JP3299056B2 - 表面放射型のInGaAlN系半導体レーザ - Google Patents

表面放射型のInGaAlN系半導体レーザ

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、表面放射型のInGa
AlN系半導体レーザに関する。
【0002】
【従来の技術】端面放射型の半導体レーザは、その構造
の一例を図3(a)に模式的に示すように、結晶基板1
a上にダブルヘテロ接合によって発光層2aが形成さ
れ、この発光層2aの対向する側端面を、反射面3c・
3dとし、これによってファブリペロー型等の共振器構
造を構成し、該側端面からレーザ光L1を放出させるも
のである。ただし、図では電極等の付帯部分は省略して
いる。また、発光部と結晶基板にはハッチングを施して
強調している(以下、同様)。この反射面の形成は、G
aAs等の一般の半導体材料を用いた積層構造では、結
晶基板と共に側端面をへき開することで容易に達成でき
る。しかし、InGaAlN系の化合物半導体の単結晶
および、これが結晶成長しうる結晶基板となる結晶等に
は、へき開が困難な性質を示す物質が多く、これらの半
導体材料を用いた積層構造では、反射面の形成は容易で
はない。
【0003】一方、発光層の側端面を反射面としない共
振器構造を有するものとして、表面放射型(「垂直共振
型」とも呼ばれる。)のInGaAlN系半導体レー
知られている。図3(b)は、その構造の一例を模式
的に示す図である。この型の反射面は、反射層3e、3
fとして、発光層を含む発光部2bを積層方向に挟んで
形成され、発光した光は積層に垂直な方向に共振し、積
層の最外面からレーザ光L2として放出される。このよ
うな共振器構造は、上記のような側端面のへき開が困難
な物質にとって、半導体レーザを形成するのに有用な構
造である。また、このような共振器構造は、結晶基板1
b上に反射層、発光部、反射層を順次結晶成長させて積
層するものであるため、反射面間の平行を容易に高精度
なものとすることができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、InGaA
lN系半導体レーザーでは、表面放射型の共振器構造に
おける反射には、超格子を構成する2層の結晶層を1
ペアとしてこれを所望のペア数だけ積層したInGaA
lN系の材料からなる多層の反射が用いられる場合が
多く、特に超格子を用いるような構成の反射の場合に
次のような問題が顕著となる。即ち、超格子を用いる場
合、反射の反射率を高くするためには、超格子を構成
する2層のペア数を増やせばよいが、そのペア数が増え
るにつれて、その上に形成される発光部の結晶品質は低
下し、高い効率の発光は得られなくなる。逆に言うと、
高い効率の発光を得るために発光部の結晶性を向上させ
ようとすると、発光部に対して結晶基板側にある超格子
のペア数を少なくせざるを得なかったのである。
【0005】また、表面放射型の半導体レーザの中に
は、結晶基板上に発光部となる層を直接形成し、結晶基
板の、発光部が形成された側と反対側の面から結晶基板
に貫通孔を形成し、該孔内に発光部を露出させ、そこに
反射層を形成する構造のものも知られているが、この様
な構造のものは複雑で高度な加工工程を必要とするうえ
に、反射面の面積を大きくすると、結晶基板を中心とす
るデバイスの機械的強度が損なわれる等の問題があっ
た。
【0006】本発明の目的は、発光部を形成するInG
aAlN系の化合物半導体の良好な結晶品質と、InG
aAlN系の化合物半導体からなる多層構造の反射部の
高い反射率とを、容易に両立させることができる新規な
共振器構造を有する、表面放射型のInGaAlN系
導体レーザを提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、以下の特徴を
有するものである。 (1) 発光部を含む複数の半導体層が結晶基板上に積層さ
れてなる積層体と、この積層体を積層方向に挟んで形成
される一対の反射部とを有し、発光部はInGaAlN
系の化合物半導体からなり、結晶基板は発光部から発せ
られた光を通過させ得る材料からなり、一対の反射部
は、発光部から発せられた光を積層方向に共振させる共
振器構造であって、該一対の反射部のうち、一方は結晶
基板の裏面に設けられ、他方は前記複数の半導体層上に
設けられ、少なくとも結晶基板の裏面に設けられる方の
反射部が、InGaAlN系の化合物半導体からなる多
層構造であることを特徴とする表面放射型のInGaA
lN系半導体レーザ。(2) 発光部から発せられる光を通過させうる結晶基板の
材料が、サファイア、GaN、SiC、ZnOのうちの
いずれかである上記(1) 記載のInGaAlN系半導体
レーザ。
【0008】
【作用】本発明の半導体レーザは表面放射型の構造を有
し、共振器構造を構成する一対の反射部のうち結晶基板
側の反射部が、発光部と結晶基板との間に設けられてい
るのではなく、結晶基板の積層方向の2面のうち発光部
が存在する側の面とは反対側の面に、直接または他の層
を介して設けられるものである。以下、この「結晶基板
の積層方向の2面のうち発光部が存在する側の面とは反
対側の面」を、「結晶基板の裏面」という。またこれに
対して、発光部が存在する側の面を「結晶基板のおもて
面」という。
【0009】本発明の半導体レーザが有する共振器構造
によって、発光部から結晶基板の側に向かう光は結晶基
板を通過し、結晶基板の裏面の界面、または、結晶基板
の裏面の側に設けられた反射部で反射し、他方の反射部
との間でレーザ発振を生ずる。また、このような共振器
構造によって、発光部は、結晶基板に対して直接的(バ
ッファ層等の形成に関係する層を含む)に形成されるこ
とが可能となり、発光部を形成する半導体材料の結晶品
質を向上させることを、反射部の影響を受けることなく
独立的に図ることができる。また同様に、結晶基板の裏
側の反射部に対しては、反射率を向上させるための改善
を、発光部に影響を与えることなく自由に施すことがで
きる。
【0010】また、上記のような従来の表面放射型の半
導体レーザの一例(即ち、レーザ結晶基板にその裏側か
ら貫通孔を形成し、該孔内に発光部を露出させ、そこに
反射層を形成したもの)に比べて、結晶基板に対する複
雑で高度な加工工程を必要としない。
【0011】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に
説明する。図1は、本発明の半導体レーザの構造の一例
を模式的に示す図である。同図の構造例は、結晶基板1
上に発光部2(または、発光部2を含む複数の半導体
層)が積層されて積層体Sが形成され、この積層体Sを
積層方向に挟んで、一対の反射部3a、3bが形成され
ている。この一対の反射部3a、3bが、発光部2から
発せられた光を積層方向に共振させる共振器構造であ
り、積層の最外面からレーザ光Lが放出されるものであ
る。ただし、同図では電極等の付帯部分は省略してい
る。発光部2を含む複数の半導体層とは、発光部に加え
て、バッファ層や他の機能を与えるための付帯的な層を
全て含むものである。また、発光部と結晶基板には、ハ
ッチングを施している。レーザ光Lが放出される積層の
最外面は、2面のうちいずれであってもよい。
【0012】このような構造によって、上記作用で述べ
たように、発光部2は、結晶基板1に対して、例えばエ
ピタキシャル成長させる等、直接的に形成することが可
能となり、発光部を形成する半導体の結晶は高品質なも
のとなる。一方、結晶基板の裏面の側の反射部3aに対
しては、例えば超格子のペア数を増やすこと等、反射率
を向上させるための改善を、発光部の結晶品質に影響を
与えることなく自由に施すことができる。
【0013】結晶基板は、一方の面に発光部を含む半導
体層を、他方の面に反射部を、結晶成長または他の形成
法によって設けるための基礎となるものである。結晶基
板の材料としては、成長させるべき半導体結晶と格子定
数の整合性が良好であるような結晶であれば、単一の元
素からなる半導体、化合物半導体の他、サファイヤのよ
うな絶縁体等、どのようなものであってもよい。具体的
な材料は、発光部を形成する半導体材料の例示と共に後
述する。
【0014】発光部は、共振させるべき光を発する部分
である。発光させるための原理や方式は限定されない
が、主に次の(a)、(b)の方式が例示される。 (a)pn接合の活性層に電子またはホールを注入し、
電子とホールとの再結合によって発光させる方式(注入
型)。この場合、発光部の構造は、p型およびn型のク
ラッド層によって活性層を挟んだ所謂ダブルヘテロ接合
の構造や、超格子構造を有するSQW (Single Quantum
Well)、MQW (Multi Quantum Well) 等が例示され
る。 (b)レーザ発振させたい目的の波長(発光部のバンド
ギャップに応じた波長)より大きなエネルギーを持った
レーザ光を外部から発光部に照射して励起し、目的の波
長の光を放出させる方式(光励起型)。発光部の構造
は、基本的には注入型と同様で、2つのクラッド層によ
って活性層を挟んだダブルヘテロ接合の構造や、SQ
W、MQW等が例示される。ただし、この光励起型の場
合、各層の伝導型は特に制御する必要はなく、アンドー
プであることが望ましい。
【0015】本発明のInGaAlN系半導体レーザの
構造においては、発光部から発せられた光が少なくとも
結晶基板の裏面の界面において反射するように、好まし
くは結晶基板の裏面に設けられた所定の反射部において
反射するように、該光が結晶基板を通過することが必要
である。ここでいう通過とは、結晶基板に入射した光が
100%通過することだけを意味するのではなく、レー
ザ発振が達成されるものであれば、入射した光が結晶基
板内で多少の減衰を伴うものであっても、入射した光の
波長帯の一部が吸収されるものであってもよい。従っ
て、結晶基板の材料と発光部の材料とを選択するに際し
ては、発光部から発せられた光が結晶基板を通過するよ
うに、その材料を考慮することが必要である。本発明で
は、発光部の材料として、Ix Gay Al1-x-y N、
(0≦x≦1、0≦y≦1)で決定される化合物半導
体、即ち、InGaAlN系の化合物半導体を用いる。
【0016】InGaAlN系の化合物半導体は、主と
して緑色から青色、さらに紫外光にいたる波長帯の発光
が可能な材料であり、現在、市販されているInGaA
s系、GaAlAs系、InGaAlP系の材料による
発光素子に比べて、短い波長の発光が可能な素子を形成
することができるものである。このような短い波長領域
によるレーザは、光ディスク等のピックアップ用光源、
医療用など種々のセンサー光源など、用途が期待されて
いる。また、本発明の半導体レーザでは、上記のよう
に、発光部から発せられた光が結晶基板を通過しうるこ
とが、その共振器構造を成立させるための必須の条件で
ある。この点においても、InGaAlN系の化合物半
導体を発光部の材料として選択することによって、発光
部から発せられた光が通過しうる結晶基板の材料の選択
が容易となる。
【0017】上記InGaAlN系の化合物半導体を用
いた発光部の具体的な構造例としては、n型AlGaN
クラッド層、アンドープのInGaN活性層、p型Al
GaNクラッド層を順次成長させてなるダブルヘテロ接
合の構造や、SQW、MQW等の構造が例示される。
【0018】反射部は、光の共振が可能なように光を反
射させることができる全ての手段を含むものであり、例
えば、鏡面、屈折率の異なる界面、これらの面が多重に
形成されるように材料物質が積層されてなる積層体、誘
電体多層膜等が挙げられる。なかでも、結晶基板の裏側
の反射部は、InGaAlN系の化合物半導体からなる
多層構造とする。この多層構造のなかでも、特に、歪超
格子等の超格子を構成する2層の結晶層を1ペアとして
これを所望のペア数だけ積層したものが、高い反射率を
有するものであり好ましい。
【0019】反射部が、光を反射させるためにその反射
部自体の内部に光を入射させる構成であるならば、その
材料は、結晶基板と同様に、発光部から発せられた光が
通過する性質のものを用いる。例えば、発光部における
活性層の材料をInGaAlN系の化合物半導体のなか
でもInGaNとするとき、反射部を上記超格子による
多層の反射層の構造とするならば、該超格子を構成する
材料は、AlN/Al0.1 Ga0.9 N 、AlN/Al
0.2 Ga0.8 N 、AlN/GaN 、InGaAlN
/GaN等の、InGaAlN系の化合物半導体から選
ばれた組合せが例示される。また、誘電体多層膜は、好
ましい材料のものを適宜選択し用いてよい。
【0020】上記反射部の構造のなかでも、AlN/A
0.1 Ga0.9 Nによる超格子の構造は、高い反射率を
有する多層の構造であって、InGaNの活性層に対し
て本発明の有用性を最も顕著に示しうる反射部の一例で
ある。そのペア数は片方の反射部当たり10〜50ペ
ア、好ましくは20〜40ペアがよい。ペア数が10ペ
ア以下では充分な反射率が得られず、50ペア以上では
反射率が100%に近い付近で飽和して、これ以上の反
射率を得ることが困難となる。超格子を用いた反射層に
おいてこのような高度な反射率を達成し、かつ、発光部
の結晶品質にその超格子の影響を与えないことは、従来
表面放射型のInGaAlN系半導体レーザの構造で
は容易に成し得なかったのである。反射部は、結晶基板
と発光部とを含む積層体を、直接挟んで形成するもので
あってもよく、また、該積層体を間接的に挟む態様、即
ち、必要に応じて所望の機能を有する層が該積層体の最
外層に積層され、これを反射部が挟んで形成する態様で
あってもよい。反射部の面積は限定されず、構造に応じ
て決定される。
【0021】発光部および反射部を構成する材料とし
て、InGaAlN系の化合物半導体が好ましいことは
上記したが、この系の材料は結晶成長の条件が高温・高
圧のように厳しい場合が多い。このような材料の高品質
な単結晶を成長させるには、これらの材料に対して適当
な格子定数の結晶基板上に、ZnO、BeO、MgO、
CaO、SrO、CdO、BaO、HgO等のII族元素
の酸化物およびこれらの化合物や、AlN、GaN、A
lGaN等をバッファ層として形成し、その上に目的の
InGaAlN系の化合物半導体を単結晶成長させる方
法が好ましい。また、その場合の結晶基板の材料として
は、サファイア、SiC、ZnO、GaN等が好ましい
ものとして例示される。
【0022】発光部および反射部を構成する半導体層を
結晶成長させる方法としては、結晶基板に対してエピタ
キシャル成長可能な成膜法が好ましく、VPE(Vapor
Phase Epitaxy )、MOVPE(Metal Organic VP
E)、HVPE(Hydride VPE)、MBE(Molecula
r Beam Epitaxy)、GS−MBE(Gas Sourse MB
E)、CBE(Chemical Beam Epitaxy )、LPE(Li
quid Phase Epitaxy)等が挙げられる。
【0023】結晶基板の裏面の側に反射部を、おもて面
の側に発光部を結晶成長させて形成する場合、いずれの
面の側の成長を先に行なってもよいが、発光部の結晶が
高品質であることが必要であるため、裏面の側の反射部
の成長を先に行なうことが好ましい。これによって、発
光部の結晶は、反射部の結晶成長時の高温にさらされず
にすみ、高い結晶品質が維持される。
【0024】レーザ光の放出方向は限定されず、一対の
反射部のうちのいずれの側から放出されるものであって
もよい。また、上記のように、本発明の半導体レーザの
発光方式は、注入型・光励起型等を問わないが、注入型
とする場合、電極等の付帯構造は公知の構造を使用して
もよく、レーザ光の放出方向や目的の仕様に応じて設け
られる。図2は、本発明による半導体レーザの構造にお
いて、発光方式を注入型とする場合の電極構造の一例を
模式的に示す図である。同図では電極にだけ、ハッチン
グを施している。同図の例では、n型GaN単結晶基板
1の裏面の中央に柱状の反射部3aが形成され、その周
囲をとりまくように電極4が形成されている。反射部3
aは、AlN/Al0.1 Ga0.9 による超格子が積層さ
れたものである。また、結晶基板1のおもて面には、n
型Al0.15Ga0.85Nクラッド層2a、アンドープのI
0.1 Ga0.9 N活性層2c、p型Al0.15Ga0.85
クラッド層2bを順次成長させてなるダブルヘテロ接合
の発光部2が形成され、さらにその上面の中央にp型の
反射部3bが柱状に形成され、その周囲をとりまくよう
にSiO2 やSiN等からなる絶縁体層5が形成され、
これらの上層に電極6が形成された構造となっている。
反射部3bの構造は、反射部3aと対をなし得るもので
あるが、アンドープでよい。このような構造において、
電極4、6間に順方向の電圧を与えると、反射部3bを
通じて正孔(伝導型の選択によっては電子)が注入さ
れ、発光部2における発光、および、反射部3a、3b
によるレーザ発振が得られ、反射部3a側から外界に対
してレーザ光Lが放出される。
【0025】反射部3a、3bの積層方向に垂直な断面
の形状は限定されず、円形、方形、帯状形等が挙げられ
る。また、図2の構造例では、反射部3bは、p型にド
ーピングされた半導体の積層体であり、正孔または電子
が集中的に通過するための経路となっている。このよう
な構造の他の例として、反射部3bの反射率を高めるた
めにドーピングせず、その代わり、該反射部の中央付近
に、電極6とp型クラッド層2bとの間の電流の経路と
なる柱状のp型半導体が、該反射部を積層方向に貫通す
るように形成された構造等が例示される。
【0026】〔性能確認実験〕本発明の半導体レーザの
性能を確認するため、同様の構成からなる発光部を用い
て、本発明による表面放射型の半導体レーザと、従来の
構造による表面放射型、および、端面放射型の半導体レ
ーザとを製作し、各々のレーザ発振のしきい値を比較し
た。発光部の構成は、本発明および従来技術のものを、
共にAl0.15Ga0.85N/Ga0.9 In0.1 N(活性
層)/Al0.15Ga0.85Nからなるダブルヘテロ接合の
構成とした。以下、「共通仕様の発光部」という。ま
た、その発光方式は光励起型とし、励起光源はN2 レー
ザとした。各サンプルの性能の確認方法としては、レー
ザ発振が開始されたときの、励起光源(N2 レーザ)の
入力パワー〔kW/cm2 〕を調べ、比較することで確
認するものとした。
【0027】(1)本発明による構造例1 上記実施例において説明した図1に示す構造の半導体レ
ーザを製作した。結晶基板に対する発光部および反射部
の形成の順番を、図1を用いて説明すると、先ずサファ
イア結晶からなる結晶基板1の裏面側に、AlNからな
るバッファ層(図示せず)を介して一方の反射部3aを
形成し、次に結晶基板1のおもて面側に、AlNからな
るバッファ層(図示せず)を介して共通仕様の発光部2
を形成し、さらにその上に他方の反射部3bを形成する
ものとした。反射部は、3a、3b共に、AlN層とA
0.1 Ga0.9 N層とが超格子を構成するように積層さ
れたものを1ペアとしてこれが40ペア積層された構造
である。バッファ層を含む各層の形成は、全てエピタキ
シャル成長可能な方法によるものである。この半導体レ
ーザのしきい値を、他の例の結果と共に下記に示す。
【0028】(2)本発明による構造例2 反射部3a、3bの構造を共に、AlN層とGaN層と
の超格子が40ペア積層された構造とした以外は、構造
例1と全く同様の半導体レーザのサンプルを製作した。
この半導体レーザのしきい値を、他の例の結果と共に下
記に示す。
【0029】(3)従来技術による比較例1 本比較例では、従来技術による半導体レーザのうち、端
面放射型のサンプルとして、図3(a)に示す構造のも
のを製作した。製作工程の概略としては、サファイア結
晶基板1a上に、AlNからなるバッファ層(図示せ
ず)を形成し、その上に共通仕様の発光部を形成し、発
光層2aの側端面3c、3dをエッチングによって反射
面とした。この半導体レーザのしきい値を、他の例の結
果と共に下記に示す。
【0030】(4)従来技術による比較例2 発光層2aの側端面を反射面とするための加工を、研磨
によって行った以外は比較例1と全く同様の、端面放射
型の半導体レーザのサンプルを製作した。この半導体レ
ーザのしきい値を、他の例の結果と共に下記に示す。
【0031】(5)従来技術による比較例3 従来技術による半導体レーザのうち、表面放射型のサン
プルとして、図3(b)に示す従来構造のものを製作し
た。結晶基板に対する発光部および反射部の形成の順番
を、同図を用いて説明すると、先ずサファイア結晶基板
1bの面上に、AlNからなるバッファ層(図示せず)
を介して一方の反射部3eを形成し、次に共通仕様の発
光部2を形成し、さらにその上に他方の反射部3fを形
成する順番である。反射部は、3e、3f共に、AlN
層とAl0.1 Ga0.9 N層とが超格子を構成するように
積層されたものを1ペアとしてこれが20ペア積層され
た構造である。超格子のペア数は、その増加による反射
率の向上に伴い、発光部の結晶品質が劣化することを考
慮し、20ペアを最適なペア数とした。バッファ層を含
む各層の形成は、全てエピタキシャル成長可能な方法に
よるものである。この半導体レーザのしきい値を、他の
例の結果と共に下記に示す。
【0032】上記、本発明による構造例1、2、およ
び、従来技術による比較例1〜3の、各々の反射部の概
略としきい値は次の通りである。 (1)本発明による構造例1 反射部;AlN/Al0.1 Ga0.9 N超格子各40ペ
ア、 しきい値;15kW/cm2 (2)本発明による構造例2 反射部;AlN/GaN超格子各40ペア、 しきい値;20kW/cm2 (3)従来技術による比較例1 反射面(端面放射型)の形成法;エッチング、 しきい値;30kW/cm2 (4)従来技術による比較例2 反射面(端面放射型)の形成法;研磨、 しきい値;150kW/cm2 (5)従来技術による比較例3 反射部;AlN/Al0.1 Ga0.9 N超格子各20ペ
ア、 しきい値;50kW/cm2
【0033】上記確認実験によって、本発明による半導
体レーザの構造が、従来のものに比べより低い入力によ
ってレーザ発振が得られることが確認できた。
【0034】
【発明の効果】本発明のInGaAlN系半導体レーザ
表面放射型の構造であって、その従来の特徴に加え
て、共振器構造を構成する一対の反射部のうち発光部に
対して結晶基板側のものが、結晶基板の裏面側に設けら
れることを特徴とするものである。この特徴によって、
発光部は結晶基板上に直接成形可能となり、現在の高輝
InGaAlN系発光ダイオードを製造する際に用い
られる結晶成長法と全く同様の方法が使用可能である。
これによって、注入型・光励起型を問わず、発光部にお
いては、該高輝度発光ダイオードと同じレベルの結晶品
質、内部量子効率が得られる。また同様に、結晶基板の
裏側の反射部においては、発光部の結晶性劣化を考慮す
ることなく、反射率を向上させるための改善を優先して
自由に施すことができる。特に、反射部を超格子による
多数のペア層によって構成する場合、その反射率を向上
させるために、積層数の限度まで形成することも可能で
ある。さらに、基板に対する貫通孔の加工等を必要とし
ないため、低コストで、効率の良い表面放射型のInG
aAlN系半導体レーザが提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の半導体レーザの構造の一例を模式的に
示す図である。
【図2】本発明の半導体レーザの構造において、発光方
式を注入型とする場合の電極構造の一例を模式的に示す
図である。
【図3】従来の半導体レーザの構造の一例を模式的に示
す図である。
【符号の説明】
1 結晶基板 2 発光部 3a 反射部 3b 反射部 S 積層体 L 放出されるレーザ光

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 発光部を含む複数の半導体層が結晶基板
    上に積層されてなる積層体と、この積層体を積層方向
    んで形成される一対の反射部とを有し、発光部はIn
    GaAlN系の化合物半導体からなり、結晶基板は発光
    部から発せられた光を通過させ得る材料からなり、 一対の反射部は、発光部から発せられた光を積層方向に
    共振させる共振器構造であって、該一対の反射部のう
    ち、一方は結晶基板の裏面に設けられ、他方は前記複数
    の半導体層上に設けられ、少なくとも結晶基板の裏面に
    設けられる方の反射部が、InGaAlN系の化合物半
    導体からなる多層構造であることを特徴とする表面放射
    型のInGaAlN系半導体レーザ。
  2. 【請求項2】 発光部から発せられる光を通過させうる
    結晶基板の材料が、サファイア、GaN、SiC、Zn
    Oのうちのいずれかである請求項記載のInGaAl
    N系半導体レーザ。
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