JP2958885B1 - 清浄米製造装置及び製造方法 - Google Patents

清浄米製造装置及び製造方法

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JP2958885B1 JP10220559A JP22055998A JP2958885B1 JP 2958885 B1 JP2958885 B1 JP 2958885B1 JP 10220559 A JP10220559 A JP 10220559A JP 22055998 A JP22055998 A JP 22055998A JP 2958885 B1 JP2958885 B1 JP 2958885B1
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  • Mechanical Engineering (AREA)
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Abstract

【要約】 【課題】 設備を合理化して連続運転を可能とし、設備
費やランニングコストを低減し、長期保存を可能とし、
炊飯前に洗米等の米研ぎ作業を不要とする上質の清浄米
を提供可能とする乾式の清浄米製造装置及び製造方法の
提供。 【解決手段】 原料精米に、清浄材と清浄材を介して原
料精米を清浄化可能な加圧材とを配合し、これらの配合
物を定量供給手段3、4を介して回転ドラム6に投入
し、処理された清浄米を、取出し量調整装置7、搬出装
置8を介して清浄米、加圧材、並びに清浄材を篩過選別
可能な選別装置9にて選別し、米粒に付着する微粉を除
去する仕上げ装置12を介して清浄米貯蔵槽14に貯蔵
し、選別装置9から排出される加圧材、清浄材の所定量
を搬送装置11及び昇降機5を介して回転ドラム6へ返
送循環可能とし、両者の配合割合に対応して原料精米を
定量供給機3、昇降機5を介して所定量回転ドラム6へ
供給制御し、連続運転可能に構成したことを特徴とす
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、洗米等の米研ぎ
作業を不要とする清浄米製造装置及び製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】現在、炊飯前に洗米不要な「無洗米」
は、河川を汚さない、節水できる等の環境問題や経済的
な面で関心が集まっている。従来、各種の無洗米製造装
置が知られ、また、特願平6−76130等の公報など
に知られるように、研磨材として石、セラミックス、樹
脂等が用いられ、また、殆どの装置が水を使用した所謂
湿式製造装置の場合は無洗米ができるが、水を使用しな
い乾式製造装置の場合は、無洗米までに至らず準無洗米
までが限度であり、且つまた、連続運転不可能なバッチ
式の装置が多い。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】然しながら、上述の従
来例では、設備費やランニングコスト、更に長期保存の
点で問題があり、また、研磨材として石等を用いた場合
では、石が破砕するなどの課題がある。
【0004】この発明は、上述の点に着目して成された
もので、研磨材の代わりに鉄または鋼を用いて間接的に
原料精米を研磨または清浄化する機能を有する加圧材と
成し、米の酸化等の変質を防止すると共に、設備を合理
化して連続運転を可能とし、設備費やランニングコスト
を低減し、長期保存を可能とし、更に炊飯等の作業の前
に洗米等の米研ぎ作業を不要とする上質の清浄米を提供
可能とする製造上「水」を使用しない乾式の清浄米製造
装置及び製造方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】この発明は、下記構成を
備えることにより上記課題を解決できるものである。
【0006】(1) 原料精米に、食材に適し且つ油脂
分を吸収または吸着する機能を有する繊維状素材からな
る清浄材と前記清浄材を介して前記原料精米を清浄化す
る機能を有する加圧材とを配合し、これらの配合物を定
量供給機を介して回転ドラムに投入し、該回転ドラムの
回転攪拌作用により処理された清浄米を、取出し量調整
装置、搬出装置、を介して清浄米、加圧材、並びに清浄
材を篩過選別可能な選別装置にて選別し、清浄米を取り
出して米粒に付着する糠等の微粉を除去する、分散部、
攪拌部、風力分離部等を備えた仕上げ装置を介して清浄
米貯蔵槽に貯蔵すると共に、一方、選別装置の上段及び
下段から排出される加圧材の所定量及び繊維状素材から
なる清浄材の所定量を搬送装置及び昇降機を介して回転
ドラムへ返送循環可能とし、前記両者の配合割合に対応
して被処理用原料精米を定量供給機及び昇降機を介して
所定量回転ドラムへ供給制御し、連続運転可能に構成し
たことを特徴とする清浄米製造装置。
【0007】(2) 前記清浄材は、脱脂糠等の通称ソ
フト・ファイバーにて代表される繊維状素材からなる食
材可能な物質であることを特徴とする前項(1)記載の
清浄米製造装置。
【0008】(3) 加圧材は、容易に破砕されない鉄
または鋼等の金属からなることを特徴とする前項(1)
記載の清浄米製造装置。
【0009】(4) 加圧材は、外周に少なくとも一個
以上複数個の突起または凹凸を有することを特徴とする
前項(1)または(3)に記載の清浄米製造装置。
【0010】(5) 加圧材は、原料精米及び清浄材と
混合攪拌した時に、移動攪拌作用が可能な大きさとした
ことを特徴とする前項(1)、(3)または(4)に記
載の清浄米製造装置。
【0011】(6) 回転ドラムは、外装を円筒状とす
る回転体を挟んで両側に回転しない固定の円板状蓋を備
え、片側に投入口を有し、他の側に取出し口を有するこ
とを特徴とする前項(1)記載の清浄米製造装置。
【0012】(7) 回転ドラムは、内面構造を断面多
角形状の角筒形構造とすると共に、外装円筒と内装角筒
とで形成される両者の隙間部に弾性材を充填したことを
特徴とする前項(1)または(6)に記載の清浄米製造
装置。
【0013】(8) 前記弾性材は、吸音及び断熱性を
有する合成ゴムまたは樹脂等からなることを特徴とする
前項(7)記載の清浄米製造装置。
【0014】(9) 回転ドラムにおいて、前後に遊嵌
された前後部円板状蓋は、外装円筒状の回転体に組み付
けた時に、前記外装円筒を構成する円筒内面と前記前後
部円板状蓋の外周面とで形成するクリアランスを米粒が
通過しない程度の微小寸法とし、前記前後部円板状蓋を
所望位置に保持するための位置決め調整可能な螺子部を
有する桿状支持部材を複数個設け、回転ドラムの長手方
向に対し、前記前後部円板状蓋と前記回転ドラムの端部
とのクリアランスを微調整可能とし、方形を維持する強
固な骨組みを前記回転ドラムに覆設して備え、更に前記
骨組みは、高さ微調整可能であることを特徴とする前項
(1)記載の清浄米製造装置。
【0015】(10) 前記円板状蓋の取出し側には、
原料精米、清浄材、加圧材、等を配合した配合物が回転
ドラム容積の50%において、回転攪拌操作をしながら
清浄処理済の原料精米を混合状態でオーバーフロー可能
な第1取出し口と、中間位置から常時取出し可能な取出
し量調整装置が介在する第2取出し口と、回転ドラム内
の配合材を全て取出し可能な取出し量調整装置を介在す
る第3取出し口とを備えたことを特徴とする前項(1)
または(6)に記載の清浄米製造装置。
【0016】(11) 選別装置は、振動搬送機能を有
すると共に、スリット幅が夫々異なる三種類のスクリー
ンを有し篩過機能を備えた三段構造を形成し、上段を加
圧材選別用、中段を処理後の清浄米選別用、下段を微細
な繊維状素材からなる清浄材選別用としたことを特徴と
する前項(1)記載の清浄米製造装置。
【0017】(12) 仕上げ装置は、表面に糠等の微
粉が付着した清浄処理後の清浄米を分散部を介して均等
に落下させ、前記微粉が付着した米粒同士が軽く擦り合
う程度に攪拌して前記清浄米と糠等の微粉とを分離し易
い状態としながら、分散落下部を介して適宜メッシュを
有するネットにて形成される筒状体内を落下させ、前記
落下の過程で、落下方向に直交または斜交して風を吹き
つけてなる風力分離部にて、付着した糠等の微粉を分離
除去し処理後の清浄米を上質に仕上げ得ることを特徴と
する前項(1)記載の清浄米製造装置。
【0018】(13) 仕上げ装置は、ホッパー、分散
部、攪拌部、分散落下部、風力分離部とで1ステージを
形成し、原料精米の品種に対応して単数ステージまたは
複数ステージとすることが可能に構成したことを特徴と
する前項(1)記載の清浄米製造装置。
【0019】(14) 回転ドラムの前後端部の筒状周
縁部に近接して適宜間隔に所望寸法の螺子穴を周設し、
この螺子穴に螺合して着脱可能に雄螺子を備え、且つ前
記螺子穴に挿抜可能に開口穴調整部材を介在させ、回転
ドラム内の古い清浄材を排出自在の古清浄材排出調整穴
を設けたことを特徴とする前項(1)記載の清浄米製造
装置。
【0020】(15) 原料精米に、食材に適し且つ油
脂分を吸収または吸着する機能を有する繊維状素材から
なる清浄材と前記清浄材を介して前記原料精米を清浄化
する機能を有する加圧材とを配合し、これらの配合物を
定量供給手段を介して回転ドラムに投入し、該回転ドラ
ムの回転攪拌作用により処理された清浄米を、取出し量
調整手段、搬出手段、を介して清浄米、加圧材、並びに
清浄材を篩過選別可能な選別手段にて選別し、清浄米を
取り出して米粒に付着する糠等の微粉を除去する、分散
部、攪拌部、風力分離部等を備えた仕上げ手段を介して
清浄米貯蔵槽に貯蔵すると共に、一方、選別手段の上段
及び下段から排出される加圧材の所定量及び繊維状素材
からなる清浄材の所定量を搬送手段及び昇降手段を介し
て回転ドラムへ返送循環可能とし、前記両者の配合割合
に対応して被処理用原料精米を定量供給手段及び昇降手
段を介して所定量回転ドラムへ供給制御し、連続運転可
能に構成したことを特徴とする清浄米製造方法。
【0021】
【発明の実施の形態】以下にこの発明の一実施の形態を
説明する。
【0022】図1は、この発明に係る清浄米製造装置及
び製造方法の構成を示すブロック図、図2は同上の構成
を示す側面模式図、図3(a)は回転ドラム本体の組み
立て状況の一例を示す側面図、同(b)は回転ドラム本
体の組み立て状況の一例を示す正面図、図4(a)は回
転ドラム本体の縦断側面図、同(b)は回転ドラム本体
の縦断正面図、図5は回転ドラム後部取出し口の配置例
を示す説明図、図6は仕上げ装置の主要構成を示す説明
図である。
【0023】図面について説明すれば、1は原料精米用
ホッパー、2は新清浄材用ホッパー、3及び4は電磁
式、振動モータ式、またはロータリー式フィーダ等の定
量供給機、5、10、13はバケットエレベータ等の昇
降機、6は外装円筒、内装角筒から成り両者の隙間部に
吸音、断熱等の機能を有する合成ゴムや樹脂等の弾性材
6eを充填し、且つ前後に回転しない固定式の前部円板
状蓋6fと後部円板状蓋6gを長手方向に位置決め微調
整可能に調整用螺子部を有する桿状支持部材15aにて
支持し、前部に投入ホッパー6aを、後部に第1、第
2、第3取出し口17、18、19を、更に前記後部円
板状蓋の上方位置にメッシュの細かい寒冷紗やガーゼ等
のフィルター付き通気孔を有する点検口20を備えた回
転ドラム、7はシャッター式開閉自在の取出し量調整装
置、8はシューター等の搬出装置、9は電磁式フィーダ
または振動モータ等を使用した篩過選別機能を有する選
別装置、該選別装置9は振動搬送機能を有すると共に、
スリット状の間隙を有しスリット幅が夫々異なる三種類
且つ三段構造のスクリーンを備え、上段を加圧材選別
用、中段を処理後の清浄米選別用、下段を微細な繊維状
素材からなる清浄材選別用とした構成としている。
【0024】11はスクリュー式またはベルト式コンベ
ア等の搬送装置であり、12は仕上げ装置で、ホッパー
12a、回転円板にて形成される分散部12b、分散部
12bの下面に適宜間隔で吊設された棒状から成る攪拌
部12c、攪拌部12cにより米粒同士を擦り合わせる
ように攪拌しながら掻き寄せられた前記米粒が分散して
落下するための所望幅寸法を有する半円弧状の穴を備え
た分散落下部12d、所望のメッシュを有するネット等
にて形成され、米粒が分散落下する領域を包囲する筒状
通路の側方より所望風速、風量のエアを吹きつけ前記米
粒に付着した脱脂糠等のソフト・ファイバーから成る微
粉などを吹き飛ばして分離除去する風力分離部12e、
そして、分散部、攪拌部を回転駆動する共通の回転軸を
吊設した減速機付きまたはインバータ制御システムによ
る駆動部12g(図6参照)、等にて構成され1ステー
ジを形成し、原料精米の種別に応じて2ステージ、3ス
テージと積み重ねて複数ステージとすることができるよ
うに構成されている。
【0025】仕上げ装置12にて、仕上げられた清浄米
は、バケットエレベータ等の昇降機13により前記清浄
米を貯蔵するための貯蔵槽14へ貯蔵される。
【0026】なお、この発明に係る回転ドラムは、所謂
一般の回転ドラムとは構造を異にし、回転する胴部に対
して蓋の役目を果たす前後の鏡板は胴部と分離して回転
しない固定式の円板状を呈し、鉄または鋼の山形、I
形、T形、H形、溝形等の形鋼を用いて組み立てられた
強固な枠組みを形成して成る骨組み15を回転ドラム6
本体に対して、これを覆うように覆設し、回転ドラム6
のベースとなる架台Bに高さ調整用螺子部15bを用い
て高さ位置調整可能に載設し、回転ドラム6において、
前後に遊嵌された前後部円板状蓋6f、6gは、外装円
筒状の回転体に組み付けた時に、前記外装円筒を構成す
る円筒内面と前記前後部円板状蓋6f、6gの外周面と
で形成するクリアランスを米粒が通過しない程度の微小
寸法とし、前記前後部円板状蓋6f、6gを所望位置に
保持するための長手方向位置決め調整可能な螺子部を有
する桿状支持部材15aを複数個設け、回転ドラムの長
手方向に対し、前記前後部円板状蓋6f、6gと前記回
転ドラム6の端部とのクリアランスを微調整可能とし
(図3(a)、(b)参照)、また、後部円板状蓋6g
の取出し側には、原料精米、清浄材、加圧材、等を配合
した配合物が回転ドラム容積の50%において、回転攪
拌操作をしながら清浄処理済の清浄米を混合状態でオー
バーフロー可能な第1取出し口17と、中間位置から常
時取出し可能な取出し量調整装置7aが介在する第2取
出し口18と、回転ドラム6内の配合材を全て取出し可
能な取出し量調整装置7bが介在する第3取出し口19
とを備え(図5参照)、これらの取出し口17、18、
19から取出された配合物はシューター等で形成される
搬出装置8を通って選別装置9に移送される。
【0027】また12fは、工業用集塵機等のフィルタ
ーを介してエア循環可能なエア供給装置である。
【0028】なお、他の符号について、6bは回転ドラ
ム6の外装に外嵌されたガイドリングで、減速機付きま
たはインバータ制御システム等を有する駆動部6cの作
用により駆動用チェーン6dを介して前記回転ドラム6
が回転駆動する際のガイドとしての役目を為すものであ
る。
【0029】16は古くなった清浄材の排出調整穴であ
り、回転ドラムの前後端部の筒状周縁部に近接して適宜
間隔に所望寸法の螺子穴を周設し、この螺子穴に螺合し
て着脱可能に雄螺子を備え、且つ前記螺子穴に挿抜可能
に開口穴調整部材を介在させ、回転ドラム内の古い清浄
材を排出調整自在である。
【0030】上述の構成に基づいて作用を説明する。
【0031】最初に準備作業として、脱脂糠またはソフ
ト・ファイバー等の繊維状素材からなる清浄材と金属製
の加圧材を所望の比率で配合し、且つ回転ドラム6の容
量に対応した所要量を前記回転ドラム6内に投入し、原
料精米、清浄材、加圧材の三者の配合比を既定の比率で
配合した状態となるように、原料精米用ホッパー1から
定量供給機3により所定量を安定した状態で供給しなが
ら、バケットエレベータ等の昇降機5の上昇搬送作用に
より投入ホッパー6aを介して回転ドラム6内に投入し
ながら、減速機付き、またはインバータ制御を有するモ
ータ等の駆動部6cの回転作用により、回転ドラム6の
外装に外嵌されたガイドリング6bのガイドに沿って駆
動用チェーン6dを介して所望の回転速度で前記回転ド
ラム6を回転操作し続けると、所定の比率で配合された
原料精米、清浄材、加圧材の三者の混合物は前記回転ド
ラム6内を、前記混合物の表面が傾斜して混合攪拌操作
が行われ、所望の傾斜角度を継続維持して前記混合攪拌
操作が行われて、加圧材による清浄材を介しての原料精
米に対する清浄化作用が前記回転ドラム6の前部から後
部へ混合物が移動するに従って進行し、混合物の混合攪
拌操作時の傾斜角度θが略45度に漸近して第1取出し
口17からオーバーフローする直前の状態を維持して第
2取出し口18から取出し量調整装置7を介して所望の
一定流量で前記混合物が取出され、シュート等の搬出装
置8を介して、スリット幅が夫々異なる三種類且つ三段
構造のスクリーンを備え、上段を加圧材選別用、中段を
処理後の清浄米選別用、下段を三者のなかで最も微細な
繊維状素材からなる清浄材選別用とした選別装置9に移
送供給され、中段から排出された清浄化処理済の清浄米
は、バケットエレベータ等の昇降機10を介して仕上げ
装置12に上昇搬送して供給され、ホッパー12aを介
して回転する分散部12cで遠心力により円板状の前記
分散部12cの周縁部より下方に均等に分散して落下
し、前記分散部12cと同軸の減速機付きまたはインバ
ータ制御システムによる駆動部12gの制御された回転
作用により攪拌部12cで、米粒同士が傷ついたり破砕
したりしないで擦り合う程度で米粒に付着した糠等の微
粉を分離し易い状態にし、同時に分散落下部12dに設
けられた所望幅寸法を有する半円弧状の穴の方向に掻き
寄せられた米粒が前記分散落下部12dの前記半円弧状
の穴を通って、下方に接続された風力分離部12eの米
粒が抜け出ない程度のメッシュのネットで形成される通
路を分散落下する過程で米粒に付着した糠等の微粉を、
米粒の落下方向に直交して横から吹き抜けるエアによっ
て吹き飛ばして分離除去し、次いで仕上げ処理が終了し
た清浄米はバケットエレベータ等の昇降機13により上
昇搬送されて清浄米を貯蔵するための貯蔵槽14へ送り
込まれる。
【0032】油脂分を吸収または吸着して古くなった糠
等の清浄材は運転操作中に回転ドラムの前後端部の筒状
周縁部に近接して適宜間隔に周設された所望寸法の螺子
穴を介して排出されるが、この螺子穴は古くなった糠等
の清浄材の排出調整穴16であって、雄螺子を螺合して
着脱開閉調整して、排出量を調整できるようになってい
る。この排出調整穴16には、前記螺子穴に挿抜可能に
ネットまたはパンチングメタル等の開口穴調整部材を介
在させているので古くなった糠等の清浄材のみを排出す
ることができる様になっており、この排出量と同量の新
しい脱脂糠等の清浄材をホッパー2から電磁式、振動モ
ータ式またはロータリ式フィーダ等の定量供給機4及び
バケットエレベータ等の昇降機5を介して適宜補給可能
に構成されている。
【0033】即ち、加圧材と清浄材は、常に循環して使
用し、清浄材のみ排出した分だけ適宜補給して使用し、
原料精米は取り出された分を原料精米ホッパー1から定
量供給機3及び昇降機5を介して回転ドラム6に供給
し、回転ドラム6内を常に50%容量分維持して連続運
転操作を可能としている。
【0034】古くなった糠等の清浄材は、回転ドラム6
の前後端部の筒状周縁部に周設された排出調整穴16の
下方に、排出される古い糠等の清浄材を機外に零さずに
所定の容器に貯めるための樋状の受け具などを設けても
良い。
【0035】なお、エア供給装置12fは、工業用集塵
機等のように排気部にフィルターを内蔵したものであれ
ば、このエア供給装置12fの吸引部と排気部を、風力
分離部のエア出口、エア入口に循環接続することにより
目的を果たすことができ、且つ経済的である。また、説
明を付け加えるとすれば、エア供給装置12fのフィル
ターを構成するフィルターバッグ等が目詰まりした時
に、別に設けた小型の空気圧縮機等の圧空を用いて逆噴
流して清掃ができるようにしておけば良い。
【0036】なおまた、図5に示すように、回転ドラム
6の後部円板状蓋6gの上方位置に設けられた寒冷紗や
ガーゼのような微細なメッシュのフィルターを有する点
検口20を備えたことにより回転ドラム内部の温度上昇
を防ぎ、安定した清浄化操作を継続でき上質の清浄米を
製造可能としている。また、このフィルター付き点検口
20を前部円板状蓋6fの上方位置に同様に設けて前後
に通気し易い様にしても良い。
【0037】更に、清浄材については、ソフト・ファイ
バーに代表されるように、軟質傾向の繊維状素材からな
る微粉を用いているために、米粒の細かい溝も十分に清
浄化でき、加圧材の特性と相俟って、米粒に傷を付けた
り、或は米粒を破砕したりすることなく、また、食材可
能な素材であることから、香味などに副次的に良い結果
の招来を期待できる。
【0038】更になお、当発明者が特願平7−6403
4にて提示したナット等の米粒が通過することのできる
小孔を有する加圧材を使用できることは勿論である。
【0039】以下に実施例における主要な数値について
説明する。
【0040】使用した回転ドラムの直径と長さの比は
1:1.5、容量は約1200lである。
【0041】原料精米、加圧材、清浄材の配合比は1:
1.2:1.5が最も良く、滑降研磨距離は200〜2
20mで、野田通信製の濁度計による濁度値は68〜6
6以下であり、日本精米工業会の基準値を十分クリアし
た数値を示した。
【0042】原料精米処理能力は550Kg/Hであっ
た。
【0043】表1に三者の配合比と滑降研磨距離に対す
る濁度値を示す。
【0044】なお、実施例における処理前の原料精米濁
度値は130前後であった。
【0045】なおまた、滑降研磨距離は、回転ドラムの
直径に毎分回転数と運転時間(分)を乗じて得られた数
値で表す。
【0046】
【表1】
【0047】
【発明の効果】以上説明したように、この発明によれ
ば、従来の装置と比較して、設備の合理化、各部の工夫
による設備の新規性により、単位操作当たりの処理時間
を短縮し、この処理時間短縮により米粒の着色傾向が解
消され、更に長期保存が可能となり、連続運転を可能と
し、設置面積を縮小し、設備比やランニングコストを低
減し、洗米用水が不要であることから環境へも無公害で
あるという多くの利点を有する設備として市場に提供で
きるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明に係る清浄米製造装置及び製造方法
の構成を示すブロック図
【図2】 同上の構成を示す側面模式図
【図3】(a)回転ドラム本体の組み立て状況の一例を
示す側面図、同(b)回転ドラム本体の組み立て状況の
一例を示す正面図
【図4】(a)回転ドラム本体の縦断側面図、同(b)
回転ドラム本体の縦断正面図
【図5】 回転ドラム後部取出し口の配置例を示す説明
【図6】 仕上げ装置の主要構成を示す説明図
【符号の説明】
1 原料精米用ホッパー 2 新清浄材用ホッパー 3、4 定量供給機 5、10、13 昇降機 6 回転ドラム 6a 投入ホッパー 6b ガイドリング 6c 駆動部 6d 駆動用チェーン 6e 弾性材 6f 前部円板状蓋 6g 後部円板状蓋 7 取出し量調整装置 8 搬出装置 9 選別装置 11 搬送装置 12 仕上げ装置 12a ホッパー 12b 分散部 12c 攪拌部 12d 分散落下部 12e 風力分離部 12f エア供給装置 14 清浄米用貯蔵槽 15 骨組 15a 桿状支持部材 15b 高さ位置調整用螺子部材 16 排出調整穴 17 第1取出し口 18 第2取出し口 19 第3取出し口 20 点検口 B 架台

Claims (15)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 原料精米に、食材に適し且つ油脂分を吸
    収または吸着する機能を有する繊維状素材からなる清浄
    材と前記清浄材を介して前記原料精米を清浄化する機能
    を有する加圧材とを配合し、これらの配合物を定量供給
    機を介して回転ドラムに投入し、該回転ドラムの回転攪
    拌作用により処理された清浄米を、取出し量調整装置、
    搬出装置、を介して清浄米、加圧材、並びに清浄材を篩
    過選別可能な選別装置にて選別し、清浄米を取り出して
    米粒に付着する糠等の微粉を除去する、分散部、攪拌
    部、風力分離部等を備えた仕上げ装置を介して清浄米貯
    蔵槽に貯蔵すると共に、一方、選別装置の上段及び下段
    から排出される加圧材の所定量及び繊維状素材からなる
    清浄材の所定量を搬送装置及び昇降機を介して回転ドラ
    ムへ返送循環可能とし、前記両者の配合割合に対応して
    被処理用原料精米を定量供給機及び昇降機を介して所定
    量回転ドラムへ供給制御し、連続運転可能に構成したこ
    とを特徴とする清浄米製造装置。
  2. 【請求項2】 前記清浄材は、脱脂糠等の通称ソフト・
    ファイバーにて代表される繊維状素材からなる食材可能
    な物質であることを特徴とする請求項1記載の清浄米製
    造装置。
  3. 【請求項3】 加圧材は、容易に破砕されない鉄または
    鋼等の金属からなることを特徴とする請求項1記載の清
    浄米製造装置。
  4. 【請求項4】 加圧材は、外周に少なくとも一個以上複
    数個の突起または凹凸を有することを特徴とする請求項
    1または3に記載の清浄米製造装置。
  5. 【請求項5】 加圧材は、原料精米及び清浄材と混合攪
    拌した時に、移動攪拌作用が可能な大きさとしたことを
    特徴とする請求項1、3または4に記載の清浄米製造装
    置。
  6. 【請求項6】 回転ドラムは、外装を円筒状とする回転
    体を挟んで両側に回転しない固定の円板状蓋を備え、片
    側に投入口を有し、他の側に取出し口を有することを特
    徴とする請求項1記載の清浄米製造装置。
  7. 【請求項7】 回転ドラムは、内面構造を断面多角形状
    の角筒形構造とすると共に、外装円筒と内装角筒とで形
    成される両者の隙間部に弾性材を充填したことを特徴と
    する請求項1または6に記載の清浄米製造装置。
  8. 【請求項8】 前記弾性材は、吸音及び断熱性を有する
    合成ゴムまたは樹脂等からなることを特徴とする請求項
    7記載の清浄米製造装置。
  9. 【請求項9】 回転ドラムにおいて、前後に遊嵌された
    前後部円板状蓋は、外装円筒状の回転体に組み付けた時
    に、前記外装円筒を構成する円筒内面と前記前後部円板
    状蓋の外周面とで形成するクリアランスを米粒が通過し
    ない程度の微小寸法とし、前記前後部円板状蓋を所望位
    置に保持するための位置決め調整可能な螺子部を有する
    桿状支持部材を複数個設け、回転ドラムの長手方向に対
    し、前記前後部円板状蓋と前記回転ドラム端部とのクリ
    アランスを微調整可能とし、方形を維持する強固な骨組
    みを前記回転ドラムに覆設して備え、更に前記骨組み
    は、高さ微調整可能であることを特徴とする請求項1記
    載の清浄米製造装置。
  10. 【請求項10】 前記円板状蓋の取出し側には、原料精
    米、清浄材、加圧材、等を配合した配合物が回転ドラム
    容積の50%において、回転攪拌操作をしながら清浄処
    理済の原料精米を混合状態でオーバーフロー可能な第1
    取出し口と、中間位置から常時取出し可能な取出し量調
    整装置が介在する第2取出し口と、回転ドラム内の配合
    材を全て取出し可能な取出し量調整装置を介在する第3
    取出し口とを備えたことを特徴とする請求項1または6
    に記載の清浄米製造装置。
  11. 【請求項11】 選別装置は、振動搬送機能を有すると
    共に、スリット幅が夫々異なる三種類のスクリーンを有
    し篩過機能を備えた三段構造を形成し、上段を加圧材選
    別用、中段を処理後の清浄米選別用、下段を微細な繊維
    状素材からなる清浄材選別用としたことを特徴とする請
    求項1記載の清浄米製造装置。
  12. 【請求項12】 仕上げ装置は、表面に糠等の微粉が付
    着した清浄処理後の清浄米を分散部を介して均等に落下
    させ、前記微粉が付着した米粒同士が軽く擦り合う程度
    に攪拌して前記清浄米と糠等の微粉とを分離し易い状態
    としながら、分散落下部を介して適宜メッシュを有する
    ネットにて形成される筒状体内を落下させ、前記落下の
    過程で、落下方向に直交または斜交して風を吹きつけて
    なる風力分離部にて、付着した糠等の微粉を分離除去し
    処理後の清浄米を上質に仕上げ得ることを特徴とする請
    求項1記載の清浄米製造装置。
  13. 【請求項13】 仕上げ装置は、ホッパー、分散部、攪
    拌部、分散落下部、風力分離部とで1ステージを形成
    し、原料精米の品種に対応して単数ステージまたは複数
    ステージとすることが可能に構成したことを特徴とする
    請求項1記載の清浄米製造装置。
  14. 【請求項14】 回転ドラムの前後端部の筒状周縁部に
    近接して適宜間隔に所望寸法の螺子穴を周設し、この螺
    子穴に螺合して着脱可能に雄螺子を備え、且つ前記螺子
    穴に挿抜可能に開口穴調整部材を介在させ、回転ドラム
    内の古い清浄材を排出自在の古清浄材排出調整穴を設け
    たことを特徴とする請求項1記載の清浄米製造装置。
  15. 【請求項15】 原料精米に、食材に適し且つ油脂分を
    吸収または吸着する機能を有する繊維状素材からなる清
    浄材と前記清浄材を介して前記原料精米を清浄化する機
    能を有する加圧材とを配合し、これらの配合物を定量供
    給手段を介して回転ドラムに投入し、該回転ドラムの回
    転攪拌作用により処理された清浄米を、取出し量調整手
    段、搬出手段、を介して清浄米、加圧材、並びに清浄材
    を篩過選別可能な選別手段にて選別し、清浄米を取り出
    して米粒に付着する糠等の微粉を除去する、分散部、攪
    拌部、風力分離部等を備えた仕上げ手段を介して清浄米
    貯蔵槽に貯蔵すると共に、一方、選別手段の上段及び下
    段から排出される加圧材の所定量及び繊維状素材からな
    る清浄材の所定量を搬送手段及び昇降手段を介して回転
    ドラムへ返送循環可能とし、前記両者の配合割合に対応
    して被処理用原料精米を定量供給手段及び昇降手段を介
    して所定量回転ドラムへ供給制御し、連続運転可能に構
    成したことを特徴とする清浄米製造方法。
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