JP2962430B2 - ポリ−ε−カプロラクトンフィルムの製造方法 - Google Patents

ポリ−ε−カプロラクトンフィルムの製造方法

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JP2962430B2 JP3070683A JP7068391A JP2962430B2 JP 2962430 B2 JP2962430 B2 JP 2962430B2 JP 3070683 A JP3070683 A JP 3070683A JP 7068391 A JP7068391 A JP 7068391A JP 2962430 B2 JP2962430 B2 JP 2962430B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ポリ−ε−カプロラク
トンフィルムの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】環状化合物であるε−カプロラクトンを
開環重合して得られるポリ−ε−カプロラクトンはその
低い融点、生分解性、生体適合性等の特性を生かして様
々な用途に用いられている。例えば火傷用合成包帯(米
国特許4306552)、整形外科用ギプス、また合成
樹脂の加工性向上剤としても用いられている。一方ポリ
−ε−カプロラクトンから成るフィルムについては溶剤
に溶解した後支持体上に流延し乾燥する方法(溶液流延
法)によって得られるものが知られているが、溶液流延
法を用いたポリ−ε−カプロラクトンフィルムは加工コ
ストが高いこと、溶剤が残留する等の問題がある。一
方、熱溶融成形法のうちインフレーション成形法、Tダ
イ成形法等の熱溶融成形法を用いた場合には、この樹脂
の結晶化速度が遅いため、安定した加工ができないとい
う問題を有しており、インフレーション成形法、Tダイ
成形法等の熱溶融成形法を用いた物は知られていない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
状況に鑑み従来技術では不可能であった熱溶融成形法に
よるポリ−ε−カプロラクトンフィルムの安定な製造方
法を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、ポリ−
ε−カプロラクトンを溶融し押出してポリ−ε−カプロ
ラクトンフィルムを製造する方法において、溶融したポ
リーε−カプロラクトンをTダイにてフィルム状に押出
し、次いでフィルム状ポリ−ε−カプロラクトンを下記
式1で示される表面温度を有するチルロールにて冷却し
た後、チルロールより剥離することを特徴とするポリ−
ε−カプロラクトンフィルムの製造方法、殊にチルロー
ルと5秒以上接触させて冷却することを特徴とする前記
ポリ−ε−カプロラクトンフィルムの製造方法が提供さ
れる。
【式1】Tc−15≦T≦Tc+8 T;チルロールの表面温度(℃)(但し、5未満は除
く) Tc;ポリ−ε−カプロラクトン10mgを示差走査熱
量計によリ90℃から0℃まで15℃/minの冷却速
度で冷却することにより求めた発熱ピークの温度(℃)
【0005】本発明者等は、ポリ−ε−カプロラクトン
の熱溶融成形法によりフィルムを製造するに当たり、成
形諸条件について鋭意研究を行なった結果、ポリ−ε−
カプロラクトンを溶融しTダイにてフィルム状に押出
し、次いでフィルム状ポリ−ε−カプロラクトンをチル
ロールにて冷却する場合、チルロールの表面温度を前記
式1で表わされる温度範囲で行なうことにより、ポリ−
ε−カプロラクトンフィルムを安定に製造することを見
い出し本発明に至った。
【0006】熱溶融成形法によるポリ−ε−カプロラク
トンフィルムの製造に当たり、本発明の如く、チルロー
ルの表面温度を前記発熱ピークの温度を基に、該発熱ピ
ークの温度付近に定めた場合、極めて安定した処理操作
を行なうことができる理由は定かではないが、チルロー
ルの表面温度をこの温度範囲に設定するとポリ−ε−カ
プロラクトンの結晶化とポリ−ε−カプロラクトンフィ
ルムの成形に適した強度弾性率の保持等の諸条件を満足
できるためであると、推定される。
【0007】即ち、ポリ−ε−カプロラクトンフィルム
を該温度範囲以上の表面温度を有するチルロールにて冷
却した場合、該チルロールからポリ−ε−カプロラクト
ンフィルムを剥離させる際、剥離性が不良であり、さら
にチルロールから剥離した直後のポリ−ε−カプロラク
トンフィルムの強度が十分でなく、引取、巻き取り工程
での、張力により容易にフィルムが引き延ばされる傾向
があり、安定なフィルム化ができない。これは該温度範
囲以上では該樹脂の弾性率が急激に低下することによる
ものと思われる。一方、ポリ−ε−カプロラクトンフィ
ルムを該温度範囲以下の表面温度を有するチルロールに
て冷却した場合、冷却後のポリ−ε−カプロラクトンフ
ィルムのフィルム強度は十分であるものの、該チルロー
ルからポリ−ε−カプロラクトンフィルムを剥離させる
際、剥離性が不良となる。これは該温度範囲以下のよう
な低い表面温度を有するチルロールで冷却する際には、
その急冷効果により、結晶の成長が妨げられることによ
るものと考えられる。
【0008】また、溶融したポリ−ε−カプロラクトン
をチルロールに5秒以上接触させることも、安定なフィ
ルム化を行う上でより望ましいことである。溶融したポ
リ−ε−カプロラクトンとチルロールとの接触時間を5
秒以上とることによって、ポリ−ε−カプロラクトンフ
ィルムのチルロールからの剥離性がより良好となる。こ
れは、溶融したポリ−ε−カプロラクトンとチルロール
との接触時間を5秒以上とることによって該樹脂の結晶
化が十分に進むことによるものと考えられる。
【0009】本発明で言うフィルムとは厚み500μm
以下のものを意味するが、本発明の効果は厚み10〜2
00μmの時に特に目ざましい。また、本発明で言うポ
リ−ε−カプロラクトンとはε−カプロラクトンを開環
重合して得られるポリマーでありその分子量等を特に限
定するものではないが、分子量3万以上のものが特に好
適に用いられる。また上記樹脂は安定剤、充填剤、着色
剤等を含んでも差し支えない。
【0010】
【実施例】以下、本発明を実施例を用いてより詳細に説
明するが本発明はこれらに限定されるものではない。 <原料ポリ−ε−カプロラクトン> TONE P−767−E(ユニオンカーバイト社製、
分子量:約4.8万) プラクセルH−5(ダイセル化学工業社製、分子量:約
5万) プラクセルH−7(ダイセル化学工業社製、分子量:約
7万) <示差走査熱量測定>上記各ポリ−ε−カプロラクトン
の熱特性を示差走査熱量測定器(セイコー電子工業社製
SSC/5200シリーズDSC220C)により測定
した。測定条件は以下のとおりである。 試料量 :10mg セル :アルミニウム製 キャリアガス:窒素(30ml/min) 初期温度 :90℃ 最終温度 :0℃ 冷却速度 :15℃/min <発熱ピーク温度の測定結果> TONE P−767−E 24.2℃ プラクセルH−5 19.0℃ プラクセルH−7 20.6℃
【0011】実施例1 直径25mmのスクリューおよび幅0.8mm、長さ1
20mmのスリットを有するTダイを装備した押出機か
ら加工温度80℃で直径300mmのチルロール(有効
接触距離:30cm)上に押し出すことによって、TO
NE P767Eをフイルム化した。但し、チルロール
の表面温度は25℃、吐出量は1.0kg/Hr、引取
速度は2m/min(この時、Tダイより押し出された
ポリ−ε−カプロラクトンとチルロール表面との接触時
間:9秒)とし、フィルム厚みは約70μmであった。
この時、ポリ−ε−カプロラクトンとチルロールとの剥
離性は良好であり、得られたフィルムの外観は良好であ
った。
【0012】実施例2 チルロールの表面温度を10℃とする以外は実施例1と
同様な方法で厚み約70μmのフィルムを得た。この
時、ポリ−ε−カプロラクトンとチルロールとの剥離性
は良好であり、得られたフィルムの外観は良好であっ
た。
【0013】実施例3 引取速度を3m/min(この時、Tダイより押し出さ
れたポリ−ε−カプロラクトンとチルロール表面との接
触時間:6秒)とする以外は実施例1と同様な方法で厚
み約50μmのフィルムを得た。この時、ポリ−ε−カ
プロラクトンとチルロールとの剥離性は良好であり、得
られたフィルムの外観は良好であった。
【0014】実施例4 引取速度を1m/min(この時、Tダイより押し出さ
れたポリ−ε−カプロラクトンとチルロール表面との接
触時間:18秒)とする以外は実施例1と同様な方法で
厚み約140μmのフィルムを得た。この時、ポリ−ε
−カプロラクトンとチルロールとの剥離性は良好であ
り、得られたフィルムの外観は良好であった。
【0015】比較例1 チルロールの表面温度を本発明で示す範囲よりも高い温
度である35℃とする以外は実施例1と同様な方法で厚
み約70μmのフィルムを得ようと試みた。この時、ポ
リ−ε−カプロラクトンフィルムとチルロールとの剥離
性が不良であるばかりでなく、チルロールより剥離した
後も巻取りの張力により容易にフィルムが引き延ばされ
るため安定的なフィルムができなかった。このため得
られたフィルムの外観は著しく不良であった。
【0016】比較例2 チルロールの表面温度を本発明で示す範囲よりも低い7
℃とする以外は実施例1と同様な方法で厚み約70μm
のフィルムを得ようと試みた。この時、フィルムのチル
ロールよりの剥離性が不良であったため安定的なフィル
ム化ができなかった。また無理な力によりフィルムをチ
ルロールから剥離させなければならないため、フィルム
には横方向の縞模様が付き、外観は不良なものであっ
た。
【0017】実施例5 ポリ−ε−カプロラクトンとしてプラクセルH−5を用
い、チルロールの表面温度を25℃とする以外は実施例
1と同様な方法で厚み約70μmのフィルムを得た。こ
の時、ポリ−ε−カプロラクトンとチルロールとの剥離
性は良好であり、得られたフィルムの外観は良好であっ
た。
【0018】比較例3 チルロールの表面温度を本発明で示す範囲よりも高い3
0℃とする以外は実施例5と同様な方法で厚み約70μ
mのフィルムを得ようと試みた。この時、フィルムのチ
ルロールよりの剥離性が不良であるばかりでなく、チル
ロールより剥離した後も巻き取りの張力により容易にフ
ィルムが引き延ばされるため安定的なフィル化ができな
かった。このため得られたフィルムの外観は著しく不良
であった。
【0019】実施例6 ポリ−ε−カプロラクトンとしてプラクセルH−7を用
いる以外は実施例1と同様な方法で厚み約70μmのフ
ィルムを得た。この時、ポリ−ε−カプロラクトンとチ
ルロールとの剥離性は良好であり、得られたフィルムの
外観は良好であった。
【0020】比較例4 チルロールの表面温度を本発明で示す範囲よりも高い3
0℃とする以外は実施例6と同様な方法で厚み約70μ
mのフィルムを得ようと試みた。この時、フィルムのチ
ルロールよりの剥離性が不良であるばかりでなく、チル
ロールより剥離した後も巻き取りの張力により容易にフ
ィルムが引き延ばされるため安定的なフィル化ができ
なかった。このため得られたフィルムの外観は著しく不
良であった。
【0021】以上の実施例及び比較例の原料物性、フィ
ルム成形条件、及びフィルム外観等を次の表1にまとめ
て示した。
【0022】
【表1】
【0023】
【発明の効果】本発明によれば、ポリ−ε−カプロラク
トンフィルムの製造に熱溶融成形法を用いることによっ
て、溶剤残留がなく、また、表1から明らかなように、
ポリ−ε−カプロラクトンフィルムとチルロールとの剥
離性が良好となり、しかも、チルロールから剥離した直
後のポリ−ε−カプロラクトンフィルムに十分な強度を
付与することができ、その結果として、外観の良好なポ
リ−ε−カプロラクトンフィルムを安定に製造すること
ができる。
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B29C 47/00 - 47/92 C08J 5/00 - 5/18

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリ−ε−カプロラクトンを溶融し押出
    してポリ−ε−カプロラクトンフィルムを製造する方法
    において、溶融したポリ−ε−カプロラクトンをTダイ
    にてフィルム状に押出し、次いでフィルム状ポリ−ε−
    カプロラクトンを下記式1で示される表面温度を有する
    チルロールにて冷却した後、チルロールより剥離するこ
    とを特徴とするポリ−ε−カプロラクトンフィルムの製
    造方法。 【式1】Tc−15≦T≦Tc+8 T ;チルロールの表面温度(℃)(但し、5未満は除
    く) Tc;ポリ−ε−カプロラクトン10mgを示差走査熱
    量計によリ90℃から0℃まで15℃/minの冷却速
    度で冷却することにより求めた発熱ピークの温度(℃)
  2. 【請求項2】 チルロールと5秒以上接触させることを
    特徴とする請求項1記載のポリ−ε−カプロラクトンフ
    ィルムの製造方法。
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