JP2967716B2 - ケース構造体 - Google Patents

ケース構造体

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JP2967716B2
JP2967716B2 JP2620696A JP2620696A JP2967716B2 JP 2967716 B2 JP2967716 B2 JP 2967716B2 JP 2620696 A JP2620696 A JP 2620696A JP 2620696 A JP2620696 A JP 2620696A JP 2967716 B2 JP2967716 B2 JP 2967716B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、少なくとも2分割
された樹脂製ケースにより圧力センサのような電子部品
を収納したケース構造体に関し、特に前記樹脂製ケース
の接着構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】電子部品を収納するケース構造体とし
て、例えば繊細な電子部品である圧力センサをケースに
収納した圧力検出器は、前記圧力センサを金属製材料の
下ケースと上ケースとによりパッケージしたものや、樹
脂製材料の下ケースと上ケースによりパッケージしたも
のが流体の圧力を計測する場合に用いられるが、主に前
者は液体等の圧力、後者は気体等の圧力を計測する場合
に多く用いられている。前述した圧力検出器の各ケース
の接着方法として、前者は下ケースと上ケースとをスポ
ット溶接等の手段により接着固定し、後者は下ケースと
上ケースとを例えばエポキシ係の接着剤により接着固定
するものである。
【0003】後者の接着構造は図8(a),(b)に示
すようなものがある。図8の(a),(b)ともに、下
ケース1,2の上ケース3,4との接合部に凹溝1a,
2aを形成し、この凹溝1a,2aに接着剤5を充填し
た後に上ケース3,4に形成された突出部3a,4aを
嵌め込み、下ケース1,2と上ケース3,4とを固定す
るものであるが、図8(a)における接着構造は、凹溝
1aと突出部3aとの関係は、凹溝1aの溝部の深さに
対し突出部3aの長さを長く形成し、凹溝1aと突出部
3aとの間にできる隙間に接着剤5が行き渡るように構
成したものである。また、図8(b)における接着構造
は、下ケース2の幅に対し上ケース4の幅を狭く形成
し、突出部4aの体積分の接着剤5のはみ出し量分を考
慮した接着剤溜め部6を構成したもので、以上のような
接着構造が一般的であった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】かかる構成の接着構造
は、図8(a)において、上ケース3の突出部3aの体
積分の接着剤5を突出部3aの幅から両方に振り分ける
構造であり、凹溝1aに適正量に対し多めに接着剤5を
充填した場合、ケースの両側(外側,内側)に接着剤5
がはみ出てしまい、特にケース内には圧力センサやその
他の電子部品等が収納されているためケース内側に接着
剤5がはみ出てしまうことは電子部品の接着剤付着によ
る不具合等にて品質的に問題であり、また、こうした品
質を維持するための接着剤の適量充填において、前述し
た構成では充填量管理が難しいと言った問題点があっ
た。また、図8(b)において、ケース外側に接着剤溜
め部6を形成し、はみ出た接着剤5を下ケース2と上ケ
ース4の側面の接着に当てているものの、下ケース2と
上ケース4との接合部が密閉状態になるため、突出部4
aの体積分の接着剤5は前記接合部の隙間からケース内
側にはみ出してしまうと言った問題点があった。
【0005】また、両方の接着構造において、適正量の
接着剤5を凹溝1a,2aに充填し上ケース3,4の突
出部3a,4aを嵌め込み、下ケース1,2と上ケース
3,4とを固定するが、その場合、上ケース3,4方向
(上方)から所定圧を加えた状態で接着剤5により下ケ
ース1,2と上ケース3,4を接着固定させる必要があ
るため(上ケース3,4の浮き上がり防止)、専用の治
具が必要となり設備費がかかってしまったり、組立作業
性が悪いと言った問題点があった。そこで本発明は、前
記課題を解決するため、接着剤の充填量管理が容易で品
質的に優れ、かつ組立作業性が良好なケース構造体を提
供する。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記課題を解
決するため、少なくとも2分割された樹脂製ケースによ
り電子部品を収納したケース構造体において、どちらか
一方のケースの他方のケースとの接合部全周に形成する
凹溝と、前記凹溝に対向する前記他方のケースの前記一
方のケースとの接合部全周に形成する突出部とを設け、
前記突出部の幅の中心が前記凹溝の幅の中心に対し、前
記下ケースと前記上ケースとの接合部における内側対向
面側にずれるように前記凹溝に前記突出部を嵌め込むと
ともに、前記接合部の前記一方のケースと前記他方のケ
ースとの前記内側対向面を当接させ、かつ前記一方のケ
ースと前記他方のケースとの外側対向面を当接させない
構成とし、前記凹溝と前記突出部との間で、前記一方の
ケースと前記他方のケースとを接着固定するための接着
剤溜め部を構成してなるものである。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明は、少なくとも2分割され
た樹脂製ケースにより電子部品を収納したケース構造体
において、例えば、前記樹脂製ケースが下ケースと上ケ
ースとからなる場合、前記下ケースの前記上ケースとの
接合部全周に形成する凹溝と、前記凹溝に対向する前記
上ケースの前記下ケースとの接合部全周に形成する突出
部とを設け、前記突出部の幅の中心が前記凹溝の幅の中
心に対し、前記下ケースと前記上ケースとの接合部にお
ける内側対向面側にずれるように前記凹溝に前記突出部
を嵌め込むとともに、前記接合部の前記下ケースと前記
上ケースとの前記内側対向面を当接させ、かつ前記下ケ
ースと前記上ケースとの外側対向面を当接させない構成
とし、前記凹溝と前記突出部との間で、前記下ケースと
前記上ケースとを接着固定するための接着剤溜め部を構
成することにより、前記突出部の体積分の前記接着剤は
前記内側対向面側でせき止められるため開放された前記
外側対向面側に流れ、前記接着剤の充填量にばらつきが
生じたとしてもケースの内側に前記接着剤がはみ出すこ
とが無くなるため、充填量管理が容易でかつ品質も良好
に確保できる。
【0008】また、前記突出部は、前記突出部の幅の中
心が凹溝の幅の中心に対し前記内側対向面側にずれるよ
うに前記凹溝に嵌め込まれているため、前記突出部の体
積分の前記接着剤は開放されている前記外側対向面方向
へ流れやすくなり、ケース内側へのはみ出しをより効果
的に防止できる。
【0009】また、前記上ケースに弾性係止片を形成
し、前記下ケースに係止部を形成し、前記係止部に前記
弾性係止片を係着させることにより、前記上,下ケース
の接着工程において前記上ケースの浮き上がりを防止で
き、かつ従来のように凹溝に前記接着剤を充填した後、
専用の治具により上ケース方向から所定圧を与える必要
がなくなることから、組立作業性を向上させることがで
きる。
【0010】
【実施例】以下、添付した図面に基づき本発明を説明す
るが、前記従来例と同一もしくは相当箇所には同一符号
を付してその詳細な説明は省く。
【0011】本発明のケース構造体を従来例と同様にエ
アー圧等の気体の圧力を検出する圧力検出器を例に挙げ
て説明すると、図1において、7はプリント基板であ
り、例えばガラス繊維入り絶縁基板に所定の図示しない
配線パターンが形成されている。8は気体の圧力を検出
する圧力センサであり、エアーを導入するための導入部
8aが後述する下ケースに達するまで設けられ、圧力セ
ンサ8のリード8bが半田によりプリント基板7と電気
的に接続されている。9は圧力センサ8の温度補償や圧
力センサ8の出力を増幅するための回路基板であり、例
えばセラミック材料からなる絶縁基板に所定の図示しな
い配線パターンが形成され、前記配線パターンの所定箇
所(ランド)にハイブリッドIC等の電子部品10が実装
され、この回路基板9は略L字形状に屈曲形成された複
数の電極リード11を介しプリント基板7に半田により電
気的に固定されている。12はプリント基板7の端部と電
気的に接触するコネクタであり、プリント基板7への電
源供給及び圧力センサ8からの出力信号を配線コード13
を介して外部の図示しない周辺機器と電気的に接続す
る。14は後述する下ケースのリード挿通孔に配設される
防水部材であり、例えばゴム製材料からなり配線コード
13からの水分の侵入を防止するためのものである。
【0012】15はOリング抑えであり、後述する下ケー
スのOリング収納部に収納されたOリング16の浮き上が
りを防止するもので、このOリング抑え15は断面形状が
略コの字状で、Oリング抑え15の略中央には圧力センサ
8の導入部8aが挿通するような挿通孔15a が形成され
ている。
【0013】17,18は本発明の特徴となる下ケースと上
ケースである。下ケース17は、図2,図3に示すよう
に、前述したOリング抑え15及びOリング16とを配設す
るためのOリング抑え収納部17a ,Oリング収納部17b
、防水部材14が取付固定されるリード挿通孔17c 、プ
リント基板7を配設するための段差部17d 、外気圧と内
気圧とを略同一とするための連通孔17e を形成した筒状
の連通部17f が形成され、そして、各収納部17a ,17b
の下方には気体を圧力センサ8の導入部8aに導くため
の導入路17g が下ケース17に延長形成されている。ま
た、下ケース17の上ケース18との接合部全周には、後述
する突出部を嵌め込むための凹溝17h と、この凹溝17h
より下方に位置し、下ケース17の外周の少なくとも2箇
所に上ケース18に形成される後述する弾性係止片を係着
する係止部17i とが形成されている。前述した連通孔17
e は、外気を下ケース17の背面側に設けられた取付部17
j が形成される方向から連通部17f を通じてケース内に
導くように屈曲形成されている。
【0014】一方、上ケース18は、図4,図5に示すよ
うに、下ケース17の凹溝17h に対向する上ケース17との
接合部全周に形成される突出部18a と、この突出部18a
より側方に位置し、上ケース18の外周から下ケース17に
形成される係止部17g に達するまで延長形成された弾性
係止片18b とが設けられ、また、上ケース18の内側上部
には、プリント基板7を支持する支持部18c と、連通部
17f に形成された連通孔17e からの外気をケース内に入
れる際、外気に含まれる水分をケース内に入りにくくす
るため、外気の通路を迷路状とする障壁部18d とが、下
ケース17方向に向かって延長形成されている。
【0015】以上の各部により圧力検出器Aを構成して
いる。
【0016】かかる構造の圧力検出器Aの下ケース17と
上ケース18との接着構造は、図6に示すように、下ケー
ス17に各構成部品を収納した後、下ケース17に形成され
る凹溝17h に接着剤5を充填し、上ケース18に形成され
る突出部18a を嵌め込み、上ケース18の弾性係止片18b
を下ケース17の係止部17i に係着させるものであるが、
この場合の接着構造を詳細に説明すると、凹溝17h と突
出部18a とを形成する下ケース17及び上ケース18の接合
部19の下ケース17と上ケース18の内側対向面20を当接さ
せ、かつ下ケース17と上ケース18との外側対向面21を当
接させない構成とし、凹溝17h と突出部18a との間で、
下ケース17と上ケース18とを接着固定するための接着剤
5の接着剤溜め部22を構成するようにしている。また、
突出部18a は、突出部18a の幅の中心mが凹溝17h の幅
の中心nに対し内側対向面20側にずれるように凹溝17h
に嵌め込まれている。
【0017】かかる圧力検出部Aは、下ケース17と上ケ
ース18とに凹溝17h 及び突出部18aを構成し、下ケース1
7と上ケース18との接合部19の内側対向面20を当接さ
せ、かつ外側対向面21を当接させない構成とし、凹溝17
h と突出部18a との間で、両ケース17,18とを接着固定
するための接着剤5の接着剤溜め部22を構成し、かつ、
突出部18a は、突出部18a の幅の中心mが凹溝17i の幅
の中心nに対し内側対向面20側にずれるように凹溝17h
に嵌め込まれていることから、突出部18a の体積分の接
着剤5は開放されている外側対向面21方向へ流れやすく
なり、接着剤5がケース内側にはみ出すことが無くなる
ものである。従って、充填量管理も容易となり、品質も
良好に確保できる。
【0018】また、上ケース18及び下ケース17に弾性係
止片18b と係止部17i とを形成し、係止部17i に弾性係
止片18b を係着させることにより、接着剤5による浮き
上がりの心配がなく、従来のように凹溝17h に接着剤5
を充填した後、専用の治具により上ケース方向から所定
圧を与える必要がなくなることから組立作業性を向上さ
せることができる。
【0019】図7は参考例を示し、下ケース23と上ケー
ス24の接着構造を示すものである。前述した実施例と異
なるところは、上ケース24に形成される突出部24a は、
突出部24a の幅の中心mが下ケース23に形成される凹溝
23a の幅の中心nに略一致し、突出部24a の両端に接着
剤溜め部25を略均等に構成するように凹溝23aに嵌め込
まれている点である。
【0020】かかる参考例における接着構造は、突出部
24a の体積分の接着剤5は内側対向面26側でせき止めら
れ、開放された外側対向面27側に流れることになるた
め、接着剤5の充填量にばらつきが生じたとしてもケー
スの内側に接着剤5がはみ出すことが無く、前述した実
施例と同様な効果が得られるものである。
【0021】尚、本発明は気体の圧力を検出する圧力検
出器Aを用いて、本発明の接着構造を説明したが、少な
くとも2分割された樹脂製のケースを用いた電子部品を
収納するケース構造体であれば良く、本実施例に限定さ
れるものではない。
【0022】また、本実施例では下ケース17(23)に凹
溝17h (23a )を形成し、また上ケース18(24)に突出
部18a (24a )を形成し、本発明の接着構造を適用した
が、下ケースに突出部、上ケースに凹溝を形成しても良
い。
【0023】
【発明の効果】本発明は、少なくとも2分割された樹脂
製ケースにより電子部品を収納したケース構造体におい
て、どちらか一方のケースの他方のケースとの接合部
に形成する凹溝と、前記凹溝に対向する前記他方のケ
ースの前記一方のケースとの接合部全周に形成する突出
部とを設け、前記突出部の幅の中心が前記凹溝の幅の中
心に対し、前記下ケースと前記上ケースとの接合部にお
ける内側対向面側にずれるように前記凹溝に前記突出部
を嵌め込むとともに、前記接合部の前記一方のケースと
前記他方のケースとの前記内側対向面を当接させ、かつ
前記一方のケースと前記他方のケースとの外側対向面を
当接させない構成とし、前記凹溝と前記突出部との間
で、前記一方のケースと前記他方のケースとを接着固定
するための接着剤溜め部を構成することから、前記突出
部の体積分の前記接着剤は前記内側対向面側でせき止め
られるため開放された前記外側対向面側に流れることに
なり、前記接着剤の充填量にばらつきが生じたとしても
ケースの内側に前記接着剤がはみ出すことが無く、充填
量管理が容易でかつ品質も良好に確保できる。
【0024】また、前記突出部の幅の中心が前記凹溝の
幅の中心に対し前記内側対向面側にずれて嵌め込まれる
ことから、前記突出部の体積分の前記接着剤は開放され
ている外側対向面方向へ流れやすくなり、ケース内側へ
のはみ出しをより効果的に防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例を示す要部断面図。
【図2】同上実施例の下ケースの要部断面図。
【図3】同上実施例の下ケースを平面図。
【図4】同上実施例の上ケースの要部断面図。
【図5】同上実施例の上ケースの平面図。
【図6】同上実施例の要部断面拡大図。
【図7】参考例を示す要部断面拡大図。
【図8】従来例を示す要部断面拡大図。
【符号の説明】
8 圧力センサ(電子部品) 17,23 下ケース 18,24 上ケース 17h ,23a 凹溝 18a ,24a 突出部 17g 係止部 18b 弾性係止片 19 接合部 20,26 内側対向面 21,27 外側対向面 22,25 接着剤溜め部 A 圧力検出器(ケース構造体)
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H05K 5/00 G01P 1/02 G12B 9/04 H05K 5/02

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも2分割された樹脂製ケースに
    より電子部品を収納したケース構造体において、どちら
    か一方のケースの他方のケースとの接合部全周に形成す
    る凹溝と、前記凹溝に対向する前記他方のケースの前記
    一方のケースとの接合部全周に形成する突出部とを設
    け、前記突出部の幅の中心が前記凹溝の幅の中心に対
    し、前記下ケースと前記上ケースとの接合部における内
    側対向面側にずれるように前記凹溝に前記突出部を嵌め
    込むとともに、前記接合部の前記一方のケースと前記他
    方のケースとの前記内側対向面を当接させ、かつ前記一
    方のケースと前記他方のケースとの外側対向面を当接さ
    せない構成とし、前記凹溝と前記突出部との間で、前記
    一方のケースと前記他方のケースとを接着固定するため
    の接着剤溜め部を構成してなることを特徴とするケース
    構造体。
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