JP2961160B2 - サーマルヘッドの駆動方法 - Google Patents

サーマルヘッドの駆動方法

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、発熱量自己調整機能を有するサーマルヘッ
ドの駆動方法に関する。
〔発明の概要〕 本発明は、発熱抵抗体と、この発熱抵抗体に接続され
た電極を備え、この発熱抵抗体または電極の少なくとも
一部が、特定温度領域を境に、低温側で金属的(導体領
域、以下金属的という)、高温側で非金属的(半導体ま
たは不導体領域、以下非金属的という。)となる電気伝
導度の変化を起こす物質で構成されたサーマルヘッドの
駆動方法であって、前記発熱抵抗体への通電を制御する
スイッチング素子として、前記金属非金属変化をする構
成部材の高温における電気伝導度低下に伴う通電電流の
減少によってターンオフするサイリスタなどの素子を用
いることを特徴とし、上記発熱抵抗体に通電して、前記
配線部が上記特定温度に達すると、上記金属非金属変化
を起こし、電流を前記配線部が自己遮断することによっ
て、前記特定温度領域以上に昇温させないとともに、1
回の発熱動作を完了させる発熱温度制御機能をサーマル
ヘッドに備えさせるものである。
〔従来の技術〕
従来のサーマルヘッドにおいては、発熱抵抗体とし
て、酸化ルテニウム、窒化タンタル等の金属化合物抵抗
体や、タンタル等の高融点金属に酸化シリコン等の絶縁
物を分散したサーメット抵抗体等が用いられていた。
上記従来のサーマルヘッドの発熱抵抗体に適当な電圧
を印加すると、発熱抵抗体に電流が流れジュール熱が発
生し、この状態を一定時間維持して記録に必要な熱エネ
ルギーを感熱紙等に与える。上記発熱抵抗体で発生する
ジュール熱エネルギーは、発熱抵抗体の抵抗値、印加す
る電圧、この電圧を印加する時間で決定され、一般的な
熱記録機器においては使用する感熱紙の感熱度特性や発
熱抵抗体から感熱紙への熱伝導特性、発熱抵抗体周辺の
バックグラウンド温度、記録媒体自身の温度等によっ
て、前記印加電圧かまたは電圧印加時間を調整して最適
な記録品質、あるいは階調記録における目的の記録濃度
となるように、発熱抵抗体での発生熱エネルギーを最適
値に合わせ込むことが行われている。
〔発明が解決しようとする課題〕
従来のサーマルヘッドにおいては、下記の理由によ
り、発熱抵抗体への印加電圧と電圧印加パルス幅の調整
による記録に関わる熱エネルギーの調整がきわめて煩雑
で、かつ記録機器を大きく高価なものとさせていた。
発熱抵抗体で電圧パルス印加によって発生する熱エネ
ルギーは前述のように、上記印加パルスの電圧またはパ
ルス幅で決定できるが、発熱抵抗体の表面温度は、上記
パルスの印加周期や、連続印加回数等のパルス印加履
歴、注目する発熱抵抗体周辺の発熱抵抗体のパルス印加
履歴即ち発熱履歴、サーマルヘッドの支持基板温度、環
境温度等によって変動しやすい。
記録媒体へ伝達される熱エネルギーは、直接的には発
熱抵抗体で発生する熱エネルギーでなく発熱抵抗体の表
面温度に依存する。従って、均一な熱エネルギーを感熱
紙等に与えるために、発熱抵抗体の発熱時表面温度を均
一にしようとするならば、上述のような発熱しようとし
ている瞬間の発熱抵抗体の置かれている熱的環境情報
や、熱的履歴情報をあつめるか、予測することをして、
発熱抵抗体の表面温度が特定温度までに昇温するよう前
記印加電圧または電圧印加パルス幅を調整決定してから
発熱抵抗体を発熱させなければならない。
上述のような情報収集手段、予測手段、記録条件決定
手段は、サーマルヘッド基板の温度や環境温度を検出す
る各種温度センサ、記録履歴を把握するための過去の記
録データを記憶するメモリや、熱的状態を予測する熱等
価回路等のシミュレータ、演算処理するCPUやゲート回
路等ハードウェア上の負荷がきわめて大きい。またこれ
らのハードウェアをサポートするソフトウェアもきわめ
て複雑なものである。特に発熱抵抗体を多数有する大
型、高精細の熱記録機器や、濃度階調記録を行う機器で
は、処理情報も膨大となってしまい、装置の大型化、高
価格化が避けられなく、記録品質を犠牲にすることもあ
る。また、情報収集、予測、記録条件決定のための処理
時間もCPU等の制約を受け、高速記録の障害ともなって
しまっている。さらに、サーマルヘッドは一般に熱効率
を高くするために保温層としてのグレーズ層を設けてい
るが、このグレーズ層は厚膜プロセスで作られているた
め、厚さのバラツキが厚みの平均値の±20%以上に達
し、個々のサーマルヘッドでこのグレーズ層による保温
効果がランダムに大きくばらついてしまう。従って、前
述のようにいくら発熱抵抗体の熱的環境の情報を正確に
捕らえ、処理して、その都度記録条件を決定しても、サ
ーマルヘッドの熱的特性のバラツキによって精度の高い
発熱温度制御はできない。もし、より高い精度の発熱温
度制御を行おうとすれば、サーマルヘッド個々の熱特性
のバラツキをも制御パラメータとして盛り込まねばなら
ず、記録機器1台1台で調整するなど量産的に多大な犠
牲を払わねばならない。また、サーマルヘッドの故障や
寿命などで記録機器内のサーマルヘッドを交換する場合
等を考えると、実質的には、サーマルヘッド個々の特性
に記録機器の設定を調整するなどのことは、ほとんど困
難である。
〔課題を解決するための手段〕
本発明は、上記発熱抵抗体表面温度均一化のための種
々の問題を解決するためになされたもので、発熱抵抗体
の温度を特定温度以上に昇温させない自己温度制御機能
を、サーマルヘッド自身にもたせることによって、従来
のような発熱抵抗体の温度制御の煩雑さを払拭するもの
である。
本発明は、発熱抵抗体とこの発熱抵抗体に接続された
電極を備え、この発熱抵抗体または電極の少なくとも一
部が、特定温度領域を境に、低温側で金属的、高温側で
非金属的となる電気伝導度の変化を起こす物質で構成さ
れたサーマルヘッドにおいて、前記発熱抵抗体への通電
を制御するスイッチング素子として、前記金属非金属変
化をする構成部材の高温における電気伝導度低下に伴う
通電電流の減少によってターンオフするサイリスタなど
の素子を用いたサーマルヘッドの駆動方法である。
〔作用〕
電気伝導度が特定温度領域を境に低温側で金属的、高
温側で非金属的となる変化、例えば相転移をする物質
で、発熱抵抗体あるいは電極の少なくとも一部を構成す
ることによって、この発熱抵抗体に電圧印加し、ジュー
ル熱を発生させることに伴って、前記相転移物質の温度
が上記特定温度、即ち金属非金属の相転移温度に達する
と、前記相転移物質は抵抗値をほぼ絶縁物的にあるいは
半導体的に高くし電流をほとんど遮断してしまう。従っ
て、発熱抵抗体の表面を前記特定温度領域以上に昇温さ
せないとともに、前記スイッチング素子のターンオフに
よって、1回の発熱動作を自己完了させる発熱温度制御
機能をサーマルヘッドに備えさせることができる。
〔実施例〕
本発明の詳細を実施例をもって説明する。
第1図は、本発明の駆動方法に用いるサーマルヘッド
の一実施例を示す平面図である。本サーマルヘッドは、
グレージング処理されたアルミナセラミック等の基板6
上に、約300℃を境に低温側で金属的、高温側で非金属
的な電気伝導度特性を持つ材料からなる薄膜の発熱抵抗
体1を設け、この発熱抵抗体の一端を個別電極2と接続
し、他端を第1の共通電極3と接続し、上記個別電極2
はスイッチング素子としてのサイリスタ4を介して第2
の共通電極5と接続されて構成している。
第2図は、金属非金属相転移を示す発熱抵抗体のパル
ス印加に伴う表面温度の時間変化を示す図である。Tc
前記発熱抵抗体の電気伝導度における金属非金属相転移
の温度を表し、tonは前記パルスの印加開始時刻、tp
前記発熱抵抗体表面温度が上記相転移温度(Tc)に達す
る時刻、toffは前記パルスの印加終了時刻を表す。tp
らtoffまでの間は前記発熱抵抗体1は金属非金属相転移
を高温側から低温側、低温側から高温側と繰り返し、こ
の発熱抵抗体の表面温度は、ほとんど前記相転移温度Tc
の付近で落ち着いた状態となる。実際の発熱抵抗体温度
は発熱抵抗体自身の周辺の構造部材の熱容量や熱抵抗に
よる熱的慣性から上記Tcより若干高くなることもある。
tonからtpまでの発熱抵抗体の表面温度上昇は、発熱抵
抗体1の面積を8ドット/mmの発熱抵抗体密度相当の0.0
15mm2,発熱抵抗体の低温側での抵抗値を1000Ω程度、
印加電圧を20Vとした場合、発熱抵抗体表面に感熱紙等
の熱吸収体を接触させなければ、tonから約0.5ミリ秒程
度以下の時間で約300℃のTcに達する。この時間は、サ
ーマルヘッドの前記グレージング基板のグレーズ厚み
や、発熱抵抗体表面にコートされている保護層の厚み等
によって発熱抵抗体周辺の熱抵抗や熱容量の熱特性が変
わるので、サーマルヘッドの構造に伴い個々に違ってく
る。しかし、発熱抵抗体のピーク温度は、この発熱抵抗
体を構成する材料の持つ前記相転移温度Tcで決まってく
るため、サーマルヘッドの上記のような熱特性、サーマ
ルヘッドの構造には依存しない。
サーマルヘッドには従来技術の問題点で説明したよう
に、発熱抵抗体にとっての熱放散特性等の熱特性のバラ
ツキが依存するが、このバラツキは上記tonからtpまで
の昇温勾配のバラツキに、即ち、tpの時刻のバラツキに
現れるのみである。ところで、熱記録における発色機構
は、直接感熱方式では発色剤の熱による化学反応であっ
て反応速度は温度に依存し、また熱転写方式ではインク
の物理的溶融や昇華といった物理的相変化の類でありイ
ンクの温度によって記録が支配される。従って、tpのバ
ラツキにのみ現れるサーマルヘッドの熱特性のバラツキ
の記録特性への影響は、従来技術によるような発熱ピー
ク温度まで変動してしまうケースに比べ、はるかに小さ
い。
また、発熱抵抗体の抵抗値バラツキが、抵抗膜厚等に
より従来のサーマルヘッド、本発明に用いるサーマルヘ
ッド問わず依存しうるが、このバラツキも、本発明に用
いるサーマルヘッドでは前記tonからtpまでの時間のバ
ラツキとしてしか現れず、発熱ピーク温度は変わらな
い。上記発熱抵抗体の抵抗値バラツキによる昇温勾配、
tpの時刻バラツキをより厳密に小さく、均一なものにし
ようとするなら、前記発熱抵抗体の低温側における金属
的電気伝導度の相での発熱抵抗体抵抗値の大小に合わ
せ、電力で均一になるように、印加電圧を調整、設定し
てやればよい。
本発明の駆動方法は、上述のように金属非金属相転移
を示す材料の、相転移温度(Tc)に達すると、高抵抗を
示す特性を利用するものであり第1図に基づいて説明す
る。記録データに応じて金属非金属相転移をする各発熱
抵抗体1に1:1で接続されたサイリスタ4のゲート11に
任意のタイミングでターンオン信号を入力し、上記サイ
リスタ4をオンさせる。第1の共通電極3にはプラス電
位、第2の共通電極5にはマイナス電位が印加されてお
り、上記サイリスタ4がオンすることによって、発熱抵
抗体1には、上記プラス、マイナスの電位差がほとんど
印加された状態となって、電流が流れ始める。発熱抵抗
体1は、この通電によりジュール熱を発生し昇温を開始
する。発熱抵抗体1の温度が、この発熱抵抗体を構成す
る材料のもつ金属非金属転移温度(Tc)に達すると、例
えば前記Crをドープした酸化バナジウムの発熱抵抗体で
あれば、この発熱抵抗体に流れる電流値が2〜3桁小さ
くなり、前記サイリスタのターンオフ特性の適当な素子
を選んでおくと、発熱抵抗体の通電電流の遮断によっ
て、前記サイリスタはターンオフする。一度ターンオフ
するとゲート11にターンオン信号を入力しない限り再び
発熱抵抗体1に通電することができないため、発熱抵抗
体1における発熱は停止する。すなわち、発熱抵抗体1
は、通電によって前記相転移温度まで昇温すると自動的
に発熱を停止し、次のサイリスタのターンオン信号入力
まで冷却待機することになる。
第3図は、第1図に示すサーマルヘッドにおける連続
駆動の発熱抵抗体の表面温度の時間変化を示した図であ
る。この図から明らかなように、いかなるタイミングで
ゲート入力パルス14が入力されても、発熱抵抗体表面温
度13はTcを超えることがなく、熱記録における最も重要
な温度領域である発熱ピーク温度近辺での昇温、冷却カ
ーブはいずれの発熱においてもほとんど同一である。
上述の昇温、冷却カーブの説明では、特定発熱抵抗体
において、この発熱抵抗体の発熱履歴の影響を受けない
ことを示したが、当該発熱抵抗体に隣接する等周辺の発
熱抵抗体の同時発熱や、過去の発熱の履歴等、あるいは
サーマルヘッド基板温度に対しても、上述の発熱ピーク
波形は影響を受けることがなく、常に均一な発熱を実現
できる。さらに、発熱抵抗体抵抗値のバラツキに伴う印
加電力バラツキ、グレーズ層厚み等のバラツキに伴う熱
特性バラツキが、個々の発熱抵抗体間あるいは個々のサ
ーマルヘッド間に存在していて前記相転移温度で決定さ
れる発熱ピーク温度、およびこのピーク温度近辺の発熱
波形は均一なものとなる。
第4図は、本発明の駆動方法の発熱駆動制御回路の一
実施例を示すブロック図、第5図は、第4図に示す駆動
制御回路を用いたサーマルヘッドの駆動タイミングチャ
ートを示す。第4図において、35は31にシリアル入力端
子、32にシフトクロック端子をもつシリアルインパラレ
ルアウトのシフトレジスタ、36は上記シフトレジスタの
パラレル出力と発熱タイミング信号入力端子33からの信
号を入力とし、出力端子を34にもつアンドゲートであ
る。このアンドゲートの出力端子34は、発熱抵抗体に接
続されたサイリスタ10のゲート11に接続され、サイリス
タを選択ターンオンさせることができる。第5図におい
て、41は記録の1ライン分の画像データ、42はシフトク
ロックであり、上記シフトレジタ35に上記画像データが
整列すると、発熱タイミング信号43が数マイクロ秒のパ
ルスで入力され、前記画像データの内容によって前記サ
イリスタのゲート11の入力信号44が前記出力端子34から
数マイクロ秒のパルスで出力される。このサイリスタゲ
ート入力信号44が出力されると、第4図の駆動制御回路
37は、発熱動作から開放され次のラインのための、上述
の一連の準備動作に移ることができる。
従来のサーマルヘッドの一般的な駆動制御回路には、
発熱抵抗体の発熱動作と並列に記録画像データが書き込
められるように、ラッチ回路をもって高速処理を可能に
していたが、金属非金属転移をする発熱抵抗体とサイリ
スタとの組合わせよって、上記ラッチ回路なしで高速並
列処理が可能となる。従って、駆動制御回路の小型化、
低価格化とともに駆動制御回路を搭載した構造のサーマ
ルヘッドの小型化をも実現できる。
上述の実施例において、発熱抵抗体の発熱ピーク温度
は、たとえ発熱抵抗体上に吸熱源である感熱紙等の記録
媒体が接触していても、あるいは接触していなくとも変
化はない。従って、従来のサーマルヘッドにおける発熱
抵抗体の無給紙状態での発熱ピーク温度の異常上昇によ
る発熱抵抗体の劣化、破壊が、本発明のサーマルヘッド
では起こらない。またノイズ等による駆動制御回路やCP
Uの誤動作、暴走などの事態に対しても高い信頼性を発
揮する。
ここで、本発明の駆動方法は、第1図に示す特定の温
度で金属非金属相転移をする材料を発熱抵抗体としたサ
ーマルヘッドを使用して述べたが、次に述べるサーマル
ヘッドについても、同様の効果があることは、いうまで
もないことである。
第6図は、本発明の駆動方法に用いるサーマルヘッド
の他の実施例を示す要部平面図である。本サーマルヘッ
ドは、窒化タンタル等の発熱抵抗体7と、第1の電極3
と、個別電極2と、該発熱抵抗体7と個別電極2との間
に配された特定の温度で金属非金属相転移をする材料か
らなる配線8とから構成されている。配線8は、発熱抵
抗体7より線抵抗を低く設定してあり、記録に寄与する
発熱は発熱抵抗体7で主に発生し、配線8では、発熱抵
抗体での上記発熱に比べ僅かにしか発熱しないが、ほと
んど発熱しない構成としてある。上記配線として用いた
金属非金属転移をする材料によって、発熱抵抗体7の抵
抗値に比較しシート抵抗の小さい例えば数十ミリΩのシ
ート抵抗の膜が形成できるなら上記個別電極2と配線8
を区別することなく個別電極をも上記金属非金属転移を
する物質で構成することも可能である。
発熱抵抗体7に電圧が印加されるとジュール熱により
発熱抵抗体と周辺部が昇温する。配線8は、この発熱抵
抗体7の発熱に伴って温度が高くなり、例えば金属非金
属の相転移温度が200℃であれば、配線8の温度が200℃
に達するまで電流を流し続ける。そして上記相転移温度
に達したところで非金属的電気伝導度となって電流が低
下し、サイリスタ4をターンオフさせ、前記発熱抵抗体
7のジュール熱発生を停止させ、一定の熱量で安定な熱
記録をすることができる。
第7図は、本発明の駆動方法に用いるサーマルヘッド
の他の実施例を示す要部平面図である。本サーマルヘッ
ドは、窒化タンタル等からなる発熱抵抗体7の両端に、
特定の温度で金属非金属相転移を示す材料からなる配線
8を形成し、第1の電極3,及び個別電極2と接続した構
成となっている。
本サーマルヘッドは、第1の電極3と個別電極2との
間に、電圧を印加すると、発熱抵抗体7で発熱し、発熱
抵抗体7の温度と配線8の温度とは同等の温度を呈する
ことから、配線8の温度が金属非金属相転移温度となる
と、電流値を低下させ、サイリスタ4をターンオフさせ
ることにより、一定の熱量で安定な熱記録をすることが
できる。
第8図は、本発明の駆動方法に用いるサーマルヘッド
の他の実施例を示す要部平面図である。本サーマルヘッ
ドは、窒化タンタル等からなる発熱抵抗体7が、第1の
電極1及び個別電極2と接続された特定の温度で金属非
金属相転移を示す材料からなる配線8と、電極22を介し
て接続する構成となっている。本サーマルヘッドは、第
6図,第7図に示すサーマルヘッドと同様に、配線8の
温度が、金属非金属相転移温度となると、電流値を低下
させ、サイリスタ4をターンオフさせ、一定の熱量で熱
記録をすることができる。
ところで前記金属非金属転移をする物質としては、酸
化バナジウム系化合物がある。酸化バナジウムに微量の
Crをドープすることによって室温より高い温度の領域で
金属非金属的な電気伝導度の変化を起こす。より高温側
で非金属的、より低温側で金属的な電気伝導度をもつ。
バナジウム、酸化バナジウムとも高融点物質であって発
熱抵抗体として使用可能である。発熱抵抗膜としてスパ
ッタリング等の薄膜プロセスによる成膜が可能であり、
パウダ化してバインダを混ぜるなどしてペースト化し
て、あるいは有機金属化して塗布等厚膜プロセスにより
製造等も可能である。いずれの場合も成膜された酸化バ
ナジウム成分は、少なくとも多結晶構造を必要とする。
スパッタリングの場合、金属バナジウムとクロムの合金
ターゲットあるいはクロムを埋め込んだ金属バナジウム
ターゲットをアルゴンと酸素ガスを用いてスパッタする
方法、酸化バナジウム粉体と酸化クロム粉体を焼結した
ターゲットを、アルゴンガスまたはアルゴンガスに酸素
を微量混合して高周波スパッタする方法等がある。いず
れのスパッタリングにおいても、より結晶状態を確実に
するため着膜部の温度は数百℃以上であることが望まし
い。
Crを適量ドープした場合、電気伝導度は上記転移温度
において2〜3桁変化するので、サーマルヘッドの発熱
抵抗体や通電感熱紙の発熱抵抗層として利用すると、一
定電圧印加状態において、上記転移温度の上下で消費電
力値として2〜3桁変化し、熱記録という観点からは実
質的に発熱非発熱の変化を伴う。ドープするCrの割合で
前記転移温度を変化させることが可能であって、発熱抵
抗体の昇温ピーク温度の設定が可能となる。Crをドープ
しない酸化バナジウムでは抵抗値変化の割合は小さく、
かつ温度に対して緩やかな変化であるが、約400℃を境
に低温側から高温側に向かって1桁の抵抗値上昇があ
り、本発明のサーマルヘッドに利用できる。
第9図は、金属非金属相転移をする材料の線抵抗の温
度変化を示す図である。線抵抗自体は、膜厚、線幅によ
って変化するので参考値ではあるが、前記Crをバナジウ
ムに対し0.5%程度ドープした酸化バナジウムでは、線
抵抗特性カーブ31のような約150℃で3桁ほどの抵抗値
変化がある。Crのドープ量によって抵抗値変化を起こす
温度領域は変化し、Crのドープ量を増やしていくと前記
抵抗値変化の温度領域は徐々に低温側へシフトしてく
る。Crのバナジウムに対するドープ量が数%を超える
と、低温側から高温側に向かう抵抗値増大の変化が消失
してしまうため本発明の目的を達せられない。上述のよ
うに、Crのドープ量が抵抗変化の温度特性を変化させる
ため、酸化バナジウムに対するCrのドープ量の試料内の
ミクロ的な不均一度によって、上記線抵抗の変化は、例
えば第9図32のカーブのようにある温度幅を持つなだら
かなものとなることもある。このようななだらかな変化
であっても本発明の目的は達せられる。また、例えば一
辺0.数mmの発熱抵抗体に通電して昇温させようとしたと
き、発熱抵抗体内では空間的に均一に温度上昇が起こら
ないので、例えばサーマルヘッドの発熱抵抗体に上述の
物質を用いた場合、発熱抵抗体としての抵抗値の変化
は、見掛け上第9図32のようななだらかなものとなる
が、この場合においてもミクロ的には昇温と通電停止の
状態が起こっており、発熱抵抗体全体として昇温、非昇
温を実現でき、何ら問題ない。
なお、上述の全ての実施例において、発熱抵抗体、配
線、発熱シミュレータに用いた材料の特性は、特に特定
温度において不連続に電気伝導度が変化することが必要
なわけではなく、特定の幅を持った温度領域で連続的に
温度変化する物質であっても構わない。本発明の効果を
確実に発揮するためには、上記電気伝導度の変化は少な
くとも1桁以上であり、望ましくは2桁以上である。
〔発明の効果〕
以上述べてきたように、本発明によれば、 発熱抵抗体の発熱ピーク温度を、この発熱抵抗体がお
かれているあらゆる温度環境に対しても均一に制御する
ことが可能、 サーマルヘッドのグレーズ層等の熱特性バラツキに対
しても、記録特性のバラツキを抑えることが可能、 発熱抵抗体抵抗値のバラツキに対しても、記録特性の
バラツキを抑えることが可能、 高精度の濃度階調制御が容易、 発熱駆動制御回路を単純な構成で済ませられ、回路、
サーマルヘッド基板の小型化が可能、 記録の高速化が容易、 記録機器における温度検出等の温度情報収集回路や記
録濃度補正回路が不要で、機器を小型、安価に提供する
ことが可能、 発熱抵抗体の耐暴走等に関して高信頼性、 等の優れた効果を発揮するサーマルヘッドを安価に提供
できるものである。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の駆動方法に用いるサーマルヘッドの一
実施例を示す平面図、第2図は金属非金属相転移を示す
発熱抵抗体のパルス印加に伴う表面温度の時間変化を示
す図、第3図は第1図に示すサーマルヘッドにおける連
続駆動の発熱抵抗体の表面温度のと時間変化を示す図、
第4図は本発明の駆動方法の発熱制御回路の一実施例を
示すブロック図、第5図は第4図に示す駆動制御回路を
用いたサーマルヘッドの駆動タイミングチャート、第6
図、第7図、第8図はそれぞれ本発明の駆動方法に用い
るサーマルヘッドの他の実施例を示す要部平面図、第9
図は金属非金属相転移をする材料の線抵抗の温度変化を
示す図である。 1,7……発熱抵抗体 2……個別電極 3……第1の共通電極 4……サイリスタ 5……第2の共通電極 8……配線 11……ゲート 33……発熱タイミング信号入力端子 35……シフトレジスタ 43……発熱タイミング信号 44……サイリスタゲート入力信号
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭59−207270(JP,A) 特開 昭60−244563(JP,A) 特開 昭64−27962(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B41J 2/335

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】発熱抵抗体と、この発熱抵抗体に接続され
    た電極を備え、この発熱抵抗体または電極の少なくとも
    一部が、特定温度領域を境に、低温側で導体領域を示
    し、高温側で半導体または不導体領域を示す物質で構成
    されたサーマルヘッドの駆動方法であって、 前記発熱抵抗体への通電を制御するスイッチング素子
    が、前記物質の高温における電気伝導度低下に伴う通電
    電流の減少によってターンオフすることを特徴とするサ
    ーマルヘッドの駆動方法。
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