JP2963171B2 - 体液検査体 - Google Patents

体液検査体

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JP2963171B2
JP2963171B2 JP22184490A JP22184490A JP2963171B2 JP 2963171 B2 JP2963171 B2 JP 2963171B2 JP 22184490 A JP22184490 A JP 22184490A JP 22184490 A JP22184490 A JP 22184490A JP 2963171 B2 JP2963171 B2 JP 2963171B2
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Description

【発明の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本発明は、尿,血液,リンパ液等の体液中に含まれて
いるブドウ糖,蛋白質,ウロビリノーゲン等の検査対象
成分の検出とその濃度の判定、さらには、前記体液のpH
の測定等に利用される体液検査体に関するものである。
「従来の技術」 各種の病気の発見,診断,治療等に際して、例えば、
尿,血液,リンパ液等の体液中に含有されているブドウ
糖や蛋白質等の各種成分の有,無およびその含有量、さ
らにはpH等を検査することが屡々行なわれており、支持
体に対して各種の検査試薬層、または、検査試薬層と判
定用の基準色調層とを担持させた体液検査体が利用され
ている。
しかして、この種の体液検査体における支持対には適
度の剛性が必要とされることから、例えばポリスチレン
等によるプラスチックシートが使用されていたが、この
プラスチックシートによる支持体を使用した体液検査体
は、該支持体が水に溶解または分散するものではないた
め、トイレでの廃棄処理に付することができなく、使用
後の体液検査体を衛生的に廃棄するのに煩雑な手間が必
要であった。
このため、例えば、ポリビニルアルコールやポリビニ
ルピロリドン等の水溶性樹脂による試験片シート[特開
昭62−24145号公報]、パルプや再生パルプからなる繊
維成分とカルボキシメチルセルロース等の水溶性樹脂に
よるバインダー成分とを利用して得られた抄造紙を支持
体とする体液検査体[特開昭60−238763号公報]、水溶
性の支持体本体と該本体に被着されている水溶性物質と
による支持体に対して検出機能部を担持させた試験具
[特開平1−121752号公報]等が、トイレでの廃棄処理
が可能な水分散性の体液検査体として提案されている。
「発明が解決しようとする課題」 ところで、上記特開昭62−24145号公報に説明されて
いる水溶性樹脂による支持体を利用した体液検査体は、
該支持体が体液検査体に必要とされる十分な剛性を保持
するためには、水溶性樹脂フィルムの複数枚を貼着しな
ければならなく、製造上の煩雑性を有しているばかりで
なく、剛性を具備する十分な厚さのものは、水中での溶
解〜分散に対して30分以上も掛かるため、トイレでの廃
棄処理が可能な十分な水溶解性〜水分散性が得られな
い。
また、特開昭60−238763号公報に説明されているパル
プや再生パルプからなる繊維成分とカルボキシメチルセ
ルロース等の水溶性樹脂によるバインダー成分とを利用
して得られた抄造紙を支持体とする体液検査体は、使用
済みの検査体をトイレで廃棄処理し得るという取り扱い
上の容易性は得られるものの、支持体に対して検査試薬
層あるいは検査試薬層と判定用の基準色調層とを印刷層
等による塗工層として形成する場合に、印刷用インキが
支持体中に浸透してしまい、所定の検査試薬層や判定用
の基準色調層を塗工によって形成することが困難であ
る。
さらに、特開平1−121752号公報に説明されている試
験具は、支持体本体に被着されている水溶性物質による
皮膜の耐水衝撃性が不十分であり、該試験具に対して体
液を洗瓶から射出するような試験方法を適用した場合
に、皮膜部分に損傷が発生してしまい、正確な検査結果
の妨げになることがある。
これに対して本発明は、支持体部分が体液検査体の支
持体に対して必要とされる十分な剛性を具備するもので
ありながら、水分散性ないし水溶解性が良好であり、使
用済みの検査体をトイレで廃棄処理し得るに十分な水分
散性〜水溶解性を備えており、しかも、支持体の表面に
検査試薬層を塗工手段によって形成する場合には、検査
試薬層印刷用インキが支持体中にみだりに浸透してしま
うようなことがなく、所定の検査試薬層や判定用の基準
色調層を整然と形成することができ、かつ、支持体と前
記検査試薬層たる塗工層との間に優れた接着強度が得ら
れ、さらには検査用の体液を試薬層に対して洗瓶から射
出する方法で検査し得る強靭性、すなわち、尿検査用の
検査体の場合には、カップ等の容器に採尿することなく
検査体の試薬層部分に対して検査用の尿を直接噴射させ
る方法で検査し得る強靭性をも具備する体液検査体を提
供する。
「課題を解決するための手段」 上記の課題は、以下に記載する構成による本発明の体
液検査体によって解決される。
すなわち本発明は、水溶性〜水分散性の繊維製基材と
該繊維製基材の片側表面に形成されている水分散性の樹
脂塗膜とからなる支持体に対して、該支持体の前記樹脂
塗膜面に、体液検査用の試薬層を形成してなる体液検査
体において、前記水溶性〜水分散性の繊維製基材の片側
表面における水分散性の樹脂塗膜が、相対湿度90%にお
ける飽和吸水率が15%未満のフィルム形成能を有する水
不溶性の樹脂(a)5〜50重量%と、相対湿度90%にお
ける飽和吸水率が15%以上のフィルム形成能を有する水
可溶性の樹脂(b)95〜50重量%との混合樹脂を2〜20
g(固形成分)/m2の割合で塗工した混合樹脂塗膜からな
るものである。
上記の構成による本発明の体液検査体において、支持
体における水分散性の樹脂塗膜は、ポリビニルブチラー
ル5〜50重量%とポリビニルピロリドン95〜50重量%と
の混合樹脂層からなるものであることが好ましい。
又、上記の構成による本発明の体液検査体において、
支持体における水分散性の樹脂塗膜は、ポリビニルブチ
ラール5〜50重量%とポリエチレングリコール95〜50重
量%との混合樹脂層からなるものであることが好まし
い。
更に、上記の構成による本発明の体液検査体における
水溶性〜水分散性の繊維製基材は、エーテル化度0.1〜
1.0の繊維状カルボキシメチルセルロースまたはカルボ
キシエチルセルロースを繊維主成分とする抄造紙からな
るものであることが好ましい。
更に又、上記の構成による本発明の体液検査体におけ
る水溶性〜水分散性の繊維製基材は、エーテル化度0.1
〜1.0、塩基飽和度20%以上の繊維状カルボキシメチル
セルロースまたはカルボキシエチルセルロースを繊維主
成分とする抄造紙からなり、しかも該抄造紙の溶解液ま
たは分散液のpHが5.0〜8.0の範囲内にあるものが好まし
い。
前記構成からなる本発明の体液検査体における水溶性
〜水分散性の繊維製基材としては、例えば、 (1)再生パルプやパルプを、例えばカルボキシメチル
セルロース等の水溶性樹脂をバインダー成分として利用
して抄造した抄造紙、 (2)エーテル化度が0.1〜1.0の範囲内にある繊維状カ
ルボキシメチルセルロースまたはカルボキシエチルセル
ロースを繊維主成分とする抄造原料による抄造紙、 (3)繊維主成分をなす前述の繊維状カルボキシメチル
セルロースまたはカルボキシエチルセルロースの塩基飽
和度が20%以上に調整されており、しかも該抄造紙の溶
解液または分散液のpHが5.0〜8.0の範囲内にある抄造
紙、 等を利用し得る。
例えば、体液中のブドウ糖の検出は、採取された体液
中のブドウ糖がグルコースオキシダーゼ等のブドウ糖酸
化酵素の作用によって空気中の酸素と反応し、最終的に
グルコン酸と過酸化水素に酸化される作用を利用して行
なわれるものであり、生成された過酸化水素からペルオ
キシダーゼの作用によって発生期の酸素を産出させ、こ
の酸素をグアヤク脂やo−トリジン等の被酸化性指示薬
と反応させて得られる発色の程度によって、ブドウ糖の
有,無およびその定量が行なわれる。
この反応に基づいて行なわれるブドウ糖の検出におい
ては、支持体に担持されている被酸化性指示薬は、ブド
ウ糖検出用の検査試薬層中で好ましい呈色変化が生ずる
ような酸性側のpHに調整されているのが普通である。
また、体液中の蛋白質の検出は、酸性側のpHに維持さ
れている蛋白検出用の指示薬、例えば、テトラブロモフ
ェノールブルー,テトラブロモチモールブルー,テトラ
フェノールフタレインエチルエステル等の蛋白質検出用
の指示薬と、体液中に含有されている蛋白質との間で複
合物が形成されることによって、指示薬の酸性色である
黄色から塩基性色である青色に前記指示薬が変色する原
理を利用して行なわれるもので、変色の程度によって体
液中の蛋白質の量が定量される。
したがって、支持体に担持されている蛋白質検出用の
検査試薬層は、反応の初期においては、酸性側のpHに維
持されていることが必要とされている。
さらに、体液中のウロビリノーゲンの検出は、採取さ
れた体液中のウロビリノーゲンが、酸性側に維持されて
いるp−ジ(アルキル)−アミノベンズアルデヒドとの
間で複合体を形成し、被検査液中に存在するウロビリノ
ーゲンの濃度に応じて黄桃色〜赤紫色に呈色する原理を
利用するものであって、支持体に担持されているウロビ
リノーゲン検出用の検査試薬層は、反応の初期において
は酸性側のpHに維持されていることが必要とされる。
しかして、支持体に対して検査試薬層を形成した体液
検査体は、該検査体における検査試薬層のみが被検査体
である体液と接触するわけではなく、支持体とともに検
査試薬層が体液と接触するものであることから、支持体
との接触が被検体である体液のpHを変化させるようなこ
とは、得られる検査結果の判断を誤らせる要因となる。
以上のような理由により、水溶性〜水分散性の繊維製
基材として、前述の抄造紙のうちの(3)項の抄造紙、
すなわち、繊維状カルボキシメチルセルロースまたはカ
ルボキシエチルセルロースの塩基飽和度が20%以上に調
整されており、しかも、該抄造紙の溶解液または分散液
のpHが5.0〜8.0の範囲内にある抄造紙を利用する場合に
は、体液検査体による検査反応部分のpHが、体液検査体
における支持体自体によって変化するようなことがな
く、適確な検査結果が得られる。
本発明の体液検査体において、支持体として好適に利
用される抄造紙は、エーテル化度が0.1〜1.0の範囲内に
ある繊維状カルボキシメチルセルロースまたはカルボキ
シエチルセルロースさらにはこれらの両者を繊維主成分
とするものであり、繊維状カルボキシメチルセルロース
またはカルボキシエチルセルロースさらにはこれらの両
者のみを繊維成分とするものであってもよく、または、
エーテル化度が0.1〜1.0の範囲内にある繊維状カルボキ
シメチルセルロースやカルボキシエチルセルロースに対
して他の抄造用の繊維成分、例えば、製紙用のクラフト
パルプ,サルファイトパルプ,化繊用の溶解パルプ,ポ
リアミド繊維,ポリエステル繊維等による他の繊維成分
が混合されているものであってもよい。
しかしながら、後者の他の繊維成分との混合繊維によ
る抄造紙の場合には、添加される他の繊維成分が前記カ
ルボキシメチルセルロースとカルボキシエチルセルロー
スとの合計量100重量部に対して50重量部を超えると、
得られる抄造紙の水中分散性が悪化する傾向を有するの
で、添加成分たる他の繊維は、カルボキシメチルセルロ
ースとカルボキシエチルセルロースとの合計量100重量
部に対して50重量部未満に抑えられていることが好まし
い。
なお、抄造紙における繊維主成分をなすカルボキシメ
チルセルロースとカルボキシエチルセルロースとのエー
テル化度が0.1未満の場合には、抄造紙の水分散性〜水
溶解性が十分ではなくなるため、この抄造紙における繊
維主成分をなすカルボキシメチルセルロースとカルボキ
シエチルセルロースとのそれぞれのエーテル化度は0.1
以上とされていることが好ましい。
また、カルボキシメチルセルロースとカルボキシエチ
ルセルロースとのエーテル化度が0.65以上になると、繊
維の膨潤が激しくなり、抄造工程に手間取る傾向が生ず
るが、抄造速度にこだわらなければエーテル化度1.0ま
でのものを利用し得る。
しかしながら、抄造工程における抄造特性と抄造紙の
水分散〜水溶解性と強度等との観点から、通常はエーテ
ル化度0.40〜0.60の繊維状カルボキシメチルセルロース
またはカルボキシエチルセルロースが好ましい。
抄造紙における繊維主成分をなす前述の繊維状カルボ
キシメチルセルロースまたはカルボキシエチルセルロー
スは、塩基飽和度が20%未満になると、トイレに流し得
る水分散性〜水溶解性が得られ難くなるので、本発明の
体液検査体用の支持体として利用される抄造紙は、該抄
造紙における繊維主成分をなす繊維状カルボキシメチル
セルロースまたはカルボキシエチルセルロースの塩基飽
和度が20%以上に調節されているものが好ましい。
抄造紙における繊維主成分をなす前述の繊維状カルボ
キシメチルセルロースまたはカルボキシエチルセルロー
スの塩基飽和度の調節と、検査試薬層が形成される側の
前記抄造紙の紙面のpHの調節と、抄造紙の溶解液または
分散液のpHの調節とは、エーテル化度0.1〜1.0の繊維状
カルボキシメチルセルロースまたはカルボキシエチルセ
ルロースを繊維主成分とする抄造用原料を抄造する工程
において、抄造工程中のフェルト上にある湿紙に、例え
ば炭酸ソーダ,苛性ソーダ等によるアルカリ金属化合物
の水溶液を小過剰(湿紙中におけるカルボキシメチルセ
ルロースやカルボキシエチルセルロースの中和当量以
上)に添加し、繊維状セルロースグリコール酸がイオン
交換によってNa塩等の金属塩に変えられているpH10〜11
程度の乾燥紙を得る前段工程と、得られた乾燥紙を稀酸
で処理する後段工程とによって、容易に行なえる。
すなわち、繊維状カルボキシメチルセルロースまたは
カルボキシエチルセルロースを繊維主成分とする抄造用
原料の抄造工程中において、フエルト上の湿紙にアルカ
リ金属化合物の水溶液を添加するようにすれば、フェル
トが湿紙に対する補強ベルトの作用を奏するため、湿紙
に切断等の損傷を起こすようなことがなく、しかも連続
操業によって前述の乾燥紙を得ることができる。
アルカリ金属化合物の水溶液として、例えば、メタノ
ール,アセトン等の有機溶媒を含有する水溶液を利用す
るようにすれば、アルカリ処理工程中での湿紙の損傷が
さらに効果的に防止される。
また、繊維主成分が繊維状セルロースグリコール酸の
Na塩等の金属塩で形成されているpH10〜11程度の抄造紙
に、稀酸を塗布,含浸させ、繊維状セルロースグリコー
ル酸を部分的に生成させることからなる後段工程たる酸
処理工程は、例えば塩酸等の稀酸溶液をpHを調節しなが
ら均一に塗布することによっても行なえるが、前記方法
では、−OCCH→COONaの逆反応が部分的に著しく生ずる
場合があり、塩基飽和度が20%以上の均一な繊維状セル
ロースグリコール酸を生成させることが困難である。
このために、有機溶媒と水との混合溶媒に水中酸指数
(水中における解離定数の逆数の対数:pKa値)3以上の
水中酸指数の高い有機酸を溶解させた溶液を利用して、
前述の酸処理を行なうのが好ましい。
すなわち、有機溶媒と水との混合溶媒に、水中酸指数
3以上の水中酸指数の高い有機酸を溶解させた溶液によ
る酸処理の場合には、繊維状セルロースグリコール酸の
Na塩等の金属塩の塩基飽和度の低下の度合いが効果的に
抑えられるので、例えば、酢酸,コハク酸,乳酸,グリ
コール酸,リンゴ酸,酒石酸等の水中酸指数3以上の酸
を、有機溶媒と水との混合溶媒の0.3〜10重量%程度の
酸溶液によって処理するのが好適である。
混合溶媒に利用される有機溶媒は、例えば、メチルア
ルコール,エチルアルコール,プロピルアルコール,ブ
チルアルコール等のアルコール類や、アセトン,メチル
エチルケトン,メチルプロピルケトン等が好適であり、
混合溶媒中の有機溶媒の存在が前述の繊維状カルボキシ
メチルセルロースまたはカルボキシエチルセルロースの
塩基飽和度の低下の度合いを抑える作用を果たすもので
あることから、30重量%以上の有機溶媒を含有する混合
溶媒を利用するのが好ましい。
また、酸処理工程によって得られる繊維状カルボキシ
メチルセルロースまたはカルボキシエチルセルロースの
塩基飽和度は、カルボキシメチルセルロースまたはカル
ボキシエチルセルロースのエーテル化度,利用される酸
の種類,利用される酸の水中酸指数,混合溶媒の組成,
処理液の酸濃度,処理液の塗工速度等によって決定され
るが、他の因子が全て同一である場合には、処理液の酸
の濃度によって決まるので、予備実験で予め決定された
条件による酸処理を施すことによって、繊維状カルボキ
シメチルセルロースまたはカルボキシエチルセルロース
の塩基飽和度が20%以上に維持されているところの繊維
状カルボキシメチルセルロースまたはカルボキシエチル
セルロースを得るのがよい。
水分散性〜水溶解性の繊維製基材の片側表面における
水分散性の樹脂塗膜は、相対湿度90%における飽和吸収
率が15%未満のフィルム形成能を有する水不溶性の樹脂
(a)5〜50重量%と、相対湿度90%における飽和吸水
率が15%以上のフィルム形成能を有する水可溶性の樹脂
(b)95〜50重量%との混合樹脂を2〜20g(固形成
分)/m2の割合で塗工した混合樹脂塗膜からなり、該樹
脂塗膜面に形成される検査試薬層との間に、強固,一体
の接着を形成し得る。
相対湿度90%における飽和吸湿率が15%未満のフィル
ム形成能を有する水不溶性の樹脂(a)は、疎水性の樹
脂であり、かかる樹脂の代表的なもの、および、該樹脂
によって形成されるフィルムの飽和吸水率を第1表に示
す。
また、相対湿度90%における飽和吸湿率が15%以上の
フィルム形成能を有する水可溶性の樹脂(b)は、親水
性の樹脂であり、かかる樹脂の代表的なもの、および、
該樹脂によって形成されるフィルムの飽和吸水率を第2
表に示す。
水溶性〜水分散性の繊維製基材の片側表面に形成され
ている水不溶性の樹脂(a)と水可溶性の樹脂(b)と
の混合樹脂を2〜20g(固形成分)/m2の割合で塗工した
混合樹脂塗膜は、水と接触した後の一定の短時間の間は
完全な塗膜状態を維持し、しかも該塗膜の表面にインキ
による塗工層からなる試薬層を形成する場合に、試薬層
形成用のインキが支持体中に浸透してしまうのを防止す
る。
この混合樹脂層からなる樹脂塗膜が、水不溶性の樹脂
(a)が5重量%未満の混合樹脂によって形成されてい
る場合には、体液検査体に対して検査用の体液を直接噴
射させた場合の表面破壊が激しく、検査用の体液を直接
噴射させることによる体液検査方法に耐え得る強靭性が
得られなくなる。
また、混合樹脂中における水可溶性の樹脂(b)が50
重量%未満になると、トイレに流せ得る水溶解〜水分散
性の支持体になり難くなる。
このために繊維製基材の表面に形成されている樹脂塗
膜は、水不溶性の樹脂(a)5〜50重量%と、水可溶性
の樹脂(b)95〜50重量%との混合樹脂層からなること
が必要である。
相対湿度90%における飽和吸水率が15%未満のフィル
ム形成能を有する水不溶性の樹脂(a)5〜50重量%
と、相対湿度90%における飽和吸水率が15%以上のフィ
ルム形成能を有する水可溶性の樹脂(b)95〜50重量%
との混合樹脂層からなる水分散性の樹脂塗膜は、これら
の樹脂を含有する溶剤溶液、すなわち水不溶性の樹脂
(a)5〜50重量%と、水可溶性の樹脂(b)95〜50重
量%との混合樹脂を含有するこれらの樹脂の共通溶剤溶
液からなるコーティング剤の塗工層にすることによって
容易に形成し得る。
水不溶性の樹脂(a)と水可溶性の樹脂(b)との相
溶性溶剤、すなわち水不溶性の樹脂(a)と水可溶性の
樹脂(b)との共通溶剤としては、例えば、アミルアル
コール,1,4−ジオキサン,アニソール等の親水性基を有
する有機溶剤を利用し得る。
例えば、ポリビニルブチラールとポリビニルピロリド
ンとの混合樹脂の場合は、これらの共通溶剤であるアミ
ルアルコールあるいは1,4−ジオキサンが、また、ポリ
ビニルブチラールとポリエチレングリコールとの混合樹
脂の場合は、これらの共通溶剤である1,4−ジオキサン
を利用し得る。
本発明の体液検査体に使用される支持体は、繊維製基
材が水溶解性〜水分散性であり、又該繊維製基材に形成
されている樹脂塗膜が水分散性である。
この体液検査体は被検査液中に浸漬され、検査試薬層
に生ずる呈色が判断されるものであることから、被検査
液中に浸漬した部分が所定の時間の間は溶解〜膨潤する
ことのないように、水溶性〜水分散性の繊維製基材の厚
さが調節され、又樹脂塗膜の厚さが調節される。
坪量100〜200g/m2程度の抄造紙からなる繊維製基材を
使用し、水分散性の樹脂塗膜を、前述の水不溶性の樹脂
(a)5〜50重量%と水可溶性の樹脂(b)95〜50重量
%との混合樹脂を2〜20g(固形成分)/m2の割合で塗工
した混合樹脂塗膜にすることにより、上記の性質を有す
るものになる。
本発明の体液検査体における検査試薬層は、繊維製基
材の表面の混合樹脂層からなる樹脂塗膜面に、樹脂のベ
ヒクルとする塗工層を形成することによって容易に形成
し得る。
このときに、前記した支持体における樹脂塗膜の混合
樹脂と同系の樹脂をベヒクルとする塗工層で形成する場
合には、支持体と検査試薬層との間の接着性が良好であ
り、また支持体に対して検査試薬層を形成する際におけ
る検査試薬層用組成物のインキを得る際の溶媒として、
適度の揮発速度を有する溶媒を利用することができるた
め、インキによる塗工層の形成の際の操業が安定して行
なえるだけでなく、該インキによる良好な印刷適性が得
られる。
また、ポリビニルブチラールと、ポリビニルピロリド
ンまたはポリエチレングリコールとの混合樹脂を、樹脂
塗膜、および検査試薬層のベヒクルとして利用する場合
には、呈色性能が良く、しかも含有物の含有量に応じた
濃度の発色を阻害するようなことがなく、また、ベヒク
ルによるpHの変化が被検体中で生ずるようなことがな
く、さらには得られる検査試薬層の水浸潤性が良く、ま
た被検体である体液中の所定の含有物との間に生ずる呈
色反応が完了するに要する時間内は水膨潤〜水溶解する
ようなことのない検査試薬層になる。
「実 施 例」 以下本発明の体液検査体の具体的な構成を、その製造
実施例に基づいて説明する。
実施例1 水分散性〜水溶解性の繊維製基材 エーテル化度0.54の繊維状カルボキシメチルセルロー
ス80重量部と晒クラフトパルプ20重量部との混合抄紙原
料を叩解度20゜SRに叩解した抄造用原料を、丸網抄紙機
によって速度20m/min.で無サイズで抄造する際に、前記
抄造工程中にて8重量%の炭酸ソーダ水溶液を湿紙に塗
布し、坪量120g/m2のアルカリ性抄造紙[A]を得た。
続いて、メタノール−水の等量混合溶媒中に、酢酸と
クエン酸(混合重量比2:3)を溶解した1.25重量%の稀
酸溶液を、ロールコーター法によって、前記稀酸溶液中
の酸成分が1.9g/m2の割合になるようにして前記アルカ
リ性抄造紙[A]に塗工,乾燥することによって、中性
の抄造紙[B]を得た。
得られた抄造紙[B]における酸処理面のpHは5.8、
水分散液のpHは7.2、アルカリ性抄造紙[A]の塩基置
換容量は2.79meq/g(計算値)、中性の抄造紙[B]の
塩基飽和度は65.1%である。
樹脂塗膜の形成 中性の抄造紙[B]の片側表面に対して、ポリビニル
ブチラール[重合度約1700,ブチル化度約65mol%:積水
化学工業・エスレックBx−1](Bx−1)と、ポリビニ
ルピロリドン(PVP)[平均重合度約11000:BASF AG・コ
リドン90]との混合樹脂による5.0g(固形成分)/m2
樹脂塗膜を、下記に説明する方法によって調整したコー
ティング剤を、No.6のミヤバーを利用して塗工すること
により、第3表に示す体液検査体用の支持体[a−2]
〜[a−7]を得た。
なお、混合樹脂中のポリビニルブチラールとポリビニ
ルピロリドンとの組成割合(重量%)は、第3表に示す
通りである。
コーティング剤の調整 ポリビニルブチラール15重量%のアミルアルコール溶
液と、ポリビニルピロリドン15重量%のアミルアルコー
ル溶液とを、それぞれ別々に、ホモミキサーで十分に撹
拌した後、得られた各溶液の所定量を混合し、さらにス
パーテルで十分に混合することによってコーティング剤
を得た。
各体液検査体用の支持体[a−2]〜[a−7]の混
合樹脂層からなる塗膜面に、各支持体を8mm×80mmの平
面矩形状をなす短冊状に裁断したときに、各裁断片の端
部の近くに5mm×5mmの平面矩形状の検査試薬層が得られ
るようにして、下記組成からなるブドウ糖検査試薬用の
組成物により検査試薬層を、80メッシュのスクリーン版
を利用して印刷した。
ブドウ糖検査試薬用組成物 ブドウ糖酸化酵素 ……3.6 重量部 ペルオキシダーゼ 2.4 重量部 グアヤク脂 ……4.8 重量部 ソルビタンモノラウレート ……7.2 重量部 L−アスコルビルステアレート ……0.24重量部 クエン酸 ……2.8 重量部 クエン酸ソーダ ……11.0 重量部 ポリビニルピロリドン(BASF AG:コリドン90) ……12.6 重量部 ポリビニルブチラール(積水化学工業:エスレックBX
−1) ……2.25重量部 セルロース微粉末(旭化成工業:アビセルTG−D) ……171 重量部 n−アミルアルコール ……171 重量部 ブチルセロソルブアセテート ……67 重量部 前述の検査試薬層が形成されている各支持体を8mm×8
0mmの平面矩形状の裁断し、各裁断片の端部の近くに、5
mm×5mmの平面矩形状の検査試薬層を有する本発明の実
施例品たる体液検査体を得た。
比較例1 実施例1における中性の抄造紙[B]の片側表面に対
して、ポリビニルピロリドン15重量%のアミルアルコー
ル溶液によるコーティング剤を、No.6をミヤバーを利用
して塗工することにより、5.0g(固形成分)/m2の樹脂
塗膜を有する体液検査体用の支持体[a−1]を得た
後、該体液検査体用の支持体[a−1]の樹脂塗膜面に
対して、実施例1と同様にして、ブドウ糖検査試薬用の
組成物による検査試薬層を、80メッシュのスクリーン版
を利用して印刷し、比較のための体液検査体を得た。
比較例2 実施例1における中性の抄造紙[B]の片側表面に対
して、ポリビニルブチラール15重量%のアミルアルコー
ル溶液とポリビニルピロリドン15重量%のアミルアルコ
ール溶液との混合液によるコーティング剤を、No.6のミ
ヤバーを利用して塗工することにより、ポリビニルブチ
ラール70重量%とポリビニルピロリドン30重量%との混
合樹脂による5.0g(固形成分)/m2の塗膜を有する体液
検査体用の支持体[a−8]を得た後、該体液検査体用
の支持体[a−8]の塗膜面に対して、実施例1と同様
にして、ブドウ糖検査試薬用の組成物による検査試薬層
を、80メッシュのスクリーン版を利用して印刷し、比較
のための体液検査体を得た。
比較例3 実施例1における中性の抄造紙[B]を支持体として
利用し、該体液検査体用の支持体[B]の表面に対し
て、実施例1と同様にして、ブドウ糖検査試薬用の組成
物による検査試薬層を、80メッシュのスクリーン版を利
用して印刷し、比較のための体液検査体を得た。
[実 験 1] 約500ccの水を収容してあるビーカー内の水をスター
ラーで撹拌し、高さ3〜4cmの渦が安定するようになっ
てから、実施例1および比較例1〜3で得られた各体液
検査体(8×80mmの短冊片)を投入し、体液検査体が塊
状に分散するのに要する時間(秒)を測定した。この試
験結果を、第4表に表示する。
なお、上記の試験において、体液検査体が塊状に分散
するのに要する時間(塊状分散時間)が700秒以下であ
ることが、トイレに流し得る水分散性の目安である。
[実 験 2] 実施例1、比較例1〜3で得られた各体液検査体を、
体液検査体における検査試薬層の位置している反対の端
部を把持し、水平面に対して45度に前記検査体を保持
し、前記検査体の試薬層側の中央部分(すなわち、端部
から約40mmの位置)に、該検査体から10mmの距離に位置
するシリンジから3mlの水を2秒間かけて、続けて2回
射出し、次いで、体液検査体を水平状態に60秒間保持し
た後に、体液検査体の表面の損傷程度を観察したとこ
ろ、未処理の支持体[B]、および、表面側をポリビニ
ルピロリドン樹脂溶液で処理した支持体[a−1]を利
用した体液検査体は、いずれも検査試薬層側である表面
層に損傷が認められたが、それ以外の支持体を利用した
体液検査体の場合は、該支持体の表面の樹脂塗膜がシリ
ンジテストに十分に耐え得る耐水性を有していることが
確認された。
[実 験 3] 前記実施例1、比較例1〜3で得られた各体液検査体
の2枚宛を、各体液検査体における検査試薬層面同士が
接当するようにして重ね合わせ、上から体液検査体の全
体に亙って、20g/cm2の加重をかけたまま40℃,50%RHの
雰囲気中に12時間放置した後、各体液検査体同士を指先
で引き剥す際のブロッキング状態を観察した。この結果
を第5表に示す。
また、実施例1および比較例1〜3で得られた各体液
検査体の2枚宛を、各体液検査体における検査試薬層面
と非試薬層面とが接当するようにして同一種類の体液検
査体同士を重ね合わせ、前記と同様の操作によってブロ
ッキングの発生状況をみたところ、いずれの体液検査体
においてもブロッキングの発生は無かった。
実施例2 水分散性〜水溶解性の繊維製基材 実施例1で利用した中性の抄造紙[B]と同一の抄造
紙を使用した。
樹脂塗膜の形成 中性の抄造紙[B]の片側表面に対して、ポリビニル
ブチラール[重合度約1700,ブチル化度約65mol%:積水
化学工業・エスレックBx−1](Bx−1)と、ポリエチ
レングリコール[ユニオンカーバイド・POLYOX WSR N75
0](POLYOX)との混合樹脂による樹脂塗膜{5.0g(固
形成分)/m2}を、下記に説明する方法によって調整し
たコーティング剤を、No.6のミヤバーを利用して塗工す
ることにより、体液検査体用の支持体[b−2]〜[b
−7]を得た。
なお、混合樹脂中のポリビニルブチラールとエチレン
グリコールとの組成割合(重量%)は、第6表に示す通
りである。
コーティング剤の調整 ポリビニルブチラール15重量%の1,4−ジオキサン溶
液と、ポリエチレングリコール15重量%の1,4−ジオキ
サン溶液とを、それぞれ別々にホモミキサーで十分に撹
拌した後、得られた各溶液の所定量の混合し、さらにス
パーテルで十分に混合することによってコーティング剤
を得た。
各体液検査体用の支持体[b−2]〜[b−7]の混
合樹脂による樹脂塗膜面に、各支持体を8mm×80mmの平
面矩形状をなす短冊状に裁断したときに、各裁断片の端
部の近くに5mm×5mmの平面矩形状の検査試薬層が得られ
るようにして、実施例1で利用したブドウ糖検査試薬用
の組成物による検査試薬層を、80メッシュのスクリーン
版を利用して印刷し、さらに検査試薬層が形成されてい
る支持体を8mm×80mmの平面矩形状の裁断し、各裁断片
の端部の近くに、5mm×5mmの平面矩形状の検査試薬層を
有する本発明の実施例品たる体液検査体を得た。
比較例4 実施例2における中性の抄造紙[B]の片側表面に対
して、ポリエチレングリコール15重量%の1,4−ジオキ
サン溶液によるコーティング剤を、No.6のミヤバーを利
用して塗工することにより、5.0g(固形成分)/m2の樹
脂塗膜を有する体液検査体用の支持体[b−1]を得た
後、該体液検査体用の支持体[b−1]の樹脂塗膜面に
対して、実施例2と同様にして、ブドウ糖検査試薬用の
組成物による検査試薬層を、80メッシュのスクリーン版
を利用して印刷し、比較のための体液検査体を得た。
比較例5 実施例2における中性の抄造紙[B]の片側表面に対
して、ポリビニルブチラール15重量%の1,4−ジオキサ
ン溶液と、ポリエチレングリコール15重量%の1,4−ジ
オキサン溶液との混合液によるコーティング剤を、No.6
のミヤバーを利用して塗工することにより、ポリビニル
ブチラール70重量%とポリエチレングリコール30重量%
との混合樹脂による5.0g(固形成分)/m2の塗膜を有す
る体液検査体用の支持体[b−8]を得た後、該体液検
査体用の支持体[b−8]の塗膜面に対して、実施例2
と同様にして、ブドウ糖検査試薬用の組成物による検査
試薬層を、80メッシュのスクリーン版を利用して印刷
し、比較のための体液検査体を得た。
[実 験 4] 約500ccの水を収容してあるビーカー内の水をスター
ラーで撹拌し、高さ3〜4cmの渦が安定するようになっ
てから、実施例2および比較例4〜5で得られた各体液
検査体(8×80mmの短冊片)を投入し、体液検査体が塊
状に酸するのに要する時間(秒)を測定した。
得られた各体液検査体の水溶性〜水分散性の試験結果
を、第7表に表示する。
[実 験 5] 実施例2、比較例4〜5で得られた各体液検査体を、
体液検査体における検査試薬層が位置している反対の端
部を把持し、水平面に対して45度に前記検査体を保持
し、前記検査体の試薬層側の中央部分(すなわち、端部
から約40mmの位置)に、該検査体から10mmの距離に位置
するシリンジから3mlの水を2秒間かけて、続けて2回
射出し、次いで、体液検査体を水平状態に60秒間保持し
た後に、体液検査体の表面の損傷程度を観察したとこ
ろ、表面側をポリエチレングリコール樹脂溶液で処理し
た支持体[b−1]を利用した体液検査体は、検査試薬
層側である表面層に損傷が認められたが、それ以外の支
持体を利用した体液検査体の場合は、該支持体の表面の
塗膜が、シリンジテストに十分に耐え得る耐水性を有し
ていることが確認された。
「発明の作用,効果」 本発明の体液検査体は、水溶性〜水分散性の繊維製基
材と該繊維製基材の片側表面に形成されている水分散性
の樹脂塗膜とからなる支持体に対して、該支持体におけ
る樹脂塗膜面に体液検査用の試薬層が形成されてなるも
のであり、水溶性〜水分散性の繊維製基材の片側表面に
おける水分散性の樹脂塗膜が、相対湿度90%における飽
和吸水率が15%未満のフィルム形成能を有する水不溶性
の樹脂(a)5〜50重量%と、相対湿度90%における飽
和吸水率が15%以上のフィルム形成能を有する水可溶性
の樹脂(b)95〜50重量%との混合樹脂を2〜20g(固
形分)/m2の割合で塗工した混合樹脂塗膜からなるもの
である。
しかして本発明の体液検査体は、該体液検査体におけ
る支持体が、抄造紙を得る工程と該抄造紙にコーティン
グ剤を適用する工程とによって得られるものであるか
ら、その製造工程が簡単であり、しかも体液検査体の支
持体として必要な剛性を具備するものでありながら、水
溶解〜水分散に対して良好な性質を有しており、トイレ
での廃棄処理が可能であるために使用後に衛生的にしか
も簡単に廃棄処理し得る。
また、本発明の体液検査体は、該体液検査体における
支持体が、抄造紙に対して所定のコーティング剤を適用
することによって形成されるものであるから、コーティ
ング剤による塗工と乾燥とを適宜繰り返して、重ね塗り
することにより、抄造紙の表面における樹脂塗膜の厚さ
を調整することができる。
このために、体液検査体に利用される支持体の水分散
性の調節が容易であり、支持体の表面に形成される検査
試薬層の反応時間に合わせた水分解能の体液検査体を容
易に得られる。
さらに、本発明の体液検査体においては、該体液検査
体における支持体に対して形成される検査試薬層が、支
持体の表面の樹脂塗膜面に形成されるものであるから、
該検査試薬層形成の際に適用する検査試薬層形成用の塗
工剤が支持体中に浸透するようなことがなく、呈色性に
優れた作用を有する検査試薬層が得られる。
又本発明の体液検査体は、該体液検査体における支持
体の表面が相対湿度90%における飽和吸水率が15%未満
のフィルム形成能を有する水不溶性の樹脂(a)5〜50
重量%と、相対湿度90%における飽和吸水率が15%以上
のフィルム形成能を有する水可溶性の樹脂(b)95〜50
重量%との混合樹脂を2〜20g(固形成分)/m2の割合で
塗工した混合樹脂塗膜で被覆されているので、検査用の
体液を試薬層に対して洗瓶から射出するような方法で検
査し得る強靭性、すなわち、尿検査用の検査体の場合に
は、カップ等の容器に採尿することなく、検査体の試薬
層部分に検査用の尿を直接噴射させる検査方法に対し
て、十分に耐え得る強靭性を有するものであり、しか
も、運搬,貯蔵中において、体液検査体の検査試薬層面
同士が接当するようにして重なり合うようなことがあっ
ても、ブロッキングが発生するようなことがなく、保存
性能においても優れた作用を奏する。
なお、本発明の体液検査体における検査試薬層を、支
持体の表面に形成されている樹脂塗膜の樹脂成分と同一
系統の樹脂をベヒクルとする塗工層で形成するようにす
れば、支持体と検査試薬層との間に良好な接着性が得ら
れる。又このときには、支持体に対して検査試薬層を形
成する際のインキとして、溶媒に適度の乾燥度の溶媒を
利用することができ、またインキによる印刷適性が良好
になる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平1−121752(JP,A) 特開 昭62−261060(JP,A) 特開 昭60−238763(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G01N 33/48 - 33/52 G01N 33/58 - 33/98 G01N 31/00 - 31/22

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】支持体が、水溶性〜水分散性の繊維製基材
    と該繊維製基材の片側表面に形成した水分散性の樹脂塗
    膜とからなっており、しかも、該支持体における前記樹
    脂塗膜面に、体液検査用の試薬層が形成されてなる体液
    検査体において、前記水溶性〜水分散性の繊維製基材の
    片側表面における水分散性の樹脂塗膜が、相対湿度90%
    における飽和吸水率が15%未満のフィルム形成能を有す
    る水不溶性の樹脂(a)5〜50重量%と、相対湿度90%
    における飽和吸水率が15%以上のフィルム形成能を有す
    る水可溶性の樹脂(b)95〜50重量%との混合樹脂を2
    〜20g(固形成分)/m2の割合で塗工した混合樹脂塗膜か
    らなることを特徴とする体液検査体。
  2. 【請求項2】支持体における水分散性の樹脂塗膜が、ポ
    リビニルブチラール5〜50重量%とポリビニルピロリド
    ン95〜50重量%との混合樹脂を塗工した混合樹脂塗膜か
    らなることを特徴とする特許請求の範囲第1項に記載の
    体液検査体。
  3. 【請求項3】支持体における水分散性の樹脂塗膜が、ポ
    リビニルブチラール5〜50重量%とポリエチレングリコ
    ール95〜50重量%との混合樹脂を塗工した混合樹脂塗膜
    からなることを特徴とする特許請求の範囲第1項に記載
    の体液検査体。
  4. 【請求項4】特許請求の範囲第1項〜第3項のうちのい
    ずれかの1項に記載の体液検査体において、水溶性〜水
    分散性の繊維製基材が、エーテル化度0.1〜1.0の繊維状
    カルボキシメチルセルロースまたはカルボキシエチルセ
    ルロースを繊維主成分とする抄造紙からなるものである
    ことを特徴とする体液検査体。
  5. 【請求項5】特許請求の範囲第1項〜第3項のうちのい
    ずれかの1項に記載の体液検査体において、水溶性〜水
    分散性の繊維製基材が、エーテル化度0.1〜1.0、塩基飽
    和度20%以上の繊維状カルボキシメチルセルロースまた
    はカルボキシエチルセルロースを繊維主成分とする抄造
    紙からなり、しかも、該抄造紙の溶解液または分散液の
    pHが5.0〜8.0の範囲内にあることを特徴とする体液検査
    体。
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