JP2958926B2 - ケイ素酸化物被膜の形成方法 - Google Patents
ケイ素酸化物被膜の形成方法Info
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Description
以下単に金属酸化物被膜ということがある)の形成方法
に関し、さらに詳しくは、有機残基あるいはハロゲン残
基が少なく、ピンホール、ボイドがほとんどなく、また
水分を吸収あるいは吸着することがなく、かつ塗布法に
よって形成しうる金属酸化物被膜の形成方法に関する。
クまたは金属等の各種基材上に形成され、金属の種類に
よって、絶縁膜、誘電膜、高屈折率膜、導電性膜、さら
には基材を腐食などから保護する保護膜などとして用い
られる。
蒸着法、CVD法、スパッタリング法などの気相法、また
は金属酸化物被膜形成用塗布液を基材に塗布し、加熱焼
成して金属酸化物被膜を形成する塗布法がある。このう
ち、塗布法は、気相法に比べて被膜形成の操作が簡単で
あり、基材の大きさに制約がないなどの利点がある。
ルコキシドまたはβ−ジケトン金属錯体などの有機金属
化合物とアルコール、ケトン、エステルなどの有機溶媒
とからなるものなどが知られている。
して被膜を形成する場合、塗布直後の被膜中に残存する
金属アルコキシドなどの有機残基が焼成時に分解し、こ
のために、被膜にピンホールまたはボイド[有機残基が
分解したあとのM−O−M結合(M:金属元素)が不完全
な構造的な欠陥あるいは細孔]が発生し、緻密な膜がで
きない等の問題点があった。また、このようなボイド
は、大気中の水分を吸着し易く、このために、たとえば
絶縁膜として用いる場合、絶縁性の低下という問題点が
生ずる。
検討したところ、従来から用いられている有機金属化合
物を含む塗布液を基材に塗布後、特定の処理を加えたの
ちに加熱焼成して金属酸化物被膜を基材上に形成すれ
ば、ピンホール、ボイドがほとんどなく、水分を吸着し
ない緻密で均一な被膜を形成し得ることを見出して、本
発明を完成するに至った。
しようとするものであって、ピンホール、ボイドがほと
んどなく、水分を吸着することのない緻密で均一性に優
れた金属酸化物被膜を塗布法によって形成するための方
法を提供することを目的としている。
に、Al、Ti、Zr、Sn、Inから選ばれる金属のβ−ジケト
ン錯体、または式RnSiX4-n(n=0〜3、R:アルキル
基、ビニル基などの炭化水素基、X:アルコキシ基、ハロ
ゲン、イソシアネート)で表される有機ケイ素化合物あ
るいはそれらの部分加水分解物が含まれた塗布液を塗布
して被膜を形成し、次いで得られた被膜を前記有機金属
化合物または有機ケイ素化合物あるいはそれらの部分加
水分解物の熱分解温度以下の温度で乾燥した後、該被膜
中に含まれる有機金属化合物または有機ケイ素化合物あ
るいはそれらの部分加水分解物を分解するための下記
(a)、または(b)のいずれかの処理を施した後に加
熱焼成することを特徴としている。
性溶液を接触させる; (b)被膜をアンモニア雰囲気下にさらす。
く、しかも水分を吸着することがない緻密で均一な被膜
を基材上に形成することができるので、本発明により形
成された金属酸化物被膜は、絶縁膜、誘電膜、高屈折率
膜、導電性膜、平坦化膜などとして使用できる。
具体的に説明する。
に示すように、基材1上に、有機金属化合物またはその
部分加水分解物が含まれた塗布液を塗布して被膜を形成
し、次いで得られた被膜を前記有機金属化合物またはそ
の部分加水分解物の熱分解温度以下の温度で乾燥した
後、該被膜中に含まれる有機金属化合物またはその部分
加水分解物を分解するための特定の処理を施した後に、
加熱焼成して金属酸化物被膜2を形成している。
加水分解等で容易に分解する有機金属化合物と、アルコ
ール、エーテル、エステル等の有機溶媒からなるのであ
れば特に制限はない。
n、Inから選ばれるの金属のβ−ジケトン錯体、または
これらの部分加水分解物をアルコール、エーテル、エス
テルなどの有機溶媒に溶解または分散した塗布液、また
はRnSiX4-n(n=0〜3、R:アルキル基、ビニル基など
の炭化水素基、X:アルコキシ基、ハロゲン、イソシアネ
ート)などで表される有機ケイ素化合物あるいはこれら
の部分加水分解物をアルコール、エーテル、エステルな
どの有機溶媒に溶散または分解した塗布液がある。
コート法、刷毛塗り法、スプレー法、ディップコート
法、ロールコート法、転写印刷法、スクリーン印刷法な
ど、通常の方法を採用することができる。
この被膜中に含まれる有機金属化合物またはその部分加
水分解物の熱分解温度以下の条件で乾燥する。たとえば
常温〜200℃で1〜30分間程度乾燥する。次いでこの被
膜に、該被膜中に含まれる有機金属化合物またはその部
分加水分解物を分解するための下記(a)または(b)
のいずれかの処理を施す。
分解物を分解するために被膜に施す処理(a)または
(b)は、具体的には下記のようにして行なうことがで
きる。
る。具体的には、被膜にpH7〜11であるようなアルカリ
性溶液あるいはpH2〜7であるような酸性溶液を塗布し
たり、あるいは被膜を上記のようなアルカリ性溶液ある
いは酸溶液に浸漬する。
酸化物と同じ成分を添加すると、より好ましい結果が得
られる。
を形成する場合、シリカゾルを添加したアルカリ性また
は酸性水溶液で被膜を処理すれば、ピンホールの消失、
被膜の緻密化に一層効果的である。
たはその部分加水分解物を分解するための処理を被膜に
施した後に、被膜を300〜450℃程度の温度で加熱焼成す
ると、被膜は硬化して金属酸化物膜2が形成される。
物またはその部分加水分解物を分解するための処理を施
した後に、加熱焼成すると、未分解の有機金属化合物が
ほとんど含まれず、M−O−M−(式中Mは金属、ただ
しケイ素を含む)の結合のみからなる金属酸化物被膜が
得られる。この被膜は、ピンホールまたはボイドがほと
んどなく、きわめて緻密で均一な被膜である。また、湿
気を含んだ大気中にさらされても水分を化学的に吸収し
たり、あるいは吸着したりすることがほとんどない。し
たがって、金属酸化物が本来持っている特性(絶縁性、
屈折率、誘電率、導電性等)を損なうことなく、所期の
目的の特性をもった、蒸着法、CVD法などで得られる被
膜とほぼ同等の被膜を得ることができる。
の透過防止を含むガスバリヤー性の向上、または電極上
に設けた絶縁膜の絶縁性の向上等の効果もある。
膜は、たとえば、半導体素子や液晶表示素子の絶縁膜、
陰極線管、液晶表示素子などの表示装置の透明導電性
膜、ガラス、セラミックなどの基板のパッシベーション
膜、ガラス、レンズなどの高屈折率または無反射膜ある
いはガラス、セラミック、金属などの表面強度、耐腐食
性を目的とした保護膜など各種の用途に使用される。
れら実施例に限定されるものではない。
ンと、このモノメチルトリメトキシシランをSiO2として
換算した場合にSiO2に対し、1重量%の酢酸と、SiO2の
8倍モルの純水を混合し、さらにエタノールを加えてSi
O2として14重量%の有機ケイ素化合物の部分加水分解縮
合物塗布液を調製した。
塗布し、200℃で30分間乾燥した。乾燥時の膜厚は500Å
であった。
金属化合物を分解するための処理(1)〜(2)をそれ
ぞれ施した後、窒素雰囲気中で300℃で30分間加熱焼成
して、シリカ被膜を形成した。
25℃で半日間放置。
ための処理(1)〜(2)を施さなかった以外は、実施
例1と同様にした。
来の方法による被膜に比較して、低誘電率を示し、屈折
率も高いことが認められた。
セトナトチタンを含む塗布液(松本交商製、オルガチッ
クスTC−100)を、ガラス基板の表面にスピンコート法
で塗布し、200℃で10分間乾燥した。乾燥時の膜厚は100
0Åであった。
タン化合物を分解するための処理(1)〜(2)をそれ
ぞれ施した後、空気中で450℃、30分間焼成した。
25℃で半日間放置。
るための処理を施さなかった以外は、実施例2と同様に
した。
ン被膜は、比較例の被膜に比べて高屈折率を示した。
って形成される金属酸化物被膜を含む装置の断面図であ
る。 1……基材、2……金属酸化物被膜
Claims (1)
- 【請求項1】基材上に、Al、Ti、Zr、Sn、Inから選ばれ
る金属のβ−ジケトン錯体、または式RnSiX4-n(n=0
〜3、R:アルキル基、ビニル基などの炭化水素基、X:ア
ルコキシ基、ハロゲン、イソシアネート)で表される有
機ケイ素化合物あるいはそれらの部分加水分解物が含ま
れた塗布液を塗布して被膜を形成し、次いで得られた被
膜を前記β−ジケトン錯体または有機ケイ素化合物ある
いはそれらの部分加水分解物の熱分解温度以下の温度で
乾燥した後、該被膜中に含まれるβ−ジケトン錯体また
は有機ケイ素化合物あるはそれらの部分加水分解物を分
解するための下記(a)、または(b)のいずれかの処
理を施した後に、加熱焼成することを特徴とするケイ素
酸化物被膜または金属酸化物被膜の形成方法: (a)被膜にpH7〜11のアルカリ性溶液あるいはpH2〜7
の酸性溶液を接触させる; (b)被膜をアンモニア雰囲気下にさらす。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1056731A JP2958926B2 (ja) | 1989-03-09 | 1989-03-09 | ケイ素酸化物被膜の形成方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1056731A JP2958926B2 (ja) | 1989-03-09 | 1989-03-09 | ケイ素酸化物被膜の形成方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH02236284A JPH02236284A (ja) | 1990-09-19 |
JP2958926B2 true JP2958926B2 (ja) | 1999-10-06 |
Family
ID=13035654
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1056731A Expired - Lifetime JP2958926B2 (ja) | 1989-03-09 | 1989-03-09 | ケイ素酸化物被膜の形成方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2958926B2 (ja) |
Family Cites Families (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0676667B2 (ja) * | 1985-06-18 | 1994-09-28 | 新興化学工業株式会社 | バナジウム低級酸化物薄膜の製法 |
JP2639537B2 (ja) * | 1987-10-23 | 1997-08-13 | 東京応化工業株式会社 | 絶縁性金属酸化膜の形成方法 |
-
1989
- 1989-03-09 JP JP1056731A patent/JP2958926B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH02236284A (ja) | 1990-09-19 |
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