JP3503694B2 - 目標識別装置および目標識別方法 - Google Patents

目標識別装置および目標識別方法

Info

Publication number
JP3503694B2
JP3503694B2 JP2000088793A JP2000088793A JP3503694B2 JP 3503694 B2 JP3503694 B2 JP 3503694B2 JP 2000088793 A JP2000088793 A JP 2000088793A JP 2000088793 A JP2000088793 A JP 2000088793A JP 3503694 B2 JP3503694 B2 JP 3503694B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
data
neural network
frequency
echo
target
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2000088793A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2001281328A (ja
Inventor
達夫 窪田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NEC Corp
Original Assignee
NEC Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NEC Corp filed Critical NEC Corp
Priority to JP2000088793A priority Critical patent/JP3503694B2/ja
Publication of JP2001281328A publication Critical patent/JP2001281328A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3503694B2 publication Critical patent/JP3503694B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Measurement Of Velocity Or Position Using Acoustic Or Ultrasonic Waves (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、目標からの音響信
号(変調された音波の反射波)を受信し、該受信信号に
含まれている目標に関する情報に基づいて目標を識別す
る、装置および方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の目標識別方法として、受
信信号が持つ目標に関する情報を有用な形で表示し、観
測者がこれを目視することによって目標を識別する方法
が知られている。また、観測者の目視による目標の識別
をより容易にするために、例えば、受信信号に対して各
種信号処理を行い、その受信信号に含まれる目標の方位
や距離の情報から求まる目標の位置を、その信号強度に
応じて複数の階調で表示装置上に表示する、といった手
法も提案されている。この他、観測者が目標からの音響
信号をスピーカなどの出力装置を介して直接聴くことで
目標を識別する方法もある。
【0003】上記の目標識別方法は、いずれも観測者の
能力が識別精度に大きく影響する。そこで、最近では、
識別精度の向上を目的に、観測者の能力に頼らない方法
として、目標識別処理を自動化した目標識別方法が提案
されている。その一例として、特開平5-297114号公報に
は、予めエコーと残響(ここでは、ノイズを意味する)
の特徴を学習させたニューラルネットワークを用いたソ
ナー信号処理装置が開示されている。図10は、そのソ
ナー信号処理装置の主要構成を示すブロック図である。
【0004】図10を参照すると、ソナー信号処理装置
は、送受波部101、前処理部102、ニューラルネッ
トワーク処理部103からなる。送受波部101は、周
波数変調した音波(FM波)を送信し、目標からのその
反響信号を受信する。前処理部102は、送受波部10
1にて受信された信号から所定時間長の受信信号を所要
時間だけ繰り返しずらしながら取り出すとともに、その
取り出した所定時間長の受信信号を順に高速フーリエ変
換(以下、FFTと記す。)してスペクトルデータを求
める。さらに、前処理部102は、その求めたスペクト
ルデータから送信波であるFM波のパルス長に相当する
時間長のスペクトルデータを所要時間だけ繰り返しずら
しながら取り出して「周波数−振幅−時間」の3次元デ
ータを作成し、これにスペクトル値の最大値が1となる
ように正規化処理を行うことでニューラルネットワーク
入力用データを作成する。ニューラルネットワーク処理
部103は、予めエコーと残響の特徴を学習させたニュ
ーラルネットワークを用いて、前処理部102にて作成
されたニューラルネットワーク入力用データ(3次元デ
ータ)がエコー(目標からの反射波)であるのか、残響
(目標以外のものからの反射)であるのかを識別する。
【0005】ここで用いられるニューラルネットワーク
は、層状モデルの最も典型的な3層ネットワークであっ
て、入力層、中間層、出力層からなる。入力層は、前処
理部102にて作成されたニューラルネットワーク入力
用データ(3次元データ)の振幅スペクトルの分布周波
数に対応した2次元構造のユニットを有し、各ユニット
に各分布周波数のスペクトル値が入力される。中間層
は、それぞれが入力層の各ユニットに結合された1次元
構造のユニットを有する。この中間層では、各ユニット
毎に、入力層の各ユニットに入力されたスペクトル値と
重みの積和演算が行われ、さらに、しきい値処理が施さ
れて、その結果が中間出力として出力される。出力層
は、それぞれが中間層の各ユニットに結合された、エコ
ー出力ユニットおよび残響出力ユニットを有する。この
出力層では、各出力ユニット毎に、中間層から出力され
る中間出力と重みの積和演算が行われ、さらに、しきい
値処理が施される。このエコー出力ユニットから出力さ
れるエコー出力、残響出力ユニットから出力される残響
出力に基づいて、ニューラルネットワーク入力用データ
(3次元データ)がエコーであるか残響であるかの判定
が行われる。
【0006】ニューラルネットワークを用いた目標識別
処理としては、上記の他に、特開平8-152472号公報に記
載されているような目標自動検出方式もある。この目標
自動検出方式は、反響音受信部、前処理部、ニューラル
ネットワーク判定部からなる。反響音受信部にて目標か
らの反響信号が受信される。前処理部では、受信信号が
所定の区間切り出されて、反響信号のスペクトルにより
特徴付けられた検出用パターンに変換される(フーリエ
変換)。ニューラルネットワーク判定部では、検出用パ
ターンと所望の出力との関係を予め学習したニューラル
ネットワークを用いて、前処理部から入力される検出用
パターンがどのような物体から反射されたものであるか
の判別が行われる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た各公報に記載のものは、いずれも前処理部にてFFT
法などの周波数分析手法を用いてスペクトルデータが求
められるようになっているが、その周波数特性について
は何等条件は与えられていないため、以下のような問題
がある。
【0008】一般に、FFT法は瞬時周波数分解能が高
くないため、低S/N比のエコーに対しては、エコーと
残響との差違が明瞭でないニューラルネットワーク入力
用データが作成されてしまう。また、従来のものにおい
ては、前処理部は、エコー成分の特徴を強化する手段を
もっておらず、また、持っていたとしても単に非エコー
成分の特徴を弱くするだけのものであり、低S/N比の
エコーに対するその効果は、十分なものとは言えなかっ
た。そのため、従来のものは、低S/N比のエコーに対
して目標識別精度が低いものとなっていた。ここで、S
/N比はエコーレベル対残響レベル比である。また、瞬
時周波数分解能は、受信信号を短時間(瞬時)毎に周波
数分析する際の周波数分解能を意味する。
【0009】低S/N比のエコーの検出率を上げること
は、目標の識別が可能な距離を伸ばす意味でも重要なこ
とである。しかしながら、従来のものにおいては、上記
の理由のために、低S/N比のエコーの検出率を上げよ
うとすると誤目標率が上がり、誤目標率を下げようとす
ると低S/N比のエコーの検出率が下がってしまうとい
う問題もあった。ここで、誤目標率は残響をエコーとし
て識別してしまう確率である。
【0010】本発明の目的は、上記問題を解決し、低S
/N比のエコーの検出率を上げても誤目標率をある程度
低く抑えることのできる、低S/N比のエコーに対する
目標識別精度の高い、目標識別装置および目標識別方法
を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、目標識別装置は、周波数変調した音波を送信し、
送信波に関する目標からの反射波を受信する送受波手段
と、前記送受波手段にて受信される信号を周波数分析し
て、前記目標からの反射波であるエコーの成分の特徴を
強め、かつ、非エコーの成分の特徴を弱めたニューラル
ネットワーク入力用データを作成する前処理手段と、前
記ニューラルネットワーク入力用データを入力とする所
定のニューラルネットワークを有し、該ニューラルネッ
トワークの出力から前記ニューラルネットワーク入力用
データがエコーであるか、非エコーであるかを識別する
ニューラルネットワーク処理手段とを有し、前記前処理
手段は、前記送受波手段にて時系列に受信された信号か
ら、所定の時間長の受信信号を所定時間だけ繰り返しず
らしながら取り出すとともに、その取り出した受信信号
のスペクトルデータをそれぞれ求める周波数分析処理手
段と、前記周波数分析処理手段にて求められたスペクト
ルデータのそれぞれから、前記送信波の掃引周波数幅に
所要のマージンを加えた周波数部分のスペクトルデータ
を時系列に取り出すとともに、その取り出したスペクト
ルデータから、前記送信波のパルス長に所定の積分時間
を加えた時間分に相当するスペクトルデータ群を所定時
間だけ繰り返しずらしながら取り出して、その取り出し
たスペクトルデータ群について周波数、スペクトル振
幅、時間を各軸にとった3次元データを作成する抽出処
理手段と、前記抽出処理手段にて作成された3次元デー
タを、前記送信波の掃引周波数線を中心とする所要周波
数幅で、前記掃引周波数線に沿ってその傾斜方向に前記
所定の積分時間単位に積分処理を順次行って積分データ
を得る積分処理手段と、前記積分データを正規化し、こ
れを前記ニューラルネットワーク入力用データとして出
力する正規化手段とを有する
【0012】 本発明の目標識別方法は、周波数変調し
た音波を送信し、該送信波に関する目標からの反射波を
受信する第1のステップと、前記受信信号を周波数分析
して、前記目標からの反射波であるエコーの成分の特徴
を強め、かつ、非エコーの成分の特徴を弱めたニューラ
ルネットワーク入力用データを作成する第2のステップ
と、所定のニューラルネットワークを用いて前記ニュー
ラルネットワーク入力用データがエコーであるか、非エ
コーであるかを識別する第3のステップとを含み、前記
第2のステップは、前記第1のステップにて時系列に受
信された信号から、所定の時間長の受信信号を所定時間
だけ繰り返しずらしながら取り出すとともに、その取り
出した受信信号のスペクトルデータをそれぞれ求めるス
テップと、前記求めたスペクトルデータのそれぞれか
ら、前記送信波の掃引周波数幅に所要のマージンを加え
た周波数部分のスペクトルデータを時系列に取り出すと
ともに、その取り出したスペクトルデータから、前記送
信波のパルス長に所定の積分時間を加えた時間分に相当
するスペクトルデータ群を所定時間だけ繰り返しずらし
ながら取り出して、その取り出したスペクトルデータ群
について周波数、スペクトル振幅、時間を各軸にとった
3次元データを作成するステップと、前記3次元データ
を、前記送信波の掃引周波数線を中心とする所要周波数
幅で、前記掃引周波数線に沿ってその傾斜方向に前記所
定の積分時間単位に積分処理を順次行って積分データを
得るステップと、前記積分データを正規化し、これを前
記ニューラルネットワーク入力用データとして出力する
ステップとを含む
【0013】以下は、上記本発明の目標識別装置および
目標識別方法の作用である。
【0014】エコーと残響との差違をより際立たせたニ
ューラルネットワーク入力用データを作成することで、
低S/N比のエコーに対しても、エコーと残響との差違
が明瞭なニューラルネットワーク入力用データを作成す
ることができる。
【0015】上記のとおりの本発明においては、エコー
の成分の特徴を強め、かつ、非エコーの成分の特徴を弱
めたニューラルネットワーク入力用データを作成するよ
うになっているので、作成されたニューラルネットワー
ク入力用データはエコーと残響との差違がより際立った
ものとなる。よって、低S/N比のエコーに対しても、
エコーと残響との差違が明瞭なニューラルネットワーク
入力用データを作成することができる。このようなニュ
ーラルネットワーク入力用データの作成は、受信信号の
周波数分析に瞬時周波数分解能の高い手法を用いること
で実現できる。本発明では、周波数分析にウィグナー分
布処理またはARモデル分布推定処理を用いており、こ
れらの処理はいずも従来用いられていたFFT法に比べ
て瞬時周波数分解が高い。
【0016】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施形態について
図面を参照して説明する。
【0017】図1は、本発明の一実施形態の目標識別装
置の主要な構成を示すブロック図である。この目標識別
装置はアクティブソーナー装置であって、送受波部1、
前処理部2、ニューラルネットワーク処理部3からな
る。送受波部1は、直線状周波数変調した音波(以下、
LFM波)を送信し、目標からのその反射波を受信す
る。前処理部2は、送受波部1にて受信された信号から
ニューラルネットワーク入力用データを作成する。ニュ
ーラルネットワーク処理部3は、エコー(目標からの反
射波)と残響(目標以外のものからの反射)の特徴を学
習させた、複数のユニットの結合により構成されたニュ
ーラルネットワークを用いて、前処理部2から入力され
るニューラルネットワーク入力用データがエコーである
のか、残響であるのかを識別し、その結果を出力する。
送受波部1およびニューラルネットワーク処理部3は、
周知の構成のものであり、前述の従来例で示したものを
用いることができる。
【0018】本形態の特徴は、前処理部2における処理
にある。前処理部2は、送受波部1にて受信された信号
に、瞬時周波数分解能の高い周波数分析処理を施してス
ペクトルデータを得るように構成されており、これによ
り、低S/N比のエコーと残響との差違を際立たせたニ
ューラルネットワーク入力用データの作成が可能になっ
ている。この前処理部2の主な構成は、周波数分析処理
部21、抽出処理部22、積分処理部23および正規化
処理部24からなる。以下、この前処理部2の各部の動
作を説明する。
【0019】まず、周波数分析処理部21の動作を説明
する。図2に、周波数分析処理部21における周波数分
析処理を模式的に示す。周波数分析処理部21は、送受
波部1にて受信された受信信号aから時間長Tの受信信
号bを時間τ1だけ繰り返しずらしながら順次取り出す
とともに、その取り出した受信信号bのそれぞれについ
て、ウィグナー分布法による周波数変換処理を行ってス
ペクトルデータcを求める。
【0020】このウィグナー分布法の演算イメージを図
3に示す。ウィグナー分布法では、まず、受信信号bの
前半のデータb1と後半のデータb2とを掛け合わせて
データb3を作成し、このデータb3にさらにFFT処
理を施す。例えば、受信信号bがX0(N=128ポイ
ント)のデータである場合、まず、N/2ポイントのデ
ータX1を作成し、これにNポイントのFFT処理を施
す。
【0021】データX1(k)は、k=0のとき、 X1real(k)=X0real(N/2)×X0real(N/
2)+X0imag(N/2)×X0imag(N/2) X1imag(k)=X0imag(N/2)×X0real(N/
2)−X0real(N/2)×X0imag(N/2) となり、k=1〜N/2−1のとき、 X1real(k)=X0real(N/2+k)×X0
real(N/2−k)+X0imag(N/2+k)×X0
imag(N/2−k) X1imag(k)=X0imag(N/2+k)×X0
real(N/2−k)−X0real(N/2+k)×X0
imag(N/2−k) となる。
【0022】このウィグナー分布法の瞬時周波数分解能
はFFT法よりも高い。図4(a)は、FFT法によっ
て得られたスペクトル、図4(b)はウィグナー分布法
によって得られたスペクトルで、両方とも同じ受信信号
のデータから演算されたものである。図4(a)、
(b)のスペクトルを比較すると、FFT法によるもの
より、ウィグナー分布法によるものの方がシャープであ
ることが分かる。
【0023】続いて、抽出処理部22の抽出処理につい
て、図5を参照して具体的に説明する。この抽出処理で
は、まず、上記の周波数分析処理部21で求められた各
スペクトルデータcの、所定の周波数部分のスペクトル
データc’を順に取り出す。ここで、所定の周波数部分
とは、LMF波の掃引周波数の中心周波数を中心とし
て、LFM波の掃引周波数幅FWに、目標と音源との相
対速度によって生じるドップラー周波数の予測最大値と
後述の積分処理部23で必要とされる周波数幅とを加え
たマージン周波数幅λを加えた周波数部分(FW+2
λ)である。次いで、その取り出されたスペクトルデー
タc’から、LFM波のパルス長PWに後述の積分処理
部23における積分時間τ3を加えた時間(PW+τ
3)分に相当する数のスペクトルデータを、時間τ2だ
け繰り返しずらしながら取り出して、「周波数−振幅−
時間」の3次元データを作成する。
【0024】積分処理部23は、図6に示すように、抽
出処理部22で抽出された3次元データから掃引周波数
線を中心とする周波数幅w1において、掃引周波数線の
傾斜方向の積分処理を掃引周波数線に沿って積分時間τ
3で順次行い、エコー成分の特徴を強くし、かつ非エコ
ー成分の特徴を弱くした積分データを作成する。
【0025】正規化処理部24は、次式に従って積分デ
ータの最大値が1となるように正規化処理を行って、ニ
ューラルネットワーク入力用データを作成する。このニ
ューラルネットワーク入力用データが、ニューラルネッ
トワーク処理部3に入力される。
【0026】 A’ij=(Aij−Min)/(Max−Min) ここで、Aは積分データレベルを示し、添字i、jはそ
れぞれ時間、周波数を示す。また、Min、Maxはそ
れぞれ積分データの最小レベル、最大レベルを示し、
A’はニューラルネットワーク入力用データのレベルを
示す。
【0027】図7(a)は、上述のウィグナー分布法に
より得られたニューラルネットワーク入力用データの一
例、図7(b)は従来のFFT法により得られたニュー
ラルネットワーク入力用データの一例で、両方とも同じ
受信信号のデータから演算されたものである。これらの
比較から分かるように、ウィグナー分布法のものは、F
FT法のものに比べて、エコー成分の特徴が強く、かつ
非エコー成分の特徴が弱くなったものとなっている。
【0028】ニューラルネットワーク処理部3では、上
記正規化処理部24にて作成されたニューラルネットワ
ーク入力用データが入力され、エコーと残響の特徴を学
習させたニューラルネットワークを用いて、そのニュー
ラルネットワーク入力用データがエコーであるのか、残
響であるのかの識別が行われる。ニューラルネットワー
クには、例えば前述の層状モデルのものを適用すること
ができ、また、ニューラルネットワークの学習について
も、周知の手法、例えば前述の特開平8-152472号公報の
ものにおける学習を適用することができる。一例とし
て、図8に、その公報に記載の学習を適用した例を示
す。
【0029】図8において、ニューラルネットワーク
は、入力層、中間層、出力層の3つの層からなる階層構
造を有し、各層間でそれぞれの層のユニットが相互に全
て結合されている。このニューラルネットワークの学習
は、まず、入力層の各ユニットへニューラルネットワー
ク入力用データを入力し、この入力データに基づき出力
層の出力値を算出する。続いて、その出力値と入力層に
入力したパターンが何であるかを示す教師信号との差を
誤差として算出する。そして、この誤差に基づいてユニ
ット間の重みとユニット間の閾値を更新する。この一連
の処理を、誤差がある閾値以下の値になるまで繰り返し
行い、重みと閾値の最適値を決定する。この学習処理は
予め行われる。
【0030】ニューラルネットワーク処理部3では、上
記学習により重みと閾値が決定されたニューラルネット
ワークに前処理部2で作成されたニューラルネットワー
ク入力用データを入力してその出力値を演算し、その演
算結果を基にエコーであるか、残響であるかの判断が行
われる。この判断は、出力値が学習処理で使用した教師
信号のどれに近いかを判断することにより行われる。
【0031】(他の実施形態)上述の実施形態は周波数
分析処理にウィグナー分布法を用いているが、このウィ
グナー分布法に代えてARモデル推定法を用いることも
できる。ここで、ARモデル推定法は、時系列モデルの
1つである周知のARモデル(自己回帰モデルともい
う)を用いたスペクトル推定法である。
【0032】図9は、本発明の他の実施形態の目標識別
装置の主要な構成を示すブロック図である。この目標識
別装置は、周波数分析処理部21に代えてARモデル推
定処理部21’が設けられた以外は、前述の図1に示し
た構成と同じものである。図9中、図1に示したものと
同じのものには同じ符号を付し、ここでは、それらの詳
細な説明は省略する。
【0033】ARモデル推定処理部21’は、送受波部
1にて受信された受信信号(時系列信号)から時間長T
の受信信号を時間τ1だけ繰り返しずらしながら順次取
り出すとともに、その取り出した受信信号(時系列信
号)のそれぞれについて、ARモデル推定法による周波
数変換処理を行ってスペクトルデータを求める。このス
ペクトルデータに基づいて、上述の抽出処理部22、積
分処理部23および正規化処理部24における一連の処
理が行われ、ニューラルネットワーク入力用データが作
成される。
【0034】以上説明した各実施形態では、受信信号を
周波数分析する手法としてウィグナー分布法、ARモデ
ル分布推定法を用いた例を説明したが、本発明は、これ
に限定されるものではなく、目標からの反射波であるエ
コーの成分の特徴を強め、かつ、非エコーの成分の特徴
を弱めたニューラルネットワーク入力用データを作成す
ることができるのであれば、どのような構成のものを適
用してもよい。
【0035】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、エコー
と残響との差違をより際立たせたニューラルネットワー
ク入力用データを作成することができるので、従来のも
のと比べて誤目標率の低減を図ることができる。
【0036】加えて、低S/N比のエコーに対しても、
エコーと残響との差違が明瞭なニューラルネットワーク
入力用データを作成することができるので、低S/N比
のエコーに対する目標識別精度の向上を図ることがで
き、また低S/N比のエコーの検出率をより高めること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態の目標識別装置の主要構成
を示すブロック図である。
【図2】図1に示す周波数分析処理部にて行われる周波
数分析処理を説明するための模式図である。
【図3】ウィグナー分布法の演算イメージを示す模式図
である。
【図4】(a)は、FFT法によって得られたスペクト
ルを示す図、(b)はウィグナー分布法によって得られ
たスペクトルを示す図である。
【図5】図1に示す抽出処理部にて行われる抽出処理を
説明するための模式図である。
【図6】図1に示す積分処理部にて行われる積分処理を
説明するための模式図である。
【図7】(a)は、ウィグナー分布法により得られたニ
ューラルネットワーク入力用データの一例を示す図、
(b)はFFT法により得られたニューラルネットワー
ク入力用データの一例を示す図である。
【図8】図1に示す目標識別装置に特開平8-152472号公
報に記載の学習機能を適用した例を示すブロック図であ
る。
【図9】本発明の他の実施形態の目標識別装置の主要な
構成を示すブロック図である。
【図10】特開平5-297114号公報に記載のソナー信号処
理装置の主要構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
1 送受波部 2 前処理部 3 ニューラルネットワーク処理部 21 周波数分析処理部 21’ ARモデル推定処理部 22 抽出処理部 23 積分処理部 24 正規化処理部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01S 7/00 - 7/64 G01S 15/00 - 15/96 G01S 17/00 - 17/95 G01S 13/00 - 13/95

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 周波数変調した音波を送信し、該送信波
    に関する目標からの反射波を受信する送受波手段と、 前記送受波手段にて受信される信号を周波数分析して、
    前記目標からの反射波であるエコーの成分の特徴を強
    め、かつ、非エコーの成分の特徴を弱めたニューラルネ
    ットワーク入力用データを作成する前処理手段と、 前記ニューラルネットワーク入力用データを入力とする
    所定のニューラルネットワークを有し、該ニューラルネ
    ットワークの出力から前記ニューラルネットワーク入力
    用データがエコーであるか、非エコーであるかを識別す
    るニューラルネットワーク処理手段とを有し、 前記前処理手段は、 前記送受波手段にて時系列に受信された信号から、所定
    の時間長の受信信号を所定時間だけ繰り返しずらしなが
    ら取り出すとともに、その取り出した受信信号のスペク
    トルデータをそれぞれ求める周波数分析処理手段と、 前記周波数分析処理手段にて求められたスペクトルデー
    タのそれぞれから、前記送信波の掃引周波数幅に所要の
    マージンを加えた周波数部分のスペクトルデータを時系
    列に取り出すとともに、その取り出したスペクトルデー
    タから、前記送信波のパルス長に所定の積分時間を加え
    た時間分に相当するスペクトルデータ群を所定時間だけ
    繰り返しずらしながら取り出して、その取り出したスペ
    クトルデータ群について周波数、スペクトル振幅、時間
    を各軸にとった3次元データを作成する抽出処理手段
    と、 前記抽出処理手段にて作成された3次元データを、前記
    送信波の掃引周波数線を中心とする所要周波数幅で、前
    記掃引周波数線に沿ってその傾斜方向に前記所定の積分
    時間単位に積分処理を順次行って積分データを得る積分
    処理手段と、 前記積分データを正規化し、これを前記ニューラルネッ
    トワーク入力用データとして出力する正規化手段とを有
    する 目標識別装置。
  2. 【請求項2】 周波数変調した音波を送信し、該送信波
    に関する目標からの反射波を受信する第1のステップ
    と、 前記受信信号を周波数分析して、前記目標からの反射波
    であるエコーの成分の特徴を強め、かつ、非エコーの成
    分の特徴を弱めたニューラルネットワーク入力用データ
    を作成する第2のステップと、 所定のニューラルネットワークを用いて前記ニューラル
    ネットワーク入力用データがエコーであるか、非エコー
    であるかを識別する第3のステップとを含み、 前記第2のステップは、 前記第1のステップにて時系列に受信された信号から、
    所定の時間長の受信信号を所定時間だけ繰り返しずらし
    ながら取り出すとともに、その取り出した受信信号のス
    ペクトルデータをそれぞれ求めるステップと、 前記求めたスペクトルデータのそれぞれから、前記送信
    波の掃引周波数幅に所要のマージンを加えた周波数部分
    のスペクトルデータを時系列に取り出すとともに、その
    取り出したスペクトルデータから、前記送信波のパルス
    長に所定の積分時間を加えた時間分に相当するスペクト
    ルデータ群を所定時間だけ繰り返しずらしながら取り出
    して、その取り出したスペクトルデータ群について周波
    数、スペクトル振幅、時間を各軸にとった3次元データ
    を作成するステップと、 前記3次元データを、前記送信波の掃引周波数線を中心
    とする所要周波数幅で、前記掃引周波数線に沿ってその
    傾斜方向に前記所定の積分時間単位に積分処理を順次行
    って積分データを得るステップと、 前記積分データを正規化し、これを前記ニューラルネッ
    トワーク入力用データとして出力するステップとを含む
    目標識別方法。
JP2000088793A 2000-03-28 2000-03-28 目標識別装置および目標識別方法 Expired - Fee Related JP3503694B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000088793A JP3503694B2 (ja) 2000-03-28 2000-03-28 目標識別装置および目標識別方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000088793A JP3503694B2 (ja) 2000-03-28 2000-03-28 目標識別装置および目標識別方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2001281328A JP2001281328A (ja) 2001-10-10
JP3503694B2 true JP3503694B2 (ja) 2004-03-08

Family

ID=18604620

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000088793A Expired - Fee Related JP3503694B2 (ja) 2000-03-28 2000-03-28 目標識別装置および目標識別方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3503694B2 (ja)

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1607604B1 (en) * 2004-05-31 2008-07-16 STMicroelectronics S.r.l. Soft-computing method for establishing the heat dissipation law in a diesel common rail engine
JP5327699B2 (ja) * 2008-09-29 2013-10-30 Toto株式会社 人体検知装置及びそれを備えた小便器
KR101104200B1 (ko) 2010-07-21 2012-01-09 국방과학연구소 표적 기동 분석을 위한 다중 주파수 융합 장치 및 방법
JP2012194011A (ja) * 2011-03-16 2012-10-11 Nec Corp Fm−cwレーダ装置及びそれに用いる移動目標信号検出方法
CN112327293B (zh) * 2020-10-20 2023-05-23 西北工业大学 一种基于分形特征智能学习的海面目标检测方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2001281328A (ja) 2001-10-10

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5923282A (en) Radar system
JP2007507691A (ja) ソナー・システムおよびプロセス
JP2012122727A (ja) 底質判別装置、超音波探知機、パラメータ設定方法及びパラメータ設定プログラム
CN101238992A (zh) 基于相关性分析的超声成像系统自适应波束形成器
US7532152B1 (en) Automotive radar system
JP3503694B2 (ja) 目標識別装置および目標識別方法
CN113376611A (zh) 基于雷达天线阵元的微动目标运动参数检测方法
US5544657A (en) Ultrasound blood flow monitor of the non-doppler type
CN105676211B (zh) 一种基于降秩技术的多亮点目标时空检测方法
JP3871875B2 (ja) 目標類別方法及び装置
CN113792755B (zh) 一种小波深度图像融合环境感知与目标识别方法
JP2990237B2 (ja) 目標信号自動検出方法および装置
JP2910727B2 (ja) 目標信号検出方法及び装置
JP2806814B2 (ja) 目標自動検出方式
JP2967721B2 (ja) 目標信号検出方法
JPH0843539A (ja) 埋設物探知に用いる受信信号の処理方法
Wood et al. A new method for processing passive sonar data
JP2834071B2 (ja) 目標信号自動検出方法および装置
CN113204025B (zh) 车身状态的确定系统及方法
JPH10246772A (ja) レーダ・システム診断装置
JPH05297114A (ja) ソナー信号処理装置
CN112487887B (zh) 一种提高主动目标检测信噪比的方法
JPH0854379A (ja) 画像信号処理方法及び装置
KR102128006B1 (ko) 능동 펄스 식별 장치 및 방법
JP2972939B2 (ja) 超音波式対象物判別装置および超音波式対象物判別方法および超音波式対象物判別装置におけるニユーラルネツトワーク形成方法

Legal Events

Date Code Title Description
A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20031202

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20071219

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081219

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091219

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091219

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101219

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101219

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111219

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111219

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121219

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121219

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131219

Year of fee payment: 10

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees