JP2958926B2 - ケイ素酸化物被膜の形成方法 - Google Patents

ケイ素酸化物被膜の形成方法

Info

Publication number
JP2958926B2
JP2958926B2 JP1056731A JP5673189A JP2958926B2 JP 2958926 B2 JP2958926 B2 JP 2958926B2 JP 1056731 A JP1056731 A JP 1056731A JP 5673189 A JP5673189 A JP 5673189A JP 2958926 B2 JP2958926 B2 JP 2958926B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
coating
film
oxide film
partial hydrolyzate
metal oxide
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP1056731A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH02236284A (ja
Inventor
通郎 小松
昭 中島
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
SHOKUBAI KASEI KOGYO KK
Original Assignee
SHOKUBAI KASEI KOGYO KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by SHOKUBAI KASEI KOGYO KK filed Critical SHOKUBAI KASEI KOGYO KK
Priority to JP1056731A priority Critical patent/JP2958926B2/ja
Publication of JPH02236284A publication Critical patent/JPH02236284A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2958926B2 publication Critical patent/JP2958926B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Description

【発明の詳細な説明】 発明の技術分野 本発明は、金属酸化物被膜(金属にはケイ素を含む。
以下単に金属酸化物被膜ということがある)の形成方法
に関し、さらに詳しくは、有機残基あるいはハロゲン残
基が少なく、ピンホール、ボイドがほとんどなく、また
水分を吸収あるいは吸着することがなく、かつ塗布法に
よって形成しうる金属酸化物被膜の形成方法に関する。
発明の技術的背景ならびにその問題点 金属酸化物被膜は、ガラス、プラスチック、セラミッ
クまたは金属等の各種基材上に形成され、金属の種類に
よって、絶縁膜、誘電膜、高屈折率膜、導電性膜、さら
には基材を腐食などから保護する保護膜などとして用い
られる。
従来のこれらの金属酸化物被膜の形成方法としては、
蒸着法、CVD法、スパッタリング法などの気相法、また
は金属酸化物被膜形成用塗布液を基材に塗布し、加熱焼
成して金属酸化物被膜を形成する塗布法がある。このう
ち、塗布法は、気相法に比べて被膜形成の操作が簡単で
あり、基材の大きさに制約がないなどの利点がある。
これらの塗布法に用いられる塗布液としては、金属ア
ルコキシドまたはβ−ジケトン金属錯体などの有機金属
化合物とアルコール、ケトン、エステルなどの有機溶媒
とからなるものなどが知られている。
しかし、これらの塗布液を基板に塗布して乾燥、焼成
して被膜を形成する場合、塗布直後の被膜中に残存する
金属アルコキシドなどの有機残基が焼成時に分解し、こ
のために、被膜にピンホールまたはボイド[有機残基が
分解したあとのM−O−M結合(M:金属元素)が不完全
な構造的な欠陥あるいは細孔]が発生し、緻密な膜がで
きない等の問題点があった。また、このようなボイド
は、大気中の水分を吸着し易く、このために、たとえば
絶縁膜として用いる場合、絶縁性の低下という問題点が
生ずる。
本発明者らは、上記のような問題点を解決すべく鋭意
検討したところ、従来から用いられている有機金属化合
物を含む塗布液を基材に塗布後、特定の処理を加えたの
ちに加熱焼成して金属酸化物被膜を基材上に形成すれ
ば、ピンホール、ボイドがほとんどなく、水分を吸着し
ない緻密で均一な被膜を形成し得ることを見出して、本
発明を完成するに至った。
発明の目的 本発明は、上記のような従来技術に伴う問題点を解決
しようとするものであって、ピンホール、ボイドがほと
んどなく、水分を吸着することのない緻密で均一性に優
れた金属酸化物被膜を塗布法によって形成するための方
法を提供することを目的としている。
発明の概要 本発明に係る金属酸化物被膜の形成方法は、基材上
に、Al、Ti、Zr、Sn、Inから選ばれる金属のβ−ジケト
ン錯体、または式RnSiX4-n(n=0〜3、R:アルキル
基、ビニル基などの炭化水素基、X:アルコキシ基、ハロ
ゲン、イソシアネート)で表される有機ケイ素化合物あ
るいはそれらの部分加水分解物が含まれた塗布液を塗布
して被膜を形成し、次いで得られた被膜を前記有機金属
化合物または有機ケイ素化合物あるいはそれらの部分加
水分解物の熱分解温度以下の温度で乾燥した後、該被膜
中に含まれる有機金属化合物または有機ケイ素化合物あ
るいはそれらの部分加水分解物を分解するための下記
(a)、または(b)のいずれかの処理を施した後に加
熱焼成することを特徴としている。
被膜にpH7〜11のアルカリ性溶液あるいはpH2〜7の酸
性溶液を接触させる; (b)被膜をアンモニア雰囲気下にさらす。
本発明によれば、ピンホール、ボイドがほとんどな
く、しかも水分を吸着することがない緻密で均一な被膜
を基材上に形成することができるので、本発明により形
成された金属酸化物被膜は、絶縁膜、誘電膜、高屈折率
膜、導電性膜、平坦化膜などとして使用できる。
発明の具体的説明 以下本発明に係る金属酸化物被膜の形成方法について
具体的に説明する。
本発明に係る金属酸化物被膜の形成方法では、第1図
に示すように、基材1上に、有機金属化合物またはその
部分加水分解物が含まれた塗布液を塗布して被膜を形成
し、次いで得られた被膜を前記有機金属化合物またはそ
の部分加水分解物の熱分解温度以下の温度で乾燥した
後、該被膜中に含まれる有機金属化合物またはその部分
加水分解物を分解するための特定の処理を施した後に、
加熱焼成して金属酸化物被膜2を形成している。
金属酸化物被膜2を形成するための塗布液としては、
加水分解等で容易に分解する有機金属化合物と、アルコ
ール、エーテル、エステル等の有機溶媒からなるのであ
れば特に制限はない。
現在用いられている塗布液としては、Al、Ti、Zr、S
n、Inから選ばれるの金属のβ−ジケトン錯体、または
これらの部分加水分解物をアルコール、エーテル、エス
テルなどの有機溶媒に溶解または分散した塗布液、また
はRnSiX4-n(n=0〜3、R:アルキル基、ビニル基など
の炭化水素基、X:アルコキシ基、ハロゲン、イソシアネ
ート)などで表される有機ケイ素化合物あるいはこれら
の部分加水分解物をアルコール、エーテル、エステルな
どの有機溶媒に溶散または分解した塗布液がある。
このような塗布液を基材1上に塗布するには、スピン
コート法、刷毛塗り法、スプレー法、ディップコート
法、ロールコート法、転写印刷法、スクリーン印刷法な
ど、通常の方法を採用することができる。
次に上記のようにして基材1上に形成された塗膜を、
この被膜中に含まれる有機金属化合物またはその部分加
水分解物の熱分解温度以下の条件で乾燥する。たとえば
常温〜200℃で1〜30分間程度乾燥する。次いでこの被
膜に、該被膜中に含まれる有機金属化合物またはその部
分加水分解物を分解するための下記(a)または(b)
のいずれかの処理を施す。
被膜中に含まれる有機金属化合物またはその部分加水
分解物を分解するために被膜に施す処理(a)または
(b)は、具体的には下記のようにして行なうことがで
きる。
(a)被膜にアルカリ性溶液あるいは酸溶液を接触させ
る。具体的には、被膜にpH7〜11であるようなアルカリ
性溶液あるいはpH2〜7であるような酸性溶液を塗布し
たり、あるいは被膜を上記のようなアルカリ性溶液ある
いは酸溶液に浸漬する。
さらに、これらの溶液中に、被膜を構成している金属
酸化物と同じ成分を添加すると、より好ましい結果が得
られる。
たとえば、有機金属化合物を含む塗布液を用いて被膜
を形成する場合、シリカゾルを添加したアルカリ性また
は酸性水溶液で被膜を処理すれば、ピンホールの消失、
被膜の緻密化に一層効果的である。
(b)被膜をアンモニアガス雰囲気下にさらす。
上記のようにして被膜中に含まれる有機金属化合物ま
たはその部分加水分解物を分解するための処理を被膜に
施した後に、被膜を300〜450℃程度の温度で加熱焼成す
ると、被膜は硬化して金属酸化物膜2が形成される。
このように被膜に、該被膜中に含まれる有機金属化合
物またはその部分加水分解物を分解するための処理を施
した後に、加熱焼成すると、未分解の有機金属化合物が
ほとんど含まれず、M−O−M−(式中Mは金属、ただ
しケイ素を含む)の結合のみからなる金属酸化物被膜が
得られる。この被膜は、ピンホールまたはボイドがほと
んどなく、きわめて緻密で均一な被膜である。また、湿
気を含んだ大気中にさらされても水分を化学的に吸収し
たり、あるいは吸着したりすることがほとんどない。し
たがって、金属酸化物が本来持っている特性(絶縁性、
屈折率、誘電率、導電性等)を損なうことなく、所期の
目的の特性をもった、蒸着法、CVD法などで得られる被
膜とほぼ同等の被膜を得ることができる。
さらに、ピンホール消失効果があるため、被膜の水分
の透過防止を含むガスバリヤー性の向上、または電極上
に設けた絶縁膜の絶縁性の向上等の効果もある。
上記のような特徴をもった本発明に係る金属酸化物被
膜は、たとえば、半導体素子や液晶表示素子の絶縁膜、
陰極線管、液晶表示素子などの表示装置の透明導電性
膜、ガラス、セラミックなどの基板のパッシベーション
膜、ガラス、レンズなどの高屈折率または無反射膜ある
いはガラス、セラミック、金属などの表面強度、耐腐食
性を目的とした保護膜など各種の用途に使用される。
以下本発明を実施例によって説明するが、本発明はこ
れら実施例に限定されるものではない。
実施例1 有機金属化合物としてのモノメチルトリメトキシシラ
ンと、このモノメチルトリメトキシシランをSiO2として
換算した場合にSiO2に対し、1重量%の酢酸と、SiO2
8倍モルの純水を混合し、さらにエタノールを加えてSi
O2として14重量%の有機ケイ素化合物の部分加水分解縮
合物塗布液を調製した。
この塗布液を、ガラス基板の表面にスピンコート法で
塗布し、200℃で30分間乾燥した。乾燥時の膜厚は500Å
であった。
このようにして形成された被膜に、下記のような有機
金属化合物を分解するための処理(1)〜(2)をそれ
ぞれ施した後、窒素雰囲気中で300℃で30分間加熱焼成
して、シリカ被膜を形成した。
結果を表1に示す。
(1)アルカリ溶液処理 pH8のアンモニア水に1時間浸漬。
(2)アンモニアガス処理 15重量%のアンモニア水が入れられたデシケータ中に
25℃で半日間放置。
比較例1 実施例1において、被膜に有機金属化合物を分解する
ための処理(1)〜(2)を施さなかった以外は、実施
例1と同様にした。
結果を表1に示す。
表1からわかる通り、本発明の方法による被膜は、従
来の方法による被膜に比較して、低誘電率を示し、屈折
率も高いことが認められた。
実施例2 有機金属化合物として、ジブトキシ−ビスアセチルア
セトナトチタンを含む塗布液(松本交商製、オルガチッ
クスTC−100)を、ガラス基板の表面にスピンコート法
で塗布し、200℃で10分間乾燥した。乾燥時の膜厚は100
0Åであった。
このようにして形成された被膜に下記のような有機チ
タン化合物を分解するための処理(1)〜(2)をそれ
ぞれ施した後、空気中で450℃、30分間焼成した。
結果を表2に示す。
(1)酸処理 pH2のHCl水溶液に1時間浸漬。
(2)アンモニアガス処理 15重量%のアンモニア水が入れられたデシケータ中に
25℃で半日間放置。
比較例2 実施例2において、被膜に有機チタン化合物を分解す
るための処理を施さなかった以外は、実施例2と同様に
した。
結果を表2に示す。
表2からわかるように、本発明の方法による酸化チタ
ン被膜は、比較例の被膜に比べて高屈折率を示した。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明に係る金属酸化物被膜の製造方法によ
って形成される金属酸化物被膜を含む装置の断面図であ
る。 1……基材、2……金属酸化物被膜
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−223185(JP,A) 特開 昭56−38472(JP,A) 特開 昭57−27928(JP,A) 特公 昭63−43468(JP,B2) 特公 昭63−66392(JP,B2) 特表 平1−501323(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C23C 18/12

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基材上に、Al、Ti、Zr、Sn、Inから選ばれ
    る金属のβ−ジケトン錯体、または式RnSiX4-n(n=0
    〜3、R:アルキル基、ビニル基などの炭化水素基、X:ア
    ルコキシ基、ハロゲン、イソシアネート)で表される有
    機ケイ素化合物あるいはそれらの部分加水分解物が含ま
    れた塗布液を塗布して被膜を形成し、次いで得られた被
    膜を前記β−ジケトン錯体または有機ケイ素化合物ある
    いはそれらの部分加水分解物の熱分解温度以下の温度で
    乾燥した後、該被膜中に含まれるβ−ジケトン錯体また
    は有機ケイ素化合物あるはそれらの部分加水分解物を分
    解するための下記(a)、または(b)のいずれかの処
    理を施した後に、加熱焼成することを特徴とするケイ素
    酸化物被膜または金属酸化物被膜の形成方法: (a)被膜にpH7〜11のアルカリ性溶液あるいはpH2〜7
    の酸性溶液を接触させる; (b)被膜をアンモニア雰囲気下にさらす。
JP1056731A 1989-03-09 1989-03-09 ケイ素酸化物被膜の形成方法 Expired - Lifetime JP2958926B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1056731A JP2958926B2 (ja) 1989-03-09 1989-03-09 ケイ素酸化物被膜の形成方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1056731A JP2958926B2 (ja) 1989-03-09 1989-03-09 ケイ素酸化物被膜の形成方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH02236284A JPH02236284A (ja) 1990-09-19
JP2958926B2 true JP2958926B2 (ja) 1999-10-06

Family

ID=13035654

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP1056731A Expired - Lifetime JP2958926B2 (ja) 1989-03-09 1989-03-09 ケイ素酸化物被膜の形成方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2958926B2 (ja)

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0676667B2 (ja) * 1985-06-18 1994-09-28 新興化学工業株式会社 バナジウム低級酸化物薄膜の製法
JP2639537B2 (ja) * 1987-10-23 1997-08-13 東京応化工業株式会社 絶縁性金属酸化膜の形成方法

Also Published As

Publication number Publication date
JPH02236284A (ja) 1990-09-19

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH0559154B2 (ja)
US5696384A (en) Composition for formation of electrode pattern
JPH05315319A (ja) 半導体装置およびその製造方法
JP2851915B2 (ja) 半導体装置
JP3909912B2 (ja) シリカ系厚膜被膜形成方法
JP2000106363A (ja) 不溶性コ―ティングの形成方法
JPH0766188A (ja) 半導体装置
JP2958926B2 (ja) ケイ素酸化物被膜の形成方法
JPH064497B2 (ja) 酸化錫膜の形成方法
US5271768A (en) Coating for forming an oxide coating
JPH05124818A (ja) 金属酸化物被膜形成用塗布液
JP2823878B2 (ja) 半導体集積回路の製造方法
US4619704A (en) Composition for forming a transparent conductive film
JPS6273203A (ja) 無反射処理基板およびその製造方法
JPH0260397B2 (ja)
TW200403306A (en) Sol-gel process for the preparation of vitreous films possessing high adhesion properties and stable colloidal solutions suitable for its carrying out the same
EP0148608B1 (en) Film-forming composition comprising indium and tin compounds
JPH08176177A (ja) Pt膜形成用組成物、並びに、この組成物より形成したPt膜及びPt膜パターン
JPH10313002A (ja) SiO2被膜の形成方法
JP3079535B2 (ja) 半導体薄膜の製造方法
JPH0524887A (ja) 撥水処理ガラス
JPH04280812A (ja) 基材上への多孔質シリカ被膜の形成法
JPH05270865A (ja) 透明導電膜を有するガラス基板
JP2974035B2 (ja) 酸化ケイ素系層間絶縁膜の製造方法
JPH062155A (ja) 金属体への二酸化珪素被膜形成方法

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080730

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080730

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090730

Year of fee payment: 10

EXPY Cancellation because of completion of term
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090730

Year of fee payment: 10