JP2967721B2 - 目標信号検出方法 - Google Patents

目標信号検出方法

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JP2967721B2 JP8087845A JP8784596A JP2967721B2 JP 2967721 B2 JP2967721 B2 JP 2967721B2 JP 8087845 A JP8087845 A JP 8087845A JP 8784596 A JP8784596 A JP 8784596A JP 2967721 B2 JP2967721 B2 JP 2967721B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、音波や電磁波を発
信し、その発信信号に対する目標からの反響信号を検出
する方法に属し、特に反響信号の中から目標らしき反響
信号を自動検出し、更にこの反響信号がどのような物体
から反射されたものであるかを判別する目標信号検出方
に属する。
【0002】
【従来の技術】一般にこの種の目標信号検出方法は、操
作員が反響信号の表示画面を見て判断したり、反響信号
を直接耳で聞いたりして、操作員の経験や勘により判断
していた作業を支援する目的として用いられる。
【0003】従来の目標信号検出方法は、たとえば、特
願平6−296479号に開示されている。特願平6−
296179号には、反響信号を含む受信信号に整相処
理を施し、A/D変換して、時系列信号を出力する第1
のステップと、時系列信号に対し周波数分析を行い、ス
ペクトルの時系列データに変換した後、このスペクトル
の時系列データから目標反響信号の長さに相当する区間
を切り出して、検出用パターンを生成する第2のステッ
プと構成した装置により、目標か否かの判定を行い、こ
の結果を表示する技術が開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来の目標信号検出方
法の第1の問題点は、実時間で処理を行うことが難しい
という点である。
【0005】その理由は、受信信号の時系列データをそ
のまま使用して処理するために判定処理に入力するデー
タ量が多いためである。
【0006】従来の目標信号検出方法の第2の問題点
は、目標からの反響信号に似通った残響などの信号も誤
って目標信号として検出してしまう。つまり、誤警報率
も高いという点である。
【0007】その理由は、判定処理に入力するデータ
に、常に一定の前処理を行っていたため、目標信号の特
徴が現れないためである。
【0008】それ故に本発明の課題は、時系列データの
特徴を損なわないようにデータを圧縮することで判定処
理に入力するデータ量を減少させることにより、計算時
間を単色し高速化を図る目標信号検出方法を提供するこ
とにある。
【0009】また、本発明に他の課題は、目標信号の特
徴を強化する前処理を行うことにより誤警報率の低下を
図る目標信号検出方式を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、音波や
電磁波を発信し、その発信信号に対する目標からの反響
信号を検出する方法において、前記反響信号を含む受信
信号に整相処理を施し、A/D変換して、時系列信号を
出力する第1のステップと、前記時系列信号に対し周波
数分析を行い、スペクトルの時系列データに変換した
後、このスペクトルの時系列データから目標反響信号の
長さに相当する区間を切り出し、周波数パターンを作成
した後、この周波数パターンを方形の小領域に分割し、
各小領域に含まれるスペクトルの平均値を算出して、こ
の平均値を小領域のスペクトルレベルとした後、このス
ペクトルレベルを正規化して検出用パターンを生成する
第2のステップと、前記検出用パターンを入力として、
目標反響信号であるか否かを判断する第3のステップと
を含むことを特徴とし、さらに前記第3のステップは前
記第2のステップで出力される検出用パターンを、事前
に所望とする目標反響信号とそれ以外の信号により学習
させたニューラルネットワークに入力し、入力パターン
が目標反響信号であるか否かを判定するステップを含む
目標信号検出方法が得られる。
【0011】
【発明の実施の形態】次に本発明の目標信号検出方法の
一実施の形態例について図面を参照して説明する。本発
明の目標信号検出方法は、音波や電磁波を発信し、その
発信信号に対する目標からの反響信号を検出する装置に
用いる。この目標信号検出方法では、反響信号を含む受
信信号に整相処理を施し、A/D変換して、時系列信号
を出力する第1のステップと、時系列信号に対し周波数
分析を行い、スペクトルの時系列データに変換した後、
このスペクトルの時系列データから目標反響信号の長さ
に相当する区間を切り出して、検出用パターンを生成す
る第2のステップと、検出用パターンを入力として、目
標反響信号であるか否かを判断する第3のステップとを
含む。
【0012】本発明の一実施の形態例は、水中に音波を
発信し、この反響音を受信して目標を検出する装置にお
いて、受信信号を周波数パターンに変換し、この周波数
パターンから目標が存在するか否かを判定するものであ
る。
【0013】図1は、本実施の形態例の構成を示すブロ
ック図である。図1を参照して、送受波器1は、複数個
の電気音響変換素子が配列された構成を備えており、水
中に音波を発信するとともに、目標からの反響音を受信
する。
【0014】入力処理部2は、送受波器1により受信さ
れた信号を入力して任意の方位に対して受信ビームを形
成するビーム形成処理を行った後、A/D変換器によっ
てディジタル値に変換された振幅値の時系列信号を出力
する。
【0015】信号処理部3は入力処理部2から出力され
る振幅値の時系列信号をNサンプル毎の短時間区間デー
タに分割して、周波数分析を行い、スペクトルの時系列
データに変換する。そしてこのスペクトル時系列データ
から目標反響信号の長さに相当する区間のデータを切り
出して、これを検出用データとして前処理部4にて前処
理を施した後、ニューラルネットワークへ入力し、図1
の丸Aによる接続で示すように、目標か否かを判定部5
にて判断し、この結果を表示部6に出力する。
【0016】次に、図2を参照して入力処理部2につい
て説明する。図2は、図1に示した送受波器1と入力処
理部2の具体的な構成を示している。入力処理部2は、
受信ビーム形成21と、帯域通過フィルタ22と、A/
D変換器23とを有している。受信ビーム形成21は、
送受波器1の複数個の電気音響変換素子の出力信号を整
相して、任意の方向に対して受波指向性を有する受信ビ
ームを形成する。帯域通過フィルタ22は、受信ビーム
形成21により得られた受信ビーム出力から、受信周波
数帯域の信号を取り出す。A/D変換器23は、受信ビ
ーム出力をディジタル値に変換し、振幅値の時系列デー
タを出力する。
【0017】次に、図3を参照して信号処理部3につい
て説明する。図3は、図1に示した信号処理部3の構成
を示している。信号処理部3は、周波数変換処理部31
と、切り出し処理部32とを有している。周波数変換処
理部31は、入力処理部2から出力される、振幅値の時
系列信号をNサンプル毎の短時間区間データに分割し、
この短時間区間データをFFT手法により周波数変換
し、目標反響信号のスペクトルを求める。この際、受信
帯域内の雑音成分は、周波数分析されることにより帯域
エルネギーが各スペクトルに分散され、その結果、信号
対雑音比が改善される。切り出し処理部32は、周波数
変換処理部31から出力される時系列のスペクトルデー
タを、目標の反響信号長に相当する区間で切り出し、周
波数パターンを生成する。
【0018】次に、図4を参照して、図1に示した前処
理部4について説明する。図4は前処理部4の構成を示
している。前処理部4は、圧縮部41と、正規化処理部
42と、特徴強化処理部43とを有している。圧縮部4
1は信号処理部3で生成された周波数のパターンを周波
数軸方向にn、時間(目標エコー長)軸方向にmに分割
し、全部でn×mの小領域に分割し、各小領域に含まれ
るスペクトルの平均値を算出し、この値を各小領域のス
ペクトルレベルとし、周波数パターンのデータ量をn×
m(<元のデータ量)に圧縮した検出用パターンを生成
する。正規化処理部42は圧縮部41で生成された検出
パターン内のn×m個のスペクトルレベル中の最小値m
in、及びn×m個のスペクトルレベルから求めた平均
値meanを検出し、これらの値にて各スペクトルレベ
ルを次のように変換する。
【0019】x′=x−mean/mean−min xは変換前のスペクトルレベル、x′は変換後のスペク
トルレベルであり、これにより各スペクトルレベルは−
1〜+Aの範囲に正規化される。特徴強化処理部43で
はこの正規化データを更にシグモイド関数により0〜
1.0の範囲に変換する。この非線形変換により、検出
用パターンに含まれている目標の特徴パターンと、それ
以外の特徴バターンが平均値を中心に各々分離される特
徴強化が行われる。
【0020】次に判定部5について説明する。判定部5
は3層(入力層、中間層、出力層)の階層型のニューラ
ルネットワークで構成され、各層間のユニットは相互に
すべて結合されている。勿論、ニューラルネットワーク
の構成は、これに限定されたものではない。ニューラル
ネットワークを判定回路として使用するためには事前に
既知の学習パターンによるニューラルネットワークの学
習が必要である。
【0021】学習パターンの作成は、実際の目標に対す
る複数のデータを使用して、前述の入力処理部2、信号
処理部3及び前処理部4までの処理を通して得られる検
出用パターンを、目標と雑音の2つのパターンに分類し
て作成する。そしてこの学習用パターンを使用して、判
定部5に目標が入力された場合、出力層の目標に割り当
てたユニットに1、雑音に割り当てたユニットに0を、
また雑音が入力された場合、出力層の目標に割り当てた
ユニットに0、雑音に割り当てたユニットに1が出力さ
れるよう学習する。ニューラルネットワークの学習手法
には、学習手法としては公知の事実であるバックプロパ
ゲーション手法を使用する。判定部5は、前述の学習方
法により学習済みのニューラルネットワークに対し、前
処理部4の出力する検出用パターンを入力し、入力パタ
ーンが目標であるか雑音であるかを判定し出力する。
【0022】ここで、ニューラルネットワーク出力層の
各ユニットの出力は、0〜1のアナログ量となるため以
下の判定条件を使用する。 A>B かつ A−B>0.5 なら 目標 B>A かつ B−A>0.5 なら 雑音 上記条件以外 なら 不明 ここでAは、ニューラルネットワーク出力層の目標に割
り当てたユニットの出力、Bはニューラルネットワーク
出力層の雑音に割り当てたユニットの出力とする。
【0023】
【発明の効果】本発明の目標信号検出方法によると、判
定部へ入力する検出用パターンを実データのままで入力
するのではなく、小領域に分割し、その小領域内の平均
値を使用することで、データ量を減少させるため、計算
時間が減少し実時間処理を可能となるという効果を奏す
る。
【0024】また、判定部へ入力する検出用パターンに
対し、特徴強化のためのシグモイド関数による非線形変
換をすることにより目標信号の持つ特徴が強化されるた
め、検出率を向上させ、誤警報率を低減させることがで
きるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の目標信号検出方法の一実施の形態例を
示すブロック構成図である。
【図2】図1に示した一実施の形態例の入力処理部の詳
細を示すブロック構成図、及び振幅値の時系列データを
示すグラフである。
【図3】図1に示した一実施の形態例の信号処理部の詳
細を示すブロック構成図、及びスペクトルレベルと周波
数と時間との関係を示す説明図である。
【図4】図1に示した一実施の形態例の前処理部の詳細
を示すブロック構成図、周波数と検出パターンとの関係
を示すグラフ、及びシグモイド関数を示すグラフであ
る。
【符号の説明】
1 送受波器 2 入力処理部 3 信号処理部 4 前処理部 5 判定部 6 表示部 21 受信ビーム形成 22 帯域通過フィルタ 23 A/D変換器 31 周波数変換処理部 32 切り出しい処理部 41 圧縮部 42 正規化処理部 43 特徴強化処理部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G01S 7/00 - 7/42 G01S 7/52 - 7/64 G01S 13/00 - 13/95 G01S 15/00 - 15/96 G06F 15/18 560

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 音波や電磁波を発信し、その発信信号に
    対する目標からの反響信号を検出する方法において、前
    記反響信号を含む受信信号に整相処理を施し、A/D変
    換して、時系列信号を出力する第1のステップと、前記
    時系列信号に対し周波数分析を行い、スペクトルの時系
    列データに変換した後、このスペクトルの時系列データ
    から目標反響信号の長さに相当する区間を切り出し、周
    波数パターンを作成した後、この周波数パターンを方形
    の小領域に分割し、各小領域に含まれるスペクトルの平
    均値を算出して、この平均値を小領域のスペクトルレベ
    ルとした後、このスペクトルレベルを正規化して検出用
    パターンを生成する第2のステップと、前記検出用パタ
    ーンを入力として、目標反響信号であるか否かを判断す
    る第3のステップとを含むことを特徴とする目標信号検
    出方法
  2. 【請求項2】 前記第3のステップは前記第2のステッ
    プで出力される検出用パターンを、事前に所望とする目
    標反響信号とそれ以外の信号により学習させたニューラ
    ルネットワークに入力し、入力パターンが目標反響信号
    であるか否かを判定するステップを含むことを特徴とす
    る請求項1記載の目標信号検出方法
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