JP3785715B2 - 目標検出装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ソーナー、レーダー等、時間的に、または周波数的に振幅値が変動している複数の受信信号列から、各受信信号列の同位置に定常的に存在している物体を目標物体として検出するための目標検出装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、ソーナー、レーダー等、一定の領域に音波、または電波を複数回に亘って送信し、この送信に対する応答としての反射音波、または反射電波としての受信信号列中から、各受信信号列中の同位置に定常的に存在している物体を目標物体として検出するための目標検出装置がこれまでに知られている。一般に、受信信号は、目標とする物体(以下、目標と称す)からの反射信号(以下、目標信号と称す)の他に、目標以外(海面、海底および海中の散乱体等)からの、各受信信号毎にランダムに発生する反射信号、更には、雑音から構成されたものとなっている。その目標検出装置では、目標信号以外の反射信号や雑音が効果的に抑圧された状態として、目標信号が状態良好に検出された上、可視表示されているわけであるが、このような目標信号の検出・表示技術に関しては、重要な技術として従来より研究が進められているのが実情である。例えば「科学計測のための波形データ処理」(南茂夫編著、1995年8月1日 CQ出版社発行:pp105〜106)に記載された積算平均化法が知られている。積算平均化法とは、同一条件の下で、繰り返し測定される多数の波形を対象として、各波形の同一測定位置に対する集合平均化(単純平均化)を行う手法であり、これを、簡単ながら説明すれば以下のようである。
【0003】
即ち、図26に積算平均化法の原理を示す。各グラフの横軸は時間(あるいは音波、または電波の単位当たりの伝搬距離を乗じることにより求まる距離)、縦軸は振幅値の大きさを表す。図示のように、1回目の測定波形X1(t)、2回目の測定波形X2(t)、… … …、K回目の測定波形XK(t)、積算平均化結果z(t)がそれぞれ示されているが、それら測定波形X1(t)〜XK(t)において、目標信号は時刻t2 に存在する場合が想定されたものとなっている。1回目の測定波形X1(t)には、時刻t1 に目標信号以外の信号が偶発的に混入されているが、他の測定波形X2(t)〜XK(t)各々には、その時刻t1 に目標信号以外の信号が何等混入されていないことから、測定波形X1(t)〜XK(t)に対する積算平均化により目標信号以外の信号は、その分、抑圧される結果として、積算平均化結果z(t)では、時刻t2 における目標信号のみが顕在化された状態の波形として検出され得るものであり、また、その際に、積算平均後の振幅値からは、時刻t2 における目標信号についての平均的なSN比(=SNR)が併せて計算可とされているものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、積算平均化法による場合、目標信号についての平均的なSN比が併せて計算可とされているも、その位置に目標信号が定常的に存在しているか否かについての判定は困難となっている。以下の表1に受信信号列のある2点A,B各々についての、10回分に亘る振幅値の積算平均結果(平均SNR:単位はdB)を示す。
【0005】
【表1】
Figure 0003785715
【0006】
その表1から判るように、両地点A,Bともに積算平均結果として、平均SN比が6dBであるとの結果が得られているが、地点Aについて、目標信号が存在しているのは1回目の受信信号列のみであり、従って、地点Aに定常的に目標物体が存在しているとはいえないものとなっている。
【0007】
よって、本発明の目的は、時間的に、または周波数的に振幅値が変動している複数の受信信号列から、各受信信号列中の同一位置に定常的に存在している目標を検出するに際して、その目標の位置に併せてそのSN比が容易に認識可とされた目標検出装置を供するにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的は、目標検出装置が、ソーナー、レーダー等、音波、または電波が複数回に亘って送信信号として送信される度に、その送信信号各々に対する応答としての反射信号を受信信号列として受信した上、その受信信号列各々は映像信号に変換された状態で画像として表示されつつ、上記受信信号列各々からは、同一位置に定常的に存在している物体からの反射信号が目標信号として検出された上、その目標の位置が上記画像上に併せて表示されるべく構成されている場合に、目標の位置とその目標のSN比が画像上に同時に表示されるべく、受信信号列各々からその目標の位置とその目標のSN比を特定する処理を行う目標位置・SN比特定手段を少なくとも具備せしめることで達成される。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図1から図25により説明する。
先ず本発明の具体的説明に先立って、その理論的な背景について説明しておく。既に、これまでに、目標信号を非目標信号や雑音から効果的に弁別した上、その目標信号の検出性能をより向上させる方法としては、例えば、モラード―バーケット著による“シグナル―デティクション アンド エスティメーション 頁115〜174”(Mourad-Barket;SIGNAL-Detection & Estimation pp115〜174)に記載されたもの、即ち、尤度比(likelihood ratio)を用いた信号検出法が知られている。この信号検出法による場合、各地点の振幅値および周辺区間の分散値から尤度比が算出された上、予め設定された閾値との比較により目標信号が検出可とされているが、その原理は以下のようである。
【0010】
即ち、その信号検出法は統計的検定法の1つであり、仮説H0 :母集団分布の確率密度関数はf0 (x)である、を対立仮説H1 :母集団分布の確率密度関数はf1 (x)である、に対して検定する方式であり、その手順は観測値x1,x2,…を独立に1つずつ取り、観測値を取る度に、次の3通りの決定のうち、何れか1通りの決定を行うというものである。具体的には、m番目の観測値(m=1,2,…)に対し、以下の数式1で定義されている尤度比Λ(x)が求められる。
【0011】
【数1】
Figure 0003785715
【0012】
条件1:もしも、Λ(x)が以下の数式2を満たすならば、(m+1)番目の観測を行う。
【0013】
【数2】
Figure 0003785715
【0014】
条件2:もしも、Λ(x)が以下の数式3を満たすならば、観測値を取るのを止めH0 を採択する。
【0015】
【数3】
Figure 0003785715
【0016】
条件3:もしも、Λ(x)が以下の数式4を満たすならば、観測を止めH1 を採択する。
【0017】
【数4】
Figure 0003785715
【0018】
但し、それら数式2〜4中における閾値η1 ,η0 は第1種の誤り(H0 が正しいのにH0 を棄却する)、第2種の誤り(H1 が正しいのにH1 を棄却する)の確率がそれぞれα、βになるように選ばれる。尤も、α、βが小さい値であれば、閾値η1 ,η0 はそれぞれ近似的に以下の数式5として表現され得る。
【0019】
【数5】
Figure 0003785715
【0020】
さて、以上の信号検出法を目標信号の検出に適用する場合、
0(x):目標信号を含まない受信信号列の分布が従うべき確率密度関数
1(x):目標信号を含む受信信号列の分布が従うべき確率密度関数
観測値:複数の受信信号列中の同一時刻(あるいは位置)における振幅値x1,x2,…
として設定した上、以下の判定を行う。
【0021】
即ち、上記条件1を満たすならば、(m+1)番目の受信信号列の観測を行い、また、もしも、上記条件2を満たすならば、振幅値x1,x2,…の示す時刻(あるいは位置)に目標が存在しないと判定し、更に、上記条件3を満たすならば、振幅値x1,x2,…の示す時刻(あるいは位置)に目標が存在すると判定する。
【0022】
以下、ソーナー、レーダー等、送受波器が受信する受信信号の狭帯域フィルタ出力がレイリー分布に従う場合を例に採り、数式1で定義されている尤度比Λ(x)の具体的な設定方法を説明すれば、先ずレイリー分布は以下の数式6で表現される。
【0023】
【数6】
Figure 0003785715
【0024】
ところで、そのレイリー分布に従う受信信号列に対し、振幅値Aの正弦波信号が重畳された場合、出力xは以下の数式7として示すライス分布に従うことが知られている。
【0025】
【数7】
Figure 0003785715
【0026】
従って、目標信号を含まない受信信号列の分布が従うべき確率密度関数としてレイリー分布を、また、目標信号を含む受信信号列の分布が従うべき確率密度関数としてライス分布を代入することにより、尤度比Λ(x)は以下の数式8として具体的に定義され得るものである。
【0027】
【数8】
Figure 0003785715
【0028】
その数式8より、尤度比Λ(x)の値は3つのパラメータ、即ち、振幅値x、分散値σ2 、および受信信号列に重畳される信号振幅値Aから決定される。このうち、信号振幅値Aは、重畳される信号のSN比から求まる定数である。従って、受信信号が数式6として示すレイリー分布に従う場合、受信信号列中の任意の領域内の受信信号振幅値xおよびその周辺区間に含まれる受信信号振幅値の分散値σ2 から尤度比Λ(x)が求まり、数式5により予め定められた閾値η1 ,η0 との比較により、その領域に目標信号が存在するか否かの判定が可能となる。以下、検出対象としての受信信号振幅値が含まれている領域を目標捜索領域、分散値計算対象としての受信信号振幅値が含まれている領域を分散計算領域と記す。
【0029】
さて、図2には、レイリー分布形状、ライス分布形状およびこれら両者の比としての尤度比Λ(x)の変化が、横軸は振幅値、左縦軸は確率密度、右縦軸は尤度比として示されているが、本例では、ライス分布における信号振幅値Aとして、A=2.45(×σ:以下省略)が想定されており、また、図面の簡単化上、尤度比は対数尤度比lnΛ(x)として示されたものとなっている(以下、「尤度比Λ(x)」は対数尤度比lnΛ(x)を意味するものとする)。
【0030】
図3にはまた、尤度比Λ(x)とSN比の関係が、横軸はSN比(dB)、縦軸は尤度比Λ(x)として示されているが、これより、尤度比Λ(x)はSN比に対して単調増加傾向にあり、しかも、本例での場合(A=2.45)、約4dB以上のSN比に対して正の値をとることが判る。例えば閾値η1 ,η0 の算出式(数式5)にα=10-3(%)、β=10(%)を代入した場合、閾値η1 ,η0 は以下の数式9として得られる。
【0031】
【数9】
Figure 0003785715
【0032】
従って、定常的に4dB以上の信号が存在する領域では、複数の受信信号列に亘って大きい値の尤度比Λ(x)が算出され、複数受信信号の累積の結果、閾値η1 より大きくなった時点で、その領域に目標が存在していると判定し得るものである。これとは逆に、図26における時刻t1 のように、ある受信信号列のみに信号(非目標信号)が出現している領域については、その受信信号では一時的に大きい値の尤度比Λ(x)が算出されるが、他の受信信号列では信号が存在しないために尤度比Λ(x)の値が小さくなる結果として、その領域には目標が存在しないと判定し得るものである。換言すれば、累積尤度比Λ(x)(以下、「累積尤度比Λ(x)」は累加対数尤度比ΣlnΛ(x)を意味する)が閾値η0 より小さくなった時点で、その領域には目標が存在しないと判定し得るものである。
【0033】
以上の判定論理により、複数の受信信号列に亘り定常的に存在する目標の検出が可能となるものである。ただ、尤度比の原理をそのまま目標検出に適用しただけでは、その目標検出と同時に、その目標についての平均SN比算出は困難である。以下の表2には、受信信号列のある3点について各受信信号列におけるSN比と累積尤度比Λ(x)の変化とともに、各SNRに対する尤度比の算出値が参考として併せて示されているが、目標物体が存在すると判定された領域について、平均的なSN比を直接算出することは不可となっている。
【0034】
【表2】
Figure 0003785715
【0035】
なお、用いた尤度比算出式は数式8において、A=2.45を代入したものであり、尤度比Λ(x)は図3の対SN比特性を示す。
【0036】
その表2より判るように、各地点C,D,Eは定常的に5dB以上の信号が存在する領域であり、10回以内の受信信号列の累積でその領域に目標が存在すると判定されている。しかしながら、本検出法では、定常的にある一定値以上(本例では4dB以上)のSN比の信号が存在する領域は全て目標が存在すると判定されているため、目標が存在すると判定された領域について、平均的なSN比を直接算出することは不可となっている。
【0037】
そこで、以上の事情を踏まえ、本願発明者等は尤度比の原理を拡張し、上記尤度比を用いた目標検出処理に必要とされる手段に加え、目標信号を含む受信信号列の分布が従うべきライス分布の確率密度関数を目標信号のSN比に応じて複数設定することにより、複数の尤度比算出式を定義する手段と、検出された受信信号振幅値および算出された受信信号振幅値の分散値を各々の尤度比算出式に代入し、目標捜索領域に対する尤度比を算出する手段と、算出された尤度比を予め定めた閾値と比較し、閾値を上回る尤度比が算出された目標捜索領域に対して目標が存在すると判定する手段と、目標が存在すると判定された領域について、用いた尤度比算出式毎に分類する手段とを追加することにより、各受信信号列中の同一位置に定常的に存在している目標を検出すると同時に、その目標のSN比を算出する機能を有する目標検出装置を考案するに至ったものである。ここで、目標が存在すると判定された領域の平均的なSN比を算出する方法として、信号振幅値Aが異なるライス分布を用いた複数の尤度比算出式を設定する理由について述べれば以下のようである。
【0038】
即ち、一般に、レイリー分布に従う受信信号列に信号振幅値Aの信号が重畳された場合、その際でのSN比は以下の数式10として定義される。
【0039】
【数10】
Figure 0003785715
【0040】
例えば、図2では、信号振幅値Aとして、A=2.45が代入されているが、これは、数式10によりSN比=6dBの信号が重畳された場合に相当する。図2における横軸がSN比に変換されたグラフを図4に示す。そのグラフより6dB付近の確率密度が最も大きくなっていることが判る。また、図3に示す尤度比とSN比の関係より、A=2.45の場合は、SN比=4dB以上の信号に対して正の値の尤度比Λ(x)が算出されるのが判る。尤度比を用いた目標検出法では、各受信信号において算出される尤度比Λ(x)の累積結果と閾値との比較により目標が検出されており、この場合は、定常的に4dB以上の信号が存在する領域では常に正の値の尤度比Λ(x)が算出されるので、複数受信信号列の累積により目標の検出が可能となる。ここで、図5に、信号振幅値Aの値が異なる場合でのSN比と確率密度関数および尤度比Λ(x)の関係を示す。図中では、A=4.24(数式10よりSN比10dBに相当)を用いている。A=4.24の場合では、確率密度関数のピークはSN比10dB付近に位置し、また、尤度比Λ(x)はSN比=6dB以上の信号に対して正の値が算出される。
【0041】
以上より、ライス分布の分布形状を決定するパラメータ、即ち、信号振幅値Aは信号のSN比を表すと同時に、尤度比を用いて検出可能な信号のSN比の最小値を決定する。しかしながら、課題の項でも述べた通り、1つの信号振幅値Aでは、検出可能なSN比の下限は決定できるが、上限は決定できず、それ故、検出された目標信号の平均SN比の算出は困難になっている。そこで、信号振幅値Aの値を1つではなく、2つ以上設定することを考える。例えば、図5に示すように、A=2.45とA=4.24の2通り設定すれば、図5より、A=4.24の場合は、SN比=6dB以上の信号に対して、また、A=2.45の場合には、SN比=4dB以上の信号に対して正の値の尤度比が算出される。従って、4dB〜6dBの信号が定常的に存在する領域に対しては、A=2.45のライス分布の確率密度関数を尤度比算出式に用いた場合は、常に正の値の尤度比Λ(x)が算出されるため、複数受信信号の累積により目標信号として検出可能であるが、A=4.24の場合は、4dB〜6dBの信号が定常的に存在しても、算出される尤度比Λ(x)は負の値なので、閾値η1 を超えることはなく、目標信号としての検出は不可となる。一方、6dB以上の信号が定常的に存在する領域に対しては、Aの値が何れであっても正の値の尤度比Λ(x)が算出されるため、目標信号として検出可能である。換言すれば、尤度比算出式がA=2.45とA=4.24の2通りに設定された状態で目標検出処理が行われた場合、A=2.45の尤度比算出式では、目標信号として検出され得るも、A=4.24の尤度比算出式では、目標信号として検出され得なかった領域には、定常的に4〜6dBの信号が存在していると判断し得るものである。
【0042】
ところで、以上の例では、説明の簡単化上、信号振幅値Aは2通り分、設定されているが、一般に、信号振幅値Aが多数設定されることで、信号はそのSN比の大きさ毎に分類され得、また、信号振幅値A間の間隔が小さく設定される程に、信号はそのSN比の大きさが細かく分類され得るものである。
【0043】
以上、本発明の理論的な背景について説明した。その背景を踏まえ、以下、本発明を具体的に説明すれば、図1に本発明による目標検出装置の一例での要部構成を示す。これによる場合、その要部としての尤度比算出器60は本発明に直接係わるものとされた上、計算器61、乗算器62および判定器63から構成されているが、このうち、計算器61は複数の計算器61i(i=1,…,e:以下省略)から、また、乗算器62は複数の乗算器62iから、更に、判定器63は複数の判定器63iと比較器64とからそれぞれ構成されたものとなっている。計算器61iには目標捜索領域内に含まれる受信信号振幅値xおよび分散計算領域内に含まれる受信信号振幅値の分散値σ2 が入力される一方、比較器64からは目標が存在すると判定された領域について、用いた尤度比算出器毎の分類結果が出力されているものであるが、尤度比算出器60での動作をより詳細に説明すれば以下のようである。
【0044】
即ち、計算器61iには、時間的に変動している複数の受信信号列S1(t)、S2(t)、…の時間tにおける目標捜索領域内に含まれる受信信号振幅値xtおよび該目標捜索領域に対応する分散計算領域内に含まれる受信信号振幅値の分散値σt 2が順次入力されるものとなっている。以下、m番目に入力される受信信号列をSm(t)として記すものとして、計算器61i各々では、受信信号振幅値xtおよび分散値σt 2が所定に処理されるものとなっている。計算器61i各々にはそれぞれ異なる信号振幅値Aのライス分布に基づく尤度比算出式が事前設定されているが、これら尤度比算出式に受信信号振幅値xtおよび分散値σt 2が代入されることによって、m番目の受信信号列Sm(t)における尤度比Λm(xt;i)が算出された上、乗算器62iへ出力されているものである。
【0045】
その乗算器62iではまた、各受信信号列S1(t)、S2(t)、…、Sm(t)の同一位置t(=Tとおく)における尤度比Λ1(xT;i)、Λ2(xT;i)、…、Λm(xT;i)が順次累積され累積尤度比Λ(xT,m;i)が算出されるものとなっている。例えば累積尤度比Λ(xT,m;i)が算出されるに際しては、乗算器62iには受信信号列S(m-1)(t)までの位置tにおける累積尤度比Λ(xt,m-1;i)がそれまでの累積尤度比として保持されているが、計算器61iから新たにm番目の受信信号列Sm(t)における尤度比Λm(xt;i)が入力されれば、位置tが一致するΛ(xt,m-1;i)が取り出された上、その新たなΛm(xt;i)と乗算されることにより新たな累積尤度比Λ(xt,m;i)が算出されているものである。このようにして算出された累積尤度比Λ(xt,m;i)は、判定器63iへ出力される一方では、乗算器62iにそれまでに保持されていた(m-1)番目までの累積尤度比Λ(xt,m-1;i)の値と置換されているものである。
【0046】
一方、判定器63iでは、乗算器62iからの累積尤度比Λ(xt,m;i)は、数式5により定めた閾値η0 ,η1 各々との比較により、目標の存否が判定されたものとなっている。即ち、η0 <Λ(xt,m;i)<η1 ならば、目標の存否判定は不可とされているも、Λ(xt,m;i)≧η1 ならば、位置tに目標が存在するとして、また、Λ(xt,m;i)≦η0 ならば、位置tに目標が存在しないとしてそれぞれ判定されているものである。
【0047】
上記判定により目標が存在すると判定された場合には、目標捜索領域の位置tは比較器64に出力されているが、比較器64では、判定器63iからの、各々の尤度比算出式を用いて目標が存在すると判定された目標捜索領域の位置tについて、用いた尤度比算出式毎の分類が行われ、分類結果が出力されているものである。例えば、計算器611にA=2.45のライス分布に基づく尤度比算出式が、また、計算器612にA=4.24のライス分布に基づく尤度比算出式がそれぞれ設定されている場合、判定器63i(i=1,2)各々からの、目標が存在する旨の判定分類パターンとしては、2通りの分類パターンが考えられるものとなっている。先ず分類パターン1としては、判定器631(A=2.45)からのみ、目標が存在する旨の判定結果が得られる場合であり、他の分類パターン2としては、判定器631、632各々から、ともに目標が存在する旨の判定結果が得られる場合である。
【0048】
さて、以上の如くにしてなる尤度比算出器60は、尤度比による目標検出処理が行われている目標検出装置、あるいは尤度比演算器に適用されるが、図6にその尤度比算出器60を含む尤度比演算器の一例での概要構成を示す。図示のように、尤度比演算器70は、領域設定器71、分散算出器72および尤度比算出器60から構成されたものとなっている。尤度比演算器70への入力は受信信号列Sm(t)とされ、その出力は、目標が存在すると判定された目標捜索領域の位置とされているわけであるが、その動作を、図7に示す時間(あるいは音波、または電波の単位時間当たりの伝搬距離を乗じることにより求まる距離)方向に変動する受信信号列を例に採り説明すれば以下のようである。
【0049】
即ち、領域設定器71では、外部から入力される受信信号列Sm(t)に対し、図7に示すように、時間(距離)方向に一定幅をもつ目標捜索領域とこの目標捜索領域に対応する分散計算領域とが対として設定されるが、この場合、目標捜索領域はただ1つの受信信号振幅値xを含む幅として設定されるものとなっている。換言すれば、受信信号列Sm(t)を構成している受信信号振幅値x各々が目標捜索領域として設定されているものである。受信信号列Sm(t)の全領域がカバーされるべく、対としての目標捜索領域および分散計算領域は時間(距離)方向に順次シフト設定されているわけであるが、これら両領域がシフト設定される毎に、目標捜索領域に含まれている受信信号振幅値xは尤度比算出器60に、また、分散計算領域に含まれている複数の受信信号振幅値xは分散算出器72にそれぞれ出力されているものである。その分散算出器72では、領域設定器71からの、分散計算領域内に含まれている複数の受信信号振幅値に基づき、以下の数式11によりその分散計算領域上での受信信号振幅値xの分散値σ2 が計算された上、尤度比算出器60に出力されているものである。
【0050】
【数11】
Figure 0003785715
【0051】
その尤度比演算器60では、既述のように、領域設定器71からの受信信号振幅値xと分散計算器72からの分散値σ2 とに基づき、尤度比を用いた目標検出が行われているものである。
【0052】
また、図8に尤度比演算器の他の例での概要構成を示す。図示のように、尤度比演算器90は、領域設定器91、分散算出器92、平均値算出器93および尤度比算出器94から構成されているが、図6に示すものとの大きな相違は、領域設定器71と尤度比算出器60との間に平均値算出器93が新たに介在設置されていることである。領域設定器91では、外部から入力される受信信号列Sm(t)に対し、図6の場合と同様、時間(距離)方向に一定幅をもつ目標捜索領域とこの目標捜索領域に対する分散計算領域とが対として設定されているわけであるが、図6の場合とは異なり、目標捜索領域各々はN(≠1)個の受信信号振幅値xを含む幅として設定されたものとなっている。図6の場合と同様、受信信号列Sm(t)の全領域がカバーされるべく、対としての目標捜索領域および分散計算領域は時間(距離)方向に順次シフト設定されているが、これら両領域がシフト設定される毎に、その目標捜索領域に含まれているN個の受信信号振幅値xはその2乗平均値x2 が平均値算出器93で計算された上、尤度比算出器94に出力されている一方、分散計算領域に含まれている複数の受信信号振幅値xはその分散値σ2 が分散算出器92で計算された上、尤度比算出器94に出力されているものである。尤度比算出器94では、平均値算出器93からの2乗平均値x2 と分散算出器92からの分散値σ2 とに基づき目標検出処理が行われているわけであるが、この尤度比算出器94自体の構成は、図1に示す尤度比算出器60とほぼ同様ながらも、計算器61i各々に設定される尤度比算出式は、図1の場合とは異なるもの(後述の数式18として定義される尤度比算出式)として設定されたものとなっている。ここで、レイリー分布およびライス分布に従う確率変数の2乗平均値が従う確率密度関数の導出過程および尤度比算出式の設定方法を述べれば、以下のようである。
【0053】
即ち、例えば領域内にN個の受信信号振幅値を含む大きさの目標捜索領域が設定される場合、その領域内の各振幅値の2乗平均値をx2 とおくと、各振幅値の2乗和は(N*x2 )で表される。ところで、レイリー分布に従う確率変数Rは、平均値0、分散値σ2 の正規分布に従う確率変数X,Yを用いて以下の数式12で表される。
【0054】
【数12】
Figure 0003785715
【0055】
数式12より、N個の振幅値の2乗和ΣRi 2は、以下の数式13として表現され得る。
【0056】
【数13】
Figure 0003785715
【0057】
従って、2乗和Nx2 を分散値σ2 で正規化することで得られる確率変数χ2 は、以下に数式14として示す自由度2Nのカイ2乗確率密度関数に従う。
【0058】
【数14】
Figure 0003785715
【0059】
確率変数Pが数式7として示すライス分布に従う場合、確率変数Pは、平均値2-1/2A、分散値σ2 の正規分布に従う確率変数W,Zを用いて以下の数式15で表される。
【0060】
【数15】
Figure 0003785715
【0061】
数式15より、N個の振幅値の2乗和ΣPi 2は、以下の数式16として表し得るものである。
【0062】
【数16】
Figure 0003785715
【0063】
従って、2乗和Nx2 を分散値σ2 で正規化することで得られる確率変数κ2 は、以下に数式17として示す自由度2Nの非心カイ2乗確率密度関数(noncenter chi-square p.d.f)に従う。
【0064】
【数17】
Figure 0003785715
【0065】
故に、尤度比算出器94に設定される尤度比算出式は、以下の数式18として定義される。
【0066】
【数18】
Figure 0003785715
【0067】
ところで、数式18で定義されている尤度比Λ(x)の値は、4つのパラメータ、即ち、目標捜索領域に含まれる受信信号振幅値の2乗平均値x2 、分散計算領域に含まれる受信信号振幅値の分散値σ2 、信号振幅値Aおよび目標捜索領域内に含まれる受信信号振幅値の数Nによって決定されているが、信号振幅値Aおよび受信信号振幅値数Nは事前設定定数であることから、結局、2乗平均値x2 および分散値σ2 から、その目標捜索領域における尤度比Λ(x)が求まり、数式5により予め定められている閾値η1 ,η0 各々との比較により目標信号の検出が可能とされているものである。
【0068】
その目標信号の検出についてより詳細に説明すれば、図9(a)に数式14、数式16それぞれで定義されているカイ2乗分布、非心カイ2乗分布(A=2.45、4.24の場合)の分布形状を示す。図示のように、2乗平均値x2 と確率密度関数の関係が、横軸は2乗平均値x2 、縦軸は確率密度として示されている。また、図9(b)には、数式18により求まる尤度比Λ(x)とSN比の関係が、横軸はSN比(dB)、縦軸は尤度比Λ(x)として示されているが、図9(b)より、尤度比算出式に数式18を用いた場合でも、尤度比を用いて検出可能な信号の最小SN比(正の値の尤度比Λ(x)を算出し得るSN比の最小値)は、パラメータとしての信号振幅値Aによって変化するものであることが判る。従って、信号振幅値Aが異なる非心カイ2乗分布が尤度比算出式として複数設定される場合であっても、目標が存在すると判定された領域での平均的なSN比が算出可能となるものである。
【0069】
次に、本発明による目標検出装置の一例での全体構成を図10に示すが、その構成と動作概要を説明すれば以下のようである。
即ち、目標検出装置110自体は船舶に搭載された状態で、水中に存在する目標を検出すべく機能したものとなっている。図10に示すように、送信装置111で周期的に生成されている送信信号は送受波装置112で超音波に変換された上、水中内に送波される一方、送信超音波に対する反射超音波はその送受波装置112で受波され、電気信号に変換された状態として受信装置113で所定に前処理されるものとなっている。受信装置113では、送受波装置112からの受信信号は電力増幅・ディジタル変換された上、複数方位対応の音響ビームとして形成されているが、これら音響ビーム各々が信号処理装置114で所定に信号処理されているものである。信号処理装置114での信号処理結果は表示装置115上に可視画像として表示されることによって、その表示より複数方位の何れに目標が存在しているかや、その目標の位置・SN比がほぼ知れるように構成されているものである。また、目標検出装置110とは別に、船舶には速度測定装置116および水深測定装置117が搭載され、これら装置116,117各々からの測定速度、測定深度は信号処理装置114に取込まれた上、信号処理に供されているが、本発明に直接係る尤度比演算器はこの信号処理装置114内に含まれたものとなっている。
【0070】
ここで、受信装置113、信号処理装置114、表示装置115各々についてより詳細に説明する。先ず受信装置113であるが、受信装置113では、送受波装置112からの受信信号は電力増幅された上、図11(a),(b)にディジタル変換前、ディジタル変換後の状態として示すように、事前設定されたサンプリング周期ts でディジタル信号に変換されるものとなっている。更に、ディジタル変換後の受信信号に対する整相処理により、図12に示すように、一定の方位範囲内に一定数のビームが、方位方向対応受信信号波形として放射状に形成されるものとなっている。図13にはまた、送信装置111からの送信信号波形と受信装置113で形成されている方位方向対応受信信号波形との関係が、縦軸は受信信号の振幅値、横軸は時間(あるいは音波の単位時間当たりの水中伝搬距離を乗じることにより求まる距離)として示されているが、これを、時間(距離)方向および方位方向に2次元状に配列したものを図14として示す。以下、m番目の送信信号に対する受信信号列をSm(n,t)として表すことにする。但し、nは方位を、tは時間を表す。
【0071】
図15にはまた、信号処理装置114の一例での構成が示されているが、受信装置113からの受信信号列Sm(n,t)は映像信号処理器161で所定に映像信号に変換処理された上、表示装置115上に可視画像として表示されている他、受信信号列Sm(n,t)中に存在している目標のその位置を特定するための処理が尤度比演算器70で行われているものである。具体的に、尤度比演算器70では、受信装置113からの受信信号列Sm(n,t)に対して、尤度比を用いた目標検出処理が行われており、目標が存在すると判定された目標捜索領域の位置(方位n、距離t)は表示装置115上で可視表示されているものである。なお、速度測定器116、水深測定器117各々からの測定速度、測定深度は、後述のように、乗算器62iに取り込まれた上、所定に処理されるものとなっている。
【0072】
その尤度比演算器70での目標検出処理では、具体的に、図14に示す受信信号列Sm(n,t)に対し目標捜索領域および分散計算領域が設定されるが、それら領域の設定態様を図16に示す。その際に、目標捜索領域は、ただ1つの振幅値を含む大きさとして設定されつつ、目標捜索領域および分散計算領域が時間および方位の方向に順次シフト設定されることで、受信信号列Sm(n,t)はその全領域がカバーされているものである(なお、目標捜索領域および分散計算領域のシフト設定や処理等に関しては、本願出願人による特願平8ー330882号に詳細に記載されている)。尤も、船舶自体の移動を伴い超音波が水中に送波される場合には、送信信号対応に得られる受信信号列の座標系は異なるため、各受信信号列中の同一位置(時間t、方位n)の目標捜索領域における尤度比同士を乗算するためには、各受信信号間で位置修正を行うべく、座標変換が行われる必要がある。図17にその際でのモデルを示す。図示のように、船舶が右側に位置している際に、m番目の送信信号が送波され、それに対する受信信号列Sm(n,t)では、目標物体は距離r、方位φに位置しているが、その後、船舶が左方向に距離X0 分移動された状態で、(m+1)番目の送信信号が送波されたとすれば、それに対する受信信号列S(m+1)(n,t)では、船舶からすれば、目標物体は距離r'、方位φ'に位置していることになるというわけである。よって、受信信号列Sm(n,t)の受信信号列S(m+1)(n,t)への位置修正が行われる必要があり、その位置修正に際しては、m番目の受信信号列Sm(n,t)における距離tおよび方位nは、以下の数式19に代入されることによって、(m+1)番目の受信信号列S(m+1)(n,t)における距離t'および方位n'に補正されることで、船舶が移動状態にある間での目標検出処理が可能とされているものである。
【0073】
【数19】
Figure 0003785715
【0074】
なお、数式19中、受信信号間の移動距離X0 の値としては、速度測定装置116から得られる速度に経過時間を乗じて得られる値が、また、水深zの値としては、水深測定装置117から得られる深度値がそれぞれ用いられる。
【0075】
ここで、サフィックス(n,t)はサフィックス(nt)に、また、サフィックス(n',t')はサフィックス(NT)にそれぞれ置換されているとして、乗算器62i各々での計算処理方法を説明すれば以下のようである。
即ち、それまでに保持されているm番目までの受信信号列Sm(n,t)中の距離t、方位nにおける累積尤度比Λ(x(nt),m;i)のnおよびtは数式19によりn'およびt'に変換された上、計算器61iからの新たな(m+1)番目の受信信号列S(m+1)(n,t)おける尤度比Λ(m+1)(x(nt);i)のうち、n=n'およびt=t'である尤度比Λ(m+1)(x(NT);i)と乗算されることで、(m+1)番目までの受信信号列S(m+1)(n,t)中の距離t=t'、方位n=n'における累積尤度比Λ(x(NT),m+1;i)が算出されているものである。この計算処理結果は判定器63iに出力されると同時に、乗算器62iにそれまで保持されていたΛ(x(NT),m;i)(m番目の受信信号列Sm(n,t)の方位n'、位置t'における累積尤度比)と置換されているものである。
【0076】
表示装置115ではまた、映像信号処理器161からの、映像信号に変換された状態の受信信号列Sm(n,t)は表示画面上に可視画像として表示されているが、この表示に併せて、比較器64からの、目標が存在すると判定された目標捜索領域の位置(n,t)とその分類結果が同一表示画面上に表示されているものであるが、その表示画面上での画像表示例を図18に示す。図示のように、半径方向は距離を表しており、これは、受信信号列Sm(n,t)の距離tに相当する。また、円周方向は方位を表しており、受信信号列Sm(n,t)の方位nに相当する。その表示画面上では、受信信号列Sm(n,t)の振幅値は輝度表示されているが、その際に、比較器64からの、目標捜索領域の位置(n,t)の分類結果が併せて表示されているものである。既に、比較器64での機能に関連して説明したように、計算器611にはA=2.45のライス分布に基づく尤度比算出式が、また、計算器612にはA=4.24のライス分布に基づく尤度比算出式が設定されている場合、比較器64からの判定分類パターンとして、2通りの分類パターン1,2が考えられるものとなっている。図18に示す表示例では、分類パターン1として分類された目標捜索領域の位置はマーカー○で、また、分類パターン2として分類された目標捜索領域の位置はマーカー□で表示されたものとなっている。なお、目標捜索領域の表示方法としては、上記例のように、マーカー形状で区別する方法の他、マーカー色で区別する方法、あるいはマーカーを用いずに、その目標捜索領域の振幅値をカラーで区別された状態として表示する方法等が容易に考えられるものとなっている。また、ある一定条件を満たす特定分類パターンとして分類された目標捜索領域のみをマーカーで表示することで、特定のSN比の信号が存在する領域のみを検出・表示することも可能である。例えば上記分類パターン1が特定分類パターンとして設定されている場合を想定すれば、該当目標捜索領域のみ、即ち、平均的なSN比が4〜6dBの信号が存在している目標捜索領域のみがマーカー等で表示され得るものである。
【0077】
以上のように、図10に示す目標検出装置による場合は、受信信号列に尤度比を用いた目標検出法が適用された上、目標が存在すると判定された領域の位置が受信信号列の画像上に表示されるに際して、その目標のSN比も併せて表示され得るものとなっている。
【0078】
次に、本発明による目標検出装置の他の例での要部としての構成、即ち、その要部としての信号処理装置114の構成について説明すれば、図19にその構成を示す。図示のように、図15に示すものと比し、尤度比演算器70は尤度比演算器90に置換されていること以外は、事情は図10や図15に示すものに同様となっている。既に、図11(a),(b)で説明したように、受信装置113では、受信信号はサンプリング周期ts でディジタル信号に変換された上、信号処理装置114へ出力されているが、その際に、図11(a),(b)に示すように、受信信号に含まれる目標信号の時間幅がサンプリング周期ts 程度と短い場合には、目標信号はディジタル変換後の受信信号列中にただ1つの振幅値として出現するものとなっている。これに対し、図20(a),(b)に示すように、目標信号の時間幅がサンプリング周期ts より長い場合には、目標信号はディジタル変換後の受信信号列中に複数の振幅値として連続的に出現するものとなっている。これと同様に、受信信号列が2次元(時間および方位)に分布している状態で、目標信号の方位幅が受信信号列のビーム幅(図12を参照のこと)より大きい場合にも、目標信号は複数の振幅値に跨がって現れるものとなっている。
【0079】
さて、図15に示す信号処理装置114では、受信信号列に対して、ただ1つの振幅値を含む大きさの目標捜索領域が設定されており、その目標捜索領域に含まれる振幅値とその周辺に設定されている分散計算領域上での振幅値の分散値から、数式8により尤度比が算出されたものとなっている。しかしながら、上述のように、目標信号が1振幅値ではなく、複数の振幅値に連続的に跨がっている場合には、1振幅値を用いるよりも、複数の振幅値を含む目標捜索領域が設定された上、その領域内の各振幅値をパラメータとして用いるのがより実状に即しており、目標信号がより容易に検出可能になると考えられる。そこで、図19に示す信号処理装置114では、尤度比演算器70の代りに尤度比演算器90が設置されたことによって、数式18で定義されている、複数の受信信号振幅値の2乗平均値x2 および周辺区間の振幅値の分散値σ2 をパラメータとした尤度比算出式を用いた目標検出処理が可能とされているものである。受信信号が2次元(時間および方位)に分布している場合にも、目標捜索領域および分散計算領域は、図16で説明したように、設定されればよいものである。尤も、目標捜索領域は、その領域内にN(≠1)個の振幅値を含む大きさとして設定される。
【0080】
更に、本発明による目標検出装置の更に異なる他の例での要部としての構成、即ち、その要部としての信号処理装置114の構成について説明すれば、図21にその構成を示す。図示のように、図15に示すものに比し、映像信号処理器222の前段には距離圧縮器221が新たに設置され、また、尤度比演算器70は尤度比演算器223に置換されたものとなっている。さて、受信装置113で受信信号列がディジタル変換されるに際して、目標信号の検出確率を上げるためには、図22(a)に示すように、サンプリング周期ts は小さく設定される必要があるが、その半面、サンプリング周期ts が小さく設定される程に、ディジタル変換後の受信信号列の振幅値数が増大する結果として、表示装置115の表示画面上に表示しきれないという不具合が新たに生じるものとなっている。これとは逆に、その表示画面上に収まるデータ数にすべく、サンプリング周期ts が大きく設定される場合にはまた、図22(b)に示すように、目標信号の検出確率が低下することは否めないものとなっている。
【0081】
以上の不具合を解決すべく、図23(a),(b)に示すように、サンプリング周期ts でディジタル変換された受信信号列を、R個の振幅値を含む区間毎に領域分割した上、それら区間各々における最大振幅値を検出出力する距離圧縮処理が距離圧縮器221で行われているものである。この処理により表示上でのデータ量は1/Rに圧縮されつつも、目標信号の検出性能は従来通り維持されているものである。図21に示す信号処理装置114ではまた、距離圧縮後の受信信号列に対して尤度比を用いた目標検出処理が可能とされたものとなっている。
【0082】
より具体的に、図21に示す信号処理装置114での処理について説明すれば、受信装置113からの受信信号列Sm(n,t)は距離圧縮器221および尤度比演算器223へ出力されているが、このうち、距離圧縮器221では、受信装置113からの受信信号列Sm(n,t)はR個の振幅値を含む区間毎に領域分割された上、それら区間各々における最大振幅値が検出される、といった距離圧縮処理が行われており、距離圧縮処理後の受信信号列SPm(n,t,R)は映像信号処理器222および尤度比演算器223に出力されているものである。その映像信号処理器222では、距離圧縮器221からの受信信号列SPm(n,t,R)は映像信号に変換された上、表示装置115上で画像として表示されているものである。一方、尤度比演算器223では、受信信号列Sm(n,t)と受信信号列SPm(n,t,R)とに基づく処理が所定に行われているが、その処理を図24を参照しつつ、説明すれば以下のようである。
【0083】
即ち、その尤度比演算器223自体は、領域設定器251、振幅値検出器252、分散算出器253および尤度比算出器254から構成されているが、図8に示す尤度比演算器90に比し、平均値算出器93が振幅値検出器252に置換されており、また、尤度比算出器254は図1に示す尤度比演算器60に比し、計算器61iに設定される尤度比算出式が異なるだけで、これら以外の構成は同様となっている。その尤度比演算器223での処理であるが、先ず領域設定器251では、受信装置113からの受信信号列Sm(n,t)に対し、時間(距離)および方位方向に一定幅をもつ目標捜索領域および分散計算領域が設定されているが、その際、目標捜索領域は、距離圧縮器221で設定されている領域と同一として領域設定器251で設定されるものとなっている。受信信号列Sm(n,t)の全領域がカバーされるべく、目標捜索領域および分散計算領域は時間(距離)および方位方向に順次シフト設定されているわけであるが、そのシフト設定の度に、目標捜索領域間境界信号が振幅値保持器252へ、分散計算領域に含まれる受信信号振幅値が分散算出器253に出力されているものであるが、この分散算出器253の機能は尤度比演算器70における分散算出器72と同様である。一方、振幅値保持器252では、距離圧縮器221からの、距離圧縮処理後の受信信号列SPm(n,t,R)が目標捜索領域間境界信号により、所望の目標捜索領域に相当する領域の最大振幅値xPHとして一時的に保持された上、尤度比算出器254へ出力され、また、尤度比算出器254では、振幅値保持器252からの最大振幅値xPHと分散算出器253からの受信信号振幅値の分散値σ2 とから尤度比Λm(x(nt))が算出されているものである。
【0084】
ここで、レイリー分布およびライス分布に従う確率変数の一定区間の最大値が従う確率密度関数の導出過程および尤度比算出式の設定方法を以下に示す。
即ち、一般に、確率変数xが確率密度関数p(x)に従う場合、R個の出力の最大値xPHが従う確率密度関数pPH(xPH)は以下の数式20で表される。
【0085】
【数20】
Figure 0003785715
【0086】
従って、p(x)にレイリー分布の確率密度関数(数式6)を代入することにより、目標信号が含まれない受信信号列の、一定区間内の最大振幅値の分布が従うべき確率密度関数p0(xPH)は以下の数式21として得られる。
【0087】
【数21】
Figure 0003785715
【0088】
同様に、p(x)にライス分布の確率密度関数(数式7)を代入することにより、目標信号を含む受信信号列の、一定区間内の最大振幅値の分布が従うべき確率密度関数p1(xPH)は以下の数式22として得られる。
【0089】
【数22】
Figure 0003785715
【0090】
故に、計算器61iにおける尤度比算出式は以下の数式23として定義される。
【0091】
【数23】
Figure 0003785715
【0092】
その数式23より、尤度比Λ(x)の値を決定する4つのパラメータ、即ち、目標捜索領域に含まれる受信信号振幅値の最大値xPH、分散計算領域に含まれる受信信号振幅値の分散値σ2 、信号振幅値A、および一定区間内(目標捜索領域内)に含まれる受信信号振幅値の数Rのうち、信号振幅値Aおよび振幅値の数Rは事前設定される定数であることから、結局、最大値xPHおよび分散値σ2 からその目標捜索領域における尤度比Λ(x)が求まり、数式5により予め設定されている閾値η1 ,η0 各々との比較により目標信号の検出が可能とされているものである。
【0093】
因みに、図25(a)に一定区間内の最大振幅値が従うべき確率密度関数の分布形状と最大値xPHとの関係を示す。図中、レイリー分布と併記されている分布形状は、数式20で定義されている確率密度関数に、また、ライス分布と併記されている分布形状(A=2.45、A=4.24の場合)は、数式22で定義されている確率密度関数にそれぞれ基づいている。図25(b)にはまた、数式23により求まる尤度比Λ(x)とSN比の関係を示す。これより、尤度比算出式として数式23が用いられた場合でも、尤度比を用いて検出可能な信号の最小SN比(正の値の尤度比Λ(x)を算出し得るSN比の最小値)は、パラメータとしての信号振幅値Aによって変化するものであることが判る。従って、信号振幅値Aが異なる尤度比算出式が複数設定される場合は、目標物体が存在すると判定された領域の平均的なSN比が算出可能となる。
【0094】
以上、説明したように、本発明に係る各実施の形態での目標検出装置では、尤度比を用いた目標検出法が適用されたことにより、受信信号列中の目標信号が検出され得るばかりか、検出された目標信号はそのSN比毎に分類されていることから、ユーザに目標の位置と同時に、その目標のSN比をも容易に認識させ得るものとなっている。また、目標信号、あるいは受信信号列の特徴に応じて、目標捜索領域および尤度比算出式が変更される場合には、目標信号の検出性能は高性能に維持されるものとなっている。更に、以上の説明では、目標検出装置は船舶に搭載された状態で、水中に超音波を送波し、反射超音波を信号処理して目標信号が検出される構成とされているが、これに限定されることなく、例えば超音波の代わりに電波を用い、大気中に存在している目標物体を検出する場合にも適用可とされたものとなっている。
【0095】
【発明の効果】
以上、説明したように、請求項1〜7によれば、時間的に、または周波数的に振幅値が変動している複数の受信信号列から、各受信信号列中の同一位置に定常的に存在している物体を目標として検出するに際して、その目標の位置に併せてそのSN比が容易に認識され得るものとなっている。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明による目標検出装置の一例での要部構成を示す図
【図2】図2は、レイリー分布形状、ライス分布形状およびこれら両者の比としての尤度比の変化を示す図
【図3】図3は、尤度比とSN比の関係を示す図
【図4】図4は、SN比と確率密度関数の関係を示す図
【図5】図5は、パラメータ(信号振幅値)Aと尤度比の関係を示す図
【図6】図6は、尤度比による目標検出処理が行われている、尤度比算出器を含む尤度比演算器の一例での概要構成を示す図
【図7】図7は、時間方向に変動する受信信号列への、目標捜索領域および分散計算領域の設定態様を示す図
【図8】図8は、尤度比演算器の他の例での概要構成を示す図
【図9】図9(a)は、カイ2乗確率密度関数の分布形状を、また、図9(b)は、SN比(SNR)と尤度比の関係を示す図
【図10】図10は、本発明による目標検出装置の一例での全体構成を示す図
【図11】図11(a),(b)は、それぞれディジタル変換前の受信信号、ディジタル変換後の受信信号を示す図
【図12】図12は、整相処理による複数ビーム形成を説明するための図
【図13】図13は、送信信号波形に対する、方位方向対応受信信号波形との関係を示す図
【図14】図14は、その方位方向対応受信信号波形を2次元状に配列した状態として示す図
【図15】図15は、本発明による目標検出装置における映像信号・尤度比演算処理に係る一例での構成を示す図
【図16】図16は、2次元状に配列された受信信号列への、目標捜索領域および分散計算領域の設定態様を示す図
【図17】図17は、受信信号間で座標変換が行われる際でのモデルを示す図
【図18】図18は、受信信号列の画像としての表示例を示す図
【図19】図19は、本発明による目標検出装置の他の例での要部としての、映像信号・尤度比演算処理に係る構成を示す図
【図20】図20(a),(b)は、目標信号の時間幅がサンプリング周期より長い場合での、ディジタル変換前の受信信号、ディジタル変換後の受信信号をそれぞれ示す図
【図21】図21は、本発明による目標検出装置の更に異なる他の例での要部としての、映像信号・尤度比演算処理に係る構成を示す図
【図22】図22(a),(b)は、ディジタル変換前の受信信号がサンプリング周期の相違によって、如何にディジタル変換されるかを示す図
【図23】図23(a),(b)は、それぞれ距離圧縮処理前の受信信号、距離圧縮処理後の受信信号をそれぞれ示す図
【図24】図24は、その距離圧縮処理後の受信信号が考慮された、尤度比演算処理に係る構成を示す図
【図25】図25(a)は、一定区間内の最大振幅値が従うべき確率密度関数の分布形状を、図25(b)は、尤度比とSN比の関係をそれぞれ示す図
【図26】図26は、積算平均化法の原理を説明するための図
【符号の説明】
60,94,254…尤度比算出器、61,61i…計算器、62,62i…乗算器、63,63i…判定器、64…比較器、70,90,223…尤度比演算器、71,91,251…領域設定器、92,253…分散算出器、93…平均値算出器、111…送信装置、112…送受波装置、113…受信装置、114…信号処理装置、115…表示装置、116…速度測定装置、117…水深測定装置、162、222…映像信号処理器、221…距離圧縮器、252…振幅値保持器

Claims (7)

  1. ソーナー、レーダー等、音波、または電波が複数回に亘って送信信号として送信される度に、該送信信号各々に対する応答としての反射信号を受信信号列として受信した上、上記受信信号列各々から、尤度比を用いて同一位置に定常的に存在している目標からの反射信号目標信号として検出し、該目標の位置画像上に示されるようにした目標検出装置であって、
    目標信号を含む受信信号列の分布が従うべき確率密度関数を目標信号のSN比に応じて複数設定し、複数の尤度比算出式を定義する手段と、検出された受信信号振幅値および算出された受信信号振幅値の分散値を各々の尤度比算出式に代入し、目標捜索領域に対する尤度比を算出する手段と、算出された尤度比を予め定めた閾値と比較し、閾値を上回る尤度比が算出された目標捜索領域に対して目標が存在すると判定する手段と、目標が存在すると判定された領域について、用いた尤度比算出式毎に分類する手段とを備え、目標信号の検出を行う尤度比演算器と、
    前記各受信信号列中の同一位置に定常的に存在している目標の検出結果および前記分類結果を画像表示する映像信号処理器とを少なくとも有することを特徴とする目標検出装置。
  2. 前記目標信号を含む受信信号列の分布が従うべき確率密度関数は、目標信号のSN比に応じて複数設定されたもので、尤度比算出式毎の分類はSN比の大きさの分類に対応しており、前記映像信号処理器において、一定の条件を満たす分類の目標検出結果をパターン表示するよう制御することで、特定のSN比の信号が存在する領域を画像上に表示することを特徴とする請求項1に記載の目標検出装置。
  3. ソーナー、レーダー等、音波、または電波が複数回に亘って送信信号として送信される度に、該送信信号各々に対する応答としての反射信号を受信信号列として受信した上、上記受信信号列各々から同一位置に定常的に存在している目標からの反射信号が目標信号として検出、該目標の位置が像上に示されるようにした目標検出装置であって、前記目標検出装置は目標位置特定手段を有し、該目標位置特定手段は、
    受信信号列が得られる度に、該受信信号列中に任意の目標捜索領域および該目標捜索領域に対応する分散計算領域を順次更新設定する手段と、該目標捜索領域から該領域内に含まれる受信信号振幅値を検出する手段と、該分散計算領域から該領域内に含まれる受信信号振幅値の分散値を算出する手段と、目標信号を含まない受信信号列の分布が従うべきレイリー分布の確率密度関数と目標信号を含む受信信号列の分布が従うべきライス分布の、目標信号のSN比に応じた複数の確率密度関数各々との比として定義される尤度比算出式が複数設定された状態で、上記受信信号列が得られる度に、該目標捜索領域各々から検出された受信信号振幅値と上記分散計算領域各々から算出された分散値とにもとづき、上記尤度比算出式各々から目標捜索領域毎に尤度比を算出する手段と、目標捜索領域毎に算出された尤度比各々の事前設定閾値との比較によって、該閾値を上回る累積尤度比に係る目標捜索領域に目標が存在すると判定する手段と、目標が存在すると判定された目標捜索領域を該目標の位置として、用いられた尤度比算出式毎に分類する手段と、目標が存在すると判定された目標捜索領域を該目標の位置として、該位置を分類結果とともに画像上に表示せしめる手段とから構成されている目標検出装置。
  4. ソーナー、レーダー等、音波、または電波が複数回に亘って送信信号として送信される度に、該送信信号各々に対する応答としての反射信号を受信信号列として受信した上、上記受信信号列各々から同一位置に定常的に存在している目標からの反射信号が目標信号として検出、該目標の位置が像上に示されるようにした目標検出装置であって、前記目標検出装置は目標位置特定手段と有し、該目標位置特定手段は、
    受信信号列が得られる度に、該受信信号列中に任意の目標捜索領域および該目標捜索領域に対応する分散計算領域を順次更新設定する手段と、該目標捜索領域から該領域内に含まれる受信信号振幅値の2乗平均値を算出する手段と、該分散計算領域から該領域内に含まれる受信信号振幅値の分散値を算出する手段と、目標信号を含まない受信信号列の2乗平均値の分布が従うべきカイ2乗分布の確率密度関数と目標信号を含む受信信号列の2乗平均値の分布が従うべき非心カイ2乗分布の、目標信号のSN比に応じた複数の確率密度関数各々との比として定義される尤度比算出式が複数設定された状態で、上記受信信号列が得られる度に、該目標捜索領域各々から検出された受信信号振幅値の2乗平均値と上記分散計算領域各々から算出された分散値とにもとづき、上記尤度比算出式各々から目標捜索領域毎に尤度比を算出する手段と、目標捜索領域毎に算出された尤度比各々の事前設定閾値との比較によって、該閾値を上回る累積尤度比に係る目標捜索領域に目標が存在すると判定する手段と、目標が存在すると判定された目標捜索領域を該目標の位置として、用いられた尤度比算出式毎に分類する手段と、目標が存在すると判定された目標捜索領域を該目標の位置として、該位置を分類結果とともに画像上に表示せしめる手段とから構成されている目標検出装置。
  5. ソーナー、レーダー等、音波、または電波が複数回に亘って送信信号として送信される度に、該送信信号各々に対する応答としての反射信号を受信信号列として受信し上記受信信号列各々から尤度比を用いた処理により同一位置に定常的に存在している目標からの反射信号が目標信号として検出され該目標の位置が像上に示されるようにした目標検出装置であって、前記目標検出装置は尤度比を用いて信号検出を行うものであり、複数の尤度比計算器を備え、それぞれの尤度比計算器に前記受信信号列の分布が従うべき確率密度変数を目標信号のSN比に応じて複数設定し、尤度比とSN比を対応させることにより目標のSN比を算出する手段を少なくとも含む構成の目標検出装置。
  6. ソーナー、レーダー等、音波、または電波が複数回に亘って送信信号として送信される度に、該送信信号各々に対する応答としての反射信号を受信信号列として受信した上、上記受信信号列各々に更新設定された目標捜索領域及び分散計算領域から尤度比を用いた処理により同一位置に定常的に存在している目標からの反射信号が目標信号として検出、該目標の位置が像上に示されるようにした目標検出装置であって、前記目標検出装置は目標位置特定手段を有し、該目標位置特定手段は、目標信号を含む受信信号列の分布が従うべきライス分布の、目標信号のSN比に応じた確率密度関数として定義される尤度比算出式が複数設定された状態で、受信信号列が得られる度に、目標捜索領域各々から検出された受信信号振幅値と上記分散計算領域各々から算出された分散値とにもとづき、上記尤度比算出式各々から目標捜索領域毎に尤度比を算出する手段と、目標捜索領域毎に算出された尤度比各々の事前設定閾値との比較によって、該閾値を上回る累積尤度比に係る目標捜索領域に目標が存在すると判定する手段と、目標が存在すると判定された目標捜索領域を該目標の位置として、用いられた尤度比算出式毎に分類する手段と、目標が存在すると判定された目標捜索領域を該目標の位置として、該位置を分類結果とともに画像上に表示せしめる手段とから構成されている目標検出装置。
  7. ソーナー、レーダー等、音波、または電波が複数回に亘って送信信号として送信される度に、該送信信号各々に対する応答としての反射信号を受信信号列として受信した上、上記受信信号列各々に更新設定された目標捜索領域及び分散計算領域からは、尤度比を用いた処理により同一位置に定常的に存在している目標からの反射信号が目標信号として検出、該目標の位置が像上に示されるようにした目標検出装置であって、前記目標検出装置は目標位置特定手段を有し、該目標位置特定手段は、目標信号を含む受信信号列の2乗平均値の分布が従うべき非心カイ2乗分布分布の、目標信号のSN比に応じた確率密度関数として定義される尤度比算出式が複数設定された状態で、受信信号列が得られる度に、目標捜索領域各々から算出された受信信号振幅値の2乗平均値と上記分散計算領域各々から算出された分散値とにもとづき
    、上記尤度比算出式各々から目標捜索領域毎に尤度比を算出する手段と、目標捜索領域毎に算出された尤度比各々の事前設定閾値との比較によって、該閾値を上回る累積尤度比に係る目標捜索領域に目標が存在すると判定する手段と、目標が存在すると判定された目標捜索領域を該目標の位置として、用いられた尤度比算出式毎に分類する手段と、目標が存在すると判定された目標捜索領域を該目標の位置として、該位置を分類結果とともに画像上に表示せしめる手段とから構成されている目標検出装置。
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