JP2966948B2 - 車両の制御装置 - Google Patents

車両の制御装置

Info

Publication number
JP2966948B2
JP2966948B2 JP4796991A JP4796991A JP2966948B2 JP 2966948 B2 JP2966948 B2 JP 2966948B2 JP 4796991 A JP4796991 A JP 4796991A JP 4796991 A JP4796991 A JP 4796991A JP 2966948 B2 JP2966948 B2 JP 2966948B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
pressing
oil
pressed
drive member
force
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP4796991A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH04284107A (ja
Inventor
邦彦 藤原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Matsuda KK
Original Assignee
Matsuda KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Matsuda KK filed Critical Matsuda KK
Priority to JP4796991A priority Critical patent/JP2966948B2/ja
Publication of JPH04284107A publication Critical patent/JPH04284107A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2966948B2 publication Critical patent/JP2966948B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Valve Device For Special Equipments (AREA)
  • Output Control And Ontrol Of Special Type Engine (AREA)
  • Lubrication Of Internal Combustion Engines (AREA)
  • Combined Controls Of Internal Combustion Engines (AREA)
  • Braking Arrangements (AREA)
  • Valve-Gear Or Valve Arrangements (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、バルブタイミング可変
機構に組み込まれた被押圧駆動部材に対して押圧および
押圧解除が可能な押圧駆動部材を有する車両の制御装置
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、各種の作動調整、切換などのた
め、押圧駆動部材と被押圧駆動部材とを具備し、運転状
態等に応じ、被押圧駆動部材に対して押圧駆動部材の押
圧、押圧解除を行なわせることにより、被押圧駆動部材
の作動状態を変化させるようにしたものがある。例えば
特開昭63−162910号公報には、被押圧駆動部材
としてのアドバンシングリングと、これに対して押圧お
よび押圧解除が可能な押圧駆動部材としてのリターダを
具備するバルブタイミング調整装置が示されている。こ
の装置は、カムシャフトに取り付けられたハブ部材と、
クランクシャフトに連動する回転入力部材とに対し、軸
方向に一定範囲内で移動可能なアドバンシング部材を接
続し、このアドバンシング部材の軸方向移動に伴って上
記ハブ部材と回転入力部材とが相対回転するように構成
するとともに、このアドバンシング部材に相対回転可能
に結合されたアドバンシングリングとハブ部材とにねじ
状部分を設けて互いに螺合させ、このアドバンシングリ
ングに対向させて、電磁コイル等からなる不回転のリタ
ーダを配置した構造となっている。そして、上記リター
ダが通電等によりアドバンシングリングに押付けられた
ときは、摩擦力によるブレーキ力がアドバンシングリン
グに作用することにより、アドバンシングリングが所定
回転角だけ相対変位し、この回転変位に伴ってアドバン
シング部材が軸方向に移動し、それに応じて回転入力部
材に対するカムシャフトの回転位相が変化するようにな
っている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】この種の装置では、押
圧駆動部材(リターダ)が被押圧駆動部材(アドバンシ
ングリング)に押付けられているとき、ブレーキ力が作
用しつつ両者が互いにすべる状態となり、この状態で摩
耗や焼き付きが生じることを防止する必要があるため、
両部材の対面部分の間に潤滑用のオイルを供給すること
は、従来から行なわれている。
【0004】ところで、従来の装置では、上記押圧駆動
部材の押圧力の設定にあたってオイルの粘度が考慮され
ていなかったため、必ずしも上記被押圧駆動部材に対し
て適正なブレーキ力が作用しない場合があった。すなわ
ち、上記被押圧駆動部材に対するブレーキ力は押圧駆動
部材の押圧力と上記両部材の接触面の摩擦係数とで決ま
るが、上記摩擦係数には上記両部材間に介在するオイル
の粘度が関係し、オイルの粘度が低くなるにつれて摩擦
係数が小さくなる。そして、上記両部材間のオイルの粘
度は種々の要因で変化し、例えば、押圧駆動部材の押圧
状態が持続しているときは、時間の経過に伴い、両部材
間のオイル温度が次第に上昇するのでオイルの粘度が次
第に低くなる。このため、上記押圧力が一定であると、
例えば押圧作動初期でオイルの粘度が比較的高いときに
適度のブレーキ力が被押圧駆動部材に作用する場合は、
上記の時間経過に伴ってオイルの粘度が低くなったとき
にブレーキ力が不足して被押圧駆動部材を適正な状態に
維持できなくなる。また、オイルの粘度が低くなったと
きに適度のブレーキ力が得られるように予め上記押圧力
が大きな値に設定されている場合は、オイルの粘度が高
いときに上記ブレーキ力が必要以上に大きくなり、余分
な電力消費により燃費が悪化するとともに耐摩耗等の面
で不利になるという問題があった。
【0005】本発明は、上記問題を解決するもので、押
圧駆動部材と被押圧駆動部材との間に供給されるオイル
の粘度が押圧時間の経過によって変化した場合でも、両
部材の間の摩擦力を適度に調整し、機能性等を良好に保
つことができる車両の制御装置を提供することを目的と
する。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、カムシャフトとこれに対する回転入力部
材との間のバルブタイミング可変機構に組み込まれて、
押圧されたときに変位して回転入力部材に対するカムシ
ャフトの位相を変化させる被押圧駆動部材と、この被押
圧駆動部材に対して押圧および押圧解除が可能であっ
て、電磁力により駆動される押圧駆動部材と、上記押圧
駆動部材と被押圧駆動部材との間にオイルを供給する手
段と、上記押圧駆動部材に対する通電電流を調節するこ
とにより押圧駆動部材の押圧力を制御信号に応じて調節
する押圧力調節手段と、エンジンの低回転領域で押圧駆
動部材に通電して押圧駆動部材を被押圧駆動部材に対し
て押圧させるバルブタイミング制御手段と、押圧駆動部
材の押圧開始からの経過時間を調べ、この経過時間の増
大につれて上記通電電流を増加させる押圧力制御手段と
を備えたものである。
【0007】押圧力制御手段は、押圧駆動部材の押圧開
始からの経過時間に加えてオイル供給部分のオイルの温
度を計測し、このオイルの温度によっても押圧力調節手
段に対する制御量を変更するものであることが好まし
い。
【0008】
【作用】上記構成によれば、被押圧駆動部材に対して押
圧駆動部材が押圧状態となっているときに、時間経過に
伴うオイルの粘度の変化により上記両部材間の摩擦係数
が変化しても、それに応じて押圧力が制御されることに
より、摩擦力が適正に保たれる。
【0009】そして、上記被押圧駆動部材がバルブタイ
ミング可変機構に組み込まれて、押圧駆動部材により押
圧されたときに変位して回転入力部材に対するカムシャ
フトの位相を変化させるものであり、押圧部材は電磁力
により駆動されるものであって、上記のように押圧部材
に対する通電電流の制御によって摩擦力が調整されるこ
とにより、適正なバルブタイミング調整作用が確保され
る。
【0010】
【実施例】本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
【0011】図1は本発明の一実施例としてバルブタイ
ミングを制御する装置に適用した場合を示している。こ
の図において、1はカムシャフトであって、シリンダヘ
ッド2上に回転自在に支承されている。このカムシャフ
ト1は各気筒に対応する複数箇所にカム1aを有して、
回転により各気筒の吸気弁(あるいは排気弁)3を開閉
駆動する。カムシャフト1の端部の外方には、クランク
シャフト(図示せず)から伝達される回転を入力する回
転入力部材4が配置されている。この回転入力部材4
は、その外周側にスプロケット4aもしくはプーリを有
し、チェーンもしくはタイミングベルトを介してクラン
クシャフトに連動している。
【0012】上記カムシャフト1と回転入力部材4との
間には、バルブタイミング可変機構5が設けられてい
る。このバルブタイミング可変機構5は、回転入力部材
4に対するカムシャフト1の回転位相を変化させること
によりバルブタイミング(吸気弁の開閉タイミング)を
変化させるもので、ハブ6、アドバンシング部材7、ア
ドバンシングリング8、制動用部材10等で構成されて
いる。上記ハブ6は、カムシャフト1のジャーナル部と
略同径のハブ本体部分6aとこの部分から径方向外方に
延びる部分を経てその外周側に連なるフランジ部分6b
を有し、ボルト11によりカムシャフト1に固着され、
カムシャフト1と一体的に回転するようになっている。
上記回転入力部材4はこのハブ6に対し、相対回転可能
なようにベアリング12を介して取り付けられている。
【0013】上記アドバンシングリング8はハブ本体部
分6aの外周に位置しており、ハブ本体部分6aの周面
とアドバンシングリング8の内周面とには互いに螺合す
るねじ状部分13,14が設けられている。上記アドバ
ンシング部材7は、アドバンシングリング8の外周側に
位置した状態で、アドバンシングリング8に対して相対
回転は可能で軸方向の相対移動は不能となるように、ベ
アリングを介して取り付けられている。さらにこのアド
バンシング部材7は、その外周の数箇所に、ハブ6のフ
ランジ部分6bに設けられた突部15と係合する溝16
が形成されるとともに、外周の他の数箇所に、回転入力
部材4に設けられた突部17と係合する溝18が設けら
れている。そして、上記突部15と溝16は軸方向に形
成され、突部17と溝18は斜め方向に形成されること
により、アドバンシング部材7が軸方向に移動したとき
に、これとハブ6とは相対回転せずに、これらと回転入
力部材4とが相対回転するようになっている。
【0014】また、上記制動部材10は、コイル10a
とこれを保持するホルダ10bとを備えた電磁コイルか
らなり、その端部がアドバンシングリング8の端面に対
向した状態で、シリンダヘッド2に対し、回転しないが
軸方向の移動は可能なように取り付けられている。この
制動部材10のコイル10aに接続されたリード線19
が外部に導出されている。当実施例では上記アドバンシ
ングリング8が被押圧駆動部材、制動部材10が押圧駆
動部材に相当し、制動部材10のコイル10aが励磁さ
れると制動部材10がアドバンシングリング8に対して
押圧状態となり、消磁されると押圧解除状態となる。
【0015】そして、上記制動部材10が押圧解除状態
にあるときは、上記回転入力部材4、ハブ6、アドバン
シング部材7およびアドバンシングリング8が一定の位
置関係で回転するが、制動部材10のコイル10aが励
磁されて制動部材10がアドバンシングリング8に押し
つけられると、アドバンシングリング8にブレーキ力が
作用することにより、アドバンシングリング8がハブ6
に対して相対回転し、所定回転角だけずれた位置にまで
変位する。これに伴ってアドバンシングリング8および
アドバンシング部材7が軸方向に一定量だけ移動し、そ
れに伴い回転入力部材4に対するカムシャフト1の位相
が変化するように構成されている。なお、上記ハブ6に
対するアドバンシングリング8の相対回転の範囲は図外
のストッパーで規制されている。また、上記ハブ6と回
転入力部材4との位置関係を弾性的に規制するリターン
スプリング20が設けられ、上記制動部材10が押圧状
態から押圧解除状態に切り換わったときにはリターンス
プリング20により各部材の位置関係が元に戻されるよ
うになっている。
【0016】また、上記制動部材10とアドバンシング
リング8との間には、オイル通路21等から潤滑用のオ
イルが供給されるようになっている。
【0017】図2はバルブタイミング可変機構に対する
制御系統を示しており、制動部材10のコイル10aに
は通電調節回路23を介して図外のバッテリから通電さ
れる。この通電調節回路23はトランジスタ24、抵抗
25,26、ダイオード27、バッファ28等からな
り、トランジスタ24がオンとなったときにコイルに電
流を流し、トランジスタ24がデューティ制御されてそ
のデューティ比(オン時間割合)が変えられることによ
り、上記コイル10aに流す平均電流を調節することが
できるようになっている。この通電調節回路23によ
り、制動部材10の押圧力を制御信号に応じて調節する
押圧力調節手段が構成されている。
【0018】また、30は上記通電調節回路23を制御
するコントロールユニット(ECU)であり、マイクロ
コンピュータ等で構成されている。このコントロールユ
ニット30には、エンジン回転数を検出する回転数セン
サ31からの信号、エンジンの吸入空気量を検出するエ
アフローメータ32からの信号、スタータの作動を検出
するスタータスイッチ33からの信号、オイル供給経路
中で油圧を検出する油圧センサ34からの信号、オイル
供給経路中で油温を検出する油温センサ35からの信号
等が入力される。そしてこのコントロールユニット30
から上記通電調節回路23にデューティ制御信号が出力
され、この信号はバッファ28を介してトランジスタ2
4のベースに入力される。
【0019】上記コントロールユニット30は、バルブ
タイミング制御手段36を構成するとともに、オイルの
粘度に関連するパラメータに応じて上記押圧力調節手段
に対する制御量を変更する押圧力制御手段37を構成
し、さらに、オイルの粘度に関連するパラメータとして
押圧駆動部材の押圧開始からの経過時間を調べるための
時間計測手段38を含んでいる。
【0020】上記バルブタイミング制御手段36は、エ
ンジン回転数および充填効率(エンジン1回転あたりの
吸入空気量)等による運転状態についての領域設定に基
づき、運転状態に応じて制動部材10のオン(押圧状
態)、オフ(押圧解除状態)の切り換えを制御するもの
である。当実施例では、図3に示すように制動部材10
がオフのときは比較的遅いタイミング(破線)となり、
制動部材10がオンになると進角されて比較的早いタイ
ミング(破線)となるようにバルブタイミング可変機構
5が構成される一方、コントロールユニット30におい
ては、図4のように領域を設定している。つまり、始動
領域を含む低速領域等ではバルブタイミングを早めて吸
気の吹き返しの防止等を図るため制動部材10をオンと
し、比較的高速側の特定運転領域ではバルブタイミング
を遅くして吸気充填量を増大させるため制動部材10を
オフとするようになっている。
【0021】上記押圧力制御手段37は、制動部材オン
領域にあるときに、制動部材10の押圧作動開始時点か
らの経過時間に応じ、通電調節回路23に出力する信号
のデューティを変化させ、また油温センサ35により検
出される油温によっても上記デューティを変化させ、さ
らに、始動判定、油圧等によっても上記デューティを調
節するようになっている。
【0022】上記コントロールユニット30によるバル
ブタイミング制御手段36および押圧力制御手段37と
しての処理の具体例を、図5のフローチャートに示す。
【0023】このフローチャートの処理がスタートする
と、コントロールユニット30は先ずステップS1で各
種信号を読み込み、続いてステップS2でエンジンの始
動中か否かを判定する。この判定では、スタータがオン
で、かつエンジン回転数が所定回転数以下のときを始動
とする。
【0024】始動中であるときは、ステップS3でカウ
ンタCをカウントアップすることにより、このカウンタ
Cの値で始動開始からの経過時間を調べる。さらにステ
ップS4で、油圧センサ34により検出される油圧が設
定圧より高いか否かを調べる。そして、油圧が設定圧よ
り高い正常圧力となっているときは、ステップS5で、
上記カウンタCの値による経過時間と油温Tとに応じた
値f1(C,T)を、制動部材10のコイル10aに与
える電流Iとして設定してから、後記ステップS12に
移る。上記値f1(C,T)は、上記経過時間および油
温と電流との対応関係として図6に破線で示すような特
性を与えるもので、経過時間が長くなるにつれ、また油
温が高くなるにつれて電流が増大するように定められて
いる。
【0025】上記ステップS4の判定がNOのときは、
始動開始直後でオイルポンプが十分に回っていない状態
にあることを意味し、このとき上記アドバンシングリン
グ8と制動部材10との間にはオイルが供給されていな
いので、ステップS6で上記電流Iを予め定められた必
要最小限の値Iminとして、後記ステップS12に移
る。
【0026】また、上記ステップS2の判定がNOのと
き、つまり始動後の通常運転中は、ステップS7で制動
部材オン領域(図4参照)か否かを調べる。制動部材オ
ン領域であれば、ステップS8でカウンタCをカウント
アップすることにより、このカウンタCの値で、制動部
材10の押圧作動開始からの経過時間を調べる。そして
ステップS9で、上記カウンタCの値による経過時間と
油温Tとに応じた値f2(C,T)を、制動部材10の
コイル10aに与える電流Iとして設定してから、後記
ステップS12に移る。上記値f2(C,T)は、上記
経過時間および油温と電流との対応関係として図6に実
線で示すような特性を与えるもので、経過時間が長くな
るにつれ、また油温が高くなるにつれて電流が増大する
ように定められている。またこの値f2(C,T)と始
動時における値f1(C,T)とを比べると、始動時に
おける値f1(C,T)の方が高めに設定されている。
【0027】ステップS7で制動部材オン領域でないこ
とを判定したときは、ステップS10でカウンタCをリ
セットするとともに、ステップS11で電流Iを「0」
としてからステップS12に移る。
【0028】ステップS12では、ステップS5、ステ
ップS6、ステップS9、ステップS11のいずれかで
求められた電流Iに基づき、トランジスタ25のデュー
ティ制御によって上記電流が平均電流として得られるよ
うなデューティを演算する。そしてこのステップS12
に続くステップS13で、上記デューティによる制御信
号を通電調節回路に出力する。
【0029】以上のような当実施例の装置によると、エ
ンジンの運転状態に応じて上記制動部材10がオン(押
圧状態)もしくはオフ(押圧解除状態)とされる。そし
て、オンとされたときは、前述のように制動部材10に
よるブレーキ力でアドバンシングリング8が所定の回転
変位状態とされることによりバルブタイミングが進角さ
れ、制動部材10がオフとなったときは、押圧力の解除
に伴い、リターンスプリング20の作用で元の位置関係
に戻される。また、上記制動部材10とアドバンシング
リング8との間にオイルが供給されることにより、制動
部材10がアドバンシングリング8に押付けられている
ときの摩耗や焼付きが防止される。
【0030】ところで、アドバンシングリング8に対し
て制動部材10が押圧状態にあるときのブレーキ力は、
両者の接触部分の摩擦係数と押圧力により決まり、上記
摩擦係数には両者間に介在するオイルの粘度が関係す
る。そして、制動部材10の押圧開始からの経過時間と
オイル供給部分の油温とによって上記オイルの粘度が変
化し、摩擦係数が変化する。これに対し、前記フローチ
ャート中のステップS5もしくはステップS9による電
流Iの設定(図6参照)で、上記経過時間および油温に
応じて上記押圧力が変えられることにより、摩擦係数の
変化が相殺され、ブレーキ力が適正に保たれる。
【0031】すなわち、上記押圧状態が持続すると、制
動部材10とアドバンシングリング8との接触部分の温
度が次第に上昇し、これに伴い両者間に介在するオイル
の粘度が低下して摩擦係数が小さくなるが、経過時間が
増大するにつれて押圧力が大きくされることにより、ブ
レーキ力の低下が抑制される。また、もとの油温が高い
ときも上記両者間でのオイルの温度が高くなって摩擦係
数が小さくなるが、油温が高くなるにつれて押圧力が大
きくされることにより、ブレーキ力の低下が抑制され
る。
【0032】さらに当実施例では、エンジン始動時にも
通常運転時と同等のブレーキ力が得られるような調整が
行なわれている。すなわち、エンジン始動時も制動部材
オン領域に含まれるので制動部材10が押圧状態に作動
され、この場合に、スタータの電力消費により上記制動
部材10に対する電源電圧(バッテリ電圧)が低下して
押圧力が低くなる傾向があるが、始動時には通常運転時
よりも上記電流Iが大きくされる(前記のステップS
5)ことにより、押圧力の低下が防止される。また、始
動時においてオイルが上記制動部材10とアドバンシン
グリング8との間に供給されるに至っていないときは、
摩擦係数が最大となるので、上記電流Iが予め定められ
た必要最小限の値Iminとされ(前記のステップS
6)、押圧力が小さく抑えられる。
【0033】なお、上記実施例に示したもののほかに
も、各部の具体的構造は、本発明の要旨を逸脱しない範
囲で種々設計変更して差し支えない。
【0034】
【発明の効果】請求項1に記載した車両の制御装置によ
ると、バルブタイミング可変機構に組み込まれた被押圧
駆動部材に対して押圧駆動部材の押圧、押圧解除を行な
うものにおいて、電磁力で駆動される上記押圧駆動部材
に対する通電電流を調節することにより押圧駆動部材の
押圧力を調節する押圧力調節手段を有するとともに、エ
ンジン低回転領域で押圧駆動部材に通電して押圧を行な
わせ、かつ、押圧開始からの経過時間の増大につれて上
記通電電流を増加させるようにしているため、エンジン
低回転領域で押圧駆動部材の押圧状態が持続している場
合に、押圧開始からの時間の経過に伴うオイルの粘度変
化によって摩擦係数が変わったときに、それに応じた上
記押圧力の制御により両部材間の摩擦力の変動を抑制す
ることができる。従って、摩擦力が過大になったり不足
したりすることを防止することができ、これにより、運
転状態に応じたバルブタイミングの変更を適正に行なわ
せることができる。
【0035】また、請求項2に記載のように、上記経過
時間に加えてオイル供給部分のオイルの温度によっても
押圧力を変更するようにしておけば、より一層精度よ
く、押圧状態における摩擦力を調整することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例による装置の断面図である。
【図2】制御系統を示すブロック図である。
【図3】吸・排気弁のバルブタイミングを示す図であ
る。
【図4】バルブタイミングを運転状態に応じて切り換え
るための領域設定を示す図である。
【図5】コントロールユニットによる処理の具体例を示
すフローチャートである。
【図6】押圧作動開始からの経過時間および油温と制動
部材に対する通電電流との関係を示す特性説明図であ
る。
【符号の説明】
1 カムシャフト 4 回転入力部材 5 バルブタイミング可変機構 8 アドバンシングリング 10 制動部材 23 通電調節回路 36 バルブタイミング制御手段 37 押圧力制御手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) F01L 1/34 F01M 9/10 F02D 13/02 F02D 45/00 360 F16D 65/21

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 カムシャフトとこれに対する回転入力部
    材との間のバルブタイミング可変機構に組み込まれて、
    押圧されたときに変位して回転入力部材に対するカムシ
    ャフトの位相を変化させる被押圧駆動部材と、この被押
    圧駆動部材に対して押圧および押圧解除が可能であっ
    て、電磁力により駆動される押圧駆動部材と、上記押圧
    駆動部材と被押圧駆動部材との間にオイルを供給する手
    段と、上記押圧駆動部材に対する通電電流を調節するこ
    とにより押圧駆動部材の押圧力を制御信号に応じて調節
    する押圧力調節手段と、エンジンの低回転領域で押圧駆
    動部材に通電して押圧駆動部材を被押圧駆動部材に対し
    て押圧させるバルブタイミング制御手段と、押圧駆動部
    材の押圧開始からの経過時間を調べ、この経過時間の増
    大につれて上記通電電流を増加させる押圧力制御手段と
    を備えたことを特徴とする車両の制御装置。
  2. 【請求項2】 押圧力制御手段は、押圧駆動部材の押圧
    開始からの経過時間に加えてオイル供給部分のオイルの
    温度を計測し、このオイルの温度によっても押圧力調節
    手段に対する制御量を変更するものであることを特徴と
    する請求項1記載の車両の制御装置。
JP4796991A 1991-03-13 1991-03-13 車両の制御装置 Expired - Fee Related JP2966948B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4796991A JP2966948B2 (ja) 1991-03-13 1991-03-13 車両の制御装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4796991A JP2966948B2 (ja) 1991-03-13 1991-03-13 車両の制御装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH04284107A JPH04284107A (ja) 1992-10-08
JP2966948B2 true JP2966948B2 (ja) 1999-10-25

Family

ID=12790152

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP4796991A Expired - Fee Related JP2966948B2 (ja) 1991-03-13 1991-03-13 車両の制御装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2966948B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4137547B2 (ja) * 2002-07-31 2008-08-20 株式会社日立製作所 電動ディスクブレーキ装置
JP2006077680A (ja) 2004-09-09 2006-03-23 Toyota Motor Corp 内燃機関の可変動弁装置
JP5083377B2 (ja) * 2010-06-11 2012-11-28 株式会社日本自動車部品総合研究所 バルブタイミング調整装置

Also Published As

Publication number Publication date
JPH04284107A (ja) 1992-10-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2608077B2 (ja) エンジンバルブタイミング調整装置
KR100226032B1 (ko) 드로틀밸브 제어장치
US20060112921A1 (en) Camshaft adjuster with an electrical drive
US5031585A (en) Electromagnetic brake for a camshaft phase change device
US8739748B2 (en) Valve timing adjuster
JPH02298613A (ja) 車両用内燃機関のバルブタイミング制御装置
JPH0547309U (ja) 内燃機関のバルブタイミング制御装置
US5172661A (en) Variable cam phasing device
JP2905612B2 (ja) エンジンのバルブタイミング制御装置
JP2966948B2 (ja) 車両の制御装置
JP3736627B2 (ja) バルブタイミング調整装置
JP2009222037A (ja) バルブタイミング調整装置
JP2005146993A (ja) 内燃機関のバルブタイミング制御装置
US6615778B2 (en) Apparatus and method for diagnosing variable valve timing apparatus
US5097804A (en) Phase change device
US11300016B2 (en) Valve opening and closing timing control device
JP2966947B2 (ja) 車両の制御装置
JPH08326854A (ja) 内燃機関における無端伝動帯の張力調整装置
JP2902092B2 (ja) バルブタイミング制御装置
JP4109967B2 (ja) 内燃機関のバルブタイミング制御装置
JP4109972B2 (ja) 内燃機関のバルブタイミング制御装置
JP4104866B2 (ja) 可変バルブタイミング機構の制御装置
JP3286231B2 (ja) スロットルバルブ装置
JPH11343985A (ja) エンジンのオイルポンプ
JP2957311B2 (ja) バルブタイミング制御装置

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080813

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090813

Year of fee payment: 10

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees