JP3663837B2 - 圧力センサ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、圧力を検出する圧力センサに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
この種の圧力センサとしては、例えば図6及び図7に示すように、半導体基板に凹所を設けることによって形成された受圧ダイアフラムにピエゾ抵抗が形成された半導体センサチップ1と、半導体センサチップ1がガラス台座5を介して実装されたセラミック基板(プリント板)10と、セラミック基板10を納装するケース2とから構成されるものがあった。ここに、半導体センサチップ1表面の電極(図示せず)とセラミック基板10に形成された電極13とは例えばアルミニウム細線よりなるボンディングワイヤWにより接続される。また、セラミック基板10には、半導体センサチップ1の出力(差動出力)を増幅するための出力増幅回路が設けられている。出力増幅回路は、セラミック基板10に実装された増幅用IC30(演算増幅器)や、セラミック基板10上に焼成により形成されたトリミング用の厚膜抵抗(図示せず)などにより構成される。また、半導体センサチップ1の表面にはシリコン樹脂7がコーティングされている。
【0003】
半導体センサチップ1などが実装されたセラミック基板10は、一面が開口した例えば樹脂製のボディ20に収納される。図7(a)〜(c)に示すように、ボディ20の上面には、ボディ20の内外を連通する圧力導入孔24が穿孔された圧力導入用パイプ21が、ボディ20の上面と略直交する方向に突設されており、また、ガラス台座5及びセラミック基板10にも、圧力導入孔24と連通する孔6,11がそれぞれ穿設され、半導体センサチップ1の受圧ダイアフラムには、圧力導入用パイプ21の圧力導入孔24からの圧力が伝わるようになっている。ここに、ボディ20とボディ20に接着固定され半導体センサチップ1やセラミック基板10などを覆うカバー40とでケース2が構成され、圧力導入用パイプ21が突設されたボディ20の上面には、半導体センサチップ1とカバー40との間の空間と、ケース2の外部とを連通する大気導入孔26が穿設された大気導入用パイプ27が、ボディ20の上面と略直交する方向に突設されている。
【0004】
ところで、ボディ20には複数の金属製の端子22が同時成形されており、出力増幅回路は、ボディ20に設けられた端子22に導電性ペースト(例えば、銀ペーストなど)や半田などにより接続される。端子22は圧力導入用パイプ21が突出する方向と反対方向に折曲され、出力増幅回路の出力を外部へ取り出すための端子や、出力増幅回路へ電源を供給するための端子などを構成する。
【0005】
尚、図6(b)中の33はセラミック基板10をボディ20に固定する接着剤であり、同図中の34はセラミック基板10の導電部と端子22の導通をとるための導電性ペーストであり、同図中の23は端子22をボディ20に一体成形するためのフレームである。また、図6(a)中の31はセラミック基板の周囲に封止されたシリコンゲルであり、29は半導体センサチップ1へのシリコンゲル31の流入を防ぐための枠体である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記構成の圧力センサでは、圧力導入用パイプ21がボディ20の上面と略直交する方向に突設されてるので、図8に示すように、この圧力センサをプリント基板51に実装し、圧力を測定箇所から導入するための圧力導入用チューブ50を圧力導入用パイプ21に嵌めると、圧力導入用チューブ50がボディ20の上面と略直交する方向から差し込まれるため、圧力導入用チューブ50を圧力導入用パイプに接続するのに必要な取付け高さHが高くなるという問題があった。また、取付け高さHが制限されている場合、図8中に二点鎖線で示すように、圧力導入用チューブ50が途中で折れ曲げられ、測定箇所の圧力を正確に測定できなくなるという問題もあった。
【0007】
また、大気導入孔26がボディ20の上面と略直交する方向に形成されているので、水がかかるような場所で圧力センサを使用する場合(例えば、洗濯機の水位測定用などの用途に使用する場合)、大気導入孔26からケース2内に水が浸入しやすいという問題もあった。
本発明は上記問題点に鑑みて為されたものであり、その目的とするところは、圧力導入用チューブの取付け高さを低くし、水の浸入を防止した圧力センサを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明では、上記目的を達成するために、圧力を検出する圧力検出部と、圧力検出部が納装されるケースとを備え、圧力検出部に圧力を導入するための圧力導入孔が穿設された圧力導入用パイプをケース表面に突設するとともに、圧力導入用パイプをケース表面と略平行な方向に突出させ、圧力導入用パイプの付け根に、圧力を測定箇所から導入するための圧力導入用チューブが入り込むえぐれ部を設け、ケース表面と圧力導入用パイプとの間で、えぐれ部に差し込まれた圧力導入用チューブを挟持することを特徴とし、圧力導入用パイプをケース表面と略直交する方向に突出させた場合に比べて、圧力センサ全体の高さを低くすることができる。さらに、圧力を測定箇所から導入するための圧力導入用チューブを圧力導入用パイプに差し込んだ場合、圧力導入用チューブはケース表面と平行な方向に伸びるので、圧力導入用チューブを接続するのに必要な取付け高さを低くすることができる。
【0009】
しかも、請求項1の発明では、圧力導入用パイプの付け根に、圧力を測定箇所から導入するための圧力導入用チューブが入り込むえぐれ部を設けているので、圧力導入用チューブを圧力導入用パイプの付け根まで差し込むことができ、且つケース表面と圧力導入用パイプとの間で、えぐれ部に差し込まれた圧力導入用チューブを挟持しているので、圧力導入用チューブが抜けるのを防ぐことができる。
【0010】
請求項2の発明では、請求項1の発明において、圧力導入孔の一部に略垂直に屈曲する第1の屈曲部を設け、第1の屈曲部の断面形状を略D字状としているので、第1の屈曲部に絞りの機能を持たせることができる。また、第1の屈曲部の平面部を、樹脂成形時に圧力導入孔を成形する金型の合わせ面とすることができる。
【0011】
請求項3の発明では、請求項1又は2の発明において、ケース内部に大気を導入する大気導入孔をケースの側面に設け、大気導入孔の一部に略垂直に屈曲する第2の屈曲部を設けるとともに、大気導入孔のケース側面側の開口端に絞り部を設けており、大気導入孔をケースの側面に設けているので、大気導入孔をケースの上面に設けた場合に比べて水が入りにくくなる。そのうえ大気導入孔のケース側面側の開口端に絞り部を設け、大気導入孔の一部に第2の屈曲部を設けているので、さらに水の浸入を防止することができる。
【0012】
請求項4の発明では、請求項1乃至3の何れか1つの発明において、上記圧力検出部に電源供給するための端子や上記圧力検出部の検出出力を外部に出力するための端子からなる複数の外部接続端子をケースの両側面に突設し、複数の外部接続端子の内、最外縁の外部接続端子を幅広に形成しているので、プリント基板に外部接続端子を半田付けする際に、外部接続端子の取付け強度を高めることができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。尚、基本的な構成は上述した従来の圧力センサと同様であるので、共通する構成要素には同一の符号を付し、その説明を省略する。
本実施形態の圧力センサは、図1及び図2に示すように、半導体基板に凹所を設けることによって形成された受圧ダイアフラムにピエゾ抵抗が形成された半導体センサチップ1と、半導体センサチップ1がガラス台座5を介して実装されたセラミック基板10と、セラミック基板10を納装するケース2とから構成されている。ここに、半導体センサチップ1表面の電極(図示せず)とセラミック基板10に形成された電極13とは例えばアルミニウム細線よりなるボンディングワイヤWにより接続される。また、セラミック基板10には、半導体センサチップ1の出力(差動出力)を増幅するための出力増幅回路が設けられている。出力増幅回路は、セラミック基板10に実装された増幅用IC30(演算増幅器)や、セラミック基板10上に焼成により形成されたトリミング用の厚膜抵抗(図示せず)などにより構成される。また、半導体センサチップ1の表面にはシリコン樹脂7がコーティングされている。
【0014】
半導体センサチップ1などが実装されたセラミック基板10は、一面が開口した例えば樹脂製のボディ20に収納される。図2(a)〜(c)に示すように、ボディ20の上面には、ボディ20の内外を連通する圧力導入孔24が穿孔された略L字状の圧力導入用パイプ21が突設されており、圧力導入用パイプ21は、ボディ20の上面と略平行な方向に突出している。ここで、ガラス台座5及びセラミック基板10には、圧力導入孔24と連通する孔6,11がそれぞれ穿設され、半導体センサチップ1の受圧ダイアフラムに、圧力導入用パイプ21の圧力導入孔24からの圧力が伝わるようになっている。また、圧力導入用パイプ21の付け根には、圧力を検出箇所から導入するための圧力導入用チューブが差し込まれるえぐれ部28が形成されているので、図3に示すように、圧力導入用チューブ50を圧力導入用パイプ21の付け根まで差し込むことができ、圧力導入用チューブ50を圧力導入用パイプ21に確実に接続することができる。また、圧力導入用チューブ50をえぐれ部28まで差し込むと、圧力導入用チューブ50がケース2(ボディ20)の表面と圧力導入用パイプ21との間に挟持されるので、圧力導入用チューブ50が圧力導入用パイプ21から抜けにくくなり、圧力導入用チューブ50を圧力導入用パイプ21に確実に差し込むことができる。
【0015】
ところで、図1(a)及び図4に示すように、圧力導入孔24の一部には第1の屈曲部24cが形成されており、ボディ20の上面と略平行な方向に伸びる孔24aと、ボディ20の上面と略直交する方向に伸びる孔24bとが第1の屈曲部24cで略直交している。ここで、第1の屈曲部24cの断面形状は略D字状に形成されており、ボディ20を樹脂成形する際に、第1の屈曲部24cの平面部が、孔24aを成形する金型と、孔24cを成形する金型との合わせ面となるので、両金型を容易に合わせることができる。また、両金型は平面部で当接するので、両金型の当接面でバリなどが発生しにくくなる。また、第1の屈曲部24cの断面積が孔24a,24bの断面積に比べて小さいので、第1の屈曲部24cが絞りの役割を果たし、圧力導入孔24を通ってケース2内に異物が浸入するのを防止している。
【0016】
ここに、ボディ20とボディ20に接着固定され半導体センサチップ1やセラミック基板10などを覆うカバー40とでケース2が構成され、ボディ20の側面には、半導体センサチップ1とカバー40との間の空間と、ケース2の外部とを連通する大気導入孔26が穿設されている。したがって、大気導入孔26をボディ20の側面に設けているので、大気導入孔26をボディ20の上面に設けた場合に比べて、大気導入孔26内に水が入り込みにくくなる。さらに、大気導入孔26の一部には略垂直に屈曲する第2の屈曲部26aが設けられており、大気導入孔26のボディ20の側面側の開口端には絞り部26bが設けられているので、大気導入孔26の開口端から内部に入るにつれて、大気導入孔26の断面積が除々に小さくなるため、大気導入孔26の開口端に水滴が付着しても、水の表面張力によって、水滴が大気導入孔26内に入り込むことがなく、大気導入孔26内に水が浸入するのを防止することができる。
【0017】
ところで、ボディ20の両側面には複数の金属製の外部接続端子たる端子22,22’が同時成形されており、圧力導入用パイプ21が突設された方向と反対方向に略直角に折曲されている。一方の側面に設けられた5本の端子の内、例えば内側の3本の端子22が出力増幅回路に導電性ペースト(例えば、銀ペーストなど)34により接続されており、端子22の両側の2本の端子22’及び他方の側面に設けられた3本の端子22’は端子22よりも幅広に形成されている。したがって、端子22’をプリント基板に半田付けする際に、端子22’の取付け強度を端子22に比べて大きくすることができ、ケース2全体の取付け強度を増すことができるので、例えば圧力導入用パイプ21に圧力導入用チューブ50を取り付ける際に、ケース2に外力が加わっても、端子22,22’が破損することがない。
【0018】
また、図5に示すように、端子22,22’をボディ20内で略垂直に二度折曲し、ボディ20の両側面からボディ20の上面と略平行な方向に突出させた状態で、端子22,22’を図5中下方に折曲するようにしてもよい。端子22,22’に折り返し部22aを設けることによって、ケース2外に露出する端子22,22’の上端からケース2の下面までの高さ寸法hを小さくすることができる。したがって、この圧力センサをプリント基板51に実装する際に、ユーザにてプリント基板51の表面を例えばウレタン樹脂からなるポッティング剤81でコーティングすることにより、ケース2の外部に露出する端子22,22’の部位を容易にコーティングすることができる。
【0019】
尚、図1(a)中の33はセラミック基板10をボディ20に固定する接着剤であり、同図中の23,23aは端子22,22’をボディ20に一体成形するためのフレームである。
【0020】
【発明の効果】
請求項1の発明は、上述のように、圧力を検出する圧力検出部と、圧力検出部が納装されるケースとを備え、圧力検出部に圧力を導入するための圧力導入孔が穿設された圧力導入用パイプをケース表面に突設するとともに、圧力導入用パイプをケース表面と略平行な方向に突出させ、圧力導入用パイプの付け根に、圧力を測定箇所から導入するための圧力導入用チューブが入り込むえぐれ部を設け、ケース表面と圧力導入用パイプとの間で、えぐれ部に差し込まれた圧力導入用チューブを挟持することを特徴とし、圧力導入用パイプをケース表面と略直交する方向に突出させた場合に比べて、圧力センサ全体の高さを低くすることができるという効果がある。さらに、圧力を測定箇所から導入するための圧力導入用チューブを圧力導入用パイプに差し込んだ場合、圧力導入用チューブはケース表面と平行な方向に伸びるので、圧力導入用チューブを接続するのに必要な取付け高さを低くすることができ、圧力導入用チューブの取付け高さが制限されている場所でも、圧力を正確に測定することができるという効果がある。
【0021】
さらに、請求項1の発明は、圧力導入用パイプの付け根に、圧力を測定箇所から導入するための圧力導入用チューブが入り込むえぐれ部を設けているので、圧力導入用チューブを圧力導入用パイプの付け根まで差し込むことができ、圧力導入用チューブを確実に差し込むことができるというという効果がある。そのうえ請求項1の発明は、ケース表面と圧力導入用パイプとの間で、えぐれ部に差し込まれた圧力導入用チューブを挟持しているので、圧力導入用チューブが抜けるのを防止でき、圧力導入用チューブを確実に取り付けることができるという効果がある。
【0022】
請求項2の発明は、圧力導入孔の一部に略垂直に屈曲する第1の屈曲部を設け、第1の屈曲部の断面形状を略D字状としているので、第1の屈曲部に絞りの機能を持たせることができ、圧力導入孔から異物が侵入するのを防ぐことができるという効果がある。また、第1の屈曲部の平面部を、樹脂成形時に圧力導入孔を成形する金型の合わせ面とすることができるので、金型の合わせを容易に行うことができるという効果がある。
【0023】
請求項3の発明は、ケース内部に大気を導入する大気導入孔をケースの側面に設け、大気導入孔の一部に略垂直に屈曲する第2の屈曲部を設けるとともに、大気導入孔のケース側面側の開口端に絞り部を設けており、大気導入孔をケースの側面に設けているので、大気導入孔をケースの上面に設けた場合に比べて水が入りにくくなるという効果がある。そのうえ大気導入孔のケース側面側の端部に第2の絞り部を設け、大気導入孔の一部に第2の屈曲部を設けているので、水の浸入をさらに防止できるという効果がある。
【0024】
請求項4の発明は、上記圧力検出部に電源供給するための端子や上記圧力検出部の検出出力を外部に出力するための端子からなる複数の外部接続端子をケースの両側面に突設し、複数の外部接続端子の内、最外縁の外部接続端子を幅広に形成しているので、プリント基板に外部接続端子を半田付けする際に、外部接続端子の取付け強度を高めることができ、圧力センサに外力が加わっても外部接続端子が破損することがないという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態の圧力センサを示し、(a)は断面図、(b)はカバーを外した状態の平面図である。
【図2】同上の圧力センサを示し、(a)は上面図、(b)は正面図、(c)は側面図である。
【図3】同上の圧力センサの使用状態を説明する説明図である。
【図4】同上の圧力センサのボディを下側から見た一部省略せる斜視図である。
【図5】同上の圧力センサの取付状態を説明する断面図である。
【図6】従来の圧力センサを示し、(a)は断面図、(b)はカバーを外した状態の平面図である。
【図7】同上の圧力センサを示し、(a)は正面図、(b)は上面図、(c)は側面図である。
【図8】同上の圧力センサの使用状態を説明する説明図である。
【符号の説明】
1 半導体センサチップ
2 ケース
10 セラミック基板
20 ボディ
21 圧力導入孔
24 圧力導入用パイプ
40 カバー
Claims (4)
- 圧力を検出する圧力検出部と、圧力検出部が納装されるケースとを備え、圧力検出部に圧力を導入するための圧力導入孔が穿設された圧力導入用パイプをケース表面に突設するとともに、圧力導入用パイプをケース表面と略平行な方向に突出させ、圧力導入用パイプの付け根に、圧力を測定箇所から導入するための圧力導入用チューブが入り込むえぐれ部を設け、ケース表面と圧力導入用パイプとの間で、えぐれ部に差し込まれた圧力導入用チューブを挟持することを特徴とする圧力センサ。
- 圧力導入孔の一部に略垂直に屈曲する第1の屈曲部を設け、第1の屈曲部の断面形状を略D字状としたことを特徴とする請求項1記載の圧力センサ。
- ケース内部に大気を導入する大気導入孔をケースの側面に設け、大気導入孔の一部に略垂直に屈曲する第2の屈曲部を設けるとともに、大気導入孔のケース側面側の開口端に絞り部を設けたことを特徴とする請求項1又は2記載の圧力センサ。
- 上記圧力検出部に電源供給するための端子や上記圧力検出部の検出出力を外部に出力するための端子からなる複数の外部接続端子をケースの両側面に突設し、複数の外部接続端子の内、最外縁の外部接続端子を幅広に形成したことを特徴とする請求項1乃至3の何れか1つに記載の圧力センサ。
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