JP2956700B2 - 原子炉保護装置 - Google Patents

原子炉保護装置

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JP2956700B2
JP2956700B2 JP10244685A JP24468598A JP2956700B2 JP 2956700 B2 JP2956700 B2 JP 2956700B2 JP 10244685 A JP10244685 A JP 10244685A JP 24468598 A JP24468598 A JP 24468598A JP 2956700 B2 JP2956700 B2 JP 2956700B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、原子炉安全保護装置に
係り、特にプラント現場側と中央制御室側間の信号の伝
送手段を有する原子炉安全保護装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】原子炉安全保護装置は、原子炉の安全性
を確保するために、異常な過渡状態が発生する可能性が
ある場合に原子炉を緊急停止するシステムである。この
ために、プラントの状態を検出するためのセンサが複数
個設置されている。例えば、特開昭61−118801号公報
は、これらの複数のセンサからの信号を多重化された信
号プロセッサに(信号処理装置)取り込み、センサの出
力信号がある基準値を越えている場合には原子炉を緊急
停止させるためのトリップ信号を信号プロセッサから現
場に出力することが論じられている。
【0003】また、複数のセンサから1つの信号処理装
置への信号の伝送は、特開昭58−129697号公報の第2図
に示すように光フアイバ等を用いた多重伝送路により行
うことが知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前述の原子炉安全保護
装置においても、複数のセンサから1つの信号処理装置
への信号の伝送に、更に複数の信号処理装置から1つの
被制御対象機器を制御する駆動回路への信号の伝送に、
特開昭58−129697号公報に示すような多重伝送路を使用
することが考えられる。これによって、信号伝送に必要
なケーブルの本数を著しく低減できる。しかしながら、
本発明者等は、このような構成において信号伝送に時間
がかかり被制御対象機器が所定時間内に動作しない可能
性があることを発見した。
【0005】上記従来例においては、プラント現場側に
設置する複数のセンサと中央制御室側に設置する信号プ
ロセッサ間の信号は個別伝送となっている。また、原子
炉を緊急停止させるために上記プロセッサから出力する
トリップ信号も個別伝送となっている。このように、従
来例では、プラント現場側と制御室側間の信号の授受は
個別伝送となっているので、ケーブル本数が多く、ケー
ブル敷設コストが高いという問題があった。
【0006】本発明の目的は、原子炉のスクラムを規定
時間内に行い、かつケーブル敷設コストを低減し、更に
原子炉の安全性、および稼働率を容易により一層向上さ
せることができる原子炉安全保護装置を提供することに
ある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の本発明の特徴は、原子炉の状態を示すアナログ量を検
出する複数台のアナログセンサと、前記原子炉の状態を
オン・オフで検出する複数台のディジタルセンサと、前
記アナログセンサで検出したアナログ信号を多重伝送す
る多重伝送手段と、前記ディジタルセンサで検出したオ
ンオフ信号を個別伝送する第1個別伝送手段と、前記多
重伝送手段を介して伝送されてくる前記アナログ信号が
基準値を越えているときにトリップ信号を出力するトリ
ップ手段、及び前記トリップ手段が出力する前記トリッ
プ信号と前記第1個別伝送手段を介して伝送されてくる
前記オンオフ信号とに基づいて論理演算を行いスクラム
信号を出力する論理手段を有し、前記スクラム信号を出
力する複数台の信号処理手段と、前記論理演算に用いる
信号を非スクラム信号にする第1バイパス手段と、前記
複数台の信号処理手段毎に前記スクラム信号をそれぞれ
個別伝送する第2個別伝送手段と、前記第2個別伝送手
段を介して伝送されてくる前記スクラム信号の多数決演
算を行い、前記原子炉をスクラムさせる駆動手段と、前
記信号処理手段と前記駆動手段との間に設けられ、前記
信号処理手段の出力信号の代りに非スクラム信号を前記
駆動手段に与える第2バイパス手段とを備えたことにあ
る。
【0008】
【作用】本発明によれば、アナログセンサで検出したア
ナログ信号を多重伝送し、かつディジタルセンサで検出
したオンオフ信号を個別伝送するとともに、信号処理手
段から出力されたスクラム信号を個別伝送することによ
り、応答時間を短くできるため、原子炉のスクラムを規
定時間内に行うことができる。更に、センサが設置され
るプラント現場側と信号処理手段が設置される中央制御
室側とを結ぶ伝送ケーブルの本数を必要最小限とするこ
とができるため、ケーブル敷設コストを低減することが
できる。 また、論理演算に用いる信号を非スクラム信号
にする第1バイパス手段を備えたことにより、センサや
多重伝送手段が故障した場合の修理或いは保守の際に、
論理演算に用いる信号を非スクラム信号にすることがで
き、修理或いは保守による原子炉のスクラムを避けるこ
とができる。加えて、信号処理手段の出力信号の代りに
非スクラム信号を駆動手段に与える第2バイパス手段を
備えたことにより、センサ,多重伝送手段,個別伝送手
段、或いは信号処理手段が故障した場合の修理或いは保
守の際に、信号処理手段から出力されるスクラム信号に
代えて非スクラム信号を駆動手段に与えることができ、
修理或いは保守による原子炉のスクラムを避けることが
できる。従って、原子炉の安全性、および稼働率を容易
により一層向上させることができる。
【0009】
【実施例】以下、本発明の好適な一実施例である原子炉
安全保護装置を図面を用いて説明する。各図面において
同一の符号を付した構成は、同じ構成を示す。原子炉安
全保護装置は、特開昭61−118801号公報に記載されてい
るように複数の信号処理系統を有している。本実施例
も、上記公知例と同様に複数の信号処理系統を有してい
る。
【0010】図1は本発明の好適な一実施例である原子
炉安全保護装置を示している。本実施例は、信号処理系
統として4つの信号処理系統A〜Dを有しているが、し
かし、これは一例であり、他の複数の信号処理装置から
成っていてもよい。
【0011】原子炉安全保護装置において、プラント現
場側に設置するセンサは、原子炉水位,原子炉圧力など
のアナログ値を検出するアナログ用センサ(SA1a〜S
ka,SD1a〜SDka)とタービン停止弁の状態を監視
するリミットスイッチなどのディジタル用センサ(SA
1d〜SAkd,SD1d〜SDkd)がある。原子炉安全保護
装置はこれらのセンサの出力信号がある基準値を越えた
ときに原子炉を緊急停止させるが、その応答時間は原子
炉の安全性を確保するために図2に示すように規定され
ている。図2は、図1の信号処理系統Aを例にとって示
しているが、他の信号処理系統についても同様である。
【0012】アナログ用センサ(SA1a〜SAka)の出
力信号は、検出対象に設置したセンサが応答し、その出
力信号がある基準値を越えているか否かをトリップ回路
9Aで判定し、その結果を出力するまでの規定時間は、
検出対象によって異なる。例えば、図2に示すように、
原子炉水位についてはその規定時間は1S以内であり、
原子炉圧力についは規定時間は0.5S 以内である。そ
して、このトリップ回路9Aからの出力信号が出力され
て、論理回路10Aによって論理演算がとられ、この論
理回路の出力でプラント現場側に設置された駆動回路6
A内のスイッチング素子を動作させるまでの時間は50
ms以内と規定されている。
【0013】一方、ディジタル用センサについては、図
2のように、ディジタル用センサSA1dが動作して論理
回路10Aによって論理演算がとられ、かつ駆動回路6
A内のスイッチング素子が動作するまでの時間は50m
s以内と規定されている。以上のように、原子炉安全保
護装置においては、各々のセンサに対し、その出力信号
で原子炉を緊急停止させるときの応答時間が異なってい
るが、ディジタル用センサの出力に対する応答時間50
msと最も厳しいことが分かる。従って、原子炉安全保
護装置において、プラント現場側と中央制御室側間の信
号伝送ケーブルを最小とするために設ける多重伝送につ
いては十分な検討が必要となってくる。そこで、ディジ
タル用センサの出力信号に関し各要素回路の処理時間及
び多重伝送手段の処理時間を評価して、最適な多重伝送
構成を決定することにする。原子炉安全保護装置におい
て、図2に示す駆動回路のスイッチング素子は、複数の
スクラム電磁弁VA1〜VAiを駆動するために大容量のリ
レーであり、その応答時間は10〜20ms程度であ
る。また、論理回路10Aはリレー回路によって構成さ
れており、その応答時間は5〜10ms程度である。従
って、論理回路10Aの入力に信号が印加されてから駆
動回路6A内のスイッチング素子が動作するまでの時間
は最大30ms程度になっている。この状態で、プラン
ト現場側のセンサからの信号を多重伝送し、かつ中央制
御室側の論理回路からの出力信号も多重伝送したとする
と、各々の多重伝送装置の伝送周期は、取扱う信号点数
によっても異なるが、原子炉安全保護装置のように信号
点数が数十点あると約10msと評価してよい。ただ
し、伝送モジュールとして数Mbps〜数十Mbpsのものが
あるが、入力データを取り込んでこれを伝送モジュール
に転送してこれを伝送すると、現状の装置では、10m
s程度である(なかには、もっと高速の多重伝送装置も
あるが高価である)。従って、プラント現場側と中央制
御室側間の伝送信号をすべて多重伝送すると、その伝送
周期は20ms程度になり、ディジタル用センサSA1d
から出力信号が出力されてから駆動回路6A内のスイッ
チング素子が動作するまでの時間は50ms程度にな
る。つまり、この応答時間は規定時間50msと同一で
あり、このような構成では装置あるいはスイッチング素
子の特性のバラツキにより、上記応答時間が規定時間5
0msに入らない可能性も発生する。従って、原子炉安
全保護装置においては、プラント現場側と中央制御室側
間の信号伝送については、すべての信号を多重伝送する
と問題がある。
【0014】ところで、プラント現場側と中央制御室側
間の信号の点数を評価すると、プラント現場側から中央
制御室側に伝送する信号の点数は、アナログ用センサ及
びディジタル用センサの数だけあり数十点にも及ぶ。一
方、中央制御室側からプラント現場側に伝送する信号
は、図2に示す論理回路10Aから出力する信号のみで
ある。従って、この論理回路10Aから出力する信号の
多重伝送を個別伝送で実現すれば、前述したディジタル
用センサの出力信号に対する応答時間は40ms程度に
することができる。なぜならば、個別伝送の場合には、
データを取り込んで伝送モジュールに転送する必要はな
く、論理回路10Aの出力で直接駆動回路内のスイッチ
ング素子を駆動するので、その応答時間は無視できる程
短い。
【0015】ところで、論理回路10Aからの出力信号
は、図1に示すように、他の系統(系統B,C…図示し
ていない、及び系統D)の駆動回路に出力するので、こ
の場合には、その点数は4つになる。つまり、これを個
別の伝送ケーブルにて伝送させても、ケーブル本数はわ
ずか4本であり、本数的には問題とはならない。また、
この4つのケーブルとセンサから出力する信号を多重伝
送するケーブルを1本の多芯ケーブルで構成すれば、プ
ラント現場側と中央制御室側間の伝送ケーブルは1本で
あり、このケーブルを敷設するためのコストは従来の方
式より低くできる。また、この多芯ケーブルを光の多芯
ケーブルあるいは、光ケーブルとメタルケーブルが複合
した複合ケーブルで構成すれば、ケーブルが軽量になり
ケーブル敷設が容易になる。なお、プラント現場側と中
央制御室側間の信号を複合ケーブルで伝送する場合に
は、多重伝送する信号を光ケーブルで伝送し、個別伝送
する信号をメタルケーブルで伝送することにする。なぜ
ならば、多重伝送する場合には、伝送帯域の広い伝送ケ
ーブルを使用する必要があるためである。
【0016】以上述べた理由により、プラント現場側と
中央制御室側間の信号の伝送については、図1に示すよ
うに、アナログ用センサSA1a〜SAka及びディジタル
用センサSA1d〜SAjdの出力信号を多重伝送し、信号
処理装置4A、詳しくは、信号処理装置4A内の論理回
路10Aから出力するトリップ信号aを個別伝送するよ
うに構成した。この結果、ディジタル用センサSA1d
SAjdが出力信号を出力して駆動回路6Aが動作するま
での応答時間は40ms程にすることができ、規定時間
50msを満足する。すなわち、原子炉が制御棒を全挿
入すべき状態になったときに、センサが信号を出力して
被制御対象機器である駆動回路6Aが動作するまでの応
答時間は、所定時間(50ms)以内、具体的には40
msに短縮できる。このため、制御棒を短時間で炉心内
に緊急挿入することができる。つまり、原子炉の安全性
を確保した状態で、原子炉安全保護装置におけるプラン
ト現場側と中央制御室側間の伝送ケーブル本数を最小に
することができる。図1の多重伝送装置の送信回路1A
はプラント現場に設置するアナログ用センサSA1a〜S
ka及びディジタル用センサSA1d〜SAjdからの出力
信号を取り込み、これらの信号を多重化して多重伝送用
ケーブル2Aによって中央制御室側に設置する多重伝送
装置の受信回路3Aに伝送する。受信回路3Aは、アナ
ログ用センサSA1a〜SAkaからの信号についてはトリ
ップ回路9Aに信号を出力し、ディジタル用センサSA
1d〜SAjdからの信号については、論理回路10Aに出
力する。トリップ回路9Aは入力の信号毎にその値が基
準値を越えているか否かを判定し、越えている場合には
原子炉を緊急停止させるための信号を論理回路10Aに
出力する。論理回路10Aは入力信号のうちいずれかが
原子炉をスクラムさせるべき信号が入力されていれば、
駆動回路を動作させるためのトリップ信号aを出力す
る。トリップ信号aは、上述したように個別伝送手段と
して、論理回路10Aから各信号処理系統(系統A〜系統
D)の駆動回路に出力される。駆動回路6Aは、各系統
の信号処理装置4A〜4B、詳細には信号処理装置内の
論理回路10A〜10Dからのトリップ信号a〜dの多
数決をとってスクラム電磁弁DA1〜DAiの励磁コイルを
駆動する。7A,8Aは電圧電源である。図1の例では
2つの独立した励磁コイルを持つスクラム電磁弁を例と
して示しているが、これは、励磁コイルが1つのスクラ
ム電磁弁であってもよい。現行の沸騰水型原子炉では駆
動回路6Aは図9のような1アウトオブ2ツワイスの構
成であるが、必ずしもこれに限定されることはなく、例
えば、原子力ハンドブック(昭和51年11月30日,
第1版第1刷発行)のP264の表9.6 に記載されて
いる各種の多数決回路が適用できることは言うまでもな
いことである。
【0017】さらに、信号処理装置4Aの論理回路10
Aは現行の沸騰水型原子炉ではリレー回路による論理が
組まれているが、従来例の特開昭61−118801号公報のよ
うに、この論理回路そのものあるいは信号処理装置がマ
イクロプロセッサで構成されている場合についても本発
明はそのまま適用できる。なぜならば、例えば信号処理
装置4をマイクロプロセッサで構成した場合、その特性
として、信号処理が一定周期毎に実行される。このた
め、受信回路3Aが受信信号をマイクロプロセッサで構
成された信号処理装置4Aに出力したときに、この信号
処理装置4Aがタイミングよくその信号を取り込む保証
がない。例えば、受信回路3Aが新たな信号(例えば原
子炉を緊急停止させるべき信号)を出力する前にこの信
号処理装置4Aが受信回路3Aから出力信号の取り込み
を完了したとすれば、この信号処理装置4Aがこの新た
な信号を取り込むのは次の信号処理周期のときであり、
その後、さらにこの信号を取り込んで演算処理した結果
(トリップ信号a)を出力するまでの処理時間が必要と
なる。つまり、最大、信号処理周期の2倍の時間がかか
ってしまうことになる。一般にマイクロプロセッサの信
号処理周期は、信号処理内容にもよるが、トリップ回路
と論理回路の機能であれば、数ms程度になると考えら
れる。仮に、信号処理周期が5msであるとすると、上
記の場合は10msの処理時間になる。前述したように
1A,2A,3Aから成る多重伝送装置の処理時間が1
0ms程度であるので、この場合ディジタル用センサS
1d〜SAjdが信号を出力してトリップ信号aが出るま
での時間は20msとなる。そして、駆動回路の動作時
間は20ms程度であるので、合計で40ms程度であ
り、規定時間50msを満足する。このように、信号処
理装置4Aがマイクロプロセッサで構成される場合でも
本発明は効果的に適用できる。なお、系統Dの各要素回
路については、系統Aと同一である。
【0018】図3は、原子炉安全保護装置におけるプラ
ント現場側と中央制御室側間の伝送ケーブルの本数を最
小にするという目的に対し、図1に示した信号対象とは
異なる部分についての実施例である。原子炉安全保護装
置には、プラント現場側のセンサの出力レベルがある基
準値を越えている場合に原子炉を緊急停止させる機能の
外に、運転員の手動操作により、原子炉をスクラムさせ
る機能と1本ずつ制御棒を緊急挿入させる機能がある。
手動操作により原子炉をスクラムさせる機能は、図1
(あるいは図3)の信号処理装置4A〜4Dに組み込ま
れている。しかし制御棒1本ずつを緊急挿入させる機能
は、この信号処理装置には組み込まれていない。この機
能は図3のスイッチ群14A(中央制御室側に設置)の
該当スイッチを選択することによって達成できるが、従
来は、このスイッチ群14Aの信号がプラント現場側の
スクラム電磁弁VA1〜VAiにそれぞれ個別伝送されてい
た。この個別制御棒緊急挿入に関しては、その応答時間
が前述のような短時間で動作しなければならないという
規定はない。このため、この個別制御棒緊急挿入に関
し、図3のように中央制御室側とプラント現場側を多重
伝送することにした。中央制御室側に設置されるスイッ
チ群14Aの信号を送信回路12Aで取り込み、これら
の信号を多重化してプラント現場側の受信回路11Aに
送信する。受信回路11Aの出力信号は、スクラム電磁
弁VA1〜VAiをそれぞれ動作させるために設けられるス
イッチング回路13A11〜13Ai1,13Ai2に与えら
れる。つまり、受信回路11Aは受信した伝送信号のな
かから、ある制御棒を緊急挿入せよという指令を検出し
て、該当するスイッチング回路13A11,13A12〜13
i1,13Ai2を駆動する。
【0019】さて、情報を多重伝送する場合には、伝送
符号誤りが発生することは周知のことであるが、上述の
場合に、伝送符号誤りの発生により、受信回路11Aで
受信した信号が特定制御棒の緊急挿入指令である可能性
がある。この結果、受信回路11Aは該当する制御棒を
緊急挿入させるべくスイッチ回路13A11,13A12
13Ai1,13Ai2のうち特定のスイッチ回路に信号を
与えてスクラム電磁弁を動作させてしまう。原子炉の通
常運転時にある制御棒1本が緊急挿入されると、原子炉
の出力に部分的なピーキングが発生し、これによって原
子炉をスクラムさせてしまう可能性がある。つまり、上
記の伝送符号誤りによって原子炉がスクラムし、稼働率
が低下する可能性がある。このような問題が発生しない
様にするために、上記の多重伝送手段には、伝送符号誤
りに対する対策が必要である。その具体的手段として、
符号誤りチェック機能(例えばパリテイチェック)を受
信回路11Aに持たせ、符号誤りが発生していることを
受信回路11Aで検出した場合には、送信回路12Aに
再送要求信号を伝送し、送信回路12Aを再び信号を多
重伝送する手段を設けることにする。この外の例として
は、伝送符号誤り訂正機能をこの多重伝送手段に備える
ことにする。これは、送信回路12Aがスイッチ群14
Aからの信号を取り込み、これらの信号に冗長化符号を
付けて受信回路11Aに伝送する。受信回路11Aは、
冗長化符号のビットパターンによって伝送符号誤りが発
生している情報を訂正することにより、正しい信号をス
イッチ回路13A11,13A12〜13Ai1,13Ai2
出力することができる。
【0020】これ以外の方法としては、図4のように多
重伝送手段を冗長化し、各々の受信回路の出力の多数決
判定(二重系の場合には論理積)をとって、個別制御棒
の誤挿入を防止する手段がある。図4は二重系の場合で
あり、受信回路11A1 ,11A2 の出力信号をAND
ゲート151〜15iで論理積をとり、この出力でスイッ
チング回路13A11,13A12,13Ai1,13Ai2
制御する。
【0021】以上述べたように、本実施例によれば、個
別制御棒が誤って緊急挿入することなく、単一制御棒緊
急挿入系に関して、中央制御室側とプラント現場側間の
伝送ケーブルを多重伝送手段によって必要最小限にする
ことができる。
【0022】図3は系統Aを例として示したが、他の系
統B〜Dについても同様である。
【0023】図5は、図1と図3のそれぞれの実施例を
共に実施した場合の例である。この実施例においては、
図1の特長及び図3の特長があるばかりか、さらに、プ
ラント現場側と中央制御室側間の伝送ケーブルを1本の
多芯ケーブル又は複合ケーブルにすることにより、原子
炉安全保護装置全体における伝送ケーブルの敷設コスト
を低減できる効果がある。
【0024】図6は、本発明における他の実施例であ
る。前述したように、原子炉保護系に多重伝送を適用す
るにあたってのシステムの応答時間に関しては、リード
スイッチ等からのディジタル信号についての応答時間が
最も厳しい。そこで、このディジタル信号の伝送に着目
し、システム全体の応答時間を満足できる他の手段が図
6である。プラント現場側に設置するディジタル用セン
サSA1d〜SAjdの点数は他のセンサの数よりも少な
い。従って、このセンサの出力信号を図1で説明した考
えと同様に個別伝送としても、これらのケーブルを多芯
ケーブルあるいは複合ケーブルにすればケーブル敷設コ
ストは高くならない。しかも、これらの信号を個別伝送
することにより、図1の実施例よりも、応答時間をさら
に短くすることができる効果がある。
【0025】図7は、図6において、信号処理装置4A
からの出力信号を、単一制御棒緊急用のスイッチ群14
Aからの出力信号と一緒に多重伝送させた場合の実施例
であり、この場合、信号処理装置4Aから他系にトリッ
プ信号を出力するのではなく、プラント現場等の受信回
路11Aから他系へトリップ信号を出力するのが適切で
ある。なぜなら、図6において、中央制御室側からプラ
ント現場側に伝送している信号をそのまま多重伝送しよ
うとすると、系統A内の多重伝送と、系統Aから系統
B,C,Dへトリップ信号を伝送する部分がそれぞれ多
重伝送となってしまう。しかしながら、系統Aから系統
B,C,Dに出力するトリップ信号は1点のみであり、
これらの信号に多重伝送手段を用いたのでは高価になり
すぎる。そこで、トリップ信号については送信回路12
Aによって、スイッチ群14Aの出力信号と共にプラン
ト現場側の受信回路11Aに送信し、受信回路11A
で、トリップ信号を他系統の駆動回路に分配することに
した。これによって中央制御室側からプラント現場側に
信号を伝送する多重伝送手段を最小にできる。また、こ
の場合の応答時間については、図1と同様、信号処理装
置4A内の論理回路10Aの処理時間が10ms程度で、
上記多重伝送手段が5ms程度であり、この両者間のデ
ータの授受のタイミングが最悪となる場合を考えると、
伝送時間は上記5msの2倍の10ms程度になる。ま
た、駆動回路の応答時間は20ms程度であり、合計3
5ms程度であり、現定時間50msよりも短い。つま
り、多重伝送手段による伝送時間が、論理回路の処理時
間よりも短い場合には、論理回路の後段に多重伝送手段
を設けた方がシステムの応答時間を短くできる効果があ
る。逆に、多重伝送手段の伝送時間の方が論理回路の処
理時間より長い場合には、論理回路の前段に多重伝送手
段を設けた方がシステムの応答時間を短くできる効果が
ある。この場合には、図1の実施例が適用できる。
【0026】なお、図6において、単一制御棒緊急挿入
用として設けた中央制御室側とプラント現場側間の多重
伝送手段を個別伝送手段によって実現してもよい。
【0027】さて、多重伝送手段及び個別伝送手段とも
他の装置と同様、信頼性は高いものの、やはり故障する
ことがある。このため、保守あるいは故障時の修理が発
生する。保守あるいは修理時には、保守あるいは修理し
ている装置からの信号によってシステムが動作するので
は原子炉の安全性あるいは稼働率の点で問題である。そ
こで、このような場合には、図8のように、バイパスス
イッチ16A1 〜16AAj,18Aによって多重伝送手
段及び個別伝送手段の出力側を強制的に特定の論理信号
を出力する手段を設けることによって、上記問題を解決
できる。原子炉安全保護装置の場合、信号喪失(論理的
には“0”)時に動作するよう安全側設計となっている
ため、上記の論理信号は、図8のように電源17A1
17Aj,19Aによる論理“1”の信号とすることがよ
い。なお、図8は、図1の系統Aの多重伝送手段(1
A,2A,3A)と個別伝送手段(4Aの出力段,5
A)を例として示しているが、他実施例についても同様
である。
【0028】ところで、駆動回路内スイッチング素子
は、これまでの例では大容量のリレーであったが、これ
を大容量の双方向性サイリスタのような半導体素子とす
れば、原子炉安全保護装置全体の応答時間をさらに短く
することができる。
【0029】
【発明の効果】以上述べたように本発明によれば、原子
炉のスクラムを規定時間内に行うことができ、かつケー
ブル敷設コストを低減することができる。また、原子炉
の安全性、および稼働率を容易により一層向上させるこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の好適な一実施例の構成図である。
【図2】原子炉安全保護装置に要求される応答時間を示
した説明図である。
【図3】本発明の他の実施例の構成図である。
【図4】本発明の他の実施例の構成図である。
【図5】本発明の他の実施例の構成図である。
【図6】本発明の他の実施例の構成図である。
【図7】本発明の他の実施例の構成図である。
【図8】本発明の他の実施例の構成図である。
【図9】駆動回路の構成例を示す説明図である。
【符号の説明】
SA1a〜SAka,SD1a〜SDka…アナログ用センサ、
SA1d〜SAjd,SD1d〜SDjd…ディジタル用センサ、
1A〜1D,11A…受信回路、2A〜2D…多重伝送
用ケーブル、3A〜3D,12A…送信回路、4A〜4
D…信号処理装置、5A〜5D…個別伝送用ケーブル、
6A〜6D…駆動回路。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭60−108794(JP,A) 特開 昭61−204591(JP,A) 特開 昭63−3295(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G21C 17/00 G21C 7/36 G21D 3/04

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】原子炉の状態を示すアナログ量を検出する
    複数台のアナログセンサと、 前記原子炉の状態をオン・オフで検出する複数台のディ
    ジタルセンサと、 前記アナログセンサで検出したアナログ信号を多重伝送
    する多重伝送手段と、 前記ディジタルセンサで検出したオンオフ信号を個別伝
    送する第1個別伝送手段と、 前記多重伝送手段を介して伝送されてくる前記アナログ
    信号が基準値を越えているときにトリップ信号を出力す
    るトリップ手段、及び前記トリップ手段が出力する前記
    トリップ信号と前記第1個別伝送手段を介して伝送され
    てくる前記オンオフ信号とに基づいて論理演算を行いス
    クラム信号を出力する論理手段を有し、前記スクラム信
    号を出力する複数台の信号処理手段と、 前記論理演算に用いる信号を非スクラム信号にする第1
    バイパス手段と、 前記複数台の信号処理手段毎に前記スクラム信号をそれ
    ぞれ個別伝送する第2個別伝送手段と、 前記第2個別伝送手段を介して伝送されてくる前記スク
    ラム信号の多数決演算を行い、前記原子炉をスクラムさ
    せる駆動手段と、 前記信号処理手段と前記駆動手段との間に設けられ、前
    記信号処理手段の出力信号の代りに非スクラム信号を前
    記駆動手段に与える第2バイパス手段とを備えたことを
    特徴とする 原子炉安全保護装置。
  2. 【請求項2】原子炉の同一の状態量を検出するセンサを
    それぞれに有する4つのアナログセンサ群と、 前記原子炉の同一の状態をオン・オフで検出するセンサ
    をそれぞれに有する4つのディジタルセンサ群と、 前記4つのアナログセンサ群で検出したアナログ信号を
    1つのアナログセンサ群毎にそれぞれ多重伝送する4つ
    の多重伝送手段と、 前記4つのディジタルセンサ群で検出したオンオフ信号
    を個別伝送する第1個別伝送手段と、 前記多重伝送手段を介して伝送されてくる前記アナログ
    信号が基準値を越えているときにトリップ信号を出力す
    るトリップ手段、及び前記トリップ手段が出力する前記
    トリップ信号と前記第1個別伝送手段を介して伝送され
    てくる前記オンオフ信号とに基づいて論理演算を行いス
    クラム信号を出力する論理手段を有し、前記スクラム信
    号を出力する4台の信号処理手段と、 前記論理演算に用いる信号を非スクラム信号にする第1
    バイパス手段と、 前記4台の信号処理手段毎に前記スクラム信号をそれぞ
    れ個別伝送する4つの第2個別伝送手段と、 前記4つの第2個別伝送手段を介して伝送されてくる前
    記スクラム信号の多数決演算を行い、前記原子炉をスク
    ラムさせる駆動手段と、 前記信号処理手段と前記駆動手段との間に設けられ、前
    記信号処理手段の出力信号の代りに非スクラム信号を前
    記駆動手段に与える第2バイパス手段とを備えたことを
    特徴とする 原子炉安全保護装置。
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