JP2967832B2 - 光選択吸収膜付カラー陰極線管 - Google Patents

光選択吸収膜付カラー陰極線管

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【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] この発明はフェース・プレート部に光選択吸収膜を形
成した光選択吸収膜付カラー陰極線管に関するものであ
る。
[従来の技術] 近年のカラー陰極線管の大型化および輝度性能やフォ
ーカス性能の改善にともない、陰極線管の蛍光面に印加
する電圧、すなわち電子ビームの加速電圧が高くなって
きている。たとえば、21型クラスの従来のカラー陰極線
管において、蛍光面に印加する高圧は25〜27KV程度であ
ったのが、最近の30型以上のカラー陰極線管によれば、
その蛍光面に30〜34KVもの高圧が印加される。そのた
め、とくにテレビセットの電源のON−OFF時にカラー陰
極線管のフェース・プレート部の外表面がチャージアッ
プして、フェース・プレート部の外表面に空気中の細か
いゴミが付着して、汚れが目立ちやすくなり、結果とし
てカラー陰極線管の輝度性能を劣化させる原因になって
いる。また、チャージアップしたフェース・プレート部
の外表面に観視者が近付いた時に放電現象が起り、観視
者に不快感を与える不都合もある。
第8図は陰極線管のフェース・プレート部の表面電位
の変化を示すグラフで、同図中の(L)は電源ONのとき
の表面電位の変化曲線であり、また(L1)は電源OFFの
ときの表面電位の変化曲線である。
このような陰極線管のフェース・プレート部の外表面
のチャージアップ現象をなくするために、陰極線管のフ
ェース・プレート部の外表面に平滑な透明導電膜を形成
してチャージをアースへ逃すようにした帯電防止処理型
陰極線管が近年使用されるようになってきた。
第7図は上記した帯電防止処理型陰極線管の帯電防止
の原理を説明する図であり、同図において、(6)はネ
ック部で、電子銃(図示を省略)を内蔵している。
(7)は偏向ヨーク、(13)はファンネル部、(4)は
フェース・プレート部、(5)は高圧ボタンで、上記偏
向ヨーク(7)はリード線(7a)を介して偏向電源に、
かつ電子銃はリード線(6a)を介して駆動電源に、また
高圧ボタン(5)はリード線(5a)を介して高圧電源に
それぞれ接続されている。
上記構成の陰極線管において、ネック部(6)に内蔵
した電子銃から発した電子線を偏向ヨーク(7)により
陰極線管の外部から電磁的に偏向する一方、高圧ボタン
(5)を介してフェース・プレート部(4)の内面に設
けられた蛍光面に高圧を印加する。これにより、上記電
子線を加速してそのエネルギーにより蛍光面を励起発光
して光出力を取りだす。このフェース・プレート部
(4)の内面の蛍光面に印加する高圧の影響で、上述し
たように、フェース・プレート部(4)の外表面の電位
が変化して、ゴミの付着などの弊害が生じる。
そこで、このような弊害をなくする対策として、第7
図で示すように、フェース・プレート部(4)の外表面
に平滑な透明導電膜(1)を形成し、この透明導電膜
(1)をアースに落すことにより、チャージを常にアー
スへ逃してチャージアップを防いだのが帯電防止処理型
陰極線管(3)である。
ところで、この帯電防止処理型陰極線管(3)におい
て、上記フェース・プレート部(4)の外表面に形成し
た透明導電膜(1)をアースに落すには、第7図に示す
ように、フェース・プレート部(4)の側壁部に巻き付
けた金属製防爆バンド(8)と透明導電膜(1)との間
を導電性テープ(12)により導通させる。これにより、
上記金属製防爆バンド(8)は取付け耳(9)に引っか
けたアース線(10)によりアース(10A)に接合されて
いるので、透明導電膜(1)をアースに落すことは容易
に可能となる。
第8図中の曲線(M)および(M1)は、フェース・プ
レート部の外表面に平滑な透明導電膜(1)を形成した
帯電防止処理型陰極線管(3)の電源ON−OFF時のフェ
ース・プレート部の外表面の電位変化を示すものであ
り、従来よりも大幅にチャージアップが小さくなってい
ることがわかる。
上記フェース・プレート部(4)の表面に形成する平
滑な透明導電膜(1)は、ある程度の硬さと接着性を要
求されるので、一般にシリカ(SiO2)系の膜を形成す
る。
従来、このシリカ系の平滑な透明導電膜(1)を形成
する方法の一つとしては、官能基として−OH基、−OR基
などを有するSi(シリコン)アルコキシドのアルコール
溶液を陰極線管のフェース・プレート部(4)の外表面
にスピンコート法などで均一かつ平滑に塗布したのち、
比較的低温、たとえば100℃以下で焼付け処理を行う方
法がとられていた。
上記のような方法で形成された平滑な透明導電膜
(1)は多孔質であるとともに、シラノール基(≡Si−
OH)を有しているので、空気中の水分を吸着して表面抵
抗を下げることができる。しかしながら、このような従
来の平滑な透明導電膜(1)は高温で焼付け処理を行う
と、シラノール基の−OHがなくなるうえに、多孔質中に
取り込んでいる水分もなくなるので、表面抵抗値があが
ってしまい、所定どおりの導電性が得られなくなる。こ
のため、低温焼付けが必須であり、膜の強度はあまり強
くない。また、乾燥した環境下で長く使用すると、多孔
質中の水分がぬけてしまい、表面抵抗値も経時的に上昇
する。この多孔質中から一旦水分がぬけると、つぎに入
り込むのが困難である。
以上のように、従来の平滑な透明導電膜(1)は、膜
強度および抵抗値の経時的な安定度の面で大きな欠点を
有していた。また、このような欠点を改善するために、
上記塗液中のアルコキシド構造にZr(ジルコニウム)な
どの金属原子を結合させて導電性を付与することも行わ
れていたが、大幅な改善を期待することができない。
これらを根本的に解決できるもう1つの方法として、
上記Si(シリコン)アルコキシドのアルコール溶液中に
導電性フィラーとしてSnO2(酸化スズ)やIn2O3(酸化
インジウム)の微粒子を混合分散させるとともに、半導
体的性質を付与するために微量のP(リン)またはSb
(アンチモン)を加えた塗液を用いて陰極線管のフェー
ス・プレート部(4)の外表面に従来と同様に、スピン
コート法などで均一かつ平滑に塗布して比較的高い温度
(たとえば、100℃〜200℃)で焼付け処理を行う方法が
ある。この方法では膜強度を強くし、かつ、どのような
環境下でも抵抗値が経時的に変化しない平滑な透明導電
膜(1)を得ることができる。
従来このような方法によりカラー陰極線管の帯電防止
処理が行われていたが、最近のカラーテレビの高画質化
への強い要求とともにこの透明導電膜(1)を着色して
カラー陰極線管のコントラストや発光色調の改善をも合
せて行う方法が実用化され始めた。即ち従来の透明導電
膜(1)を得るための塗液をベース塗粉としてこの中に
有機系又は無機系の染料又は顔料を混合して着色し光選
択吸収塗液を作り従来と同様のスピン・コート法等によ
りカラー陰極線管のフェース・プレート外面に塗布・成
膜して帯電防止機能を持った光選択吸収膜付カラー陰極
線管ができあがる。第9図は帯電防止型光選択吸収膜
(2)を有する帯電防止処理型光選択吸収膜付カラー陰
極線管(11)の構造を示す図であり、帯電防止型光選択
吸収膜(2)以外は第7図で示した従来の帯電防止処理
型陰極線管(3)と全く同じである。
第10図はこのような従来の帯電防止光選択吸収膜
(2)の光学特性を説明するための図である。図中
(B)はカラー陰極線管の蛍光面の青色発光の相対発光
強度のスペクトル分布を示し約450nmに主スペクトル波
長を有する。同様に(G)、(R)は各々緑色発光及び
赤色発光の相対発光強度のスペクトル分布を示し、各々
約535nm及び625nmに主スペクトル波長を有する。又(I
I)及び(III)はカラー陰極線管の蛍光面が形成されて
いるフェース・プレート(4)の分光透過率分布を示す
もので(II)は可視光領域の分光透過率が約85%のクリ
アー・タイプ、(III)は50%のティント・タイプのフ
ェース・プレート部(4)の分光透過率分布を示す。フ
ェース・プレート部(4)の分光透過率は低いほどカラ
ー陰極線管の蛍光面の輝度性能としては不利になること
は(B)、(G)、(R)の蛍光面の相対発光強度のス
ペクトル分布との関係より明らかであるが、カラー陰極
線管の蛍光面に入射する外光が有効に除去できるのでコ
ントラスト性能上は有利となり、最近のカラー・テレビ
の画質重視の傾向とともに現在はティント・タイプのフ
ェース・プレート部(4)が多く使用されている。図中
(I)は更にコントラスト性能をあげるために前述した
如くフェース・プレート部(4)の外面に形成された従
来の帯電防止型光選択吸収膜(2)の分光透過率分布の
一例を示す。(G)、(R)の相対発光強度のスペクト
ル分布の主スペクトル波長間535nm乃至625nmの内この主
スペクトル波長に近い部分にこの帯電防止型光選択吸収
膜(2)の吸収ピーク(A)があるとカラー陰極線管の
蛍光面の輝度性能上不利となるためこの吸収帯の半値巾
等も考慮して、通常570nm乃至610nmの範囲に主吸収帯の
吸収ピーク(A)は置かれる。この範囲の波長の光は人
間の目の視感度の比較的高い領域と一致するので、外光
(白色光)成分の内この領域の光が吸収、除去されると
コントラスト性能上好ましい。
即ち、従来の帯電防止処理型光選択吸収膜付カラー陰
極線管(11)の帯電防止型光選択吸収膜(2)の光学特
性としては人間の目の視感度として割りと高く、又蛍光
面からの発光にできるだけ影響の少ない570nm乃至610nm
の範囲に主吸収帯の吸収ピーク(A)を置いて蛍光面の
輝度性能を維持しつつ外光を有効に吸収してコントラス
ト性能の向上をはかるようにしたものであった。このよ
うな光学特性を持った有機系の染料又は顔料の選定が非
常に重要であり曲線(I)の場合572nmに主吸収帯の吸
収ピーク(A)を持たせた例を示す。このような帯電防
止処理型光選択吸収膜付カラー陰極線管(11)ではベー
ス塗粉に混合する有機系や無機系の染料や顔料の光学的
な光吸収特性が比較的ブロードであるため蛍光面の発光
の内例えば緑色発光の場合光スペクトル波長の長波長側
のテール部、赤色発光の場合光スペクトル波長の短波長
側のサブピーク部がこの光選択吸収膜により吸収されて
発光色調の改善を同時に行うことが可能である。
[発明が解決しようとする課題] 従来の帯電防止処理型光選択吸収膜付カラー陰極線管
では帯電防止型光選択吸収膜の光学特性として570nm乃
至610nmの範囲に主吸収帯の吸収ピークを有しているの
で外光(白色光)がこの帯電防止処理型光選択吸収膜付
カラー陰極線管の蛍光面に入射した後反射されて出てく
ると主吸収帯によりこの範囲の波長の光が特に多く除去
されるために反射光に色がついてしまうという問題を生
じる。この問題を第11図により更に詳しく設計する。第
11図はCIEの色度図上に黒体輻射の軌跡(IV)を合せて
示す。図の馬蹄型の上は各単色光の色度点を示す。外光
(白色光)はその種類によって少し異なるが基本的には
太陽光のように各単色光の集まったものであり、代表的
には(D)点で示す4500K程度の色温度のものが多い。
光選択吸収膜の付いていない従来のカラー陰極のフェー
ス・プレートも含めた蛍光面体色は無彩色でほぼ灰色で
あり可視光の全波長領域でほぼ均等に吸収が行われるの
で蛍光面で反射されて出てくる反射光もほぼ入射光と同
様の波長成分を持った光となりごく自然な反射光とな
る。一方第10図の(I)で示したような572nmに主吸収
帯の吸収ピーク(A)を持った光選択吸収膜付の従来の
カラー陰極線管の場合、蛍光面に入射した外光(白色
光)の内572nm付近の光がこの主吸収帯により吸収、除
去されるので反射光の色度点は入射してくる元の外光
(白色光)の色度点(D)からズレる方向に動く。即ち
色度図上では4500Kの外光(白色光)の色度点(D)と5
72nmの単色光の色度点を結んだ線分上を572nmの単色光
の色度点から遠ざかる方向にベクトルaが生じて反射光
の色度点が動き反射光に色がついてしまう。
カラー陰極線管の場合、映像の黒レベルはこの蛍光面
の体色そのものを見ているのであり、蛍光面の反射光に
色がつくと黒が非常に不自然となりカラー・テレビの映
像の品位を著しく低下させてしまう。
この発明は上記のような問題点を解決するためになさ
れたものであり、コントラスト向上の効果として非常に
高い572nm乃至610nmの範囲に主吸収帯の吸収ピークを持
たせても反射光に色がついたりすることのない光選択膜
付カラー陰極線管を提供することを目的とする。
[課題を解決するための手段] 上記目的を達成するために、本発明は、赤色発光蛍光
体、緑色発光蛍光体および青色発光蛍光体で形成される
蛍光面が内面に設けられたフェースプレート部の外表面
に、有機系又は無機系の透明なベース塗料に有機系又は
無機系の染料又は顔料を混合した光選択吸収塗液を塗布
・成膜した光選択吸収膜を備える光選択吸収膜付カラー
陰極線管において、前記光選択吸収膜は主吸収帯と副吸
収帯とを有し、前記主吸収帯の吸収ピークが、前記緑色
発光蛍光体の主スペクトル波長と赤色発光蛍光体の主ス
ペクトル波長との間の570nm乃至610nmの範囲に設定さ
れ、前記副吸収帯の吸収ピークが、前記青色発光蛍光体
の主スペクトル波長の短波長側の380nm乃至420nmの範
囲、前記青色発光蛍光体の主スペクトル波長と緑色発光
蛍光体の主スペクトル波長との間の470nm乃至510nmの範
囲の少なくともいずれかの範囲に設定されるとともに、
前記副吸収帯の吸収ピークが、前記蛍光面で反射される
外光の反射光の前記主吸収帯による色度点の移動を中和
する範囲に設定されることを特徴とする。
[作用] この発明によればコントラスト向上の効果として非常
に高い570nm乃至610nmの範囲に光選択吸収膜の主吸収帯
の吸収ピークを持たせても、380nm乃至420nmの範囲及び
470nm乃至510nmの範囲の少なくともいずれかの範囲に吸
収ピークを有する副吸収帯の中和効果により蛍光面の反
射光に着色を生じる現象を緩和することができる。
[実施例] 以下、この発明の実施例を図面にもとづいて説明す
る。
第1図の曲線(V)はこの発明の一実施例による光選
択吸収膜付カラー陰極線管の光選択吸収膜の分光透過率
分布の例を示す。この場合従来の572nmに吸収ピークを
有する主吸収帯に加えて青色発光の主スペクトル波長
(約450nm)の短波長側の410nmに副吸収帯の吸収ピーク
を有する。この場合の反射光の着色及びそれを緩和する
効果について第4図のCIE色度図により説明する。即ち4
500Kの色温度の外光(白色光)の色度点を(D)で示す
と蛍光面に入射した外光(白色光)の内572nmの付近の
光がこの主吸収帯により吸収・除去されるので反射光の
色度点は入射してくる元の外光(白色光)の色度点
(D)からズレる方向に動く、即ち色度図上では4500K
の外光(白色光)の色度点(D)と572nmの単色光の色
度点を結んだ線分(l)上を572nmの単色光の色度点か
ら遠ざかる方向にベクトルaが生じて反射光の色度点が
動き反射光に色がついてしまう。
前述の線分(l)が再び色度図の馬蹄型の線と交わる
点が410nmの波長と一致する。従って第1図に示すごと
く410nmに副吸収帯の吸収ピークがあると前記572nmの主
吸収帯の吸収ピークによって生じるベクトルaを打ち消
すベクトル(b)が生じ反射光の色度点のズレが修正さ
れる。完全にこの入射光と反射光の色点のズレを補正す
るために主吸収帯と副吸収帯の吸収ピークの吸収量のバ
ランスをとる必要がある。又この場合副吸収帯の吸収ピ
ークの位置は青色発光の主スペクトル波長(450nm)の
短波長側に位置させるが、主スペクトル波長(450nm)
の近い部分にあるとカラー陰極線管の蛍光面の輝度性能
上不利になるのでこの吸収帯の半値巾等を考慮して380n
m乃至420nmの範囲にこの副吸収帯の吸収ピークは置かれ
る。
第2図は同様にこの発明の他の実施例による光選択吸
収膜付カラー陰極線管の光選択吸収膜の分光透過率分布
の例(VI)を示す。この場合580nmに吸収ピークを有す
る主吸収帯に加えて青色発光と緑色発光の主スペクトル
波長間の480nmに副吸収帯のピークを有する。この場合
の反射光の着色及びそれを緩和する効果を示すのが第5
図のCIE色度図である。580nmの主吸収帯の吸収ピークに
より生じたベクトルCと480nmの副吸収帯の吸収ピーク
により生じたベクトルdとが打ち消し合って反射光の色
度点のズレが修正される。又この場合の副吸収帯の吸収
ピークの位置は青色発光と緑色発光の主スペクトル波長
間の450nm乃至535nmの内の主スペクトル波長に近い部分
ではカラー陰極線管の蛍光面の輝度性能上不利となるた
めにこの吸収帯の半値巾等を考慮して470nm乃至510nmの
範囲に置かれる。
第3図は同様にこの発明のもう一つの他の実施例によ
る光選択吸収膜付カラー陰極線管の光選択吸収膜の分光
透過率分布の例(VII)を示す。この場合585nmに吸収ピ
ークを有する主吸収帯に加えて青色発光と緑色発光の主
スペクトル波長間の495nm及び青色発光の主スペクトル
波長の短波長側の410nmの2個所に副吸収帯のピークを
有する。この場合の反射光の着色及びそれを緩和する効
果を示すのが第6図のCIE色度図である。この場合585nm
の主吸収帯の吸収ピークにより生じたベクトルfと410n
mと495nmの両方の副吸収体の吸収ピークにより生じたベ
クトルgとベクトルhの合成ベクトルiとが打ち消し合
って反射光の色度点のズレが修正されるものである。
以上は従来の帯電防止処理型陰極線管の透明導電膜に
有機系又は無機系の塗粉又は顔料を混合して光選択吸収
特性を持たせる場合について述べたが本発明はこれに限
られるものではなく帯電防止機能を持たない透明膜にも
同様に適用できる。又透明なベース塗粉としては官能基
として−OH基や−OR基を有するシリコン(Si)のアルコ
キシドのアルコール溶液に限られるものではなくエポキ
シ樹脂系やアクリル樹脂系等のプラスチックス系の塗粉
にも同様に使用できる。
[発明の効果] 以上のようにこの発明によれば、コントラスト向上の
効果として非常に高い570nm乃至610nmの範囲に光選択吸
収膜の主吸収帯の吸収ピークを持たせても380nm乃至420
nmの範囲及び470nm乃至510nmの範囲のどちらか又は両方
に吸収ピークを有する副吸収帯の中和効果により蛍光面
の反射光の着色現象が緩和されるのでコントラスト性能
が非常に優れかつ蛍光面の体色即ちカラー・テレビの映
像の黒レベルが自然な高品質な映像を実現できる光選択
吸収膜付カラー陰極線管を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図乃至第3図はこの発明の実施例による光選択吸収
膜付カラー陰極線管の光選択吸収膜の分光透過率分布の
例を示す図、第4図乃至第6図はこの発明の反射光の着
色及びそれを緩和する効果について説明するCIE色度
図、第7図は帯電防止処理型陰極線管の帯電防止の原理
を説明する図、第8図は陰極線管のフェース・プレート
の表面電位の変化を示す図、第9図は帯電防止処理型光
選択吸収膜付カラー陰極線管の構造を示す図、第10図は
従来の帯電防止光選択吸収膜の光学特性を説明するため
の図、第11図は従来の帯電防止処理型光選択吸収膜付カ
ラー陰極線管の外光の反射光を説明するためのCIE色度
図である。 図中、(1)は透明導電膜、(2)は帯電防止型光選択
吸収膜、(3)は帯電防止処理型陰極線管、(4)はフ
ェース・プレート部、(5)は高圧ボタン、(6)はネ
ック、(7)は偏向ヨーク、(8)は金属製防爆バン
ド、(9)は取付け耳、(10)はアース線、(10A)は
アース、(11)は帯電防止処理型光選択吸収膜付カラー
陰極線管、(12)は導電性テープ、(6a)、(7a)はリ
ード線である。 なお、各図中同一符号は同一または相当部分を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭59−23306(JP,A) 特開 昭58−14454(JP,A) 特開 昭57−126051(JP,A)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】赤色発光蛍光体、緑色発光蛍光体および青
    色発光蛍光体で形成される蛍光面が内面に設けられたフ
    ェースプレート部の外表面に、有機系又は無機系の透明
    なベース塗料に有機系又は無機系の染料又は顔料を混合
    した光選択吸収塗液を塗布・成膜した光選択吸収膜を備
    える光選択吸収膜付カラー陰極線管において、 前記光選択吸収膜は主吸収帯と副吸収帯とを有し、 前記主吸収帯の吸収ピークが、前記緑色発光蛍光体の主
    スペクトル波長と赤色発光蛍光体の主スペクトル波長と
    の間の570nm乃至610nmの範囲に設定され、 前記副吸収帯の吸収ピークが、前記青色発光蛍光体の主
    スペクトル波長の短波長側の380nm乃至420nmの範囲、前
    記青色発光蛍光体の主スペクトル波長と緑色発光蛍光体
    の主スペクトル波長との間の470nm乃至510nmの範囲の少
    なくともいずれかの範囲に設定されるとともに、 前記副吸収帯の吸収ピークが、前記蛍光面で反射される
    外光の反射光の前記主吸収帯による色度点の移動を中和
    する範囲に設定される ことを特徴とする光選択吸収膜付カラー陰極線管。
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