JP2955815B2 - パチンコ機の振分け入賞器 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、玉入口から入った玉を
セーフ玉とアウト玉とに振分けるパチンコ機の振分け入
賞器に関するものである。

【０００２】

【発明が解決しようとする課題】玉入口から入った玉を
セーフ玉とアウト玉とに振分けるパチンコ機の振分け入
賞器は種々提案されている。その主な態様は、振分け片
の往復回動によりセーフ玉と、アウト玉とを振分けるも
のが一般的であり、何れも陳腐化していて、作動の面白
みに欠けるという問題点があった。

【０００３】本発明は、従来には無い斬新な作動態様の
振分け入賞器の提供を目的とするものである。

【０００４】

【課題を解決するための手段】本発明は、可視性のアウ
ト玉誘導孔と、内底部に永久磁石を設けた可視性のセー
フ玉誘導孔とを周面に備えてなる回転誘導体を、上部に
前記玉流下路に合致する玉入口が形成され、下部に玉出
口が形成された環状周壁内に装着して、該回転誘導体を
駆動機構により一方向に連続回転し、各誘導孔を玉入口
と、玉出口とに順次合致させるとともに、前記玉出口を
過ぎた角度位置でセーフ玉誘導孔が前後で一致すること
となるセーフ玉孔を設け、さらに該セーフ玉孔の内側に
前記永久磁石の磁力を遮断する隔磁片を設けて、セーフ
玉誘導孔内で永久磁石に保持されてセーフ玉孔の位置に
到来した玉を、隔磁片により磁石の保持力を解除して該
セーフ玉孔へ案内するように構成したことを特徴とする
ものである。

【０００５】

【作用】環状周壁の玉入口に流入した玉は、該玉入口で
回転誘導体の周面に仮支持される。そして該回転誘導体
の回転によりセーフ玉誘導孔またはアウト玉誘導孔のい
ずれかに流入することとなる。そして、アウト玉誘導孔
に流入した玉は、回転誘導体が回転して、アウト玉誘導
孔が環状周壁の玉出口に合致した位置で、下方へ放出さ
れることとなる。

【０００６】一方、前記セーフ玉誘導孔に捕捉された玉
は、その永久磁石により、玉出口に到来しても落下する
ことはない。そして、セーフ玉誘導孔がセーフ玉孔に到
来すると、隔磁片により永久磁石との接着を遮断され、
セーフ玉孔内に流入することとなり、セーフ玉となって
所定個数の賞球を発生する。

【０００７】この作動にあって、アウト玉誘導孔に入っ
た玉は、半回転後に下方へ放出されるが、セーフ玉誘導
孔に入った玉は、一旦最下部に位置しながらも、その重
力の作用に逆らって周方向へ持ち上げられる。このた
め、各誘導孔に入った玉はその玉入口位置までは同様の
作動を生じ、最下位置であるものはそのまま落下し、あ
るものは拾い揚げられて、自然力に逆らってセーフ玉と
なる。このため独自の興趣を生ずる。

【０００８】

【実施例】添付図面について本発明の一実施例を説明す
る。

【０００９】図１は、パチンコ機１の正面図であって、
その機枠２の図示しない下部には玉受皿と、玉発射用の
回転式ハンドル等が設けられる。遊技盤３の盤面中央に
は、図２で拡大して示すように変動入賞装置４が配設さ
れる。

【００１０】変動入賞装置４は、図２で明瞭に示すよう
に、入賞ケース５を基体とするものであって、その上半
分には、周壁７で囲繞されて作動窓孔６が形成され、該
作動窓孔６の下部に図中右側へ傾斜する玉流路８が形成
されている。

【００１１】一方、前記作動窓孔６の玉流路８上の主表
面には、図柄表示装置９を構成する三個の７セグメント
指示器，ドットマトリックス表示器又は液晶表示器等か
らなる図柄表示部１０ａ，１０ｂ，１０ｃが並設されて
いる。前記図柄表示部１０ａ，１０ｂ，１０ｃは、
「０」〜「９」等、数字，絵図柄等の図柄が表示され
る。また作動窓孔６の上縁部には、４個のパイロットラ
ンプからなる待機記録ランプ列１１が設けられている。

【００１２】また前記周壁７の左壁には玉入口１２が形
成されており、該玉入口１２の下端部に回動軸１３に支
持され、起立状態で玉入口１２を遮蔽し、横臥状態で玉
入口１２を開放する開閉作動片１４が枢支されている。
この開閉作動片１４は、ソレノイド等によって構成され
る開閉駆動装置により、支軸１３を回動制御され、開放
位置と、閉鎖位置とに変換される。

【００１３】前記表示窓孔６の下部には、ほぼ円形の作
動空隙１６が形成されている。この作動空隙１６は図中
右側で中心からほぼ60°偏位した位置で玉流入口１５を
介して玉流路８と連通している。この玉流入口１５に
は、玉検知装置１５ａが配設され、玉の通過を検知し得
るようにしている。

【００１４】また前記作動空隙１６の直下位置には普通
入賞孔１７が形成され、さらには中心から左側へ60°偏
位した位置の前壁面には特定入賞孔１８が形成されてい
る。この特定入賞孔１８は玉検知装置を備える玉通路
（図示せず）と連通している。さらには、前記普通入賞
孔１７，特定入賞孔１８に流下した玉は入賞玉となっ
て、公知機構により所定数の景品玉を排出すると共に、
前記特定入賞孔１８に玉が流下することにより、玉検知
装置によって検知され、特別作動状態となって、遊戯者
に所要の利得を受ける権利を発生させることとなる。

【００１５】さらに前記作動空隙１６内には、誘導口２
６を備えた円盤状の回転分配器２０が支軸２１にその中
心を支持されて配設され、開口１２から玉流入口１５に
三個以上の玉が流入すると、該回転分配器２０により、
そのうち一個は誘導口２６から特定入賞孔１８へ、残り
は普通入賞孔１７へ供給される。かかる回転分配器２０
の詳細な説明は省略する。その他変動入賞装置４の上部
には入賞口３５が配設されている。

【００１６】前記変動入賞装置４の左位置には、光電ス
イッチ、リミットスイッチ等により構成される玉検知セ
ンサー（図示せず）を備える始動ゲート４０が設けられ
ている。この始動ゲート４０に遊技球が通過して該玉検
知センサーによる球検知信号が発生すると、図柄表示装
置９を駆動する。

【００１７】一方、変動入賞装置４の右方には、図３で
示すように回転体４６に玉一個分の保留を可能とする捕
捉孔４７が周部に形成された回転体４６を内蔵する回転
チャッカー４５が配設される。この回転チャッカー４５
内には特別始動口４８が配設され、前記捕捉孔４６に入
った玉を回転体４６の回転に伴って、特別始動口４８に
供給する。

【００１８】そのさらに下方には、図４で示すようにソ
レノイド５１により開閉板５３を作動させて開閉駆動制
御される特別入賞口５２を備えた開閉入賞器５０が配設
される。

【００１９】そして特定入賞孔１９に玉が流下すること
により生ずる特別作動状態のときに、回転チャッカー４
５の捕捉孔４７に玉が流入し、回転チャッカー４５の回
転に伴って、玉が特別始動口４８に供給されると、特別
入賞口５２の開閉板５３が約10秒開放する。尚、この特
別入賞口５２に約10個の玉が流入したときには、開放作
動中であってもその開放動作が終了する。また、回転チ
ャッカー４５へ有効限度個数の範囲（通常16個）で遊技
球が入賞するたびに、特別入賞口５２は開放され、而し
て後に、特別作動状態が終了する。

【００２０】上述の変動入賞装置４の作動につき説明す
る。

【００２１】遊技盤３に遊技球が打ち出されて、始動ゲ
ート４０を通過すると、マイクロコンピュータ（図示せ
ず）により構成される制御手段によって、当りまたはは
ずれを決定する。そして、景品球の供給と共に図柄表示
駆動回路を介して前記図柄表示装置９を駆動して、図柄
表示部１０ａ，１０ｂ，１０ｃを変動開始し、約５秒程
度経過すると、当り，はずれの判定にもとずき、乱数表
から図柄表示部１０ａ，１０ｂ，１０ｃの図柄を決定
し、順次停止する。そして、図柄表示部１０ａ，１０
ｂ，１０ｃの図柄が同一図柄の場合には「大当り」とな
り、開閉作動片１４が傾斜状態（開放状態）となり、次
のような所定の利得を可能とする作動に移行する。尚、
前記始動ゲート４０に遊技球が連続的に流入した場合に
は、待機記録ランプ列１１が順次点灯し、最高四回まで
保留される。

【００２２】すなわちこの開閉作動片１４は約5.9 秒開
放し、この開放中に、開口１２から打玉が数個流入す
る。一方、回転分配器２０は、開閉作動片１４の閉鎖状
態では、反時計方向に低速回転しているが、大当りに伴
って高速回転し、開口１２から玉流入口１５に三個以上
の玉が流入すると、該回転分配器２０により、そのうち
一個は特定入賞孔１８へ、残りは普通入賞孔１７へ供給
される。この回転分配器２０による分配作動は省略す
る。

【００２３】そして、前記特定入賞孔１８へ玉が流下す
ると、その流通路内に配設した玉検知装置により検知さ
れ、特別作動状態となって、大当りの権利が発生する。
すなわち、図柄表示装置９が所定の大当りとなる組み合
わせとなっても、開口１２から三個以上の玉が流入しな
いかぎり、有効とはならない。而して、大当りを発生さ
せるための入賞条件が付加されることとなる。

【００２４】この特別作動状態の間に、回転チャッカー
４５の捕捉孔４７に玉が流入し、回転分配器４６の回転
に伴って、玉が特別始動口４８に供給されると、特別入
賞口５２の開閉板５３が約10秒開放する。そしてこの特
別入賞口５２に約10個の玉が流入したときには、開放作
動中であっても、その開放動作が終了する。そして有効
限度個数の消化にともない特別作動状態が終了する。

【００２５】次に本発明の要部につき説明する。

【００２６】図５で示すように、前記変動入賞装置４の
下方には、入った玉をセーフ玉と、アウト玉とに振分け
る振分け装置６０が配設される。

【００２７】この振分け装置６０の構成を説明する。

【００２８】円盤状の基板６１には、上部に玉入口６３
が形成され、下部に玉出口６４が形成された環状周壁６
２が設けられる。また環状周壁６２内の内周部左側の中
間位置には、セーフ玉孔６５が形成され、その内側部に
隔磁片６６が突成されている。この隔磁片６６は基板６
１，環状周壁６２と合成樹脂材料により一体成形され
る。また前記玉入口６３にはその両側に釘４２，４２が
打込まれている。

【００２９】前記環状周壁６２内には、該環状周壁６２
の内径とほぼ外径が等しい回転誘導体６７が軸７２によ
り回転可能に支持される。前記回転誘導体６７の周部に
は、外方へ開口しているセーフ玉誘導孔６８とアウト玉
誘導孔６９とが点対称位置に設けられている。このセー
フ玉誘導孔６８とアウト玉誘導孔６９は前方に開口さ
れ、可視性を有する。尚、非開口とした場合には、透光
性材料で覆うようにすれば良い。また該セーフ玉誘導孔
６８の内底部には永久磁石７０が固着される。そしてさ
らに前記誘導孔６８，６９の内底部を隔離するように前
記隔磁片６６が嵌入する環状溝７１が同心状に形成さ
れ、該環状溝７１よりも内側に永久磁石７０が位置する
ようにしている。そして、かかる構成の回転誘導体６７
は上述のように環状溝７１内に隔磁片６６を嵌挿して支
持される。この回転誘導体６７は遊技盤３の背面で、前
記軸７２にモータ等からなる駆動機構Ｍが連係され、図
５で示すように、時計方向へ連続回転する。この回転作
動により各誘導孔６８，６９は玉入口６３と玉出口６４
とに順次合致することとなる。

【００３０】かかる構成にあってその作動を説明する。

【００３１】遊技盤３に打ち出されて、釘４２，４２間
から玉入口６３に入って、該玉入口６３で回転誘導体６
７の周面に仮支持される。このため、遊技者は、玉入口
６３で仮支持された玉が、いずれの誘導孔６８，６９に
入るかを注視することとなって、振分け作動に対する興
味が増大する。そして、回転誘導体６７の回転により誘
導孔６８，６９のいづれかに流入することとなる。ここ
で、前記アウト玉誘導孔６９に流入した玉は、回転誘導
体６７が回転して、アウト玉誘導孔６９が玉出口６４に
合致した位置で、下方へ放出されることとなる。

【００３２】一方、前記セーフ玉誘導孔６８に捕捉され
た玉は、その永久磁石７０により、玉出口６４に到来し
ても落下することはない。そして、セーフ玉誘導孔６８
がセーフ玉孔６５に到来すると、隔磁片６６により永久
磁石７０との接着を遮断され、セーフ玉孔６５内に流入
することとなり、セーフ玉となって所定個数の賞球を発
生する。なおこのセーフ玉孔６５内への玉の流入を確保
する為に、前記セーフ玉誘導孔６８の一側縁に、玉をセ
ーフ玉孔６５側へ傾斜する案内面を形成するようにして
もよい。

【００３３】この作動過程にあって、アウト玉誘導孔６
９に入った玉は、半回転後に下方へ放出されるが、セー
フ玉誘導孔６８に入った玉は、一旦最下部に位置しなが
らも、その重力の作用に逆らって周方向へ持ち上げられ
る。このため、各誘導孔６８，６９に入った玉はその玉
入口位置までは同様の作動を生じ、最下位置であるもの
はそのまま落下し、あるものは拾い揚げられて、自然力
に逆らってセーフ玉となる。そしてこの玉の作動が可視
性の誘導孔によって視認され、このため独自の興趣を生
ずる。

【００３４】図５はセーフ玉誘導孔６８，アウト玉誘導
孔６９を夫々一個づつ形成した実施例に係るものである
が、図７で示すように、セーフ玉誘導孔６８，アウト玉
誘導孔６９を複数個設けることにより、その消化数を早
めたり、又はその個数比を変えてセーフ玉の発生率を調
整することができる。

【００３５】また、あらかじめ誘導孔を複数形成し、そ
のいずれかの内底部に永久磁石７０を固着することによ
り、セーフ玉誘導孔６８，アウト玉誘導孔６９を随意に
設定できる。例えば、図７のように四個の誘導孔を形成
しておき、その何れか一個のみに永久磁石７０を固着す
る等、各誘導孔の割合または配置を適宜に選定すること
が可能となる。また、同一形状の誘導孔を形成するもの
であるから、金型が単純化して一つで済み、コストダウ
ンとなる。

【００３６】上述の振分け装置６０は、通常の入賞器の
他に、セーフ玉孔を各種の変動入賞装置の始動孔として
用いる等、種々の応用が可能となる。

【００３７】また上述の各実施例にあっては、単一の玉
入口６３と玉出口６４とを形成するようにしたものであ
るが、図７のように多数の玉誘導孔を形成した場合に
は、前記環状周壁６２に複数の玉入口６３及び玉出口６
４を形成しても良い。

【００３８】

【発明の効果】本発明は、上述したように、可視性のア
ウト玉誘導孔と、内底部に永久磁石を設けた可視性のセ
ーフ玉誘導孔とを周面に備えてなる回転誘導体を、上部
に玉入口が、下部に玉出口が夫々形成された環状周壁内
に装着して、一方向に連続回転させると共に、前記玉出
口を過ぎた角度位置にセーフ玉孔を設け、さらに該セー
フ玉孔の内側に前記永久磁石の磁力を遮断する隔磁片を
設けて、セーフ玉誘導孔内で永久磁石に保持されてセー
フ玉孔の位置に到来した玉を、隔磁片により磁石の保持
力を解除して該セーフ玉孔へ案内するように構成し、環
状周壁の玉入口に流入した玉を回転誘導体の周面に仮支
持させ、その一方向回転に伴って、何れかの誘導孔に落
入させ、アウト玉誘導孔に流入した玉は、回転誘導体が
回転して、アウト玉誘導孔が環状周壁の玉出口に合致し
た位置で、下方へ放出させ、前記セーフ玉誘導孔に捕捉
された玉は、その永久磁石により保持して玉出口を通過
後に、セーフ玉孔に到来すると、隔磁片により永久磁石
との接着を遮断され、セーフ玉孔内に流入するようにし
たものである。

【００３９】このため、この作動にあって、各誘導孔に
入った玉はその玉入口位置までは同様の作動を生じ、ア
ウト玉誘導孔に入った玉は、所定の角度で回転後に下方
へ放出され、セーフ玉誘導孔に入った玉は、一旦玉出口
に到来しながらも、その自然力の作用に逆らって周方向
へ持ち上げられセーフ玉となって、意外性を生じ、斬新
な作動となり、独自の興趣を生ずる。

【００４０】また、遊技者は、玉入口で仮支持された玉
が、いずれの誘導孔に入るかを注視することとなって、
振分け作動に対する興味が増大する。

【００４１】さらには、前記回転誘導体に多数の誘導孔
をあらかじめ形成しておけば、永久磁石の固着により、
アウト玉誘導孔とセーフ玉誘導孔とを適宜に選定するこ
とが可能となり、可変性を生ずる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明のパチンコ機１の正面図である。

【図２】変動入賞装置４の拡大正面図である。

【図３】回転チャッカー４５の斜視図である。

【図４】大入賞口４７の斜視図である。

【図５】振分け装置６０を示す拡大正面図である。

【図６】振分け装置６０を示す縦断側面図である。

【図７】振分け装置６０の変形例を示す拡大正面図であ
る。

【符号の説明】

１ パチンコ機 ４ 変動入賞装置 ９ 組合わせ表示装置 ４０ 始動ゲート ４５ 回転チャッカー ５０ 開閉入賞器 ６０ 振分け装置 ６２ 環状周壁 ６３ 玉入口 ６４ 玉出口 ６５ セーフ玉孔 ６６ 隔磁片 ６７ 回転誘導体 ６８ セーフ玉誘導孔 ６９ アウト玉誘導孔 ７０ 永久磁石

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】可視性のアウト玉誘導孔と、内底部に永久
   磁石を設けた可視性のセーフ玉誘導孔とを周面に備えて
   なる回転誘導体を、上部に前記玉流下路に合致する玉入
   口が形成され、下部に玉出口が形成された環状周壁内に
   装着して、該回転誘導体を駆動機構により一方向に連続
   回転し、各誘導孔を玉入口と、玉出口とに順次合致させ
   るとともに、前記玉出口を過ぎた角度位置でセーフ玉誘
   導孔が前後で一致することとなるセーフ玉孔を設け、さ
   らに該セーフ玉孔の内側に前記永久磁石の磁力を遮断す
   る隔磁片を設けて、セーフ玉誘導孔内で永久磁石に保持
   されてセーフ玉孔の位置に到来した玉を、隔磁片により
   磁石の保持力を解除して該セーフ玉孔へ案内するように
   構成したことを特徴とするパチンコ機の振分け入賞器。