JP2958836B2 - サーマルインクジェット記録ヘッド - Google Patents

サーマルインクジェット記録ヘッド

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美彦 弥勒
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、気泡の発生領域を規定
する凹部を有するサーマルインクジェット記録ヘッドに
関するものである。
【0002】
【従来の技術】サーマルインクジェット記録方式におい
て、特開昭62−33648号公報には、発熱素子によ
って発生した気泡の成長領域を規定するヘッド構造が開
示されている。具体的には、数10μmの厚膜樹脂層を
ヒーター基板上に着膜し、フォトリソグラフィーによっ
て凹部を形成するものである。この凹部は、ピットと呼
ばれるもので、凹部の底部に設けられた発熱素子による
インクの加熱によって発生した気泡が、直ちにインク流
路に沿ってノズルから噴出することを防ぎ、発熱素子に
持続時間の長いパルスを印加できるようにし、また、発
熱素子をノズルの近くに配置することを可能にしてい
る。
【0003】図4は、ピット構造を有する従来のサーマ
ルインクジェット記録ヘッドの一例の要部の断面図であ
る。図中、1はチャネル基板、2はヒーター基板、3は
インク流路、4はノズル、5は蓄熱層、6はヒーター
層、7は共通電極、8はアドレス電極、9,10はヒー
ター保護層、11は電極保護層、12は厚膜樹脂層、1
3はピットである。厚膜樹脂層12によって形成される
ピット13は、上述したように、気泡の発生時における
成長過程において、気泡が横に拡がることなく上方に集
中させやすくするために設けられたものである。
【0004】ところが、従来例のヘッドに対する寿命試
験および故障の解析の結果、図中Aで示すヒーター保護
層10と厚膜樹脂層12との界面が侵食されることによ
り故障が発生することが明らかになった。図中のAの部
分は、ヒーター保護層10と厚膜樹脂層12の壁が接す
る角部であり、キャビテーションによるインク流のピッ
ト面と平行な成分が衝突する場所であるため、この場所
で気泡が消滅する確率が大きく、キャビテーションダメ
ージが集中する。また、ヒーター保護層10と厚膜樹脂
層12の材料が異なるものであるから、上記角部は、異
種材質が接する界面でもあるため、力学的、化学的にも
弱いことも故障の原因である。
【0005】さらに、ピット13を設けたことにより、
インク滴の吐出後に、ノズル4の近傍のインクの後退圧
力のために、気泡は後方へ移動しながら消失するので、
特に、インク吐出方向の反対側であるピット後部壁のヒ
ーター保護層10と厚膜樹脂層12の界面でピット層が
侵食されやすいことがわかった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述した問
題点を解決するためになされたもので、凹部の底部に気
泡発生のためのヒーターを有するサーマルインクジェッ
ト記録ヘッドにおいて、ヒーター近傍、特にヒーター保
護層と厚膜樹脂層の界面のキャビテーションダメージに
よる早期故障を改善した長寿命のサーマルインクジェッ
ト記録ヘッドを提供することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
は、厚膜樹脂層により気泡の発生領域を規定する凹部が
形成され、該凹部の底部にヒーターを有するサーマルイ
ンクジェット記録ヘッドにおいて、前記凹部の側壁が前
記凹部の外側に向けて凸となる丸みを帯びたテーパー状
であることを特徴とするものであり、請求項2に記載の
発明は、請求項1に記載のサーマルインクジェット記録
ヘッドにおいて、前記ヒーターの上部を含め前記凹部の
内面が保護層で覆われていることを特徴とするものであ
る。
【0008】
【作用】本発明によれば、ピットと呼ばれる気泡の発生
領域を規定した凹部を形成し、該凹部の底部に気泡発生
のためのヒーターを有するサーマルインクジェット記録
ヘッドにおいて、該ピットの側壁形状を凹部の外側に向
けて凸となる丸みを帯びたテーパー状にして角部をでき
るだけなくすことにより、キャビテーションダメージが
ヒーター面とピット層との境界部分に集中することを防
止でき、ヒーターの長寿命化を図ることができる。ま
た、キャビテーションダメージに弱いヒーター近傍、特
に、ヒーター保護層とピット層との界面を保護するため
にピットの内面全体を保護層で覆うことにより、ヒータ
ーの長寿命化を図ることができる。
【0009】
【実施例】図1は、本発明のサーマルインクジェット記
録ヘッドの第1の実施例のノズル部近傍の断面図であ
る。図中、図4と同様な部分には同じ符号を付して説明
を省略する。この実施例では、厚膜樹脂層12により形
成されるピット13の側壁が、図に示すようにピットの
外側に向けて凸となる丸みを帯びたテーパー状にするこ
とにより、気泡が消滅する場所が、ヒーター保護層10
と厚膜樹脂層12との境界部分に集中することがなく、
ヒーター保護層10と厚膜樹脂層12の界面へのキャビ
テーションダメージの集中を避けることができる。
【0010】ヒーター基板における各層は、Siウェハ
をヒーター基板2として用い、これに薄膜形成プロセス
により蓄熱層5、ヒーター層6、共通電極7、アドレス
電極8、ヒーター保護層9,10、電極保護層11を形
成し、その上に厚膜樹脂層12を形成している。ヒータ
ー保護層9はSiNx 、ヒーター保護層10にはTaが
用いられている。厚膜樹脂層12には、ポリイミド等の
感光性樹脂を用い、フォトリソグラフィーによりピット
13を形成する。このとき、オーバー露光状態で露光さ
せてエッチングを行なうと、露光部分と非露光部分の境
界面は、光の回り込みのためテーパー状になる。オーバ
ー露光を行なうには、光量,露光時間を大きくすること
によって露光量を多くできることは当然であるが、プリ
ベーク時間を短縮すること、あるいは、プリベーク温度
を低くすることにより、感光性樹脂層の感光度を上げる
ことができるので、光量あるいは露光時間を増加させな
くても、実質的に、露光量を増加させることができる。
【0011】熱硬化させる温度によっても、ピットの側
壁を丸みを持たせたテーパー状にすることができる。例
えば、上述したポリイミドは、熱硬化時に体積収縮が起
こる。従来の熱硬化温度である220゜C程度では、熱
収縮はそれほど大きいものではなく、体積収縮がピット
の形状に影響を及ぼす程ではない。しかし、400℃以
上の温度で熱処理を行なうと、体積収縮は大きい。収縮
が生じても、ポリイミドと基板との接着面の近傍の下層
部分は、基板に固定されているため、初期の大きさに保
持される。したがって、ポリイミド上部のみが収縮し、
それによって、ポリイミド層の側壁は丸みを帯びたテー
パー状になる。したがって、従来の熱硬化温度より十分
高い温度で熱硬化させることにより、体積収縮を大きく
して、内壁をテーパー状としたピットを形成することが
できる。
【0012】具体例について説明する。感光性ポリイミ
ドワニスとして、Probimide(登録商標)34
8(Ciba−Geigy社製)を用いて、ピット層を
形成した。この感光性ポリイミドワニスの粘度は、47
00cpである。熱硬化をさせた後のピットの内壁面の
断面形状について、図5に示すように、層の高さをa、
テーパー状に裾を引いた長さをbとすると、通常の硬化
温度である220゜Cと、高温の400゜Cとで硬化さ
せた実験の結果のa,bの値は、 220゜Cの場合、 a=6.5μm,b=0.5μm 400゜Cの場合、 a=6.5μm,b=5μm であった。高温での熱硬化による収縮によって、内壁面
が後退し、丸みを帯びたテーパー部が形成されることが
分かる。なお、この値は、用いられるポリイミドや層の
厚さにより異なるものである。
【0013】次に、プリベークの条件と露光量、ならび
に、熱硬化温度を変えた実験をした。同じ感光性ポリイ
ミドワニスを用いて、従来の方法によるものとして、プ
リベークが100゜C,15分、露光量が500mJ/
cm2 、硬化温度が220゜Cの場合は、 a=25μm,b=2μm であったのに対して、本発明に適用される方法として、
プリベークが85゜C,15分、露光量が1000mJ
/cm2 、硬化温度が400゜Cの場合は、 a=25μm,b=10μm であり、露光量を大きくする方法と硬化温度を高くする
方法を併用した場合は、大きなテーパーが形成できるこ
とが分かる。
【0014】図2は、本発明のサーマルインクジェット
記録ヘッドの参考例のノズル部近傍の断面図である。図
中、図1と同様な部分には同じ符号を付して説明を省略
する。14は保護層である。この実施例では、ピット1
3の底面であるヒーター保護層10の表面から、ピット
13の側壁にかけて保護層14を設けている。ヒーター
保護層10にTaを用いていることから、保護層14と
しては、Taを着膜した。保護膜14を設けたことによ
り、ヒーター保護層10と厚膜樹脂層12との界面が保
護され、キャビテーションダメージに弱いヒーター保護
層とピット層の界面での損傷が防止できる。なお、保護
層14を設ける場合には、ヒーター保護層9,10を適
宜省略することもできる。しかし、この参考例では、底
面と側壁面との境界に角部が生じている。
【0015】保護層14の材料は、金属膜に限られるも
のではなく、樹脂層で構成することもできる。ポリイミ
ドを用いれば、厚膜樹脂層12として上述したようにポ
リイミドを用いた場合には、接着性の点で有利である。
Probimide(登録商標)285(Ciba−G
eigy社製)を用いて、2000〜4500rpmの
回転速度でスピンコートしたところ、1μm程度の厚さ
でピットの内壁に保護層を形成することができた。な
お、Probimide(登録商標)285の粘度は、
260cpであった。
【0016】図3は、本発明のサーマルインクジェット
記録ヘッドの第2の実施例のノズル部近傍の断面図であ
る。図中、図1,図2と同様な部分には同じ符号を付し
て説明を省略する。この実施例では、第1の実施例と同
様に、厚膜樹脂層12により形成されるピット13の側
壁を外側に向けて凸となる丸みを帯びたテーパー状と
し、参考例で説明したような保護層14を設けたもので
ある。このようにピットの内壁を丸みを持たせたテーパ
ー状とし、さらに、保護層を用いることにより、キャビ
テーションダメージの集中を防止するとともに、ヒータ
ー保護層とピット層の界面を保護することができ、ヒー
ター部の長寿命化を図ることができる。
【0017】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
によれば、ピットの側壁を外側に向けて凸となる丸みを
帯びたテーパー形状にすることによりキャビテーション
ダメージの集中を防ぎ、また、実験的に確かめられたキ
ャビテーションダメージに弱い部分であるヒーターの上
部と厚膜樹脂層との界面に保護層を設けることにより、
界面を保護し、ヘッドの長寿命化を図ることができると
いう効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のサーマルインクジェット記録ヘッド
の第1の実施例のノズル部近傍の断面図である。
【図2】 本発明のサーマルインクジェット記録ヘッド
の参考例のノズル部近傍の断面図である。
【図3】 本発明のサーマルインクジェット記録ヘッド
の第2の実施例のノズル部近傍の断面図である。
【図4】 従来のサーマルインクジェット記録ヘッドの
ノズル部近傍の断面図である。
【図5】 図1のピットの内壁の一部の断面図である。
【符号の説明】
1…チャネル基板、2…ヒーター基板、3…インク流
路、4…ノズル、5…蓄熱層、6…ヒーター層、7…共
通電極、8…アドレス電極、9,10…ヒーター保護
層、11…電極保護層、12…厚膜樹脂層、13…ピッ
ト、14…保護層。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 弥勒 美彦 神奈川県海老名市本郷2274番地 富士ゼ ロックス株式会社 海老名事業所内 (72)発明者 池田 宏 神奈川県海老名市本郷2274番地 富士ゼ ロックス株式会社 海老名事業所内 (72)発明者 田端 伸司 神奈川県海老名市本郷2274番地 富士ゼ ロックス株式会社 海老名事業所内 (72)発明者 小竹 直志 神奈川県海老名市本郷2274番地 富士ゼ ロックス株式会社 海老名事業所内 (72)発明者 三澤 誠 神奈川県海老名市本郷2274番地 富士ゼ ロックス株式会社 海老名事業所内 (56)参考文献 特開 平2−162051(JP,A) 特開 昭60−137663(JP,A) 特開 昭59−194866(JP,A) 特開 平3−81155(JP,A) 特開 平2−95860(JP,A) 特開 平1−255551(JP,A) 特開 平1−202457(JP,A) 特開 平4−211960(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B41J 2/05

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 厚膜樹脂層により気泡の発生領域を規定
    する凹部が形成され、該凹部の底部にヒーターを有する
    サーマルインクジェット記録ヘッドにおいて、前記凹部
    の側壁が前記凹部の外側に向けて凸となる丸みを帯びた
    テーパー状であることを特徴とするサーマルインクジェ
    ット記録ヘッド。
  2. 【請求項2】 前記ヒーターの上部を含め前記凹部の内
    面が保護層で覆われていることを特徴とする請求項1に
    記載のサーマルインクジェット記録ヘッド。
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