JP2955582B2 - スイッチング電源回路 - Google Patents

スイッチング電源回路

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JP2955582B2
JP2955582B2 JP656790A JP656790A JP2955582B2 JP 2955582 B2 JP2955582 B2 JP 2955582B2 JP 656790 A JP656790 A JP 656790A JP 656790 A JP656790 A JP 656790A JP 2955582 B2 JP2955582 B2 JP 2955582B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、周波数制御方式のスイッチング電源回路
に関する。
〔発明の概要〕
この発明は、周波数制御方式のスイッチング電源回路
において、電源出力トランスの一次コイルとコンデンサ
とからなる共振回路と、共振回路に流れる電流をオン/
オフするスイッチング素子と、スイッチング素子を駆動
する駆動回路とを有し、電源出力トランスの二次側出力
電圧に応じて、電源出力トランスの一次コイルのインダ
クタンスを可変させて共振回路の共振周波数を制御し、
出力電圧を安定化することにより、スイッチング素子の
損失が増大せず、高周波スイッチングが可能となるよう
にしたものである。
〔従来の技術〕
例えば特開昭62-64266号公報に示されるように、本願
発明者は、先に、電源出力トランスの一次側に流れる電
流をスイッチングし、電源出力トランスの一次側コイル
とコンデンサとで電流共振回路を形成し、電源出力トラ
ンスの二次側出力電圧に応じてスイッチング周波数を可
変させて出力電圧を安定化するようにしたスイッチング
電源回路を提案している。
第10図は、従来のこの種のスイッチング電源回路の一
例である。第10図において、例えば90V〜144Vの商用電
源101の一端がインラッシュ抵抗102を介してダイオード
103のカソードとダイオード104のアノードとの接続点に
接続される。ダイオード103のアノードが接地される。
ダイオード104のカソードがコンデンサ106の一端に接続
される。
商用電源101の他端が電源スイッチ105を介して、コン
デンサ106とコンデンサ107との接続点に接続される。コ
ンデンサ107の他端が接地される。
ダイオード104のカソードとコンデンサ106の一端との
接続点がスイッチングトランジスタ108のコレクタに接
続されるとともに、起動抵抗109の一端及び起動抵抗110
の一端に接続される。
抵抗109の他端がトランジスタ108のベースに接続され
るとともに、トランジスタ108のベースとそのエミッタ
との間にベースクランプダイオード111が配設される。
また、トランジスタ108のベースとそのエミッタとの間
に、コンデンサ112、抵抗113、周波数制御トランス114
の二次側コイル114Bとの直列接続が接続される。
抵抗110の他端がトランジスタ115のベースに接続され
るとともに、トランジスタ115のベースと接地間に、ベ
ースクランプダイオード116が配設される。また、トラ
ンジスタ115のベースと接地間に、コンデンサ117、抵抗
118、周波数制御トランス114の二次側コイル114Cとの直
列接続が接続される。トランジスタ115のエミッタが接
地される。
周波数制御トランス114は、その制御コイル114Dに流さ
れる制御電流に応じて、コイル114B及び114Cのインダク
タンスを可変できる構成とされる。この周波数制御トラ
ンス114としては、例えば直交型可飽和リアクタトラン
スが用いられる。
トランジスタ108のエミッタが周波数制御トランス114
の一次側コイル114Aの一端に接続される。周波数制御ト
ランス114の一次側コイル114Aの他端が電源出力トラン
ス119の一次側コイル119Aの一端に接続される。
電源出力トランス119の一次側コイル119Aの他端がコ
ンデンサ120の一端に接続される。コンデンサ120の他端
が接地される。
電源出力トランス119の二次側コイル119Bには、ダイ
オード121及び122と、コンデンサ123とからなる両波整
流平滑回路が接続される。この両波整流平滑回路の出力
が電源出力端子124から取り出されるとともに、エラー
アンプ125に供給される。電源出力トランス119の二次側
コイル119Bの中間タップが接地される。エラーアンプ12
5の出力が制御コイル114Dに供給される。
なお、電源出力トランス119の二次側コイル119Bの両
端には、発振起動コンデンサ126が接続される。
また、電源出力トランス119の二次側コイル119Bから
タップが導出され、このタップ出力端には、ダイオード
127、コンデンサ128からなる半波整流平滑回路が接続さ
れる。この半波整流平滑回路の出力が電源出力端子129
から取り出されるとともに、エラーアンプ125の動作電
源として、エラーアンプ125に供給される。
電源出力トランス119の二次側コイル119Cには、ダイ
オード130及び131と、コンデンサ132とからなる両波整
流平滑回路が接続される。この両波整流平滑回路の出力
が出力端子133及び134から取り出される。
商用電源101からの電源は、ダイオード103、104及び
コンデンサ106、107からなる倍圧整流回路で倍圧整流さ
れる。
整流された電源は、トランジスタ108及びトランジス
タ115によりスイッチングされ、周波数制御トランス114
の一次側コイル114Aを介して、電源出力トランス119の
一次側コイル119A及び共振コンデンサ120からなる電流
共振回路に供給される。これにより、一次側コイル119A
及び共振コンデンサ120からなる共振回路には、正弦波
状の電流が流される。
トランジスタ108及び115は、交互にオン/オフされ
る。トランジスタ108のスイッチング周波数は、コンデ
ンサ112、抵抗113、コイル114Bからなる直列回路により
設定される。トランジスタ115のスイッチング周波数
は、コンデンサ117、抵抗118、コイル114Cからなる直列
回路により設定される。
電源出力トランス119の二次側コイル119Bの出力は、
ダイオード121及び122、コンデンサ123からなる両波整
流平滑回路で整流される。電源出力端子26から、例えば
135Vの直流電源電圧が得られる。
また、電源出力トランス119の二次側コイル119Bのタ
ップ出力は、ダイオード127、コンデンサ128からなる半
波整流平滑回路で整流される。電源出力端子129から
は、例えば15Vの直流電源電圧が得られる。
また、電源出力トランス119の二次側コイル119Cの出
力は、ダイオード130及び131コンデンサ132からなる両
波整流平滑回路で整流される。電源出力端子133及び134
から、例えば30Vの直流電源電圧が得られる。
電源出力端子124から得られる電源出力は、エラーア
ンプ125に供給される。エラーアンプ125により、この出
力電源電圧に応じた制御電流が形成され、この制御電流
が周波数制御トランス114の制御コイル114Dに流され
る。これにより、周波数制御トランス114のコイル114B
及び114Cのインダクタンスが可変される。
周波数制御トランス114のコイル114B及び114Cのイン
ダクタンスが可変されると、トランジスタ108及び115の
スイッチング周波数が可変される。これにより、電源周
波数電圧が例えば135Vで安定化される。
〔発明が解決しようとする課題〕
上述の従来のスイッチング電源回路では、出力電源電
圧の変動に対して、コイル114B及び114Cのインダクタン
スが可変され、トランジスタ108及び115のスイッチング
周波数が制御され、出力電源電圧が安定化される。
このような従来のスイッチング電源回路では、入力電
源電圧の上昇に伴って、スイッチングトランジスタ108
及び115の損失が増大する。耐圧の高いトランジスタ
は、高周波スイッチングが困難である。このため、スイ
ッチング周波数を高く設定できず、スイッチング周波数
の制御範囲が50kHz〜100kHzの範囲に制限される。
スイッチング周波数が高く設定できないと、電源出力
トランス119が大型になり、共振コンデンサ120の容量が
大きくなるという問題が生じる。また、電源出力トラン
ス119の二次側に、発振起動コンデンサ126が必要にな
る。
また、最大負荷時に入力電源電圧の上昇に伴ってスイ
ッチングトランジスタ108、115、ベースクランプダイオ
ード111、116の損失が増大するため、信頼性が良くない
とともに、大きな放熱板が必要になる。
更に、このようなスイッチング電源回路では、第11図
に示すように、入力電源電圧の上昇に伴って、電力損失
が増大する。このため、信頼性が良くないともに、スイ
ッチング周波数制御のためのクロスレギュレーションが
良くない。
したがって、この発明の目的は、スイッチング周波数
を上げることができ、小型、転量化を図れ、損失が少な
く、信頼性が向上されるスイッチング電源回路を提供す
ることにある。
〔課題を解決するための手段〕
この発明は、電源出力トランス14の一次コイル14Aと
コンデンサ20とからなる共振回路と、共振回路に流れる
電流をオン/オフするスイッチング素子8,15と、スイッ
チング素子8,15を駆動する駆動回路とを有し、 電源出力トランス14の二次側出力に応じて、電源出力
トランス14の一次コイル14Aのインダクタンスを可変さ
せて共振回路の共振周波数を制御し、出力電圧を安定化
するようにしたスイッチング電源回路である。
〔作用〕
電源出力トランス14の二次側出力に応じて、電源出力
トランス14の一次側コイル14Aのインダクタンスが可変
されて共振回路の共振周波数が制御される。これによ
り、電源出力トランス14の二次側出力が安定化される。
零電流スイッチング動作が可能であるため、スイッチ
ング周波数を高く設定できる。このため、電源出力トラ
ンス14の小型、軽量化が図れるとともに、共振コンデン
サ20の容量を小さくできる。
また、入力電源電圧の上昇に伴って共振電流が減少す
るため、電源出力トランス14の一次コイル14Aの損失が
低減し、電力損失を低減させることかできる。
〔実施例〕
以下、この発明の一実施例について図面を参照して説
明する。
第1図は、この発明の一実施例を示すものである。第
1図において、例えば90V〜144Vの商用電源1の一端が
インラッシュ抵抗2を介してダイオード3のカソードと
ダイオード4のアノードとの接続点に接続される。ダイ
オード3のアノードが接地される。ダイオード4のカソ
ードがコンデンサ6の一端に接続される。
商用電源1の他端が電源スイッチ5を介して、コンデ
ンサ6とコンデンサ7との接続点に接続される。コンデ
ンサ7の他端が接地される。
ダイオード4のカソードとコンデンサ6の一端との接
続点がスイッチングトランジスタ8のコレクタに接続さ
れるとともに、起動抵抗9の一端及び起動抵抗10の一端
に接続される。
抵抗9の他端がトランジスタ8のベースに接続される
とともに、トランジスタ8のベースとそのエミッタとの
間に、ベースクランプダイオード11が配設される。ま
た、トランジスタ8のベースとそのエミッタとの間に、
コンデンサ12、抵抗13、コイル35、共振周波数制御電源
出力トランス14の励振コイル14Eとの直列接続が接続さ
れる。
抵抗10の他端がトランジスタ15のベースに接続される
とともに、トランジスタ15のベースと接地間に、ベース
クランプダイオード16が配設される。また、トランジス
タ15のベースと接地間にコンデンサ17、抵抗18、コイル
36、共振周波数制御電源出力トランス14の励振コイル14
Fの直列接続が接続される。トランジスタ15のエミッタ
が接地される。
トランジスタ8のエミッタが共振コンデンサ20の一端
に接続される。共振コンデンサ20の他端が共振周波数制
御電源出力トランス14の一次側コイル14Aの一端に接続
される。一次側コイル14Aの他端が接地される。
共振周波数制御電源出力トランス14の二次側コイル14
Bには、ダイオード21及び22と、コンデンサ23とからな
る両波整流平滑回路が接続される。この両波整流平滑回
路の出力が電源出力端子24から取り出されるとともに、
エラーアンプ25に供給される。共振周波数制御電源出力
トランス14の二次側コイル14Bのセンタタップは接地さ
れる。
また、共振周波数制御電源出力トランス14の二次側コ
イル14Bからタップが導出され、このタップ出力端に
は、ダイオード27、コンデンサ28からなる半波整流滑回
路が接続される。この半波整流平滑回路の出力が電源出
力端子29から取り出されるとともに、エラーアンプ25の
動作電源として、エラーアンプ25に供給される。
電源出力トランス14の二次側コイル14Cには、ダイオ
ード30及び31と、コンデンサ32とからなる両波整流平滑
回路が接続される。この両波整流平滑回路の出力が出力
端子33及び34から取り出される。
エラーアンプ25の出力が共振周波数制御電源出力トラ
ンス14の制御コイル14Dに供給される。これにより、共
振周波数制御電源出力トランス14の一次側コイル14Aの
インダクタンスが可変される。
共振周波数制御電源出力トランス14は、第2図〜第4
図に示すようにして構成される。
第2図は、共振周波数制御電源出力トランス14を直交
型トランスを用いて構成した例である。第2図におい
て、コア41の磁脚41A〜41Dとコア42の磁脚42A〜42Dと
は、ギャップを介して接合される。コア41の磁脚41Cと
磁脚41Dとの間に、一次側コイル14A、二次側コイル14B
及び14C、コイル14E及び14Fが巻回される。コア42の磁
脚42Aと磁脚42Cとの間に、制御コイル14Dが巻回され
る。
第3図は、共振周波数制御電源出力トランス14を変形
直交トランスを用いて構成したものである。第3図にお
いて、コ字状のコア51の磁脚51A及び51Bの端部に、コ字
状のコア53及び54が接合される。コ字状のコア52の磁脚
52A及び52Bの端部に、コ字状のコア55及び56が接合され
る。コア53の字脚53A及び53Bと、コア55の磁脚55A及び5
5Bとが接合される。コア54の磁脚54A及び54Bと、コア56
の磁脚56A及び56Bとが接合される。コア51の磁脚51Bに
一次側コイル14A、二次側コイルB及び14Cが巻回され
る。コア52の磁脚52Bに、コイル14E及び14Fが巻回され
る。コア53及び55の磁脚53A及び55Aと、コア54及び55の
磁脚54A及び56Bとの間に、制御コイル14Dが巻回され
る。
第4図は、共振周波数制御電源出力トランス14をEE結
合型トランスで構成した例である。第4図において、E
字形のコア61の磁脚61A〜61CとE字形のコア62の磁脚62
A〜62Cとが接合される。コア61及び62の中心の磁脚61
B、62Bに、一次側コイル14A、二次側コイル14B及び14
C、コイル14E及び14Fが巻回される。コア62の磁脚62A及
び62Cに、制御コイル14Dが1/2づつ分割巻回される。
第2図〜第4図に示すように構成される共振周波数制
御電源出力トランス14トランスでは、制御コイル14Dに
流される制御電流に応じて、一次側コイル14Aのインダ
クタンスを可変させることができる。
第1図において、商用電源1からの電源は、ダイオー
ド3、4及びコンデンサ6、7からなる倍圧整流回路で
倍圧整流される。
整流された電源は、トランジスタ8及びトランジスタ
15によりスイッチングされ、共振周波数制御電源出力ト
ランス14の一次側コイル14A及び共振コンデンサ20から
なる直列共振回路に流される。この電流は、一次側コイ
ル14A及び共振コンデンサ20からなる電流共振回路によ
り、正弦波状となる。
トランジスタ8及び15は、交互にオン/オフされる。
トランジスタ8のスイッチング周波数は、コンデンサ1
2、抵抗13、コイル35からなる直列回路により設定され
る。トランジスタ15のスイッチング周波数は、コンデン
サ17、抵抗18、コイル36からなる直列回路により設定さ
れる。
共振周波数制御電源出力トランス14の二次側コイル14
Bの出力は、ダイオード21及び22、コンデンサ23からな
る両波整流平滑回路で整流される。電源出力端子24か
ら、例えば135Vの直流電源電圧が得られる。
また、共振周波数制御電源出力トランス14の二次側コ
イル14Bのタップ出力は、ダイオード27、コンデンサ28
からなる半波整流平滑回路で整流される。電源出力端子
29からは、例えば15Vの直流電源電圧が得られる。
また、共振周波数制御電源出力トランス14の二次側コ
イル14Cの出力は、ダイオード30及び31、コンデンサ32
からなる両波整流平滑回路で整流される。電源出力端子
33及び34から、例えば30Vの直流電源電圧が得られる。
電源出力端子26から得られる電源出力は、エラーアン
プ25に供給される。エラーアンプ25により、この出力電
源電圧に応じた制御電流Icが形成され、この制御電流Ic
が共振周波数制御電源出力トランス14の制御コイル14D
に流される。これにより、共振周波数制御電源出力トラ
ンス14の一次側コイル14Aのインダクタンスが可変され
る。
共振周波数制御電源出力トランス14の一次側コイル14
Aのインダクタンスが可変されると、共振周波数制御電
源出力トランス14の一次側コイル14Aとコンデンサ20と
からなる電流共振回路の共振周波数が制御される。これ
により、電源出力電圧が例えば135Vで安定化される。
つまり、第5図において、A1は最大負荷、最小入力電
圧の時の周波数と出力電圧の特性を示すものである。最
大負荷、最小入力電圧の時に、最制御電流Icが最大にな
るように設定される。この時の一次側コイル14Aと共振
コンデンサ20とからなる共振回路の共振周波数はf01
ある。一次側コイル14Aと共振コンデンサ20とからなる
共振回路の共振周波数f01とスイッチング周波数fsとの
関係は、(fs≦f01)に設定される。
A2は最小負荷、最大入力電圧の時の特性である。この
時、制御電流Icが最小とされ、一次側コイル14Aと共振
コンデンサ20とからなる共振回路の共振周波数がΔf0
け下げられ、f02に設定される。これにより、出力電圧
が例えば135Vで安定化される。
入力電圧が例えば90Vで、最大負荷の時には、第6図
A示すように、一次側コイル14Aと共振コンデンサ20と
からなる共振回路に共振電流IA1が流される。そして、
第6図Bに示すように、スイッチングトランジスタ8に
電流ICP1が流される。この時、トランジスタ8の両端に
は、第6図Cに示すような電圧VCP1が生じる。
入力電圧が例えば133Vで、最大負荷の時には、共振周
波数が下げられ、第7図Aに示すように、一次側コイル
14Aと共振コンデンサ20とからなる共振回路に共振電流I
A2が流される。そして、第7図Bに示すように、スイッ
チングトランジスタ8に電流ICP2が流される。この時、
トランジスタ8の両端には、第7図Cに示すような電圧
VCP2が生じる。
この発明の一実施例では、入力電圧の上昇に伴って、
一次コイル14Aと共振コンデンサ20とからなる共振回路
に流れる共振電流IAが減少する。
つまり、入力電圧が90Vの時に共振回路に流れる共振
電流をIA1、一次側コイル18AのインダクタンスをLとす
ると、入力電圧が90Vで最大負荷の時に共振コイル18Aに
蓄えられる電磁エネルギーは、 (1/2)LIA1 2 である。入力電圧が144Vに上がり、一次側コイル14Aの
インダクタンスがΔL変化したとするすると、最大負荷
の時になった時に蓄えられる電磁エネルギーは、共振電
流をIA2とすると、 (1/2)(L+ΔL)IA2 2 になる。このことから、入力電圧が90Vから144Vに変化
すると、 (1/2)LIA1 2=(1/2)(L+ΔL)IA2 2 だけ共振電流が減少する。
このように、入力電圧の上昇に伴って共振電流IAが減
少するし。このため、入力電源電圧が上昇した時の一次
側コイル14Aの損失が少なくなり、スイッチングトラン
ジスタ8,15の効率が良くなる。
すなわち、第8図は、この発明の一実施例における入
力電圧とDC-DC変換効率との関係を示すものである。こ
の発明の一実施例では、第8図に示すように、入力電圧
の上昇に伴って、変換効率が向上する。したがって、ス
イッチング周波数を高く設定することができる。
第9図は、この発明の他の実施例を示すものである。
前述の一実施例では、入力電源をダイオード3及び4
からなる倍圧整流回路で倍圧整流し、トランジスタ8及
び15からなるハーフブリッジ構成のスイッチング回路で
スイッチングしている。これに対して、この実施例で
は、入力電源をブリッジ整流器70及びコンデンサ71で全
波整流するとともに、スイッチングトランジスタをフル
ブリッジ構成で配設している。すなわち、第9図におい
て、スイッチングトランジスタ72、75がオンの時、スイ
ッチングトランジスタ74、73がオフし、スイッチングト
ランジスタ74、73がオンの時、スイッチングトランジス
タ72、75がオフする。トランジスタ72〜75のそれぞれに
対して、ベースクランプダイオード76〜79、起動抵抗80
〜83が配設される。トランジスタ72のスイッチング周波
数は、コンデンサ85、抵抗86、コイル90Aの直列回路に
より決まり、トランジスタ73のスイッチング周波数は、
コンデンサ88、抵抗89、コイル90Bの直列回路により決
まり、トランジスタ74のスイッチング周波数は、コンデ
ンサ91、抵抗92、コイル90Cの直列回路により決まり、
トランジスタ75のスイッチング周波数は、コンデンサ9
4、抵抗95、コイル90Dの直列回路により決まる。このよ
うに、入力電源を両波整流してフルブリッジ構成のスイ
ッチング回路でスイッチングした場合、入力電源を倍圧
整流してハーフブリッジ構成のスイッチング回路でスイ
ッチングした場合と同様の共振電流を流せる。このた
め、各スイッチングトランジスタの蓄積時間が1/2に減
少するため、より高周波のスイッチングが行なえる。
〔発明の効果〕
この発明によれば、零電流スイッチング動作が可能で
あるため、スイッチング周波数を高く(例えば周波数20
0kHz〜500kHz)設定できる。このため、電源出力トラン
スの小型、軽量化が図れるとともに、共振コンデンサの
容量を小さくできる。
また、入力電源電圧の上昇に伴ってトランス共振電流
が減少するため、電源出力トランスの一次側コイルの損
失が低減し、電力損失が低減する。
更に、電源出力トランスの一次側と2次側とが密であ
り、漏洩磁束が減少し、スイッチング周波数が一定のた
め、クロスレギュレーションが改善される。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの発明の一実施例の接続図,第2図はこの発
明の一実施例における共振周波数制御電源出力トランス
の一例の斜視図,第3図はこの発明の一実施例における
共振周波数制御電源出力トランスの他の例の斜視図,第
4図はこの発明の一実施例における共振周波数制御電源
出力トランスの更に他の例の斜視図,第5図はこの発明
の一実施例の説明に用いるグラフ,第6図及び第7図は
この発明の一実施例の説明に用いる波形図,第8図はこ
の発明の一実施例の説明に用いるグラフ,第9図はこの
発明の他の実施例の接続図,第10図は従来のスイッチン
グ電源回路の一例の接続図,第11図は従来のスイッチン
グ電源回路の一例の説明に用いるグラフである。 図面における主要な符号の説明 11,15……スイッチングトランジスタ,14……共振周波数
制御電源出力トランス,20……共振コンデンサ。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一次コイルと二次コイルと前記一次コイル
    のインダクタンスを可変するための制御コイルを備えた
    電源出力トランスと、 前記電源出力トランスの前記一次コイルに対して直列に
    接続されて前記電源出力トランスの前記一次コイルとと
    もに直列共振回路を形成するコンデンサと、 前記直列共振回路と電源の一方しとの間に接続された第
    1のスイッチング素子と、 前記直列共振回路と前記電源の他方との間に接続された
    第2のスイッチング素子と、 前記第1のスイッチング素子と前記第2のスイッチング
    素子を交互にオンオフするようにスイッチングさせるた
    めの駆動回路と、 前記電源出力トランスの前記二次コイルに得られる出力
    電圧に応じて前記制御コイルに流れる電流を制御するた
    めの制御回路とを備えており、 前記第1のスイッチング素子と前記第2のスイッチ素子
    のスイッチング周波数を、最大負荷最小入力電圧時にお
    ける前記直列共振回路の直列共振周波数よりも僅かに低
    い一定周波数に設定するとともに、 前記電源出力トランスの前記二次コイルに得れる出力電
    圧が上昇しようとしたときには制御回路により前記電源
    出力トランスの前記一次コイルのインダクタンスを増加
    させて前記直列共振回路の直列共振周波数を低下させ、
    これにより前記電源出力トランスの前記二次コイルに得
    られる出力電圧を安定化するようにしたスイッチング電
    源回路。
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