JP2961905B2 - ポリプロピレンフィルムロール - Google Patents

ポリプロピレンフィルムロール

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JP2961905B2
JP2961905B2 JP1892791A JP1892791A JP2961905B2 JP 2961905 B2 JP2961905 B2 JP 2961905B2 JP 1892791 A JP1892791 A JP 1892791A JP 1892791 A JP1892791 A JP 1892791A JP 2961905 B2 JP2961905 B2 JP 2961905B2
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wrinkles
film roll
polypropylene film
roll
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政之 新沢
正照 柿添
順三 山田
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ポリプロピレンフィル
ムロールの円周方向上に帯状の隆起部分を有するシワ
(MDリンクル)の少ない、ポリプロピレンフィルムロ
ール(以下、単にフィルムロールということがある。)
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】プラスチックフィルムの製膜はシート状
に溶融押出しされた後に延伸され、一旦ロール状に巻き
取られる。しかる後に種々の幅,長さのロールにスリッ
トされる。形成されたロール状のフィルムは、包装用、
粘着テープ用,金属蒸着用など次のいろいろな加工用に
供与される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】スリットされた直後の
フィルムロール表面は、平滑で良好な巻姿を形成してい
る。しかし、プラスチックフィルムの中でも、ポリプロ
ピレンフィルムは腰のない柔軟なフィルムであるため、
そのフィルムロールは経時により円周方向に帯状の隆起
部分が生じ、それがシワ(MDリンクル)になるという
問題点がある。特に、厚さの薄いフィルムロールほどそ
の問題点が大きいという傾向があった。そのため、後の
高次加工工程において、種々のトラブルが生じるという
問題点があった。そこで、本発明の目的は、フィルムロ
ールの円周方向に帯状の隆起部分を有するシワ(MDリ
ンクル)が生じなく、表面が平滑で巻姿の良好なポリプ
ロピレンフィルムロールを提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者はかかる課題を
解決するために、種々検討した結果、その原因は特定範
囲の厚みのポリプロピレンフィルムにおいて、スリット
時に多量の空気を巻き込み、経時により空気が抜ける時
の縮みムラが主因であることを見出だし、フィルムロー
ルの厚みと常温収縮率と空気かみ込み率とを、特定の範
囲と成すことにより解決できることを究明して、本発明
を完成したものである。すなわち、本発明のポリプロピ
レンフィルムロールは、厚さが2〜10μの範囲であっ
て、常温収縮率が0.6%以下で、かつ空気かみ込み率
が3〜8%であることを特徴とするものである。
【0005】ここで、常温収縮率の測定方法は、フィル
ムロール表面より約10mはぎとった後、長さ約1.2
mの試料を、張力をできるだけかけずに手で巻き戻し、
サンプリングする。試料に長さ方向1mの間隔になるよ
うに線を入れる。無負荷の状態で放置し、1日後の間隔
L(cm)を測定し、次式により求める。
【0006】常温収縮率(%)=100−L 空気かみ込み率の測定方法は、フィルム厚さにフィルム
長さを乗じたものを、フィルムロールの断面積で割った
ものをXとして(1−X)を%で表示する。フィルム厚
みはフィルム重量をフィルム幅,長さ,密度(0.91
g/cm3を使用)で割った、いわゆる重量平均厚みを
使用する。また、空気かみ込み率はスリット巻き上げ
後、経日により変化するため、2日以降とする。本発明
のポリプロピレンフィルムロールを得る方法は、後述の
実施例に示すごとく、製膜時の延伸条件,巻取条件,ス
リット時の巻取条件等の種々の条件を組み合わせること
によって得られる。
【0007】かかる本発明において、フィルムの厚みは
2〜10μの範囲で特に顕著な効果を有する。2μより
薄いと腰が著しく弱くなり、他の要件が満たされてもシ
ワ発生の効果は不十分である。10μより厚くなると、
フィルムの腰が十分強くなりフィルムの常温収縮率,空
気かみ込み率にかかわりなく、経時によるシワの発生は
なくなる。
【0008】フィルムの常温収縮率は6%以下の範囲で
ある必要があり、特に好ましくは、0.4%以下であ
る。0.6%よりも大きいと、スリット直後から経時に
よるロール巻硬度変化が大きくシワ(MDリンクル)の
発生という問題が生じる。常温収縮率は小さい程よい
が、常温収縮率を小さくするために、延伸温度を高く設
定したり、延伸後のリラックス率を大きくしたり、巻取
張力を低くする必要がある。その際、フィルム強度の低
下や巻取時のシワ混入、フィルムの層ずれ等の問題が生
ずるため、常温収縮率の下限は実質上0.2%が限界で
ある。さらに、フィルムの空気かみ込み率は3〜8%の
範囲である必要があり、特に好ましくは、3〜6%であ
る。3%よりも低いとフィルムの平面性が悪化し、部分
的にたるみが発生し、印刷等の加工時にシワが発生する
という問題が生じる。8%よりも高いと、経時によるシ
ワ(MDリンクル)が発生するという問題が生じる。
【0009】
【比較実施例】ポリプロピレンホモポリマーを溶融押出
し、Tダイよりシート状に吐出させ、冷却ドラムに巻き
付けて冷却した後、予熱し縦方向に4.5倍延伸した。
続いて、オーブン内で横方向に10倍延伸した後、ワイ
ンダーにて巻き取った。一旦巻き取ったフィルムをスリ
ッターにて、600mm幅にスリットした。上記方法に
おいて、フィルム厚み,縦延伸温度,横延伸温度,ワイ
ンダーでの巻き取り張力,面圧等を種々変更した。その
結果を表1に示す。表1から明らかなように、本発明の
各要件を満たすものは、シワ(MDリンクル)の発生状
況が1〜2で良好であった。
【0010】シワ(MDリンクル)の評価方法は、わず
かなMDリンクルが存在していても、実用上問題なく使
用可能な水準を2と定め、目視により1〜5の指数判定
を行った。1が最も良好で5が最も悪い。
【0011】
【表1】
【0012】
【発明の効果】上述のように本発明のポリプロピレンフ
ィルムロールは、厚さが2〜10μの範囲であって,常
温収縮率が0.6%以下,空気かみ込み率が3〜8%の
範囲であるように構成されていることにより、腰が弱い
ポリプロピレンフィルムであるにもかかわらず、良好な
巻姿のフィルムロールがえられるとともに、経時による
シワ(MDリンクル)が解消するか少なくなる。その結
果、印刷,ラミネート等の高次加工工程において、印刷
ムラ、接着ムラ等のトラブルが生じなくなるのである。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】厚さが2〜10μの範囲であって、常温収
    縮率が0.6%以下で、かつ空気かみ込み率が3〜8%
    であることを特徴とするするポリプロピレンフィルムロ
    ール。
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