JP2002353569A - 半導体レーザ素子、半導体レーザ装置 - Google Patents

半導体レーザ素子、半導体レーザ装置

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JP2002353569A
JP2002353569A JP2001154220A JP2001154220A JP2002353569A JP 2002353569 A JP2002353569 A JP 2002353569A JP 2001154220 A JP2001154220 A JP 2001154220A JP 2001154220 A JP2001154220 A JP 2001154220A JP 2002353569 A JP2002353569 A JP 2002353569A
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semiconductor laser
semiconductor
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Akihiro Ishida
明広 石田
Hiroshi Fujiyasu
洋 藤安
Masakazu Kuwabara
正和 桑原
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Hamamatsu Photonics KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 複雑な素子構造を必要とせず、作製が容易で
あり、室温動作の可能な赤外線半導体レーザ素子を提供
する。 【解決手段】 価電子帯(不図示)からn=2のサブバン
ドへと電子が光により励起される。この電子が基底サブ
バンド(n=1)へと遷移する際に、これら2つのサブバ
ンド間のエネルギーギャップに相当する光を放出する。
ここで、基底サブバンドは、約200meVといった広
いバンド幅を有しているため、n=2のサブバンドから
基底サブバンドへと遷移した電子は、基底サブバンド内
の低エネルギー領域へと極めて短い時間のうちに移動す
る。そのため、n=2のサブバンドと基底サブバンドと
の間で反転分布状態が容易に実現され、電子の遷移が継
続して起こる。電子の遷移により放出される光を光共振
することによりレーザ光が放射される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、赤外線域の半導体
レーザ素子及び半導体レーザ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】発振波長が3μmを越える赤外線域の半
導体レーザ素子は、従来、200K程度といった低い温
度にまで冷却しなければレーザ発振が起こらず、室温で
のレーザ発振を実現することは困難であった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】赤外線域の半導体レー
ザ素子として、発振波長が4.2μmであるGaInA
s/AlInAs量子井戸の伝導帯サブバンド間遷移を
用いた量子カスケードレーザ素子が1994年に発表さ
れた(文献「J.Faist, F.Capasso, D.L.Sivco, C.Sirtor
i, A.L.Hutchinson, and A.Y.Cho, "Quantum cascade l
aser," Science,vol.264, p.553, 1994」)。
【0004】この量子カスケードレーザ素子は、以下の
通り動作する。図9は、量子カスケードレーザ素子の伝
導帯及び伝導帯サブバンド構造を示す図である。同図に
示す通り、発光層102,104は、量子井戸110と
量子障壁111とから構成されている。これら量子井戸
110と量子障壁111とから量子準位n=1,2,3
が形成されている。発光層102,104の間には、注
入層103が設けられる。この注入層103は、量子井
戸112と量子障壁113とからなり、量子井戸112
の幅が発光層102から発光層104へと向かう方向に
沿って狭くなるという構成上の特徴を有している。
【0005】このような伝導帯量子準位構造を有する量
子カスケードレーザ素子にバイアス電圧を印加すると、
電子101が発光層102のn=3の量子準位に選択的
に注入される。n=3の量子準位に注入された電子10
1はn=2の量子準位へと遷移し、このとき、n=2及
び3の量子準位間のエネルギー準位差に相当する波長を
有する光hνが放出される。また、n=2の量子準位へ
と遷移した電子101は、n=2の量子準位から注入層
103を通過して発光層104のn=3の量子準位に選
択的に注入される。そして、この電子101は発光層1
04においてn=3の量子準位からn=2の量子準位へ
と遷移する。このとき、これら2つの量子準位間のエネ
ルギー準位差に相当する波長を有する光hνが放出され
る。n=3の量子準位とn=2の量子準位との間のエネ
ルギーギャップは、いずれも300meV程度であるた
め、発光層102,104において放出される光hνは
4.2μmといった中赤外域に相当する。このような光
が光共振器により共振されて中赤外域レーザ光が放射さ
れる。
【0006】なお、図9において、発光層104の右側
に更に別の注入層103が設け、更にこの注入層103
の右側に第3の発光層を設けても良い。このように、複
数の発光層をそれぞれ注入層を介して併置すれば、カス
ケードの名の通り電子は発光層へと次々と移動し、各発
光層での遷移の際に光hνが放出される。
【0007】通常のバンド間の遷移においては、発光再
結合寿命は数ナノ秒程度であるのに対し、サブバンド間
での遷移は数ピコ秒程度とたいへん速い。そのため、バ
ンド間遷移レーザ素子ではオージェ再結合がレーザ特性
に悪影響を与えることとなるが、量子カスケードレーザ
素子ではオージェ再結合は殆ど問題とならない。また、
バンド間遷移レーザ素子では、禁制帯中に深い準位等が
形成されると、電子のバンド間遷移の確率が低下されて
しまうという問題があるため、レーザ素子を構成する結
晶の結晶性が極めて高いことが重要である。しかし、量
子カスケードレーザ素子では、伝導帯内のサブバンド間
の遷移を利用するため、バンド間レーザ素子に比べる
と、結晶性の優劣はあまり大きな問題とはならない。
【0008】このような利点により、量子カスケードレ
ーザ素子による室温パルス動作が1997年にベル研究
所から報告された(文献「F.Capasso et al., "Infrared
(4-11μm) quantum cascade lasers," solid State C
omm.102,pp.231-236(1997)」)。これが、中赤外線域の
半導体レーザ素子における始めての室温動作に関する報
告である。
【0009】しかしながら、量子カスケードレーザ素子
においては、上位サブバンドへの電流注入と、下位サブ
バンドからの電子の早い抜き取りとを必要とするため、
レーザ素子構造が複雑になる。また、その作製において
も、超格子構造の膜厚制御等、結晶成長に高い精度が要
求される。
【0010】本発明は、上記の事情に鑑みてなされたも
のであり、複雑な素子構造を必要とせず、作製が容易で
あり、室温動作の可能な赤外線半導体レーザ素子を提供
することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明らは、複雑なデバ
イス設計及び製作を必要としない半導体レーザ素子を実
現すべく鋭意研究を重ね本発明に到達した。
【0012】すなわち、本発明に係る半導体レーザ素子
は、半導体から成り量子井戸層と量子障壁層とから構成
される超格子構造を有し、この超格子構造により形成さ
れる複数のサブバンド間におけるキャリアの遷移を利用
する半導体レーザ素子であって、複数のサブバンドをキ
ャリアに対するエネルギー準位の低い順にn=1,2,
3,…,N(Nは自然数)のサブバンドと表したとき、超
格子構造への光の照射により、n=m+1(mは自然数)
のサブバンドへキャリアが励起され、n=m+1のサブ
バンドへ励起されたキャリアがn=mのサブバンドへと
遷移する際に放出される光を共振させることによりレー
ザ光を放射することを特徴とする。
【0013】この半導体レーザ素子においてはキャリア
が光励起される。ここで言う光励起とは、価電子帯の電
子を伝導帯の所定のサブバンドのエネルギー準位まで励
起するバンド間光励起と、n=1のサブバンドの電子を
n=mのサブバンドへと励起するサブバンド間光励起と
を含む。励起されたキャリアは、エネルギー準位が1つ
低いサブバンドへと遷移する。このとき、遷移する前後
のサブバンド間のエネルギーギャップに相当するエネル
ギーを光として放出する。エネルギーギャップは、井戸
層及び障壁層のエネルギーギャップとこれらの層の膜厚
とに依存し、30〜1000meV程度の間で比較的任
意に設定することができる。つまり40〜1.2μmの
範囲の赤外域で任意に光の波長を設定できる。このサブ
バンド間のエネルギーギャップに相当する光を光共振器
により発振させることによりレーザ光が放出される。
【0014】なお、ここで言うキャリアとは電子又は正
孔を意味する。すなわち、本発明による半導体レーザ素
子においては、伝導帯中に形成されるサブバンド間での
電子の遷移による光と、価電子帯中に形成されるサブバ
ンド間での正孔の遷移による光との一方又は両方を利用
し得る。また、n=1,2,3,…,N(Nは自然数)で
表されるエネルギー準位は、伝導帯中のサブバンドの場
合は、電子に対するエネルギー準位の低い方から順にn
=1,2,3,…,N(Nは自然数)のサブバンドを意味
し、価電子帯中のサブバンドの場合は、正孔に対するエ
ネルギー準位の低い方から順にn=1,2,3,…,N
(Nは自然数)のサブバンドを意味する。
【0015】また、本発明に係る半導体レ−ザ素子は、
前記n=mのサブバンドのバンド幅をΔEとすると、Δ
Eが ΔE>−kBT×ln(Cm+1/Cm) … (1) ただし、 kB:ボルツマン定数、 T:半導体レーザ素子の動作温度(K)、 Cm+1:光励起時のn=m+1のサブバンドのキャリア
濃度(cm-3)、 Cm:n=mのサブバンドのキャリア濃度(cm-3)、 といった関係を満たすことを特徴とする。
【0016】エネルギー準位が1つ低いサブバンドへと
遷移した電子は、極めて短い時間(100fs程度)に当
該サブバンドの下端へと緩和する。したがって、このサ
ブバンド幅が、式(1)に示すように十分大きければ、
n=m+1のサブバンドとn=mのサブバンドとの間で
反転分布が起こる。m>1の場合には、緩和した電子
は、準位の更に1つ低いサブバンドへと短い時間(1p
s程度)内に遷移する。そのため、式(1)の条件は容
易に満たされる。励起方法としては、バンド間光励起で
もサブバンド間光励起でも良い。
【0017】また、本発明に係る半導体レ−ザ素子は、
mが1の場合、 ΔE>−kBT×ln(τm+1/τm) … (2) ただし、 kB:ボルツマン定数、 T:半導体レーザ素子の動作温度(K)、 τm+1:n=m+1のサブバンドにおける電子の寿命
(秒)、 τm:n=mのサブバンドにおける電子の寿命(秒)、 といった関係を満たすことを特徴としても良い。
【0018】今、室温において、n=2のサブバンドか
ら基底サブバンド(n=1)への電子遷移を考える。光励
起時に、n=2のサブバンドの下端における電子濃度が
10 16cm-3であったとする。n=2のサブバンドの電
子は、寿命時間τ1=1ps程度で基底サブバンドへと
遷移する。電子が基底サブバンドに遷移すると、極めて
短い時間(100fs程度以下)で電子緩和が起こり、電
子は、基底バンドの下端(波数k=0)すなわち低エネル
ギー側へと移動する。電子が基底サブバンドから価電子
帯の基底サブバンドへと遷移する際の寿命時間τ2は1
ns程度とサブバンド間の遷移の場合に比べ長いため、
基底サブバンドは、その低エネルギー側から電子で満た
されていくこととなる。電子はフェルミ分布に従って分
布し、基底サブバンド上端の電子濃度も徐々に上昇して
しまう。規定サブバンド上端のキャリア濃度が所定の値
以上に上昇してしまうと、n=2のサブバンドと基底サ
ブバンドとの間で反転分布状態が実現されない事態とな
り、レーザ発振が実現されなくなってしまう。このよう
な事態を避けるためには、基底サブバンドのバンド幅
が、電子の寿命とフェルミ分布幅とに基づいて以下のよ
うに決定されると好適である。
【0019】n=2のサブバンドの下端での電子濃度を
2bとし、基底サブバンドの上端での電子濃度をC1t
し、基底サブバンドの下端での電子濃度をC1bとする
と、定常状態で以下の関係が成りたつ。
【0020】 C2b/τ2 = C1b/τ1 … (4) C1t=C1b×exp(−ΔE/kBT) … (5) ただし、ΔEは基底サブバンドのバンド幅であり、kB
はボルツマン定数であり、Tはレーザ素子の動作温度
(K)である。また、τ1はn=1のサブバンドにおける
電子の寿命であり、τ1はn=2のサブバンドにおける
電子の寿命である。レーザ発振のためには、これら2つ
のサブバンド間で反転分布が実現しなければならない。
よって、 C2b>C1t … (6) の関係が成立しなければならない。これらの式(4)〜
(6)より、 ΔE>−kBT×ln(τ2/τ1) … (2) が導かれる。基底サブバンドがこのようなバンド幅を有
していれば、n=2のサブバンドから基底サブバンドへ
遷移した電子は、基底サブバンド内で低エネルギー側へ
と確実に移動することができる。これにより、反転分布
状態が確実に達成されかつ維持される。その結果、半導
体レーザ素子の発振が可能となり連続動作も可能とな
る。
【0021】また、本発明に係る半導体レーザ素子にお
いては、mが2以上であり、n=m+1のサブバンドと
n=mのサブバンドとの間のエネルギーギャップは、n
=l(lはm以下の自然数)のサブバンドとn=l−1
のサブバンドとの間のサブバンドとの間のエネルギーギ
ャップよりも小さいことを特徴としても良い。このよう
にすれば、n=m+1(m≧2)のサブバンドからn=m
のサブバンドへ電子が遷移したときに放出される光がそ
れより下位のサブバンド間で吸収されることがない。そ
のため、電子の遷移により放出される光の強度が低下す
るのを防止でき、レーザ発振効率を向上できる。
【0022】この場合、本発明に係る半導体レーザ素子
は、n=mのサブバンドの上端と基底サブバンドの下端
の間のエネルギー幅をΔEm1とすると、ΔEm1が ΔEm1>−kBT×ln(τm+1/τ1) … (3) ただし、 kB:ボルツマン定数、 T:半導体レーザ素子の動作温度(K)、 τm+1:n=m+1のサブバンドにおける電子の寿命
(秒)、 τ1:n=1のサブバンドにおける電子の寿命(秒)、 といった関係を満たすことを特徴とする。このようにす
れば、n=m+1のサブバンドとn=mのサブバンドと
の間で反転分布状態がより確実に実現され且つ維持され
る。
【0023】さらに、本発明の半導体レーザ素子は、超
格子構造を構成する量子井戸層と量子障壁層との間に半
導体中間層を更に備えることを特徴としても良い。ま
た、この半導体中間層は、量子井戸層を構成する半導体
と量子障壁層を構成する半導体との混晶半導体からなる
と好適である。さらに、この混晶半導体の混晶比は、量
子井戸層との界面において量子井戸層を構成する半導体
と同一であり、量子障壁層との界面において量子障壁層
を構成する半導体と同一であり、量子井戸層との界面及
び量子障壁層との界面の間で連続的又は階段状に変化す
る尚好ましい。このようにすれば、n=m+1(m≧2)
のサブバンドとn=mのサブバンドとのエネルギーギャ
ップを、n=l(lはm以下の自然数)のサブバンドと
n=l−1のサブバンドとの間のサブバンドとの間のエ
ネルギーギャップよりも確実に小さくできる。
【0024】さらに、上記の超格子構造が、量子井戸層
となるべき半導体と量子障壁層となるべき半導体とが交
互に積層された半導体多層膜の構成元素を熱拡散させる
ことにより作製されると好適である。これにより、混晶
比が量子井戸層との界面及び量子障壁層との界面の間で
連続的に変化する超格子構造が容易に作製される。
【0025】また、上記の超格子構造が、III−V族化
合物半導体から構成されることを特徴とすることもでき
る。さらに、超格子構造が、GaNから成る量子井戸層
と、AlNから成る量子障壁層と、から構成されると尚
好適である。GaNとAlNとは、互いのバンドギャッ
プエネルギーの差が大きく、しかも、伝導帯の下端のエ
ネルギー差が大きい。そのため、これらを用いると様々
なサブバンド構造を設計し得る。その結果、上記の半導
体レーザ素子の波長を適宜決定できるとともに、発光効
率を向上させることもできる。
【0026】さらに、上記の超格子構造の量子井戸層及
び量子障壁層が、Pb、Eu、Sn、Ca、及びSrの
中から選択される1又は複数の元素と、S、Se、及び
Teの中から選択される1又は複数の元素と、が化合し
た化合物から構成されることを特徴としてもよい。ま
た、超格子構造が、PbTeから成る量子井戸層と、C
aTe又はPbCaTeから成る量子障壁層と、から構
成されると有用である。
【0027】上記の化合物では価電子帯上端及び伝導帯
下端におけるキャリアの有効質量がほぼ等しいため、サ
ブバンド間遷移エネルギ−は価電子帯、伝導帯ともほぼ
等しくなる。そのため伝導帯内電子遷移と価電子帯内電
子(正孔)遷移は同じ光を増幅できるので、バンド間光
励起レ−ザの効率は向上する。
【0028】また、上記の化合物により超格子構造を形
成すると、超格子構造全体のキャリア濃度を低く、或い
は、キャリアの寿命を小さくし得る。そのため、式
(1)または(2)の条件を容易に満たすようになり、
バンド間励起レ−ザの効率が向上され得る。その結果、
正孔のエネルギー遷移を効率良く生じさせることができ
る。このような超格子構造としては、PbS/(Pb)
EuS系の超格子構造が好適である。
【0029】また、超格子構造にYbが添加されたPb
Te量子井戸層又はInが添加されたPbSnTe量子
井戸層を有していると好適である。PbTe量子井戸層
にYbを添加する、或いは、PbSnTe量子井戸層に
Inを添加すると、量子井戸層内に深い準位が形成され
る。そのため、超格子構造全体のキャリア濃度を確実に
低減することが可能である。
【0030】また、本発明に係る半導体レーザ装置は、
上述の半導体レーザ素子と、この半導体レーザ素子を光
励起する励起用半導体レーザ素子とが同一基体上に構成
されてなることを特徴とする。このような構成によれ
ば、上記の半導体レーザ素子が効果的に光励起され得
る。また、半導体レーザ素子の外部に励起用の光源を設
ける必要がないため、半導体レーザ装置は小型化され得
る。
【0031】
【発明の実施の形態】以下、本発明による半導体レーザ
素子及び半導体レーザ装置の好適な実施形態について説
明する。なお、以下の説明においては、同一の要素には
同一の符号を用いることとし、重複する説明は省略す
る。
【0032】(第1の実施形態)図1は、第1の実施形態
による半導体レーザ素子の構造を示す模式図である。レ
ーザ素子1は、Al23基板2の(0001)面2a上
に、GaN光ガイド層3(厚さ2μm程度)と、超格子層
4とが順次積層されて構成される。ここで、超格子層4
は、1原子層のAlNからなる量子障壁層と、9原子層
のGaNからなる量子井戸層とが交互に数百層程度積層
されて成る。また、超格子層4の側面には、光共振器と
してのミラー面4a,4bが形成されている。本実施形
態のレーザ素子1は、従来の量子カスケードレーザ素子
とは異なり、量子井戸層幅が漸次変化する注入層を有し
ていないため、構成が単純であり、その作製もまた容易
である。
【0033】図2は、超格子層4の伝導帯サブバンド構
造を示す図である。同図において横軸は波数を示してい
る。また、同図中のLは超格子層4の周期であり、Al
Nの1原子層とGaNの9原子層との合計膜厚に相当す
る。さらに、図中の黒丸は、電子を表している。
【0034】このように、量子井戸層(GaN)の厚さに
比べ量子障壁層(AlN)が薄く構成されていると、隣り
合う量子井戸間の電子の相互作用が大きくなるため、各
サブバンドは比較的広いバンド幅を有することとなる。
例えば、図2において、基底サブバンド(n=1)は、k
=0におけるエネルギー準位とk=π/Lにおけるエネ
ルギー準位との差だけのバンド幅を有している。本発明
者らの計算によれば、超格子層4におけるバンド幅は約
200meVである。また、本発明者らの知見によれ
ば、n=1のサブバンドにおける電子の寿命τ1は1n
s程度であり、n=2のサブバンドにおける電子の寿命
τ2は1ps程度である。室温におけるフェルミ幅kB
は約26meVである。そのため、上述の式(2)の右辺
は、 −kBT×ln(τ2/τ1)=+179.6 (meV) となる。よって、超格子層4により形成される基底サブ
バンドのバンド幅(約200meV)は、式(2)を満たし
ている。すなわち、反転分布状態が容易に実現される。
【0035】続いて、図2を参照しながら、レーザ素子
1のレーザ発振動作について説明する。まず、超格子層
4に対して、KrFエキシマレーザ(発振波長248n
m)装置などから放出される高出力紫外線レーザ光が励
起光Rとして照射される。励起光Rの光エネルギーは、
超格子層4の実質上のバンドギャップエネルギーよりも
大きいため、励起光Rの超格子層4への照射により、価
電子帯(不図示)から伝導帯のn=2のサブバンドへと電
子が励起され得る。図2中の矢印Aは、価電子帯から伝
導帯n=2のサブバンドへと電子が励起されることを例
示的に表す。n=2のサブバンドへと励起された電子の
多くは、伝導帯の基底サブバンド(n=1)へ遷移する前
に、波数k=π/L側へと直ちに移動する。そのため、
n=2のサブバンドの波数k=π/L側に多数の電子が
存在することとなる。
【0036】一方、基底サブバンドに存在する電子は、
エネルギー準位の低い側、すなわち、波数k=0側へと
移動する。そのため、波数k=π/Lにおいては、n=
2のサブバンドと基底サブバンドとの間で反転分布状態
が実現される。これによりn=2のサブバンドと基底バ
ンドとのエネルギー差に相当する光(波長約6μm)が誘
導放出される。k=π/Lにおいて、n=2のサブバン
ドから基底サブバンドへと遷移した電子は、基底サブバ
ンドが上述の通りのバンド幅を有しているため、基底サ
ブバンド内のよりエネルギー準位の低い状態(k=0)へ
と直ちに移動する。そのため、波数k=π/Lにおい
て、n=2のサブバンドと基底サブバンドとの間の反転
分布状態は維持され続ける。従って、光励起を続ける
間、n=2のサブバンドと基底サブバンドとの間で誘導
放出が持続する。そして、この遷移により放出される光
がミラー面4a,4bとの間で共振されてレーザ発振が
起こり、レーザ光がミラー面4a,4bを通して放射さ
れる。
【0037】本発明者らは、エキシマレーザ装置を用い
てレーザ素子1に対してパルス光(波長248nm、出
力300kW/cm2、200 Hz)を照射したとこ
ろ、波長約6μm、ピーク出力約100mW以上のレー
ザ光の発振が室温において認められた。なお、本発明者
らの検討によれば、上記の条件にて光励起したときのn
=2のサブバンドにおける電子濃度は、1×1016cm
-3程度であり、基底サブバンドにおける電子濃度は、1
×1019cm-3程度であった。この結果から、式(1)の
右辺を計算すると、180meVという値が得られる。
すなわち、基底サブバンドのバンド幅は上述の通り約2
00meVであるので、式(1)が満たされていることが
分かる。
【0038】これまでは、紫外域の励起光Rを超格子層
4に照射し、超格子層4において価電子帯から伝導帯中
のn=2のサブバンドへと電子を励起する場合について
説明したが、サブバンド間の光励起によってもレーザ発
振は実現される。サブバンド間で励起を行う場合には、
励起光は、n=2のサブバンド及び基底サブバンドの波
数k=0におけるエネルギー差に相当するエネルギーを
有していればよい。また、この場合には、励起光は超格
子層に平行に入射されると好ましい。
【0039】光源としては、高出力半導体レーザ素子な
どの近赤外線レーザ素子を使うことができる。このよう
な素子からの近赤外線レーザ光を超格子層4に照射する
と、基底サブバンドからn=2のサブバンドへと電子が
励起される(矢印B)。この電子は、基底サブバンドへと
遷移するに先立って、n=2のサブバンドの低エネルギ
ー側へと移動する。そして、波数k=π/Lにおいて、
n=2のサブバンドから基底サブバンドへと電子が遷移
する。また、このとき、上述の通り、n=2のサブバン
ドと基底サブバンドとの間で反転分布状態が実現される
ので、励起光の照射中、電子の遷移は継続して起こる。
この際に放出される光をミラー面4a,4bにより共振
すれば、レーザ発振が実現される。
【0040】以上の通り、第1の実施形態のレーザ素子
1は、1原子層のAlNと9原子層のGaNとが積層さ
れた超格子層4を有する。この超格子層4において、n
=2のサブバンドへと光により励起された電子が、基底
サブバンド(n=1)へと遷移する際に放出される光を光
共振器により共振させてレーザ光を放射する。ここで、
基底サブバンドは、約200meVといった広いバンド
幅を有しているため、n=2のサブバンドから基底サブ
バンドへと遷移した電子は、基底サブバンド内の低エネ
ルギー領域へと短時間のうちに移動する。そのため、n
=2のサブバンドと基底サブバンドとの間で反転分布状
態が容易に実現される。その結果、レーザ発振が確実に
起こすことができる。
【0041】(第2の実施形態)第2の実施形態による半
導体レーザ素子は、超格子層を構成する半導体材料及び
層厚比が異なる以外は、第1の実施形態による半導体レ
ーザ素子と同一の構成を有している。以下では、相違点
を中心に説明する。
【0042】第2の実施形態のレーザ素子10は、Pb
Te基板2の(0001)面2a上に、PbTe光ガイド
層3(厚さ2μm程度)と、超格子層40とが順次積層さ
れて構成される。ここで、超格子層40は、厚さ3nm
のPbxCa1-xTeから成る量子障壁層と、厚さ6nm
のPbTeから成る量子井戸層とが交互に積層されて成
る。この場合には、周期Lは9nmである。ここで、P
xCa1-xTeの組成比xは、PbCaTeの有するエ
ネルギーバンドギャップが、PbTeのエネルギーバン
ドギャップよりも200meV程度大きくなるよう調整
されている。また、レーザ素子40の端面には、光共振
器としてのミラー面4a,4bが形成されている。
【0043】続いて、図3を参照しながら、レーザ素子
10のレーザ発振動作について説明する。図3は、第2
の実施形態のレーザ素子10の超格子層40が有する伝
導帯サブバンド構造を示す図である。一般に、比較的厚
い量子障壁層をもつ超格子においても、量子障壁が低け
れば隣り合う量子井戸間の電子の相互作用が大きくなる
ため、サブバンドに幅を持たせることができる。超格子
層40の場合も、PbCaTe層(量子障壁層)が約3n
mと比較的厚いにもかかわらず、PbTeとPbCaT
eとのエネルギーバンドギャップ差を約200meVと
比較的低く設定しているため、サブバンドが所定の幅を
有することになる。例えば、図3から分かるように、基
底サブバンドは約40meVのバンド幅を有し、n=2
のサブバンドは約100meVのバンド幅を有してい
る。また、同図から、基底サブバンドの下端とn=2の
サブバンドの上端と間のエネルギー差は、180meV
程度であることがわかる。
【0044】先ず、図3に示すようなバンド構造を有す
る超格子層40に所定の励起光が照射される。すると、
価電子帯からn=3のサブバンドへと電子が励起され
る。n=3のサブバンドへと励起された電子は、1ps
程度の寿命τ3でn=2のサブバンドへと遷移し、この
とき、n=3及びn=2のサブバンド間のエネルギーギ
ャップに相当する光を放出する。n=2のサブバンドの
電子もまた寿命τ2=1ps程度で基底サブバンド(n=
1)へとで遷移するため、n=2のサブバンドの電子濃
度は低く保たれる。したがって、波数k=0において、
n=3のサブバンドとn=2のサブバンドとの間で電子
の反転分布状態が容易に実現される。
【0045】基底サブバンドまで遷移した電子は、寿命
τ1=1ns程度で価電子帯へと遷移する。今、τ1=1
ns、τ3=1ps、及びkBT=26meVを式(3)の
右辺に代入すると、 −kBT×ln(τ3/τ1)=+179.6 (meV) が得られる。一方、式(3)の左辺ΔE31は、上述の通
り、180meV程度である。すなわち、本実施形態の
半導体レーザ素子は、式(3)の関係を満たしている。す
なわち、この結果からもn=3及びn=2のサブバンド
の間で電子の反転分布状態が実現されることがわかる。
【0046】n=3のサブバンドからn=2のサブバン
ドへ電子が遷移することにより放出される光の波長は3
5μmである。したがって、ミラー面4a,4bが有す
る反射率及びミラー面4a,4bの間隔(光共振器長)を
適宜調整し、波長35μmの光を共振させれば、波長3
5μmのレーザ光を放出するレーザ素子が実現され得
る。
【0047】以上、第2の実施形態のレーザ素子10
は、n=3のサブバンドへと光励起された電子がn=2
のサブバンドへと遷移する際に放出される光を光共振器
により共振させてレーザ光を放射する。ここで、n=2
のサブバンドへと遷移した電子は、極めて短時間(約1
ps)のうちに基底サブバンドへと遷移する。そのた
め、n=3のサブバンドとn=2のサブバンドとの間で
反転分布状態が容易に実現される。その結果、確実にレ
ーザ発振が生じる。第1の実施形態に比べ井戸層の厚さ
が厚くでき、作製が容易である。
【0048】(第3の実施形態)第3の実施形態による半
導体レーザ素子は、超格子層の構成が異なる以外は、第
2の実施形態による半導体レーザ素子と同一の構成を有
している。以下では、相違点を中心に説明する。
【0049】第3の実施形態によるレーザ素子100
は、超格子層として以下の構成を有する。すなわち、レ
ーザ素子100の超格子層は、CaTe層と、CaTe
層よりもエネルギーバンドギャップが約200meV高
いPbCaTe層とを有しており、さらにこれらの層の
間にPbTeからPbCaTeへと組成が連続的に変化
する中間層を有している。なお、組成の変化の仕方は、
連続的に限らず階段状であってもよい。組成の変化を伴
う超格子層に形成されるサブバンド構造は、以下の優れ
た効果を奏する。組成が急峻に変化する超格子層と対比
して説明する。
【0050】図4(a)は、急峻な組成変化を有する超格
子層により形成されるサブバンド構造の一例を示す模式
図である。図4(b)は、レーザ素子100が有する超格
子層のサブバンド構造を示す模式図である。
【0051】急峻な組成変化を有する超格子層の場合
は、量子井戸の幅は一定であるため、図4(a)に示すと
おり、各サブバンド間のエネルギーギャップは、エネル
ギー準位が高くなるに従って広くなる。そのため、例え
ば、n=3のサブバンドからn=2のサブバンドへと電
子が遷移したときに放出される光がn=2のサブバンド
と基底サブバンドとの間で吸収される可能性がある。す
なわち、超格子層から放出される光の光量が低下してし
まう虞がある。
【0052】これに対し、図4(b)に示す通り、組成変
化を伴う超格子層においては、組成変化が急峻でないた
め、エネルギー準位が高くなるに従って量子井戸幅が広
がって行く。そのため、このような超格子構造において
は、サブバンド間のエネルギーギャップについては、例
えば、基底サブバンドとn=2のサブバンドとの間のエ
ネルギーギャップに比べ、n=2のサブバンドとn=3
のサブバンドとの間のエネルギーギャップが小さくでき
る。そのため、n=3のサブバンドからn=2のサブバ
ンドへの電子遷移により放出される光が、n=2のサブ
バンドと基底サブバンドとの間で吸収されることがな
い。したがって、電子遷移により放出される光が効率よ
くレーザ発振に寄与することとなる。その結果、レーザ
素子100のレーザ光出力を大きくすることができる。
【0053】なお、本実施形態のレーザ素子について
は、例えば、上述の通りの超格子構造を薄膜成長技術に
より作製することも可能であるが、井戸層と障壁層を作
製後、熱拡散等により達成することも可能である。すな
わち、光ガイド層3上に超格子層を作製する際に、Ca
Te層とPbTe層とをそれぞれ所定の層厚で交互に堆
積する。堆積後、この堆積膜を所定の雰囲気の下で、所
定の時間、所定の温度において熱処理する。すると、P
bTe層の構成原子であるPb原子がCaTe層内へと
拡散していき、CaTe層がPbCaTe層となる。こ
のように熱拡散により形成された超格子層では、PbC
aTe層とPbTe層との間では、組成が連続的に変化
することとなる。すなわち、この拡散により、図4(b)
に示すようなサブバンド構造を有する超格子層が形成す
ることができる。
【0054】また、このような超格子層形成方法におい
て、拡散温度や拡散時間の調整により、Pbの拡散量
(変調量)を制御することができる。そのため、熱処理条
件によってレーザ発振波長を調整できるといった利点を
有している。さらに、各サブバンド間の電子遷移エネル
ギーの相対値を制御できるので、上位のサブバンド間遷
移でレーザ発振を得るとき、電子の濃度の増加した下位
サブバンド間の光吸収による光損失や下位サブバンドが
関係したオージェ効果を低減でき、発光再結合確率を増
大させることもできる。
【0055】次に、本発明に係るレーザ素子が好適に適
用されるレーザ装置について説明する。
【0056】図5は、本実施形態のレーザ装置の構造を
示す模式図である。レーザ装置50は、図示の通り、L
字形状のヒートシンク51と、ヒートシンク51に設け
られた励起用半導体レーザ素子52と、ヒートシンク5
1に対して2つの面で接するよう設けられたレーザ素子
10とを有する。なお、レーザ装置50においては、第
2の実施形態によるレーザ素子10を用いたが、第1及
び第3の実施形態によるレーザ素子1及び400のいず
れを用いても良い。
【0057】励起用半導体レーザ素子52は、レーザ素
子10のnが2以上の所定のサブバンドへと電子を励起
できるものであれば、通常の電流注入型の半導体レーザ
でよい。具体的には、発振波長が1.55μm以下であ
ればよく、例えば、発振波長0.8μmの高出力半導体
レーザ素子を使用できる。励起用半導体レーザ素子52
は、ヒートシンク51上において、レーザ光の放出面が
レーザ素子10の表面10aと密着する又は近接するよ
う固定されている。このような配置により、励起用半導
体レーザ素子52から放出されるレーザ光がレーザ素子
10に対して効率的に照射される。また、この励起用半
導体レーザ素子52は、レーザ素子10の超格子層40
内で電子を効率よく励起するためにブロードエリアレー
ザ素子であると好ましい。このようなレーザ素子を励起
用レーザ素子52として用いれば、超格子層40の幅数
μm、長さ数百μmのストライプ状の範囲を高レベルに
励起できる。具体的には、1Wの光出力で1μm×30
0μmのストライプ状に超格子層を励起した場合、その
励起光強度は300kW/cm2程度にも達することに
なる。そのため、レーザ素子10から所望のレーザ光が
得られ得る。
【0058】次に、レーザ装置50の動作について説明
する。先ず、励起用半導体レーザ素子52の電極(図示
せず)に電流を注入して、この励起用半導体レーザ素子
52よりレーザ光を放出させる。すると、このレーザ光
はレーザ素子10に照射され、レーザ素子10の超格子
層40により吸収される。PbTeのエネルギーバンド
ギャップは0.3eVと狭いため、この吸収により、価
電子帯からn=3のサブバンドへと電子が容易に励起さ
れる。そして、図3を用いて説明したように、波数k=
0において、n=3のサブバンドへ励起された電子がn
=2のサブバンドへと遷移し、波長約35μmの光が放
出される。n=3のサブバンドとn=2のサブバンドと
の間では反転分布状態が維持されるため、この光は、励
起用半導体レーザ素子52からの励起レーザ光がレーザ
素子10の超格子層40に照射されている間、放出され
続ける。そして、この波長の光がミラー面4a,4bに
より共振され、その波長を有するレーザ光がミラー面4
aを透過して放射される。
【0059】レーザ装置50は、上述の通り、レーザ素
子10と励起用半導体レーザ素子52とが共にヒートシ
ンク上で互いに密接した或いは近接した構成を有する。
そのため、励起用半導体レーザ素子52からの励起光が
効率よくレーザ素子10に照射される。よって、レーザ
素子10から高出力のレーザ光を放射させることができ
る。また、レーザ装置50は、上述の通り、構成が簡単
であるので、小型化が容易であり、作製もまた容易であ
る。さらに、レーザ素子10を光励起する励起用半導体
レーザ素子52は、市販の半導体レーザを使用できるた
め、入手が容易である。したがって、レーザ装置50は
安価に作製されるという利点を有している。
【0060】以上、幾つかの実施形態を用いて本発明に
係る半導体レーザ素子及び半導体レーザ装置について説
明したが、本発明は上記の実施形態に限られることな
く、種々に変形可能である。
【0061】上記の実施形態においては、AlNとGa
Nとからなる超格子層及びPbTeとCaTe又はPb
CaTeとからなる超格子層について説明したが、これ
に限定されるものでなく、様々な組み合わせの化合物半
導体により超格子層を構成可能である。特に、Pb、E
u、Sn、Ca、或いはSrといった元素の1つ又は複
数と、S、Se、及びTeの中から選択される1つ又は
複数の元素とから成る半導体により超格子層が構成され
ると好ましい。これらの化合物では、価電子帯の上端及
び伝導帯の下端においてキャリアの有効質量はほぼ等し
い。そのため、サブバンド間遷移エネルギ−は価電子
帯、伝導帯ともほぼ等しくなる。この際、伝導帯内電子
遷移と価電子帯内電子(正孔)遷移は同じ光を増幅でき
るので、バンド間光励起レ−ザの効率は向上する。
【0062】また、超格子構造全体のキャリア濃度を低
く、或いは、バンド間のキャリア寿命を小さくすれば、
キャリヤの反転分布が容易に得られる。このような超格
子構造としては、PbS/(Pb)EuS系の超格子構
造が特に好適である。
【0063】また、超格子構造にYbが添加されたPb
Te量子井戸層又はInが添加されたPbSnTe量子
井戸層を有していると好適である。PbTeを量子井戸
層として有する超格子構造の場合に、当該量子井戸層に
Ybを添加すると、量子井戸層内に深い準位が形成され
る。そのため、超格子構造全体のキャリア濃度を確実に
低減することが可能である。その結果、バンド間励起の
効率を向上できる。また、PbSnTeを量子井戸層と
して有する超格子構造の場合に、当該量子井戸層にIn
を添加しても同様の効果が得られる。
【0064】また、上記のいくつかの実施形態及び変形
例として化合物半導体から構成される半導体レーザ素子
を例示したが、化合物半導体に限らず、元素半導体によ
り半導体レーザ素子を構成することもできる。
【0065】また、第3の実施形態において、組成が連
続的に変化する中間層を量子井戸層と量子障壁層との間
に設けることにより、n=m+1(m≧2)のサブバンド
とn=mのサブバンドとのエネルギーギャップを、n=
mのサブバンドとn=m−1のサブバンドとのエネルギ
ーギャップよりも小さくするようにしたが、これに限ら
れるものではない。例えば、障壁層のエネルギー障壁の
高さをn=m+1(m≧2)のサブバンドとn=mのサブ
バンドの間の適切な位置に設定することによっても、n
=m+1(m≧2)のサブバンドとn=mのサブバンドと
のエネルギーギャップを、n=mのサブバンドとn=m
−1のサブバンドとのエネルギーギャップよりも小さく
することができる。(2)式の条件を満たすように、下
位サブバンドのバンド幅を広げるには井戸層を薄くする
必要があるが、その場合これと同時にサブバンド間の間
隔も広がってしまう。そのため、波長の任意性が損なわ
れるという問題が発生する。そこで、ここで述べたよう
に、mを2以上とすることで(6)式を採用でき、必要
以上の井戸層の薄膜化を避けることもできるし、広がっ
てしまったサブバンド間の間隔を、任意のエネルギー間
隔に設定することも可能となる。またこの場合、この井
戸層と障壁層の外側もしくはそれらより構成される超格
子の外側にさらに高い障壁層を設けることにより、励起
した電子の閉じ込め効果により発振効率が向上すること
が期待される。
【0066】また、組成が連続的に変化する中間層に替
わり、所定のエネルギーバンドギャップを有する半導体
から成る中間層を量子井戸層と量子障壁層との間に設け
るようにしても良い。ここで、中間層としての所定のエ
ネルギーバンドギャップを有する半導体としては、量子
井戸層を構成する半導体と量子障壁層を構成する半導体
との混晶半導体でよく、また、他の任意の半導体であっ
ても構わない。中間層としての半導体を適宜選択するこ
とによって、n=m+1(m≧2)のサブバンドとn=m
のサブバンドとのエネルギーギャップを、n=mのサブ
バンドとn=m−1のサブバンドとのエネルギーギャッ
プよりも小さくし得る。
【0067】また、上記の実施形態においては、量子井
戸層と量子障壁層との層厚として特定の値を用いて説明
したが、これらの層厚はこれに限定されることなく、目
標とするレーザ光波長に合せて適宜変更して良い。
【0068】さらに、第2の実施形態においては、n=
3のサブバンドからn=2のサブバンドへの遷移により
放出される光を共振させてレーザ光を放射させるように
したが、n=4のサブバンドへと電子を光励起し、この
電子がn=3へと遷移する際に放出される光を共振させ
るようにしてもよい。また、一般に、n=m+2(1≦
m)からn=m+1への遷移の際に放出される光を利用
するようにして良い。
【0069】また、本発明による半導体レーザ素子と励
起用半導体レーザとを同一のヒートシンク上に備えた半
導体レーザ装置について説明したが、これに限定される
ことなく様々な変形が可能である。例えば、以下に述べ
るように、本発明による半導体レーザ装置をモノリシッ
ク型レーザ装置に構成することもできる。
【0070】図6は、励起用半導体レーザ素子と半導体
レーザ素子とをモノリシックに構成した半導体レーザ装
置の一例を示す模式図である。レーザ装置60は、基板
61上に設けられた電流注入型の励起用半導体レーザ素
子62と、基板61上に設けられたレーザ素子63と、
対向する一組の平行面に設けられたミラー面64a、6
4bとを有する。レーザ装置60は、以下のように作製
され得る。すなわち、励起用半導体レーザ素子62を基
板61上に作製した後、所定の部分をエッチング等によ
り取り除いて基板61の一部を露出させる。次に、その
露出した部分の基板61に、バッファー層63a、光ガ
イド層63b、超格子層63c、及び光ガイド層63d
を所定の結晶成長方法で順次成長させてレーザ素子63
を形成する。ここで、超格子層63cは、第1〜3の実
施形態のレーザ素子が有する超格子層と略同一の構成を
有している。
【0071】励起用半導体レーザ素子62は、レーザ素
子63をレーザ発振させることが可能な波長を有するよ
う適宜設計されている。また、励起用半導体レーザ素子
62の構造も適宜選択され得る。例えば、励起光の波長
に合わせた分布ブラック反射器(Distributed Bragg Ref
lector:DBR)を有する半導体レーザ素子であっても
よい。また、レーザ素子63は、その超格子層にサブバ
ンド間遷移の波長に合わせたDBR構造を有していても
よい。これによりサブバンド間遷移の効率を上げること
も可能である。
【0072】励起用半導体レーザ素子62の電極62
a,62bに電圧を印加して電流を注入し、励起用半導
体レーザ素子62から励起光を放射させる。この励起光
は、励起用半導体レーザ素子62とレーザ素子63との
界面65を介してレーザ素子63に照射される。する
と、レーザ素子63の超格子層63cから電子遷移によ
る光が放出される。この光は、ミラー面64aと界面6
5との間で共振されてレーザ発振が起こり、ミラー面6
4aからレーザ光が放射される。
【0073】なお、レーザ素子63にミラー面66a,
66bを設け、この2つのミラー面66a,66bの間
でレーザ素子63の超格子層63cから放出される光を
共振させるようにしても良い。このようにすれば、レー
ザ光はミラー面66a,66b或いはこれらのいずれか
の面を通して放射される。
【0074】図7は、本発明によるレーザ装置のさらに
他の構成例を示す模式図である。図示の通り、レーザ装
置70は、バッファー層71aと、超格子層73aと、
励起用半導体レーザ活性層72と、超格子層73bとが
基板71上に順次堆積されて構成される。このレーザ装
置70においては、これらは当初すべてn形半導体で構
成し、その後、電流注入部74から電流注入部74直下
のクラッド層76bと超格子層73bにp形ドーパント
の熱拡散もしくはイオン注入を施し、p形半導体とし電
流注入型励起用半導体素子を形成する。電流注入部74
と基板71との間に所定の電圧を印加し電流を注入する
と、励起用半導体レーザ活性層72から励起光が超格子
層73a,73bに照射される。そして、この照射によ
り、超格子層73a,73b内で中赤外域光が放出され
る。この光がミラー面76a,76bにより共振されて
レーザ光が放射される。
【0075】図8は、本発明によるレーザ装置のさらに
また他の構成例を示す模式図である。図示の通り、レー
ザ装置80は、基板81上に、電流注入型の励起用半導
体レーザ素子82が形成され、この励起半導体レーザ素
子82のレーザ光の出射端面上に超格子構造を有するレ
ーザ素子83が形成される。励起半導体レーザ素子82
としては、基板81と垂直且つレーザ素子83に向かう
方向にレーザ光が放出される面発光レーザを用いること
ができる。このとき、超格子構造を有するレーザ素子8
3においては、当該レーザ素子83及び励起用半導体レ
ーザ素子82の界面とレーザ素子83の表面83aとの
間で光共振が起こる。そして、表面83aからレーザ光
が放射することとなる。
【0076】図9は、本発明によるレーザ装置のまたさ
らに他の構成例を示す模式図である。図示の通り、レー
ザ装置90は、基板91上に、電流注入型の励起用半導
体レーザ素子92が形成される。励起用半導体レーザ素
子92は、光反射端面92aと光出射端面92bとを有
している。また、励起用半導体レーザ素子92の光出射
端面92b上及び光出射端面92bと同一の平面を形成
する基板91の端面上には、超格子構造を有するレーザ
素子93が形成されている。励起用半導体レーザ素子9
2の光出射端面92bから放出される励起レーザ光は、
超格子構造を有するレーザ素子93に入射する。この励
起レーザ光により、レーザ素子93においてレーザ発振
が起こり、当該レーザ素子93の表面93aからレーザ
光が放射される。
【0077】以上、モノリシック型の半導体レーザ装置
について説明した。上述の半導体レーザ装置では、励起
用半導体レーザ素子として半導体レーザ素子が用いら
れ、その波長が超格子構造を有するレーザ素子をレーザ
発振できるよう適宜設計される。しかも、この励起用半
導体レーザ素子と超格子構造を有するレーザ素子とをモ
ノリシック型に構成できるので、コンパクトで信頼性が
高く低コストなレーザ装置を作製することが可能であ
る。
【0078】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る半導
体レーザ素子は、超格子構造を有しており、この超格子
構造により伝導帯にサブバンドが形成されている。超格
子構造に励起光が照射され、n=m+1(mは自然数)の
サブバンドへ電子が励起される。励起された電子は、n
=mのサブバンドへ遷移し、これら2つのサブバンド間
のエネルギーギャップに相当するエネルギーを有する赤
外域光を放出する。この光が共振器により共振され、レ
ーザ発振が起こり、レーザ光が半導体レーザ素子から放
射される。n=mのサブバンドへ遷移した電子は極めて
短い時間で同一サブバンド内のよりエネルギーの低い状
態もしくはより下位の準位に移動するため、当該サブバ
ンドの高エネルギー側で電子が空乏化され得る。そのた
め、サブバンド間で反転分布状態が実現され、十分な光
量の光が放出される。この光を共振させることにより赤
外域レーザ光が放射される。
【0079】また、本発明に係る半導体レーザ素子は、
サブバンドに電流により電子を注入する必要がないた
め、電子注入のための複雑な構造を必要としない。すな
わち、複雑な素子構造を必要とせず、作製が容易であ
り、室温動作の可能な赤外線半導体レーザ素子が提供さ
れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、第1の実施形態によるレーザ素子の構
造を示す模式図である。
【図2】図2は、第1の実施形態のレーザ素子が有する
超格子層の伝導帯サブバンド構造を示す図である。
【図3】図3は、第2の実施形態のレーザ素子が有する
超格子層の伝導帯サブバンド構造を示す図である。
【図4】図4(a)は、量子井戸層と量子障壁層との間で
急峻な組成変化が実現されている超格子層の電子ポテン
シャルと伝導帯サブバンド構造との一例を示す図であ
る。図4(b)は、量子井戸層と量子障壁層との間で組成
が変化する層を有する超格子層を備える超格子層の電子
ポテンシャルと伝導帯サブバンド構造との一例を示す図
である。
【図5】図5は、本発明によるレーザ装置の一構成例を
示す模式図である。
【図6】図6は、本発明によるレーザ装置の他の構成例
を示す模式図である。
【図7】図7は、本発明によるレーザ装置のさらに他の
構成例を示す模式図である。
【図8】図8は、本発明によるレーザ装置のさらにまた
他の構成例を示す模式図である。
【図9】図9は、本発明によるレーザ装置のまたさらに
他の構成例を示す模式図である。
【図10】図10は、量子カスケードレーザ素子の伝導
帯及び伝導帯サブバンド構造を示す図である。
【符号の説明】
1,10,100…レーザ素子、2,61,71,81
…基板、3…光ガイド層、4,40…超格子層、4a,
4b…ミラー面、50,60,70,80,90…レー
ザ装置、51…ヒートシンク、52,62,72,8
2,92…励起用半導体レーザ素子、53,63,8
3,93…レーザ素子、102,104…発光層、10
3…注入層、110,112…量子井戸、111,11
3…量子障壁、62a,62b…電極、66a,66b
…ミラー面、R…励起光。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 桑原 正和 静岡県浜松市市野町1126番地の1 浜松ホ トニクス株式会社内 Fターム(参考) 5F073 AA74 CA02 CA22 EA08 EA29

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】半導体から成り量子井戸層と量子障壁層と
    から構成される超格子構造を有し、該超格子構造により
    形成される複数のサブバンド間におけるキャリアの遷移
    を利用する半導体レーザ素子であって、 前記複数のサブバンドをキャリアに対するエネルギー準
    位の低い順にn=1,2,3,…,N(Nは自然数)のサ
    ブバンドと表したとき、 前記超格子構造への光の照射により、n=m+1(mは
    自然数)のサブバンドへキャリアが励起され、 前記n=m+1のサブバンドへ励起されたキャリアがn
    =mのサブバンドへと遷移する際に放出される光を共振
    させることによりレーザ光を放射することを特徴とする
    半導体レーザ素子。
  2. 【請求項2】 前記n=mのサブバンドのバンド幅をΔ
    Eとすると、ΔEが ΔE>−kBT×ln(Cm+1/Cm) … (1) ただし、 kB:ボルツマン定数、 T:半導体レーザ素子の動作温度(K)、 Cm+1:光励起時のn=m+1のサブバンドのキャリア
    濃度(cm―3)、 Cm:n=mのサブバンドのキャリア濃度(cm―3)、 といった関係を満たすことを特徴とする請求項1記載の
    半導体レーザ素子。
  3. 【請求項3】 前記mが1であり、 前記n=mのサブバンドのバンド幅をΔEとすると、Δ
    Eが ΔE>−kBT×ln(τm+1/τm) … (2) ただし、 kB:ボルツマン定数、 T:半導体レーザ素子の動作温度(K)、 τm+1:n=m+1のサブバンドにおける電子の寿命
    (秒)、 τm:n=mのサブバンドにおける電子の寿命(秒)、 といった関係を満たすことを特徴とする請求項1記載の
    半導体レーザ素子。
  4. 【請求項4】 前記mが2以上であり、 n=m+1のサブバンドとn=mのサブバンドとの間の
    エネルギーギャップは、n=l(lはm以下の自然数)
    のサブバンドとn=l−1のサブバンドとの間のサブバ
    ンドとの間のエネルギーギャップよりも小さいことを特
    徴とする請求項1又は2に記載の半導体レーザ素子。
  5. 【請求項5】 前記mが2以上であり、 n=mのサブバンド上端とn=1サブバンド下端とのエ
    ネルギー差をΔEm1とすると、ΔEm1が ΔEm1>−kBT×ln(τm+1/τ1) … (3) ただし、 kB:ボルツマン定数、 T:半導体レーザ素子の動作温度(K)、 τm+1:n=m+1のサブバンドにおける電子の寿命
    (秒)、 τ1:n=1のサブバンドにおける電子の寿命(秒)、 といった関係を満たすことを特徴とする請求項4記載の
    半導体レーザ素子。
  6. 【請求項6】 前記超格子構造を構成する量子井戸層と
    量子障壁層との間に半導体中間層を更に備えることを特
    徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の半導体
    レーザ素子。
  7. 【請求項7】 前記半導体中間層は、前記量子井戸層を
    構成する半導体と前記量子障壁層を構成する半導体との
    混晶半導体からなることを特徴とする請求項6記載の半
    導体レーザ素子。
  8. 【請求項8】 前記混晶半導体の混晶比は、前記量子井
    戸層との界面において前記量子井戸層を構成する半導体
    と同一であり、前記量子障壁層との界面において前記量
    子障壁層を構成する半導体と同一であり、前記量子井戸
    層との界面及び前記量子障壁層との界面の間で連続的又
    は階段状に変化することを特徴とする請求項7記載の半
    導体レーザ素子。
  9. 【請求項9】 前記超格子構造が、量子井戸層となるべ
    き半導体と量子障壁層となるべき半導体とが交互に積層
    された半導体多層膜の構成元素を熱拡散させることによ
    り作製されることを特徴とする請求項8記載の半導体レ
    ーザ素子。
  10. 【請求項10】 前記超格子構造が、III−V族化合物
    半導体から構成されることを特徴とする請求項1〜9の
    いずれか一項に記載の半導体レーザ素子。
  11. 【請求項11】 前記超格子構造が、GaNから成る量
    子井戸層と、AlNから成る量子障壁層と、から構成さ
    れることを特徴とする請求項10記載の半導体レーザ素
    子。
  12. 【請求項12】 前記超格子構造の前記量子井戸層及び
    前記量子障壁層が、 Pb、Eu、Sn、Ca、及びSrの中から選択される
    1又は複数の元素と、 S、Se、及びTeの中から選択される1又は複数の元
    素と、が化合した化合物から構成されることを特徴とす
    る請求項1〜9のいずれか一項に記載の半導体レーザ素
    子。
  13. 【請求項13】 前記超格子構造が、PbTeから成る
    量子井戸層と、CaTe又はPbCaTeから成る量子
    障壁層と、から構成されることを特徴とする請求項12
    に記載半導体レーザ素子。
  14. 【請求項14】 前記超格子構造が、Ybが添加された
    PbTe量子井戸層、又はInが添加されたPbSnT
    e量子井戸層を有することを特徴とする請求項12記載
    の半導体レーザ素子。
  15. 【請求項15】 請求項1〜14のいずれか一項に記載
    の半導体レーザ素子と、該半導体レーザ素子を光励起す
    る励起用半導体レーザ素子とが同一基体上に構成されて
    なることを特徴とする半導体レーザ装置。
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