JP2956417B2 - 正特性サーミスタ発熱体の製造方法 - Google Patents
正特性サーミスタ発熱体の製造方法Info
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- JP2956417B2 JP2956417B2 JP13668493A JP13668493A JP2956417B2 JP 2956417 B2 JP2956417 B2 JP 2956417B2 JP 13668493 A JP13668493 A JP 13668493A JP 13668493 A JP13668493 A JP 13668493A JP 2956417 B2 JP2956417 B2 JP 2956417B2
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Description
【0001】本発明は、PTC素子と放熱フィンとの接
着力に優れ、かつ大きな発熱出力を発揮する正特性サー
ミスタ発熱体の製造方法に関するものである。
着力に優れ、かつ大きな発熱出力を発揮する正特性サー
ミスタ発熱体の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来技術】正特性サーミスタ発熱体は,図6,図7に
示すごとく,PTC素子(正特性サーミスタ素子)91
と,その両表面に面状に形成した第1電極8と,放熱フ
ィン931及び第2電極932を有する放熱部93とよ
りなる。放熱部93は,PTC素子91の両側に,絶縁
性接着剤7により接着されており,また上記第1電極8
と第2電極932とは電気的に接続されている。
示すごとく,PTC素子(正特性サーミスタ素子)91
と,その両表面に面状に形成した第1電極8と,放熱フ
ィン931及び第2電極932を有する放熱部93とよ
りなる。放熱部93は,PTC素子91の両側に,絶縁
性接着剤7により接着されており,また上記第1電極8
と第2電極932とは電気的に接続されている。
【0003】そして,上記PTC素子91の両側に設け
た放熱部93,93の間に,電流を印加することによ
り,PTC素子91を発熱させる。PTC素子91が発
生した熱は,第1電極8,第2電極931を介して放熱
部93の放熱フィン931より放熱され,1種のヒータ
として利用される。上記の,印加電流は,図7に示すご
とく,第2電極931と接触している第1電極8の凸部
81を介してのみPTC素子91に流れる。
た放熱部93,93の間に,電流を印加することによ
り,PTC素子91を発熱させる。PTC素子91が発
生した熱は,第1電極8,第2電極931を介して放熱
部93の放熱フィン931より放熱され,1種のヒータ
として利用される。上記の,印加電流は,図7に示すご
とく,第2電極931と接触している第1電極8の凸部
81を介してのみPTC素子91に流れる。
【0004】また,上記第1電極8は,凹凸状表面を有
している。これは,上記のごとく,第1電極8と第2電
極931との間に上記印加電流を流し,また両者間は絶
縁性接着剤7により接着する必要があるためである。即
ち,凹凸状表面の凸部81において電気導通を図り,凹
部83には絶縁性接着剤7を介在させるためである。そ
こで,従来は,上記凹凸状表面を有する第1電極8を形
成するために,PTC素子91の表面に,第1電極形成
用のアルミニウム(Al)を溶射する方法が提案されて
いる(特公平4−4713号公報)。
している。これは,上記のごとく,第1電極8と第2電
極931との間に上記印加電流を流し,また両者間は絶
縁性接着剤7により接着する必要があるためである。即
ち,凹凸状表面の凸部81において電気導通を図り,凹
部83には絶縁性接着剤7を介在させるためである。そ
こで,従来は,上記凹凸状表面を有する第1電極8を形
成するために,PTC素子91の表面に,第1電極形成
用のアルミニウム(Al)を溶射する方法が提案されて
いる(特公平4−4713号公報)。
【0005】
【解決しようとする課題】しかしながら,上記溶射法を
採用する場合には,次の問題がある。即ち,上記Al溶
射法は,PTC素子91の表面への付着性が充分でな
い。そのため,予めPTC素子の表面を粗化しておく前
処理が必要である。また,溶射により凹凸状表面を形成
しようとしても,上記凸部の高さが不均一になる。
採用する場合には,次の問題がある。即ち,上記Al溶
射法は,PTC素子91の表面への付着性が充分でな
い。そのため,予めPTC素子の表面を粗化しておく前
処理が必要である。また,溶射により凹凸状表面を形成
しようとしても,上記凸部の高さが不均一になる。
【0006】そのため,電流印加用の凸部81と,絶縁
性接着剤7を介在させるための凹部83との割合のバラ
ンスを調節することが困難となる。それ故,接着は充分
であるが通電が不充分となって発熱出力が低下したり,
逆に発熱出力は大きいが接着が不充分のためにPTC素
子91から放熱部93が剥離,脱落するおそれを生じた
りする。
性接着剤7を介在させるための凹部83との割合のバラ
ンスを調節することが困難となる。それ故,接着は充分
であるが通電が不充分となって発熱出力が低下したり,
逆に発熱出力は大きいが接着が不充分のためにPTC素
子91から放熱部93が剥離,脱落するおそれを生じた
りする。
【0007】また,Al溶射の作業は,Al粉塵が作業
場に浮遊するため,安全衛生,更には粉塵爆発等の災害
の危険性もある。本発明はかかる従来の問題点に鑑み,
PTC素子と放熱部との接着力に優れ,大きな発熱出力
を発揮し,かつ製造上も安全な,正特性サーミスタ発熱
体及びその製造方法を提供しようとするものである。
場に浮遊するため,安全衛生,更には粉塵爆発等の災害
の危険性もある。本発明はかかる従来の問題点に鑑み,
PTC素子と放熱部との接着力に優れ,大きな発熱出力
を発揮し,かつ製造上も安全な,正特性サーミスタ発熱
体及びその製造方法を提供しようとするものである。
【0008】
【課題の解決手段】本願発明の正特性サーミスタ発熱体
を製造する方法としては,PTC素子の表面に直接,導
電性の金属粒子と母材形成材料とバインダーとを含有す
る第1電極形成用の電極材ペーストを印刷し,上記電極
材ペーストをPTC素子の表面に直接加熱焼付けするこ
とによって,上記金属粒子と上記母材形成材料とよりな
ると共に凹凸状表面を有する第1電極を形成し,放熱フ
ィンが形成される第2電極と上記第1電極との対向面の
少なくとも一方に接着剤を塗布し,上記PTC素子の表
面に形成した上記第1電極と上記第2電極とを,上記金
属粒子を介して電気的に導通されるように接着固定する
ことを特徴とする正特性サーミスタ発熱体の製造方法に
ある。
を製造する方法としては,PTC素子の表面に直接,導
電性の金属粒子と母材形成材料とバインダーとを含有す
る第1電極形成用の電極材ペーストを印刷し,上記電極
材ペーストをPTC素子の表面に直接加熱焼付けするこ
とによって,上記金属粒子と上記母材形成材料とよりな
ると共に凹凸状表面を有する第1電極を形成し,放熱フ
ィンが形成される第2電極と上記第1電極との対向面の
少なくとも一方に接着剤を塗布し,上記PTC素子の表
面に形成した上記第1電極と上記第2電極とを,上記金
属粒子を介して電気的に導通されるように接着固定する
ことを特徴とする正特性サーミスタ発熱体の製造方法に
ある。
【0009】上記金属粒子としては、Al−Si合金,
Cu合金,Ag合金などの粒子がある。金属粒子の粒径
は、30〜150μmとすることが好ましい。これによ
り、凹凸状表面の表面粗さを20〜120μmとなすこ
とができ、一層優れた前記接着力及び発熱出力を発揮さ
せることができる。
Cu合金,Ag合金などの粒子がある。金属粒子の粒径
は、30〜150μmとすることが好ましい。これによ
り、凹凸状表面の表面粗さを20〜120μmとなすこ
とができ、一層優れた前記接着力及び発熱出力を発揮さ
せることができる。
【0010】上記金属粒子は、第1電極中に混入される
こととなる。即ち、第1電極は、PTC素子の表面に直
接形成させるための母材と上記金属粒子とよりなる。母
材としては、例えばAl,Agなどを主成分とし、これ
らにガラス質状物を混入させたものがある。金属粒子
は、第1電極中において、略平面状の上記母材中より、
第2電極側へ突出している。これにより、上記凹凸状表
面を形成している。
こととなる。即ち、第1電極は、PTC素子の表面に直
接形成させるための母材と上記金属粒子とよりなる。母
材としては、例えばAl,Agなどを主成分とし、これ
らにガラス質状物を混入させたものがある。金属粒子
は、第1電極中において、略平面状の上記母材中より、
第2電極側へ突出している。これにより、上記凹凸状表
面を形成している。
【0011】第1電極中の金属粒子は,その含有量が多
くなるほど,第1電極と第2電極との間の電流量,熱伝
達は良くなる。しかし,一方では,凹凸状表面と第2電
極との間の絶縁性接着剤の量が少なくなり両者の接着力
が低下するおそれがある。そのため,金属粒子は第1電
極中に5〜50重量%含有させておくことが好ましい。
くなるほど,第1電極と第2電極との間の電流量,熱伝
達は良くなる。しかし,一方では,凹凸状表面と第2電
極との間の絶縁性接着剤の量が少なくなり両者の接着力
が低下するおそれがある。そのため,金属粒子は第1電
極中に5〜50重量%含有させておくことが好ましい。
【0012】また,第2電極は,金属粒子の上面と接触
している。そして,その他の第2電極と第1電極との間
の空隙部には絶縁性接着剤が介在して両者を接着してい
る。絶縁性接着剤としては,シリコーン,エポキシなど
を用いる。また,上記凹凸状表面の表面粗さは,20〜
120μmとすることが好ましい。これにより,第1電
極と第2電極との間の接着力が一層向上し,また両者間
の電流抵抗,伝熱抵抗が少ないため発熱出力が一層向上
する(図5参照)。
している。そして,その他の第2電極と第1電極との間
の空隙部には絶縁性接着剤が介在して両者を接着してい
る。絶縁性接着剤としては,シリコーン,エポキシなど
を用いる。また,上記凹凸状表面の表面粗さは,20〜
120μmとすることが好ましい。これにより,第1電
極と第2電極との間の接着力が一層向上し,また両者間
の電流抵抗,伝熱抵抗が少ないため発熱出力が一層向上
する(図5参照)。
【0013】
【0014】上記電極材ペーストは、上記金属粒子と母
材形成材料とバインダーとよりなる粘性インク状物であ
る。上記母材形成材料としては、Al,Ag等の金属の
微粉末とこれを固着させるガラス質の低融点物とよりな
る。バインダーとしては、エチルセルローズ等の有機バ
インダー等がある。有機バインダーは、上記加熱焼付時
に焼失する。
材形成材料とバインダーとよりなる粘性インク状物であ
る。上記母材形成材料としては、Al,Ag等の金属の
微粉末とこれを固着させるガラス質の低融点物とよりな
る。バインダーとしては、エチルセルローズ等の有機バ
インダー等がある。有機バインダーは、上記加熱焼付時
に焼失する。
【0015】電極材ペーストは、例えばスクリーン印刷
により、ペースト厚み5〜50μmに印刷する。加熱焼
成は、上記有機バインダーが焼失し、かつ上記母材形成
材料が金属粒子と共にPTC素子の表面に焼付固着され
る温度において行う。そして、PTC素子の上に上記凹
凸状表面の第1電極を直接形成した後、該凹凸状表面の
凹部に絶縁性接着剤を介在させ、かつ第2電極を金属粒
子に接触させて、第1電極と第2電極とを接着させる。
により、ペースト厚み5〜50μmに印刷する。加熱焼
成は、上記有機バインダーが焼失し、かつ上記母材形成
材料が金属粒子と共にPTC素子の表面に焼付固着され
る温度において行う。そして、PTC素子の上に上記凹
凸状表面の第1電極を直接形成した後、該凹凸状表面の
凹部に絶縁性接着剤を介在させ、かつ第2電極を金属粒
子に接触させて、第1電極と第2電極とを接着させる。
【0016】
【作用及び効果】本発明においては,PTC素子の表面
に,直接,導電性の金属粒子と母材形成材料とバインダ
ーとを含有する第1電極形成用の電極材ペーストを印刷
している。そのため,第1電極とPTC素子との密着性
を強固にすることができ,耐久性に優れた正特性サーミ
スタ発熱体を得ることができる。 また,第1電極の凹凸
状表面を上記金属粒子により形成させ,該金属粒子と第
2電極とを接触させている。そのため,PTC素子に印
加する電流は,第2電極及び金属粒子を介して流れる
(図1)。また,PTC素子で発生した熱は,金属粒子
及び第2電極を介して放熱フィンへ流れる。一方,第1
電極と第2電極とは,上記金属粒子が第2電極と接触し
ている部分以外において,絶縁性接着剤により接着され
ている。
に,直接,導電性の金属粒子と母材形成材料とバインダ
ーとを含有する第1電極形成用の電極材ペーストを印刷
している。そのため,第1電極とPTC素子との密着性
を強固にすることができ,耐久性に優れた正特性サーミ
スタ発熱体を得ることができる。 また,第1電極の凹凸
状表面を上記金属粒子により形成させ,該金属粒子と第
2電極とを接触させている。そのため,PTC素子に印
加する電流は,第2電極及び金属粒子を介して流れる
(図1)。また,PTC素子で発生した熱は,金属粒子
及び第2電極を介して放熱フィンへ流れる。一方,第1
電極と第2電極とは,上記金属粒子が第2電極と接触し
ている部分以外において,絶縁性接着剤により接着され
ている。
【0017】そして,本発明においては,凹凸状表面は
金属粒子によって形成しているので,第1電極中におけ
る金属粒子の粒径,含有量を調整することにより,任意
の凹凸状表面粗さを形成することができる。また,金属
粒子を用いているので,その粒径に応じた,均一高さの
凹凸状表面を形成することができる。そのため,上記の
ごとく,電流及び熱の通過部分(金属粒子)と接着部分
(絶縁性接着剤介在部)とのバランスを容易かつ確実に
調節することができる。それ故,接着力,発熱出力共に
優れた正特性サーミスタ発熱体を得ることができる。
金属粒子によって形成しているので,第1電極中におけ
る金属粒子の粒径,含有量を調整することにより,任意
の凹凸状表面粗さを形成することができる。また,金属
粒子を用いているので,その粒径に応じた,均一高さの
凹凸状表面を形成することができる。そのため,上記の
ごとく,電流及び熱の通過部分(金属粒子)と接着部分
(絶縁性接着剤介在部)とのバランスを容易かつ確実に
調節することができる。それ故,接着力,発熱出力共に
優れた正特性サーミスタ発熱体を得ることができる。
【0018】また、上記正特性サーミスタ発熱体を製造
するに当たって上記ペースト印刷方法を採用することに
よって、金属粒子およびAl等の母材形成材が、従来の
溶射法の場合のごとく飛散しない。そのため、容易に製
造することができる。したがって、本発明によれば、P
TC素子と加熱部との接着力に優れ、大きな発熱出力を
発揮し、かつ製造上も安全な正特性サーミスタ発熱体の
製造方法を提供することができる。
するに当たって上記ペースト印刷方法を採用することに
よって、金属粒子およびAl等の母材形成材が、従来の
溶射法の場合のごとく飛散しない。そのため、容易に製
造することができる。したがって、本発明によれば、P
TC素子と加熱部との接着力に優れ、大きな発熱出力を
発揮し、かつ製造上も安全な正特性サーミスタ発熱体の
製造方法を提供することができる。
【0019】
実施例1 本発明の実施例にかかる正特性サーミスタ発熱体につ
き,図1〜図4を用いて説明する。本例の正特性サーミ
スタ発熱体1は,PTC素子3と,その表面31に面状
に形成した第1電極1と,放熱フィン41及び第2電極
42を有する放熱部4とよりなると共に,第1電極1と
第2電極42とは電気的に接続してなる。
き,図1〜図4を用いて説明する。本例の正特性サーミ
スタ発熱体1は,PTC素子3と,その表面31に面状
に形成した第1電極1と,放熱フィン41及び第2電極
42を有する放熱部4とよりなると共に,第1電極1と
第2電極42とは電気的に接続してなる。
【0020】また、上記第1電極1は、導電性の金属粒
子11を含有すると共に該金属粒子11により形成され
た凹凸状表面15を有する。上記金属粒子11はその殆
どが第2電極42と接触しており、かつ第1電極1と第
2電極42とは絶縁性接着剤7により接着されている
(図1)。上記第1電極1は、図1,図3に示すごと
く、PTC素子3の上下両面に形成され、上記金属粒子
11と母材であるマトリクス12とよりなる。マトリク
ス12は、実施例2に示すごとく、PTC素子3の表面
に、例えばAlが面状に焼き付けられたものである。
子11を含有すると共に該金属粒子11により形成され
た凹凸状表面15を有する。上記金属粒子11はその殆
どが第2電極42と接触しており、かつ第1電極1と第
2電極42とは絶縁性接着剤7により接着されている
(図1)。上記第1電極1は、図1,図3に示すごと
く、PTC素子3の上下両面に形成され、上記金属粒子
11と母材であるマトリクス12とよりなる。マトリク
ス12は、実施例2に示すごとく、PTC素子3の表面
に、例えばAlが面状に焼き付けられたものである。
【0021】一方,放熱部は,図1,図2に示すごと
く,放熱フィン41と,その片面にロー付け44により
接合した第2電極42と,該第2電極42と反対側に同
様に接合した表面金属板46とよりなる。表面金属板4
6はターミナル45を有する。上記放熱部4は,図4に
示すごとく,上記PTC素子3の両面に位置して接着さ
れる。各放熱部4のターミナル45には,電源48を接
続する。
く,放熱フィン41と,その片面にロー付け44により
接合した第2電極42と,該第2電極42と反対側に同
様に接合した表面金属板46とよりなる。表面金属板4
6はターミナル45を有する。上記放熱部4は,図4に
示すごとく,上記PTC素子3の両面に位置して接着さ
れる。各放熱部4のターミナル45には,電源48を接
続する。
【0022】次に,作用効果につき説明する。本例の正
特性サーミスタ発熱体においては,上記図1に示したご
とく,第1電極1が導電性の金属粒子11を含有してい
るため凹凸状表面15を有し,金属粒子11が第2電極
42と接触している。そのため,PTC素子3に印加す
る電流は,第2電極42,金属粒子11を介して流れ
る。また,PTC素子3で発生した熱は,金属粒子1
1,第2電極42を介して放熱フィン41へ流れる。
特性サーミスタ発熱体においては,上記図1に示したご
とく,第1電極1が導電性の金属粒子11を含有してい
るため凹凸状表面15を有し,金属粒子11が第2電極
42と接触している。そのため,PTC素子3に印加す
る電流は,第2電極42,金属粒子11を介して流れ
る。また,PTC素子3で発生した熱は,金属粒子1
1,第2電極42を介して放熱フィン41へ流れる。
【0023】また,第1電極1と第2電極42との間
は,金属粒子11と第2電極42との接触部分を除い
て,絶縁性接着剤7により強固に接着されている。ま
た,凹凸状表面は金属粒子11により形成しているの
で,金属粒子11の粒径,含有量を調整することによ
り,任意の表面粗さを形成できる。また,金属粒子11
の粒径に応じた,均一高さの凹凸状表面を形成できる。
は,金属粒子11と第2電極42との接触部分を除い
て,絶縁性接着剤7により強固に接着されている。ま
た,凹凸状表面は金属粒子11により形成しているの
で,金属粒子11の粒径,含有量を調整することによ
り,任意の表面粗さを形成できる。また,金属粒子11
の粒径に応じた,均一高さの凹凸状表面を形成できる。
【0024】そのため,印加電流及び熱の通過部分と,
接着部分のバランスを容易かつ確実に調節することがで
きる。それ故,接着力,発熱出力共に優れた正特性サー
ミスタ発熱体を得ることができる。また,正特性サーミ
スタ発熱体の製造に当たっても,従来のごとき溶射法を
用いないので,災害の危険性もない。
接着部分のバランスを容易かつ確実に調節することがで
きる。それ故,接着力,発熱出力共に優れた正特性サー
ミスタ発熱体を得ることができる。また,正特性サーミ
スタ発熱体の製造に当たっても,従来のごとき溶射法を
用いないので,災害の危険性もない。
【0025】実施例2 上記実施例1に示した正特性サーミスタ発熱体の具体例
につき,その製造例と共に説明する。本例の正特性サー
ミスタ発熱体においては,放熱フィン41及び第2電極
42は,熱伝導率の高いアルミニウムにより構成してあ
る。PTC素子3は,PTCセラミックを,第1電極1
のマトリクス12はAlを,金属粒子11としてはAl
85%−Si15%(重量)合金粉を用いている。絶縁
性接着剤7としては,シリコーンを用いている。
につき,その製造例と共に説明する。本例の正特性サー
ミスタ発熱体においては,放熱フィン41及び第2電極
42は,熱伝導率の高いアルミニウムにより構成してあ
る。PTC素子3は,PTCセラミックを,第1電極1
のマトリクス12はAlを,金属粒子11としてはAl
85%−Si15%(重量)合金粉を用いている。絶縁
性接着剤7としては,シリコーンを用いている。
【0026】次に,上記正特性サーミスタ発熱体の製造
に当たっては,まずPTC素子3の表面に第1電極1を
形成する。第1電極1を形成するに当たっては,まず粒
径約100μmの金属粒子としての上記Al−Si合金
粉末25(重量)%と,粒径1〜2μmのAl粉40
(容量)%と,溶剤及び有機バインダー35(重量)%
とを混合した。これにより,金属粒子入りの電極材ペー
ストを作成した。なお,上記有機バインダーとしては,
エチルセルロースを用いた。
に当たっては,まずPTC素子3の表面に第1電極1を
形成する。第1電極1を形成するに当たっては,まず粒
径約100μmの金属粒子としての上記Al−Si合金
粉末25(重量)%と,粒径1〜2μmのAl粉40
(容量)%と,溶剤及び有機バインダー35(重量)%
とを混合した。これにより,金属粒子入りの電極材ペー
ストを作成した。なお,上記有機バインダーとしては,
エチルセルロースを用いた。
【0027】次に、この電極材ペーストを、PTC素子
3の両面に対して直接、それぞれスクリーン印刷した。
次いで、Alペーストを乾燥した後、700℃〜900
℃の条件下に加熱し、PTC素子3の表面に焼付けし
た。これにより、上記図1に示すごとく、Alからなる
マトリクス12がPTC素子3の表面上に面状に溶融付
着すると共に、金属粒子11が突出した凹凸状表面15
を有する第1電極1が得られた。なお、上記焼き付け時
に、上記溶剤及び有機バインダーは焼失する。
3の両面に対して直接、それぞれスクリーン印刷した。
次いで、Alペーストを乾燥した後、700℃〜900
℃の条件下に加熱し、PTC素子3の表面に焼付けし
た。これにより、上記図1に示すごとく、Alからなる
マトリクス12がPTC素子3の表面上に面状に溶融付
着すると共に、金属粒子11が突出した凹凸状表面15
を有する第1電極1が得られた。なお、上記焼き付け時
に、上記溶剤及び有機バインダーは焼失する。
【0028】上記の凹凸状表面15は,金属粒子11の
粒径が約100μmであるため,その粗さは約70μm
であった。この面粗さは,「JISB0601−198
2」に規定される点平均あらさ(Rz)で表される。次
に,上記第1電極1の表面に絶縁性接着剤7を塗布し,
PTC素子3の両面の第1電極1に,上記放熱部の第2
電極42をそれぞれ対面させて,積層する。そして,1
50〜250℃の条件下に両者を圧着する。これによ
り,上記した正特性サーミスタ発熱体が得られる。
粒径が約100μmであるため,その粗さは約70μm
であった。この面粗さは,「JISB0601−198
2」に規定される点平均あらさ(Rz)で表される。次
に,上記第1電極1の表面に絶縁性接着剤7を塗布し,
PTC素子3の両面の第1電極1に,上記放熱部の第2
電極42をそれぞれ対面させて,積層する。そして,1
50〜250℃の条件下に両者を圧着する。これによ
り,上記した正特性サーミスタ発熱体が得られる。
【0029】実施例3 次に,実施例1,2に示した正特性サーミスタ発熱体に
ついて,図5に示すごとく,第1電極の凹凸状表面の粗
さを種々に変え,放熱部への発熱出力と,絶縁性接着剤
による接着力について測定した。上記表面粗さは,実施
例2に示したごとく,第2電極を接着する前の状態,即
ち電極材ペーストを焼付けした後の値である。また,発
熱出力は,表面粗さがゼロのとき,即ち第1電極が凹凸
状表面を有せず,第1電極と第2電極とを完全に面接触
させたときの出力を1.0とした。
ついて,図5に示すごとく,第1電極の凹凸状表面の粗
さを種々に変え,放熱部への発熱出力と,絶縁性接着剤
による接着力について測定した。上記表面粗さは,実施
例2に示したごとく,第2電極を接着する前の状態,即
ち電極材ペーストを焼付けした後の値である。また,発
熱出力は,表面粗さがゼロのとき,即ち第1電極が凹凸
状表面を有せず,第1電極と第2電極とを完全に面接触
させたときの出力を1.0とした。
【0030】同図より知られるごとく,表面粗さが大き
くなるに従って,発熱出力は漸次低下する。一方接着力
については,表面粗さが50μm位までは急激に増加
し,50〜120μmの間はほぼ同じ高い値を示し,1
20μmを越えると低下する。そこで,上記発熱出力と
接着力の両方を考慮すると,第1電極の凹凸状表面の粗
さは20〜120μmが好ましいことが分かる。
くなるに従って,発熱出力は漸次低下する。一方接着力
については,表面粗さが50μm位までは急激に増加
し,50〜120μmの間はほぼ同じ高い値を示し,1
20μmを越えると低下する。そこで,上記発熱出力と
接着力の両方を考慮すると,第1電極の凹凸状表面の粗
さは20〜120μmが好ましいことが分かる。
【図1】実施例1における,正特性サーミスタ発熱体の
要部拡大断面図。
要部拡大断面図。
【図2】実施例1における放熱部の斜視図。
【図3】実施例1におけるPTC素子及び第1電極の斜
視図。
視図。
【図4】実施例1における正特性サーミスタ発熱体の側
面図。
面図。
【図5】実施例3における測定結果を示す線図。
【図6】従来の正特性サーミスタ発熱体の説明図。
【図7】従来の正特性サーミスタ発熱体の要部拡大図。
1...第1電極, 11...金属粒子, 12...マトリクス, 3...PTC素子, 4...放熱部, 41...放熱フィン, 42...第2電極,
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大矢 康裕 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 日本 電装株式会社内 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H05B 3/14 H01C 7/02 H05B 3/03
Claims (3)
- 【請求項1】 PTC素子の表面に直接,導電性の金属
粒子と母材形成材料とバインダーとを含有する第1電極
形成用の電極材ペーストを印刷し, 上記電極材ペーストをPTC素子の表面に直接加熱焼付
けすることによって,上記金属粒子と上記母材形成材料
とよりなると共に凹凸状表面を有する第1電極を形成
し, 放熱フィンが形成される第2電極と上記第1電極との対
向面の少なくとも一方に接着剤を塗布し, 上記PTC素子の表面に形成した上記第1電極と上記第
2電極とを,上記金属粒子を介して電気的に導通される
ように接着固定することを特徴とする正特性サーミスタ
発熱体の製造方法。 - 【請求項2】 請求項1において,上記接着剤は,絶縁
性接着剤であり,該絶縁性接着剤は,上記第1電極の上
記凹凸状表面の凹部に設けられていることを特徴とする
正特性サーミスタ発熱体の製造方法。 - 【請求項3】 請求項1において,上記第1電極の上記
凹凸状表面の凸部は,上記第2電極と電気的に導通され
ていることを特徴とする正特性サーミスタ発熱体の製造
方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP13668493A JP2956417B2 (ja) | 1992-05-15 | 1993-05-13 | 正特性サーミスタ発熱体の製造方法 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4-148512 | 1992-05-15 | ||
JP14851292 | 1992-05-15 | ||
JP13668493A JP2956417B2 (ja) | 1992-05-15 | 1993-05-13 | 正特性サーミスタ発熱体の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0645054A JPH0645054A (ja) | 1994-02-18 |
JP2956417B2 true JP2956417B2 (ja) | 1999-10-04 |
Family
ID=26470194
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP13668493A Expired - Lifetime JP2956417B2 (ja) | 1992-05-15 | 1993-05-13 | 正特性サーミスタ発熱体の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2956417B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH09213458A (ja) * | 1996-02-06 | 1997-08-15 | Denso Corp | ヒーターユニット |
FR2947983B1 (fr) * | 2009-07-08 | 2013-03-15 | Valeo Systemes Thermiques | Barreau chauffant constitutif d'un radiateur electrique |
-
1993
- 1993-05-13 JP JP13668493A patent/JP2956417B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0645054A (ja) | 1994-02-18 |
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Legal Events
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