JPH07307524A - 半導体レーザ - Google Patents

半導体レーザ

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JPH07307524A
JPH07307524A JP9981594A JP9981594A JPH07307524A JP H07307524 A JPH07307524 A JP H07307524A JP 9981594 A JP9981594 A JP 9981594A JP 9981594 A JP9981594 A JP 9981594A JP H07307524 A JPH07307524 A JP H07307524A
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章久 富田
Masaaki Nidou
正明 仁道
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明 鈴木
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 閾値電流が低く、量子効率が高く、温度特性
や高速変調に優れた半導体レーザを提供する。 【構成】 InP基板11上に、ノンドープZnSe
0.54Te0.46クラッド層12、ノンドープでバンドギャ
ップ波長が1.1μm の基板に格子整合したInGaA
sPバッファー層13、バンドギャップ波長が1.35
μm で格子定数が基板より0.5%短いInGaAsP
井戸層とZnSe0.54Te0.46障壁層をそれぞれ5nmと
7nm交互に20層ずつ積層した厚さ0.24μm の量子
井戸活性層14、ノンドープでバンドギャップ波長が
1.1μm の基板に格子整合したInGaAsPバッフ
ァー層15、ZnSe0.54Te0.46クラッド層16を形
成する。導波路24を形成し、一側面にp型コンタクト
層18とその上の電極を、他の側面にn型コンタクト層
20とその上の電極を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は光通信および光情報処理
用の光源として用いられる半導体レーザに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、光通信を加入者にまで広げるため
に光源となる半導体レーザには従来よりも低閾値、かつ
温度特性の良いものが求められている。さらに、低価格
化のため外部変調器を用いないとすると変調特性も1G
b/s程度あることが望まれる。半導体レーザの閾値電
流を低減し、量子効率を向上させ、高温動作を可能にす
るため、また、高速変調を可能にするために活性層に多
重量子井戸構造を導入することが広く行われてきた。こ
のとき、量子井戸層と障壁層の伝導帯の不連続が小さい
と電子が量子井戸層だけでなく障壁層にも熱的に分布す
るため多重量子井戸構造を導入しても諸特性が向上しな
くなる。このため、量子井戸層と障壁層の禁制帯の差は
大きいことが望ましいとされてきた。また、最近量子井
戸層に基板より格子定数の大きい半導体を用いる、いわ
ゆる歪量子井戸の利用が盛んに検討されているが、これ
は歪みによって価電子帯のバンド構造を変化させ最低準
位の正孔の有効質量が小さくできるためである。この歪
量子井戸の効果を得るには価電子帯の不連続を大きくし
て正孔の最低準位と励起準位とのエネルギー差を大きく
する必要がある。
【0003】ところが量子井戸層と障壁層の禁制帯の差
が大きく、価電子帯の不連続が大きいと正孔は量子井戸
に強く閉じ込められるため、多重量子井戸にしたときp
クラッド層に近い井戸に正孔がたまり、離れた井戸には
正孔がわずかしか注入されなくなる正孔の局在化が起き
る。正孔が注入されない井戸は利得に寄与できないため
レーザの特性は向上しない。つまり、量子井戸の効果と
正孔の局在化の効果はトレードオフの関係にある。従来
は量子井戸層と障壁層の禁制帯の差を最適化することが
試みられてきた。例えば、高岡と櫛部は第54回応用物
理学会学術講演会講演番号28p−H−3(1993
年)において、1.3μm 帯InGaAsP量子井戸レ
ーザで、InGaAsP障壁層組成が禁制帯波長1.1
3μm のとき量子効率の特性温度が最適となることを報
告している。荻田らは同講演会講演番号28p−H−5
で1.3μm 帯歪InGaAsP量子井戸レーザで、I
nGaAsP障壁層組成が禁制帯波長1.1μm のとき
特性温度が最大になることを、鬼頭らは同講演会講演番
号28p−H−6で1.3μm 帯歪InGaAsP量子
井戸レーザで、InGaAsP障壁層組成が禁制帯波長
1.05μm のとき緩和振動周波数が最適化されること
を報告している。
【0004】また、正孔の局在化を抑えるために障壁層
を薄膜化し、正孔が隣の井戸へトンネリングにより移動
する確率を高めることも試みられている。例えば、魚見
らは第51回応用物理学会学術講演会講演番号28p−
H−3(1991年)において、InGaAs/InG
aAsP量子井戸レーザで障壁層厚を10nmから5nmに
することで緩和振動周波数が約2倍になることを報告し
ている。また、山田らは第54回応用物理学会学術講演
会講演番号28p−H−10(1993年)において、
1.3μm 帯InGaAsP量子井戸レーザで障壁層厚
を3nmから10nmまで変化させ障壁層が薄いほど微分利
得が大きくなることを報告している。
【0005】別の面でレーザの特性を改善する試みとし
て、クラッド層にII−VI族半導体を用いて活性層か
らクラッド層へのキャリアのもれを低減することが、西
田により特開昭59−86282号公報(特願昭57−
195254号)で、柊元によって特開平1−1757
89号公報(特願昭62−335868号)で、提案さ
れている。また、クラッド層にII−VI族半導体を用
いると活性層からクラッド層へのキャリアのもれを低減
すると同時に光の活性層への閉じ込めも増大し閾値キャ
リア密度を下げることができレーザ特性の向上が期待で
きる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上述のような
最適化では量子井戸層と障壁層の禁制帯の差が小さくな
ることにより量子井戸の効果が犠牲になる。障壁層を薄
膜化した場合でも電子が3次元化するため、バンド端で
の状態密度が小さくなって利得が低下する他、正孔のバ
ンド構造も変わるため特に歪量子井戸にした時の効果が
小さくなってここでも量子井戸の効果と正孔の局在化の
効果はトレードオフの関係が現れる。このため、さらに
レーザ特性を向上させるには量子井戸の効果と正孔の局
在化の効果のトレードオフの関係を解消する必要があ
る。
【0007】また、クラッド層にII−VI族半導体を
用いることには、II−VI族半導体でIII−V族半
導体並みの十分低抵抗なp型半導体を得るのは現在でも
困難であり素子抵抗の増大による温度上昇を招き特性の
向上を妨げるという問題がある。さらにキャリア閉じ込
めと光閉じ込めの向上をめざしてクラッド層にI−VI
I族半導体や絶縁体を用いるとキャリアの電流注入自体
が困難となる。量子効果の増大を目的として活性層をな
す量子井戸の障壁層をバンドギャップの大きい材料であ
るII−VI族半導体、I−VII族半導体や絶縁体を
用いたときにも同様の問題が生じる。
【0008】従って、本発明の目的は高いキャリアと光
閉じ込めおよび量子効果による低閾値キャリア密度動作
を可能とするバンドギャップの大きな材料を活性層をな
す量子井戸の障壁層やクラッド層に用いてしかもキャリ
アの電流注入を効率的に行うことのできる構造を持つこ
とにより、閾値電流、量子効率、温度特性、高速変調と
いった諸特性の優れた半導体レーザを提供することにあ
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の半導体レーザは
以下のような特徴を持つ。
【0010】1)III−V族半導体を活性層とし、活
性層を挟むクラッド層を活性層より誘電率が小さいI−
VII族またはII−VI族半導体、または絶縁体から
なり、レーザ発振に必要なキャリアを積層方向に平行に
注入する。
【0011】2)レーザ発振をおこなう活性層がIII
−V族半導体を井戸層とし、I−VII族またはII−
VI族半導体、または絶縁体を障壁層とする量子井戸を
含む。
【0012】3)レーザ発振をおこなう活性層がIII
−V族半導体を井戸層としI−VII族またはII−V
I族半導体、あるいは絶縁体を障壁層とする量子井戸か
らなり、量子井戸のバンド間遷移のエネルギーが所要の
光子エネルギーより大きく、電子のサブバンド間遷移の
エネルギーが所要の光子エネルギーにほぼ等しくなるよ
うに設定され、量子井戸の電子の高次サブレベルに選択
的に電子を注入する機構により電子のサブバンド間遷移
によりレーザ発振する。
【0013】4)3)の半導体レーザで、活性層を構成
する量子井戸の電子のレーザ発振にかかわる高次サブレ
ベル以上のエネルギーに伝導帯端をもつn型半導体から
なる電子注入層を持つ。
【0014】5)3)の半導体レーザで、n型半導体か
らなる電子注入層が活性層を構成する量子井戸の電子の
レーザ発振にかかわる高次サブレベル以上のエネルギー
に量子準位がある量子井戸を持つ。
【0015】6)3)の半導体レーザで、活性層に電流
によりキャリアを注入し、同時に活性層を構成する量子
井戸の電子のサブバンド間遷移のエネルギーより大きな
エネルギーを持つ光を注入して高次サブバンドに電子を
生成する。
【0016】7)3)の半導体レーザで、光子エネルギ
ーが活性層を構成する量子井戸の電子と正孔の最低サブ
バンドの間の遷移のエネルギーより小さく電子の高次サ
ブバンドと正孔との間の遷移エネルギーの1/2より大
きな光を用いて2光子吸収により高次サブバンドに電子
を生成する。
【0017】
【実施例】図1は本発明の第1の実施例の構造を示す断
面図である。InPの基板11の上に、ノンドープのZ
nSe0.54Te0.46を1μm 積層したクラッド層12、
ノンドープでバンドギャップ波長が1.1μm の基板に
格子整合したInGaAsPからなる厚さ40nmのバッ
ファー層13、バンドギャップ波長が1.35μmで格
子定数が基板より0.5%短いInGaAsPの井戸層
とZnSe0.54Te0.46の障壁層をそれぞれ5nmと7nm
交互に20層ずつ積層した厚さ0.24μmの量子井戸
活性層14、ノンドープでバンドギャップ波長が1.1
μm の基板に格子整合したInGaAsPからなる厚さ
40nmのバッファー層15、ZnSe0.54Te0.46を1
μm 積層したクラッド層16の各層をMBE装置により
成長した後、クラッド層16、バッファー層15、量子
井戸活性層14およびバッファー層13を幅0.5μm
の導波路を残してRIBEで除去する。導波路の一側面
にBe濃度5×1017cm-3のp型InPのpクラッド層
17とBe濃度2×1018cm-3のp型InGaAsPの
コンタクト層18を、他方の側面にSi濃度5×1017
cm-3のn型InPのnクラッド層19とSi濃度1×1
18cm-3のn型InPのコンタクト層20を選択成長に
より積層し、それぞれの上に電極を形成する。
【0018】このような構造のレーザにおいて量子井戸
活性層14とバッファー層13、15からなる導波層の
屈折率は約3でありZnSe0.54Te0.46のクラッド層
12、16の屈折率は2.4である。このとき光の閉じ
込め係数は導波層の厚さが0.3μm 程度のとき図2に
示すように0.7程度となり、通常のInPをクラッド
層とし、10層程度の量子井戸層を活性層とした構造の
閉じ込め係数が0.1程度であるのに比べると7倍大き
くなる。このことは本実施例の半導体レーザの量子井戸
一層あたりの閾値利得が通常の10層量子井戸レーザの
14分の1であることを示しており閾値キャリア密度が
大幅に減少する。このため、活性層の微分利得が増大し
効率や高速性が向上する。さらにオージェ電流が減少す
るため温度特性が向上する。導波層とクラッド層の屈折
率差が大きくなると高次モードが立ちやすくなるが図3
に示すように厚さが0.34μm 以下では基本モードだ
けが存在しうる。
【0019】この構造ではキャリアは量子井戸活性層の
側面のクラッド層から注入されるため、上下のクラッド
層の電気的特性の影響を受けない。また、高い量子障壁
にもかかわらずキャリアはすべての量子井戸に一様に注
入される。
【0020】また、量子井戸活性層14の障壁層にバン
ドギャップエネルギーの大きなII−VI族半導体を用
いることにより、電子の障壁の高さは0.9eV、正孔
の障壁の高さは0.7eVとなりキャリアの井戸層への
閉じ込めが増大するため量子効果によって量子井戸での
光学利得が増大する。さらに、障壁層と井戸層の屈折率
差が大きくなるため励起子の束縛エネルギーが大きくな
り利得にたいする励起子による増強が顕著になり微分利
得が増大する。
【0021】本実施例ではクラッド層と量子井戸の障壁
層にII−VI族半導体を用いたが、さらにバンドギャ
ップエネルギーの大きいI−VII像半導体のCuCl
0.270.73、CuBr0.5 0.5 や絶縁体であるCaS
rF2 などを用いることもできる。これらをクラッド層
に用いたときにも基本モードだけが存在しうる導波層厚
での閉じ込め係数は0.7−0.8であまり変化しない
が同じ閉じ込め係数を得るための導波層厚を小さくでき
るので閾値電流が小さくなる。また、量子井戸の障壁層
に用いることによりさらに量子効果が強まって量子井戸
での光学利得が増大し、同時に障壁層と井戸層の間の誘
電率の差が大きいため鏡像電荷により励起子の束縛エネ
ルギーが増大し励起子増強による微分利得も増大する。
【0022】本実施例では活性層に量子井戸を用いたが
活性層とクラッド層の大きな屈折率差による光の閉じ込
めの増大には必ずしもこの必要はなくバルク半導体を用
いても閾値キャリア密度の減少による閾値電流の低減、
量子効率、高速性、温度特性などの向上が実現される。
【0023】また、基板にInPを用い、これにほぼ格
子整合する材料を用いたがGaAs、GaSbなどの他
のIII−V族半導体やII−VI族半導体、Siなど
のその他の半導体、サファイアなどの絶縁体を基板とし
この上に良好な結晶の得られる半導体を活性層の材料と
して用いることもできる。
【0024】図4は本発明の第2の実施例の構造を示す
断面図である。InPの基板11の上にCaSrF2
1μm 積層したクラッド層12、ノンドープInPから
なる厚さ40nmのバッファー層13、InPに格子整合
したInGaAsの井戸層とCaSrF2 の障壁層をそ
れぞれ6nmと4nm交互に20層ずつ積層した厚さ0.2
μm の量子井戸活性層14、ノンドープInPからなる
厚さ40nmのバッファー層15、CaSrF2 を1μm
積層したクラッド層16の各層をMBE装置により成長
した後、クラッド層16、バッファー層15、量子井戸
活性層14およびバッファー層13を幅0.3μm の導
波路を残してRIBEで除去する。導波路の側面にn型
ZnSe0.54Te0.46のnクラッド層19、23とn型
InPのコンタクト層18、20を選択成長により積層
し、それぞれの上に電極を形成した。
【0025】この実施例においては導波層とクラッド層
の屈折率差が大きいため、第1の実施例の説明で述べた
ように光の閉じ込め係数が大きく小さな閾値利得でレー
ザ発振する。さらに図5に示すように本実施例の量子井
戸活性層は電子の第1サブレベルと第2サブレベルとの
エネルギー差が波長1.55μm に対応する0.8eV
である。また、nクラッド層のZnSe0.54Te0.46
伝導帯のエネルギー端は量子井戸の電子の第2サブレベ
ルより0.14eVだけ高エネルギーであるから電子は
量子井戸の第2サブレベルに選択的に注入される。第1
サブレベルと第2サブレベルとのエネルギー差が大きい
ためフォノン放出による電子の第2サブレベルから第1
サブレベルへの緩和の確率は小さく注入された電子は第
2サブレベルに溜まるため第1サブレベルと第2サブレ
ベルとの間に反転分布が実現され光学利得が生じる。こ
のように本実施例のレーザにおいては電子のサブバンド
間遷移による利得を利用しており通常の半導体レーザに
おけるような電子と正孔の発光再結合を利用していない
ためpn接合を設ける必要はなく、クラッド層の導電型
はn型のみでよい。電流は電子がnクラッド層から量子
井戸の第2サブレベルに注入され、光を出しながら第1
サブレベルに落ち、もう一方のnクラッド層から外へ流
れることによって生じる。ここで、二つのサブレベルの
電子の層面内の有効質量はほぼ等しいから利得はサブレ
ベル間の双極子能率と反転分布の積に比例し、通常のバ
ンド間遷移のような結合状態密度と分布関数の積を積分
する必要はない。このため、光学利得はキャリアの分布
すなわち温度によらなくなり、温度特性の極めてよいレ
ーザが実現される。実際上、温度特性は第2サブレベル
からnクラッド層への電子のもれだけに支配される。な
お、量子井戸活性層の量子井戸の電子と正孔の最低サブ
レベル間の遷移エネルギーは約1.1eVでレーザ発振
光はバンド間吸収による損失を受けない。
【0026】この実施例におけるnクラッド層は量子井
戸又は超格子で構成してもよい。例えば上で説明した第
2の実施例のnクラッド層を片側だけIn0.52Al0.48
AsとZnSe0.54Te0.46を2原子層(約1.2nm)
ずつ積層した超格子とすると超格子の電子のサブバンド
端がほぼ量子井戸の第2サブレベルに一致するため電子
が共鳴的に効率良く注入される。
【0027】また、基板にGaAsを用い、CaF2
1μm 積層したクラッド層2、ノンドープGaAsから
なる厚さ40nmのバッファー層13、GaAsの井戸層
とCaF2 の障壁層をそれぞれ4.65nmと5nm交互に
20層ずつ積層した厚さ約0.2μm の量子井戸活性層
14、ノンドープGaAsからなる厚さ40nmのバッフ
ァー層15、CaF2 を1μm 積層したクラッド層16
の各層と導波路の側面に積層するn型AlAsのnクラ
ッド層19、23とn型GaAsのコンタクト層18、
20の組み合わせでも電子の第1サブレベルと第2サブ
レベルとのエネルギー差が波長1.55μm に対応する
0.8eVとなるがnクラッド層からの電子は第1サブ
レベルに注入される。このため0.98μm の光を発振
するInGaAs/GaAs歪量子井戸レーザ構造をサ
ブレベル間遷移で発振させるレーザに結合するように集
積化する。0.98μm の光により電子は第1サブレベ
ルから第2サブレベルに励起され反転分布が実現されて
レーザ発振を起こす。このときの温度特性は主に励起用
のInGaAs/GaAs歪量子井戸レーザの温度特性
で決まり、150K程度の高い特性温度が得られる。
【0028】上に述べたレーザでは導波路側面のクラッ
ド層にノンドープAlAsや絶縁体を用いて0.98μ
m の光を発振するInGaAs/GaAs歪量子井戸レ
ーザからの光だけによってもレーザ発振が可能である。
このとき、励起用のInGaAs/GaAs歪量子井戸
レーザの光は2光子吸収によってGaAs/CaF2
子井戸の電子の第2サブバンドを直接励起する。GaA
s/CaF2 量子井戸の電子と正孔の最低サブレベル間
の遷移エネルギーは1.7eVで励起用レーザの光は1
光子による吸収は受けない。このときの温度特性も主に
励起用のInGaAs/GaAs歪量子井戸レーザの温
度特性で決まり、150K程度の高い特性温度が得られ
る。
【0029】
【発明の効果】以上説明したように本発明の効果を要約
すると、高いキャリアと光閉じ込めおよび量子効果によ
る低閾値キャリア密度動作を可能とするバンドギャップ
の大きな材料を活性層をなす量子井戸の障壁層やクラッ
ド層に用いてしかもキャリアの電流注入を行うことので
きる構造を持つことにより、閾値電流、量子効率、温度
特性、高速変調といった諸特性の優れた半導体レーザが
得られることである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例の構造を示す断面図。
【図2】本発明のレーザ構造における導波層の厚さと閉
じ込め係数の関係を示す図。
【図3】本発明のレーザ構造において導波層とクラッド
層との屈折率差と1次横モードがカットオフになる導波
層の厚さの関係を示す図。
【図4】本発明の第2の実施例の構造を示す断面図。
【図5】本発明の第2の実施例のバンドダイアグラム。
【符号の説明】
11 基板 12 クラッド層 13 バッファー層 14 量子井戸活性層 15 バッファー層 16 クラッド層 17 pクラッド層 18 コンタクト層 19 nクラッド層 20 コンタクト層 21 電極 22 電極 23 nクラッド層 24 導波路 141 井戸層 142 障壁層 40 InGaAsの伝導帯端 41 InGaAs/CaSrF2 量子井戸の電子の第
1サブレベル 42 InGaAs/CaSrF2 量子井戸の電子の第
2サブレベル 43 InGaAsの価電子帯端 44 InGaAs/CaSrF2 量子井戸の正孔の第
1サブレベル 45 ZnSe0.54Te0.46の伝導帯端 46 ZnSe0.54Te0.46の価電子帯端

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】III−V族半導体を活性層とし、活性層
    を挟むクラッド層を活性層より誘電率が小さいI−VI
    I族またはII−VI族半導体、または絶縁体からな
    り、レーザ発振に必要なキャリアを積層方向に平行に注
    入することを特徴とする半導体レーザ。
  2. 【請求項2】レーザ発振をおこなう活性層がIII−V
    族半導体を井戸層とし、I−VII族またはII−VI
    族半導体、または絶縁体を障壁層とする量子井戸を含む
    ことを特徴とする半導体レーザ。
  3. 【請求項3】レーザ発振をおこなう活性層がIII−V
    族半導体を井戸層としI−VII族またはII−VI族
    半導体、あるいは絶縁体を障壁層とする量子井戸からな
    り、量子井戸のバンド間遷移のエネルギーが所要の光子
    エネルギーより大きく、電子のサブバンド間遷移のエネ
    ルギーが所要の光子エネルギーにほぼ等しくなるように
    設定され、量子井戸の電子の高次サブレベルに選択的に
    電子を注入する機構により電子のサブバンド間遷移によ
    りレーザ発振することを特徴とする半導体レーザ。
  4. 【請求項4】活性層を構成する量子井戸の電子のレーザ
    発振にかかわる高次サブレベル以上のエネルギーに伝導
    帯端をもつn型半導体からなる電子注入層を持つことを
    特徴とする請求項3記載の半導体レーザ。
  5. 【請求項5】n型半導体からなる電子注入層が活性層を
    構成する量子井戸の電子のレーザ発振にかかわる高次サ
    ブレベル以上のエネルギーに量子準位がある量子井戸を
    持つことを特徴とする請求項3記載の半導体レーザ。
  6. 【請求項6】活性層に電流によりキャリアを注入し、同
    時に活性層を構成する量子井戸の電子のサブバンド間遷
    移のエネルギーより大きなエネルギーを持つ光を注入し
    て高次サブバンドに電子を生成することを特徴とする請
    求項3記載の半導体レーザ。
  7. 【請求項7】光子エネルギーが活性層を構成する量子井
    戸の電子と正孔の最低サブバンドの間の遷移エネルギー
    より小さく電子の高次サブバンドと正孔との間の遷移エ
    ネルギーの1/2より大きな光を用いて2光子吸収によ
    り高次サブバンドに電子を生成することを特徴とする請
    求項3記載の半導体レーザ。
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JP2002353569A (ja) * 2001-05-23 2002-12-06 Akihiro Ishida 半導体レーザ素子、半導体レーザ装置
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