JP2956592B2

JP2956592B2 - パネル体

Info

Publication number: JP2956592B2
Application number: JP8164491A
Authority: JP
Inventors: 悟中木; 歩男坂田
Original assignee: Sankyo Tateyama Inc
Current assignee: Sankyo Tateyama Inc
Priority date: 1996-06-25
Filing date: 1996-06-25
Publication date: 1999-10-04
Anticipated expiration: 2016-06-25
Also published as: JPH108780A

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、塀等の柵状構造物
として用いられるパネル体に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、例えば敷地に塀を立設する場合、
コンクリート、或いはコンクリートブロック等を用いて
湿式工法により行われることが多かった。このような湿
式工法は人手を多く必要とし、施工期間も長くかかるこ
とから、人手および施工技術を多く必要とせずしかも施
工期間が短い工法の提供が望まれている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】本出願人は上記要望に
応えて、湿式工法を用いないで、布基礎上に立設した塀
支柱に塀パネルを取り付けて形成する塀構造物の発明を
したが、この発明の過程で塀支柱に塀パネルを取り付け
るには、その取付固定と位置調整に多くの人手と技術が
必要であり、この取付手段の簡便化が新たな塀構造物開
発の重要な鍵となることが解った。

【０００４】そこで、本発明の課題は、複数のパネルを
柱に取り付ける場合に複数のパネルの柱への固定及び位
置調整が容易に行えるパネル体を提供することにある。
なお、本発明のパネル体を構成するパネル取付具と比較
的近い構造の固定具が実開平３−４８０３５号公報に記
載されている。しかし、この技術は１つの幕板を壁に固
着するものであり、基本的に本発明と全く相違するもの
である。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記課題達成の解決手段
として、請求項１記載のパネル体は、柱と柱に取り付け
る上下複数段のパネルと上部パネルを載置してその上下
位置を決める受け具と、下部パネルを柱に押し付ける押
え具と、受け具と押え具を重ね合わせて柱に固定する固
定具を備え、受け具と押え具のそれぞれに設けた固定具
挿通用孔の少なくとも一方を長孔としたことを特徴とす
る。

【０００６】請求項２記載のパネル体は、請求項１記載
の手段に加えて、受け具は上部パネルを載置する受け部
を有し、上部パネルには当該受け部と柱の間に位置し上
部パネルが柱から離脱するのを防止する係止部を設けた
ことを特徴とする。

【０００７】請求項３記載のパネル体は、請求項１また
は２記載の手段に加えて、押え具は固定具挿通用孔を備
えた基板部と下部パネルの見付け面を押圧する押え部を
有し、基板部と押え部の間に柱側に開口する溝を有する
ことを特徴とする。

【０００８】請求項４記載のパネル体は、請求項１〜３
のいずれかに記載の手段に加えて、柱には受け具の幅と
略同一幅の凹部を設け、押え具の柱側に配置した受け具
を凹部に係合したことを特徴とする。

【０００９】

【発明の実施の態様】

（パネル体全体について）図１〜４に記載の実施例は、
本発明を上部にフェンス本体１を取り付けた塀構造物に
適用したもので、塀用のパネル２・・を布基礎７上に立
設した塀支柱３・・の側面に取り付けるものであり、フ
ェンス本体１・・はそれぞれ塀支柱３・・の上部に連結
・固定されたフェンス支柱４・・に取り付ける。各塀支
柱３・・は、図４に示すように外形状が水平断面におい
て方形状で略Ｃ形状に形成し、その内部に角パイプ形状
のフェンス支柱４を挿入してボルト９により連結する。

【００１０】各塀支柱３・・のパネル取付具Ａのパネル
取付部３ａには、パネル取付具Ａの受け具６の水平幅と
略同一水平幅で上下方向に溝状となっている凹部３ｂを
設け、この凹部３ｂに後述のパネル取付具Ａの受け具６
を嵌合して取り付ける。各パネル２・・は横長の長方形
状に形成し、塀支柱３・・の両側面に上下に平行に取り
付ける。そしてこのパネル２・・の取り付けにパネル取
付具Ａを用いる。

【００１１】なお、図３に示すように、パネル２・・の
上部には笠木１０を設け、下部には水切り８を布基礎７
上に載置して取り付ける。この取付に当たってはパネル
２・・の取付と同様にパネル取付具Ａを用いるとよい。
この場合パネル取付具Ａの押え具５により水切り８を塀
支柱３・・に押圧・固定する。

【００１２】（パネル取付具Ａの構成について）次に、
本実施例の主要部を構成するパネル取付具Ａについて説
明する。布基礎７上に一定間隔で立設する見込幅の比較
的小さい塀支柱３・・に、その見込み方向両面に形成し
たパネル取付部３ａ、３ａにパネル２を上下２段に固定
する。パネル取付具Ａは、上下２段のパネル２ｂ、２ａ
を固定するものである。

【００１３】パネル取付具Ａは、特に図５に示すように
それぞれ上下方向の固定具挿通用孔５ａ、６ａを穿設し
た押え部５ｂを有する押え具５と、受け部６ｃを有する
受け具６と、両固定具挿通用孔５ａ、６ａに共通に挿通
するボルト９とから構成する。

【００１４】押え具５は固定具挿通用孔５ａを備えた基
板部５ｃと下部パネル２ａの見付け面を押圧する押え部
５ｂを有し、基板部５ｃと押え部５ｂの間に柱側に開口
する溝５ｄを形成する。

【００１５】受け具６は縦長の長方形状に形成し、その
上方部は側面から視て二段のＬ型に湾曲させ、上部パネ
ル２ｂの下辺部の塀支柱側に設けた係止部２ｃを塀支柱
３側に押圧する係止当接部６ｂ及び下辺部に下方から当
接する受け部６ｃからなる。なお、図１において、上部
パネル２ｂの下部の塀支柱側に設けた係止部２ｃは塀支
柱３の側面と間隔を設けた構成として記載してあるが、
係止部２ｃが塀支柱３の見付け側側面に当接し受け具６
側の係止当接部６ｂの弾性により押圧状態であってもよ
い。このように構成することにより上部パネル２ｂの下
部が確実に受け具６により保持されることになる。両具
５、６はともに金属材を素材としているが、機械的強
度、耐久性、弾力性を満足するものであれば他の素材、
例えばプラスチックでもよい。

【００１６】（パネル体の作用について）上記構成によ
り、１．パネル取付具Ａの押え具５で下部パネル２ａの見付
け面の上端部を押さえ、受け具６で上部パネル２ｂの下
端部を係合・支持して位置決めする。固定具を構成する
ボルト９に対して、両具５、６を上下に相対的にまたは
一体的にスライドさせることにより両パネル２ａ、２ｂ
の位置調節を行なう。また、塀支柱３の埋込みに誤差が
あっても、この受け具６を凹部３ｂに沿って上下にスラ
イドして位置を変更させることで、パネル２・・を水平
に取付ける。

【００１７】２．受け具６で上部パネル２ｂの下端部を
支持するに当たり、受け具６の支持部分に設けた受け部
６ｃにより、上部パネル２ｂの上下方向の位置決めを一
層確実とするばかりでなく、上部パネル２ｂの見込み方
向の位置決を行わせる。３．更に、押え具５の押え部５ｂをパネル取付部側とは
反対方向に突出させて湾曲させ溝５ｄとすることで、押
え具５に一層大きい弾性を付与させ下部パネル２ａに対
する押圧作用を大きくする。

【００１８】４．また、塀支柱３に押え具５の水平幅と
略同一水平幅の凹部３ｂを設け、この凹部３ｂに受け具
６を介してパネル取付具Ａを取り付けることで、凹部３
ｂによりパネル取付具Ａの水平方向における位置決めを
行わせ、且つ凹部３ｂの壁面によりパネル取付具Ａを両
側から支持させて取付を容易にし、取付後のパネル取付
具Ａの姿勢を安定させる。

【００１９】なお、上記実施例では、押え具５と受け具
６とを固定具９に対して独立的に位置調節することも可
能である。また、既述のようにパネル取付具Ａの押え具
５は水切り８の取付にももちいる。

【００２０】

【発明の効果】本発明は、上記のように構成されている
ので下記の効果を奏する。１．請求項１に記載の発明によれば、押え具により下部
パネルを柱側に押圧させ、受け具により上部パネルを位
置決めさせることで、下部パネルが確実に固定され且つ
上部パネルが位置決めされるパネル体が容易に得られ
る。また、固定具挿通用孔の少なくとも一方を長孔とし
たことで、押え具と受け具との上下の相対位置を変更す
ることにより、上部パネルと下部パネルとの上下の間隔
を適宜設定できる。

【００２１】特に、柱の埋込みに誤差があっても、この
パネル取付具を用いてパネルを取り付けることにより、
誤差をパネル取付具による取付位置調整機能により吸収
させてパネルを取付けることができる。また、本発明に
よればパネルの厚さが違うものであってもこのパネル取
付具を用いて確実に取付及び位置決めが可能である。

【００２２】２．請求項２に記載の発明によれば、請求
項１に記載の発明の効果に加えて、上部パネルの係止部
を受け具と柱の間に位置させ上部パネルが柱から離脱す
るのを防止することで、上部パネルの上下方向の位置決
めが一層確実となるばかりでなく、見込み方向の位置決
めも可能となる。

【００２３】３．請求項３に記載の発明によれば、請求
項１または２記載の発明の効果に加えて、押え具に基板
部と押え部の間に柱側に開口する溝を形成することで、
押え具に大きい弾性を付与させ下部パネルに対する押圧
作用を大きくことができる。

【００２４】４．請求項４に記載の発明によれば、請求
項１〜３に記載のいずれか１つの発明の効果に加えて、
柱には受け具の幅と略同一幅の凹部を設け、受け具を凹
部に係合して両側から支持させたことで、取付時及び取
付後の受け具の姿勢を安定させることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施例の主要部の説明図。

【図２】同実施例の斜視図。

【図３】同施工例の縦断面図。

【図４】同施工例の横断面図。

【図５】同実施例のパネル取付具の全体斜視図（Ａ）と
受け具斜視図（Ｂ）。

【符号の説明】

Ａ・・・パネル取付具１・・・フェンス本体２・・・パネル２ａ・・・下部パネル２ｂ・・・上部パネル２ｃ・・・係止部３・・・塀支柱（柱）３ａ・・・パネル取付部３ｂ・・・凹部４・・・フェンス支柱５・・・押え具５ａ・・・固定具挿通用孔５ｂ・・・押え部５ｃ・・・基板部５ｄ・・・溝６・・・受け具６ａ・・・固定具挿通用孔６ｂ・・・係止当接部６ｃ・・・受け部７・・・布基礎８・・・水切り９・・・ボルト（固定具）１０・・笠木

Claims

(57)【特許請求の範囲】

【請求項１】柱と柱に取り付ける上下複数段のパネルと
上部パネルを載置してその上下位置を決める受け具と、
下部パネルを柱に押し付ける押え具と、受け具と押え具
を重ね合わせて柱に固定する固定具を備え、受け具と押
え具のそれぞれに設けた固定具挿通用孔の少なくとも一
方を長孔としたことを特徴とするパネル体。
【請求項２】受け具は上部パネルを載置する受け部を有
し、上部パネルには当該受け部と柱の間に位置し上部パ
ネルが柱から離脱するのを防止する係止部を設けたこと
を特徴とする請求項１記載のパネル体。
【請求項３】押え具は固定具挿通用孔を備えた基板部と
下部パネルの見付け面を押圧する押え部を有し、基板部
と押え部の間に柱側に開口する溝を有することを特徴と
する請求項１または請求項２記載のパネル体。
【請求項４】柱には受け具の幅と略同一幅の凹部を設
け、押え具の柱側に配置した受け具を凹部に係合したこ
とを特徴とする請求項１ないし３に記載のパネル体。