の障壁層21と活性層23と
を順に形成してなる1周期分の層を、例えば15乃至1
00周期などの複数周期積層することにより形成されて
なり、ここで、真性半導体i層15は、障壁層21と量
子井戸層22又は活性層23とが交互に繰り返して複数
の周期積層されてなる超格子構造を有し、障壁層21は
45Åの厚さを有するAlAsにてなり、量子井戸層2
2は40Åの厚さを有するGaAsにてなり、活性層2
3は55Åの厚さを有するGaAsにてなる。真性半導
体i層15は、好ましい実施形態においては、15乃至
100周期だけ形成され、より好ましい実施形態におい
ては、50周期だけ形成される。 (d)i型GaAsにてなる厚さ500Åのi型クラッ
ド層14。 (e)Be(ベリリウム)にてなるp型不純物イオンが
例えばドープ量1×1018/cm3だけドープされたp
型Al0.4Ga0.6Asにてなる厚さ2000Åのp型キ
ャップ層13。
【0019】(4)図6に示すように、最上面のp型キ
ャップ層13の上面にMn/Au(1000Å/150
0Å)からなる電極11を形成した。ここで、電極11
は感光性有機薄膜(レジストパターン)18を用いたリ
フトオフ法を用いて電極材料11aを形成し、電極11
の厚さ方向に貫通する光出力孔11bをその中央部に形
成して、電極11がリング形状になるように形成した。
次いで、図7に示すように、リング形状の電極材料11
aをレジストで覆い、複数の素子の電極間の接続を絶つ
ためにメサエッチングを行い、素子分離を行った。 (5)さらに、図8に示すように、n型半導体基板20
の裏面にAuGe/Ni/Au(=1000Å/300
Å/1500Å)からなる電極12を形成した。 (6)最後に、電極12が形成された素子に対して、4
00°Cで1.5分間の熱処理を行い、電極11及び1
2においてオーミック接続を得た。以上の製造工程によ
り、超格子半導体発光素子10を得る。
【0020】そして、図1に示すように、電圧可変直流
電源30の正極を電極12に接続する一方、直流電源3
0の負極を電極11に接続することにより、当該超格子
半導体発光素子10に対して逆バイアス電圧を印加す
る。
【0021】以上のように構成された超格子半導体発光
素子10においては、逆バイアス電圧を電極11,12
間に印加したときに、量子井戸層22の量子化準位Γ1
と、それに隣接する活性層23の量子化準位L1及びΓ
2とが実質的に同一のエネルギーレベルとなるように、
量子井戸層22及び活性層23の各厚さが設定され、量
子井戸層22の量子化準位Γ1に存在する電子を、それ
に隣接する活性層23の量子化準位L1及びΓ2に遷移
させた後、当該活性層23の量子化準位Γ2からその量
子化準位Γ1に遷移させることにより発光を得る。さら
には、真性半導体i層15では、複数周期積層されてい
るので、周期分にわたって発光が生じ、大きな発光強度
を有する発光を得ることができる。ここで、放出される
光は、活性層23の量子化準位Γ2から量子化準位Γ1
に遷移したときの差のエネルギーに対応した波長を有す
る光である。
【0022】ここで、量子化準位L1と量子化準位Γ1
との違いは、公知の通り、波長ベクトルに対する、価電
子帯上端よりもエネルギーを表した例えばGaAsのエ
ネルギー構造図から予め決定される準位点である。
【0023】すなわち、逆バイアス電圧を電極間11,
12に印加したときに、超格子半導体層である真性半導
体i層15に流れ込んだ電子は、通常量子井戸層22の
最低準位である第1の量子化準位Γ1にあるが、印加さ
れた逆バイアス電圧に従って隣接する活性層23に遷移
する際に、上記第1の量子化準位Γ1のエネルギーと遷
移先の活性層23の第1の量子化準位L1のエネルギー
とがほぼ等しい場合に、これら2つのサブバンドが共鳴
しあい、電子が容易に第1の量子化準位L1に遷移す
る。遷移先の第1の量子化準位L1は、当該量子井戸層
の第2の量子化準位Γ2と共鳴しており、電子はこの第
1の量子化準位L1と第2の量子化準位Γ2を自由に行
き来することができる。ここで,量子井戸層22の量子
化準位Γ1とそれに隣接する活性層23の量子化準位L
1とを共鳴させ、かつ活性層23の量子化準位L1とΓ
2を共鳴させる電界を容易に得る方法として、本実施形
態では、量子井戸層22及び活性層23の各厚さを変え
ることで、これらの3つの量子化準位を共鳴させる。後
者では、L点とΓ点とでは電子の有効質量が異なるため
に活性層23の厚さを薄くしていったときの量子サイズ
効果によるサブバンド準位の上昇に差が生じるために、
同一の活性層23のL1点とΓ2点を共鳴させることが
可能となる。
【0024】なお、上記3つの量子化準位を共鳴させる
ための方法として、本発明はこれに限らず、量子井戸層
22及び活性層23の材料組成を、これらの3つの量子
化準位がほぼ同準位になるよう変化させてもよい。この
場合、量子井戸層22の組成をGaAsとし、発光層と
なる活性層23の組成をAlxGa1-xAs(0<x<
0.4)とする。ここで、量子井戸層22と活性層23
は同一の60Åの厚さを有する。
【0025】以上のように構成された超格子構造を有す
る真性半導体i層15中で電子の移動が起こると、L点
での電子の有効質量が大きく状態密度が大きいために電
子をたくさん溜めることができる。通常電子は、フォノ
ン散乱が起こり、L1点から直ちに低準位である第1の
量子化準位Γ1点に遷移するが、レーザー発振時にはフ
ォノン散乱による低準位への遷移は抑制されるので、L
1点と共鳴するΓ2点からΓ1点への遷移となり光放出
による直接遷移となる。
【0026】以上の実施形態では、逆バイアス電圧の印
加による電子を利用して発光させているが,本発明はこ
れに限らず、光出力孔11bを介して所定の強度を有す
る光を入射し、光が入射された量子井戸層22の荷電子
帯の電子を、当該量子井戸層22以外の量子井戸層22
の量子化準位Γ1に遷移させ、その後、それに隣接する
上記活性層の量子化準位L1及びΓ2に遷移させた後、
当該活性層の量子化準位Γ2からその量子化準位Γ1に
遷移させることにより発光を得るようにしてもよい。す
なわち、電極11,12の間に所定の逆バイアス電圧を
印加して、かつ図1に示すように電極11の孔11bか
らp型キャップ層13及びi型クラッド層14とを介し
て、真性半導体i層15の量子井戸層22に光を入射す
ると、超格子構造を有する真性半導体i層15は、以下
のような動作をする。すなわち、量子井戸層22の価電
子帯の電子は、入射された光によって励起されて量子井
戸層22の第1の量子化準位Γ1点に遷移する。これに
よって、量子井戸層22の第1の量子化準位Γ1点に電
子であるキャリアが生成される。量子井戸層22の第1
の量子化準位Γ1点に励起された電子は、上述と同様
に、それに隣接する活性層23の量子化準位L1及びΓ
2に遷移させた後、当該活性層23の量子化準位Γ2か
らその量子化準位Γ1に遷移させることにより発光を得
る。
【0027】この真性半導体i層15で発光された光
は、本実施形態においては、図1に示すように、真性半
導体i層15の厚さ方向に対して平行な側面から、厚さ
方向に対して垂直な方向では出力するように構成してい
る。しかしながら、本発明はこれに限らず、真性半導体
i層15で発光された光をi型クラッド層14とp型キ
ャップ層13とを介して、電極11に設けられた光出力
孔11hから光を出力するようにしてもよいし、もしく
は、i型クラッド層16とn型バッファ層17とn型半
導体基板20とを介して、n型半導体基板20側から出
力するように構成してもよい。n型半導体基板20側か
ら出力するように構成した場合には、i型クラッド層1
6と、n型バッファ層27とn型半導体基板20とをそ
れぞれ、光を透過するように薄く形成し、かつ電極12
に電極11と同様に光出力孔(図示せず。)を形成し
て、当該孔から、発生した光を出力する。
【0028】<変形例>次いで、超格子半導体発光素子
10を用いたレーザーダイオードの変形例について以下
に説明する。当該変形例では、上記実施形態に比較して
さらに、真性半導体i層15における厚さ方向に平行な
2つの側面にそれぞれ、第1と第2の鏡面層(図示せ
ず。)を形成したことを特徴としている。ここで、第1
と第2の鏡面層は、真性半導体i層15を挟設して対向
して形成されており、それぞれ公知のファブリ・ペロー
鏡面を構成する。
【0029】ここで、ファブリ・ぺロー鏡面とは、例え
ば、真性半導体i層15で発生する光に対して例えば3
0%の所定の反射率を有する面であって、当該変形例で
は、n型半導体基板20の結晶の方位を所定の方向に設
定して、真性半導体i層15の2つの側面がそれぞれ所
定のへき開面になるように真性半導体i層15を形成し
た後、へき開することにより当該側面そのものをファブ
リ・ぺロー鏡面として利用した。この場合、ファブリ・
ぺロー鏡面として利用した真性半導体i層15の2つの
側面の反射率は30%に限定されず、少なくとも真性半
導体i層15で発生する光の一部分を反射するように構
成すればよい。また、当該変形例では、真性半導体i層
15の2つの側面の間隔は、300μmに設定した。し
かしながら、本発明はこれに限定されず、真性半導体i
層の2つの側面の間隔は、100μmでもよいし、50
0μmでもよい、すなわち当該間隔は、ファブリ・ぺロ
ー共振器を形成するように、任意に設定することができ
る。
【0030】以上のように構成することによって、超格
子半導体発光素子10において、真性半導体i層15に
2つの側面からなるファブリ・ぺロー共振器を形成する
ことができるので、真性半導体i層15で発生された光
はその内部のファブリ・ぺロー共振器で反射を繰り返し
て共振し、超格子半導体発光素子10においてレーザー
モードで発振を生じさせ、すなわち大きな強度でレーザ
ー発振させることができる。
【0031】<別の変形例>また、通常面発光レーザー
を形成する場合は、多層膜構造により反射膜を形成する
が、量子サブバンド間遷移レーザーでは、発光波長が数
μmと長波長であることから、多層反射膜の場合には膜
厚が数10μmにも及び、結晶成長時に形成することは
極めて困難であった。上述の変形例における上述した反
射面の代わりに、超格子構造の真性半導体i層15を結
晶成長法によって形成すると同時に、真性半導体i層1
5とクラッド層16との間、及び真性半導体i層15と
クラッド層14との間に、AlGaAs層又はAlAs
層を形成し、その後、酸化雰囲気中で熱処理することで
Al23(アルミナ)膜を形成することにより、真性半
導体i層15の上下面にそれぞれ、アルミナにてなる高
い反射率を有する反射膜を形成するようにしてもよい。
このとき、従来例に比較して容易に、反射膜を形成する
ことができるという利点がある。
【0032】<さらなる変形例>以上の実施形態及び変
形例において、真性半導体i層15における各上下両端
の層は、量子井戸層22,23であってもよいし、障壁
層21であってもよい。
【0033】以上の実施形態及び変形例において、超格
子半導体発光素子10は、pin型ダイオード素子にて
なるが、本発明はこれに限らず、p型キャップ層13に
代えて、n型キャップ層13を備えてnin型半導体素
子で構成してもよい。このとき、例えば、n型キャップ
層13の材料は、シリコンを1×1018/cm3の濃度
でドーピングしたGaAsであり、i型クラッド層14
の材料は、AlGaAsであり、真性半導体i層15の
材料、i型クラッド層16の材料、及びn型バッファ層
17の材料は上記と同様である。
【0034】また、上記nin型半導体素子において、
n型キャップ層13及びn型バッファ層17の代わり
に、n型キャップ層13及びn型バッファ層17に対し
て所定の不純物を1×1016乃至5×1018/cm3
所定の高濃度でドープしてなる第1のn+型半導体層と
第2のn+型半導体層を備えることにより、n+in+
半導体素子で構成してもよい。
【0035】<実施形態及び変形例の効果>以上、詳述
したように、実施形態及び変形例の超格子半導体発光素
子によれば、電子の有効質量が異なる2種類の量子井戸
層22及び活性層23と障壁層21とが積層されてなる
真性半導体i層15を備え、所定の逆バイアス電圧が印
加されたときに、活性層23の第2と第1の量子化準位
Γ2,Γ1間の差のエネルギーに対応する波長を有する
光を発生して出力することができる。また、実施形態の
超格子半導体発光素子においては、超格子の周期が一定
の簡単な周期構造の真性半導体i層15を用いて構成し
ているので、従来のサブバンド間遷移を用いた量子カス
ケードレーザーに比較して、安価に作製することができ
る。さらに室温においても、安定な反転分布が得られる
ので、反射面を有するレーザー構造素子では室温発振も
可能である。
【0036】
【発明の効果】以上詳述したように本発明に係る超格子
半導体発光素子によれば、2つの電極間に、超格子構造
を有する真性半導体層を備え、バイアス電圧が印加され
てなる超格子半導体素子において、上記真性半導体層
は、第1の障壁層と量子井戸層と第2の障壁層と活性層
とを順に形成してなる1周期分の層を複数周期積層する
ことにより形成されてなり、上記量子井戸層の量子化準
位Γ1と、それに隣接する上記活性層の量子化準位L1
及びΓ2とが実質的に同一のエネルギーレベルとなるよ
うに、上記量子井戸層及び上記活性層の各厚さ又は各組
成比が設定され、上記量子井戸層の量子化準位Γ1に存
在する電子を、それに隣接する上記活性層の量子化準位
L1及びΓ2に遷移させた後、当該活性層の量子化準位
Γ2からその量子化準位Γ1に遷移させることにより発
光を得る。従って、電子の有効質量が異なる2種類の量
子井戸層及び活性層と障壁層とが積層されてなる真性半
導体層を備え、所定のバイアス電圧が印加されたとき
に、活性層の第2と第1の量子化準位Γ2,Γ1間の差
のエネルギーに対応する波長を有する光を発生して出力
することができる。また、実施形態の超格子半導体発光
素子においては、超格子の周期が一定の簡単な周期構造
の真性半導体層を用いて構成しているので、従来のサブ
バンド間遷移を用いた量子カスケードレーザーに比較し
て、安価に作製することができる。さらに室温において
も、安定な反転分布が得られるので、反射面を有するレ
ーザー構造素子では室温発振も可能である。
【0037】また、上記超格子半導体発光素子におい
て、上記超格子半導体発光素子は、上記p型半導体層を
介して真性半導体i層に光が入射されたときに、光が入
射された量子井戸層の荷電子帯の電子を、当該量子井戸
層以外の量子井戸層の量子化準位Γ1に遷移させ、その
後、それに隣接する上記活性層の量子化準位L1及びΓ
2に遷移させた後、当該活性層の量子化準位Γ2からそ
の量子化準位Γ1に遷移させることにより発光を得る。
従って、電子の有効質量が異なる2種類の量子井戸層及
び活性層と障壁層とが積層されてなる真性半導体層を備
え、所定のバイアス電圧が印加されたときに、活性層の
第2と第1の量子化準位Γ2,Γ1間の差のエネルギー
に対応する波長を有する光を発生して出力することがで
きる。また、実施形態の超格子半導体発光素子において
は、超格子の周期が一定の簡単な周期構造の真性半導体
層を用いて構成しているので、従来のサブバンド間遷移
を用いた量子カスケードレーザーに比較して、安価に作
製することができる。さらに室温においても、安定な反
転分布が得られるので、反射面を有するレーザー構造素
子では室温発振も可能である。
【0038】さらに、上記超格子半導体発光素子におい
て、上記超格子半導体発光素子は、上記真性半導体層を
挟設し、上記真性半導体層で発光した光のうちの少なく
とも一部の光を反射するように互いに対向して設けられ
た2つの反射面を備えることによりレーザー発振する。
従って、電子の有効質量が異なる2種類の量子井戸層及
び活性層と障壁層とが積層されてなる真性半導体層を備
え、所定の逆バイアス電圧が印加されたときに、活性層
の第2と第1の量子化準位Γ2,Γ1間の差のエネルギ
ーに対応する波長を有する光を発生して出力することが
できる。また、実施形態の超格子半導体発光素子におい
ては、超格子の周期が一定の簡単な周期構造の真性半導
体層を用いて構成しているので、従来のサブバンド間遷
移を用いた量子カスケードレーザーに比較して、安価に
作製することができる。さらに室温においても、安定な
反転分布が得られるので、反射面を有するレーザー構造
素子では室温発振も可能である。
【0039】またさらに、上記超格子半導体発光素子に
おいて、上記真性半導体層は結晶成長法を用いて形成さ
れ、上記超格子半導体発光素子は、上記真性半導体層を
挟設し、上記真性半導体層で発光した光のうちの少なく
とも一部の光を反射するように互いに対向して設けられ
た2つの反射面を備えることによりレーザー発振し、上
記2つの反射面は、上記真性半導体層を結晶成長法を用
いて形成されるときに、AlGaAs層又はAlAs層
の2つの層を上記真性半導体層を挟設するように形成
し、上記真性半導体層を形成した後、上記超格子半導体
発光素子に対して酸化処理してAl23からなる高反射
膜を形成することにより形成される。従って、電子の有
効質量が異なる2種類の量子井戸層及び活性層と障壁層
とが積層されてなる真性半導体層を備え、所定の逆バイ
アス電圧が印加されたときに、活性層の第2と第1の量
子化準位Γ2,Γ1間の差のエネルギーに対応する波長
を有する光を発生して出力することができる。また、実
施形態の超格子半導体発光素子においては、超格子の周
期が一定の簡単な周期構造の真性半導体層を用いて構成
しているので、従来のサブバンド間遷移を用いた量子カ
スケードレーザーに比較して、安価に作製することがで
きる。さらに室温においても、安定な反転分布が得られ
るので、反射面を有するレーザー構造素子では室温発振
も可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る一実施形態である超格子半導体
発光素子10を示す縦断面図である。
【図2】 図1の超格子半導体発光素子10の真性半導
体i層の厚さ方向の位置に対する準位エネルギーを示す
エネルギーバンド図である。
【図3】 図1の超格子半導体発光素子10の製造工程
のうちの第1の工程を示す断面図である。
【図4】 図1の超格子半導体発光素子10の製造工程
のうちの第2の工程を示す断面図である。
【図5】 図1の超格子半導体発光素子10の製造工程
のうちの第3の工程を示す断面図である。
【図6】 図1の超格子半導体発光素子10の製造工程
のうちの第4の工程を示す断面図である。
【図7】 図1の超格子半導体発光素子10の製造工程
のうちの第5の工程を示す断面図である。
【図8】 図1の超格子半導体発光素子10の製造工程
のうちの第6の工程を示す断面図である。
【符号の説明】
10…超格子半導体発光素子、 11,12…電極、 11h…光出力孔、 13…キャップ層、 14…クラッド層、 15…真性半導体i層、 16…クラッド層、 17…バッファ層、 20…半導体基板、 21…障壁層、 22…量子井戸層、 23…活性層、 30…可変電圧直流電源。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 江上 典文 京都府相楽郡精華町大字乾谷小字三平谷 5番地 株式会社エイ・ティ・アール環 境適応通信研究所内 (72)発明者 中山 正昭 大阪府大阪市住吉区杉本3丁目3番138 号 大阪市立大学工学部応用物理学教室 内 (56)参考文献 特開 平8−236854(JP,A) 特開 平9−102653(JP,A) 特開 平10−275956(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H01S 3/18 H01L 33/00 JICSTファイル(JOIS)

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 2つの電極間に、超格子構造を有する真
    性半導体層を備え、バイアス電圧が印加されてなる超格
    子半導体素子において、 上記真性半導体層は、第1の障壁層と量子井戸層と第2
    の障壁層と活性層とを順に形成してなる1周期分の層を
    複数周期積層することにより形成されてなり、 上記量子井戸層の量子化準位Γ1と、それに隣接する上
    記活性層の量子化準位L1及びΓ2とが実質的に同一の
    エネルギーレベルとなるように、上記量子井戸層及び上
    記活性層の各厚さ又は各組成比が設定され、 上記量子井戸層の量子化準位Γ1に存在する電子を、そ
    れに隣接する上記活性層の量子化準位L1及びΓ2に遷
    移させた後、当該活性層の量子化準位Γ2からその量子
    化準位Γ1に遷移させることにより発光を得ることを特
    徴とする超格子半導体発光素子。
  2. 【請求項2】 上記真性半導体層は、真性半導体i層で
    あり、 上記超格子半導体発光素子は、上記2つの電極の間に、
    上記真性半導体i層を挟設するp型半導体層とn型半導
    体層をさらに備え、 上記超格子半導体発光素子はpin型ダイオード素子で
    あり、 上記バイアス電圧は逆バイアス電圧であることを特徴と
    する請求項1記載の超格子半導体発光素子。
  3. 【請求項3】 上記真性半導体層は、真性半導体i層で
    あり、 上記超格子半導体発光素子は、上記2つの電極の間に、
    上記真性半導体i層を挟設する第1のn型半導体層と第
    2のn型半導体層をさらに備え、 上記超格子半導体発光素子はnin型半導体素子である
    ことを特徴とする請求項1記載の超格子半導体発光素
    子。
  4. 【請求項4】 2つの電極間に、超格子構造を有する超
    格子半導体層を備え、バイアス電圧が印加されてなる超
    格子半導体素子において、 上記超格子半導体層は、第1の障壁層と量子井戸層と第
    2の障壁層と活性層とを順に形成してなる1周期分の層
    を複数周期積層することにより形成されてなり、 上記量子井戸層の量子化準位Γ1と、それに隣接する上
    記活性層の量子化準位L1及びΓ2とが実質的に同一の
    エネルギーレベルとなるように、上記量子井戸層及び上
    記活性層の各厚さ又は各組成比が設定され、かつ上記量
    子井戸層に所定の不純物を1×1016乃至1×1018
    cm3だけドープしてn型半導体層とし、 上記量子井戸層の量子化準位Γ1に存在する電子を、そ
    れに隣接する上記活性層の量子化準位L1及びΓ2に遷
    移させた後、当該活性層の量子化準位Γ2からその量子
    化準位Γ1に遷移させることにより発光を得ることを特
    徴とする超格子半導体発光素子。
  5. 【請求項5】 上記真性半導体層は、真性半導体i層で
    あり、 上記超格子半導体発光素子は、上記2つの電極の間に、
    上記真性半導体i層を挟設しかつ、所定の不純物を1×
    1016乃至5×1018/cm3の所定の高濃度でドープ
    してなる第1のn+型半導体層と第2のn+型半導体層を
    さらに備え、 上記超格子半導体発光素子はn+in+型半導体素子であ
    ることを特徴とする請求項1記載の超格子半導体発光素
    子。
  6. 【請求項6】 上記超格子半導体発光素子は、上記p型
    半導体層を介して真性半導体i層に光が入射されたとき
    に、光が入射された量子井戸層の荷電子帯の電子を、当
    該量子井戸層以外の量子井戸層の量子化準位Γ1に遷移
    させ、その後、それに隣接する上記活性層の量子化準位
    L1及びΓ2に遷移させた後、当該活性層の量子化準位
    Γ2からその量子化準位Γ1に遷移させることにより発
    光を得ることを特徴とする請求項2記載の超格子半導体
    発光素子。
  7. 【請求項7】 上記超格子半導体発光素子は、上記真性
    半導体層を挟設し、上記真性半導体層で発光した光のう
    ちの少なくとも一部の光を反射するように互いに対向し
    て設けられた2つの反射面を備えることによりレーザー
    発振することを特徴とする請求項1、2、3、5又は6
    記載の超格子半導体発光素子。
  8. 【請求項8】 上記真性半導体層は結晶成長法を用いて
    形成され、 上記超格子半導体発光素子は、上記真性半導体層を挟設
    し、上記真性半導体層で発光した光のうちの少なくとも
    一部の光を反射するように互いに対向して設けられた2
    つの反射面を備えることによりレーザー発振し、 上記2つの反射面は、上記真性半導体層を結晶成長法を
    用いて形成されるときに、AlGaAs層又はAlAs
    層の2つの層を上記真性半導体層を挟設するように形成
    し、上記真性半導体層を形成した後、上記超格子半導体
    発光素子に対して酸化処理してAl23からなる高反射
    膜を形成することにより形成されたことを特徴とする請
    求項1、2、3、5又は6記載の超格子半導体発光素
    子。
  9. 【請求項9】 上記超格子半導体発光素子は、上記超格
    子半導体層を挟設し、上記超格子半導体層で発光した光
    のうちの少なくとも一部の光を反射するように互いに対
    向して設けられた2つの反射面を備えることによりレー
    ザー発振することを特徴とする請求項4記載の超格子半
    導体発光素子。
  10. 【請求項10】 上記超格子半導体層は結晶成長法を用
    いて形成され、 上記超格子半導体発光素子は、上記超格子半導体層を挟
    設し、上記超格子半導体層で発光した光のうちの少なく
    とも一部の光を反射するように互いに対向して設けられ
    た2つの反射面を備えることによりレーザー発振し、 上記2つの反射面は、上記超格子半導体層を結晶成長法
    を用いて形成されるときに、AlGaAs層又はAlA
    s層の2つの層を上記超格子半導体層を挟設するように
    形成し、上記超格子半導体層を形成した後、上記超格子
    半導体発光素子に対して酸化処理してAl23からなる
    高反射膜を形成することにより形成されたことを特徴と
    する請求項4記載の超格子半導体発光素子。
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