JP2806814B2 - 目標自動検出方式 - Google Patents

目標自動検出方式

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JP2806814B2
JP2806814B2 JP6296179A JP29617994A JP2806814B2 JP 2806814 B2 JP2806814 B2 JP 2806814B2 JP 6296179 A JP6296179 A JP 6296179A JP 29617994 A JP29617994 A JP 29617994A JP 2806814 B2 JP2806814 B2 JP 2806814B2
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隆広 加藤
直人 本間
嘉継 大道
智 高橋
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  • Theoretical Computer Science (AREA)
  • Measurement Of Velocity Or Position Using Acoustic Or Ultrasonic Waves (AREA)
  • Radar Systems Or Details Thereof (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、音波や電磁波を発信し
てその発信信号に対する目標からの反響信号を検出する
装置に関し、特に反響信号の中から目標らしき反響信号
を自動検出し、更にこの反響信号がどのような物体から
反射されたものであるかを判別する目標自動検出方式に
関する。
【0002】
【従来の技術】音波や電磁波を発信し、その発信信号に
対する目標からの反響信号を検出する装置では、従来、
反響音から振幅、ドップラー、距離、方位等の情報を抽
出し、例えばこの反響音が生じた方位、距離に対応する
位置を反響音の強度に対応した階調で表示器上に表示す
る。そして、観測者がこの表示器上の表示内容を視認に
より反響音の持つ強さや広がり等の特徴を把握したうえ
で目標とする物体からの反響音であるか否かを判別する
方法と、観測者が直接音を耳で聞き、反響音の音色等の
特徴から、目標とする物体からの反響音であるか否かを
判別する方法とを併用して目標の検出を行っていた。
【0003】しかしながら、この方法は観測者の目や耳
を用いた複雑なパターンの認識となり、定量的に画一的
な判断を行う事が困難である。よって、適確な判断を行
うには、画像のパターン形状や音色のパターン形状の差
を認識、区別出来る経験を積んだ観測者が必要となる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記の目標検出方式で
は、目標検出の精度は、観測者の知識や経験に依存す
る。よって、観測者の知識や経験にもとづく判断を自動
的に行なう為には、次のような手法が必要となる。すな
わち、熟練した観測者が目標を判断する上で行なってい
る思考過程、例えば反響音のどのような情報を、またそ
の情報のどの部分の特徴を使用して判断しているかを明
確にする手法(以下、これを「特徴素の抽出」と称す
る)が必要である。また、これらの特徴素に対する感覚
的な判断基準を、数値的な尺度に変換する手法(以下、
これを「特徴素の定量化」と称する)も必要となる。し
かしながら、これら手法を実際にどのように構成するか
が問題となっている。
【0005】そのため、目標自動検出処理方法として、
例えばパターンマッチング等によって画一的に検出しよ
うとする方法も考えられるが、自動検出に供されるデー
タは、探知距離、目標が正対しているかどうか等の相対
関係(以下、これを「対勢」と称する)や海中の音場状
態等の影響を除いたものであることが必要である。
【0006】しかし、反響音の振幅、ドップラー、方
位、距離等の各情報は、反響音が生じた距離により反響
音が減衰する為、同一の目標であっても、その都度得ら
れる情報の組み合わせだけでなく、情報の内容までが異
なることがある。また、探知目標の対勢によっては同一
探知目標であっても反響音の振幅構造が異なることがあ
り、海中の音場で生ずる雑音を抑圧する手法によって反
響音に歪が生ずることがある。従って、生のデータたる
反響音はそのまま直接使用することはできず、均一化す
る手段が必要であるが、これら手法をどのように構成す
るかが問題となっている。
【0007】一方、上記方法とは別に、受信信号に各種
処理を施すことにより目標を検出する方法も種々提供
(例えば、特開平3−87681号)されているが、い
ずれも目標の検出のみにとどまり、目標がどのような物
体かを判別するまでには至っていない。
【0008】本発明は、このような問題点を解決すべく
なされたもので、生のデータたる反響音をそのまま直接
使用して、所望とする目標からの反響音を検出すると共
に、この反響音がどのような物体から生じたものかを判
別することのできる目標自動検出方式を提供することを
目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、音波や
電磁波を発信しその発信信号に対する目標からの反響信
号を検出する装置において、前記反響信号の受信信号を
所定の区間切り出して前記反響信号のスペクトルにより
特徴づけられる検出用パターンに変換して出力する前処
理部と、前記検出用パターンと所望の出力との関係を学
習したうえでニューラルネットワークのアルゴリズムを
実行して前記検出用パターンがどのような物体から反射
されたものであるか判別するニューラルネットワーク判
定部とを備え、前記前処理部の第2の例として、前記反
響信号の受信信号を、時系列に短時間の区間で分割し、
短時間の区間データを順次周波数変換して反響信号のス
ペクトルを求める周波数変換処理部と、この短時間区間
毎のスペクトル出力を時系列に並べて受信した反響信号
の長さに相当する区間切り出して、検出用パターンとす
る切り出し処理部と、切り出した検出用パターンを周波
数軸方向の隣り合うスペクトル間で差をとる周波数軸方
向の微分処理を行うと共に、同一スペクトルの時間軸方
向の隣り合うスペクトル間で差をとる時間軸方向の微分
処理を行う特徴強化処理部と、この特徴強化処理を行っ
た検出用パターンの出力レベルを0〜1の範囲で正規化
するレベル正規化処理部とを有する事を特徴とする目標
自動検出方式が提供される。
【0010】
【0011】
【0012】
【作用】本発明は、反響信号から特徴素を自動抽出する
と共に、この特徴素を自動的に定量化したうえで所望の
目標からの反響信号検出及び目標物体の判別を行うもの
である。
【0013】
【0014】
【0015】
【0016】本発明による前処理部では、反響音の受信
信号を時系列で短時間の区間に分割し、この短時間の区
間データを順次周波数変換して反響音のスペクトルを求
めると共に、信号対雑音比の改善をはかる。こうして得
られた短時間毎のスペクトル出力を時系列に並べて、受
信した反響音の長さに相当する区間を切り出すことによ
り周波数軸及び時間軸の構造を表す検出用パターンを生
成する。更に、生成された検出用パターンに対して、周
波数軸方向の隣り合うスペクトル間で差をとる周波数軸
方向の微分処理と、同一スペクトルの時間軸方向の隣り
合うスペクトル間で差をとる時間軸方向の微分処理とを
行うことによって、スペクトルの周波数軸上の変化及び
時間軸上の変化を強調する特徴強化処理を行う。更に、
特徴強化された検出用パターンの出力レベルをニューラ
ルネットワークの入力条件に合わせるために、0〜1の
範囲で正規化してこれを検出用パターンとする。この前
処理によってニューラルネットワークの学習の効率化と
認識率の向上をはかることができる。
【0017】
【実施例】次に、本発明について図面を参照して説明す
る。図1は、本発明の第1の実施例による目標自動検出
方式のブロック図である。本実施例は、反響音受信部1
で受信された受信信号を、認識率の向上と区別する反響
音や雑音の学習の効率化のために、検出用パターンに変
換する前処理部2と、この検出用パターンを入力パター
ンとして所望の出力との関係を学習させる学習処理を行
なったうえで新たに入力される検出用パターンを分離あ
るいは判別するニューラルネットワーク判定部3とから
構成される。
【0018】図2を参照して前処理部2の参考例につい
て説明する。反響音受信部1からの受信信号は、周波数
変換処理部201において時系列に短時間の区間で分割
され、更にこの短時間の区間のデータが周波数に変換さ
れて反響音のスペクトルが求められる。その際、各種周
波数成分を持つ雑音は、周波数に変換されることにより
雑音の持つエネルギーが各スペクトルに分散され、その
結果、周波数領域における雑音レベルが低減される。こ
れに基づき信号対雑音比が改善される。この周波数変換
処理部201には、フーリエ変換等の周波数変換方式を
適用する。
【0019】周波数変換処理部201から時系列で出力
されるスペクトル出力は、切り出し処理部202で受信
した反響音の長さに相当する区間で切り出されて検出用
パターンが生成される。切り出し処理部202で生成さ
れた検出用パターンは、レベル正規化処理部203にて
ニューラルネットワーク判定部3の入力条件に合わせる
ために、0〜1の範囲でスペクトルレベルの正規化が行
われる。
【0020】スペクトルレベルの正規化では、まず検出
用パターン内のスペクトルレベルの最大値MAXを検出
し、この最大値MAXにて各スペクトルレベルを割る。
【0021】A′ f t =A f t /MAX ここで、Aは検出用パターン内のスペクトルレベルを示
し、添字tは時間、添字fは周波数を示し、A′は正規
化後のスペクトルレベルである。
【0022】次に、図3を参照してニューラルネットワ
ーク判定部3における学習動作について説明する。本実
施例で使用するニューラルネットワークの構成は、3層
(入力層,中間層,出力層)の階層型で、各層間のユニ
ットは相互に全て結合されている。勿論、ニューラルネ
ットワークの構成は、3層に限定されるものではない。
【0023】図4はある層のi番目のユニットにおける
入出力関係を示した図であり、ユニットiの内部状態X
i は次の数式1で表わされる。
【0024】
【数1】 但し、Ij は入力、Wj はユニット間の重み、θi はユ
ニット間の閾値を表わす。
【0025】ユニットiの出力Oi はまた次の式で表わ
される。
【0026】Oi =f(Xi ) 関数f(Xi )には、通常、図5に示すようなシグモイ
ド関数が用いられる。
【0027】学習動作の手順は、周知のように、ニュー
ラルネットワークの入力層各ユニットへ、前処理部2の
レベル正規化処理部203で生成された検出用パターン
のスペクトルレベルを入力する。ニューラルネットワー
クでは、この入力データに基づきニューラルネットワー
ク出力層の出力値を算出する。
【0028】次に、この出力値と入力層に入力したパタ
ーンが何であるかを示す教師信号との差を誤差として算
出する。そしてこの誤差に基づきユニット間の重み(W
i )とユニット間の閾値(θi )を更新する。
【0029】以上の説明で明らかなように、更新の方法
としてはバックプロパゲーション法を使用する。
【0030】学習動作はこの一連の処理の誤差がある閾
値以下の値となるまで繰り返され、重みと閾値の最適値
が決定される。
【0031】次に、図6を参照して実際の判定動作につ
いて説明する。ニューラルネットワークによる判定動作
では、前処理部2において生成された検出用パターンを
ニューラルネットワークアルゴリズムにより分類する。
すなわち、学習処理動作と同様に前処理部2のレベル正
規化処理203で生成された検出用パターンのスペクト
ルレベルをニューラルネットワークの入力層の各ユニッ
トに入力する。
【0032】ニューラルネットワークは、学習処理動作
により決定されたユニット間の重み(Wi )及びユニッ
ト間の閾値(θi )をもとにこの入力データに対して出
力値を算出しこれを判別結果として出力する。入力デー
タがどのようなパターンによるものであるかを判断する
には、この判別結果出力値が学習処理において使用した
教師信号のどれに近いかを判別する事により可能とな
る。すなわち、学習処理において、教師信号として与え
られるパターンの種別により所望の目標からの反響音を
検出するだけでなく、目標がどのような物体であるかの
判別を行うこともできる。
【0033】図7を参照して本発明の特徴部分である前
処理部について説明する。なお、図2と同じ部分には同
一番号を付している。この前処理部2′では、反響音受
信部1からの受信信号は、周波数変換処理部201にお
いて時系列に短時間の区間で分割され、更にこの短時間
の区間のデータが周波数に変換されて反響音のスペクト
ルが求められる。その際、各種周波数成分を持つ雑音
は、周波数に変換されることにより雑音の持つエネルギ
ーが各スペクトルに分散され、その結果、周波数領域に
おける雑音レベルが低減される。これに基づき信号対雑
音比が改善される。
【0034】周波数変換処理部201から時系列で出力
されるスペクトル出力は、切り出し処理部202で受信
した反響音の長さに相当する区間で切り出されて検出用
パターンが生成される。切り出し処理部202で生成さ
れた検出用パターンは、時間軸方向微分処理部204と
周波数軸方向微分処理部205とにより特徴強化処理さ
れる。すなわち、時間軸方向微分処理部204と周波数
軸方向微分処理部205とは、特徴強化処理部として作
用する。
【0035】時間軸方向微分処理部204では、下記の
式に基づいて、同一スペクトルの時間軸方向で隣り合う
スペクトル間の差をとることにより、時間軸上のスペク
トルレベルの変化を強調する。
【0036】ΔA(t) f t =A f t −A f t+1 ここで、Aは検出用パターン内のスペクトルレベルを示
し、添字tは時間、添字fは周波数を示し、ΔA(t) は
時間軸方向で微分されたスペクトルレベルである。
【0037】一方、周波数軸方向微分処理部205で
は、下記の式に基づいて、周波数軸方向の隣り合うスペ
クトル間の差をとることにより、周波数軸上のスペクト
ルレベルの変化を強調する。
【0038】ΔA(f) f t =A f t −A f+1 t ここで、ΔA(f) は周波数軸方向で微分されたスペクト
ルレベルである。
【0039】時間軸方向微分処理部204で時間微分さ
れた検出用パターンと周波数軸方向微分処理部205で
周波数微分された検出用パターンは、レベル正規化処理
部203′にてニューラルネットワーク判定部3の入力
条件に合わせるために、0〜1の範囲でスペクトルレベ
ルの正規化が行われる。
【0040】スペクトルレベルの正規化では、まず検出
用パターン内の微分されたスペクトルレベルに対して絶
対値をとり、最大値(|MAX|)を検出し、この最大
値(|MAX|)を使用して以下の数式2,数式3によ
りスペクトルレベルの正規化を行う。
【0041】
【数2】
【0042】
【数3】 ここで、ΔA(t) ′,ΔA(f) ′はそれぞれ、正規化後
のスペクトルレベルである。
【0043】次段のニューラルネットワーク判定部3に
おける動作は、前述した動作と同じであるので説明は省
略する。
【0044】
【発明の効果】以上説明したように本発明の目標自動検
出方式は、周波数軸及び時間軸のスペクトル構造に着目
した検出用パターンを生成し、さらに特徴強化、正規化
を行う事により、ニューラルネットワークの認識率の向
上及び学習の効率化がはかれると共に、ニューラルネッ
トワークを適用する事により特徴素の抽出及び定量化が
学習により行なえるので、反響音の受信信号から直接目
標の分類が可能となるという効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す目標自動検出方式のブ
ロック図である。
【図2】図1における前処理部の参考例を示すブロック
図である。
【図3】図1におけるニューラルネットワーク判定部の
学習処理動作を説明するための図である。
【図4】図3におけるニューラルネットワークのひとつ
のユニットを説明するための図である。
【図5】図4におけるユニットの入出力関数の一例を示
した図である。
【図6】図1におけるニューラルネットワーク判定部の
実際の判定動作を説明するための図である。
【図7】図1における前処理部の本発明による構成を
すブロック図である。
【符号の説明】
1 反響音受信部 2、2´ 前処理部 3 ニューラルネットワーク判定部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高橋 智 東京都港区芝五丁目7番1号 日本電気 株式会社内 (56)参考文献 特開 平4−147078(JP,A) 特開 平6−43238(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G01S 7/00 - 7/64 G01S 13/00 - 15/96

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 音波や電磁波を発信しその発信信号に対
    する目標からの反響信号を検出する装置において、前記
    反響信号の受信信号を所定の区間切り出して前記反響信
    号のスペクトルにより特徴づけられる検出用パターンに
    変換して出力する前処理部と、前記検出用パターンと所
    望の出力との関係を学習したうえでニューラルネットワ
    ークのアルゴリズムを実行して前記検出用パターンがど
    のような物体から反射されたものであるか判別するニュ
    ーラルネットワーク判定部とを備え、前記前処理部は、
    前記反響信号の受信信号を、時系列に短時間の区間で分
    割し、短時間の区間データを順次周波数変換して反響信
    号のスペクトルを求める周波数変換処理部と、この短時
    間区間毎のスペクトル出力を時系列に並べて受信した反
    響信号の長さに相当する区間切り出して、検出用パター
    ンとする切り出し処理部と、切り出した検出用パターン
    を周波数軸方向の隣り合うスペクトル間で差をとる周波
    数軸方向の微分処理を行うと共に、同一スペクトルの時
    間軸方向の隣り合うスペクトル間で差をとる時間軸方向
    の微分処理を行う特徴強化処理部と、この特徴強化処理
    を行った検出用パターンの出力レベルを0〜1の範囲で
    正規化するレベル正規化処理部とを有する事を特徴とす
    る目標自動検出方式
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