JP2963786B2 - ボンド磁石の製造方法 - Google Patents
ボンド磁石の製造方法Info
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Description
及びボロンを基本成分とする磁性材料を合成樹脂により
結合させたボンド磁石の製造方法に関し、特に、焼結型
のR−Fe−B系の永久磁石バルク体を原料として、高
い磁気特性を発揮するボンド磁石を製造する方法に関す
るものである。
系の永久磁石が開発されている。このR−Fe−B系磁
石には、焼結法と高速急冷型とがあり、現在のところ、
焼結型が低コストで高い磁気特性を有するものとして最
も優れているとされている。一方、ボンド磁石は、従
来、例えば、次ぎのような方法で製造されていた。
石バルク体を原料とし、これを粉砕し、粒径毎に分級す
る。分級された粉体に、この粉体の接着剤である合成樹
脂(例えば、エポキシ樹脂等)を添加混合し、均一に混
練する。混練物を磁場中で所定の形状に成型した後、得
られた成形体をキュア―する。
成型法が採用され、成型体の密度を高めて、良好な磁気
特性を有するボンド磁石を製造している。このように、
従来のボンド磁石は、高速急冷型のR−Fe−B系永久
磁石バルク体を原料としており、これまで上記の焼結型
のR−Fe−B系永久磁石バルク体を原料としたボンド
磁石は知られていない。
−B系永久磁石バルク体は、コストが低く、高い磁気特
性を有することから、これを原料としたボンド磁石の開
発が望まれているが、この種の磁石バルク体を原料とす
るボンド磁石の製造には、以下に説明する技術的課題が
あった。
のを原料とするボンド磁石の製造方法では、これを粉砕
すると、得られる粉体(粒子)には、粉砕による機械的
な歪みが発生し、また粒子粉砕面の化学的活性に起因す
る酸化が生じ、これら歪みや酸化の影響により、粒子の
磁気特性(保持力iHc)が激減する。このように磁気
特性の激減した粒子を使用して得られるボンド磁石は、
当然に磁気特性が充分でなく、本発明者等の実験によれ
ば、iHcが2KOe程度、最大エネルギ積(BH)ma
x が3MGOe程度でしかなく、実用性に欠けるものし
か得られなかった。
のであって、その目的とするところは、従来はボンド磁
石の原料とされていなかった焼結型のR−Fe−B系永
久磁石バルク体を原料として、簡素で低コスト、しかも
高磁気特性を有するボンド磁石を安定して製造する方法
を提供することにある。
に、本発明は、希土類元素,鉄及びボロンを基本成分と
して真空又は不活性雰囲気中で700〜1000℃の温
度で3時間以内の半焼結をおこない、その密度を理論密
度の60〜95%にした半焼結合金からなる永久磁石バ
ルク体を所望形状の金型内に入れて、粉砕と成形とを兼
ねつつ磁場中成型し、得られた成型体に樹脂を含浸させ
ることを特徴とする。
及びボロンを基本成分として真空又は不活性雰囲気中で
700〜1000℃の温度で3時間以内の半焼結をおこ
ない、その密度を理論密度の60〜95%にした半焼結
合金からなる永久磁石バルク体を所望形状の金型内に入
れて、粉砕と成形とを兼ねつつ磁場中成型した後、真空
又は不活性雰囲気中で熱処理し、次いで得られた熱処理
成型体に樹脂を含浸させることを特徴とする。上記真空
又は不活性雰囲気中での熱処理は、400〜1000℃
の温度で3時間以内とすることが望ましい。
が、原料となる焼結型R−Fe−B系永久磁石バルク体
粉末の酸化や機械的歪みの影響を大きく受けることに着
目したもので、この酸化や機械的歪みといった欠点を、
焼結温度を限定(以後、半焼結という)し、その半焼結
バルク体を所望形状の金型に入れ、粉砕と成型を兼ねる
形で磁場中成型することにより軽減し、必要に応じて熱
処理を行うことにより解消するものである。
の組織を比較した状態を図1に示す。同図により、本発
明では粒成長が抑制されていることがわかる。また、同
図に示すように、真空又は不活性雰囲気中で700〜1
000℃の温度で3時間以内の半焼結をおこない、その
密度を理論密度の60〜95%にした本発明のものは、
空孔をかなり含んだ組織であるため密度が低く、さらに
その空孔は亀裂発展さらには破壊の核となるため、小さ
な応力で容易に粉砕できる。具体的には、従来の焼結体
の抗折強度が2.5ton /cm2以上であるのに対し、本
発明の半焼結体は1ton /cm2 未満と非常に小さい。
る。つまり、真空又は不活性雰囲気中で700〜100
0℃の温度で3時間以内の半焼結をおこない、その密度
を理論密度の60〜95%にした半焼結合金からなる永
久磁石バルク体を原料にして、当該バルク体は直接的に
は粉砕を行なわずにバルクの状態ままで所望の形状の金
型に入れ、粉砕と成型を兼ねる形で磁場中成型を行なう
ものである。
て、機械的歪みや酸化の影響をうけやすく、磁気特性
(特にiHc)の劣化やばらつきが大きかった。しか
し、本発明ではそれらの影響を受けにくいため、磁気特
性が高く、ばらつきもすくない。上述のような利点を生
かすと、以下に示す低コスト化が可能である。半焼結に
より所望の特性を満たしていれば、時効処理を省略でき
る。また、半焼結体を磁場中成型後、所望の特性を満た
していれば、図2において熱処理を省略できる。さら
に、熱処理を省略せずに行なった場合には、非常に高特
性なボンド磁石を得ることができる。また、粉砕、分級
工程はないため大幅なコストダウンとなる。
は700〜1000℃(理論密度の60〜95%に相当
する)としているが、これは700℃より低温であると
半焼結体にiHcがほとんど発生せず上記のような作用
が生じず、また1000℃より高温であると理論密度の
95%及び、抗折強度2ton /cm2を越えてしまい、機
械的歪みが少なく、粒成長が抑制されるといった長所が
失われてしまうので700〜1000℃とした。なお、
上記の作用をより有効に発揮させる上で、特に800〜
950℃(理論密度の70〜85%に相当する)とする
のが良い。
結温度に応じて適宜選択されるが、結晶粒径の粗大化に
より磁気特性を劣化させるため、本発明では3時間以内
とすることが望ましい。なお、この場合、1時間より短
時間であると、半焼結の効果が不十分となることがある
ため半焼結時間の下限は1時間とすることが好ましい。
〜1000℃で、特に600〜800℃とするのが良
い。すなわち400℃より低温であると、粒子間及び結
晶粒界面での原子拡散が不十分でiHc向上の効果が得
られない。一方、1000℃より高温であると、結晶粒
径が粗大化したり、酸化が生じて、磁気特性がかえって
劣化するばかりでなく成型体の形状変化が生じる等の不
都合が生じる。
応じて適宜選択されるが、3時間を超えると、結晶粒径
の粗大化及び酸化により磁気特性を劣化させるため、本
発明では3時間以内とするののが望ましい。なお、1時
間より短時間であると、粒子間及び結晶粒界面の原子拡
散が不十分となることがあるため熱処理時間の下限は1
時間とすることが好ましい。さらにまた、上記の半焼結
及び熱処理を真空または不活性雰囲気中で行えば、酸化
が熱により促進されれず、この酸化を防止するために有
効である。
焼結型R−Fe−B系永久磁石バルク体として、本発明
では、R(Rは、Nd,Pr,Dy,Ho,Tbのうち
少なくとも1種又は更にLa,Ce,Sm,Gd,E
r,Eu,Tm,Yb,Lu,Yのうち少なくとも1種
からなる)8〜30原子%、B2〜28原子%、Fe4
2〜90原子%の組成からなりものが好ましく使用され
る。更に、キュ―リ―点の向上等を目的として、Feに
対してCoを50%まで置換しても良い。
れるNd−Fe−B系合金をジェットミルにより粉砕
し、平均粒径3μmの微粉体とし、この微粉体を磁場中
成型後、表1に示す条件により半焼結、時効処理を施し
た。
気特性を表2に示す。また、比較例として、同組成にて
通常の焼結、時効処理を施したものもあわせて示す。
(なお、平均粒径とは、得られたバルク体を鏡面研磨し
金属顕微鏡にて測定したものである。)表2より、半焼
結合金では粒成長が抑制され、iHcが大きいことがわ
かる。
効条件600℃×1h)について、半焼結温度を種々変
えた以外は上記バルク体の製造方法とまったく同様にし
て複数の半焼結体試料を作製し、得られた半焼結体の諸
特性を測定した。この結果を図3に示す。
ており、700℃より低温ではiHcはほとんど発現せ
ず、700℃以上で十分なiHcが得られる。1000
℃を超えると、理論密度の95%を越えてしまい、半焼
結合金の利点(機械的歪みが少ない等)が失われる。以
上により半焼結温度は700〜1000℃、好ましくは
800〜950℃であることがわかる。
効条件600℃×1h)について、半焼結時間を種々変
えた以外は上記バルク体の製造方法とまったく同様にし
て複数の半焼結体試料を作製し、得られた半焼結体の磁
気特性を測定した。
ように、3時間より長時間であるとiHcの低下が見ら
れ、また1時間より短時間であるとやはりiHcの低下
が見られる。
配向させながら3ton/cm 2で圧縮成型し、この成型体
を粘度10cps のエポキシ樹脂中に浸漬し、デシケ―タ
に移し、約3分間真空状態とし、成型体中にエポキシ樹
脂を十分含浸させた。次いで100℃、60分間のアフ
タ―キュア―を行い試料を作製した(図2のうち熱処理
を省いた製造方法)。
す。表3より半焼結バルク体という機械的強度の小さい
ものにのみ成型が可能であって、比較例はいずれも成型
できなかった。また、磁気特性についても、成型時のi
Hcの劣化が小さいため十分実用可能であることがわか
る。
c *比較例A,比較例Bともに成型不可能
配向させながら3ton/cm 2で圧縮成型し、この成型体
を1×10-6Torrの真空中、700℃1時間で熱処理し
た。この成型体を粘度10cps のエポキシ樹脂中に浸漬
し、デシケ―タに移し、約3分間真空状態とし、成型体
中にエポキシ樹脂を十分含浸させた。次いで100℃、
60分間のアフタ―キュア―を行った。以上のようにし
て試料を作製した(図2参照)。
―クラッシャ―により粉砕し、分級して125〜300
μmの合金粉体とし、この分級粉体を15KOeの磁場
中で配向させながら3ton /cm 2で圧縮成型し、この成
型体を上述の手法にてボンド化して試料を作製した。
本発明である半焼結−成型−熱処理の操作により、非常
に高特性なボンド磁石が得られることがわかる。
c *比較例A:,と同組成 *比較例B:,と同組成
効条件600℃×1h)について、半焼結温度を種々変
えた以外は実施例2とまったく同様にして本発明に係る
製造方法を実施し、得られたボンド磁石の磁気特性を測
定した。
ように、磁気特性は熱処理温度にかなり依存しており、
400℃以上でその効果が現れる。また、温度が上がる
にしたがい、iHc,(BH)max ともに増加してい
き、700℃で(BH)max が最高になり、1000℃
を超えると激減する。iHcは、1000℃まで増加し
ていき、1000℃を超えると激減する(iHcと(B
H)max のピ―ク位置の違いは角型性が若干違うからで
ある。)。
℃、好ましくは600〜800℃であることがわかる。
効条件600℃×1h)について、熱処理時間を種々変
えた以外は実施例3とまったく同様にして本発明に係る
方法を実施し、得られたボンド磁石の磁気特性を測定し
た。
ように、3時間より長時間であると磁気特性の低下が見
られ、また1時間より短時間であるとやはり磁気特性の
低下が見られる。
ば、ボンド磁石の原料であるバルク体に関し、半焼結状
態で大きなiHcを得ることが可能なので、ここで所望
のiHcを満たしていれば時効処理の省略が可能であ
る。また、ボンド磁石作製に関して、粉砕後もiHcの
劣化が小さいため、ここで所望特性を満たしていれば熱
処理の省略が可能である。さらに、粉砕、分級工程は省
かれる。よって、これらにより良好な磁気特性を有する
ボンド磁石を低コストで提供することができる。
た場合、現状技術では達し得ない非常に高性能な磁石を
作製することができる。
表面拡大模式説明図である。
である。
ラフである。
る。
る。
フである。
Claims (3)
- 【請求項1】 希土類元素,鉄及びボロンを基本成分と
して真空又は不活性雰囲気中で700〜1000℃の温
度で3時間以内の半焼結をおこない、その密度を理論密
度の60〜95%にした半焼結合金からなる永久磁石バ
ルク体を所望形状の金型内に入れて、粉砕と成形とを兼
ねつつ磁場中成型し、得られた成形体に樹脂を含浸させ
ることを特徴とするボンド磁石の製造方法。 - 【請求項2】 希土類元素,鉄及びボロンを基本成分と
して真空又は不活性雰囲気中で700〜1000℃の温
度で3時間以内の半焼結をおこない、その密度を理論密
度の60〜95%にした半焼結合金からなる永久磁石バ
ルク体を所望形状の金型内に入れて、粉砕と成形とを兼
ねつつ磁場中成型した後、真空又は不活性雰囲気中で熱
処理し、次いで得られた熱処理成型体に樹脂を含浸させ
ることを特徴とするボンド磁石の製造方法。 - 【請求項3】 上記真空又は不活性雰囲気中での熱処理
は、400〜1000℃の温度で3時間以内とすること
を特徴とする請求項2記載のボンド磁石の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3105199A JP2963786B2 (ja) | 1991-04-11 | 1991-04-11 | ボンド磁石の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP3105199A JP2963786B2 (ja) | 1991-04-11 | 1991-04-11 | ボンド磁石の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH04314315A JPH04314315A (ja) | 1992-11-05 |
JP2963786B2 true JP2963786B2 (ja) | 1999-10-18 |
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ID=14401000
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP3105199A Expired - Fee Related JP2963786B2 (ja) | 1991-04-11 | 1991-04-11 | ボンド磁石の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2963786B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP5815640B2 (ja) * | 2012-12-11 | 2015-11-17 | サムソン エレクトロ−メカニックス カンパニーリミテッド. | 電子部品の製造方法。 |
-
1991
- 1991-04-11 JP JP3105199A patent/JP2963786B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
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JPH04314315A (ja) | 1992-11-05 |
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