JP2009164449A - 面発光レーザダイオード及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】電流狭窄が可能な窒化物半導体からなる面発光レーザダイオード及びその製造方法を提供する。
【解決手段】窒化物半導体からなる活性層30と、活性層30の主面と平行に配置された第1の反射膜20と、活性層30を挟んで第1の反射膜20と対向して配置され、活性層30の主面と平行な断面の面積が活性層30より小さい窒化物半導体からなる電流狭窄層40と、活性層30及び電流狭窄層40を挟んで第1の反射膜20と対向して配置され、活性層30の主面と平行な断面の面積が電流狭窄層40より大きい第2の反射膜50とを備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、窒化物半導体からなる半導体レーザダイオードに係り、特に面発光レーザダイオード及びその製造方法に関する。
基板上に複数の化合物半導体層等を積層して形成されたレーザダイオードが使用されている。これらのレーザダイオードのうち、光が半導体基板と垂直に出射する構造のレーザダイオードを面発光レーザダイオードといい、これらの半導体基板と垂直に共振器を配置した面発光レーザダイオードを「垂直共振器型面発光レーザ(VCSEL)」という。面発光レーザダイオードは、低しきい値動作、円形狭出射ビーム、2次元アレイ化が容易等といった優れた特徴を有し、高速光通信やディスプレイ等の種々の分野に応用されている。
面発光レーザダイオードのレーザ発振のしきい値電流を下げるために、活性層(発光層)と電極の間に断面積の小さい領域(電流狭窄層)を形成して、電流狭窄によって電流密度を上げることが効果的である。例えば、アルミニウム砒素(AlAs)からなる電流狭窄層の一部を水蒸気酸化によって選択的に酸化してAl23を形成することにより、電流狭窄を実現できる(例えば特許文献1参照。)。
特開2004−342970号公報
しかしながら、面発光レーザダイオードを構成する材料として窒化インジウムガリウム(InGaN)や窒化アルミニウムガリウム(AlGaN)等の窒化物半導体を採用した場合、これらの窒化物半導体は水蒸気酸化による酸化が困難である。このため、しきい値を下げるための電流狭窄が困難であるという問題があった。
上記問題点を鑑み、本発明は、電流狭窄が可能な窒化物半導体からなる面発光レーザダイオード及びその製造方法を提供する。
本発明の一態様によれば、(イ)窒化物半導体からなる活性層と、(ロ)活性層の主面と平行に配置された第1の反射膜と、(ハ)活性層を挟んで第1の反射膜と対向して配置され、活性層の主面と平行な断面の面積が活性層より小さい窒化物半導体からなる電流狭窄層と、(ニ)活性層及び電流狭窄層を挟んで第1の反射膜と対向して配置され、活性層の主面と平行な断面の面積が電流狭窄層より大きい第2の反射膜とを備える面発光レーザダイオードが提供される。
本発明の他の態様によれば、(イ)第1の反射膜上に、窒化物半導体からなる活性層、電流狭窄層及び第2の反射膜を順次積層するステップと、(ロ)活性層の上面が露出するまで第2の反射膜及び電流狭窄層の外縁部を除去するステップと、(ハ)電流狭窄層の側面を選択的にエッチングするステップとを含む面発光レーザダイオードの製造方法が提供される。
本発明によれば、電流狭窄が可能な窒化物半導体からなる面発光レーザダイオード及びその製造方法を提供できる。
次に、図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には同一又は類似の符号を付している。ただし、図面は模式的なものであり、厚みと平面寸法との関係、各層の厚みの比率等は現実のものとは異なることに留意すべきである。したがって、具体的な厚みや寸法は以下の説明を参酌して判断すべきものである。又、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることはもちろんである。
又、以下に示す実施の形態は、この発明の技術的思想を具体化するための装置や方法を例示するものであって、この発明の技術的思想は、構成部品の材質、形状、構造、配置等を下記のものに特定するものでない。この発明の技術的思想は、特許請求の範囲において、種々の変更を加えることができる。
本発明の実施の形態に係る面発光レーザダイオード1は、図1(a)に示すように、窒化物半導体からなる活性層30と、活性層30の主面と平行に配置された第1の反射膜20と、活性層30を挟んで第1の反射膜20と対向して配置され、活性層30の主面と平行な断面の面積が活性層30より小さい窒化物半導体からなる電流狭窄層40と、活性層30及び電流狭窄層40を挟んで第1の反射膜20と対向して配置され、活性層30の主面と平行な断面の面積が電流狭窄層40より大きい第2の反射膜50とを備える。
面発光レーザダイオード1は、基板10の主面11上に、第1の反射膜20、活性層30、電流狭窄層40及び第2の反射膜50をこの順に積層した構造である。第1の反射膜20及び第2の反射膜50は、活性層30で発生した光を反射し、第1の反射膜20、活性層30、電流狭窄層40及び第2の反射膜50により平板垂直共振器が構成される。第1の反射膜20及び第2の反射膜50は、分布ブラック反射鏡(DBR)としてそれぞれ機能し、互いに屈折率の異なる複数の膜の積層構造として構成可能である。
また、主面11と対向する基板10の裏面に接して第1電極60が配置されている。更に、第2の反射膜50上に第2電極70が配置されている。図1(a)に示すように、第2電極70は第2の反射膜50の上面の一部を露出するように配置され、第2の反射膜50の露出した上面として出力面51が形成される。
活性層30に、第1電極60から第1導電型のキャリア、第2電極70から第2導電型のキャリアがそれぞれ供給される。第1導電型がn型、第2導電型がp型である場合は、第1電極60から第1の反射膜20を介して供給される電子と、第2電極70から第2の反射膜50及び電流狭窄層40を介して供給される正孔とが活性層30において再結合し、活性層30から光が発生する。このため、第1の反射膜20はn型窒化物半導体の積層体、第2の反射膜50はp型窒化物半導体の積層体として形成される。
基板10の主面11と平行な断面の面積が第2の反射膜50及び活性層30よりも小さい電流狭窄層40を、第2の反射膜50と活性層30との間に配置することによって、電流密度が増大する。その結果、レーザ発振のしきい値を下げることができる。
図1(b)に面発光レーザダイオード1の出力面51方向から見た上面図を示す。図1(b)に示すように、電流狭窄層40の外縁が、第2電極70を開口して形成される出力面51の外縁の内側になるように配置されることが好ましい。このような配置を採用することにより、電流狭窄層40を透過して直進した光が第2電極70にさえぎられることなく出力面51から出力されるため、効率の低下を抑制できる。
上記のように、面発光レーザダイオード1は、活性層30と、活性層30を挟んで活性層30の主面と平行に配置された1組の反射膜とによって構成された面発光レーザダイオードである。図1(a)に示すように、基板10の主面11と垂直方向に出力光Lが出力される。このように、面発光レーザダイオード1は、基板10の主面11と垂直方向に共振器が配置されたVCSELとして動作する。
活性層30は、下側バリア層31、量子井戸層32及び上側バリア層33をこの順に、結晶成長表面の法線方向に積層して形成される。活性層30は、例えば有機金属気相成長(MOCVD法)等により形成される。量子井戸層32は、井戸層(ウェル層)322を井戸層322よりもバンドギャップの大きなバリア層(層障壁層)321でサンドイッチ状に挟んだ量子井戸(quantum well)構造を有する。量子井戸層32において電子と正孔とが再結合することにより光が発生し、この発生した光が増幅される。
量子井戸層32の量子井戸構造は、井戸層が1つではなく多重化してもよい。例えば窒化インジウムガリウム(InGaN)を含む多重量子井戸構造が活性層30に採用可能であり、膜厚数nm程度のInGaN層とGaN層とを交互に複数周期繰り返し積層して構成される。この場合に、InGaN層は、インジウム(In)の組成比を例えば5%以上にすることにより、バンドギャップが比較的小さくなり、井戸層となる。一方、GaN層は、バンドギャップが比較的大きなバリア層(障壁層)として機能する。活性層30で生成される光の波長(以下において、「発光波長」という。)は、量子井戸層(InGaN層)におけるInの組成比を調整すること等によって設定できる。
図2に、活性層30の構成例を示す。図2に示した例では、量子井戸層32は、2層の井戸層322をバリア層321でそれぞれ挟んだ構造を有する。また、第1の反射膜20に接する下側バリア層31は、シリコン(Si)等のn型ドーパントがドープされたn型GaNであり、第2の反射膜50に接する上側バリア層33は、マグネシウム(Mg)等のp型ドーパントがドープされたp型GaNである。
第1の反射膜20と第2の反射膜50間の光学膜厚は、出力光Lの1波長程度に設定される。例えば、下側バリア層31を膜厚d31のGaN層、バリア層321を膜厚d321のGaN層、井戸層322を膜厚d322のInGaN、上側バリア層33を膜厚d33のGaN層、及び電流狭窄層40を膜厚d40のInGaNとし、InGaNの屈折率n1、GaNの屈折率n2であるとき、第1の反射膜20と第2の反射膜50間の光学膜厚Wは以下の式(1)で表される:

W=2×d322×n1+d40×n1+3×d321×n2+(d31+d33)×n2 ・・・(1)

下側バリア層31及び上側バリア層33の膜厚は、第1の反射膜20と第2の反射膜50間の光学膜厚、即ちキャビティ長の調整用として設定可能である。
図3に、活性層30に採用可能な窒化物半導体のバンドギャップ及び発光波長と格子定数の関係を示す。図3の左縦軸はバンドギャップ(エネルギーギャップ、単位eV)、右縦軸は発光波長(単位nm)、横軸はa軸方向の格子定数(単位オングストローム)である。図3にハッチングで示した領域の各頂点は、それぞれ窒化ボロン(BN)、窒化アルミニウム(AlN)、窒化インジウム(InN)の特性を示す。また、ハッチング領域内の点GaNは、GaNの特性を示す。つまり、ハッチング領域は、ボロン(B)を含む窒化物半導体AlxyInzGa1-x-y-zNの取り得る特性である。例えば、BNとInNを示す頂点をつなぐ直線は、BxIn1-xNの3元混晶において組成比xを0〜1まで変化させた特性を示す。
図3から、格子定数を一定にしたままで窒化物半導体の組成比を変化させることによって、発光波長を変化させられることがわかる。つまり、AlxyInzGa1-x-y-zNからなる量子井戸層32のバリア層321と井戸層322の組成比を適切に選択することにより、バリア層321と井戸層322間の格子定数差を生じさせずに、量子井戸構造を実現できる。
例えば、図3に示すGaNのa軸方向の格子定数3.189での光の発生を検討する。このとき、GaNのバンドギャップは3.39eVであり、このバンドギャップに対応する出力光Lの波長は365nmである。また、格子定数3.189におけるBNとInNを示す頂点をつなぐ直線での発光波長は515nmである。井戸層322はバリア層321よりもバンドギャップを小さくする必要があるため、バリア層321をGaNにした場合には、図4に示した領域Dの範囲に井戸層322の組成を設定する。このため、波長365nm〜515nmの出力光Lを活性層30で発生することができる。このとき井戸層322とバリア層321の格子整合がなされており、活性層30にAlxyInzGa1-x-y-zNを採用することにより、クラックや欠陥等の発生を抑制できる。
次に、第1の反射膜20及び第2の反射膜50について説明する。既に述べたように、第1の反射膜20及び第2の反射膜50は、垂直共振器の反射鏡として機能する。また、第1の反射膜20の反射率が第2の反射膜50より大きく設定される。活性層30で発生した光は、第1の反射膜20と第2の反射膜50間を往復しながら増幅される。そして、増幅された光の一部が、第2の反射膜50を透過して、第2の反射膜50の上面に形成された出力面51から面発光レーザダイオード1の外部に出力光Lとして出力される。
図1に示した面発光レーザダイオード1は、第1の反射膜20及び第2の反射膜50が共に、屈折率の互いに異なる複数の窒化物半導体を交互に積層した構造の例である。ここで、第1の反射膜20及び第2の反射膜50それぞれが、Al0.30GaN膜とGaN膜を交互に複数積層された構造であるとする。図4に、Al0.30GaN膜とGaN膜を積層して第1の反射膜20及び第2の反射膜50を形成した場合における発光波長と反射率との関係を、積層ペア数毎に示す。例えば、図4に示した5ペアの反射率は、Al0.30GaN膜とGaN膜を交互に5層ずつ配置して構成した反射膜における反射率である。図4に示した反射率は、Al0.30GaNの屈折率を1.929、GaNの屈折率を2.405として算出した値である。
第1の反射膜20及び第2の反射膜50に含まれる各層の膜厚は、発光波長λに応じて、λ/4nに設定される。nは各層の屈折率である。例えば、発光波長λが500nmの場合は、Al0.30GaN層の膜厚が64.8nm、GaN層の膜厚が52.0nmに設定される。
図4に示すように、光の波長が500nmの場合には、15ペア以上で反射率99%以上が得られる。図4ではAl0.30GaNとGaNのペアの場合を例示したが、屈折率差の大きな窒化物半導体のペアを採用すれば、ペア数を減らすことができる。
既に述べたように、第1の反射膜20の反射率は第2の反射膜50より大きく設定される。例えば第1の反射膜20の反射率をできるだけ100%に近くし、第2の反射膜50の反射率を97%程度に設定する。第2の反射膜50の反射率をこのように高く設定することにより、短い共振器長であっても活性層30で発生した光の発振が可能になる。
第1の反射膜20及び第2の反射膜50をそれぞれ構成する複数の窒化物半導体は、互いに屈折率が異なる。例えば、GaNとAlGaNを交互に積層して第1の反射膜20及び第2の反射膜50を形成する場合、GaNとの屈折率の差を大きくするためにはAlGaNにおけるAlの組成比を高めることが有効である。しかし、Alの組成比を高めるとAlGaNと基板10との格子定数の差が大きくなり、クラックや欠陥等が発生する。特に、第1の反射膜20及び第2の反射膜50では、活性層30に比べて各層の膜厚が厚いため、格子定数差に起因するクラックや欠陥等が発生しやすい。このため、Alの組成比を適切に設定することが必要である。
バンドギャップの差が大きい窒化物半導体間では、通常、屈折率の差が大きい。このため、第1の反射膜20及び第2の反射膜50を構成する窒化物半導体として、図3を用いて説明したAlxyInzGa1-x-y-zNを採用することにより、第1の反射膜20及び第2の反射膜50におけるクラックや欠陥等の発生を抑制できる。つまり、図3に示したように、格子定数を一致させたままバンドギャップの差が大きくなるように組成比を設定した複数のAlxyInzGa1-x-y-zNを交互に積層して、第1の反射膜20及び第2の反射膜50を形成する。その結果、格子定数が同一で屈折率の差が大きい窒化物半導体が積層された第1の反射膜20及び第2の反射膜50を実現できる。第1の反射膜20及び第2の反射膜50を構成する窒化物半導体の格子定数と基板10の格子定数とを一致させることにより、クラックや欠陥の発生を抑制できる。
電流狭窄層40には、電流狭窄層40の上下の層である第2の反射膜50と上側バリア層33のバンドギャップよりも電流狭窄層40のバンドギャップが小さくなる材料が選択される。これは、後述する光電気化学エッチング法によって電流狭窄層40のみを選択的にエッチングし、第2の反射膜50と上側バリア層33をエッチングしないためである。そのために、例えば、AlGaN膜とGaN膜を積層して第2の反射膜50を構成し、上側バリア層33をGaNで構成する場合に、電流狭窄層40にInGaN層を採用する。第2の反射膜50を構成する複数の窒化物半導体層の少なくともいずれかより屈折率が小さくなるように、電流狭窄層40の材料は選択される。
また、電流狭窄層40が活性層30で発生した光を吸収することを防ぐために、電流狭窄層40のバンドギャップは、活性層30のバンドギャップよりも大きく設定される。例えば、電流狭窄層40にInGaN膜を採用し、量子井戸層32をInGaNとGaNを積層して構成する場合は、電流狭窄層40のInGaNにおけるInの組成比を量子井戸層32のInGaNにおけるInの組成比よりも小さくする。
なお、電流狭窄層40に採用するInGaN層はノンドープであることが好ましい。或いは、電流狭窄層40をp型InGaN層にする場合は、p型ドーパントとしてドープするMgの濃度を1×1019cm-3以下にする。これは、InGaN層にMgを高濃度でドープすると、電流狭窄層40が活性層30で発生した光の吸収層になるためである。電流狭窄層40をノンドープ或いは低濃度ドープのInGaN層にすることによって、電流狭窄層40の透過性が向上する。
以上に説明したように、本発明の実施の形態に係る面発光レーザダイオード1においては、断面積が第2の反射膜50及び活性層30よりも小さい電流狭窄層40が、第2の反射膜50と活性層30との間に配置される。その結果、電流密度が増大し、しきい値の低い面発光レーザダイオード1を提供できる。
次に、面発光レーザダイオード1の製造方法を説明する。以下に説明する製造方法では、周知の光電気化学エッチング法を用いて電流狭窄層40をエッチングするため、先ず図5を参照して光電気化学エッチング法について説明する。
図5に示すように、光電気化学エッチング法ではエッチング対象の窒化物半導体層を含む基板100を、エッチャント102を入れたエッチング容器101に浸す。そして、エッチャント102に浸けた電極103と基板100に電流を流しながら、照射光104を基板100に照射する。
このとき、照射光104のエネルギーが基板100に含まれるエッチング対象の窒化物半導体層のバンドギャップよりも大きく、エッチング対象ではない窒化物半導体層のバンドギャップよりも小さくなるように、照射光104は選択される。つまり、照射光104がエッチング対象の窒化物半導体層にのみ吸収されるように、照射光104の波長が選択される。その結果、エッチング対象の窒化物半導体層においてのみキャリアが励起され、励起されたキャリアが電極103に運ばれる。電極103にイオン化傾向が強い物質を用いることによって、受け取ったキャリアにより電極103はイオン化し、エッチャント102中に溶け出す。また、キャリアを失ったエッチング対象の窒化物半導体層は化学反応により分解する。このようにして、エッチング対象の窒化物半導体層のみが選択的にエッチングされる。
エッチャント102としては、水酸化カリウム(KOH)、水酸化ナトリウム(NaOH)等のアルカリ、或いは塩酸(HCl)等の酸を、水、グリコール等に溶かした溶液が使用される。電極103には、白金、金、銀、炭素等が採用可能である。
次に、図6〜図8を参照して、面発光レーザダイオード1の製造方法を説明する。なお、以下に述べる面発光レーザダイオード1の製造方法は一例であり、この変形例を含めて、これ以外の種々の製造方法により実現可能であることは勿論である。
(イ)MOCVD法等を用いて、GaN基板である基板10の主面11上に、第1の反射膜20、活性層30、電流狭窄層40、及び第2の反射膜50をこの順にエピタキシャル成長させる。ここで、第1の反射膜20及び第2の反射膜50は、GaNとAlGaNを交互に積層した構造である。活性層30は、InGaN層とGaN層とを交互に複数周期繰り返し積層して構成された量子井戸層32を、GaNからなる下側バリア層31と上側バリア層33とで挟んだ構造である。電流狭窄層40は、例えば膜厚30nm〜40nm程度のノンドープInGaNからなる。
(ロ)第2の反射膜50上に第2電極70形成する。更に、基板10の裏面に第1電極60を形成して、図6に示す断面構造を得る。第1電極60には、例えばアルミニウム(Al)膜や、Al−チタン(Ti)−金(Au)の積層体等が採用可能である。また、第2電極70は、例えばパラジウム(Pd)−金(Au)の積層体等が採用可能である。
(ハ)フォトリソグラフィ技術によりパターニングしたフォトレジスト膜をマスクにしたドライエッチング等によって、図7に示すように活性層30の上面が露出するまで電流狭窄層40、及び第2の反射膜50の外縁部を除去し、円柱状のメサ形状にする。
(ニ)先に説明した光電気化学エッチング法により、図8に示すように、電流狭窄層40を側面から中心に向かってエッチングする。このとき、図5に示した照射光104の波長は、電流狭窄層40を構成するInGaNのバンドギャップに対応する波長よりも短く、第2の反射膜50及び上側バリア層33を構成するGaNやAlGaNのバンドギャップに対応する波長よりも長く設定する。このため、光電気化学エッチング法によって電流狭窄層40のみが選択的にエッチングされ、第2の反射膜50及び活性層30の上側バリア層33はエッチングされない。なお、基板10はウェハ状態であるため、量子井戸層32の側面は露出されておらず、光電気化学エッチング法による量子井戸層32のエッチングは生じない。
(ホ)その後、リフトオフ法等を用いて第2電極70の一部を除去して第2の反射膜50の一部を露出させ、出力面51を形成する。そして、基板10を個々のデバイスに分割して、図1に示す面発光レーザダイオード1が形成される。
上記に示した製造方法によれば、第1の反射膜20、活性層30、電流狭窄層40及び第2の反射膜50を同一の成長炉で連続して形成できる。このため、プロセス時間を短縮できる。
以上に説明したように、本発明の実施の形態に係る面発光レーザダイオード1の製造方法によれば、断面積が第2の反射膜50及び活性層30よりも小さい電流狭窄層40が、第2の反射膜50と活性層30との間に形成される。その結果、電流密度が増大し、しきい値の低い面発光レーザダイオード1を製造できる。
(第1の変形例)
図9に、本発明の実施の形態の第1の変形例に係る面発光レーザダイオード1Aを示す。面発光レーザダイオード1Aは、第1の反射膜20が互いに屈折率の異なる複数の絶縁膜を交互に積層した構造である点が、図1に示した面発光レーザダイオード1と異なる。
基板10には、例えばサファイア基板やGaN基板等が採用可能である。基板10上にコンタクト層80が配置されている。第1の反射膜20は、コンタクト層80が配置された面に対向する基板10の裏面に配置される。コンタクト層80上に活性層30と第1電極60が離間して配置され、第1電極60からコンタクト層80を経由して第1導電型のキャリアが活性層30に供給される。第1導電型がn型の場合、コンタクト層80には、Si等のn型ドーパントがドープされたn型GaN等が採用可能である。
図9に示した第1の反射膜20は、例えば、膜厚がλ2/(4n1)のZrO2膜と、膜厚がλ2/(4n2)のSiO2膜とを交互に複数回繰り返し積層して形成される。ここで、λは発光波長、n1はZrO2の屈折率、n2はSiO2の屈折率である。面発光レーザダイオード1Aにおいても、発光波長λに対応して、第1の反射膜20の反射率が第2の反射膜50より大きく設定される。例えばZrO2膜とSiO2膜のペア数を調整する等して、第2の反射膜50の反射率を97%程度、第1の反射膜20の反射率を100%若しくはそれに近い反射率にする。第1の反射膜20は、例えばスパッタ法等により形成される。
活性層30で発生した光は、コンタクト層80、活性層30、電流狭窄層40を共振路として、第1の反射膜20と第2の反射膜50との間を往復しながら増幅される。そして、増幅された光の一部が、第2の反射膜50を透過して、第2の反射膜50の上面の出力面51から面発光レーザダイオード1Aの外部に出力される。つまり、図9に示した面発光レーザダイオード1Aによれば、電流狭窄が可能な窒化物半導体からなる面発光レーザダイオードを絶縁物基板上に形成できる。また、互いに屈折率の異なる複数の絶縁膜を交互に積層して第1の反射膜20を構成することにより、クラックや欠陥の発生を抑制できる。
(第2の変形例)
図10に、本発明の実施の形態の第2の変形例に係る面発光レーザダイオード1Bを示す。面発光レーザダイオード1Bは、第2電極70が第2の反射膜50の上面全体を覆っている。更に、活性層30と第1電極60が基板10の主面11上に離間して配置され、基板10の裏面に第1の反射膜20が配置される点が、図1に示した面発光レーザダイオード1と異なる。基板10にはGaN基板等が採用可能であり、第1電極60から基板10を経由して第1導電型のキャリアが活性層30に供給される。
第1の反射膜20及び第2の反射膜50には、例えばAl0.30GaN膜とGaN膜を交互に複数回繰り返し積層した構造が採用可能である。また、第1の反射膜20の反射率は第2の反射膜50より低く設定される。例えば、第1の反射膜20の反射率を97%程度に設定し、第2の反射膜50の反射率をできるだけ100%に近くに設定する。その結果、活性層30で発生し、第1の反射膜20と第2の反射膜50間を往復しながら増幅された光の一部が、第1の反射膜20を透過して面発光レーザダイオード1Bの外部に出力される。
つまり、図10に示した面発光レーザダイオード1Bによれば、電流狭窄が可能な窒化物半導体からなる面発光レーザダイオードの出力を基板10の裏面側から取り出せる。なお、第1電極60を酸化亜鉛(ZnO)やインジウム−スズ酸化物(ITO)等の透明電極として基板10の裏面に配置してもよい。
(その他の実施の形態)
上記のように、本発明は実施の形態によって記載したが、この開示の一部をなす論述及び図面はこの発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施の形態、実施例及び運用技術が明らかとなろう。例えば、活性層30が量子井戸構造でなく、ダブルヘテロ構造でもあってもよい。
このように、本発明はここでは記載していない様々な実施の形態等を含むことは勿論である。したがって、本発明の技術的範囲は上記の説明から妥当な特許請求の範囲に係る発明特定事項によってのみ定められるものである。
本発明の実施の形態に係る面発光レーザダイオードの構成を示す模式図であり、図1(a)は活性層の主面と垂直方向に沿った断面図、図1(b)は上面図である。 本発明の実施の形態に係る面発光レーザダイオードの活性層の構成例を示す模式図である。 本発明の実施の形態に係る面発光レーザダイオードに使用される窒化物半導体のバンドギャップ、格子定数、発光波長の関係を示すグラフである。 本発明の実施の形態に係る面発光レーザダイオードの反射膜の反射率と発光波長の関係を示すグラフである。 光電気化学エッチング法を説明するための模式図である。 本発明の実施の形態に係る面発光レーザダイオードの製造方法を説明するための工程断面図である(その1)。 本発明の実施の形態に係る面発光レーザダイオードの製造方法を説明するための工程断面図である(その2)。 本発明の実施の形態に係る面発光レーザダイオードの製造方法を説明するための工程断面図である(その3)。 本発明の実施の形態の第1の変形例に係る面発光レーザダイオードの構成を示す模式図である。 本発明の実施の形態の第2の変形例に係る面発光レーザダイオードの構成を示す模式図である。
符号の説明
1、1A、1B…面発光レーザダイオード
10…基板
11…主面
20…第1の反射膜
30…活性層
31…下側バリア層
32…量子井戸層
321…バリア層
322…井戸層
33…上側バリア層
40…電流狭窄層
50…第2の反射膜
51…出力面
60…第1電極
70…第2電極
80…コンタクト層
100…基板
101…エッチング容器
102…エッチャント
103…電極
104…照射光

Claims (7)

  1. 窒化物半導体からなる活性層と、
    前記活性層の主面と平行に配置された第1の反射膜と、
    前記活性層を挟んで前記第1の反射膜と対向して配置され、前記活性層の主面と平行な断面の面積が前記活性層より小さい窒化物半導体からなる電流狭窄層と、
    前記活性層及び前記電流狭窄層を挟んで前記第1の反射膜と対向して配置され、前記活性層の主面と平行な断面の面積が前記電流狭窄層より大きい第2の反射膜と
    を備えることを特徴とする面発光レーザダイオード。
  2. 前記電流狭窄層のバンドギャップが、前記第2の反射層のバンドギャップより小さく、且つ前記活性層のバンドギャップより大きいことを特徴とする請求項1に記載の面発光レーザダイオード。
  3. 前記第2の反射膜が、互いに屈折率の異なる複数の窒化物半導体を交互に積層した構造であることを特徴とする請求項1又は2に記載の面発光レーザダイオード。
  4. 前記複数の窒化物半導体それぞれがボロンを含む窒化物半導体であり、格子定数が前記第1及び第2の反射膜が形成される基板と同一であることを特徴とする請求項3に記載の面発光レーザダイオード。
  5. 前記第1の反射膜が、互いに屈折率の異なる複数の窒化物半導体を交互に積層した構造、又は互いに屈折率の異なる複数の絶縁膜を交互に積層した構造であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の面発光レーザダイオード。
  6. 第1の反射膜上に、窒化物半導体からなる活性層、電流狭窄層及び第2の反射膜を順次積層するステップと、
    前記活性層の上面が露出するまで前記第2の反射膜及び前記電流狭窄層の外縁部を除去するステップと、
    前記電流狭窄層の側面を選択的にエッチングするステップと
    を含むことを特徴とする面発光レーザダイオードの製造方法。
  7. 前記電流狭窄層の側面を光電気化学エッチング法によってエッチングすることを特徴とする請求項6に記載の面発光レーザダイオードの製造方法。
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