JP2854268B2 - 圧力センサ装置とその製造方法 - Google Patents

圧力センサ装置とその製造方法

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JP2854268B2
JP2854268B2 JP17286695A JP17286695A JP2854268B2 JP 2854268 B2 JP2854268 B2 JP 2854268B2 JP 17286695 A JP17286695 A JP 17286695A JP 17286695 A JP17286695 A JP 17286695A JP 2854268 B2 JP2854268 B2 JP 2854268B2
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清之 田中
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、流体の圧力を検出
し、電気的に出力する圧力センサ装置とその製造方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】一般にいわゆるキャンタイプの圧力セン
サは、図6に示すように、金属製の基板10にセンサ素
子12が固定され、センサ素子12に接続された端子1
4が、絶縁ガラス16に囲まれて金属基板10に挿通さ
れて下方に突出している。金属基板10の上部は、金属
製のキャン18が被せられ、その周縁部の接合部は溶接
により完全に気密状態に接合されている。そして、セン
サ素子12の裏面側には、金属基板10に形成された大
気圧導入口20が連通し、センサ素子12の表面側は、
キャン18に形成された圧力導入筒22側に連通してい
る。
【0003】従来、この圧力センサ11は、図5に示す
ように、増幅回路や温度補償回路、その他の調整回路が
形成された回路基板24に取り付けられ、圧力センサモ
ジュール26を形成し、これが圧力測定装置内の回路基
板に取り付けられるようになっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の技術の圧力
センサモジュール26は、回路基板24上のICや抵抗
器、その他の部品が外部に露出しているため、耐湿性が
悪く、高温高湿試験や、高温高湿で高圧下の試験等にお
いて特性が変化してしてしまうという問題がある。ま
た、このセンサモジュール26は、圧力センサ11に外
力が伝わり易く、外力等により損傷や誤差が生じるた
め、取扱に注意を要し、取り付け作業が面倒なものであ
った。
【0005】さらに、この圧力センサ11のキャン18
は、金属基板10に溶接されているが、圧力検出には高
度の気密性が要求され、溶接不良や、長期間の使用によ
って腐蝕等が生じ、気密性が低下するという問題があ
る。また、キャン18に樹脂皮膜を形成することも考え
られるが、皮膜だけでは、苛酷な環境条件で使用された
場合には耐久性に問題が生じ、十分な性能は発揮できな
いものである。また、標準化されたキャン18の圧力導
入筒22では、種々の用途に応じてその形状を変えるこ
とができず、気密性保持等に最適の構造にできない場合
もあった。
【0006】この発明は、上記従来の技術の問題点に鑑
みて成されたもので、気密性、耐環境性が高く、外力に
よる誤差が生じにくく、取扱も容易な圧力センサ装置と
その製造方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】この発明は、圧力導入部
を有したセンサケース内にセンサ素子が設けられた圧力
センサを、センサ回路が形成された回路基板上に取り付
けた圧力センサ装置において、圧力導入管を有し上記回
路基板を収納する外装ケースを設け、この外装ケース内
で上記圧力導入部を上記圧力導入管に接続し、上記回路
基板を上記外装ケースの内壁から離間した状態で上記外
装ケース内に収納し、上記外装ケース内に樹脂を充填
し、上記回路基板及び上記センサケースをこの樹脂中に
埋設した圧力センサ装置である。
【0008】またこの発明は、圧力導入部を有したセン
サケース内にセンサ素子が設けられた圧力センサを、セ
ンサ回路が形成された回路基板上に取り付ける圧力セン
サ装置の製造方法であって、圧力導入管を有し上記回路
基板を収納する外装ケースを設け、上記センサケースを
モールド成形により形成し、上記外装ケース内に上記セ
ンサケースを収容し、上記圧力導入部を上記圧力導入管
に接続し、上記センサケースを上記外装ケース内に接着
し、上記回路基板を上記外装ケースの内壁から離間させ
た状態で上記外装ケース内に位置決めし、この後上記外
装ケース内に柔軟な樹脂を注入し、上記回路基板及び上
記センサケースをこの樹脂中に埋設する圧力センサ装置
の製造方法である。
【0009】
【作用】この発明の圧力センサ装置は、センサ回路が形
成された回路基板およびセンサケースが樹脂中に埋設さ
れ、外装ケース内壁から離間しているので、耐環境性が
高く外装ケースの熱歪み等の外力による歪みが伝わりに
くく、しかも、センサの周囲も樹脂により固められてい
るので気密性も高いものである。
【0010】
【実施例】以下この発明の実施例について図面に基づい
て説明する。図1、図2はこの発明の第一実施例を示す
もので、この実施例の圧力センサ30は、上記キャンタ
イプの圧力センサであり、金属製の基板にセンサ素子が
固定され、このセンサ素子には、センサケースである金
属製のキャン32が被せられている。金属製基板には大
気圧導入口34が設けられ、キャン32には被測定圧力
を導入する圧力導入部である圧力導入筒36が設けら
れ、図示しないセンサ素子が大気圧と被測定圧力空間と
の間を気密状態で仕切っている。この圧力センサ30
は、ICや抵抗器等によるセンサ回路が形成された回路
基板38に取り付けられ、端子がハンダ付けされてい
る。
【0011】圧力センサ30が取り付けられた回路基板
38は、樹脂製の外装ケース40内に収納され、圧力導
入筒36が外装ケース40内での圧力導入管42に嵌合
し接着されている。そして、外装ケース40の回路基板
38を収納した収納空間には、圧力センサ30の大気圧
導入口34が露出する程度に、軟質なエポキシ樹脂等の
樹脂44が充填されている。
【0012】この実施例の圧力センサ装置によれば、キ
ャンタイプの圧力センサ30および回路基板38が樹脂
44に覆われ、気密性、耐湿性が向上する。しかも、圧
力を導入するチューブは、外装ケース40の圧力導入管
42に嵌合されるので、圧力センサ30にはそのチュー
ブの抜き差し時にストレスが加わらず、センサチップ
や、端子のハンダ付け部に歪が伝わることがなく、圧力
の正確な測定が可能となる。また、回路基板38が外装
ケース内壁から離間して位置しているので、外装ケース
の熱歪み等の外力が回路基板に伝わらず、この回路基板
を経てセンサ素子に、その応力が伝達されることがな
く、温度変化による誤差が生じないものである。さら
に、樹脂44の充填作業は極めて簡単なものであり、樹
脂充填によって衝撃に対しても耐久性が向上した。
【0013】次にこの発明の第二実施例について図3に
基づいて説明する。ここで、第一実施例と同様の部材は
同一の符号を付して説明を省略する。
【0014】この実施例の圧力センサ装置は、モールド
成型されたセンサケース50内にセンサ素子52が設け
られたものである。センサケース50は、回路基板38
に取り付けられて、圧力導入部である開口部側が外装ケ
ース40の圧力導入管42に面して軟質樹脂により接着
され、その反対側に大気圧導入口54が突設されてい
る。この回路基板38に取り付けられたモールドパッケ
ージ型の圧力センサも、外装ケース40内で、樹脂44
中に埋設され、大気圧導入口54の先端部のみが充填樹
脂44の外に出るように形成されている。また、センサ
素子52に接続した端子56は、センサケース50にイ
ンサート成型され、表面実装型の端子形状に形成され、
回路基板38に表面実装されている。
【0015】この実施例の圧力センサ装置によれば、上
述の実施例と同様の効果のほか、センサケース50がモ
ールドにより形成でき、溶接工程が無く、端子56も表
面実装型にすることにより、ハンダ付け工程をリフロー
ハンダ付けにすることが可能となり、製造工程の効率化
を図ることができる。さらに、コストの低減も可能であ
り、気密性も極めて高いものにすることができる。
【0016】また、この発明の圧力センサ装置の外装ケ
ースの圧力導入管の先端部に、図4に示すように、段差
部60を形成することにより、チューブを外れにくくす
ることができ、圧力の漏れも確実に無くすることができ
る。また、上記実施例は正圧測定用のものであるが、上
記大気圧導入口を長く大きく形成し、上記圧力導入管を
大気圧導入口に変えて使用し、負圧を測定する圧力セン
サとしても使用できることは言うまでもない。さらに、
この発明の外装ケースの形状は適宜変更できるものであ
り、圧力センサを内部に収納して樹脂を充填可能な形状
であれば良い。
【0017】
【発明の効果】この発明の圧力センサ装置とその製造方
法は、圧力センサが外装ケース内に収納され、回路基板
及びセンサケースが樹脂中に埋設されているので、気密
性を高くすることができ、回路素子の劣化も防止するこ
とができる。また、外装ケース内壁から回路基板が離間
しているので、耐環境性が高く外装ケースの熱歪み等の
外力による歪みが伝わりにくく温度変化等による誤差が
生じにくいものである。また、外装ケースおよび充填樹
脂により、回路基板やセンサが保護されているので、取
扱時の衝撃等に対しても強く、信頼性を大きく向上させ
ることができる。また、圧力を導くチューブは、外装ケ
ースの圧力導入管に接続されるので、圧力センサ自体の
圧力導入筒には応力がかからず、測定圧力の誤差が生ぜ
ず、圧力センサの端子のハンダ付け部にも無理な力が加
わらない。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第一実施例の圧力センサ装置の縦断
面図である。
【図2】この実施例の圧力センサ装置の斜視図である。
【図3】この発明の第二実施例の圧力センサ装置の縦断
面図である。
【図4】この発明の他の実施例の圧力センサ装置の圧力
導入管の先端部の正面図である。
【図5】従来の技術の圧力センサモジュールの正面図で
ある。
【図6】キャンタイプの圧力センサの縦断面図である。
【符号の説明】
30 圧力センサ 32 キャン(センサケース) 38 回路基板 40 外装ケース 42 圧力導入管 44 樹脂
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平1−243558(JP,A) 実開 昭57−6042(JP,U) 実開 平1−144836(JP,U) 実開 昭63−147094(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G01L 19/00 101

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 圧力導入部を有したセンサケース内にセ
    ンサ素子が設けられた圧力センサを、センサ回路が形成
    された回路基板上に取り付けた圧力センサ装置におい
    て、圧力導入管を有し上記回路基板を収納する外装ケー
    スを設け、この外装ケース内で上記圧力導入部を上記圧
    力導入管に接続し、上記回路基板を上記外装ケースの内
    壁から離間した状態で上記外装ケース内に収納し、上記
    外装ケース内に樹脂を充填し、上記回路基板及び上記セ
    ンサケースをこの樹脂中に埋設したこと特徴とする圧力
    センサ装置。
  2. 【請求項2】 圧力導入部を有したセンサケース内にセ
    ンサ素子が設けられた圧力センサを、センサ回路が形成
    された回路基板上に取り付ける圧力センサ装置の製造方
    法において、圧力導入管を有し上記回路基板を収納する
    外装ケースを設け、上記センサケースをモールド成形に
    より形成し、上記外装ケース内に上記センサケースを収
    容し、上記圧力導入部を上記圧力導入管に接続し、上記
    センサケースを上記外装ケース内に接着し、上記回路基
    板を上記外装ケースの内壁から離間させた状態で上記外
    装ケース内に位置決めし、この後上記外装ケース内に柔
    軟な樹脂を注入し、上記回路基板及び上記センサケース
    をこの樹脂中に埋設する圧力センサ装置の製造方法。
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