JP2002289967A - 面発光型半導体レーザおよびその製法 - Google Patents

面発光型半導体レーザおよびその製法

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JP2002289967A JP2001092162A JP2001092162A JP2002289967A JP 2002289967 A JP2002289967 A JP 2002289967A JP 2001092162 A JP2001092162 A JP 2001092162A JP 2001092162 A JP2001092162 A JP 2001092162A JP 2002289967 A JP2002289967 A JP 2002289967A
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Hironobu Sai
寛展 齋
Hideshi Takasu
秀視 高須
Atsushi Ichihara
淳 市原
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 上下面での光の反射のみならず、側面におい
てもできるだけ光を反射させて共振器内に光を閉じ込
め、同じ入力に対して大きな光出力が得られる面発光型
半導体レーザおよびその製法を提供する。 【解決手段】 半導体基板1の上に下部多層反射膜(D
BR)2が設けられ、その上に、バンドギャップの小さ
い活性層4をその活性層4よりバンドギャップの大きい
半導体層(スペーサー層)3、5により挟持するダブル
ヘテロ構造積層部6が設けられ、さらにその上に上部多
層反射膜7が設けられている。そして、ダブルヘテロ構
造積層部6の一定領域Aを電流注入領域として、その電
流注入領域A内で発振させ、その外周部を絶縁化して絶
縁領域9にすると共に、その領域に積層部6を構成する
金属の金属酸化物8を含有する層に形成されている。こ
の上部反射膜7の上面側からコヒーレント光ビームを出
射する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体の積層方向
に空洞を形成する垂直空洞型で、表面側からレーザビー
ム光を出射させる面発光型半導体レーザおよびその製法
に関する。さらに詳しくは、積層される半導体層の横方
向からの光の漏れを少なくして、同じ入力に対して大き
な出力が得られる構造の面発光型半導体レーザおよびそ
の製法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の製造工程が簡単な面発光型半導体
レーザは、たとえば図3に断面説明図が示されるような
構造になっている。すなわち、図3において、たとえば
GaAsからなる半導体基板21上に、DBR(Distri
buted Brag Reflector)と呼ばれる積層構造からなる下
部多層反射膜22が積層され、その上に下部スペーサー
層23、活性層24、上部スペーサー層25が順次成長
され、さらにその上にDBRからなる上部多層反射膜2
6が形成され、電流注入領域の外周側にプロトンなどを
イオン注入することにより絶縁領域27を設けることに
より形成されている。この表面および半導体基板の裏面
に、図示しない上部および下部の電極が設けられ、上面
の一部からレーザビーム光を出射することができるよう
になっている。
【0003】この構造にすることにより、電流注入領域
とされる狭い範囲に電流を注入し、強い光を発光させる
と共に、上部および下部の多層反射膜22、26を空洞
共振器の反射面として共振させることにより、レーザ発
振をさせ、発振した光の一部が、反射率を若干小さくさ
れた上部多層反射膜26を介して、上面電極に設けられ
た図示しない小さな出射口からレーザビーム光が出射さ
れる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前述のように、従来の
面発光型半導体レーザでは、上下両面の多層反射膜によ
り上下方向の光の閉じ込めがなされ、横方向は絶縁化さ
せることにより発光させないで、発光領域のみに電流を
注入して効率的に発光させる構造になっている。しか
し、絶縁領域とされた周囲の非発光領域でも、電流が注
入される発光領域と半導体層は同じ組成で、ただイオン
注入などにより結晶欠陥が生じて電気抵抗が大きくなる
ように形成されているだけである。そのため、電流注入
領域で発光する光は、その絶縁領域にも容易に進み、電
流注入領域のみに光を閉じ込めることができない。絶縁
領域に進んだ光は、その側面では、空気層との屈折率の
差に基づき30%程度の反射率は得られるが、漏れる光
も非常に多い。そのため、発振効率を充分に向上させる
ことができず、しきい値が上昇するという問題がある。
【0005】本発明は、このような問題を解決するため
になされたもので、上下面での光の反射のみならず、側
面においてもできるだけ光を反射させて共振器内に光を
閉じ込め、同じ入力に対して大きな光出力が得られる面
発光型半導体レーザおよびその製法を提供することを目
的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明による面発光型半
導体レーザは、半導体基板と、該半導体基板の上に設け
られる下部多層反射膜と、該下部多層反射膜上に設けら
れるバンドギャップの小さい活性層を該活性層よりバン
ドギャップの大きい半導体層により挟持するダブルヘテ
ロ構造積層部と、該ダブルヘテロ構造積層部の上に設け
られる上部多層反射膜とからなり、前記ダブルヘテロ構
造積層部の一定領域を電流注入領域として該注入領域内
で発振させて、前記上部反射膜の上面側からレーザ光を
出射する垂直空洞型の面発光型半導体レーザであって、
前記電流注入領域より外周部における前記ダブルヘテロ
構造積層部が、絶縁化されると共に該積層部を構成する
金属の酸化物を含有する層に形成されている。
【0007】この構造にすることにより、電流注入領域
となる発光部の外周の絶縁化領域は、電流が注入されな
いため、発光しないと共に、金属酸化物が含まれている
ことにより、酸化物の含まれない半導体層よりその屈折
率が小さくなる。そのため、電流注入領域となる発光部
からの光を全反射させやすく、光の閉じ込め効果が大き
くなる。その結果、電流注入領域で効率的な発振をし、
同じ入力に対しても、大きな光出力が得られる。
【0008】前記ダブルヘテロ構造積層部が、AlGa
As系化合物半導体からなり、前記酸化物が酸化アルミ
ニウムであれば、Alは酸化しやすく、酸化アルミニウ
ムはより反射率が大きいため好ましい。ここにAlGa
As系化合物半導体とは、AlxGa1-xAs(0≦x≦
1)のxが種々変化し得る化合物半導体を意味する。
【0009】本発明による面発光型半導体レーザの製法
は、(a)第1導電形半導体基板上に第1導電形半導体
層の積層構造からなる下部多層反射膜を成長し、(b)
該下部多層反射膜上に第1導電形下部スペーサー層、該
スペーサー層よりバンドギャップの小さい半導体からな
る活性層、および該活性層よりバンドギャップの大きい
半導体からなる第2導電形上部スペーサー層を有するダ
ブルヘテロ積層部を成長し、(c)該ダブルヘテロ積層
部上に第2導電形半導体層の積層構造からなる上部多層
反射膜を成長し、(d)前記上部多層反射膜およびダブ
ルヘテロ構造積層部の電流注入領域より外周部を絶縁化
すると共に、該外周部に金属酸化物を含有させることを
特徴とする。
【0010】前記(d)工程の絶縁化および金属酸化物
の形成を、酸素イオンをイオン注入し、熱処理を施すこ
とにより、酸素のイオン注入により結晶欠陥が生じ、絶
縁化され、さらにその酸素により、半導体の構成元素で
あるAlなどの金属を酸化させて酸化物を作りやすいた
め好ましい。
【0011】前記熱処理を前記酸素イオンの注入により
形成された結晶欠陥を修復しない程度の温度で行うこと
により、Alなどは低い温度でも酸化しやすいため、酸
化物を生成しながら、イオン注入による結晶欠陥を維持
して充分に電気的絶縁性を保つことができる。
【0012】前記(d)工程の絶縁化および金属酸化物
の形成を、アルミニウムイオンを注入し、またはアルミ
ニウムイオンと酸素イオンとを注入した後、水蒸気によ
りアルミニウムを酸化させることにより、半導体層にA
lを含まない場合でも、酸化しやすいと共に酸化物の反
射率が大きい(屈折率が小さい)Alの酸化物を作りや
すく、しかもAlは水蒸気により酸化しやすいため、簡
単に酸化物を作りやすい。この場合、酸素イオンも同時
に打込むことにより、Alだけでは充分な結晶欠陥が生
じにくい場合でも充分な結晶欠陥を生成しやすいと共
に、その酸素により酸化物もより生成しやすくなる。
【0013】
【発明の実施の形態】つぎに、本発明による面発光型半
導体レーザおよびその製法について、図面を参照しなが
ら説明をする。本発明による面発光型半導体レーザは、
図1にその一実施形態の断面説明図が示されるように、
たとえばn形GaAsからなる半導体基板1の上に下部
多層反射膜(DBR)2が設けられている。その下部多
層反射膜2上に、バンドギャップの小さい活性層4をそ
の活性層4よりバンドギャップの大きい半導体層(スペ
ーサー層)3、5により挟持するダブルヘテロ構造積層
部6が設けられ、そのダブルヘテロ構造積層部6の上に
上部多層反射膜7が設けられている。そして、ダブルヘ
テロ構造積層部6の一定領域Aを電流注入領域として、
その電流注入領域A内で発振させ、その外周部を絶縁化
して絶縁領域8にすると共に、その領域に積層部6を構
成する金属の金属酸化物9を含有する層に形成されてい
ることに特徴がある。この上部反射膜7の上面側からレ
ーザ(コヒーレント)光ビームを出射する。
【0014】下部多層反射膜2および上部多層反射膜7
は、たとえばGaAs(屈折率3.655)とAlAs
(屈折率3.178)のように、屈折率の異なる層を、
λ/(4n)の厚さ(λは活性層で発光する光の波長、
nは各層の屈折率)で交互に積層することにより、Brag
反射を利用したDBR(Distributed Brag Reflectio
n)として形成されている。この多層反射膜2、7は、
2層の屈折率差が大きければ、少ない数の積層により大
きな反射率が得られ、屈折率差が小さいと、より多くの
組を積層することにより大きな反射率が得られる。
【0015】前述のGaAsとAlAsとの積層膜で
は、18組程度以上の積層構造にすることにより、反射
率を90%以上にすることができる。下部多層反射膜2
は、殆ど反射するように、たとえば22組程度で、反射
率が99%以上程度になるように形成され、上部多層反
射膜7は、たとえば18組程度で、それより反射率を低
くして90%程度に形成され、その一部を出射すること
ができるようになっている。この多層反射膜2、7は、
半導体層からなっており、不純物をドーピングしておく
ことにより、それぞれ近傍の半導体層の導電形と同じ導
電形であるn形またはp形にすることができ、両面側の
電極を介して通電できる構造になっている。
【0016】ダブルヘテロ構造積層部6は、たとえば活
性層4よりバンドギャップの大きい材料であるAl0.6
Ga0.4AsなどのAlGaAs系化合物半導体からな
り、キャリアを活性層4に閉じ込める下部および上部の
スペーサー層3、5により活性層4を挟持する構造に形
成されている。活性層4は、所望の発光波長になるバン
ドギャップの材料が用いられ、バルク構造または単一も
しくは多重量子井戸構造に形成される。たとえばストラ
イプ構造の半導体レーザと同様に、多重量子井戸構造
(MQW)にすることにより、低しきい値となり好まし
い。多重量子井戸構造にする場合、たとえばウェル層を
Al0.2Ga0.8Asで7nm程度、バリア層をAl0.6
Ga0.4Asにより10nm程度として、ウェル層が5
層程度になるように交互に積層されるMQW構造のもの
が用いられる。
【0017】この上下両側の多層反射膜2、7により挟
まれた下部スペーサー層3、活性層4および上部スペー
サー層5の全体の厚さは、発光波長の整数倍になるよう
な厚さに形成され、たとえば650nm波長の赤色発光
半導体レーザにする場合、下部および上部スペーサー層
3、5がそれぞれ0.09μm程度の厚さに積層されて
いる。
【0018】絶縁領域8は、電流を中心部に集中させ
て、効率的に強い発光をさせるため、発光領域Aのみに
電流が流れるようにし、それより外周が電気的絶縁にな
るように形成されている。従来のこの種の半導体レーザ
では、この外周部を絶縁領域8とするためには、プロト
ンを打込んで結晶破壊を生じさせることにより絶縁化が
図られていた。本発明では、この結晶破壊を酸素のイオ
ン注入により行うことにより、絶縁化が図られていると
共に、その酸素により半導体層の構成元素である金属の
酸化物9が形成されている。そして、上部多層反射膜7
の電流注入領域上に、Au/Tiからなる上部電極10
が、その中心部にレーザ光出射口10aを形成して設け
られ、半導体基板1の裏面にAu/Au-Geからなる
下部電極11がそれぞれ設けられている。
【0019】すなわち、半導体材料のAlGaAs系化
合物半導体では、そのAlがとくに酸化しやすく、20
℃程度の低い温度でも酸化して酸化アルミニウムを作り
やすい。そのため、酸素イオンの注入後に熱処理をする
ことにより、イオン注入により生じた結晶欠陥の修復は
それほど進まず、イオン注入された酸素イオンが半導体
層の構成元素であるAlなどと化合し、金属酸化物9が
生成される。Gaの酸化物も生成されることもある。こ
のような酸化物は、酸素のドーピング濃度に依存し、A
lGaAs系化合物などからなる半導体層の構成元素に
対して、その割合が少なく、部分的な酸化物になるが、
この酸化物は、化合物半導体層の屈折率が3.2程度で
あるのに対して、1.8程度と屈折率が小さく、AlG
aAsとの屈折率差が大きくなるため、光を反射しやす
くなる。そのため、発光領域から外側に進む光を発光領
域側に反射し、効率よく発振させることができる。
【0020】本発明による面発光型半導体レーザは、電
流注入領域の周囲が絶縁化されるのみならず、その半導
体を構成する金属の酸化物、とくにAlの酸化物が形成
されて点在的に存在している。そのため、絶縁化に対し
ても、より一層寄与すると共に、屈折率が小さくなり、
屈折率差により光を反射し、光を発光領域側に反射させ
る、光閉込め効果の作用をする。その結果、側面から放
射される無駄な光がなくなり、発光領域に光が集中し
て、より強力な発振をし、強い出力のレーザビーム光を
出射することができると共に、レーザ発振のしきい値の
低減を図ることができる。
【0021】つぎに、この半導体レーザの製造法につい
て、図2を参照しながら説明をする。たとえばn形Ga
As基板1をMOCVD(有機金属化学気相成長)装置
内に入れ、反応ガスのトリエチルガリウム(TEG)ま
たはトリメチルガリウム(TMG)、アルシン(AsH
3)、トリメチルアルミニウム(TMA)、n形ドーパ
ントとしてのH2Se、p形層形成の場合はp形ドーパ
ントとしてのジメチル亜鉛(DMZn)などの必要なガ
スをそれぞれ導入し、図2(a)に示されるように、n
形のGaAsとAlAsとを交互にλ/(4n)の厚さ
づつ22ペア程度積層し、下部多層反射膜2を成長す
る。
【0022】ついで、たとえばAl0.6Ga0.4Asから
なるn形スペーサー層3を0.08〜0.09μm程度、
ノンドープのAl0.2Ga0.8Asからなるウェル層とA
0 .6Ga0.4Asからなるバリア層を3〜5層づつ程度
積層する多重量子井戸構造(MQW)の活性層4を0.
06〜0.08μm程度、p形スペーサー層5を0.08
〜0.09μm程度順次成長することにより、ダブルヘ
テロ構造積層部6を形成する。その後、p形のGaAs
とAlAsの交互の積層膜を18ペア程度形成し、上部
多層反射膜7を形成する。
【0023】つぎに、図2(b)に示されるように、S
iO2などをCVD法などにより全面に設けて、パター
ニングすることにより、電流注入領域とする領域部分の
みに残存させ、マスク15を形成する。このマスク15
は、後述する酸素イオンの注入を阻止するためのもの
で、厚すぎても問題はなく、5〜10μm程度の厚さに
形成される。また、マスクの直径Aは、5〜15μm程
度に形成される。この大きさが、共振器の大きさを決定
するもので、大きすぎるとしきい値が上がり、小さすぎ
ると十分なレーザ出力が得られないからである。
【0024】その後、図2(c)に示されるように、積
層された半導体層の表面側から、酸素イオンを注入す
る。この場合、イオンの打込みエネルギーが大きいと表
面から深い位置に打ち込まれ、打込みエネルギーが小さ
いと表面から浅い位置に打ち込まれる。そのため、打込
みエネルギーを変化させながら、ダブルヘテロ構造積層
部6の下面から上部多層反射膜7の上面まで、均一に酸
素イオンが打ち込まれるようにする。この際、マスク1
5はイオンを透過しにくく、イオンの打込みを阻止する
ため、マスク15の下側の半導体層にはイオンの打込み
はなされない。その結果、図1に示される電流注入領域
とされる範囲Aを除いたその周囲のダブルヘテロ構造積
層部6に酸素イオンが打ち込まれる。
【0025】その後、たとえば300〜800℃程度
で、1〜60分程度の熱処理をすることにより、打ち込
まれた酸素イオンが半導体の構成元素であるAlやGa
などの金属と化合し、酸化物9が形成される。この場
合、GaよりAlの方が低温でも酸化しやすいため、前
述の温度で熱処理を行うことにより、イオン注入による
結晶欠陥が殆ど修復されないで絶縁性を維持したまま、
殆どの酸化物がAlの酸化物として形成される。
【0026】その後、表面側にAu/Tiなどの金属を
蒸着などにより設けてパターニングすることにより、ま
た、半導体基板1の裏面側にAu/Au-Beなどの金
属を蒸着などにより設けることにより、上部電極10お
よび下部電極11を形成する。なお、上部電極10のパ
ターニングは、電流注入領域上に設けられると共に、そ
の中心部に数μm角程度の出射口10aが形成されるよ
うに行われる。そして、ダイシングをし、チップ化する
ことにより、図1に示される構造の面発光型半導体レー
ザが得られる。
【0027】前述の例では、酸素イオンを打ち込んで絶
縁領域8を形成すると共に、その酸素を化合させること
により酸化物の形成を行った。しかし、たとえばAlイ
オンを打ち込んで、Alの含有量を増やし、水蒸気酸化
させることもできる。この場合、Alのイオン注入だけ
で充分に結晶欠陥を生じない場合には、酸素イオンも打
ち込むことにより、充分に絶縁化することができると共
に、酸化するための酸素の供給にもなる。なお、水蒸気
酸化をするとき、電流注入領域の表面にイオン注入時の
マスクをそのまま残して行うことにより、水蒸気の侵入
を防止することができ、しかも結晶欠陥の生じていない
半導体層には水蒸気の侵入は遅く、結晶欠陥の生じてい
る部分での水蒸気による酸化の速度が10倍程度速いた
め、充分に選択酸化をすることができる。
【0028】また、前述の例ではMOCVD法により半
導体層を成長したが、MBE法などの他の方法により成
長させることもできる。
【0029】
【発明の効果】本発明の面発光型半導体レーザによれ
ば、垂直型のレーザ共振器の周囲にイオン注入と酸化処
理を行うだけの簡単な製造工程で、レーザ共振器への電
流閉込め効果に加えて、光閉込め効果も得られるため、
レーザ発振のしきい値低減、および電力光変換効率の向
上を図ることができる。その結果、非常に高特性の面発
光型半導体レーザを安価に得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による面発光型半導体レーザの一実施形
態の断面説明図である。
【図2】図1のレーザチップの製造工程を示す説明図で
ある。
【図3】従来の面発光型半導体レーザの一例を示す断面
説明図である。
【符号の説明】
2 下部多層反射膜 3 n形スペーサー層 4 活性層 5 p形スペーサー層 6 ダブルヘテロ構造積層部 7 絶縁領域 8 金属酸化物
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 市原 淳 京都市右京区西院溝崎町21番地 ローム株 式会社内 Fターム(参考) 5F073 AA51 AA74 AB17 CA05 CB22 DA05 DA14 DA16 EA29

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 半導体基板と、該半導体基板の上に設け
    られる下部多層反射膜と、該下部多層反射膜上に設けら
    れるバンドギャップの小さい活性層を該活性層よりバン
    ドギャップの大きい半導体層により挟持するダブルヘテ
    ロ構造積層部と、該ダブルヘテロ構造積層部の上に設け
    られる上部多層反射膜とからなり、前記ダブルヘテロ構
    造積層部の一定領域を電流注入領域として該注入領域内
    で発振させて、前記上部反射膜の上面側からレーザ光を
    出射する垂直空洞型の面発光型半導体レーザであって、
    前記電流注入領域より外周部における前記ダブルヘテロ
    構造積層部が、絶縁化されると共に該積層部を構成する
    金属の酸化物を含有する層に形成されてなる面発光型半
    導体レーザ。
  2. 【請求項2】 前記ダブルヘテロ構造積層部が、AlG
    aAs系化合物半導体からなり、前記酸化物が酸化アル
    ミニウムである請求項1記載の面発光型半導体レーザ。
  3. 【請求項3】 (a)第1導電形半導体基板上に第1導
    電形半導体層の積層構造からなる下部多層反射膜を成長
    し、(b)該下部多層反射膜上に第1導電形下部スペー
    サー層、該スペーサー層よりバンドギャップの小さい半
    導体からなる活性層、および該活性層よりバンドギャッ
    プの大きい半導体からなる第2導電形上部スペーサー層
    を有するダブルヘテロ積層部を成長し、(c)該ダブル
    ヘテロ積層部上に第2導電形半導体層の積層構造からな
    る上部多層反射膜を成長し、(d)前記上部多層反射膜
    およびダブルヘテロ構造積層部の電流注入領域より外周
    部を絶縁化すると共に、該外周部に金属酸化物を含有さ
    せることを特徴とする面発光型半導体レーザの製法。
  4. 【請求項4】 前記(d)工程の絶縁化および金属酸化
    物の形成を、酸素イオンをイオン注入し、熱処理を施す
    ことにより行う請求項3記載の製法。
  5. 【請求項5】 前記熱処理を前記酸素イオンの注入によ
    り形成された結晶欠陥を修復しない程度の温度で行う請
    求項4記載の製法。
  6. 【請求項6】 前記(d)工程の絶縁化および金属酸化
    物の形成を、アルミニウムイオンを注入し、またはアル
    ミニウムイオンと酸素イオンとを注入した後、水蒸気に
    よりアルミニウムを酸化させることにより行う請求項3
    記載の製法。
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