JP2960624B2 - 画像処理装置および記録再生装置 - Google Patents

画像処理装置および記録再生装置

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JP2960624B2 JP5046978A JP4697893A JP2960624B2 JP 2960624 B2 JP2960624 B2 JP 2960624B2 JP 5046978 A JP5046978 A JP 5046978A JP 4697893 A JP4697893 A JP 4697893A JP 2960624 B2 JP2960624 B2 JP 2960624B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、画像処理装置および記
録再生装置に関し、特に、プローブ電極を記録媒体に対
して相対的に二次元走査させながら、記録媒体とプロー
ブ電極との間に生じる物理相互作用による信号を利用し
て、記録媒体に情報を記録するとともに、記録された情
報を画像情報として再生する記録再生装置および該記録
再生装置に好適な画像処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、記録再生装置に要求されるデータ
の記録容量は大きくなる傾向があり、そのためには、記
録単位の大きさを小さくして記録単位密度を向上させる
ことが必須要件となる。たとえば、光記録によるデジタ
ル・オーディオ・ディスクにおいては、記録単位の大き
さは1μm2 程度にまで及んでいる。
【0003】一方、最近、物質の表面および表面近傍の
電子構造を直接観察できる走査型トンネル顕微鏡(ST
M)が開発され、以下に示す利点を有することから、広
範囲な応用が期待されている。 (1)単結晶および非晶質を問わずに、実空間像の高い
分解能の測定ができる。 (2)記録媒体に電流による損傷を与えずに、低電力で
観察できる。 (3)超高真空中のみならず大気中および溶液中でも動
作する。 (4)種々の材料に対して用いることができる。
【0004】走査型トンネル顕微鏡は、プローブ電極
(金属の探針)と導電性物質との間に電圧を加えた状態
で、プローブ電極を導電性物質に対して1nm程度の距
離まで近づけたときに、プローブ電極と導電性物質との
間にトンネル電流(プローブ電極と導電性物質との間に
生じる物理相互作用による信号)が流れることを利用す
るものである。トンネル電流は、プローブ電極と導電性
物質との間の距離変化に対して非常に敏感であるため、
プローブ電極と導電性物質との間の平均的な距離または
トンネル電流を一定に保つように、プローブ電極を導電
性物質の表面に対して相対的に二次元走査することによ
り、導電性物質の実空間の表面情報を得ることができ
る。このときの導電性物質の面内方向の分解能は、10
nm以下である。
【0005】このような走査型トンネル顕微鏡の原理を
応用すれば、記録媒体として、電圧電流のスイッチング
特性に対してメモリ効果をもつ材料(たとえば、π電子
系有機化合物やカルコゲン化物類の薄膜層など)を用い
ることにより、0.01μm 2 以下の記録単位で情報の
記録再生が可能となる。また、電子ビームや光などの電
磁波を用いて記録媒体の表面形状態を変化させる手法を
用いれば、電子ビームなどの集束度の限界などから記録
単位は大きくなるが、現状の光記録と同等の記録密度で
の情報の記録再生が可能となる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た走査型トンネル顕微鏡の原理を応用した従来の記録再
生装置では、所定の面積を有する記録媒体の表面(記録
面)全体に渡って高密度な情報の記録再生を行う場合に
は、記録面に存在する凹凸により、再生時の信号のSN
比や誤り率などを悪化させるため、記録容量の高密度化
の達成に大きな障害となっている。
【0007】記録媒体の表面の物理的な凹凸を低減させ
るための一方法として、マイカなどのヘキ開面にAu薄
膜を単結晶成長させて平滑面とする方法を応用すること
ができる。しかし、かかる方法による記録媒体を用いた
場合でも、通常、直径10nm以下の記録ビットサイズ
と同程度の凹凸が発生することはほとんどないが、原子
オーダーのステップや尾根などによって記録ビットの形
状が変化して、再生時の信号のSN比や誤り率を低下さ
せるという問題が残る。
【0008】また、再生信号の雑音を除去する方法とし
て、線形フィルタに属する周波数領域においてフィルタ
リングする方法があるが、この方法は、再生時の信号と
雑音の周波数帯域が既知でかつ線形分離可能な場合にの
み有効である。しかし、記録ビットに関しては、個々の
形状に対する周波数帯域は既知だとしても、それらがど
の位置に存在するかは既知ではない。また、ステップや
尾根には空間座標に関する微係数の大きい箇所(すなわ
ち、エッジ)があり、このため、これらの周波数成分は
周波数領域全域に渡ってしまうとともに、空間的にコン
パクトな記録ビットの周波数成分も全域に渡ってしまう
ため、これらを周波数空間上で帯域分離することはでき
ない。さらに、記録ビット,ステップおよび尾根の位置
が特定できないため、パワースペクトラムのテンプレー
トマッチングによる抽出も困難である。
【0009】一方、空間的相関を重視した従来の画像処
理技術として、画像からステップや尾根だけを抽出した
抽出画像を作成し、この抽出画像をもとの画像から引く
ことによってステップや尾根を除去する、非線形フィル
タに属するものがある。しかし、画像からステップや尾
根だけを抽出する方式は、たとえば細線化アルゴリズム
や黒画素の連結数を計算するアルゴリズムのように、処
理様式が反復的または直列的であり、画素数に強く依存
する方式であるため、読出し速度が最も重要な機能であ
る記録再生装置においては非常に不利である。
【0010】本発明の目的は、原子オーダーのステップ
や尾根による、再生時の誤り率低下を軽減することがで
きる記録再生装置を提供することにある。
【0011】本発明の他の目的は、画素数に依存しない
高い並列性を有する画像処理装置を提供する。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明の画像処理装置
は、画像情報の各画素における全曲率を計算する全曲率
計算手段と、前記画像情報の各画素における平均曲率を
計算する平均曲率計算手段と、前記全曲率計算手段の出
力信号と前記平均曲率計算手段の出力信号との論理積を
演算する論理積演算手段と、該論理積演算手段の出力信
号が入力されるメディアンフィルタとを含む。
【0013】本発明の記録再生装置は、プローブ電極を
記録媒体の記録面に対して相対的に二次元走査させなが
ら、該プローブ電極と該記録媒体との間に生じる物理相
互作用による信号を利用して、該記録媒体に情報を記録
するとともに、該記録された情報を画像情報として再生
する記録再生装置において、前記物理相互作用による信
号から再生された画像情報の各画素における全曲率と平
均曲率とをそれぞれ計算して新たな画像情報を作成する
画像情報作成手段を含む。
【0014】ここで、前記画像情報作成手段が、前記物
理相互作用による信号から再生された画像情報の各画素
における全曲率を計算する全曲率計算手段と、前記画像
情報の各画素における平均曲率を計算する平均曲率計算
手段と、前記全曲率計算手段の出力信号と前記平均曲率
計算手段の出力信号との論理積を演算する論理積演算手
段と、該論理積演算手段の出力信号が入力されるメディ
アンフィルタとを含んでいてもよい。
【0015】
【作用】本発明の画像処理装置は、二次元的な広がりを
もつ画像情報を二次元平面上に定義された関数とみな
し、二次元平面の各点における関数(画像情報の各画
素)の全曲率を求めることにより、全曲率の符号が正で
ある点は楕円的点であり、全曲率が正でない点は放物的
点および双曲的点であることがわかる。また、二次元平
面の各点における関数の平均曲率を求めることにより、
平均曲率が負である楕円的点は記録面に対して凸であ
り、平均曲率が正である楕円的点は記録面に対して凹で
あることがわかる。したがって、記録面に対して凸の曲
面上の楕円的点が必要な情報を示すことが予めわかって
いる場合には、全曲率計算手段の出力信号と平均曲率計
算手段の出力信号との論理積を演算することにより、画
像情報に含まれている誤情報を排除して、必要な情報の
みを抽出することができる。なお、論理積演算手段の出
力信号をメディアンフィルタに入力することにより、空
間座標の離散化による誤差に起因する誤情報を排除する
ことができる。
【0016】本発明の記録再生装置は、物理相互作用に
よる信号から再生された画像情報の各画素における全曲
率と平均曲率とをそれぞれ計算して新たな画像情報を作
成する画像情報作成手段を含むことにより、記録ビット
は記録面に対して凸の曲面上の楕円的点となるため、画
像情報に含まれている放物的点,双曲的点および記録面
に対して凹の曲面上の楕円的点を排除して、記録ビット
のみを抽出した新たな画像情報を得ることができる。
【0017】なお、各画素の全曲率と平均曲率とはそれ
ぞれ、各画素近傍の第一基本量と第二基本量を計算する
ことにより求めることができる。ここで、第一基本量と
第二基本量は局所的な量であるため、処理様式は画素数
に依存しない高い並列性を有することになる。
【0018】
【実施例】以下、本発明の実施例について、図面を参照
して説明する。
【0019】図1は、本発明の画像処理装置の一実施例
を示すブロック図である。
【0020】画像処理装置100 は、画像情報入力部101
と、全曲率計算部102 と、平均曲率計算部103 と、論理
積演算部104 と、メディアンフィルタ105 とを含む。こ
こで、全曲率計算部102 は、画像情報入力部101 から送
られてくる画像情報信号を用いて各画素の全曲率Kを計
算し、全曲率Kが正のときにはその画素の値を”1”と
し、全曲率Kが正でないときにはその画素の値を”0”
とすることにより、画像情報信号に対して各画素ごとに
非線形2値化処理を施すためのものである。平均曲率計
算部103 は、画像情報入力部101 から送られてくる画像
情報信号を用いて各画素の平均曲率Hを計算し、平均曲
率Hが負のときにはその画素の値を”1”とし、全曲率
Kが負でないときにはその画素の値を”0”とすること
により、画像情報信号に対して各画素ごとに非線形2値
化処理を施すためのものである。論理積演算部104 は、
全曲率計算部102 の出力信号と平均曲率計算部103 の出
力信号との論理積を各画素ごとに演算するためのもので
ある。メディアンフィルタ105 は、論理積演算部104 の
出力信号に含まれる孤立点を除去するためのものであ
る。
【0021】次に、画像処理装置100 における画像処理
方法の原理について説明する。
【0022】(1)全曲率と平均曲率 記録媒体の記録面に存在する原子オーダーの尾根やステ
ップはそれぞれ、図2(A),(B)に示すように、あ
る一方向に対してのみ段差を有するとすると、放物的点
から構成されていると考えられる。一方、走査型トンネ
ル顕微鏡の原理を応用して記録媒体の表面形状を変化さ
せる方法であれ、電子ビームや光などの電磁波を用いて
記録媒体の表面形状態を変化させる方法であれ、記録ビ
ットは、図2(C)に示すように、単峰性の形状をして
いると考えられるため、少なくとも極大値の周辺におい
ては、楕円的点によって構成されていると考えられる。
なお、「単峰性の形状」とは、具体的には、唯一存在す
る極大値の位置から離れるに従って高さが単調減少をす
る形状をいう。
【0023】したがって、全曲率Kと楕円的点(eliptic
point),放物的点(parabolic point)および双曲的点(h
yperbolic point)とは、 (a)K>0のとき楕円的点 (b)K=0のとき放物的点 (c)K<0のとき双曲的点 という関係を有するため、記録媒体の記録面上の各点
(すなわち、画像情報の各画素)における全曲率Kを求
めることにより、全曲率Kの符号が正(K>0)のとき
には記録ビット領域に属する点であり、全曲率Kが”
0”または全曲率Kがの符号が負(K>0)のときには
記録ビット領域に属さない点であることがわかる。ま
た、記録面に対して凸の曲面上の楕円的点における平均
曲率Hの符号は負(H<0)であるのに対して、記録面
に対して凹の曲面上の楕円的点における平均曲率Hの符
号は正(H>0)であることから、記録ビット領域に属
する点の平均曲率Hを求めることにより、記録ビットの
向きを検出することができる。
【0024】(2)全曲率Kと平均曲率Hの計算 全曲率Kと平均曲率Hとは、(1)式および(2)式で
それぞれ表される。
【0025】
【数1】 ここで、E,FおよびGは第一基本量を示し、P,Qお
よびRは第二基本量を示し、(3)式〜(8)式でそれ
ぞれ表される。
【0026】
【数2】 ここで、たとえばxvvはvによるxの2階微係数を表
し,たとえばxu はuによるxの1階微係数を表す。
【0027】いま、記録媒体の記録面(二次元平面)上
に定義された関数としての画像を扱う場合には、x=
u,y=vおよびz=f(x,y)としてよいため、各
第一基本量E,F,Gおよび各第二基本量P,Q,R
は、(9)式〜(14)式でそれぞれ表される。
【0028】
【数3】 したがって、全曲率Kと平均曲率Hとは、(15)式お
よび(16)式よりそれぞれ求めることができる。
【0029】
【数4】 (3)差分化による近似 実際の計算では、二次元平面上の画像データは、二次元
空間を差分化して、f={fij}で与えられることが多
い。この場合において縦3画素および横3画素の範囲で
近似計算するときには、たとえば画素fijの曲率を計算
するために必要な上記(15)式および(16)式の各
微係数fu,fv,fuu,fvvおよびfuvは、(17)式
〜(21)式よりそれぞれ求めることができる。
【0030】 fu=fx=(fi+1,j−fi-1,j)/2 (17) fv=fy=(fi,j+1−fi,j-1)/2 (18) fuu =fxx =(fi+1,j+fi-1,j−2fi,j)/2 (19) fvv =fyy =(fi,j+1+fi,j-1−2fi,j)/2 (20) fuv =fxy =(fi+1,j+1+fi-1,j-1−fi+1,j-1−fi-1,j+1)/4 (21) 次に、画像処理装置100 を用いた一実験結果について、
図3を参照して説明する。
【0031】画像情報入力部101 により入力された、等
高線で表示された原画像200 は、記録ビットを示す楕円
的点領域201 と、ステップまたは尾根を示す放物的点領
域202 との組み合わせからなるが、楕円的点領域201 と
放物的点領域202 との組み合わせによって、また、画像
の定義域としての空間座標を離散化したことによって、
双曲的点領域203 も存在する。原画像200 を示す画像信
号を全曲率計算部102に入力することにより、放物的点
領域202 と双曲的点領域203とが孤立点となった全曲率
計算部出力画像210 が得られる。また、原画像200 を示
す画像信号を平均曲率計算部103 に入力することによ
り、凹の領域と平坦な領域とが孤立点となった平均曲率
計算部出力画像220 が得られる。したがって、全曲率計
算部102 の出力信号と平均曲率計算部103 の出力信号と
を論理積演算部104 にそれぞれ入力することにより、記
録ビットを示す楕円的点領域201 が抽出された論理積演
算部出力画像230 が得られる。しかし、論理積演算部出
力画像230 には、記録ビットを示す楕円的点領域201 の
ほか、空間座標の離散化による誤差に起因する楕円的点
領域も抽出されている。そこで、論理積演算部104 の出
力信号をメディアンフィルタ105 に入力することによ
り、記録ビットを示す楕円的点領域201 のみが抽出され
た楕円的点抽出画像240 が得られる。
【0032】図4は、本発明の記録再生装置の一実施例
を示す概略構成図である。
【0033】記録再生装置10は、記録媒体11と、粗
動制御機構12と、構造体13と、大粗動機構14と、
除震台15と、プローブ電極16と、微動制御機構17
と、XYコントローラ18と、電圧印加装置19と、プ
ローブ電流増幅器20と、演算装置21とを含む。記録
再生装置10の各構成要素について、以下詳細に説明す
る。
【0034】(1)記録媒体11 記録媒体11は、スクアリリウム−ビス−6−オクチル
アズレンをグラファイト基板上にLB法を用いて8層累
積したものからなる。ここで、スクアリリウム−ビス−
6−オクチルアズレンは、電圧電流のスイッチング特性
に対してメモリ効果を有する。なお、記録媒体11は、
初期状態では、非記録状態(オフ状態)になっている。
また、記録媒体11の記録面は、図5に示すように、4
つの1一般記録領域(第1乃至第4の一般記録領域30
1〜304)に分割されており、第1乃至第4の一般記録
領域301〜304の同図示左側には、第1乃至第4の位
置基準パターン領域311〜314が確保されている。
【0035】(2)粗動制御機構12,構造体13,大
粗動機構14および除震台15 記録媒体11が載置された粗動制御機構12は、弾性ヒ
ンジを用いた平行バネを有するものであり、記録媒体1
1の図示X軸方向およびY軸方向への粗動制御を行うた
めのものである。構造体13は、記録再生装置10の各
構造部分を支えるためのインバー(Inbar)からな
るものである。大粗動機構14は、粗動制御機構12の
制御範囲外において、記録再生装置10を図示X軸方向
およびY軸方向へ粗動制御するためのものである。大粗
動機構14が載置された除震台15は、外部の震動が記
録再生装置10に伝わることを防止して、外部の震動に
よる記録再生装置10の誤動作を防止するためのもので
ある。
【0036】(3)プローブ電極16,微動制御機構1
7およびXYコントローラ18 プローブ電極16は、情報の記録および再生に用いられ
るものである。なお、プローブ電極16の先端は、記録
および再生の分解能を上げるために、タングステン針の
先端を機械的研磨,電解研磨したものである。ただし、
プローブ電極16の材料としては、Pt−IrやPtな
どでもよく、加工法も何らこれに限定されるものではな
い。プローブ電極16が取り付けられている微動制御機
構17は、円筒形圧電素子を用いて構成されており、プ
ローブ電極16を図示Z軸方向に移動させてプローブ電
極16と記録媒体11との間の距離を微調させるととも
に、プローブ電極16を図示X軸方向およびY軸方向に
移動させてプローブ電極16を記録媒体11の表面(記
録面)に対して二次元走査させるものである。XYコン
トローラ18は、演算装置21の指令に従って粗動制御
機構12および微動制御機構17を駆動制御するもので
あり、粗動制御機構12および微動制御機構17の駆動
量を示す各操作電圧を粗動制御機構12および微動制御
機構17へそれぞれ出力する。
【0037】(4)電圧印加装置19およびプローブ電
流増幅器20 電圧印加装置19は、演算装置21の指令に従って、プ
ローブ電極16と記録媒体11との間に、記録用電圧,
再生用電圧および消去用電圧をそれぞれ印加するもので
ある。なお、電圧印加装置19は、プローブ電極16と
記録媒体11との間に−10V〜+10Vまでの任意の
バイアス電圧を与えることもできる。プローブ電流増幅
器20は、プローブ電極16と記録媒体11との間に流
れる電流を検出し、検出した電流を増幅するものであ
る。なお、増幅された電流は、プローブ電流増幅器20
で電圧に変換されたのち、プローブ電流増幅器20から
演算装置21へ出力される。
【0038】(5)演算装置21 演算装置21は、プローブ電流増幅器20から送られて
くる電圧をデジタル信号化するA/D変換回路と、XY
コントローラ18および電圧印加装置19をそれぞれ制
御するマイクロプロセッサと、記録媒体11上の位置基
準が格納された位置基準メモリと、記録すべき情報をパ
ターン認識してコード化するプロセッサと、A/D変換
回路から出力されるデジタル信号より画像情報を作成す
るとともに、作成した画像情報から記録ビット領域だけ
を抽出する画像処理回路とを含むものである。
【0039】次に、記録再生装置10における記録媒体
11上の位置基準パターンと記録信号領域とについて、
図2を参照して説明する。
【0040】記録再生装置10では、記録媒体11の第
1乃至第4の一般記録領域301〜304に情報が記録さ
れる前に、位置基準パターンが、以下に示す手順に従っ
て、第1乃至第4の位置基準パターン領域311〜314
にそれぞれ記録される。
【0041】構造体13の機械精度により、記録媒体1
1上のプローブ電極16の先端は、記録媒体11のホー
ムポジションHP から図4図示Z軸方向に約200μm
離れた位置に、±10μmの精度で位置される。300
mVのバイアス電圧が、プローブ電極16と記録媒体1
1との間に電圧印加装置19から印加される。プローブ
電極16と記録媒体11との間に流れる電流がプローブ
電流増幅器20で検出され増幅されたのち電圧に変換さ
れる。演算装置21では、プローブ電流増幅器20から
送られてくる電圧よりプローブ電極16と記録媒体11
との間に流れている電流の値が検出され、検出された電
流の値が1pAとなるまで、粗動制御機構12が演算装
置21によって駆動される。その結果、最終的には、プ
ローブ電極16と記録媒体11との間に流れる電流の値
が1pAとなる距離まで、プローブ電極16の先端が記
録媒体11の記録面に近づけられる。微動制御機構17
が演算装置21によって同様にして駆動されることによ
り、プローブ電極16と記録媒体11との間に流れる電
流の値が1nAとなる距離まで、プローブ電極16の先
端が記録媒体11の記録面に近づけられる。その後、記
録媒体11の図5の点線で囲まれた領域内において、プ
ローブ電極16が演算装置21によって二次元走査され
る。
【0042】プローブ電極16が第1の位置基準パター
ン領域311 の記録位置まで走査されてくると、記録媒
体11のオン/オフ情報のしきい値より大きい+10V
のバイアス電圧が、プローブ電極16と記録媒体11と
の間に電圧印加装置19から印加される。これにより、
記録媒体11のこの部分が記録状態(オン状態)とされ
て、位置基準パターンが記録される。なお、位置基準パ
ターンの記録時には、プローブ電極16と記録媒体11
との間の距離制御への影響をなくするため、プローブ電
極16と記録媒体11との間に流れる電流の平均値が
0.9nAとなるように、微動制御機構17が演算装置
21によって制御されることより、プローブ電極16と
記録媒体11との間の平均的な距離が一定にされる。
【0043】以上の動作が繰り返されることにより、第
1乃至第4の位置基準パターン領域311〜314に、位
置基準パターンが順次記録されていく。なお、このと
き、第1乃至第4の位置基準パターン領域311〜314
には、方向用パターンと位置用パターン361〜364
がそれぞれ記録される。ここで、第1の位置基準パター
ン領域311 に記録される3つの方向用パターン3511
〜3513と、第3の位置基準パターン領域311,313
に記録される3つの方向用パターン3531〜35 33
は、互いに対応する位置にそれぞれ記録される。また、
第2の位置基準パターン領域312 に記録される3つの
方向用パターン3521〜3523と、第4の位置基準パタ
ーン領域314に記録される3つの方向用パターン35
41〜3543とは、互いに対応する位置にそれぞれ記録さ
れる。さらに、各一般記録領域301〜304と各位置基
準パターン311〜314との間には、第1乃至第4の同
期パターン371〜374もそれぞれ記録される。
【0044】次に、記録再生装置10における各一般記
録領域301〜304への情報の記録動作および各一般記
録領域301〜304からの情報の再生動作についてそれ
ぞれ説明する。
【0045】まず、次の手順に従って、プローブ電極1
6の位置決めが行われる。記録媒体11のオン/オフ状
態(記録/非記録状態)のしきい値より小さい+5Vの
バイアス電圧が、プローブ電極16と記録媒体11との
間に電圧印加装置19から印加される。この状態で、プ
ローブ電極16が記録媒体11の記録面全体に渡って二
次元走査される。このときにプローブ電極16と記録媒
体11との間に流れる電流の値を検出して、記録媒体1
1のオン/オフ状態を検出することにより、位置基準パ
ターンの検出が行われる。
【0046】位置基準パターンは、一般記録領域301
〜304に記録される情報の記録単位よりも広い記録単
位で記録されているため、各位置基準パターン領域31
1〜314において検出される電流は、各一般記録領域3
1〜304において検出される電流よりも周波数の低い
ものとなる。したがって、検出された電流を帯域通過フ
ィルタに通すことにより、位置基準パターンと情報とを
近似的に分離することができる。分離した各位置基準パ
ターンの二次元情報に基づいて、プローブ電極16が、
4つある位置基準パターン領域311〜314のうちの1
つの位置基準パターン領域周辺に移動される。続いて、
位置基準パターン領域よりも少し広い範囲に渡ってプロ
ーブ電極16が二次元走査され、このとき演算装置21
で得られるデジタル信号が、二次元情報としてメモリに
格納される。
【0047】前述したように、第1および第3の位置基
準パターン領域311,313の互いに対応する位置に
は、3つの方向用パターン3511〜3513,3531〜3
33がそれぞれ記録されており、また、第2および第4
の位置基準パターン領域312,314の互いに対応する
位置には、3つの方向用パターン3521〜3523,35
41〜3543がそれぞれ記録されているため、プローブ電
極16の走査方向が、各方向用パターン3511〜3
13,3531〜3533,3521〜3523,3541〜35
43を検出することによりわかる。また、第1乃至第4の
位置基準パターン領域311〜314には、位置用パター
ン361〜364がそれぞれ記録されているため、各位置
用パターン361〜364を検出することにより、プロー
ブ電極16の相対的な位置がわかる。すなわち、各位置
基準パターンは方向情報と位置情報とを含んでいるた
め、一般に行われている画像処理の手法を用いて、プロ
ーブ電極16の走査方向の情報と位置情報とが得られ
る。さらに、各位置基準パターンの位置関係から、次に
走査する一般記録領域の位置基準パターンの大まかな位
置の情報が得られる。
【0048】情報の記録は、次の手順に従って行われ
る。得られた位置情報に基づいて、プローブ電極16が
たとえば第1の一般記録領域301 の周辺に移動され
る。続いて、第1の一般記録領域301 よりも広い範囲
に渡って、プローブ電極16が二次元走査される。第1
の位置基準パターン領域361 に記録された第1の同期
パターン371 の同期信号を検出したのち、得られた位
置情報に基づいて、第1の一般記録領域301 の所定の
記録位置に、情報が圧電素子の精度で記録される。ま
た、たとえば第1の一般記録領域301 に記録された情
報の再生は、第1の同期パターン371 の同期信号以後
の領域全体に渡ってプローブ電極16が二次元走査さ
れ、このとき得られた二次元情報が、別に入力された圧
電素子のもつヒステリシスおよび記録媒体11の温湿度
伸縮などの情報を考慮して、図2(A)〜(C)にそれ
ぞれ示したような記録単位(単位情報領域)に領域分け
され、記録単位ごとに画像処理が施されることにより行
われる。第1の一般記録領域30 1 に記録された情報の
再生が終わると、得られた位置情報に基づいて、プロー
ブ電極16が第2の一般記録領域302 の周辺に移動さ
れる。
【0049】
【発明の効果】本発明は、上述のとおり構成されている
ので、次の効果を奏する。
【0050】請求項1記載の発明(本発明の画像処理装
置)は、記録面に対して凸の曲面上の楕円的点が必要な
情報を示すことが予めわかっている場合には、全曲率計
算手段の出力信号と平均曲率計算手段の出力信号との論
理積を演算することにより、画像情報に含まれている誤
情報を排除して、必要な情報のみを抽出することができ
るとともに、論理積演算手段の出力信号をメディアンフ
ィルタに入力することにより、空間座標の離散化による
誤差に起因する誤情報を排除することができるため、画
素数に依存しない高い並列性をもたせることができる。
【0051】請求項2および請求項3記載の発明(本発
明の記録再生装置)は、画像情報に含まれている放物的
点,双曲的点および記録面に対して凹の曲面上の楕円的
点を排除して、記録面に対して凸の曲面上の楕円的点と
なっている記録ビットのみを抽出した新たな画像情報を
得ることができるため、原子オーダーのステップや尾根
による、再生時の誤り率低下を軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の画像処理装置の一実施例を示すブロッ
ク図である。
【図2】記録媒体の記録面に存在する原子オーダーの尾
根,ステップおよび記録ビットの形状を示す図であり、
(A)は尾根の形状を示す図、(B)はステップの形状
を示す図、(C)は記録ビットの形状を示す図である。
【図3】図1に示した画像処理装置を用いた一実験結果
を説明するための図である。
【図4】本発明の記録再生装置の一実施例を示す概略構
成図である。
【図5】図4に示した記録再生装置における記録媒体上
の位置基準パターンと記録信号領域とを説明するための
図である。
【符号の説明】
10 記録再生装置 11 記録媒体 12 粗動制御機構 13 構造体 14 大粗動機構 15 除震台 16 プローブ電極 17 微動制御機構 18 XYコントローラ 19 電圧印加回路 20 プローブ電流増幅器 21 演算装置 301〜304 一般記録領域 311〜314 第1乃至第4の位置基準パターン領域 3511〜3513,3521〜3523,3531〜3533,3
41〜3543 方向用パターン 361〜364 位置用パターン 371〜374 同期パターン 100 画像処理装置 101 画像情報入力部 102 全曲率計算部 103 平均曲率計算部 104 論理積演算部 105 メディアンフィルタ 200 原画像 201 楕円的点領域 202 放物的点領域 203 双曲的点領域 210 全曲率計算部出力画像 220 平均曲率計算部出力画像 230 論理積演算部出力画像 240 楕円的点抽出画像 X,Y,Z 軸 HP ホームポジション
フロントページの続き (72)発明者 山野 明彦 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ ヤノン株式会社内 (72)発明者 畑中 勝則 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ ヤノン株式会社内 (56)参考文献 特開 平4−155475(JP,A) 特開 平6−290269(JP,A) 特開 昭63−161552(JP,A) 特開 昭63−161553(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G06T 5/00 G06T 7/60 G11B 9/00

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 画像情報の各画素における全曲率を計算
    する全曲率計算手段と、 前記画像情報の各画素における平均曲率を計算する平均
    曲率計算手段と、 前記全曲率計算手段の出力信号と前記平均曲率計算手段
    の出力信号との論理積を演算する論理積演算手段と、 該論理積演算手段の出力信号が入力されるメディアンフ
    ィルタとを含む画像処理装置。
  2. 【請求項2】 プローブ電極を記録媒体の記録面に対し
    て相対的に二次元走査させながら、該プローブ電極と該
    記録媒体との間に生じる物理相互作用による信号を利用
    して、該記録媒体に情報を記録するとともに、該記録さ
    れた情報を画像情報として再生する記録再生装置におい
    て、 前記物理相互作用による信号から再生された画像情報の
    各画素における全曲率と平均曲率とをそれぞれ計算して
    新たな画像情報を作成する画像情報作成手段を含むこと
    を特徴とする記録再生装置。
  3. 【請求項3】 前記画像情報作成手段が、 前記物理相互作用による信号から再生された画像情報の
    各画素における全曲率を計算する全曲率計算手段と、 前記画像情報の各画素における平均曲率を計算する平均
    曲率計算手段と、 前記全曲率計算手段の出力信号と前記平均曲率計算手段
    の出力信号との論理積を演算する論理積演算手段と、 該論理積演算手段の出力信号が入力されるメディアンフ
    ィルタとを含む請求項2記載の記録再生装置。
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