JP5072401B2 - スキャニングソナー - Google Patents

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Description

本発明は、超音波ビームを用いて水中を探知するスキャニングソナーに関し、特に、残響を抑圧するための技術に関する。
スキャニングソナーは、送受波器から超音波ビームを所定方位の探知領域へ送信し、送受波器の円周方向の走査によって形成される受信ビームでエコーを受信し、このエコーの信号レベルに応じた色でエコー画像を表示する水中探知装置である。スキャニングソナーで水中探知を行うと、探知領域が広いため、広範囲の水中情報を取得することができる。
ところで、スキャニングソナーにおいては、水中の魚群で反射したエコーだけでなく、海底や海面での散乱により生じた残響も送受波器で受信されるため、画面上に残響の画像が現われる。このような残響が多くなると、魚群エコーが残響中に埋もれて画面上で識別しにくくなり、判断を誤る場合がある。図12は、スキャニングソナーの表示画面において表示されるエコー画像の例を示している。図のように多数の残響画像32が現われると、魚群のエコー画像31が判別しにくくなる。
そこで、このような残響を抑圧するための技術が、従来から種々提案されている。例えば、下記の特許文献1には、残響のレベルは周波数により大きく変化するが、魚群エコーのレベルは周波数による変化が小さいという特性の違いを利用して、残響を抑圧する技術が開示されている。この技術によれば、受信した広帯域信号を複数の狭帯域信号に分離し、各帯域の時系列波形を全帯域で平均することにより、周波数によるレベル変化の大きな残響レベルが相殺し合って低下し、全帯域を通してレベル変化の小さな魚群エコーレベルが強調されるので、魚群エコーを容易に検出することができる。
特許第3050200号公報
しかしながら、上記特許文献1の技術では、受信信号を周波数分離して時系列の波形データに変換した上で平均化処理を行うため、演算に時間を要し、高速処理が難しいという問題がある。
本発明は、特許文献1とは異なる手段によって残響を抑圧する技術を提案するものであり、周波数特性の違いを利用せず、演算時間を短縮して高速処理を可能としたスキャニングソナーを得ることを目的とする。
本発明に係るスキャニングソナーは、送受波器から超音波ビームを所定方位の探知領域に送信し、送受波器の円周方向の走査によって形成される受信ビームでエコーを受信し、当該エコーの画像を表示するスキャニングソナーであって、各レンジごとに、受信ビームで受信された各方位の信号のレベルを検出する検出手段と、各レンジごとに、検出手段で検出された各方位の信号レベルのうち、一定以上突出したレベルを除いた範囲で、当該信号レベルの平均値を算出する算出手段と、検出手段で検出された信号レベルを変換するレベル変換手段とを備える。レベル変換手段は、各レンジごとに、算出手段で算出された平均値に基づいて、レベル変換される信号レベルの上限値となる変換最大レベルを決定し、検出手段で検出された各方位の信号レベルのうち、変換最大レベル以下の信号レベルを当該信号レベルよりも低い信号レベルに変換し、変換最大レベルより大きい信号レベルについてはレベル変換を行わない
このようにすると、信号レベルが大きく突出した魚群エコーはそのままにして、魚群エコーより信号レベルの低い残響のみを抑圧することができるので、画面上に残響画像が少なくなって、魚群の識別が容易となる。そして、本発明では、検波後の信号レベルを用いて演算を行うだけでよく、特許文献1のように周波数特性の違いを利用しないので、残響の抑圧にあたって、受信信号を周波数分離して時系列の波形データに変換した上で平均化処理を行う必要がない。したがって、演算時間を短縮して高速処理を行うことができる。
本発明では、上記のように各レンジごとに演算処理を行うことに代えて、各方位ごとに演算処理を行ってもよい。この場合は、送受波器から超音波ビームを所定方位の探知領域へ送信し、送受波器の円周方向の走査によって形成される受信ビームでエコーを受信し、当該エコーの画像を表示するスキャニングソナーにおいて、各方位ごとに、受信ビームで受信された各レンジの信号のレベルを検出する検出手段と、各方位ごとに、検出手段で検出された各レンジの信号レベルのうち、一定以上突出したレベルを除いた範囲で、当該信号レベルの平均値を算出する算出手段と、検出手段で検出された信号レベルを変換するレベル変換手段とを備える。レベル変換手段は、各方位ごとに、算出手段で算出された平均値に基づいて、レベル変換される信号レベルの上限値となる変換最大レベルを決定し、検出手段で検出された各レンジの信号レベルのうち、変換最大レベル以下の信号レベルを当該信号レベルよりも低い信号レベルに変換し、変換最大レベルより大きい信号レベルについてはレベル変換を行わない。このようにすると、自船の後方や側方に放射状に発生するプロペラノイズと、それに起因したグレーティングローブによるノイズを抑圧することができる。
本発明の典型的な実施形態において、算出手段は、検出手段で検出された各方位または各レンジの信号レベルの平均値Aを算出、平均値Aと各方位または各レンジの信号レベルとに基づいて標準偏差Xを算出、平均値Aおよび標準偏差Xに基づき、A−X以上かつA+X以下の範囲内にある各方位または各レンジの信号レベルについて平均値Bを算出する。
また、本発明の典型的な実施形態において、算出手段は、更に、平均値Bと各方位または各レンジの各信号レベルとに基づいて標準偏差Yを算出する。そして、レベル変換手段は、各レンジまたは各方位ごとに、平均値Bと、標準偏差Yとに基づいて、変換最大レベルを決定する。こうすることで、魚群がいるレンジ(または方位)の偏差は高くなり、魚群がいる部分をそのままのレベルに残すことができる。なお、Yは平均値Bに対する偏差であって、平均値Aに対する偏差ではないので、厳密にいうと通常の「標準偏差」とは異なるが、後述のように演算式上は標準偏差の形式をとるので、本発明では便宜上、Yを「標準偏差」と呼ぶことにする。
また、本発明の典型的な実施形態において、レベル変換手段は、変換最大レベル以下の範囲で抑圧基準レベルを設定し、平均値Bが抑圧基準レベルより大きい場合は、変換最大レベル以下かつ抑圧基準レベル以上の範囲で、所定の関数に従う変換カーブによりレベル変換を行う。一方、平均値Bが抑圧基準レベル以下の場合は、変換最大レベル以下かつ平均値B以上の範囲で、所定の関数に従う変換カーブによりレベル変換を行う。
本発明では、前述の標準偏差に代えて、各方位または各レンジの信号レベルと平均値との差の絶対値の平均値を用いることも可能である。
本発明によれば、残響の抑圧にあたって周波数特性の違いを利用せず、信号レベルのデータを用いて処理を行うだけでよいので、周波数分離が不要となり、演算時間を短縮して高速処理を行うことができる。
図1は、本発明の実施形態を示すシステム構成図である。1は、水中を探知してエコー画像を表示するスキャニングソナー、2はGPSやジャイロ等から構成される航法装置、3は水中の深度を測定する測深装置、4は潮流の流速や方向を測定する潮流計である。
図2は、スキャニングソナーを用いて水中を探知する原理を示している。図において、1は上述したスキャニングソナーであって、船舶5に搭載されている。6はスキャニングソナー1に備えられた送受波器、7は送受波器6から水中へ送信される超音波の送信ビーム、8は水中の魚群等で反射して帰来するエコーを受信する受信ビームである。9は水面を表している。送信ビーム7は、送受波器6から水中の全方位へ向けて一定の俯角(ティルト角)で一斉に送信され、無指向性の傘形ビームを形成する。受信ビーム8は、送受波器6が円周方向に走査されて形成される指向性をもったビームであって、高速でスパイラル状に360°回転する。この受信ビーム8でエコーを受信し、得られた受信信号を解析することによって、広域にわたる魚群の分布状況や動きなどの水中情報を求めることができる。なお、図1で示した航法装置2、測深装置3、潮流計4も、船舶5に搭載されている。
図3は、スキャニングソナー1の電気的構成を示したブロック図である。10は前述の送受波器6を構成する素子(超音波振動子)であって、1つの素子10ごとに1つの送受信チャンネルCh(Ch1,Ch2,Ch3…)が設けられている。各送受信チャンネルの構成は同じなので、以下では送受信チャンネルCh1について説明する。送受信チャンネルCh1において、11は送信と受信の動作を切り替える送受切替回路、12はパルス幅変調された送信信号を素子10に与える送信回路、14は素子10が受信した信号に対して増幅やノイズ除去等の処理を行なう受信回路、15は受信回路14から出力される受信信号をデジタル信号に変換するA/D変換器、16,17は後段の回路との間で信号の授受を行うためのインターフェースである。
18は送信ビーム形成部であって、送信周期ごとに、各チャンネルの遅延量、ウェイト値および方位角を計算し、チャンネルごとの送信ビームを形成する。19は操作部であって、この操作部19に設けられたキーやダイヤル等を操作して、レンジの設定、ティルト角や方位の入力、表示メニューの選択などを行う。20はスキャニングソナー1の全体の動作を制御する制御部としてのホストCPUである。21は受信ビーム形成部であって、各素子10から出力された受信信号の位相およびウエイトを計算し、各信号を合成することにより合成受信信号を得る。22はデータ処理部であって、受信ビーム形成部21から出力される受信信号を検波しサンプリングして得られた信号レベルのデータに基づいて、残響抑圧のためのレベル変換処理(後述)を行うとともに、エコーの画像データを生成する。
23は例えば液晶ディスプレイから構成される表示部であって、データ処理部22で生成された画像データに基づき、探知領域内の水中情報を表示する。24は記憶部を構成するメモリであって、画像表示用のプログラムや制御パラメータ等が記憶されている。
以上において、データ処理部22は、本発明における検出手段、算出手段、レベル変換手段の一実施形態を構成する。
なお、図3には図示されていないが、スキャニングソナー1には、図1で示した航法装置2、測深装置3、潮流計4が接続される。また、船の動揺を検出して送受信ビームが常に所定方位を向くように制御するための動揺センサなども接続される。これらの各装置には公知のものを用いることができる。さらに、スキャニングソナー1は、魚群を自動追尾するためのターゲットロック機能を備えたものであってもよい。
図4は、上述したスキャニングソナー1におけるレベル変換処理の手順を示したフローチャートである。以下、このフローチャートに従い、受信信号の信号レベルを変換して残響を抑圧する処理の詳細を説明する。
最初に、ステップS1において、各レンジごとに、検出された受信信号の信号レベルIの平均値Aを算出する。各レンジとは、図5に示すR1,R2,R3,・・・Rnのそれぞれをいい、これらはビーム放射方向の距離を表している。図5は、任意のレンジRiにおいて受信ビーム8が矢印Q方向に旋回している様子を示した模式図である。θは受信ビーム8の方位角である。この受信ビーム8が一周(0°≦θ≦360°)する間に、レンジRiについてのスキャンが行われ、エコーが受信される。したがって、信号レベルIは、同じ距離における一周分のデータである。このとき、海底や海面で散乱した残響も一緒に受信される。スキャンは、全てのレンジR1〜Rnについて行われる。図6は、あるレンジにおいてスキャンの結果得られた信号レベルIの例を示している。この信号レベルIの波形は、受信信号をエンベロープ検波した後の波形である。ステップS1では、このような信号レベルIの平均値A(図6で破線で示す)が、全レンジについて算出される。
次に、ステップS2において、各レンジごとに、ステップS1で算出した平均値Aを用いて、標準偏差Xを算出する。標準偏差Xは、次式で与えられる。
Figure 0005072401
ここで、I(j)は、各方位ごとに取得された信号レベルのデータ値、Nはデータの総数である。例えば、θ=5°の間隔でスキャンをした場合、N=72個の離散的なデータが得られる。ステップS2では、上記(1)式による演算を、全てのレンジR1〜Rnについて行う。
続いて、ステップS3において、各レンジごとに、ステップS1の平均値AとステップS2の標準偏差Xとを用いて、図6のようにA−X以上かつA+X以下の範囲を設定し、この範囲内にあるデータのみについて平均値B(一点鎖線で示す)を算出する。これにより、図6の斜線で示したような、信号レベルの極端に突出した部分を除外した平均値が求められる。斜線部分は、魚群や海底からの本来のエコーによるものである。ステップS3では、この平均値Bの演算を、全てのレンジR1〜Rnについて行う。
次に、ステップS4において、ステップS3の平均値Bを用いて、各レンジごとに、標準偏差Yを算出する。標準偏差Yは、次式で与えられる。
Figure 0005072401
ここで、I(j)は、各方位ごとに取得された信号レベルのデータ値、Nはデータの総数である。ステップS4では、上記(2)式による演算を、全てのレンジR1〜Rnについて行う。
次に、ステップS5において、抑圧基準レベルL1を算出する。この値としては、平均値Bの最小値等を毎回求めたものを用いてもよいし、あらかじめ決められた固定値を用いてもよい。抑圧基準レベルL1については、図8および図9で説明する。
次に、ステップS6において、ステップS3の平均値BとステップS4の標準偏差Yとを用いて、各レンジごとにY/Bの値を求め、その中の最大値Zを抽出する。YをBで除算するのは、各レンジ間で信号レベルにばらつきがあった場合、例えば図7において、平均値B1に対する標準偏差Y1と、平均値B2に対する標準偏差Y2とを同等の標準偏差として扱うためである。すなわち、全体のレベルが高い部分では、例えばレベルが1変動しても大した変化とは感じられないが、全体のレベルが低い部分では、たとえ小さな変化であっても前者の場合よりは大きな変化と感じられるので、YをBで除算することで規格化を行い、標準偏差を平準化する。
次に、ステップS7において、各レンジごとに、ステップS3の平均値BとステップS6の最大値Zを用いて、次式により変換最大レベルL2を算出する。
L2=B+Z×B=B(1+Z) ・・・(3)
この変換最大レベルL2は、図8で説明するように、レベル変換される信号レベルの上限値を表している。
最後に、ステップS8において、ステップS1〜S7の演算結果に基づき、各レンジごとに受信信号の信号レベルを変換する処理を行う。以下、レベル変換処理の内容について説明する。
図8は、レベル変換の原理を示した図である。図の横軸は、検出された信号レベルIを表しており、縦軸は変換された信号レベルUを表している。実線のJ1はレベル変換関数であり、破線のJ2はレベル変換しない場合の信号レベルI、Uの関係(すなわちU=I)を表す一次関数である。MAXは信号レベルの最大値、L1は前述の抑圧基準レベル、L2は前述の変換最大レベル、Bは前述の平均値である。なお、レベル変換関数J1は、各レンジで求められたL1,L2,Bなどの値に基づいて、レンジごとに設定される。したがって、図8はあるレンジにおけるレベル変換関数J1やレベル値等を表したものである。
図8において、レベル変換関数J1は、直線部分と曲線部分からなる。P1〜P2の直線部分は、検出された信号レベルIが変換最大レベルL2より大きい範囲にあって、一次関数J2の一部と一致している。したがって、この範囲ではレベル変換は行われず、魚群エコーの信号レベルはそのまま維持される。
レベル変換関数J1のP2〜P3の曲線部分は、検出された信号レベルIがB≦I≦L2の領域にあって、指数関数に従う変換カーブとなっている。この領域は、残響が含まれる範囲であるが、指数関数により残響のレベルは低レベルに変換される。すなわち、図8の横軸における信号レベルIxの残響が検出された場合、もしレベル変換を行わなければ、Ixの値がそのまま採用されるが(U1=Ix)、指数関数でレベル変換を行うと、Ixの値はU2(<U1)に変換され、もとの値よりレベルが低下する。この指数関数によるレベル変換は、変換最大レベルL2以下かつ抑圧基準レベルL1以上の範囲で行われる。なお、ここでは、レベル変換関数J1の曲線部分に指数関数を用いたが、これ以外の関数を用いてもよい。
レベル変換関数J1のP3〜P4の直線部分は、検出された信号レベルIが平均値Bより小さい範囲にあって、一次関数となっているが、レベル変換しない場合の一次関数J2に対して下方向へシフトしているため、この領域においても検出信号のレベル変換が行われる。なお、この直線部分をB−L1だけ下方向へシフトさせているのは、レベル変換関数J1がP3で不連続にならないようにするためである。変換後のレベル値は、抑圧基準レベルL1より小さな値となる。また、レベル変換関数J1のP4〜P5の部分は、B−L1だけ下方向へシフトさせると負の値となるため、変換後のレベルを全て0としている。
図8では、平均値Bが抑圧基準レベルL1より大きくなっているが、平均値Bと抑圧基準レベルL1とが同じであってもよい。平均値Bが抑圧基準レベルL1より小さい場合は、図9のようなレベル変換関数J1が用いられる。このレベル変換関数J1は、変換最大レベルL2以下かつ平均値B以上の範囲でのみ、指数関数に従う変換カーブにより、図8と同様のレベル変換を行う。この場合も、変換カーブは、指数関数以外の関数であってもよい。なお、図9は、抑圧基準レベルL1を固定値とした場合であり、例えば平均値Bの最小値を毎回求めてこれを抑圧基準レベルL1とする場合は、図9のようなB<L1のケースは生じない。
表示部23の画面に表示される画像の色は、変換後の信号レベルUに基づいて決定される。図10は、画像の色をレベル区分と対応付けて表した色テーブルの例である。ここでは8色が用いられるが、これは一例であって、16色など色数は任意に選定することができる。レベル区分は、色と対応してレベル1〜レベル8まであり、レベル1が最も信号レベルが小さく、レベル8が最も信号レベルが大きい。各レベル区分には、信号レベルの範囲が設定されており、レベル変換関数J1による変換後の信号レベルUの値に応じて、当該信号レベルはレベル1〜レベル8のいずれかに振り分けられる。
したがって、図8のIxの残響に関して言えば、レベル変換を行わない場合のU1が例えばレベル6に属する値であれば、図10より表示色は橙色となるが、レベル変換を行った場合のU2が例えばレベル4に属する値であれば、図10より表示色は緑色となって、画面上で残響が目立ちにくくなる。
図11は、本発明のレベル変換処理により得られるエコー画像の例を示している。図12と対比すれば明らかなように、本発明の場合は、レベル変換によって残響のみが抑圧されるので、残響画像32が目立たなくなる一方で、魚群のエコー画像31は鮮明に表示される。
以上のように、上述した実施形態によれば、信号レベルが大きい魚群エコーはそのままにして、魚群エコーより信号レベルの低い残響のみを抑圧することができるので、画面上に残響画像が少なくなって、魚群の識別が容易となる。この場合、各レンジに対して、レンジ全体の信号レベルが高い場合は、そのレンジ全体の信号レベルが抑圧され、他のレンジに比べて信号レベルの分散が小さいレンジについては、ほとんどの信号レベルが抑圧される。また、上述した実施形態では、変換最大レベルL2を標準偏差に基づいて求めているので、レベルの高い方向に分散している点については、そのままのレベルが維持される。
さらに、上述した実施形態では、残響抑圧にあたって検波後の信号レベルを用いて演算を行うだけでよく、特許文献1のように周波数特性の違いを利用しないので、残響の抑圧にあたって、受信信号を周波数分離して時系列の波形データに変換した上で平均化処理を行う必要がない。したがって、演算時間を短縮して高速処理を行うことができる。
上記実施形態では、各レンジ(距離)ごとに演算処理を行う例を挙げたが、各方位(角度)ごとに演算処理を行ってもよい。この場合、(1)式および(2)式のI(j)は、各レンジごとに取得された信号レベルのデータ値となる。また、レベル変換処理の手順は、図13のようになる。図13では、ステップS11〜S14、S16、S17において、図4のステップS1〜S4、S6、S7の「各レンジ」が「各方位」に置き換わっているだけで、各ステップの処理内容は図4の場合と同様である。このように各方位ごとに処理を行うと、自船の後方や側方に放射状に発生するプロペラノイズと、それに起因したグレーティングローブによるノイズを抑圧することができる。
本発明では、以上述べた以外にも種々の実施形態を採用することができる。例えば、図8および図9におけるレベル変換関数J1として、P2〜P4までが指数関数等の変換カーブになっているものや、P2〜P5までが指数関数等の変換カーブになっているものを用いてもよい。
また、図4の手順では、ステップS1〜S6により1回分のデータが全て得られてから、ステップS7で変換最大レベルL2を算出するようにしているが、前回のデータで求めた変換最大レベルを用いて処理を行ってもよい。図13の場合も同様である。このようにすると、一回の送受信における全データが揃うのを待つことなく、従来のソナー画像のように順次処理して表示することが可能となる。
また、上記実施形態では、レベル変換処理において標準偏差X,Yを用いたが、本発明では、標準偏差に代えて、各信号レベルと平均値との差の絶対値の平均値を用いてもよい。その他、信号レベルの最大値と平均値の間に位置する値であれば、これらの以外の値を採用してもよい。
また、上記実施形態では、図4のステップS6および図13のステップS16において、単純にレベルに比例させて標準偏差Yを平均値Bで除算しているが、これに代えて、例えば平均値Bを対数変換したlog(B)で標準偏差Yを除算してもよい。この場合、(3)式は次のように書き換えられる。
L2=B+Z×log(B) ・・・(4)
また、(3)式や(4)式以外の演算式により変換最大レベルL2を算出してもよい。
また、上記実施形態では、スキャニングソナー1の表示部23にエコー画像を表示する場合について述べたが、スキャニングソナー1にPC(パーソナルコンピュータ)を接続し、このPCのモニタにエコー画像を表示するようにしてもよい。また、船内のスキャニングソナー1で収集したデータを光ディスク等の記録媒体に記録し、この記録媒体を別の場所に設置されているPCに装着して、データ解析を行うようにしてもよい。
さらに、上記実施形態では、超音波ビームを360°の全方位へ送信して全周スキャンを行うスキャニングソナーを例に挙げたが、本発明は、超音波ビームを180°の方位へ送信して半周スキャンを行うスキャニングソナーなど、他のタイプのスキャニングソナーにも適用することができる。
本発明の実施形態を示すシステム構成図である。 スキャニングソナーで水中を探知する原理を示した図である。 スキャニングソナーの電気的構成を示したブロック図である。 レベル変換処理の手順を示したフローチャートである。 任意のレンジにおいて受信ビームが旋回している様子を示した模式図である。 スキャンの結果得られた信号レベルの例を示した図である。 標準偏差の平準化を説明する図である。 レベル変換の原理を示した図である。 レベル変換の原理を示した図である。 色テーブルを示した図である。 本発明によるエコー画像の例である。 従来のエコー画像の例である。 他の実施形態によるレベル変換処理の手順を示したフローチャートである。
符号の説明
1 スキャニングソナー
6 送受波器
7 送信ビーム
8 受信ビーム
22 データ処理部
23 表示部
31 魚群エコーの画像
32 残響の画像
R1,R2,…Rn レンジ

Claims (6)

  1. 送受波器から超音波ビームを所定方位の探知領域へ送信し、前記送受波器の円周方向の走査によって形成される受信ビームでエコーを受信し、当該エコーの画像を表示するスキャニングソナーにおいて、
    各レンジごとに、前記受信ビームで受信された各方位の信号のレベルを検出する検出手段と、
    前記各レンジごとに、前記検出手段で検出された各方位の信号レベルのうち、一定以上突出したレベルを除いた範囲で、当該信号レベルの平均値を算出する算出手段と、
    前記検出手段で検出された信号レベルを変換するレベル変換手段と、を備え
    前記レベル変換手段は、
    前記各レンジごとに、前記算出手段で算出された平均値に基づいて、レベル変換される信号レベルの上限値となる変換最大レベルを決定し、
    前記検出手段で検出された各方位の信号レベルのうち、前記変換最大レベル以下の信号レベルを当該信号レベルよりも低い信号レベルに変換し、前記変換最大レベルより大きい信号レベルについてはレベル変換を行わないことを特徴とするスキャニングソナー。
  2. 送受波器から超音波ビームを所定方位の探知領域へ送信し、前記送受波器の円周方向の走査によって形成される受信ビームでエコーを受信し、当該エコーの画像を表示するスキャニングソナーにおいて、
    各方位ごとに、前記受信ビームで受信された各レンジの信号のレベルを検出する検出手段と、
    前記各方位ごとに、前記検出手段で検出された各レンジの信号レベルのうち、一定以上突出したレベルを除いた範囲で、当該信号レベルの平均値を算出する算出手段と、
    前記検出手段で検出された信号レベルを変換するレベル変換手段と、を備え
    前記レベル変換手段は、
    前記各方位ごとに、前記算出手段で算出された平均値に基づいて、レベル変換される信号レベルの上限値となる変換最大レベルを決定し、
    前記検出手段で検出された各レンジの信号レベルのうち、前記変換最大レベル以下の信号レベルを当該信号レベルよりも低い信号レベルに変換し、前記変換最大レベルより大きい信号レベルについてはレベル変換を行わないことを特徴とするスキャニングソナー。
  3. 請求項1または請求項2に記載のスキャニングソナーにおいて、
    前記算出手段は、
    前記検出手段で検出された各方位または各レンジの信号レベルの平均値Aを算出
    前記平均値Aと前記各方位または各レンジの信号レベルとに基づいて標準偏差Xを算出
    前記平均値Aおよび標準偏差Xに基づき、A−X以上かつA+X以下の範囲内にある各方位または各レンジの信号レベルについて前記平均値Bを算出することを特徴とするスキャニングソナー。
  4. 請求項3に記載のスキャニングソナーにおいて、
    前記算出手段は、更に、前記平均値Bと前記各方位または各レンジの信号レベルとに基づいて標準偏差Yを算出
    前記レベル変換手段は、各レンジまたは各方位ごとに、前記平均値Bと、前記標準偏差Yとに基づいて、前記変換最大レベルを決定することを特徴とするスキャニングソナー。
  5. 請求項4に記載のスキャニングソナーにおいて、
    前記レベル変換手段は、
    前記変換最大レベル以下の範囲で抑圧基準レベルを設定し、
    前記平均値Bが抑圧基準レベルより大きい場合は、前記変換最大レベル以下かつ前記抑圧基準レベル以上の範囲で、所定の関数に従う変換カーブによりレベル変換を行い、
    前記平均値Bが抑圧基準レベル以下の場合は、前記変換最大レベル以下かつ前記平均値B以上の範囲で、所定の関数に従う変換カーブによりレベル変換を行うことを特徴とするスキャニングソナー。
  6. 請求項3ないし請求項5のいずれかに記載のスキャニングソナーにおいて、
    前記標準偏差に代えて、各方位または各レンジの信号レベルと平均値との差の絶対値の平均値を用いることを特徴とするスキャニングソナー。
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