JP2962645B2 - 表面保護フィルム - Google Patents

表面保護フィルム

Info

Publication number
JP2962645B2
JP2962645B2 JP33444393A JP33444393A JP2962645B2 JP 2962645 B2 JP2962645 B2 JP 2962645B2 JP 33444393 A JP33444393 A JP 33444393A JP 33444393 A JP33444393 A JP 33444393A JP 2962645 B2 JP2962645 B2 JP 2962645B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
film
weight
surface protective
protective film
sensitive adhesive
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP33444393A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH07188471A (ja
Inventor
重久 小林
昌彦 五藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sekisui Chemical Co Ltd filed Critical Sekisui Chemical Co Ltd
Priority to JP33444393A priority Critical patent/JP2962645B2/ja
Publication of JPH07188471A publication Critical patent/JPH07188471A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2962645B2 publication Critical patent/JP2962645B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Laminated Bodies (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Adhesive Tapes (AREA)
  • Adhesives Or Adhesive Processes (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、被覆塗装鋼板、金属
板、合成樹脂板等の表面に仮着して、汚れや傷つきがな
いように、その表面を保護するために使用される耐候性
に優れ、且つ、透明な表面保護フィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】ポリエチレン、ポリプロピレン等に代表
されるポリオレフィン系樹脂は、加工特性にすぐれ、安
価であることから各種成形品や包装材などの用途に広く
使われている。ポリオレフィン系樹脂をフィルム状に成
形し、包装材として使用する場合に、これに無機系光安
定剤を添加して紫外線を吸収、反射、散乱させることに
より、内容物を紫外線による変色や変質等の劣化から保
護する方法は古くから行われている。例えば、酸化チタ
ンを配合して白色化したものも古くから知られている
が、紫外線を充分に遮断するために酸化チタンの配合量
を多くすると、フィルムの強度が低下するので厚みの薄
いフィルムとすることが困難であり、不透明なものとな
る。
【0003】特開昭50−158630号公報には、最
大粒径が0.1μm以下であり平均粒径が30〜40m
μの酸化チタンを樹脂に配合することにより、透明性を
損なわずに内容物を紫外線から保護できる合成樹脂組成
物が、又、特開平5−148460号公報には、粒径が
0.001〜0.1μmの酸化亜鉛または酸化チタンな
どの無機顔料が粘着シートの支持体又は粘着剤に添加さ
れることにより、あるいは支持体と粘着剤との間に紫外
線遮蔽層を設けて、紫外線による劣化を抑制し耐候性を
付与した粘着シートが開示されている。
【0004】又、被覆塗装鋼板、金属板、合成樹脂板、
化粧合板等の表面が加工時や搬送時に傷付きや汚れを防
止するために表面保護フィルムが賞用されている。表面
保護フィルムは、ポリオレフィン系樹脂などの熱可塑性
樹脂や紙からなる基材層の片面に粘着層が形成された構
造であり、適度の粘着力(仮着性)を有するとともに、
使用後に各種被着体の表面を粘着剤で汚染することなく
容易に剥がすことができなければならない。
【0005】表面保護フィルムとして、例えば、特公昭
58−30911号公報、特開昭61−103975号
公報などにより、ポリオレフィン系樹脂などの熱可塑性
樹脂からなる基材層の片面に、一般式A−B−A(但
し、Aはスチレン重合体ブロック、Bはブタジエン重合
体ブロック、イソプレン重合体ブロックまたはエチレン
−ブチレン重合体ブロック)で表されるブロック共重合
体エラストマー単独或いはこれに粘着付与樹脂とを混和
してなる粘着剤層が形成された表面保護フィルムが開示
されている。これらの表面保護フィルムはいずれも被着
体から剥離する際に界面剥離せず、糊残りせず剥離でき
ることを目的とする。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記特開昭50−15
8630号公報及び特開平5−148460号公報に記
載のように、酸化チタンや酸化亜鉛だけをフィルム樹脂
に配合しただけのものは樹脂分子の光に対する安定性が
低く、フィルム内に入射した紫外線がこれら無機質微粒
子によって乱反射されることにより樹脂の劣化が促進さ
れ、引張強度及び破断伸度が著しく低下するという問題
がある。
【0007】又、被覆塗装鋼板、金属板は建材用途とし
て使用されることが多く、施工現場ではポリオレフィン
系樹脂を使用した表面保護フィルムを貼り付けたまゝ屋
外に長期間放置される。このとき太陽光に含まれている
紫外線によりポリオレフィン系樹脂は架橋と分解により
劣化する。紫外線の一部は基材フィルムを透過して粘着
剤層に達し、粘着剤の劣化も引き起こす。
【0008】粘着剤はその構造により反応速度は異なる
が紫外線により劣化が生じる。アクリル系粘着剤は比較
的反応速度は遅いが、天然ゴム、エチレン−酢酸ビニル
共重合体(EVA)、スチレン−ブタジエン−スチレン
共重合体(SBS)、スチレン−イソプレン−スチレン
共重合体(SIS)等は分子内に不飽和2重結合を持つ
のでポリエチレン樹脂やポリプロピレン樹脂よりも早く
劣化する。架橋反応よりも分解反応の方が早く起こるの
で、見かけの分子量が低下し、接着力が上昇する。場合
によっては、用済み後に表面保護フィルムを被着体から
剥離除去する際に粘着剤が凝集破壊を起こして被着体に
糊残りする。
【0009】粘着剤にまで紫外線を透過させなければ劣
化反応も起こらないので、酸化チタン、炭酸カルシウム
等の無機物質を基材であるポリオレフィン系樹脂に約3
0重量%添加すると不透明になり、これを屋外に1ケ月
間放置しても粘着剤は劣化せず凝集破壊せずに剥離でき
る。しかし、表面保護フィルムの性能の一つとして、物
品に表面保護フィルムを貼り付けたまゝ物品の傷、汚れ
を確認する作業を行うために透明であることが要求され
る。そこで上記のようにフィルムを不透明にすることは
好ましくない。
【0010】上記特公昭58−30911号公報に記載
のものは、一般式A−B−AのBブロックがブタジエン
重合体ブロック(SBS)、イソプレン重合体ブロック
(SIS)であり、分子内に不飽和2重結合を持つので
紫外線による劣化反応が早く、屋外に1ケ月間放置する
と凝集破壊を起こして糊残りが発生する。
【0011】特開昭61−103975号公報に記載の
表面保護フィルムは、一般式A−B−AのBブロックが
エチレン−ブチレン重合体ブロック(SEBS)である
場合には、分子内に不飽和2重結合を実質的に持たない
のでSBS、SISに比べて接着力の上昇は少ない。し
かし、いずれにしてもこれらを被覆塗装鋼板、金属板に
貼り付けて屋外に放置すると紫外線による劣化を生じて
接着力は徐々に上昇し、用済み後に表面保護フィルムを
被着体から剥離すると凝集破壊による糊残りを生ずる。
【0012】そこで、粘着剤や基材フィルムに有機系紫
外線吸収剤、光安定剤を添加する方法が知られている。
紫外線吸収剤は光エネルギーを熱エネルギーに変換する
反応を、光安定剤は発生したラジカルを不活性化させる
反応を行うものであり、経時的にその反応は弱くなり、
劣化防止の効果が薄れてくる。このため、次第に糊残り
が発生し易くなる。
【0013】本発明は上記従来の問題点を解消し、透明
性と耐候性にすぐれ、長期間経過しても強度が低下せ
ず、簡単な方法で製造でき、しかも粘着剤が劣化せず被
着体に糊残りせずに剥離することのできる表面保護フィ
ルムを提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明は、次の二つの発
明からなる。
【0015】請求項1記載の本発明表面保護フィルム
は、ポリオレフィン系樹脂100重量部に対してヒンダ
ードアミン系光安定剤0.2〜3重量部と成形後のフィ
ルム厚さに応じて紫外線遮蔽性と透明性を維持するに有
効な量の平均粒径100nm以下の酸化チタンが配合さ
れた組成物よりなるポリオレフィン系樹脂フィルムの片
面に、粘着剤層が積層されてなることを特徴とするもの
である。
【0016】請求項2記載の本発明表面保護フィルム
は、請求項1記載の表面保護フィルムにおいて、組成物
中の酸化チタンの配合量が、成形後のフィルム厚さが5
0μmの場合で0.5〜5重量%、100μmの場合で
0.25〜2.5重量%であることを特徴とするもので
ある。
【0017】請求項3記載の本発明表面保護フィルム
は、請求項1又は2記載の表面保護フィルムにおいて、
粘着剤層が、一般式A−B−Aで表されるブロック共重
合体及び一般式A−Bで表されるブロック共重合体(但
し、Aはスチレン系重合体ブロック、Bはブタジエン重
合体ブロック又はイソプレン重合体ブロックを水素添加
して得られるオレフィン重合体ブロックである。)の少
なくとも1種のブロック共重合体を主成分とする組成物
からなることを特徴とするものである。
【0018】本発明で使用できるポリオレフィン系樹脂
としては、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、
高密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、エチレ
ン−αオレフィン共重合体、エチレン−エチルアクリレ
ート共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレ
ン−メチルメタクリレート共重合体、エチレン−nブチ
ルアクリレート共重合体、ポリプロピレン(ホモボリマ
ー、ランダムコボリマー、ブロックコポリマー)等が挙
げられる。又、これらの混合物も好適に使用できる。混
合物とする場合、特にポリエチレン、ポリプロピレンを
主成分とするものが好ましい。
【0018】本発明において、ポリオレフィン系樹脂フ
ィルムは、上記ポリオレフィン系樹脂に、平均粒径が1
00nm以下の酸化チタン及びヒンダードアミン系光安
定剤が配合された組成物からなる。
【0019】平均粒径が100nm以下の酸化チタンと
しては、例えば、テイカ社製 商品名「MT−500H
D」、タイオキサイド社製 商品名「UF07」等が挙
げられる。ここでいう平均粒径とは比表面積を測定し、
酸化チタンが球であると仮定して計算したものである。
【0020】酸化チタンの平均粒径が100nm以下、
特に50nm以下であると表面活性が増加し、酸化反応
の触媒となったりするので表面処理剤による表面処理が
必要である。表面処理剤としてはラウリン酸、シリカ、
アルミナ、ジルコニアが知られているが、この中でも特
にアルミナとジルコニアを併用することにより耐候性が
向上する。これらの結晶構造はルチル型であることが好
ましい。平均粒径は100nmを超えると可視光線を遮
断し、不透明となるので100nm以下であることが必
要である。
【0021】該樹脂フィルムの酸化チタン含有量は該フ
ィルムの厚さにより異なり、紫外線遮蔽性を維持するた
めには厚さが50μmでは0.5重量%以上、厚さ10
0μmでは0.25重量%以上が必要である。又、透明
性を維持するためには、厚さ50μmでは5重量%以
下、厚さ100μmでは2.5重量%以下であることが
必要である。
【0022】酸化チタンの微粒子とともに該樹脂フィル
ムに配合される光安定剤は、ヒンダードアミン系のもの
でなければならない。これ以外の光安定剤、例えば、フ
ェノール系酸化防止剤などでは紫外線による酸化、劣化
反応を阻止する効果が乏しく、本発明の目的とするすぐ
れた耐候性と高速剥離性(用済み後に表面保護フィルム
を被着体から急激に剥離できること)が得られない。
【0023】ヒンダードアミン系光安定剤による光安定
化作用は、ピペリジン骨格のN−置換基が酸化されて生
成するN−オキシラジカル(NO・)がポリマーの光開
始反応で生じるアルキルラジカル(R・)を捕捉するこ
とによるものであり、本発明の場合、光開始反応期によ
るラジカルの捕捉作用であることが、紫外線による劣化
の防止に特に効果的であると思われる。
【0024】本発明に用いるポリオレフィン系樹脂フィ
ルムは、上記ヒンダードアミン系光安定剤と酸化チタン
の存在により紫外線による劣化防止効果が相乗的に大き
くなるものと考えられる。又、これに積層される粘着剤
層又はポリオレフィン系フィルムへ紫外線が到達するの
が抑制されて、積層フィルムの強度が維持され、又、粘
着剤層の劣化が防止される。
【0025】ヒンダードアミン系光安定剤は、ポリオレ
フィン系樹脂100重量部に対して0.2〜3重量部
されるのが好ましい。この配合量が0.2重量部より
も少ないと、上記ラジカルの捕捉作用が弱く耐候性の向
上が期待できない。又、配合量が3重量部を超えると、
上記ヒンダードアミン系光安定剤がポリオレフィン系樹
脂フィルム表面にブリードし、表面保護フィルムとして
使用する場合に、巻重体となされているポリオレフィン
系樹脂フィルムからブリードした上記光安定剤が粘着剤
層表面に転写され、結果として被着体表面を汚染するこ
とになる。
【0026】本発明に用いる上記ポリオレフィン系樹脂
フィルムは、強度を上げるために、本発明に属しない透
明な通常のポリオレフィン系フィルムと積層した2層構
造、又は、上記通常のポリオレフィン系フィルムの両面
に本発明に用いる上記ポリオレフィン系樹脂フィルム
積層した3層構造の積層フィルムとしてもよい。
【0027】上記2層となされた積層フィルムの場合に
は、本発明に用いるポリオレフィン系樹脂フィルムを外
側に露出するように配置することにより、上記通常のポ
リオレフィン系フィルムが、紫外線を含む光線がもたら
す劣化作用を受けず、長期間経過しても強度が低下する
のを防止することができる。
【0028】請求項1又は2記載の表面保護フィルム
は、上述のポリオレフィン系樹脂フィルムを基材層と
し、これに粘着剤層が積層される。粘着剤は一般に用い
られているものが使用できるが、表面保護フィルムとし
て多く用いられているEVA、SBS、SIS、SBS
およびSISの水素添加物等を主成分とするものが好ま
しい。又、必要に応じて粘着付与樹脂、酸化防止剤等の
安定剤が添加されてもよく、このような安定剤として
は、例えばチバガイギー社製 商品名「イルガノックス
1010」などが熱劣化に対して効果的である。
【0029】更に、適度の粘着性(仮着性)を有すると
ともに、用済み後に各種被着体の表面を粘着剤で汚染す
ることなく容易に剥がすことができなければならないと
いう表面保護フィルムの特性を充分に確保するために、
接着亢進を抑制する物質を添加することが好ましい。こ
のようなものの一例として高級アルキル基が導入された
ポリエチレンイミンが挙げられる。
【0030】基材層であるポリオレフィン系樹脂フィル
ムの厚みは30〜100μm、粘着剤層の厚みは5〜2
0μmが好ましい。上記ポリオレフィン系樹脂フィルム
に粘着剤層を積層する方法は特に制限しないが、通常、
押出成形可能な材料を粘着剤の主成分とする場合は共押
出成形法が好ましい。共押出成形法によると工程が簡単
であり、両層の接着強度が大であるという利点が得られ
る。
【0031】請求項3記載の表面保護フィルムは、上記
請求項1又は2記載の表面保護フィルムの粘着剤層が、
一般式A−B−Aで表されるブロック共重合体及び一般
式A−Bで表されるブロック共重合体(但し、Aはスチ
レン系重合体ブロック、Bはブタジエン重合体ブロック
またはイソプレン重合体ブロックを水素添加して得られ
るオレフィン重合体ブロックである)の少なくとも1種
のブロック共重合体(以下、飽和型スチレン系熱可塑性
エラストマーという)を主成分とする組成物からなるも
のである。
【0032】飽和型スチレン系熱可塑性エラストマーは
スチレン系重合体ブロックAの平均分子量が12000
〜100000程度のものが好ましく、且つ、ガラス転
移温度が20℃以上のものが好ましい。又、オレフィン
重合体ブロックBは平均分子量が10000〜3000
00程度のものが好ましく、且つ、ガラス転移温度が−
20℃以下のものが好ましい。
【0033】上記スチレン系重合体ブロックAとオレフ
ィン重合体ブロックBとの好ましい重量比は5:95〜
50:50であり、さらに好ましくは10:90〜3
0:70である。一般式A−B−Aブロック共重合体と
一般式A−Bブロック共重合体との好ましい重量比は1
00:0〜20:80であり、さらに好ましくは10
0:0〜50:50である。
【0034】飽和型スチレン系熱可塑性エラストマーを
主成分とする粘着剤には粘着付与樹脂を添加してもよ
い。粘着付与樹脂は飽和型スチレン系熱可塑性エラスト
マーのB成分に選択的に相溶するものが用いられる。例
えば、脂肪族炭化水素樹脂、テルペン樹脂、クマロン・
インデン樹脂、芳香族炭化水素樹脂、ロジン樹脂等が好
適に用いられる。さらに、不飽和2重結合を持たない水
素添加樹脂は耐候性にすぐれているのでより好ましい。
【0035】又、上記粘着剤には必要に応じて粘着付与
樹脂、酸化防止剤等の安定剤が添加されてもよく、この
ような安定剤としては、例えばチバガイギー社製 商品
名「イルガノックス1010」などが熱劣化に対して効
果的である。
【0036】更に、適度の粘着性(仮着性)を有すると
ともに、用済み後に各種被着体の表面を粘着剤で汚染す
ることなく容易に剥がすことができなければならないと
いう表面保護フィルムの特性を充分に確保するために、
接着亢進を抑制する物質を添加することが好ましい。こ
のようなものの一例として高級アルキル基が導入された
ポリエチレンイミンが挙げられる。
【0037】高級アルキル基が導入されたポリエチレン
イミンとしては平均分子量が1000〜20000程度
のものが好ましい。又、高級アルキル基はポリエチレン
イミンのイミン基に対し0.5〜1.0当量導入される
のが好ましく、より好ましくは0.7〜1.0当量であ
る。
【0038】高級アルキル基としては、一般に炭素原子
数が12以上のものが好ましく、特にオクタデシル基が
好適である。ポリエチレンイミンに高級アルキル基を導
入するには、例えば、ポリエチレンイミンに過剰の高級
アルキルイソシアネートを加え、付加反応により容易に
導入することができる。
【0039】上記ポリエチレンイミンの添加量は粘着剤
100重量部に対し、0.01〜5重量部が好ましく、
より好ましくは0.1〜2重量部、さらにより好ましく
は0.2〜1.2重量部である。0.01重量部よりも
少ないと加熱養生後に接着力が上昇して剥離不可能とな
る。5重量部を超えるとこれが粘着剤層の表面に多量に
ブリードして被着体が汚染されるので好ましくない。
【0040】ポリオレフィン系樹脂フィルムの厚みは3
0〜100μm、粘着剤層の厚みは5〜20μmが好ま
しい。上記ポリオレフィン系樹脂フィルムに粘着剤層を
積層する方法は特に制限しないが、通常、押出成形可能
な材料を粘着剤の主成分とする場合は共押出成形法が好
ましい。共押出成形法によると工程が簡単であり、両層
の接着強度が大であるという利点が得られる。
【0041】
【作用】本発明に用いるポリオレフィン系樹脂フィルム
は、ポリオレフィン系樹脂に含有されるヒンダードアミ
ン系光安定剤が、N−置換基が酸化されて生成するN−
オキシラジカル(NO・)がポリマーの光開始反応で生
じるアルキルラジカル(R・)を捕捉することにより、
ポリマーの光による劣化を防止する。
【0042】更に、酸化チタンの存在により紫外線の透
過を阻止するので、該樹脂フィルムは耐候性が非常にす
ぐれたものとなる。更に、このフィルムは酸化チタンの
平均粒子径が100nm以下であるから可視光線が透過
し、透明であるから被着体表面の状態を確認する作業が
容易にできる。
【0043】請求項1又は2記載の表面保護フィルム
は、ポリオレフィン系樹脂フィルムに含有されるヒンダ
ードアミン系光安定剤と酸化チタンとが、上述のように
作用し、該樹脂フィルム側から入射した紫外線を含む光
線がこれに積層された粘着剤層に到達するのが阻止さ
れ、粘着剤層の劣化が防止される。又、ポリオレフィン
系樹脂フィルムに含有される酸化チタンの平均粒子径が
100nm以下であるから可視光線が透過し、透明であ
から被着体表面の状態を確認する作業が容易にでき
る。
【0044】請求項3記載の表面保護フィルムでは、
求項1又は2記載の粘着剤層として飽和型スチレン系熱
可塑性エラストマーを主成分とする粘着剤が用いられて
いるので、酸化チタンとヒンダードアミン系光安定剤を
含有するポリオレフィン系樹脂フィルムにより入射した
紫外線が遮られ、該樹脂フィルム及び粘着剤層の劣化が
防止されて製品の強度が低下しない。又、被着体に糊残
りせずに剥離でき、被着体を粘着剤で汚染することがな
い。更に透明性であるので、被着体の傷や汚れの確認作
業を容易にできる。
【0053】
【実施例】 (実施例1〜4) 以下に本発明の実施例と比較例を挙げて更に具体的に説
明する。 ポリオレフィン系樹脂として、低密度ポリエチ
レン(密度0.927g/cm 3 ,メルトインデックス
3.0)、又はポリプロピレン(ランダムコポリマー,
密度0.90g/cm 3 ,メルトインデックス8.0)
のそれぞれを、酸化チタ ン(テイカ社製 商品名:MT
−500HD 平均粒径30nm,アルミナ・ジルコニ
ア処理)とともに2軸押出機で予備混練して酸化チタン
含有量が10重量%のマスターバッチAを得た。 同様に
してヒンダードアミン系光安定剤(チバガイギー社製
商品名:TINUVIN770)又はヒンダードアミン
系光安定剤(アデカアーガス社製 商品名:LA−6
3)の含有量が10重量部であるマスターバッチBを得
た。 酸化チタン及びヒンダードアミン系光安定剤が所定
の濃度(表1に示す濃度)となるようにポリオレフィン
系樹脂とマスターバッチA及びマスターバッチBとを定
量混合機にて混合して混合樹脂とした。又、粘着剤層と
して表1に示すものを用いた。
【0054】上記混合樹脂と粘着剤層とをそれぞれ一軸
押出機に投入し、2種2層用のフィードブロックを用い
て溶融状態で積層し、単層Tダイ金型へ供給して表1
示す組成の表面保護フィルムを得た。
【0055】(比較例1〜5) 実施例1〜4と同様にして表1に示す組成の表面保護フ
ィルムを得た。
【0056】
【表1】
【0057】(実施例5〜7) ポリオレフィン系樹脂として表2に示すものと、粘着剤
層としてSISブロック共重合体の水素添加物(クラレ
社製 商品名「セプトン2043」100重量部、粘着
付与樹脂(トーネックス社製 商品名「エスコレッツ5
300」)20重量部、PEIO(高級アルキル基導入
のポリエチレンイミン)1重量部、フェノール系酸化防
止剤(チバガイギー社製 商品名「イルガノックス10
10」1重量部からなるものを用いた他は実施例1〜4
と同様にして混合樹脂と共押出成形して表2の実施例5
に示す表面保護フィルムを得た。また、同様にして表2
の実施例6及び7に示す表面保護フィルムを得た。
【0058】(比較例) 酸化チタンとヒンダードアミン系光安定剤を使用しなか
った以外は実施例と同様にして表2に示す組成の表面
保護フィルムを得た。
【0059】(比較例) ヒンダードアミン系光安定剤を使用しなかった以外は実
施例と同様にして表2に示す組成の表面保護フィルム
を得た。
【0060】(比較例) ヒンダードアミン系光安定剤の代わりにフェノール系
加剤を使用した以外は実施例と同様にして表2に示す
組成の表面保護フィルムを得た。
【0061】(比較例) ヒンダードアミン系光安定剤の代わりにベンゾトリアゾ
ール系紫外線吸収剤を使用した以外は実施例と同様に
して表2に示す組成の表面保護フィルムを得た。
【0062】
【表2】
【0063】上記実施例1〜7及び比較例1〜9の表面
保護フィルムについて、下記の条件 耐候性試験を行っ
た後、引張強度、引張破断伸びを測定した。尚、耐候性
試験は粘着剤層と反対側のフィルム面から紫外線を照射
した。結果を表3に示す。性能評価 上記実施例及び比較例の各表面保護フィルムをJIS
A1415に準拠した方法で耐候性試験を行った後、J
IS K7127に準拠した方法で引張強度及び引張破
断伸びを測定した。 (1)耐候性試験条件 表面保護フィルムの基材層側(ポリオレフィン系樹脂フ
ィルム側)から紫外線を照射した。 試験機 :サンシャインスーパーロングライ
フウエザロメーター WEL−SUN−TC型(スガ試験
機社製) ブラックパネル温度:63±3℃ 降雨サイクル :120分中18分 照射時間 :500時間 (2)引張試験方法 試験片 :3号型試験片 引張速度 :100mm/分
【0064】
【表3】
【0065】表3から明らかなとおり、実施例1〜7
ものは紫外線照射前は引張強度及び引張破断強度が比較
1〜9のものと殆ど差はないが、照射後においていず
れも比較例1〜9のものに比べ、引張強度及び引張破断
強度の低下は極く僅かであり、耐候性が非常にすぐれて
いる。一方、比較例1〜9のものはいずれも紫外線照射
後の強度が非常に低下し、耐候性に劣っていることが判
る。
【0066】更に、上記実施例1〜7及び比較例1〜9
の表面保護フィルムを鉄板に貼り付け、紫外線を照射し
ないものと前記耐候性試験条件により紫外線を照射した
ものとを剥離テストした。その結果、実施例1〜7のも
のは紫外線照射後においても接着力は殆ど上昇せず、鉄
板に糊残りすることなく剥離できた。一方、比較例1〜
のものは紫外線照射後において、実施例1〜7のもの
と比べて剥離力に大きな差はないものの糊残りが生ずる
傾向にあり、特に比較例と比較例のものは接着力が
強すぎて剥離することができなかった。
【0067】
【発明の効果】本発明の表面保護フィルムは、次のよう
な効果を奏する。
【0068】請求項1又は2記載の表面保護フィルム
は、ポリオレフィン系樹脂フィルム側から入射した紫外
線を含む光線が、これに積層された粘着剤層に達するの
が抑制されるので粘着剤層の劣化が防止され、すぐれた
耐候性を有するものである。又、このポリオレフィン系
樹脂フィルムに含有される酸化チタンの平均粒子径が1
00nm以下であるから可視光線が透過し、透明である
ら被着体表面の状態を確認する作業が容易にできる。
【0069】又、請求項3記載の表面保護フィルムで
は、請求項1又は2記載の表面保護フィルムにおいて、
飽和型スチレン系熱可塑性エラストマーを主成分とする
粘着剤層が積層されているので、該粘着剤層が紫外線に
より劣化せずに長期間強度を維持することができる。
又、被着体に糊残りせずに剥離でき、被着体を粘着剤で
汚染することがない。更に透明性が付与されるので、被
着体の傷や汚れの確認作業が容易にできる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C08K 3:22) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C08L 23/00 C08K 13/02 B32B 27/00

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリオレフィン系樹脂100重量部に対
    してヒンダードアミン系光安定剤0.2〜3重量部と成
    形後のフィルム厚さに応じて紫外線遮蔽性と透明性を維
    持するに有効な量の平均粒径100nm以下の酸化チタ
    ンが配合された組成物よりなるポリオレフィン系樹脂フ
    ィルムの片面に、粘着剤層が積層されてなることを特徴
    とする表面保護フィルム。
  2. 【請求項2】 組成物中の酸化チタンの配合量が、成形
    後のフィルム厚さが50μmの場合で0.5〜5重量
    %、100μmの場合で0.25〜2.5重量%である
    ことを特徴とする請求項1記載の表面保護フィルム。
  3. 【請求項3】 粘着剤層が、一般式A−B−Aで表され
    るブロック共重合体及び一般式A−Bで表されるブロッ
    ク共重合体(但し、Aはスチレン系重合体ブロック、B
    はブタジエン重合体ブロック又はイソプレン重合体ブロ
    ックを水素添加して得られるオレフィン重合体ブロック
    である。)の少なくとも1種のブロック共重合体を主成
    分とする組成物からなることを特徴とする請求項1又は
    2記載の表面保護フィルム。
JP33444393A 1993-12-28 1993-12-28 表面保護フィルム Expired - Fee Related JP2962645B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP33444393A JP2962645B2 (ja) 1993-12-28 1993-12-28 表面保護フィルム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP33444393A JP2962645B2 (ja) 1993-12-28 1993-12-28 表面保護フィルム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH07188471A JPH07188471A (ja) 1995-07-25
JP2962645B2 true JP2962645B2 (ja) 1999-10-12

Family

ID=18277447

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP33444393A Expired - Fee Related JP2962645B2 (ja) 1993-12-28 1993-12-28 表面保護フィルム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2962645B2 (ja)

Families Citing this family (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4727139B2 (ja) * 2002-11-28 2011-07-20 信越化学工業株式会社 シリコーン粘着剤組成物及び粘着テープ
JP2004225016A (ja) * 2003-01-27 2004-08-12 Tamapori Kk 紫外線遮蔽透明フィルム
JP4394480B2 (ja) * 2004-02-26 2010-01-06 三井化学株式会社 自己接着性積層フィルム及びそれからなる包装材
WO2006075383A1 (ja) * 2005-01-14 2006-07-20 Nichiban Company Limited 表面保護シート
JP6432082B2 (ja) * 2014-12-26 2018-12-05 国立大学法人北陸先端科学技術大学院大学 機能に優れたポリオレフィンの製造方法
CN109449080B (zh) * 2018-11-12 2021-01-26 京东方科技集团股份有限公司 胶膜及其制备方法、显示装置及胶膜的去除方法

Also Published As

Publication number Publication date
JPH07188471A (ja) 1995-07-25

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5883584B2 (ja) 粘着シート
EP1767341B1 (en) Self adhesive surface protection film
US9382453B2 (en) Paint film-protecting sheet
JP6772837B2 (ja) 粘着シート積層体及び画像表示装置構成部材積層体
KR100593564B1 (ko) 올레핀고무접착제를갖는보호용점착필름
KR20080079613A (ko) 낮은 풀림력을 갖는 표면 보호 필름
KR20120139576A (ko) 점착 시트
EP2330169B1 (en) Paint film-protecting sheet
KR20080013998A (ko) 표면 보호 필름
JP6628101B2 (ja) 積層フィルム
EP0955346B1 (en) Surface-protective pressure-sensitive adhesive sheet and pressure-sensitive adhesive composition for surface-protective pressure-sensitive adhesive sheet
JP5516015B2 (ja) 表面保護フィルム
JP2000108686A (ja) 自動車塗膜保護用シート
JP2962645B2 (ja) 表面保護フィルム
EP2537904A1 (en) Pressure-sensitive adhesive sheet
JP2009057469A (ja) 表面保護フィルム
KR20140048957A (ko) 점착 시트
KR102416740B1 (ko) 표면 보호 필름
JP3342977B2 (ja) 塗膜保護用シート
JP2974533B2 (ja) 表面保護フィルム
WO2012036018A1 (ja) 表面保護フィルム
JPH11199839A (ja) 表面保護フィルム
JPH0726212A (ja) 表面保護フィルム
JP2002226813A (ja) 粘着剤及び粘着シート
WO2013121847A1 (ja) 表面保護シート

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20070806

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080806

Year of fee payment: 9

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees